JP2812214B2 - 3ロール式のサイザの孔型ロールおよび圧延方法 - Google Patents

3ロール式のサイザの孔型ロールおよび圧延方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、継目無鋼管の製造工
程において、母管の熱間絞り圧延に用いる3ロール式の
サイザの孔型ロールおよび圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】継目無鋼管製造工程において、母管の外
径を絞り、スタンド間の張力を利用して所定の寸法に仕
上げる絞り圧延機であるサイザは、5〜28スタンドで
構成され、それぞれのスタンドは母管のパスライン回り
に120°づつ隔てて3個の孔型ロールを備え、隣接す
るスタンド相互の間においては、図5(a)(b)に示
すとおり、孔型ロール1の配置をパスライン回りに交互
に60°位置をずらせて配置し、管2の仕上げ外径によ
ってスタンド数が決定される。
【0003】サイザの孔型ロールは、実質的に3つとも
同じであるから孔型ロール一つについてみると、従来の
孔型ロールの孔型プロフィールは、図6に示すとおり、
孔型断面がほぼ楕円弧の一部をなし、パスセンタOから
フランジFまでの寸法A(長半径という)、パスセンタ
Oから溝底Eまでの寸法B(短半径という)はB<Aの
関係にある。そして溝底EからフランジF側に向かうに
従って曲率半径は順次大きくなっている。上記従来の孔
型ロールを備えたサイザでの絞り圧延では、マンドレル
ミルでの圧延のように管の内面がマンドレルバーによる
拘束がなく、フリーな状態となっている。このため、サ
イザの単スタンド圧延では、溝底部とフランジ部での増
肉量が異なり、不均一な変形が生じる。サイザの溝底と
フランジは、連続圧延になると交互に圧下されるため同
一の肉厚となるが、中間点(溝底およびフランジから3
0°の位置)は溝底、フランジより増肉か減肉となり、
管内面において6角の内面角張りが発生する。
【0004】サイザの絞り圧延における管内面の6角の
角張りは、隣接するスタンドの各孔型ロールはいずれも
孔型プロフィールが楕円弧となっているため、前段スタ
ンドを通る管は図5(a)に示すとおりほぼ逆三角形の
“おむすび”形に、また後段スタンドを通る管は図5
(b)に示すとおりほぼ三角形の“おむすび”形にそれ
ぞれ圧延され、このような形状に各スタンドを通過の都
度交互に反復圧延される。その結果、サイザで絞り圧延
された管は、図7(a)(b)に示すとおり、サイザ出
側では内面が六角張りとなる。この管内面の六角張りに
は、図7(a)に示すとおり、フランジ部および溝底部
が厚肉となる負の角張りと、図7(b)に示すとおり、
フランジおよび溝底から30°の位置が厚肉となる正の
角張りとがある。上記管内面の六角張りは、主に薄肉管
では負の角張りが、厚肉管では正の角張りが問題となっ
ているが、薄肉管ではほとんど角張りが問題となるほど
顕著には現れず、厚肉管での正の角張りをいかに抑制す
るかが問題となっている。
【0005】上記サイザでの絞り圧延における内面角張
り防止方法としては、フランジ側長さB<カリバー深さ
Hの関係にあり、圧下パターンが楕円状の円弧を有する
ロール・カリバーにより金属管を延伸圧延する方法(特
公平3−78161号公報)、ロールの溝底部とフラン
ジ部との中間を他の部分よりも曲率半径の大きい円弧で
形成された孔型ロールを備える少なくとも1または2以
上のロールスタンドを含むスタンド群にて圧延する方法
(特開昭63−278603号公報)等が提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記特公平3−781
61号公報に開示の方法は、フランジ側長さ<カリバー
深さの関係にし、楕円率が負であるカリバーロールで圧
延することによって、従来孔型の場合よりも内面角張り
率を減少させるものであるが、楕円率を負にすると、管
の噛み出しによる問題が発生する。また、特開昭63−
278603号公報に開示の方法は、従来の圧延で薄肉
あるいは厚肉となっていた溝底とフランジの中間を、溝
底とフランジの中間の曲率を変えた孔型ロールのスタン
ドで相殺するといった圧延を行うものであるが、最も厚
肉となる部分が溝底とフランジの中間ではなく、フラン
ジ側に偏って現れることを確認しており、内面角張りを
十分に抑制することはできない。
【0007】この発明の目的は、上記従来技術の欠点を
解消し、3ロール式のサイザにおける絞り圧延におい
て、管の内面に発生する六角張りを大幅に抑制できる3
ロール式のサイザの孔型ロールおよび圧延方法を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記3ロ
ール式のサイザによる絞り圧延での管内面の六角張りを
解消すべく、実験、解析を行った結果、厚肉となる溝底
とフランジの中間を、単に直線、もしくは溝底部および
フランジ部の円弧よりも曲率半径の大きくした孔型ロー
ルで圧延するだけでは、六角張りの改善は見られないこ
と、角張りの低減には、少なくとも1スタンド以上はフ
ランジ側に直線、もしくは溝底およびフランジの円弧よ
りも曲率を小さくした領域を偏らせた孔型ロールを使用
することによって、フランジ側に偏る六角張りのピーク
を薄肉化できることを究明し、この発明に到達した。
【0009】すなわち本願の第1発明は、3ロール式の
サイザにおいて、孔型ロールの溝底部とフランジ部の中
間よりもフランジ部寄りの領域を直線としたことを特徴
とする3ロール式のサイザの孔型ロールである。
【0010】本願の第2発明は、3ロール式のサイザに
おいて、孔型ロールの溝底部とフランジ部の中間よりも
フランジ部寄りの領域を、溝底部とフランジ部の円弧の
曲率半径の2倍以上の曲率半径としたことを特徴とする
3ロール式のサイザの孔型ロールである。
【0011】本願の第3発明は、3ロール式のサイザに
おいて、孔型ロールのパスセンタと溝底を結ぶ線から2
0°〜25°の領域とパスセンタとフランジを結ぶ線か
ら0°〜5°の領域以外を直線としたことを特徴とする
3ロール式のサイザの孔型ロールである。
【0012】本願の第4発明は、3ロール式のサイザに
おいて、孔型ロールのパスセンタと溝底を結ぶ線から2
0°〜25°の領域とパスセンタとフランジを結ぶ線か
ら0°〜5°の領域以外を、溝底部とフランジ部の円弧
の曲率半径の2倍以上の曲率半径としたことを特徴とす
る3ロール式のサイザの孔型ロールである。
【0013】本願の第5発明は、3ロール式のサイザの
第1スタンドに、孔型ロールの溝底とフランジの中間よ
りもフランジ部寄りの領域を直線または溝底部とフラン
ジ部の円弧の曲率半径の2倍以上の曲率半径とした孔型
ロールを用い、それ以外のスタンドは通常の孔型ロール
を用いて絞り圧延することを特徴とする3ロール式のサ
イザの圧延方法である。
【0014】本願の第6発明は、3ロール式のサイザの
第2スタンド以降のスタンドに、孔型ロールの溝底部と
フランジ部の中間よりもフランジ部寄りの領域を直線ま
たは溝底部とフランジ部の円弧の曲率半径の2倍以上の
曲率半径とした孔型ロールを用いて母管を定径圧延する
に際し、該スタンドの前段スタンドで母管を真円に近い
形状に圧延することを特徴とする3ロール式のサイザの
圧延方法である。
【0015】
【作用】継目無鋼管の母管を絞り圧延する3ロール式の
サイザの孔型ロールにおいて、溝底とフランジの中間よ
りもフランジ部寄りの領域を直線、もしくは溝底部およ
びフランジ部の曲率半径の2倍以上の曲率半径とした孔
型ロールを用いることによって、従来の楕円弧の孔型ロ
ールで厚肉となっていた溝底とフランジの中間の肉厚を
薄く圧延することができ、管の内面六角張りの程度を顕
著に抑えることができ、管の品質向上に多大な効果を示
すのである。また、溝底とフランジの中間よりもフラン
ジ部寄りの領域を直線とする場合には、パスセンタと溝
底を結ぶ線から20°〜25°の領域とパスセンタとフ
ランジを結ぶ線から0°〜5°の領域を円弧でそれ以外
を直線とし、溝底とフランジの中間よりもフランジ部寄
りの領域を溝底部とフランジ部の曲率半径の2倍以上の
円弧とする場合には、パスセンタと溝底を結ぶ線から2
0°〜25°の領域とパスセンタとフランジを結ぶ線か
ら0°〜5°の領域以外の領域を、溝底部とフランジ部
の曲率半径の2倍以上の曲率半径の円弧とした孔型ロー
ルとすることによって、従来の楕円弧の孔型ロールで厚
肉となっていた溝底とフランジの中間の肉厚を薄く圧延
することができ、管の内面六角張りの程度を顕著に抑え
ることができ、管の品質向上に多大な効果を示すのであ
る。
【0016】また、上記この発明の孔型ロールは、管が
真円あるいは真円に近い形状であるときにしかあまり効
果を発揮しないため、この発明の孔型ロールをサイザの
第1スタンドで使用するか、あるいは第2スタンド以降
で使用する際は、使用する前段スタンドで管を真円ある
いは真円に近い形状に圧延した後、使用するのがよい。
さらに、角張りが大きく出る場合は、この発明の孔型ロ
ールをもっと多くのスタンドに使用することにより角張
りを顕著に低減させることができる。なお、この発明
は、サイザがストレッチレデューサである場合、あるい
はサイザがエキストラクターサイザである場合も同様の
効果が得られる。
【0017】
【実施例】
実施例1 サイザでの連続圧延における継目無管の肉厚分布の状態
を3次元剛塑性有限要素法解析により解析した。図1に
この発明のロール孔型の形状を示す。溝底Eとフランジ
Fの中間Cを薄肉化するため、溝底Eとフランジ部Fの
中間Cを直線、もしくは溝底部およびフランジ部の円弧
の曲率半径より大きな曲率半径の円弧で結ぶような孔型
とした。本解析においては、第1スタンドで表1に示す
この発明の孔型ロールを使用する条件とした。なお、曲
率半径を大きくするケースでは、曲率半径を溝底部およ
びフランジ部の曲率半径の1.5倍および2.0倍で計
算を行った。第2スタンドから第24スタンドについて
は、図1のC領域を直線あるいは曲率半径を変える孔型
とはせず、従来の楕円弧の孔型ロールとした。従来の楕
円弧の孔型ロールは、溝底EからフランジFまで楕円弧
で結んでいる。また、この発明による孔型ロールについ
て、図1に示すとおり、第1スタンドのパスセンターO
と溝底Eを結ぶ線からの角度α1およびパスセンターO
とフランジFを結ぶ線からの角度α2の角度を示す。c
ase1の第1スタンドはα1=α2=30°であるので
従来の楕円弧の孔型ロールということになる。前記角度
α1およびα2は、角度を変えてcase2〜case2
5までの24条件で計算している。なお、管の寸法は、
外形110.0mm、肉厚7.5mmである。材質は炭
素鋼である。表2〜表26にパスセンターOと溝底Eを
結ぶ線を0°、パスセンターOとフランジFを結ぶ線を
60°とする周方向角度の肉厚分布と、それぞれの条件
での角張り率を示す。なお、角張り率は、 角張り率=(Tmax−Te)/{(D/2−Te)
(1−cos30°) ただし、Tmax:肉厚最大値、Te:(溝底の肉厚+
フランジの肉厚)/2、D:サイザ仕上げ外径(=4
7.0mm) により求めた値である。今回は、角張り率が10%以下
であるものを良:○、10%を超えるものを不良:×と
して評価している。また、図1のC領域を直線としたc
ase2〜case17の場合の図1のα1、α2の角度
と角張り評価との関係を図2に、図1のC領域を溝底部
およびフランジ部の円弧よりも曲率半径を大きくしたc
ase18〜case25の場合の図1のα1、α2の角
度と角張り評価との関係を図3に示す。なお、図3
(a)図は図1のC領域を溝底部およびフランジ部の円
弧の曲率半径の1.5倍とした場合の図1のα1、α2
角度と角張り評価との関係、(b)図は図1のC領域を
溝底部およびフランジ部の円弧の曲率半径の2.0倍と
した場合の図1のα1、α2の角度と角張り評価との関係
を示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】
【表5】
【0023】
【表6】
【0024】
【表7】
【0025】
【表8】
【0026】
【表9】
【0027】
【表10】
【0028】
【表11】
【0029】
【表12】
【0030】
【表13】
【0031】
【表14】
【0032】
【表15】
【0033】
【表16】
【0034】
【表17】
【0035】
【表18】
【0036】
【表19】
【0037】
【表20】
【0038】
【表21】
【0039】
【表22】
【0040】
【表23】
【0041】
【表24】
【0042】
【表25】
【0043】
【表26】
【0044】case1の従来の楕円弧の孔型ロール
は、表1、表2に示すとおり、溝底EとフランジFの中
間でかなり厚肉となっており、六角張りが大きい。次に
図1のC領域を直線となした孔型ロールでは、表1およ
び図2に示すとおり、図1のα1を15°〜27°、α2
を0°〜15°に変更して計算を行っているが、cas
e5のように第1スタンドの図1のα1およびα2を15
°にして、溝底EとフランジFのちょうど中間を直線で
形成した孔型の条件では、表6に示すとおり、六角張り
のピーク(もっとも厚肉となる位置)がフランジ側に偏
るだけで、角張り率を比較しても従来の楕円弧の孔型ロ
ールからの改善がほとんど見られない。すなわち、溝底
とフランジの中間の形状を変えるというだけでは角張り
の改善にはあまり有効ではない。表1および図2に示す
とおり、図1のα2の小さい場合は、角張り率が小さく
なるが、α2を大きく取ると角張り率が大きくなってい
る。すなわち、図1のα2は0°〜5°が最適といえ
る。このことからフランジ側に偏る六角張りのピークを
抑制するためには、α2を小さく取ることが有効であ
る。また、図1のα1については、15°および27°
の条件では角張り率が大きく、20°〜25°が最適な
角度といえる。
【0045】次に図1のC領域の曲率半径を溝底および
フランジの曲率半径よりも大きくしたcase18〜2
5の場合は、曲率半径を変える条件では、直線とした場
合の解析から得た最適な条件についてのみ計算を行っ
た。つまり図1のα1を20°および25°、α2を0°
および5°という条件で計算を行った。図1のC領域の
曲率半径を溝底およびフランジの曲率半径の1.5倍と
したcase18〜case21の場合は、表1および
図3(a)に示すとおり、角張り率が従来の楕円弧の孔
型と比べて改善がみられない。図1のC領域の曲率半径
2.0倍としたcase22〜case25の場合は、
表1および図3(b)に示すとおり、角張り率が顕著に
小さくなり、かなり改善されている。すなわち、上記の
図1のC領域を溝底部およびフランジ部の円弧の曲率半
径よりも大きくする場合は、溝底部およびフランジ部の
円弧の曲率半径の2.0倍以上とすることによって、図
1のC領域を直線としたときと同じような角張りの改善
が得られることとなる。
【0046】次にサイザの第1スタンドと第2スタンド
の孔型ロールについて、図1のα1およびα2の角度を表
27に示すように設定し、図1のC領域を直線とした場
合の計算を行った。図4(a)に第1スタンド、図4
(b)に第2スタンドの計算によるロール噛み込み時の
断面形状を示す。
【0047】
【表27】
【0048】図4(a)に示すとおり、第1スタンドで
は、孔型を直線とした図1のC領域から材料は圧延され
始めることが伺える。図1のC領域から圧下されること
によって、図1のC領域での管の減肉が起こり、それに
よって管の厚肉抑制効果が発生する。しかし、図4
(b)に示すとおり、第2スタンドでは、孔型を直線と
した図1のC領域からは圧延されず、溝底Eから圧延さ
れて始めている。つまり溝底EとフランジFの中間の厚
肉となってしまうC領域を薄肉化する目的で孔型形状を
変えたにもかかわらず、管の形状が真円から変形した場
合は、管の溝底Eが大きく圧延されることになり、薄肉
化を行いたい図1のC領域では、大きな減肉は起こらな
いことになる。すなわち、この発明による孔型ロール
は、管が真円あるいは真円に近い形状の場合にしか効果
を発揮せず、第2スタンド以降で使用する場合には、使
用する前段スタンドで真円あるいは真円に近い形状にし
てから使用する必要があるといえる。
【0049】以上の結果から、3ロール式サイザの絞り
圧延では、厚肉となる溝底とフランジの中間を、単に直
線、もしくは溝底部およびフランジ部の円弧の曲率半径
の2倍以上の曲率半径とした孔型ロールで圧延するだけ
では、六角張りの改善は見られず、角張りの低減には、
少なくとも1スタンド以上はフランジ側に直線、もしく
は溝底およびフランジの円弧よりも曲率を小さくした領
域を偏らせた孔型ロールを使用することにより、フラン
ジ側に偏る六角張りのピークを薄肉化できることが判明
した。
【0050】実施例2 上記の解析結果を立証すべく、サイザの連続圧延による
管の圧延実験を行った。管の寸法は前記と同様、外形1
10.0mm、肉厚7.5mmであり、ロールの形状も
前記と同様の従来の楕円弧の孔型ロールと実施例1の表
1に示す各孔型ロールを用いた。管の材質は炭素鋼であ
る。表28は従来の楕円弧の孔型ロールによる実験結
果、表29〜表52に前記と同じく第1スタンドのα1
およびα2の角度を変えた実施例1の表1に示す各孔型
ロールについて実験を行った。その結果を示す。
【0051】
【表28】
【0052】
【表29】
【0053】
【表30】
【0054】
【表31】
【0055】
【表32】
【0056】
【表33】
【0057】
【表34】
【0058】
【表35】
【0059】
【表36】
【0060】
【表37】
【0061】
【表38】
【0062】
【表39】
【0063】
【表40】
【0064】
【表41】
【0065】
【表42】
【0066】
【表43】
【0067】
【表44】
【0068】
【表45】
【0069】
【表46】
【0070】
【表47】
【0071】
【表48】
【0072】
【表49】
【0073】
【表50】
【0074】
【表51】
【0075】
【表52】
【0076】前記実施例1の3次元剛塑性有限要素法に
よる解析結果と同様に、従来の楕円弧の孔型ロールにお
ける圧延では、表28に示すとおり、溝底Eとフランジ
Fの中間でかなり厚肉となっており、角張り率がかなり
大きい。これに対し、図1のC領域を直線とした孔型ロ
ールにおける圧延では、図1のα1およびα2をともに1
5°に取って溝底EとフランジFのちょうど中間を直線
で形成したcase5の場合は、表32に示すとおり、
実施例1の3次元剛塑性有限要素法による解析結果と同
様に六角張りのピークがフランジ側に偏るだけで、角張
り率は従来の楕円弧の孔型ロールと比較してもあまり改
善されていない。それに対して、この発明の範囲内であ
る図1のα1を20°、25°と大きく取り、α2を0
°、5°と小さく取って、直線領域をフランジ側にずら
せたcase6、7およびcase10、11の場合
は、表33、表34および表37、表38に示すとお
り、角張り率が大きく改善されている。また、この発明
の範囲外である図1のα1が15°および27°のca
se2〜4およびcase14〜17においては、表2
9〜表31および表41〜表44に示すとおり、図1の
α2がこの発明の範囲内であっても角張り率が大きい。
一方、図1のα2がこの発明の範囲外である10°、1
5°のcase4、5、case8、9、case1
2、13、case16、17においては、表31、表
32、表35、表36、表39、表40、表43、表4
4に示すとおり、図1のα1がこの発明の範囲内であっ
ても角張り率が大きい。
【0077】一方、図1のC領域の曲率半径を溝底およ
びフランジの曲率半径よりも大きくし、図1のα1を2
0°および25°、α2を0°および5°としたcas
e18〜case25のうち、曲率半径を溝底部および
フランジ部の曲率半径の1.5倍としたcase18〜
case21の場合は、表45〜表48に示すとおり、
角張り率が従来の楕円弧の孔型ロールと比べて改善がみ
られない。曲率半径を溝底部およびフランジ部の曲率半
径の2.0倍としたcase22〜case25の場合
は、表49〜表52に示すとおり、角張り率が顕著に小
さくなっている。
【0078】実施例3 次に、本発明による孔型ロールをサイザの第2スタンド
以降で使用した場合にどのようになるか、各スタンドの
孔型ロールの図1のα1およびα2の角度を表53に示す
とおり変え、図1のC領域を直線とした場合について調
査した。実験は全24スタンドのサイザで行い、第4ス
タンドから第24スタンドまでは従来の楕円弧の孔型ロ
ールを使用している。本条件は、上記の実験について最
も角張り率が小さく最適な孔型であるとおもわれるca
se7の条件について、第2スタンドおよび第3スタン
ドの形状も変えて実験したものである。本発明による孔
型ロールを第1スタンドから第3スタンドまで使用した
case26と、本発明による孔型ロールを第1スタン
ドと第3スタンドに使用し、第2スタンドでは管が真円
になるような孔型を使用したcase27と、第1スタ
ンドに従来の楕円弧の孔型ロールを使用し、第2スタン
ドでは管が真円になるような孔型を使用し、第3スタン
ドに本発明による孔型ロールを使用したcase28に
ついて実験を行い比較した。試験片の寸法および材質は
上記の実験と同様である。表54〜表56に各条件の実
験結果の肉厚分布と角張り率について示す。
【0079】
【表53】
【0080】
【表54】
【0081】
【表55】
【0082】
【表56】
【0083】第1スタンドから第3スタンドまで本発明
による孔型ロールを使用したcase26の場合は、第
1スタンドのみ使用したcase7の角張り率とほとん
ど変わらない。第2スタンドで管が真円になるような孔
型ロールを使用したcase27の場合は、case2
6で角張り率が6.12%であったものが3.77とさ
らに低減している。また、第1スタンドに従来の楕円弧
の孔型ロールを使用し、第2スタンドで管が真円になる
ような孔型ロールを使用し、第3スタンドに本発明によ
る孔型ロールを使用したcase28の場合は、cas
e26の場合とほとんど角張り率に差がない。これは前
記したとおり、圧延され形状が真円から崩れたものに本
発明による孔型ロールを使用しても図1のC領域を直線
とした部分が材料に最初に当たらず、溝底から圧延され
てしまうためである。したがって、本発明による孔型ロ
ールを第2スタンド以降で使用する場合は、使用する前
のスタンドで管を真円もしくは真円に近い形状に圧延し
ておく必要がある。以上の結果から、本発明による孔型
ロールを2スタンド以上使用すると、角張り率はさらに
低下し、高品質の継目無管を製造することができる。
【0084】前記の計算結果と同様に、孔型を直線もし
くは溝底部およびフランジ部の円弧よりも曲率半径を大
きくする部分は、溝底とフランジの中間ではなく、前記
図1のα1を20°〜25°、α2を0°〜5°の範囲で
フランジ側に寄せた孔型ロールを少なくとも1スタンド
以上使用することが、角張り低減に有効である。なお、
角張りの小さい場合は、本発明による孔型ロールは1ス
タンドだけの使用でも概ね改善されるが、角張りがもっ
と大きくなると、本発明による孔型ロールを備えるスタ
ンドを複数のスタンドに使用することが有効であり、そ
の場合は本発明の孔型ロールを使用する前段スタンド
で、管を真円もしくは真円に近い形状に圧延しておく必
要がある。
【0085】
【発明の効果】以上述べたとおり、この発明によれば、
3ロール式サイザの圧延に本発明による孔型ロールを用
いることによって、従来問題となっていた管の内面角張
りを顕著に減少させることができ、周方向の肉厚精度が
著しく向上し、高品質の継目無管を製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明における孔型ロールのロール孔型の説
明図である。
【図2】実施例1で図1のC領域を直線としたcase
2〜case17の場合の図1のα1、α2の角度と角張
り評価との関係を示すグラフである。
【図3】実施例1の図1のC領域を溝底部およびフラン
ジ部の円弧よりも曲率半径を大きくしたcase18〜
case25の場合の図1のα1、α2の角度と角張り評
価との関係を示すもので、(a)図は図1のC領域を溝
底部およびフランジ部の円弧の曲率半径の1.5倍とし
た場合の図1のα1、α2の角度と角張り評価との関係を
示すグラフ、(b)図は図1のC領域を溝底部およびフ
ランジ部の円弧の曲率半径の2.0倍とした場合の図1
のα1、α2の角度と角張り評価との関係を示すグラフで
ある。
【図4】実施例1で第1スタンドと第2スタンドを図1
のα1、α2を表27の角度とし、図1のC領域を直線と
した場合の計算による形状を示すもので、(a)図は第
1スタンドのロール噛み込み時の断面形状、(b)図は
第2スタンドのロール噛み込み時の断面形状の説明図で
ある。
【図5】3ロール式サイザの孔型ロールの配置を示すも
ので、(a)図は前段スタンド断面図、(b)図は後段
スタンド断面図である。
【図6】従来の孔型ロールのロール孔型の説明図であ
る。
【図7】管内面の六角張りを示すもので、(a)図は負
の六角張りの説明図、(b)図は正の六角張りの説明図
である。
【符号の説明】
1 孔型ロール 2 管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−88905(JP,A) 特開 昭63−278603(JP,A) 特開 平6−238308(JP,A) 特開 平7−16615(JP,A) 特開 平7−51707(JP,A) 特公 平3−78161(JP,B2) 特公 昭54−15022(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21B 17/14

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3ロール式のサイザにおいて、孔型ロー
    ルの溝底部とフランジ部の中間よりもフランジ部寄りの
    領域を直線としたことを特徴とする3ロール式のサイザ
    の孔型ロール。
  2. 【請求項2】 3ロール式のサイザにおいて、孔型ロー
    ルの溝底部とフランジ部の中間よりもフランジ部寄りの
    領域を、溝底部とフランジ部の円弧の曲率半径の2倍以
    上の曲率半径としたことを特徴とする3ロール式のサイ
    ザの孔型ロール。
  3. 【請求項3】 3ロール式のサイザにおいて、孔型ロー
    ルのパスセンタと溝底を結ぶ線から20°〜25°の領
    域とパスセンタとフランジを結ぶ線から0°〜5°の領
    域以外を直線としたことを特徴とする3ロール式のサイ
    ザの孔型ロール。
  4. 【請求項4】 3ロール式のサイザにおいて、孔型ロー
    ルのパスセンタと溝底を結ぶ線から20°〜25°の領
    域とパスセンタとフランジを結ぶ線から0°〜5°の領
    域以外を、溝底部とフランジ部の円弧の曲率半径の2倍
    以上の曲率半径としたことを特徴とする3ロール式のサ
    イザの孔型ロール。
  5. 【請求項5】 3ロール式のサイザの第1スタンドに、
    孔型ロールの溝底部とフランジ部の中間よりもフランジ
    部寄りの領域を直線または溝底部とフランジ部の円弧の
    曲率半径の2倍以上の曲率半径とした孔型ロールを用
    い、それ以外のスタンドは通常の孔型ロールを用いて母
    管を定径圧延することを特徴とする3ロール式のサイザ
    の圧延方法。
  6. 【請求項6】 3ロール式のサイザの第2スタンド以降
    のスタンドに、孔型ロールの溝底部とフランジ部の中間
    よりもフランジ部寄りの領域を直線または溝底部とフラ
    ンジ部の円弧の曲率半径の2倍以上の曲率半径とした孔
    型ロールを用いて母管を定径圧延するに際し、該スタン
    ドの前段スタンドで母管を真円に近い形状に圧延するこ
    とを特徴とする3ロール式のサイザの圧延方法。
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