JP2811206B2 - 冷鍛用耐熱鋼 - Google Patents

冷鍛用耐熱鋼

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は内燃機関の吸気弁用材料または熱処理用治具
等に用いられる材料に関し、詳しくは冷間鍛造によって
成形を可能にした冷鍛用耐熱鋼に関する。
[従来の技術] 自動車用その他のガソリン・エンジン、ディーゼル・
エンジンなどの吸気弁にはシリコン・クロム耐熱鋼(JI
S SUH11)が広く用いられている。吸気弁の鍛造方法
は、棒状の素材の一端を据え込み鍛造して膨大部とし、
仕上げ型打ちして傘部を成形するものであるが、前記SU
H11では比較的炭素含有量が高くまたCr等の合金元素を
多く含むので、従来は熱間鍛造でなければ加工が出来な
かった。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、吸気弁を熱間鍛造で成形するのは生産
性が低く、吸気弁の大量生産の要求に応じることができ
ない。そこで、少なくとも棒状の素材の一端を据え込み
鍛造して膨大部を形成する工程までを冷間鍛造すること
ができれば、吸気弁の生産性が飛躍的に増大する。
なお、吸気弁用素材としての要求特性としては、焼純
時の固さHv290以下、70%据込み鍛造時の不良率0、耐
酸化性は300℃×100時間連続酸化の酸化増量が0.3mg/cm
2以下、常温強度が引張強さが75kgf/mm2以上である。
本発明はシリコン・クロム耐熱鋼を鍛造して吸気弁を
製造する工程における前記のごとき問題点を解決すべく
なされたもので、耐熱鋼の吸気弁の部分的な冷間鍛造を
可能にするとともに、吸気弁としての前記の要求特性を
満足する材料を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 前記目的を達成するために、シリコン・クロム耐熱鋼
の冷鍛性の向上について、鋭意研究を重ねた。そこで、
高温強度、耐酸化性を劣化させることなくCおよびCrの
含有量の上限を規制し、かつ冷鍛性を阻害する元素につ
いて検討し、SおよびO含有量を極限減少させ、さらに
熱処理条件について最適な範囲を見出だし、これらの事
項の知見により初めて冷間鍛造で加工が可能な材料を開
発し、本発明を完成した。
本発明の冷鍛用耐熱鋼は、第1発明として重量比でC;
0.45〜0.50%、Si;1.00〜2.00%、Mn;0.60%以下、P;0.
030%以下、S;0.010%以下、Cr;7.50〜8.50%以下、O;
0.010%以下を含有し残部がFeならびに不純物元素から
なり、750〜800℃の温度で焼純することを要旨とする。
第2発明は第1発明の冷鍛性をさらに向上させるためS
含有量を0.002%以下、O含有量を0.0060%以下とし、
第3発明はさらにN含有量を0.0100%以下としたことを
要旨とする。
[作用] 本発明の冷鍛用鋼は、SUH11の炭素およびクロムの上
限を切り下げたので、冷鍛性が確保される。また、Sお
よびOの含有量を下げたので、硫黄系および酸素系の非
金属介在物が減少し、冷鍛性が改善される。さらに、前
記の化学組成と相まって熱処理条件として、750〜800℃
の温度で焼純することにより、所望の強度を確保でき
る。
次に、本発明鋼における化学成分の組成範囲の限定理
由について説明する。
C;0.45〜0.50% Cは吸気弁の強度を確保するために必要な元素であ
り、その効果を得るためには0.45%以上添加する必要が
ある。しかし、0.50%を超えて添加されると、冷鍛性が
劣化するので、冷鍛性を確保するために上限を0.50%と
した。
Si:1.00〜2.00% Siは製鋼時の脱酸剤として添加される元素であり、鋼
の耐酸化性と強度を確保するため必要な元素である。前
記効果を得るためには少なくとも1.00%ま添加が必要で
ある。しかし、2.00%を超えて添加されると冷鍛性が阻
害されるので、その上限を2.00%とした。
Mn;0.60%以下 Mnは製鋼時の脱酸および脱硫成分として有効な元素で
あり、強度の向上に寄与する元素である。しかし、0.60
%を超えて添加されると、耐酸化性を劣化するので、そ
の上限を0.60%とした。
P;0.030%以下 Pは鋼に不可避的に含有される元素であり、0.030%
を超えて含有されると冷鍛性を阻害するので、上限を0.
030%とした。
S;0.010%以下 SはMnS等の硫化物系介在物を生成し、冷鍛性を阻害
する元素であり、その含有量をできるだけ減少すること
が好ましく、必要な冷鍛性を確保するためその上限を0.
010%とした。なお、より優れた冷鍛性を得るには、さ
らにその含有量を0.002%以下に減少させる必要があ
る。
Cr;7.50〜8.50% Crは鋼の耐酸化性を確保し、強度を向上させるために
必要な元素であり、この効果を得るためには少なくとも
7.50%以上添加する必要がある。しかし、8.50%を超え
て添加されると前記効果が飽和するとともにコストが高
くなり、冷鍛性を阻害するので、その上限を8.50%とし
た。
O;0.010%以下 OはAl2O3などの酸化物系介在物を形成し、冷鍛性を
阻害するので、できるだけ少ないほうが好ましく、所望
の冷鍛性を確保するため、その上限を0.010%とした。
なお、より優れた冷鍛性を得るには、さらにその含有量
を0.006%以下に減少させる必要がある。
N;0.0100%以下 Nは微量の含有で延びおよび絞りを減じ冷鍛性を阻害
するので、必要な冷鍛性を確保するために上限を0.0100
%とした。
また、本発明において焼純温度を750〜800℃としたの
は、750℃未満の温度では十分な冷鍛性が得られないか
らであり、800℃を超えると吸気弁の軸部の所要の強度
が得られないからである。
[実施例] 本発明の実施例を比較鋼および従来鋼と比べて説明
し、本発明の特徴を明らかにする。
第1表はこれら実施例に供した鋼の化学成分を示す。
第1表において、A鋼〜E鋼は第1発明鋼、F鋼は第2
発明鋼、G鋼は第3発明鋼である。H鋼〜M鋼は比較鋼
であるが、H鋼はC含有量の高い比較鋼、I鋼はCrの含
有量の低い比較鋼、J鋼は炭素含有量の低い比較鋼、K
鋼はCr含有量の低い比較鋼、L鋼はSi含有量の低い比較
鋼、M鋼は酸素含有量の高い比較鋼である。また、N鋼
はSUH11に相当する従来鋼である。
第1表の供試鋼について、焼純条件750〜800℃で焼純
した後、冷鍛性、耐酸化性および強度について測定しそ
の結果を第2表に示した。
冷鍛性は硬さ(Hv)および70%の据込み鍛造時の不良
率により評価した。据込み鍛造時の不良率は割れの発生
しないものは○、不良率5%未満のものは△、不良率5
%以上のものは×で示した。
耐酸化性は300℃で100時間連続酸化し、単位面積当た
りの酸化増量(mg/cm2)で評価した。また、強度は常温
における引張強さで評価した。
第2表から知られるように、比較鋼であるH鋼は冷鍛
性に劣り硬さが高く冷鍛時の不良率が5%以上であり、
比較鋼であるI鋼は耐酸化性が劣り、比較鋼であるJ鋼
は冷鍛性は良いものの強度が不足する。また、比較鋼K
鋼は冷鍛性および耐酸化性に劣り、比較鋼Lは耐酸化性
に劣り、M鋼は冷鍛時の不良率が5%以上と冷鍛性に劣
る。従来鋼は強度は十分であるが焼純硬さが高過ぎて冷
鍛性が極端に劣る。
これに対して、本発明鋼は焼純硬さがいずれも要求値
であるHv290以下を満足し、70%据込み鍛造でも割れは
全く発生せず冷鍛性に優れていることが明らかとなっ
た。また、耐酸化性は0.12〜0.23mg/cm2であって、従来
鋼よりも優れ、さらに引張強度は79〜88kgf/mm2であっ
て要求特性を十分に満足することが確認された。
[発明の効果] 本発明の冷鍛用耐熱鋼は、以上説明したように、SUH1
1の冷鍛性を可能にするため、CおよびCrの上限を切り
下げるとともに、SおよびOの含有量を低減し硫黄系お
よび酸素系の非金属介在物を減少し、かつ最適の条件で
焼純し、冷鍛性を改善したものであり、これにより所望
の強度を確保したものであり、シリコン・クロム耐熱鋼
の冷間鍛造を可能にすると同時に吸気弁として必要な特
性を総て満足し、吸気弁の生産性を飛躍的に向上すると
いう優れた効果があり、熱処理用治具等に用いられる材
料としても極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩瀬 悟 愛知県大府市共和町1丁目1番地の1 愛三工業株式会社内 (72)発明者 中井 健二 愛知県大府市共和町1丁目1番地の1 愛三工業株式会社内 (72)発明者 森下 久男 愛知県大府市共和町1丁目1番地の1 愛三工業株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 38/00 - 38/60 C21D 6/00 101

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量比でC;0.45〜0.50%、Si;1.00〜2.00
    %、Mn;0.60%以下、P;0.030%以下、S;0.010%以下、C
    r;7.50〜8.50%以下、O;0.010%以下を含有し残部がFe
    ならびに不純物元素からなり、750〜800℃の温度で焼純
    することを特徴とする冷鍛用耐熱鋼。
  2. 【請求項2】重量比でC;0.45〜0.50%、Si;1.00〜2.00
    %、Mn;0.60%以下、P;0.030%以下、S;0.002%以下、C
    r;7.50〜8.50%以下、O;0.006%以下を含有し残部がFe
    ならびに不純物元素からなり、750〜800℃の温度で焼純
    することを特徴とする冷鍛用耐熱鋼。
  3. 【請求項3】重量比でC;0.45〜0.50%、Si;1.00〜2.00
    %、Mn;0.60%以下、P;0.030%以下、S;0.002%以下、C
    r;7.50〜8.50%以下、O;0.006%以下、N;0.0100%以下
    を含有し残部がFeならびに不純物元素からなり、750〜8
    00℃の温度で焼純することを特徴とする冷鍛用耐熱鋼。
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