JP2813311B2 - ミシンの生地さばき装置 - Google Patents
ミシンの生地さばき装置Info
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- JP2813311B2 JP2813311B2 JP7021495A JP7021495A JP2813311B2 JP 2813311 B2 JP2813311 B2 JP 2813311B2 JP 7021495 A JP7021495 A JP 7021495A JP 7021495 A JP7021495 A JP 7021495A JP 2813311 B2 JP2813311 B2 JP 2813311B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ミシンの生地さばき装
置に関するものである。
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Tシャツ等の衣類の縫製には、図14に
示すように襟部Sに首テープr(伸縮性を持たせた生地
を帯リング状に繋いだもの)を縫い付けるオーバロック
縫い作業がある。この場合、首テープrを縫い付けた後
の衣類は、図15に示すように前身頃mや後身頃nの裏
面(内側面)に対し、首テープrの端部が浮き上がるよ
うな状態とされる。
示すように襟部Sに首テープr(伸縮性を持たせた生地
を帯リング状に繋いだもの)を縫い付けるオーバロック
縫い作業がある。この場合、首テープrを縫い付けた後
の衣類は、図15に示すように前身頃mや後身頃nの裏
面(内側面)に対し、首テープrの端部が浮き上がるよ
うな状態とされる。
【0003】一般に、下級品とされる衣類では上記のま
までも製品にできるが、見栄えや着心地を重視する中級
乃至上級品の衣類では、首テープrの端部を少なくとも
後身頃nの裏面に押さえ付けるための仕上げ縫いをする
ようにしている。従来、この仕上げ縫いは、作業者が衣
類を手に持ち、ミシンの針位置に対して衣類を襟部Sの
円弧形状に沿って動かしつつ行うようにしていた。ミシ
ンには、図16に示すように縫製台Tにおいて針Nより
も生地送り方向(白抜き矢符参照)の上流側に溝形成具
Gが取り付けられているだけで、作業者は、前身頃mや
後身頃nと首テープrの端部とのオーバロック縫い目部
分を上記溝形成具Gの溝内へ当て付けて、これが溝内か
ら外れないように維持することで衣類を動かす方向付け
の目安としていた。
までも製品にできるが、見栄えや着心地を重視する中級
乃至上級品の衣類では、首テープrの端部を少なくとも
後身頃nの裏面に押さえ付けるための仕上げ縫いをする
ようにしている。従来、この仕上げ縫いは、作業者が衣
類を手に持ち、ミシンの針位置に対して衣類を襟部Sの
円弧形状に沿って動かしつつ行うようにしていた。ミシ
ンには、図16に示すように縫製台Tにおいて針Nより
も生地送り方向(白抜き矢符参照)の上流側に溝形成具
Gが取り付けられているだけで、作業者は、前身頃mや
後身頃nと首テープrの端部とのオーバロック縫い目部
分を上記溝形成具Gの溝内へ当て付けて、これが溝内か
ら外れないように維持することで衣類を動かす方向付け
の目安としていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記仕上げ縫いをする
には、当該仕上げ縫いによる縫い目が首テープrの端部
から外れないようにし、且つ襟部Sの円弧形状に一致さ
せ、更に蛇行させないようにするうえで、高度な技術を
要する。従って、相当の熟練が必要であるばかりでな
く、非能率的であった。
には、当該仕上げ縫いによる縫い目が首テープrの端部
から外れないようにし、且つ襟部Sの円弧形状に一致さ
せ、更に蛇行させないようにするうえで、高度な技術を
要する。従って、相当の熟練が必要であるばかりでな
く、非能率的であった。
【0005】しかも、作業者は、この仕上げ縫いをして
いる最中には他の作業を一切できないので、衣類の縫製
作業全体として見たときに、作業人員を多く必要とし、
且つ非能率的であるという不具合を有していた。本発明
は、上記事情に鑑みてなされたものであって、衣類の襟
部における仕上げ縫い等において、作業を容易且つ確実
に行えるようにすると共に、高能率化を可能にし、更に
この仕上げ縫いにつき自動化をも可能にできるようにし
たミシンの生地さばき装置を提供することを目的とす
る。
いる最中には他の作業を一切できないので、衣類の縫製
作業全体として見たときに、作業人員を多く必要とし、
且つ非能率的であるという不具合を有していた。本発明
は、上記事情に鑑みてなされたものであって、衣類の襟
部における仕上げ縫い等において、作業を容易且つ確実
に行えるようにすると共に、高能率化を可能にし、更に
この仕上げ縫いにつき自動化をも可能にできるようにし
たミシンの生地さばき装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発
明は、ミシンに対してその針位置を中間においた生地送
り方向の下流側に設けられる吊掛けフック部と、針位置
の上流側に設けられる引き寄せフック部とを有し、少な
くとも引き寄せフック部は生地の筒状をした縫い代部を
脱出不能に係合可能で、これら吊掛けフック部と引き寄
せフック部とミシンの押さえ板との間で生地を回転可能
に支持するようになされていることを特徴としている。
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発
明は、ミシンに対してその針位置を中間においた生地送
り方向の下流側に設けられる吊掛けフック部と、針位置
の上流側に設けられる引き寄せフック部とを有し、少な
くとも引き寄せフック部は生地の筒状をした縫い代部を
脱出不能に係合可能で、これら吊掛けフック部と引き寄
せフック部とミシンの押さえ板との間で生地を回転可能
に支持するようになされていることを特徴としている。
【0007】
【作用】ミシンの縫製台へ衣類等の生地をセットする場
合、筒状をした縫い代部を、吊掛けフック部と引き寄せ
フック部とミシンの押さえ板との間で掛け渡し、筒形状
に沿った回転が可能な状態にする。この場合、引き寄せ
フック部は生地の縫い代部と脱出不能な状態で係合する
ようになっているので、ミシンの針位置に対して縫い代
部が位置ズレすることがない。勿論、ミシンから生地が
外れることもない。
合、筒状をした縫い代部を、吊掛けフック部と引き寄せ
フック部とミシンの押さえ板との間で掛け渡し、筒形状
に沿った回転が可能な状態にする。この場合、引き寄せ
フック部は生地の縫い代部と脱出不能な状態で係合する
ようになっているので、ミシンの針位置に対して縫い代
部が位置ズレすることがない。勿論、ミシンから生地が
外れることもない。
【0008】そのため、わざわざ生地を手で持っておか
なくても、縫製が可能となる。
なくても、縫製が可能となる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1はTシャツの襟部へ仕上げ縫い(首テープの
端部押さえ)を施すうえで用いるミシンMを示したもの
で、このミシンMには、生地送りガイド装置1、生地さ
ばき装置2、気流発生装置3、ガイド外し装置4、縫い
目外し装置5、及び生地クランプ装置6が具備されてお
り、上記仕上げ縫いから縫製後のTシャツ取り出しまで
を一貫して自動化できるようになっている。
する。図1はTシャツの襟部へ仕上げ縫い(首テープの
端部押さえ)を施すうえで用いるミシンMを示したもの
で、このミシンMには、生地送りガイド装置1、生地さ
ばき装置2、気流発生装置3、ガイド外し装置4、縫い
目外し装置5、及び生地クランプ装置6が具備されてお
り、上記仕上げ縫いから縫製後のTシャツ取り出しまで
を一貫して自動化できるようになっている。
【0010】なお、以下では、Tシャツを単に「生地
W」と言い、またその襟部Sを「筒口部」と言う。本実
施例において、ミシンMには、縫い針Nを2本有する2
針式であり且つ縫製台Tがシリンダタイプ(筒型)とさ
れたものを用いてある。また、言うまでもなく、このミ
シンMに対して、生地Wは、図2(a)に示すように裏
返し(図15に示した前身頃mや後身頃nの表面を内向
きとし、裏面が外向きになるような筒状)にして、その
縫着部K(前身頃mや後身頃nの裏面と首テープrの端
部とをオーバロック縫いした部分)を縫製台Tへ向ける
かたちでセットする。
W」と言い、またその襟部Sを「筒口部」と言う。本実
施例において、ミシンMには、縫い針Nを2本有する2
針式であり且つ縫製台Tがシリンダタイプ(筒型)とさ
れたものを用いてある。また、言うまでもなく、このミ
シンMに対して、生地Wは、図2(a)に示すように裏
返し(図15に示した前身頃mや後身頃nの表面を内向
きとし、裏面が外向きになるような筒状)にして、その
縫着部K(前身頃mや後身頃nの裏面と首テープrの端
部とをオーバロック縫いした部分)を縫製台Tへ向ける
かたちでセットする。
【0011】まず、生地送りガイド装置1について説明
する。この生地送りガイド装置1は、仕上げ縫いを自動
化させるうえで最も枢要な部分で、文字通り、生地Wの
送りをその縫着部Kに沿ってガイドするところである。
即ち、生地Wは縫着部Kまわりで筒形状をしているの
で、この筒形状に沿った回転をガイドすることになる。
この生地送りガイド装置1は、図3及び図4に示すよう
に生地掛け部材10と外れ止め部材11とを有してい
る。
する。この生地送りガイド装置1は、仕上げ縫いを自動
化させるうえで最も枢要な部分で、文字通り、生地Wの
送りをその縫着部Kに沿ってガイドするところである。
即ち、生地Wは縫着部Kまわりで筒形状をしているの
で、この筒形状に沿った回転をガイドすることになる。
この生地送りガイド装置1は、図3及び図4に示すよう
に生地掛け部材10と外れ止め部材11とを有してい
る。
【0012】生地掛け部材10は、ミシンMの縫製台T
に対し、針位置よりも生地送り方向(白抜き矢符参照)
の上流側となる位置に設けられており、爪側片部10a
と受底側片部10bとを組み合わせて構成されている。
そして、これら爪側片部10aの爪先と受底側片部10
bの受底面との間で、斜め上方へ開口部を向けた溝13
を形成させるようになっている。従って、この溝13内
へ生地Wの縫着部Kを噛み込ませ、生地Wをその裾部側
(図4左方)へ延ばすことで、生地Wの引っ掛け保持が
可能となる。
に対し、針位置よりも生地送り方向(白抜き矢符参照)
の上流側となる位置に設けられており、爪側片部10a
と受底側片部10bとを組み合わせて構成されている。
そして、これら爪側片部10aの爪先と受底側片部10
bの受底面との間で、斜め上方へ開口部を向けた溝13
を形成させるようになっている。従って、この溝13内
へ生地Wの縫着部Kを噛み込ませ、生地Wをその裾部側
(図4左方)へ延ばすことで、生地Wの引っ掛け保持が
可能となる。
【0013】なお、爪側片部10a又は受底側片部10
bの少なくとも一方は、縫製台Tに対し、相互の近接・
離反方向へ位置調節可能となるように取り付けるのがよ
く、これによって溝13の溝幅を、生地Wの素材、生地
厚、縫着部Kのボリューム等が変更された場合に対応で
きるようにする。一方、外れ止め部材11は、縫製台T
の上方で待機し、下降可能に設けられたもので、弾性を
有した薄板材によりヘラ状に形成されている。そして、
この外れ止め部材11の下降時には、生地掛け部材10
に対してその爪側片部10aと生地送り方向に直交する
方向で隣接対向する位置付けとなり、且つ受底側片部1
0bの上部に対して押し下げ付勢状態で当接するように
なっている。すなわち、生地W(首テープr)を縫製台
Tの上部へ押し付けることができるものである。
bの少なくとも一方は、縫製台Tに対し、相互の近接・
離反方向へ位置調節可能となるように取り付けるのがよ
く、これによって溝13の溝幅を、生地Wの素材、生地
厚、縫着部Kのボリューム等が変更された場合に対応で
きるようにする。一方、外れ止め部材11は、縫製台T
の上方で待機し、下降可能に設けられたもので、弾性を
有した薄板材によりヘラ状に形成されている。そして、
この外れ止め部材11の下降時には、生地掛け部材10
に対してその爪側片部10aと生地送り方向に直交する
方向で隣接対向する位置付けとなり、且つ受底側片部1
0bの上部に対して押し下げ付勢状態で当接するように
なっている。すなわち、生地W(首テープr)を縫製台
Tの上部へ押し付けることができるものである。
【0014】上記外れ止め部材11の上下動は、図1に
示したようにミシンMの縫製台T上に設置された流体圧
シリンダ等の上下動駆動具15により行われる。なお、
外れ止め部材11は、金属板や樹脂板を用いてそれ自体
の撓み変形を弾性力として利用することができる他、適
宜素材よりなるブロック片等をコイルバネ等によって押
し下げ付勢状態で保持させる構造(図示略)にすること
もできる。
示したようにミシンMの縫製台T上に設置された流体圧
シリンダ等の上下動駆動具15により行われる。なお、
外れ止め部材11は、金属板や樹脂板を用いてそれ自体
の撓み変形を弾性力として利用することができる他、適
宜素材よりなるブロック片等をコイルバネ等によって押
し下げ付勢状態で保持させる構造(図示略)にすること
もできる。
【0015】このようなことから、この生地送りガイド
装置1では、生地掛け部材10と外れ止め部材11とに
よって生地Wの縫着部Kを生地送り方向の左右及び上下
から挟持保持するようになっている。次に、生地さばき
装置2について説明する。この生地さばき装置2は、ミ
シンMに対する生地Wの保持を行うと共に、仕上げ縫い
を行ってゆく過程での生地送りを円滑に補助できるよう
にするものであって、図5及び図6に示すように吊掛け
フック部17と引き寄せフック部18とを有している。
装置1では、生地掛け部材10と外れ止め部材11とに
よって生地Wの縫着部Kを生地送り方向の左右及び上下
から挟持保持するようになっている。次に、生地さばき
装置2について説明する。この生地さばき装置2は、ミ
シンMに対する生地Wの保持を行うと共に、仕上げ縫い
を行ってゆく過程での生地送りを円滑に補助できるよう
にするものであって、図5及び図6に示すように吊掛け
フック部17と引き寄せフック部18とを有している。
【0016】吊掛けフック部17は、ミシンMの側方
(図5の左方)であって、且つ針Nによる縫製作業領域
よりも上方となる位置に設けられており、水平軸まわり
に回転自在なローラ部17aと、回転不能に保持された
生地当てフランジ部17bとを有している。引き寄せフ
ック部18は、縫製台Tから生地送り方向の上流側へ突
出するように取り付けられたステー19に対し、その突
端部で水平旋回可能に設けられており、生地当てフラン
ジ部18aと、逆テーパ胴18bと、円板爪18cとが
一軸状に結合されてドラム状を成している。
(図5の左方)であって、且つ針Nによる縫製作業領域
よりも上方となる位置に設けられており、水平軸まわり
に回転自在なローラ部17aと、回転不能に保持された
生地当てフランジ部17bとを有している。引き寄せフ
ック部18は、縫製台Tから生地送り方向の上流側へ突
出するように取り付けられたステー19に対し、その突
端部で水平旋回可能に設けられており、生地当てフラン
ジ部18aと、逆テーパ胴18bと、円板爪18cとが
一軸状に結合されてドラム状を成している。
【0017】引き寄せフック部18の水平旋回は、上記
ステー19の突端部下部に設けられた旋回駆動具20
(図1参照)によって行われる。この旋回駆動具20に
は、例えばロータリシリンダ、ロータリソレノイド、モ
ータ等を用いることができる。また、引き寄せフック部
18の旋回範囲は、ミシンMの縫製台Tに生地Wがセッ
トされたときに、この生地Wの裾部側(図5の左方)へ
円板爪18cを向け、それ以外のとき(待機時等)には
円板爪18cを逆向きに反転させることができるよう
に、おおよそ180°程度とするのが好適である。
ステー19の突端部下部に設けられた旋回駆動具20
(図1参照)によって行われる。この旋回駆動具20に
は、例えばロータリシリンダ、ロータリソレノイド、モ
ータ等を用いることができる。また、引き寄せフック部
18の旋回範囲は、ミシンMの縫製台Tに生地Wがセッ
トされたときに、この生地Wの裾部側(図5の左方)へ
円板爪18cを向け、それ以外のとき(待機時等)には
円板爪18cを逆向きに反転させることができるよう
に、おおよそ180°程度とするのが好適である。
【0018】なお、このときの旋回方向は、円板爪18
cが針位置寄り(図5の上方寄り)を通過する方向であ
り、縫製台Tにセットされた生地Wの筒口部(首テープ
rの内部)に対して、円板爪18cを入れたり出したり
できるようになっている。円板爪18cは、図7に示す
ように生地Wの縫着部Kに係合して、これを急角度で折
り曲げることができるように、その外周縁部を尖らせて
あり、このような係合によって、吊掛けフック部17と
の間で生地Wに所定のテンションを作用させつつ、生地
Wの脱出を防止し、且つ係合位置が縫着部Kからズレな
いようにしている。逆テーパ胴18bは、このような生
地Wの係合時にあって、生地Wの筒口部(首テープr)
と干渉して係合状態を阻害することのないよう、その直
径及び長さが決められている。
cが針位置寄り(図5の上方寄り)を通過する方向であ
り、縫製台Tにセットされた生地Wの筒口部(首テープ
rの内部)に対して、円板爪18cを入れたり出したり
できるようになっている。円板爪18cは、図7に示す
ように生地Wの縫着部Kに係合して、これを急角度で折
り曲げることができるように、その外周縁部を尖らせて
あり、このような係合によって、吊掛けフック部17と
の間で生地Wに所定のテンションを作用させつつ、生地
Wの脱出を防止し、且つ係合位置が縫着部Kからズレな
いようにしている。逆テーパ胴18bは、このような生
地Wの係合時にあって、生地Wの筒口部(首テープr)
と干渉して係合状態を阻害することのないよう、その直
径及び長さが決められている。
【0019】なお、引き寄せフック部18において、生
地当てフランジ部18a、逆テーパ胴18b、及び円板
爪18cは、いずれも回転しない。このようなことか
ら、この生地さばき装置2では、吊掛けフック部17と
引き寄せフック部18とにより、ミシンMの押さえ板P
(又は後述する縫い目外し装置5の生地掃出片45)と
の間で生地Wを三点支持できるようになっている。この
場合、ミシンMの押さえ板Pを中間位置として見ると、
吊掛けフック部17は下流側となり、引き寄せフック部
18は生地送り方向の上流側となっている。そのため生
地Wは、筒口部まわりでの回転が可能となるものであっ
て、これによって縫着部Kに沿った生地送りが可能にな
る。
地当てフランジ部18a、逆テーパ胴18b、及び円板
爪18cは、いずれも回転しない。このようなことか
ら、この生地さばき装置2では、吊掛けフック部17と
引き寄せフック部18とにより、ミシンMの押さえ板P
(又は後述する縫い目外し装置5の生地掃出片45)と
の間で生地Wを三点支持できるようになっている。この
場合、ミシンMの押さえ板Pを中間位置として見ると、
吊掛けフック部17は下流側となり、引き寄せフック部
18は生地送り方向の上流側となっている。そのため生
地Wは、筒口部まわりでの回転が可能となるものであっ
て、これによって縫着部Kに沿った生地送りが可能にな
る。
【0020】ところで、吊掛けフック部17と引き寄せ
フック部18との相互位置関係(高さや相互間隔等)を
種々変更したり、それらの各部寸法(直径等)を種々変
更したり、或いは吊掛けフック部17を回転不能にした
り、引き寄せフック部18を回転可能にしたりすること
は、生地Wの素材や筒形状サイズ等に応じて適宜可能で
ある。
フック部18との相互位置関係(高さや相互間隔等)を
種々変更したり、それらの各部寸法(直径等)を種々変
更したり、或いは吊掛けフック部17を回転不能にした
り、引き寄せフック部18を回転可能にしたりすること
は、生地Wの素材や筒形状サイズ等に応じて適宜可能で
ある。
【0021】次に、気流発生装置3について説明する。
この気流発生装置3は、ミシンMの針Nへ給糸された糸
の端末や生地Wに対して、各々所定方向へ圧縮空気を吹
き付けるようにしたもので、本実施例では図8等に示す
ように吹き付け対象を異ならせた合計7種類のノズル2
5〜31が設けられている。
この気流発生装置3は、ミシンMの針Nへ給糸された糸
の端末や生地Wに対して、各々所定方向へ圧縮空気を吹
き付けるようにしたもので、本実施例では図8等に示す
ように吹き付け対象を異ならせた合計7種類のノズル2
5〜31が設けられている。
【0022】第1のノズル25は、ミシンMにおける針
Nの側方に設けられており、上記生地さばき装置2によ
ってセットされた生地Wの筒口部に対し、その内部奥方
(裾部側)へ圧縮空気を吹き付けるようになっている。
これにより、生地WをミシンMの側方へ向けて縫製台T
から吹流し状に浮き上がらせ、その擦過抵抗を小さくで
きるようにしてある。また、生地Wにおいて、縫着部K
の周辺に発生する弛みや皺を生地Wの裾部方向へ伸ばす
こともできる。
Nの側方に設けられており、上記生地さばき装置2によ
ってセットされた生地Wの筒口部に対し、その内部奥方
(裾部側)へ圧縮空気を吹き付けるようになっている。
これにより、生地WをミシンMの側方へ向けて縫製台T
から吹流し状に浮き上がらせ、その擦過抵抗を小さくで
きるようにしてある。また、生地Wにおいて、縫着部K
の周辺に発生する弛みや皺を生地Wの裾部方向へ伸ばす
こともできる。
【0023】第2のノズル26は、ミシンMにおける縫
製台Tの上面に設けられており、上記生地Wの外周面と
縫製台Tとの間に対し、生地Wの裾部側へ向けて圧縮空
気を吹き付けるようになっている。この第2のノズル2
6についても、第1のノズル25と同様な作用を奏す
る。なお、縫製台Tには、第2のノズル26における上
記作用を高めるため、風下となる部位に揚風台32(図
1参照)を設けてある。
製台Tの上面に設けられており、上記生地Wの外周面と
縫製台Tとの間に対し、生地Wの裾部側へ向けて圧縮空
気を吹き付けるようになっている。この第2のノズル2
6についても、第1のノズル25と同様な作用を奏す
る。なお、縫製台Tには、第2のノズル26における上
記作用を高めるため、風下となる部位に揚風台32(図
1参照)を設けてある。
【0024】第3のノズル27は、前記した生地送り装
置1における外れ止め部材11の上部に、この外れ止め
部材11と一体的に上下動すべく設けられており、上記
生地Wの筒口部内周面のうち、ミシンMの押さえ板Pに
よって押さえられた部分へ圧縮空気を吹き付けるように
なっている。これにより、第1及び第2のノズル25,
26による作用を一層助長し、縫着部Kの周辺に発生す
る弛みや皺を生地Wの裾部方向へ伸ばすようにしてい
る。
置1における外れ止め部材11の上部に、この外れ止め
部材11と一体的に上下動すべく設けられており、上記
生地Wの筒口部内周面のうち、ミシンMの押さえ板Pに
よって押さえられた部分へ圧縮空気を吹き付けるように
なっている。これにより、第1及び第2のノズル25,
26による作用を一層助長し、縫着部Kの周辺に発生す
る弛みや皺を生地Wの裾部方向へ伸ばすようにしてい
る。
【0025】第4のノズル28は、上記第1のノズル2
5の上部に設けられており、上記生地Wの筒口部に対
し、その内周面(生地送り方向の上流側)へ圧縮空気を
吹き付けるようになっている。これにより、生地Wを筒
形に保形させると共に、縫着部Kに発生する弛みを径方
向(生地送り方向に逆らって押し返す向き)へ伸ばすよ
うにしている。
5の上部に設けられており、上記生地Wの筒口部に対
し、その内周面(生地送り方向の上流側)へ圧縮空気を
吹き付けるようになっている。これにより、生地Wを筒
形に保形させると共に、縫着部Kに発生する弛みを径方
向(生地送り方向に逆らって押し返す向き)へ伸ばすよ
うにしている。
【0026】第5のノズル29は、図1に示したように
後述するガイド外し装置4における掬い上げ台35の傾
斜面35b(図10参照)に設けられており、生地Wの
外周面へ圧縮空気を吹き付けるようになっている。これ
によって生地Wを、掬い上げ台35から浮き上がらせ又
は擦過抵抗を小さくできるようにしてある。第6のノズ
ル30は、ミシンM側(図8右側)に設けられており、
上記生地Wの筒口部へ向けて大量の圧縮空気を一気且つ
短期的に吹き付けるようにしている。この第6のノズル
30は、仕上げ縫いが終了し、ミシンMの押さえ板Pを
上昇させた場合等に、生地WをミシンMから取り出す
(吹き飛ばす)うえでの補助として活用されるものであ
る。
後述するガイド外し装置4における掬い上げ台35の傾
斜面35b(図10参照)に設けられており、生地Wの
外周面へ圧縮空気を吹き付けるようになっている。これ
によって生地Wを、掬い上げ台35から浮き上がらせ又
は擦過抵抗を小さくできるようにしてある。第6のノズ
ル30は、ミシンM側(図8右側)に設けられており、
上記生地Wの筒口部へ向けて大量の圧縮空気を一気且つ
短期的に吹き付けるようにしている。この第6のノズル
30は、仕上げ縫いが終了し、ミシンMの押さえ板Pを
上昇させた場合等に、生地WをミシンMから取り出す
(吹き飛ばす)うえでの補助として活用されるものであ
る。
【0027】第7のノズル31は、上記第1のノズル2
5の下方で、針Nへ臨むように設けられており、針Nへ
給糸された糸の端末へ圧縮空気を吹き付けるようになっ
ている。従って、この第7のノズル31では、生地Wが
取り出された後において、針Nに通された糸が2本の針
N間で相互に絡み合ったり、押さえ板Pに引っ掛かった
り、下糸(図示略)と絡み付いたりするという不具合を
防止できる。
5の下方で、針Nへ臨むように設けられており、針Nへ
給糸された糸の端末へ圧縮空気を吹き付けるようになっ
ている。従って、この第7のノズル31では、生地Wが
取り出された後において、針Nに通された糸が2本の針
N間で相互に絡み合ったり、押さえ板Pに引っ掛かった
り、下糸(図示略)と絡み付いたりするという不具合を
防止できる。
【0028】次に、ガイド外し装置4について説明す
る。このガイド外し装置4は、仕上げ縫いをしている最
中又は終了時に、前記した生地送りガイド装置1によっ
て保持されている生地Wを、当該生地送りガイド装置1
から一時的又は終局的に解放させるようになったもので
ある。このガイド外し装置4は、図9及び図10に示す
ように掬い上げ台35と、昇り誘導台36と、解放爪3
7とを有している。
る。このガイド外し装置4は、仕上げ縫いをしている最
中又は終了時に、前記した生地送りガイド装置1によっ
て保持されている生地Wを、当該生地送りガイド装置1
から一時的又は終局的に解放させるようになったもので
ある。このガイド外し装置4は、図9及び図10に示す
ように掬い上げ台35と、昇り誘導台36と、解放爪3
7とを有している。
【0029】掬い上げ台35は、ミシンMの縫製台Tに
対し、生地送り方向の上流側で上下動可能に設けられて
おり、その上昇時に縫製台Tと略同一レベルになる水平
面35aと、この上流側に下り勾配を有して接続された
傾斜面35bとを有している。掬い上げ台35の上下動
は、その下部に設けられた昇降駆動具39によって行わ
れる。この昇降駆動具39には、例えば流体圧シリン
ダ、直線形ソレノイド、モータ駆動式リニヤ装置等を用
いることができる。
対し、生地送り方向の上流側で上下動可能に設けられて
おり、その上昇時に縫製台Tと略同一レベルになる水平
面35aと、この上流側に下り勾配を有して接続された
傾斜面35bとを有している。掬い上げ台35の上下動
は、その下部に設けられた昇降駆動具39によって行わ
れる。この昇降駆動具39には、例えば流体圧シリン
ダ、直線形ソレノイド、モータ駆動式リニヤ装置等を用
いることができる。
【0030】このようなことから、掬い上げ台35は、
仕上げ縫いが行われる際に、生地送りガイド装置1に対
して生地Wを円滑送給可能な高さまで持ち上げる作用を
奏する。なお、この掬い上げ台35において、その水平
面35aが縫製台Tと略同一レベルである状態から下降
できるようにしていることの理由は、生地WをミシンM
の縫製台Tへセットする場合に、上記生地送りガイド装
置1に対して、より近い部位へ手入れ空間を確保させ、
その作業の容易化及び円滑化を図れるようにしている点
にある。ただ、このような掬い上げ台35の下降動は必
須不可欠なものではなく、掬い上げ台35をその上昇位
置で固定することも可能である。また、例えばミシンM
において、縫製台Tが平型テーブルとなっている場合で
あれば、そもそも掬い上げ台35自体、不要なものとす
ることができる。
仕上げ縫いが行われる際に、生地送りガイド装置1に対
して生地Wを円滑送給可能な高さまで持ち上げる作用を
奏する。なお、この掬い上げ台35において、その水平
面35aが縫製台Tと略同一レベルである状態から下降
できるようにしていることの理由は、生地WをミシンM
の縫製台Tへセットする場合に、上記生地送りガイド装
置1に対して、より近い部位へ手入れ空間を確保させ、
その作業の容易化及び円滑化を図れるようにしている点
にある。ただ、このような掬い上げ台35の下降動は必
須不可欠なものではなく、掬い上げ台35をその上昇位
置で固定することも可能である。また、例えばミシンM
において、縫製台Tが平型テーブルとなっている場合で
あれば、そもそも掬い上げ台35自体、不要なものとす
ることができる。
【0031】昇り誘導台36は、上記掬い上げ台35の
水平面35aに対して設けられており、生地送り方向
(白抜き矢符参照)に沿って板状爪片を起立させるよう
にして形成されている。また、昇り誘導台36には、そ
の上縁部に、生地送り方向に沿って徐々に背丈を高くす
るカーブが設けられている。そして、この昇り誘導台3
6は、掬い上げ台35が上昇したときに、生地送りガイ
ド装置1における生地掛け部材10の生地送り方向上流
側(図10の右側)に隣接し、且つその上縁カーブの頂
上部が上記生地掛け部材10よりも若干高くなるように
位置付けられる。
水平面35aに対して設けられており、生地送り方向
(白抜き矢符参照)に沿って板状爪片を起立させるよう
にして形成されている。また、昇り誘導台36には、そ
の上縁部に、生地送り方向に沿って徐々に背丈を高くす
るカーブが設けられている。そして、この昇り誘導台3
6は、掬い上げ台35が上昇したときに、生地送りガイ
ド装置1における生地掛け部材10の生地送り方向上流
側(図10の右側)に隣接し、且つその上縁カーブの頂
上部が上記生地掛け部材10よりも若干高くなるように
位置付けられる。
【0032】この昇り誘導台36は、次のような作用を
奏する。すなわち、生地WがTシャツなどの衣類である
ときには、その殆どの場合、図14に示したように肩ラ
インに沿って、前身頃mと後身頃nとを縫い合わせた肩
継ぎ部Fが生じている。そして、この肩継ぎ部Fは縫着
部Kと直交関係にあり、仕上げ縫いをするに際して生地
Wを裏返しにしたことによって、図2に示したように筒
形状の外向きとされている。
奏する。すなわち、生地WがTシャツなどの衣類である
ときには、その殆どの場合、図14に示したように肩ラ
インに沿って、前身頃mと後身頃nとを縫い合わせた肩
継ぎ部Fが生じている。そして、この肩継ぎ部Fは縫着
部Kと直交関係にあり、仕上げ縫いをするに際して生地
Wを裏返しにしたことによって、図2に示したように筒
形状の外向きとされている。
【0033】そのため、縫着部Kに対して仕上げ縫いを
行う過程で、もし、上記肩継ぎ部Fがそのまま生地送り
ガイド装置1へ送給されるようなことがあると、縫着部
Kよりも肩継ぎ部Fに沿った生地送りが優先されて、そ
の結果、仕上げ縫いが肩ラインに沿って逃げるようにな
ったり、又は生地Wの噛み込み詰まりや針Nの折れ等を
招来したりすることになる。
行う過程で、もし、上記肩継ぎ部Fがそのまま生地送り
ガイド装置1へ送給されるようなことがあると、縫着部
Kよりも肩継ぎ部Fに沿った生地送りが優先されて、そ
の結果、仕上げ縫いが肩ラインに沿って逃げるようにな
ったり、又は生地Wの噛み込み詰まりや針Nの折れ等を
招来したりすることになる。
【0034】そこで、仕上げ縫いを行うに際して掬い上
げ台35を予め上昇させておけば、図11(a)に示す
ように上記昇り誘導台36が肩継ぎ部Fを自動的に押し
上げるようになる。すなわち、生地W(縫着部K)が一
時的に生地送りガイド装置1から解放されるようになる
ので、上記肩継ぎ部Fが生地送りガイド装置1に噛み込
まれるのを防止できる、というものである。
げ台35を予め上昇させておけば、図11(a)に示す
ように上記昇り誘導台36が肩継ぎ部Fを自動的に押し
上げるようになる。すなわち、生地W(縫着部K)が一
時的に生地送りガイド装置1から解放されるようになる
ので、上記肩継ぎ部Fが生地送りガイド装置1に噛み込
まれるのを防止できる、というものである。
【0035】ところで、本実施例では、この昇り誘導台
36の上方に押さえ板38を設けるようにした。この押
さえ板38は、前記した生地送りガイド装置1の外れ止
め部材11と一体的に設けられており、従ってこの外れ
止め部材11と共に上下動駆動具15(図1参照)によ
って上下動する。そして、この押さえ板38は、その下
降時に生地Wに接するか、又はその若干上位置で停止す
るようになっている。従って、生地Wを昇り誘導台36
へ確実に当接させることができると共に、生地Wが限度
を超えて異常高さまで浮き上がることがないようにして
いる。
36の上方に押さえ板38を設けるようにした。この押
さえ板38は、前記した生地送りガイド装置1の外れ止
め部材11と一体的に設けられており、従ってこの外れ
止め部材11と共に上下動駆動具15(図1参照)によ
って上下動する。そして、この押さえ板38は、その下
降時に生地Wに接するか、又はその若干上位置で停止す
るようになっている。従って、生地Wを昇り誘導台36
へ確実に当接させることができると共に、生地Wが限度
を超えて異常高さまで浮き上がることがないようにして
いる。
【0036】なお、この昇り誘導台36は、掬い上げ台
35に対して上下方向への位置調節を可能な構造(図示
略)にしておくのが好適である。しかし、例えば掬い上
げ台35をミシンMの縫製台Tに対して固定したり、又
は不要化したりする場合等には、昇り誘導台36を生地
送りガイド装置1の生地掛け部材10と一体的に設ける
ことも可能である。
35に対して上下方向への位置調節を可能な構造(図示
略)にしておくのが好適である。しかし、例えば掬い上
げ台35をミシンMの縫製台Tに対して固定したり、又
は不要化したりする場合等には、昇り誘導台36を生地
送りガイド装置1の生地掛け部材10と一体的に設ける
ことも可能である。
【0037】一方、前記解放爪37は、ミシンMの縫製
台Tと上記掬い上げ台35との間であって、且つ上記昇
り誘導台36と略同じ箇所(生地送りガイド装置1と対
応する位置)で、上記掬い上げ台35に対して上下動可
能に設けられている。この解放爪37は、帯板材をL形
に折曲することで形成されており、その上下動は、掬い
上げ台35と一緒に上下動する昇降駆動具40によって
行われる(なお、昇降駆動具40の固定構造は図示省略
した)。昇降駆動具40には、例えば流体圧シリンダ、
直線形ソレノイド、モータ駆動式リニヤ装置等を用いる
ことができる。
台Tと上記掬い上げ台35との間であって、且つ上記昇
り誘導台36と略同じ箇所(生地送りガイド装置1と対
応する位置)で、上記掬い上げ台35に対して上下動可
能に設けられている。この解放爪37は、帯板材をL形
に折曲することで形成されており、その上下動は、掬い
上げ台35と一緒に上下動する昇降駆動具40によって
行われる(なお、昇降駆動具40の固定構造は図示省略
した)。昇降駆動具40には、例えば流体圧シリンダ、
直線形ソレノイド、モータ駆動式リニヤ装置等を用いる
ことができる。
【0038】従って、掬い上げ台35が上昇している状
態で、且つ解放爪37を上昇させるようにすれば、図1
1(b)に示すように生地Wを生地送りガイド装置1か
ら解放させることができるようになる。このようなこと
は、図17に示すように縫着部Kに対して仕上げ縫Bを
一周余り施す場合に行うもので、その目的は次のような
不具合を解消するために行うものである。すなわち縫着
開始時、つまり図18、図19の如く、位置Xから矢印
方向に順次縫目Bが形成されてゆき、これがほぼ一周し
て、縫着開始位置Xが生地掛け部材10の所へ達したと
きに、上記縫着開始位置Xから所定距離だけ離れた部位
Zまでの間で仕上げ縫Bが二重となり、丸くなって生地
掛け部材10の溝13に係止することができないという
ことがある。そのため、縫着開始位置Xが図22及び図
23に示すように爪側片部10aから右へ位置ずれし、
このままいくと未縫着部である残余の部位Y〜X乃至重
ね縫い部位X〜Z間が徐々に右の方へ変位して縫い外れ
の原因となったり、生地が引っ張られたり、ズレなどを
原因とする皺状のものが発生したり、更には皺の状態の
まま縫着されたりする恐れがある。結局、上記した解放
爪37の上昇は、このような欠点を防止するために行う
ものである。
態で、且つ解放爪37を上昇させるようにすれば、図1
1(b)に示すように生地Wを生地送りガイド装置1か
ら解放させることができるようになる。このようなこと
は、図17に示すように縫着部Kに対して仕上げ縫Bを
一周余り施す場合に行うもので、その目的は次のような
不具合を解消するために行うものである。すなわち縫着
開始時、つまり図18、図19の如く、位置Xから矢印
方向に順次縫目Bが形成されてゆき、これがほぼ一周し
て、縫着開始位置Xが生地掛け部材10の所へ達したと
きに、上記縫着開始位置Xから所定距離だけ離れた部位
Zまでの間で仕上げ縫Bが二重となり、丸くなって生地
掛け部材10の溝13に係止することができないという
ことがある。そのため、縫着開始位置Xが図22及び図
23に示すように爪側片部10aから右へ位置ずれし、
このままいくと未縫着部である残余の部位Y〜X乃至重
ね縫い部位X〜Z間が徐々に右の方へ変位して縫い外れ
の原因となったり、生地が引っ張られたり、ズレなどを
原因とする皺状のものが発生したり、更には皺の状態の
まま縫着されたりする恐れがある。結局、上記した解放
爪37の上昇は、このような欠点を防止するために行う
ものである。
【0039】解放爪37の上昇タイミングは、縫着開始
位置Xが生地掛け部材10に達する直前の状態を縫目カ
ウント数として設定しておき、このカウント数に達した
ときに、図20及び図21に示すように解放爪37をエ
アーシリンダー40を介して押し上げるようにする。こ
のようにすれば、縫着開始位置Xは上昇し、前記の如く
右へズレる恐れもなく、正しい縫着線の上方位置を維持
しつつ、後に続く仕上げ縫い部が上昇しながら、残余の
部位Y〜X乃至重ね縫い部位X〜Z間が正確に仕上縫い
が行われて、縫製が完了する。解放爪37は、その後、
元の位置へ下降する。
位置Xが生地掛け部材10に達する直前の状態を縫目カ
ウント数として設定しておき、このカウント数に達した
ときに、図20及び図21に示すように解放爪37をエ
アーシリンダー40を介して押し上げるようにする。こ
のようにすれば、縫着開始位置Xは上昇し、前記の如く
右へズレる恐れもなく、正しい縫着線の上方位置を維持
しつつ、後に続く仕上げ縫い部が上昇しながら、残余の
部位Y〜X乃至重ね縫い部位X〜Z間が正確に仕上縫い
が行われて、縫製が完了する。解放爪37は、その後、
元の位置へ下降する。
【0040】尚、一周余りを縫着しない場合、例えば、
首廻りの後身側にだけ縫着するというように、部分縫い
する場合は解放爪37は作動させる必要がない。次に、
縫い目外し装置5について説明する。この縫い目外し装
置5は、仕上げ縫いが終了したときにミシンMから縫い
糸(正確に言えば、生地Wへ縫い込まれ済みの上糸及び
下糸である)を引き出し可能にして、生地WをミシンM
から取り外すのに備えさせるようにするものであって、
図12及び図13に示すように生地掃出片45と、この
生地掃出片45に縦方向の四角形運動をさせる掃出駆動
部46とを有している。
首廻りの後身側にだけ縫着するというように、部分縫い
する場合は解放爪37は作動させる必要がない。次に、
縫い目外し装置5について説明する。この縫い目外し装
置5は、仕上げ縫いが終了したときにミシンMから縫い
糸(正確に言えば、生地Wへ縫い込まれ済みの上糸及び
下糸である)を引き出し可能にして、生地WをミシンM
から取り外すのに備えさせるようにするものであって、
図12及び図13に示すように生地掃出片45と、この
生地掃出片45に縦方向の四角形運動をさせる掃出駆動
部46とを有している。
【0041】なお、図13においてQは、ミシンMの針
板(押さえ板Pを受ける下側の台板で、複数の送り片H
が配置されている)に設けられた糸掛け舌片であって、
この糸掛け舌片Qの両側へ針Nが突き刺し状に上下動し
て仕上げ縫いの縫い目Bを形成してゆくようになってい
る。従って、ミシンMが仕上げ縫いを終了し、糸切りを
行った段階では、未だ糸掛け舌片Qに縫い糸が巻き付い
た状態にあり、このまま不用意に生地WをミシンMから
引き出すようなことをすれば、縫い目Bが荒らされた
り、糸切れを起こしたりするものとなる。そのために、
この縫い目外し装置5が必要になっているのである。
板(押さえ板Pを受ける下側の台板で、複数の送り片H
が配置されている)に設けられた糸掛け舌片であって、
この糸掛け舌片Qの両側へ針Nが突き刺し状に上下動し
て仕上げ縫いの縫い目Bを形成してゆくようになってい
る。従って、ミシンMが仕上げ縫いを終了し、糸切りを
行った段階では、未だ糸掛け舌片Qに縫い糸が巻き付い
た状態にあり、このまま不用意に生地WをミシンMから
引き出すようなことをすれば、縫い目Bが荒らされた
り、糸切れを起こしたりするものとなる。そのために、
この縫い目外し装置5が必要になっているのである。
【0042】上記生地掃出片45は棒状に形成されたも
のであって、ミシンMにおける押さえ板Pの後方側(図
13の上方)を横切るように、その長手方向を生地送り
方向と直交させるようにして上方から吊下げ保持されて
いる。この生地掃出片45の下面は、生地Wを滑りなく
押圧できるようにギザギザ面とされている(図示略)。
のであって、ミシンMにおける押さえ板Pの後方側(図
13の上方)を横切るように、その長手方向を生地送り
方向と直交させるようにして上方から吊下げ保持されて
いる。この生地掃出片45の下面は、生地Wを滑りなく
押圧できるようにギザギザ面とされている(図示略)。
【0043】なお、この生地掃出片45には、ミシンM
の押さえ板Pと並列状に生地Wを押し下げ保持できるよ
うにした浮き上がり防止板47を付設してある。掃出駆
動部46は、生地掃出片45を上下動させる上下駆動具
48と、この上下駆動具48自体を生地送り方向(白抜
き矢符参照)に沿って進退させる進退駆動具49とを有
している。これら上下駆動具48や進退駆動具49に
は、例えば流体圧シリンダ、直線形ソレノイド、モータ
駆動式リニヤ装置等を用いることができる。
の押さえ板Pと並列状に生地Wを押し下げ保持できるよ
うにした浮き上がり防止板47を付設してある。掃出駆
動部46は、生地掃出片45を上下動させる上下駆動具
48と、この上下駆動具48自体を生地送り方向(白抜
き矢符参照)に沿って進退させる進退駆動具49とを有
している。これら上下駆動具48や進退駆動具49に
は、例えば流体圧シリンダ、直線形ソレノイド、モータ
駆動式リニヤ装置等を用いることができる。
【0044】このようなことから、この縫い目外し装置
5では、仕上げ縫いが終了し、ミシンMにおいて糸切り
が行われた後、掃出駆動部46が生地掃出片45を下降
させることで生地Wを縫製台Tへ押し付け、次に生地掃
出片45を生地送り方向(図13の上方)へ進出させる
ことで生地Wを縫製台T上で滑らせる。このとき、ミシ
ンMの糸掛け舌片Qに対して巻き付いている縫い糸が、
縫い目Bを荒らされたり糸切れを起こしたりすることな
く、糸掛け舌片Qから引き抜かれる。
5では、仕上げ縫いが終了し、ミシンMにおいて糸切り
が行われた後、掃出駆動部46が生地掃出片45を下降
させることで生地Wを縫製台Tへ押し付け、次に生地掃
出片45を生地送り方向(図13の上方)へ進出させる
ことで生地Wを縫製台T上で滑らせる。このとき、ミシ
ンMの糸掛け舌片Qに対して巻き付いている縫い糸が、
縫い目Bを荒らされたり糸切れを起こしたりすることな
く、糸掛け舌片Qから引き抜かれる。
【0045】その後、掃出駆動部46は生地掃出片45
を上昇させるので、この時点で生地Wは解放され、既に
切断されている縫い糸と共にミシンMから取出可能な状
態となる。また、その後、掃出駆動部46は生地掃出片
45を生地送り方向とは逆方向(図13の下方)へ後退
させて、待機位置への復帰を行う。次に、生地クランプ
装置6について説明する。
を上昇させるので、この時点で生地Wは解放され、既に
切断されている縫い糸と共にミシンMから取出可能な状
態となる。また、その後、掃出駆動部46は生地掃出片
45を生地送り方向とは逆方向(図13の下方)へ後退
させて、待機位置への復帰を行う。次に、生地クランプ
装置6について説明する。
【0046】この生地クランプ装置6は、生地Wの保持
及び取り出しを自動的に行うようにしたもので、図1及
び図2に示すようにクランプヘッド50と、リフタ51
と、旋回装置52と、生地ハンガー53とを有してい
る。54はクランプヘッド50の駆動具である。上記駆
動具54、リフタ51及び旋回装置52には、それぞ
れ、例えば流体圧シリンダ、ソレノイド、モータ駆動式
歯車機構等を用いることができる。
及び取り出しを自動的に行うようにしたもので、図1及
び図2に示すようにクランプヘッド50と、リフタ51
と、旋回装置52と、生地ハンガー53とを有してい
る。54はクランプヘッド50の駆動具である。上記駆
動具54、リフタ51及び旋回装置52には、それぞ
れ、例えば流体圧シリンダ、ソレノイド、モータ駆動式
歯車機構等を用いることができる。
【0047】この生地クランプ装置6では、図2(b)
に示すように仕上げ縫いを行っている間は生地Wの裾部
をクランプヘッド50によって吊下げ状態にしておき、
仕上げ縫いが完了したときに、リフタ51による上昇駆
動、及び旋回装置52によるクランプヘッド50の90
°ターンを行わせて、生地Wを生地ハンガー53へ引っ
掛けるようになっている。
に示すように仕上げ縫いを行っている間は生地Wの裾部
をクランプヘッド50によって吊下げ状態にしておき、
仕上げ縫いが完了したときに、リフタ51による上昇駆
動、及び旋回装置52によるクランプヘッド50の90
°ターンを行わせて、生地Wを生地ハンガー53へ引っ
掛けるようになっている。
【0048】以上が、仕上げ縫いから生地Wの取り出し
までを自動化するうえで、ミシンMに具備された構成で
あるが、この他、各部において生地Wの有無や動作確認
等を検出するためのセンサ類が設けられ、これら各セン
サ類からの信号に基づいて各装置等の動作タイミングが
自動制御(一部では人為的操作を要求)されるようにな
っている。
までを自動化するうえで、ミシンMに具備された構成で
あるが、この他、各部において生地Wの有無や動作確認
等を検出するためのセンサ類が設けられ、これら各セン
サ類からの信号に基づいて各装置等の動作タイミングが
自動制御(一部では人為的操作を要求)されるようにな
っている。
【0049】次に、このミシンMを用いて仕上げ縫いを
行う手順を説明する。ミシンMにおける初期状態は、押
さえ板P及び針Nが上昇している。また、生地送りガイ
ド装置1では外れ止め部材11(図3及び図4参照)が
上昇し、生地さばき装置2では引き寄せフック部18
(図5参照)がさばき位置から退避し、ガイド外し装置
4では掬い上げ台35及び解放爪37(図9及び図10
参照)の下降と押さえ板38の上昇とが行われ、縫い目
外し装置5では生地掃出片45(図12及び図13参
照)が上昇している。
行う手順を説明する。ミシンMにおける初期状態は、押
さえ板P及び針Nが上昇している。また、生地送りガイ
ド装置1では外れ止め部材11(図3及び図4参照)が
上昇し、生地さばき装置2では引き寄せフック部18
(図5参照)がさばき位置から退避し、ガイド外し装置
4では掬い上げ台35及び解放爪37(図9及び図10
参照)の下降と押さえ板38の上昇とが行われ、縫い目
外し装置5では生地掃出片45(図12及び図13参
照)が上昇している。
【0050】一方、生地Wは、図2(a)に示すように
予め裏返しにしておく。まず、作業者は、生地Wの縫着
部K(縫い始め位置)を図4に示すように生地送りガイ
ド装置1に対して所定に噛み込ませるとと共に、これよ
り生地送り方向の下流側をミシンMの縫製台T上(押さ
え板P及び生地掃出片45の下部)へ載せる。
予め裏返しにしておく。まず、作業者は、生地Wの縫着
部K(縫い始め位置)を図4に示すように生地送りガイ
ド装置1に対して所定に噛み込ませるとと共に、これよ
り生地送り方向の下流側をミシンMの縫製台T上(押さ
え板P及び生地掃出片45の下部)へ載せる。
【0051】すると、縫製台T等に設けられたセンサ
(図示略)がこのことを検出して、押さえ板P及び外れ
止め部材11が下降し、生地Wは縫製台T上へ押し付け
られる。続いて作業者は、生地Wの縫着部Kのうち適所
を吊掛けフック部17へ引っ掛ける。このことを、吊掛
けフック部17のステー部等に設けられたセンサ(図1
参照)が検出すると、引き寄せフック部18が180°
水平旋回して生地Wの筒口部内方へ入り込む。そのた
め、生地Wは、図6に示したように吊掛けフック部1
7、引き寄せフック部18、押さえ板P(又は生地掃出
片45)による三点支持状態となる。また、この三点支
持が行われた後、図10に示したように掬い上げ台35
が上昇する。
(図示略)がこのことを検出して、押さえ板P及び外れ
止め部材11が下降し、生地Wは縫製台T上へ押し付け
られる。続いて作業者は、生地Wの縫着部Kのうち適所
を吊掛けフック部17へ引っ掛ける。このことを、吊掛
けフック部17のステー部等に設けられたセンサ(図1
参照)が検出すると、引き寄せフック部18が180°
水平旋回して生地Wの筒口部内方へ入り込む。そのた
め、生地Wは、図6に示したように吊掛けフック部1
7、引き寄せフック部18、押さえ板P(又は生地掃出
片45)による三点支持状態となる。また、この三点支
持が行われた後、図10に示したように掬い上げ台35
が上昇する。
【0052】そこで作業者は、図2(b)に示すように
生地Wの裾部を生地クランプ装置6へクランプさせる。
この時点で生地Wのセットが完了する。なお、これまで
の間の適宜時期に、気流発生装置3(図1及び図8参
照)における第1のノズル25、第2のノズル26、第
3のノズル27、第4のノズル28、第5のノズル29
が、それぞれの設定方向へ圧縮空気の吹き出しを開始し
て、仕上げ縫いの開始準備が完了する。
生地Wの裾部を生地クランプ装置6へクランプさせる。
この時点で生地Wのセットが完了する。なお、これまで
の間の適宜時期に、気流発生装置3(図1及び図8参
照)における第1のノズル25、第2のノズル26、第
3のノズル27、第4のノズル28、第5のノズル29
が、それぞれの設定方向へ圧縮空気の吹き出しを開始し
て、仕上げ縫いの開始準備が完了する。
【0053】次に、ミシンMによる仕上げ縫いを開始さ
せる。この開始は、作業者がスイッチ操作をすることに
よって行わせることの他、上記生地クランプ装置6へ生
地Wの裾部をクランプさせた時期を検出して自動的に行
わせるようにしたり、又はこのクランプ時期の検出と、
ミシンMから作業者が離れたことの検出との二重の検出
信号によって自動的に行わせるようにしたりすることが
できる。
せる。この開始は、作業者がスイッチ操作をすることに
よって行わせることの他、上記生地クランプ装置6へ生
地Wの裾部をクランプさせた時期を検出して自動的に行
わせるようにしたり、又はこのクランプ時期の検出と、
ミシンMから作業者が離れたことの検出との二重の検出
信号によって自動的に行わせるようにしたりすることが
できる。
【0054】ミシンMによる仕上げ縫いは、予め設定し
た任意の運針長さに基づいて自動的に停止する。なお、
首テープrの1周全部を仕上げ縫いする場合であれば、
上記運針長は、首テープrの1周長さよりも所定分(5
0針分程度)だけ長めに設定しておくのが好ましい。仕
上げ縫いを行っている際に、生地Wにおいて縫着部Kと
直交する肩継ぎ部Fが生地送りガイド装置1に達した場
合であっても、図11(a)に示すように昇り誘導台3
6による作用によって生地W(縫着部K)が一時的に生
地送りガイド装置1から解放されるので、上記肩継ぎ部
Fを原因として仕上げ縫いが所定ラインから逃げたり、
生地Wが噛み込み詰まりを起こしたり、針Nが折れたり
するということはない。
た任意の運針長さに基づいて自動的に停止する。なお、
首テープrの1周全部を仕上げ縫いする場合であれば、
上記運針長は、首テープrの1周長さよりも所定分(5
0針分程度)だけ長めに設定しておくのが好ましい。仕
上げ縫いを行っている際に、生地Wにおいて縫着部Kと
直交する肩継ぎ部Fが生地送りガイド装置1に達した場
合であっても、図11(a)に示すように昇り誘導台3
6による作用によって生地W(縫着部K)が一時的に生
地送りガイド装置1から解放されるので、上記肩継ぎ部
Fを原因として仕上げ縫いが所定ラインから逃げたり、
生地Wが噛み込み詰まりを起こしたり、針Nが折れたり
するということはない。
【0055】ミシンMの仕上げ縫いが停止する際にあっ
て、重ね縫いをする必要があるような場合には、図11
(b)に示すように解放爪37が上昇し、生地送りガイ
ド装置1から生地W(縫着部K)を解放させるようにな
っている。一方、ミシンMでは、仕上げ縫いの停止時に
針Nが上昇しており、針板(図13に示した糸掛け舌片
Q参照)の下方で糸切りが自動的に行われる。
て、重ね縫いをする必要があるような場合には、図11
(b)に示すように解放爪37が上昇し、生地送りガイ
ド装置1から生地W(縫着部K)を解放させるようにな
っている。一方、ミシンMでは、仕上げ縫いの停止時に
針Nが上昇しており、針板(図13に示した糸掛け舌片
Q参照)の下方で糸切りが自動的に行われる。
【0056】次に、図12に示すように生地掃出片45
が下降して生地WをミシンMの縫製台T上に押さえ付け
るようになり、これを待ってミシンMは押さえ板Pを上
昇させる。そして、気流発生装置3では、上記したよう
に圧縮空気の吹き付け状態にあった各ノズル25〜29
が一斉にその稼働を停止すると共に、これと交替して第
7のノズル31(図8参照)が圧縮空気の吹き出しを開
始し、針Nに残った糸を生地Wとは逆向きに泳がすよう
になっている。
が下降して生地WをミシンMの縫製台T上に押さえ付け
るようになり、これを待ってミシンMは押さえ板Pを上
昇させる。そして、気流発生装置3では、上記したよう
に圧縮空気の吹き付け状態にあった各ノズル25〜29
が一斉にその稼働を停止すると共に、これと交替して第
7のノズル31(図8参照)が圧縮空気の吹き出しを開
始し、針Nに残った糸を生地Wとは逆向きに泳がすよう
になっている。
【0057】またこれらと略同時期に、上記引き寄せフ
ック部18(図5参照)が180°水平旋回して生地W
の筒口部から外方へ退出し、待機位置へ戻る。また、外
れ止め部材11及び押さえ板38(図9参照)が上昇す
ると共に、掬い上げ台35が下降する。次に、縫い目外
し装置5(図12参照)が上記のように既に下降させて
ある生地掃出片45を生地送り方向に沿って進出、上
昇、後退させるようになり、ミシンMの糸掛け舌片Qに
対して巻き付いている縫い糸B(図13参照)を、生地
Wごと、引き抜くようにする。
ック部18(図5参照)が180°水平旋回して生地W
の筒口部から外方へ退出し、待機位置へ戻る。また、外
れ止め部材11及び押さえ板38(図9参照)が上昇す
ると共に、掬い上げ台35が下降する。次に、縫い目外
し装置5(図12参照)が上記のように既に下降させて
ある生地掃出片45を生地送り方向に沿って進出、上
昇、後退させるようになり、ミシンMの糸掛け舌片Qに
対して巻き付いている縫い糸B(図13参照)を、生地
Wごと、引き抜くようにする。
【0058】次に、気流発生装置3が第6のノズル30
(図8参照)から圧縮空気を一気且つ短期的に吹き出し
て、生地WをミシンMの側方へ吹き飛ばすようにする。
そのため、生地Wは縫製台Tから離れ、生地クランプ装
置6(図2(b)参照)によってその真下へ吊り下げら
れる状態となる。次に、生地クランプ装置6がクランプ
ヘッド50の上昇、及び90°水平ターンを行い、生地
ハンガー53の上方へ生地Wの裾部がオーバーラップす
る状態としたうえで、クランプヘッド50を解放させ
る。そのため、生地Wは生地ハンガー53に対して二つ
折り状態で掛けられるようになる。
(図8参照)から圧縮空気を一気且つ短期的に吹き出し
て、生地WをミシンMの側方へ吹き飛ばすようにする。
そのため、生地Wは縫製台Tから離れ、生地クランプ装
置6(図2(b)参照)によってその真下へ吊り下げら
れる状態となる。次に、生地クランプ装置6がクランプ
ヘッド50の上昇、及び90°水平ターンを行い、生地
ハンガー53の上方へ生地Wの裾部がオーバーラップす
る状態としたうえで、クランプヘッド50を解放させ
る。そのため、生地Wは生地ハンガー53に対して二つ
折り状態で掛けられるようになる。
【0059】生地クランプ装置6において、クランプヘ
ッド50を下降、及び上記とは逆向きに90°水平ター
ンさせて、その待機状態に戻せば、仕上げ縫いから生地
Wの取り出しまでにわたる一貫作業の1サイクルが終了
する。図24に示すものは、本発明の第2実施例であ
り、生地Wを表向きにして、シリンダタイプの縫製台T
に装入して、縫製するものである。この場合、吊掛けフ
ック部17は、縫製台Tの下側に設けられていることに
なる。
ッド50を下降、及び上記とは逆向きに90°水平ター
ンさせて、その待機状態に戻せば、仕上げ縫いから生地
Wの取り出しまでにわたる一貫作業の1サイクルが終了
する。図24に示すものは、本発明の第2実施例であ
り、生地Wを表向きにして、シリンダタイプの縫製台T
に装入して、縫製するものである。この場合、吊掛けフ
ック部17は、縫製台Tの下側に設けられていることに
なる。
【0060】ところで、本発明は、上記実施例に限定さ
れるものではない。例えば、ミシンMには、1本針式や
3本針式等を用いることができる。また、縫製台Tが平
型テーブルとなっているタイプを用いることも可能であ
る。また、生地Wにおいて、その素材自体や、仕上げ縫
いを行うべき縫着部Kの場所等に関しては一切の限定を
受けない。例えば、縫着部Kとして、肩口や袖口等であ
る場合でもよい。また更に、生地Wが衣類であることも
限定されず、筒形状を有したものであれば何でもよい。
れるものではない。例えば、ミシンMには、1本針式や
3本針式等を用いることができる。また、縫製台Tが平
型テーブルとなっているタイプを用いることも可能であ
る。また、生地Wにおいて、その素材自体や、仕上げ縫
いを行うべき縫着部Kの場所等に関しては一切の限定を
受けない。例えば、縫着部Kとして、肩口や袖口等であ
る場合でもよい。また更に、生地Wが衣類であることも
限定されず、筒形状を有したものであれば何でもよい。
【0061】
【発明の効果】本発明は、上述の構成を具備するもので
あって、ミシンの縫製台へ衣類等の生地をセットする場
合、筒状をした縫い代部を、吊掛けフック部と引き寄せ
フック部とミシンの押さえ板との間で掛け渡し、筒形状
に沿った回転が可能な状態にする。この場合、引き寄せ
フック部は生地の縫い代部と脱出不能な状態で係合する
ようになっているので、ミシンの針位置に対して縫い代
部が位置ズレすることがない。勿論、ミシンから生地が
外れることもない。そのため、わざわざ生地を手で持っ
ておかなくても、縫製が可能となる。従って、仕上げ縫
い等の作業が容易且つ確実に行えると共に、その作業の
高能率化が可能となる。更に、この作業の自動化が図れ
ることから、作業者が他種の作業をも兼務できるものと
なって、縫製作業全体としての高能率化が図れる。
あって、ミシンの縫製台へ衣類等の生地をセットする場
合、筒状をした縫い代部を、吊掛けフック部と引き寄せ
フック部とミシンの押さえ板との間で掛け渡し、筒形状
に沿った回転が可能な状態にする。この場合、引き寄せ
フック部は生地の縫い代部と脱出不能な状態で係合する
ようになっているので、ミシンの針位置に対して縫い代
部が位置ズレすることがない。勿論、ミシンから生地が
外れることもない。そのため、わざわざ生地を手で持っ
ておかなくても、縫製が可能となる。従って、仕上げ縫
い等の作業が容易且つ確実に行えると共に、その作業の
高能率化が可能となる。更に、この作業の自動化が図れ
ることから、作業者が他種の作業をも兼務できるものと
なって、縫製作業全体としての高能率化が図れる。
【図1】仕上げ縫いから縫製後の生地取り出しまでを一
貫して自動化できるようになされたミシンを示す斜視図
である。
貫して自動化できるようになされたミシンを示す斜視図
である。
【図2】図1のミシンに対する生地のセット状況を示す
斜視図である。
斜視図である。
【図3】生地送りガイド装置を示す拡大斜視図である。
【図4】生地送りガイド装置を示す拡大正面図である。
【図5】生地さばき装置を示す拡大平面図である。
【図6】生地さばき装置を示す拡大側面図である。
【図7】生地さばき装置の引き寄せフック部による生地
の引っ掛け状況を拡大して示す要部平面図である。
の引っ掛け状況を拡大して示す要部平面図である。
【図8】気流発生装置のノズル配置状況を示すミシン該
当部の拡大正面図である。
当部の拡大正面図である。
【図9】ガイド外し装置を示す拡大斜視図である。
【図10】ガイド外し装置における掬い上げ台の動作状
況を示す拡大側面図である。
況を示す拡大側面図である。
【図11】ガイド外し装置における動作説明図であっ
て、(a)は肩継ぎ部の通過時であり、(b)は仕上げ
縫いの終了時である。
て、(a)は肩継ぎ部の通過時であり、(b)は仕上げ
縫いの終了時である。
【図12】縫い目外し装置を示す拡大斜視図である。
【図13】縫い目外し装置による作用を説明するミシン
該当部の拡大平面図である。
該当部の拡大平面図である。
【図14】生地がTシャツである場合を示す正面図であ
る。
る。
【図15】図14のA−A線拡大断面図である。
【図16】従来のミシンに設けられた溝形形成具を示す
拡大斜視図である。
拡大斜視図である。
【図17】縫製状況を示す斜視図である。
【図18】縫製作業を示す表面側平面図である。
【図19】縫製作業を示す裏面側平面図である。
【図20】解放爪の動作を説明する拡大側断面図であ
る。
る。
【図21】解放爪の動作を説明する拡大正面断面図であ
る。
る。
【図22】重ね縫いによる欠点現象を説明する拡大平面
図である。
図である。
【図23】重ね縫いによる欠点現象を説明する拡大正面
断面図である。
断面図である。
【図24】本発明の第2実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】 1 生地送りガイド装置 2 生地さばき装置 3 気流発生装置 4 ガイド外し装置 5 縫い目外し装置 6 生地クランプ装置 10 生地掛け部材 11 外れ止め部材 17 吊掛けフック部 18 引き寄せフック部 35 掬い上げ台 36 昇り誘導台 37 解放爪 45 生地掃出片 M ミシン N 針 T 縫製台 P 押さえ板 W 生地 K 縫着部
Claims (1)
- 【請求項1】 ミシン(M)に対してその針位置を中間
においた生地送り方向の下流側に設けられる吊掛けフッ
ク部(17)と、針位置の上流側に設けられる引き寄せ
フック部(18)とを有し、少なくとも引き寄せフック
部(18)は生地(W)の筒状をした縫い代部(K)を
脱出不能に係合可能で、これら吊掛けフック部(17)
と引き寄せフック部(18)とミシン(M)の押さえ板
(P)との間で生地(W)を回転可能に支持するように
なされていることを特徴とするミシンの生地さばき装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7021495A JP2813311B2 (ja) | 1995-03-28 | 1995-03-28 | ミシンの生地さばき装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7021495A JP2813311B2 (ja) | 1995-03-28 | 1995-03-28 | ミシンの生地さばき装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08257272A JPH08257272A (ja) | 1996-10-08 |
JP2813311B2 true JP2813311B2 (ja) | 1998-10-22 |
Family
ID=13425065
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7021495A Expired - Lifetime JP2813311B2 (ja) | 1995-03-28 | 1995-03-28 | ミシンの生地さばき装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2813311B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ES2906977T3 (es) * | 2019-04-30 | 2022-04-21 | Santex Rimar Group S R L | Máquina de enlace que comprende una guía para posicionar correctamente un cuello individual y una pieza de tejido uno con respecto a otra |
-
1995
- 1995-03-28 JP JP7021495A patent/JP2813311B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08257272A (ja) | 1996-10-08 |
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