JP2814047B2 - 機器の接続装置 - Google Patents

機器の接続装置

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JP2814047B2
JP2814047B2 JP11524593A JP11524593A JP2814047B2 JP 2814047 B2 JP2814047 B2 JP 2814047B2 JP 11524593 A JP11524593 A JP 11524593A JP 11524593 A JP11524593 A JP 11524593A JP 2814047 B2 JP2814047 B2 JP 2814047B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機器等を接続するため
の接続部材に関し、特に、一方の機器に対して装着側の
機器を接続するに際して、装着部にガタ等が生じない状
態で接続し得るとともに、接続作業を容易に行い得るよ
うに構成してなる機器の接続装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、固定側の機器に対して他の部材
を接続する際には、接続される機器等を固定側にボルト
等を用いて固定する手段等が一般に用いられている。そ
して、そのように、ボルト等を用いて固定する場合に
は、固定側の機器のフレームに対してボルト用の孔を形
成し、接続される機器に対しては、ボルトにより固定す
るためのフランジ等を配置し、該フランジを介して取り
付けるような方法が用いられる。前述したように、2つ
の部材をボルトを用いて固定する手段の他に、一般にバ
ヨネット結合と呼ばれる方式が用いられる場合がある。
例えば、実公昭47−20729号公報等に示されるよ
うに、固定側の機器に設けた部材に配置した突起を、装
着側の部材に設けた略T字状またはL字状の受け溝に係
止させる機構等を用いることがある。
【0003】そして、前記ボルトを用いて固定する場合
には、両部材の接続部に力が付与される場合にも、接続
状態を良好に維持することができ、確実な固定作用を行
うことができる。また、バヨネット機構を用いる場合に
は、例えば、固定側の部材に対して、装着側の部材を係
合させて、所定の角度回転させることにより、2つの部
材の固定を容易に行うことができる。さらに、前記各従
来例の他に、一方の部材に設けた孔に対して装着側の部
材を差し込み、少しだけ回転することにより、両部材の
固定を行い得るような機構を用いる場合もあり、そのよ
うな方式を用いる場合でも、2つの部材の固定を容易に
行うことができるものとされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述したよ
うな部材の固定方法において、ボルト等を用いて固定す
る方式を用いる場合には、双方の部材に固定用のねじ孔
を設けたフランジ等を設ける必要があり、そのフランジ
を介してボルトを装着し、ナットを組み合わせて締め付
ける必要があり、装着する際の作業が面倒である。前記
方式は、特に接続部に強度を要求する装置では、そのよ
うな取り付け手段を用いることが要求されるものの、接
続部材の機構が複雑になるという問題もある。
【0005】また、バヨネット方式の接続部を構成する
場合には、固定側に取り付けた部材に対して、装着側の
部材を組み合わせて、若干回転させるのみで、両部材の
固定を容易に行い得るという特徴を発揮することができ
る。しかし、そのような接続方法を用いる場合には、固
定部に設ける係止手段に対して、接続される部材の被係
止手段との間に、装着方向に余裕部分を設ける必要があ
り、その余裕部分が、係合された後での両部材の間のガ
タとして残ることになる。したがって、前述したような
接続方法を用いる場合には、両部材の接続部が確実に固
定保持される状態とはならず、その接続部に振動等が付
与されると、接続状態が不安定になる等の問題も発生す
る。
【0006】
【発明の目的】本発明は、前述したような従来の接続装
置の問題を解消するもので、装着の動作を容易に行い得
るとともに、接続部に応力が加えられた場合にも、その
応力が爪部材を圧縮する方向に作用し、接続部にガタ等
が生じないような機器の接続装置を提供することを目的
としている。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】本発明は、機
器の一方に固定される円筒状部材に対して、接続する他
方の機器に挿入側部材を配置し、前記円筒状部材に挿入
側部材を装着することにより、一方の機器に対して他の
機器を接続する装置に関する。本発明においては、前記
固定側に配置する円筒状部材を貫通孔の内面にリング状
に突出する突条に対して、表面側にテーパ面等の接合面
を、奥側に円弧面を設けたものを用い、前記挿入側部材
には、本体の先端部に接合面を介して挿入側頭部を突出
させて設け、前記挿入側頭部には、内側に爪用バネを配
置した爪部材を揺動可能に設け、前記爪用バネにより爪
部材の下部を挿入側頭部の外側に向けて突出させる方向
に付勢するとともに、前記爪部材の抜け出しを防止する
固定ボルト部材を挿入側頭部の頂部に配置している。そ
して、円筒状部材に挿入側部材を装着し、両部材の接合
面が接する位置で、円筒状部材に設けた円弧面と、挿入
側部材に設けた円弧面とが連続する面を形成し、前記円
弧面に爪部材の円弧部が摺動する状態で揺動し、固定ボ
ルト部材の頭部と、挿入側部材に形成する円弧面との間
で爪部材を押圧することにより両部材の係止状態を設定
するように構成している。
【0008】前述したように構成したことにより、本発
明の接続部材においては、一方の部材または固定側に設
けた円筒状部材に対して、他方の部材に設けた挿入側部
材を装着するのみで、接続部を形成することができ、そ
の装着作業を容易に行うことができる。また、接続部に
対して外力が加えられた状態でも、爪部材に対して圧縮
する方向にのみ力が作用するので、接続部の強度を維持
することができるとともに、接続部にガタが生じない状
態で、両部材の接続を行うことができる。さらに、本発
明の接続部材は、取り外し不能な状態で機器の固定を行
うことが可能であるが、円筒状部材側から固定ボルト部
材を取り外すこと等により、接続状態を解除することが
できる。
【0009】
【実施例】図示される例にしたがって、本発明の機器の
接続装置を説明する。図1および、図2に示される例
は、本発明の接続部材の接続状態と、接続する直前の状
態とを示しているもので、図に示されるように、本発明
の接続部材1は、機器の一方の側(例えば固定側)に配
置する円筒状部材10と、他方の側(装着側)に配置す
る挿入側部材20とから構成される。そして、前記円筒
状部材に対して挿入側部材20を押し込むことにより、
両部材の係合状態を維持できるように構成している。前
記接続部材1の一方の部材としての円筒状部材10は、
略円筒状の部材として構成され、前記円筒状部材10の
本体11の一部を、固定側の機器に溶接やねじ込み等の
任意の手段を用いて取り付けておく。また、接続部材の
他方の部材を構成する挿入側部材20は、装着する他の
機器に対して、円筒状部材と同様に、溶接やねじ込み等
の任意の接続手段を用いて取り付けておき、前記円筒状
部材10に対して装着するようにしている。
【0010】前述したように構成される接続部材におい
て、固定側の部材として用いられる円筒状部材10は、
図3に示されるように構成される。前記図3に示される
円筒状部材10では、略円筒状の本体11の内部には、
貫通孔12が軸方向に貫通するように設けられている。
前記貫通孔12には、挿入側部材に対向する側に、突条
13を孔の内面に突出させる状態に設けており、前記突
条13の挿入側部材に対応する側には、接合面としての
テーパ面15による挿入頭部の案内手段を構成し、その
反対の奥の側には円弧面14を設けている。前記円弧面
14は、後述する爪部材30の下部円弧面に対応する円
弧状の面として形成されており、爪部材を挿入した状態
で、前記爪部材30が外側に揺動された際に、該爪部材
の下部円弧面が円筒状部材の円弧面に係合するようにさ
れる。
【0011】前記円筒状部材10に挿入し、爪部材を係
合させて接続を行うための挿入側部材20は、図4に示
されるように構成されている。前記図4に示される挿入
側部材20では、円柱状の本体21の先端部に、接合面
としてのテーパ面22を介して複数本の支柱26を配置
し、挿入側頭部25を設けている。また、前記頭部25
を構成するそれぞれの支柱の間には、爪挿入用スリット
28を形成して、後述する爪部材30を、爪挿入用スリ
ット28の部分で揺動可能に支持する機構を構成する。
また、前記支柱の先端部には、ピン用溝27をそれぞれ
配置し、各ピン用溝27に対して爪部材30のピン32
を支持させ、爪部材の下部円弧面の揺動を許容するため
の円弧面24を、爪挿入用スリット28の基部に設けて
いる。
【0012】さらに、前記挿入側部材20の本体21に
対しては、その軸方向に先端部側からネジ孔23を設け
ており、前記ネジ孔23に対して、図1に示されるよう
に固定ボルト部材40のネジ部を挿入して、固定ボルト
部材に対する固定保持を行い得るようにしている。な
お、前記挿入側部材20の先端部に配置するテーパ面2
2は、前記円筒状部材10のテーパ面15と一致する傾
斜面として構成されており、円筒状部材に対して挿入側
部材を装着した状態で、両部材のテーパ部が係合するよ
うにされる。なお、本発明の実施例において、2つの部
材10、20の接合面をテーパ面として構成する場合に
ついてのみ説明を行うが、本発明においては、前記接合
面としては、任意の形状に構成することができるもの
で、段部を設けて傾斜角度の異なるテーパ面を形成する
こともできる。また、両部材の接続状態を良好に維持で
きるものであれば、凹凸を組み合わせた接合面を構成す
ることも可能である。
【0013】前記挿入側部材20の支柱の間に取り付け
られる爪部材30は、図5、6に示されるように構成さ
れるもので、爪部材30の本体31の上面33は、爪部
材が揺動される状態で、固定ボルト部材の頭部の下面に
接するように、平面状の面として構成される。また、本
体の下部に設ける下部円弧面34は、前記挿入側部材2
0の円弧面24、および、円筒状部材10の円弧面14
と一致する形状に構成されており、前記挿入側部材と円
筒状部材との2つの部材に設けた円弧面24、34に対
して、爪部材30の下部円弧面34が非常に小さな隙間
を介して摺動可能に構成される。さらに、前記爪部材3
0の外面35は、円弧状に形成されており、前記支柱2
6とともに、円筒状部材の突部の径よりも僅かに小さな
径の円弧を構成する状態になるように形成され、前記外
面35に対して、内側の面36は、内側に至るほど、幅
が狭くなるようなテーパ状に形成されている。そして、
前記爪部材のテーパ状の面は、支柱の側面に対して一致
する状態に設けられて、爪部材を閉じる状態にすること
により、支柱と爪部材とにより構成される表面が、前述
したように、円筒状部材の孔の小径部にほぼ一致する状
態とされる。前記図5、6に示される爪部材30では、
図7に示されるように、内側の垂直面35と、下部の円
弧面34の接線x−xとがなす角度θを、比較的小さい
角度に設定している。そして、前記図7の角度を小さな
値として構成することにより、前記爪部材30をバネに
より外側に揺動させた状態では、開いた状態のままで上
下に押圧力が付与され、両部材の係止状態を解除できな
い機構のものとなる。
【0014】また、前記図4に示される挿入側部材20
に対して、図5の爪部材30を取り付け、その爪部材が
外れないように保持するとともに、爪部材に対して加え
られる圧力を受ける部材として、図8に示されるような
固定ボルト部材40を取り付けている。前記固定ボルト
部材40は、大径の頭部41の下部に円柱状の本体43
を設けて、前記本体41の下部にネジ部44を設けてお
り、該ネジ部44を挿入側部材20の本体に設けたネジ
孔33にねじ込んで固定保持させることにより、頭部4
1の下面が爪部材30の上面33を押圧する状態で、爪
部材に対する保持の作用を行うことができる。また、前
記固定ボルト部材40をねじ込むために、頭部41には
六角ネジ孔42を設けており、該固定ボルト部材を挿入
側部材20に取り付ける作業を容易に行い得るようにす
る。
【0015】前記挿入側部材に取り付けられる爪部材に
対して、内側から外側に向けて付勢するために、図9に
示されるように、爪用バネ50を配置している。前記爪
用バネ50は、バネ板部材により構成されるもので、板
状の本体51から突部52を所定の高さに突出させて設
け、前記爪用バネ50を固定ボルト部材の本体の周囲に
円形状に配置し、突部52を爪部材30に対応する位置
に配置する。そして、前記爪用バネ50の突部52によ
り、爪部材30を外側に向けて付勢し、挿入側部材20
を円筒状部材10に挿入した状態で、両部材の係止を爪
部材30を介して行う機構を構成することができる。
【0016】前述したように構成された爪部材と固定ボ
ルト部材とを挿入側部材に組み合わせ、円筒状部材に装
着する場合には、前述したように、図2に示される状態
から、図1に示される状態となり、円筒状部材の貫通孔
12に対して、挿入側部材20の挿入側頭部25を挿入
すると、爪部材30を用いて両部材の固定係止を行うこ
とができる。本発明の接続部材において、挿入側部材2
0の挿入側頭部25を、円筒状部材10の貫通孔12に
挿入する場合には、貫通孔12の突条13の径に沿うよ
うに、爪部材30が縮小されながら入り込む状態とな
る。そして、図1に示されるように、挿入側部材20と
円筒状部材10とが組み合わされて、両部材のテーパ面
15、22が一致する状態となり、また、筒状部材の円
弧面14と挿入側部材の円弧面24との面が一致する状
態となる。
【0017】前述したように、両部材が係合された状態
では、爪用バネ50により内部から付勢されている爪部
材30が、ピン32を介して揺動され、前記爪部材30
の下部円弧面34が円筒状部材10の円弧面14に係合
する状態となる。前記爪部材30が揺動されると、その
本体の上面33が、固定ボルト部材40の頭部41の下
面に接する状態となり、爪部材30は円筒状部材の円弧
面と固定ボルト部材の頭部の下面との間に、ほとんど隙
間が形成されない状態で接続され、その接続状態を保持
できることになる。そして、前記接続部材を構成する挿
入側部材20と円筒状部材10との間に加えられる引っ
張り応力は、爪部材30を圧縮する力として作用するこ
とになり、前記挿入側部材と円筒状部材、および、それ
等に設けられる他の部材を、強度の大きなステンレスや
鉄等の材料を用いて構成することにより、接続部の強度
を大きくすることができる。
【0018】また、本発明の接続部材では、挿入側部材
の挿入頭部を円筒状部材に対して挿入し、爪部材がピン
を介して外側に向けて揺動された状態で、両部材の接続
関係が設定されるものであり、その状態では、両部材の
接合部に設けたテーパ部が一致する。したがって、前記
爪部材を介して挿入側部材と円筒状部材とを接続する部
分では、ほとんどガタが形成されない状態となり、前記
接続部材では遊びがない状態で接続部が形成されること
になる。
【0019】なお、前記図1に示される状態で、円筒状
部材10に対して挿入側部材20を取り付けると、両部
材の接続状態を解除することができないものとなる。そ
こで、前記接続部材の接続状態を解除するためには、前
記円筒状部材10の裏面側から、ドライバーのような工
具を差し込み、固定ボルト部材40の六角ネジ孔42に
係合させて、前記固定ボルト部材40を逆回転させるよ
うにする。そして、前記固定ボルト部材40を挿入側部
材20のネジ孔から抜き出すと、固定ボルト部材40の
頭部41による爪部材30への押圧が解除され、爪部材
30が外れることにより、挿入側部材20は円筒状部材
に対して固定状態が解除され、挿入側部材を容易に取り
外すことができる。
【0020】前記実施例に示された接続部材において、
爪部材を図10および図11に示されるように構成する
ことが可能であり、円筒状部材を図13に示されるよう
に構成することができる。前記図10、11に示される
爪部材の変形例においては、爪部材30aの本体の上部
に配置するピン32は、前記図6の場合と同様に構成さ
れるが、本体の下部に形成される下部円弧面34aは、
円弧面の中心が爪部材に対して下方に位置する形状の、
曲率を持った面として構成される。また、前記本体の上
部の面33aは、該爪部材が外側に揺動された状態で、
固定ボルト部材の頭部の下面に一致する平面状に形成さ
れる。前記図10、11に示される爪部材の例では、図
12に示されるように、内側の垂直面35aと、下部の
円弧面34aの接線x−xとがなす角度θを、比較的大
きい角度に設定している。そして、前記図12の角度を
大きな値として構成することにより、前記爪部材30を
バネにより外側に揺動させた状態では、バネの力のみに
より固定状態を維持できるものとなり、大きな力が付与
された状態では、爪部材の係止状態を容易に解除するこ
とができるものとなる。
【0021】さらに、前記図13に示される固定側の部
材としての円筒状部材の例では、前記爪部材30aに設
ける下部円弧面34aに対応させて、円弧面14aの曲
率を規定しており、貫通孔12aの先端部に配置するテ
ーパ面15aも、緩い傾斜を有する面として形成され
る。そして、前記図13に示される円筒状部材10aに
対して、図10に示される爪部材30aを設けた挿入側
部材を挿入することにより、両部材の係止状態を爪部材
を介して確保することができる。したがって、前記図1
に示される状態に挿入側部材を円筒状部材に装着する
と、爪部材に対して内部から付勢する爪用バネにより、
爪部材は開いた状態のままで固定状態が保持されるの
で、本発明の接続部材は、再び取り外すことができない
ものとなる。なお、前述したように構成される本発明の
接続装置では、爪部材を付勢する爪用バネの形状は特に
限定されることはなく、任意の構成の爪用バネを用いる
ことができる。
【0022】前記図12に示される爪部材30aを設け
た挿入側部材と、図13に示される円筒状部材10aと
を組み合わせた状態は、図14に示されるようになる。
前記図14に示される例において、挿入側部材20に設
けた爪部材30aは、バネ50aによりピンを介して外
側に付勢される状態となる。そして、爪部材30aの円
弧面34aを円筒状部材10aの円弧面14aに対して
係合させて、両部材10a、20を係止する作用を行わ
せるようにする。前記実施例においては、爪部材が固定
ボルト部材40と円筒部材の円弧面14aとの間で保持
される作用は、爪用バネ50aの押圧力にのみ頼ってい
る状態となる。したがって、前記爪用バネの力よりも大
きな引っ張り力が、両部材10a、20の間に作用する
と、その接続状態を容易に解除できるものとなる。
【0023】また、前記図13に示される円筒状部材1
0aとは別に、本発明の円筒状部材では、図15、16
に示されるように、円筒状部材60を半割り形状の2つ
の部材61、62により構成し、両部材61、62に設
けたフランジ63、64を介してボルト等により接続し
て、円筒状の部材を構成することができる。本変形例に
示されるように、円筒状部材を半割り状の部材として構
成する場合には、前記図3、11に示されるように、円
筒の内面にテーパ面と円弧面とを設けた突条を、切削加
工等の手段を用いて製造する必要がなく、例えば、プレ
ス加工手段を用いて、円筒状部材を作成することができ
る。
【0024】そして、前記2つの半円形の部材により構
成した円筒状部材60では、その軸方向に貫通孔65を
設け、該貫通孔65の挿入側に突条66を配置して、該
突条66の先端部側にテーパ面68を、奥側に円弧面6
7をそれぞれ配置して、挿入側部材の爪部材を係止する
機構を形成することができる。したがって、前記図1
5、16に示されるように、円筒状部材を2つ割りの状
態で構成する場合には、該半割り状の部材の一方を機器
に対して固定しておき、その後で他方の部材を固定可能
に設けることができ、さらに、接続部材から挿入側部材
を取り外す際には、着脱可能な円筒状部材の一方を取り
外すことにより、接続状態を容易に解除することができ
る。
【0025】また、本発明においては、前記図1に示さ
れる接続部材に対して、挿入側部材に設ける爪部材を、
爪用バネを用いずに支持させ、爪部材のみを自由に揺動
させる機構を構成することもできる。前述したように、
爪部材に対してバネを設けない状態では、前記図5、6
に示される爪部材30は、ピン32に対して、本体の重
心が外面側に片寄った状態の部材として構成されること
になる。したがって、前記爪部材をピンの部分が上にな
る状態で、挿入側部材の挿入頭部に支持すると、その爪
部材の重心の位置により、図6のピンに対して反時計方
向に揺動しようとする作用が生じ、頭部に支持される爪
部材は外径が縮小する方向に揺動される。これに対し
て、前記図4の挿入側部材に対して、爪部材を装着した
挿入側部材を頭部が下向きになる状態にすると、爪部材
の下部(下面34の側)は、頭部25に対して外側に突
出する方向に揺動し、頭部25の基部の径が大きくなる
ように、爪部材の自重で付勢される。
【0026】そこで、前記図1に示される接続部材にお
いて、挿入側部材20に対して爪部材を付勢する爪用バ
ネを設けないで、該爪部材の上部に対して固定ボルト部
材40を装着し、爪部材が重心の位置に対応して揺動さ
れるようにする場合には、円筒状部材10のテーパ面を
上向きになるようにして、機器に固定しておく。そし
て、挿入側部材20を装着した接続側の機器を、挿入側
部材が下向きになるようにして円筒状部材に装着する
と、円筒状部材に対して挿入側部材が係合された状態
で、爪部材の重心の位置に応じて、自由側の端部が外方
に開かれ、両部材の係止状態が設定され、そのままの状
態では、挿入側部材は円筒状部材から容易に外れないよ
うになる。
【0027】前述したようにして、接続される挿入側部
材では、接続部材を装着時に対して天地を逆にする方向
に回転させ、円筒状部材を上側に向けて挿入側部材を下
側にする状態で、爪部材による係止が自動的に解除され
ることになり、挿入側部材を容易に引き出すことができ
るものとなる。なお、前記図1と逆の状態にして、接続
部材を構成する装置では、特に厳密に固定状態を設定し
ない場合や、小型の装置の接続に適用することができ
る。
【0028】
【発明の効果】前述したように構成したことにより、本
発明の機器の接続装置においては、接続部材の一方の部
材に設けた円筒状部材に対して、他方の部材に設けた挿
入側部材を装着するのみで、接続部を形成することがで
き、その装着作業を容易に行うことができる。また、接
続部に対して外力が加えられた状態でも、爪部材に対し
て圧縮する方向にのみ力が作用するので、接続部の強度
を維持することができるとともに、接続部にガタが生じ
ない状態で、両部材の接続を行うことができる。さら
に、本発明の接続部材は、取り外し不能な状態で機器の
固定を行うことが可能であるが、円筒状部材側から固定
ボルト部材を取り外すことにより接続状態を解除するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の機器の接続装置の構成を示す断面図
である。
【図2】 円筒状部材に対して挿入側部材を挿入する途
中の状態の説明図である。
【図3】 本発明の円筒状部材の構成を示す断面図であ
る。
【図4】 本発明の挿入側部材の構成を示す説明図であ
る。
【図5】 挿入側部材に設ける爪部材の正面図である。
【図6】 図5の爪部材の側面図である。
【図7】 図5の爪部材における円弧面の状態を示す説
明図である。
【図8】 本発明の固定ボルト部材の説明図である。
【図9】 爪用バネを開いた状態の説明図である。
【図10】 本発明の爪部材の別の実施例の正面図であ
る。
【図11】 図10の爪部材の側面図である。
【図12】 図10の爪部材における円弧面の状態を示
す説明図である。
【図13】 円筒状部材の別の実施例の説明図である。
【図14】 本発明の機器の接続装置の別の実施例の構
成を示す断面図である。
【図15】 円筒状部材を2つ割り状に構成する場合の
平面図である。
【図16】 図15の円筒状部材の説明図である。
【符号の説明】
1 接続部材、 10 円筒状部材、 12 貫
通孔、13 突条、 14 円弧面、 15 テ
ーパ面、20 挿入側部材、 21 本体、 22
テーパ面、23 ネジ孔、 24 円弧面、
25 挿入側頭部、26 支柱、 28 スリッ
ト、 30 爪部材、 32 ピン、34 円弧
面、 40 固定ボルト部材、 41 頭部、44
ネジ部、 50 爪用バネ、 51 本体、
52 突部。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機器の一方に固定される円筒状部材に対
    して、接続する他方の機器に挿入側部材を配置し、 前記円筒状部材に挿入側部材を装着することにより、一
    方の機器に対して他の機器を接続する装置において、 前記円筒状部材を、貫通孔の内面にリング状に突出する
    突条に対して、挿入側部材が装着される側に接合面を、
    奥側に円弧面を設けたものを用い、 前記挿入側部材には、本体の先端部に接合面を介して挿
    入側頭部を突出させて設け、 前記挿入側頭部には、内側に爪用バネを配置した爪部材
    を揺動可能に設け、前記爪用バネにより爪部材の下部を
    挿入側頭部の外側に向けて突出させる方向に付勢すると
    ともに、 前記爪部材の抜け出しを防止する固定ボルト部材を、挿
    入側頭部の頂部に配置し、 円筒状部材に挿入側部材を装着する状態で、両部材の接
    合面が接する位置で、円筒状部材に設けた円弧面と、挿
    入側部材に設けた円弧面とが連続する面を形成し、 前記円弧面に爪部材の円弧部が摺動する状態で揺動し、
    固定ボルト部材の頭部と、挿入側部材に形成する円弧面
    との間で爪部材を押圧することにより両部材の係止状態
    を設定することを特徴とする機器の接続装置。
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