JP2811610B2 - 磁気記録再生装置の磁気ヘッド当接装置 - Google Patents

磁気記録再生装置の磁気ヘッド当接装置

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JP2811610B2
JP2811610B2 JP19735791A JP19735791A JP2811610B2 JP 2811610 B2 JP2811610 B2 JP 2811610B2 JP 19735791 A JP19735791 A JP 19735791A JP 19735791 A JP19735791 A JP 19735791A JP 2811610 B2 JP2811610 B2 JP 2811610B2
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magnetic head
magnetic disk
magnetic
slider
disk
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雅治 与田
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Kyocera Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度の記録再生を行
なう可撓性磁気円板を記録媒体とする磁気記録再生装置
の磁気ヘッド当接装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の磁気ヘッド当接装置には、図6に
示すように二重の同心円環状溝2a、2bを持ち、中央
に磁気ヘッド1を所定量突出して固定したベルヌ−イプ
レ−ト(負圧パツド、負圧スライダ−とも言う)2が用
いられている。
【0003】記録媒体として2インチフロッピ−ディス
クを例にとると、ディスク3が磁気ヘッド1上で3.6
00rpmで回転し、ディスク3周辺の空気は粘性によ
りディスク3に引っ張られ高速で流れる。この場合、線
速度は最外周のトラックで約7.54m/s、最内周の
50トラックで約5.69m/sとなる。このことか
ら、ベルヌ−イプレ−ト2側の空気流速が増加し、ベル
ヌ−イの定理により、その部分の圧力が低下する。すな
わち、負圧が発生する。その結果、ディスク3は大気圧
によってベルヌ−イプレ−ト2側に押され9〜12ミリ
ニュ−トン(0.9〜1.2gf)の力で磁気ヘッド1
に当接する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の磁気ヘ
ッド当接装置には次のような問題点があった。 (1) ベルヌ−イプレ−ト2は磁気ヘッド1と共にデ
ィスク3の最外周トラックから最内周トラックまで移動
する。この方式は、ディスク3の回転数が一定の場合、
最外周から最内周に移動するに応じて線速が小さくなっ
て行くので、発生する負圧も少なくなってゆき、磁気ヘ
ッド1の当接具合が変化する。したがって、記録再生特
性が変化する。 (2) 磁気ヘッド1をベルヌ−イプレ−ト2の中央に
所定量突出して固定するので、この調整が難かしい。 (3) ベルヌ−イプレ−ト2に振動衝撃が加わったり
すると、ディスク3と強く接触し、ディスク記録面の磁
性部分を削りとると言う致命的なダメ−ジを与える場合
がたまに発生する。これと同様なことは磁気ヘッド1の
調整が適当でない場合にも同様に発生する。このこと
は、ベルヌ−イプレ−ト2の円環状のエッジ部のバリ除
去、面取り等の処理が充分行なわれていれば軽減する
が、溝の段差が40μm程であり処理が難しいためであ
る。 (4) 発生する負圧が上流部では強く、下流部では弱
くなり、磁気ヘッド1に均一に押付力が発生しない。 (5) ベルヌ−イプレ−ト2の加工に極めて高い精度
が要求される。
【0005】本発明は上記した実情にかんがみ、調整が
簡単で、かつディスクの径方向に沿って磁気ヘッドの当
接具合が変化しないようにした磁気記録再生装置の磁気
ヘッド当接装置を開発することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明では、可撓性磁気円板を記録媒体とする磁
気記録再生装置において、磁気ヘッドを可撓性磁気円板
の径方向に移動させるための細長いスリットを形成し、
磁気ヘッドの移動方向に直交する方向の断面を翼形状と
したスライダ−を設け、このスライダ−は、その弦長を
可撓性磁気円板の径が増加する方向に沿って拡大させる
構成とすると共に、その曲面側を可撓性磁気円板の板面
に対向させる配置としたことを特徴とする磁気記録再生
装置の磁気ヘツド当接装置を提案する。
【0007】
【作用】上記した磁気記録再生装置の磁気ヘツド当接装
置において、可撓性磁気円板が高速回転すると、円板周
辺の空気は粘性によりその円板に引っ張られて流れ、翼
形状をしたスライダ−の前側から後側に向かって高速で
流れる。このため、スライダ−の曲面側の空気の流速
は、前側部からその点の相対翼厚(翼厚/翼弦)に応じ
て漸次増加し、スリット部で最高になり、その後漸次減
少する。したがって、ベルヌ−イの定理により負圧が発
生し、その量はスリツト部で最大になる。このようにし
て磁気ヘツド部で可撓性磁気円板は最も強く大気圧で押
され磁気ヘツドへ当接される。
【0008】また、可撓性磁気円板の外周部に向かう
程、この円板の周速と共に空気の流速は増加するが、翼
形状の弦長が増加し、相対翼厚が減少する。したがっ
て、この結果によるスライダ−曲面の流速とその減少と
が相殺して、スライダ−曲面の流速は、可撓性磁気円板
の径方向に沿ってほとんど変らない。すなわち、発生す
る負圧が可撓性磁気円板の径方向に沿って均一化される
ため、磁気ヘッドの当接具合もヘッドの位置にかかわら
ずほぼ一定となる。
【0009】さらに、コアンダ効果により気流がスライ
ダ−曲面に沿って流れることと共に、スライダ−が翼形
状になっているため、流速の増加、すなわち、発生する
負圧の量も従来のものよりも大きくなる。
【0010】以上のように、磁気ヘッドは、その位置に
関係なく大きい負圧で常に可撓性磁気円板に当接され、
良好な記録、再生特性が得られる。また、スライダ−の
曲面が可撓性磁気円板に対向するので、衝撃等によって
この円板の記録部に当ってもダメ−ジを与える心配がな
い。
【0011】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面に沿って
説明する。図1は磁気ヘッド当接装置の平面図、図2は
図1上のA−A線拡大断面図である。これらの図面に示
す如く、翼形状のスライダ−4は上面4aを可撓性磁気
円板(以下、磁気ディスクという)3の板面に対向さ
せ、かつ磁気ディスク3の回転に伴う空気流れの上方向
に前縁4bを向けて配置される。また、スライダ−4の
翼形状は、磁気ディスク3の径が増加するにつれて図2
に示すように弦長tを増加させる形状に作られる。さら
に、前縁4bから所定の位置に、磁気ディスク3の径方
向に沿うようにしたスリット7が形成してある。
【0012】スリット7中に磁気ヘツド1がスライダ−
4の上面より少し突出して、磁気ディスク3の径方向に
移動可能に設けられている。図中5、6はスライダ−4
の両端に設けられた支持板部を示す。
【0013】以上の構成において、磁気ディスク3が矢
印3aで示す方向に高速回転すると、磁気ディスク3周
辺の空気が粘性により磁気ディスク3に引っ張られ、こ
のため、翼形状をしたスライダ−4の前縁4bから後縁
4cに向かって上面4a上を高速で流れる。このことか
ら、スライダ−4の上面側の空気の流速は前縁部からそ
の点の相対翼厚(翼厚h/翼弦長t)に応じて漸次増加
し、スリット7部で最高になり、その後、漸次減少す
る。したがって、ベルヌ−イの定理により負圧が発生
し、その量はスリット7部で最大になる。このようにし
て磁気ヘツド1部で磁気ディスク3が最も強く大気圧で
押され磁気ヘッド1に当接する。
【0014】また、磁気ディスク3の外周部へ進む程、
磁気ディスク3の周速と共に空気の流速は増加するが、
翼形状の弦長tが増加し、相対翼厚が減少する。したが
って、この結果によるスライダ−面上4aの流速とその
減少分とが相殺して、スライダ−上面4aの流速が磁気
ディスク3の径方向に対してほとんど変らないようにな
る。つまり、発生する負圧が磁気ディスク3の径方向に
沿って変らないので、磁気ヘッド1の当接具合もその当
接位置にかかわらずほぼ一定となる。
【0015】さらに、コアンダ効果により気流がスライ
ダ−4表面に沿って流れることと共に、スライダ−4が
翼形状になっているため、流速の増加、すなわち、発生
する負圧の量も従来のものよりも大きくなる。
【0016】以上のように、磁気ヘッド1は、記録、再
生時のその位置に関係なく、磁気ディスク3に作用する
大きい負圧で常に磁気ディスク3に当接されて良好な記
録、再生特性が得られる。また、スライダ−4の上面4
aは曲面であるので、衝撃等によって磁気ディスク3の
記録部に当ってもダメ−ジを与える心配がない
【0017】図3は他の実施例を示し、本実施例では、
スライダ−4の後縁に近い側に上面4aの上流側から下
面の下流側に向かったスリットまたは孔4dを磁気ディ
スク3の径方向に沿うように形成し、境界層を下面に流
し、境界層の剥離を防いで、上面の流れを速め、より強
い負圧を発生させるようにしてある。
【0018】また、図4に示すように、スライダ−4の
上面4aの上流側から下面の下流側に向かった幅の大き
いスリット4eを上記したスリット7と同様に磁気ディ
スク3の径方向に沿うように形成し、その中に磁気ディ
スク3の径方向に移動可能とした磁気ヘツド1を設け
る。そして、上記と同様に境界層を下面に流すようにし
て、より強い負圧を発生させるように実施することがで
きる。
【0019】また、図5に示すように、スライダ−4の
前縁4bに近い側に、上面4aの下流側から下面の上流
側に向かったスリットまたは孔4fを磁気ディスク3の
径方向に沿うように形成し、下面からの空気の流れを作
り、境界層にエネルギ−を与えて境界層の剥離を防ぎよ
り強い負圧を発生させるように実施することができる。
【0020】以上、本発明の実施例について説明した
が、スライダ−4は、空気の流速を曲面カ−ブでコント
ロ−ルするように適度に曲面形成することが好ましく、
また、スリット7を磁気ディスク3の径方向に沿って傾
けるようにスライダ−4の上面形成を行なってもよい。
なお、スライダ−4は装置フレ−ム10と別体としても
よく、また、一体構成としてもよい。さらに、スライダ
−4は、その下面側を上面4aの曲面と同様に曲面形成
してもよい。
【0021】
【発明の効果】上記した通り、本発明の磁気ヘッド当接
装置では、翼形状のスライダ−を備えたことから、可撓
性磁気円板の回転によって生ずる気流の流れが速くな
り、磁気ヘッド部により強い負圧が効果的に発生する。
その上、発生する負圧が可撓性磁気円板の径方向に沿っ
て均一化される。したがって、可撓性磁気円板の磁気ヘ
ッドへの当接状態が磁気ヘツドの位置にかかわらずほぼ
一定となり、極めて良好な記録、再生特性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す磁気ヘッド当接装置の
平面図である。
【図2】図1上のA−A線拡大断面図である。
【図3】本発明の他の実施例を示すスライダ−の断面図
である。
【図4】本発明の他の実施例を示すスライダ−の断面図
である。
【図5】本発明の他の実施例を示すスライダ−の断面図
である。
【図6】従来例として示した磁気ヘッド当接装置の断面
図である。
【符号の説明】
1 磁気ヘッド 3 可撓性磁気円板(磁気ディスク) 4 スライダ− 4a スライダ−の上面 4b 前縁 4c 後縁 4d、4f スリットまたは孔 4e、7 スリツト

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性磁気円板を記録媒体とする磁気記
    録再生装置において、磁気ヘッドを可撓性磁気円板の径
    方向に移動させるための細長いスリットを形成し、磁気
    ヘッドの移動方向に直交する方向の断面を翼形状とした
    スライダ−を設け、このスライダ−は、その弦長を可撓
    性磁気円板の径が増加する方向に沿って拡大させる構成
    とすると共に、その曲面側を可撓性磁気円板の板面に対
    向させる配置としたことを特徴とする磁気記録再生装置
    の磁気ヘツド当接装置。
JP19735791A 1991-07-12 1991-07-12 磁気記録再生装置の磁気ヘッド当接装置 Expired - Lifetime JP2811610B2 (ja)

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