JP2811096B2 - イヌ免疫グロブリンκ鎖の定常領域をコードする遺伝子断片およびマウス×イヌキメラ抗体 - Google Patents
イヌ免疫グロブリンκ鎖の定常領域をコードする遺伝子断片およびマウス×イヌキメラ抗体Info
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- JP2811096B2 JP2811096B2 JP25542589A JP25542589A JP2811096B2 JP 2811096 B2 JP2811096 B2 JP 2811096B2 JP 25542589 A JP25542589 A JP 25542589A JP 25542589 A JP25542589 A JP 25542589A JP 2811096 B2 JP2811096 B2 JP 2811096B2
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、イヌの疾病、特に伝染病の診断、治療及び
予防に期待できる新規なイヌモノクローナル抗体に関す
る。さらに詳細にはイヌモノクローナル抗体を構成する
イヌ免疫グロブリンκ鎖の定常領域をコードする遺伝子
断片およびこれを利用したマウス×イヌキメラ抗体に関
する。
予防に期待できる新規なイヌモノクローナル抗体に関す
る。さらに詳細にはイヌモノクローナル抗体を構成する
イヌ免疫グロブリンκ鎖の定常領域をコードする遺伝子
断片およびこれを利用したマウス×イヌキメラ抗体に関
する。
発明の背景 イヌはペットとして昔から人間に愛着のある動物であ
るが、近年の欧米では、「伴侶、仲間、相棒としての動
物」(Companion species)と称され、人間社会の一員
としての地位を獲得しつつある。また、警察犬、盲導犬
等のように人間社会に必要不可欠な動物としても貢献し
ている。もう一方では、医学、薬学、畜産学、獣医学か
ら心理学にいたる実験動物としての貢献度は従来から大
きなものであったが、近年では医薬品の効果検定や安全
性試験にSPF犬などの呼称のもとで更に貢献度が高まっ
ている。いずれの場合にも当然の事として、これらのイ
ヌの疾病、特に伝染病に関するより確実な知識がますま
す必要となり、その診断、治療、予防のための方法が確
立される事が要求されている。
るが、近年の欧米では、「伴侶、仲間、相棒としての動
物」(Companion species)と称され、人間社会の一員
としての地位を獲得しつつある。また、警察犬、盲導犬
等のように人間社会に必要不可欠な動物としても貢献し
ている。もう一方では、医学、薬学、畜産学、獣医学か
ら心理学にいたる実験動物としての貢献度は従来から大
きなものであったが、近年では医薬品の効果検定や安全
性試験にSPF犬などの呼称のもとで更に貢献度が高まっ
ている。いずれの場合にも当然の事として、これらのイ
ヌの疾病、特に伝染病に関するより確実な知識がますま
す必要となり、その診断、治療、予防のための方法が確
立される事が要求されている。
イヌのウイルス性疾患は多く、なかでもイヌジステン
パーウイルス、イヌパルボウイルス、イヌ伝染性肝炎ウ
イルス等の疾患は急性で致死率が高い。予防としてのワ
クチンは開発されているものの、感染・発症したイヌの
治療法としては、抗生物質、サルファ剤等の二次細菌感
染予防の対症療法しかないこと等、現在の治療法には問
題を残している。従来より治療法として高度免疫血清や
血清由来の免疫グロブリンが使用され有効な実績を残し
てきた。しかし、現在では、動物愛護思想の高まりと共
に、イヌ血清原料の入手が困難になりこの治療法は使い
たくとも使用できない状況になっている。従って、従来
の高度免疫血清に代わって感染ウイルスを中和できるモ
ノクローナル抗体が出来れば、これらウイルス性疾患の
塗料に大きく貢献することが可能である。
パーウイルス、イヌパルボウイルス、イヌ伝染性肝炎ウ
イルス等の疾患は急性で致死率が高い。予防としてのワ
クチンは開発されているものの、感染・発症したイヌの
治療法としては、抗生物質、サルファ剤等の二次細菌感
染予防の対症療法しかないこと等、現在の治療法には問
題を残している。従来より治療法として高度免疫血清や
血清由来の免疫グロブリンが使用され有効な実績を残し
てきた。しかし、現在では、動物愛護思想の高まりと共
に、イヌ血清原料の入手が困難になりこの治療法は使い
たくとも使用できない状況になっている。従って、従来
の高度免疫血清に代わって感染ウイルスを中和できるモ
ノクローナル抗体が出来れば、これらウイルス性疾患の
塗料に大きく貢献することが可能である。
従来技術 上記のような高度免疫血清の代替品として、ウイルス
中和活性を有するモノクローナル抗体の使用が考えられ
る。モノクローナル抗体作製に関する基本的な技術は、
これまでに主としてマウス型モノクローナル抗体におい
て確立されている。ハイブリドーマ等の細胞が産生する
モノクローナル抗体は大量にしかも半永久に得られ、原
料不足の問題を解消できうる。しかし、ここにおけるモ
ノクローナル抗体は、副作用(マウスモノクローナル抗
体をイヌに使用した場合、異種タンパクとしてアナフィ
ラキシーショックや血清病などの副作用を起こすことが
考えられる)をなくす意味から、従来のマウスモノクロ
ーナル抗体ではなくイヌモノクローナル抗体でなければ
ならない。
中和活性を有するモノクローナル抗体の使用が考えられ
る。モノクローナル抗体作製に関する基本的な技術は、
これまでに主としてマウス型モノクローナル抗体におい
て確立されている。ハイブリドーマ等の細胞が産生する
モノクローナル抗体は大量にしかも半永久に得られ、原
料不足の問題を解消できうる。しかし、ここにおけるモ
ノクローナル抗体は、副作用(マウスモノクローナル抗
体をイヌに使用した場合、異種タンパクとしてアナフィ
ラキシーショックや血清病などの副作用を起こすことが
考えられる)をなくす意味から、従来のマウスモノクロ
ーナル抗体ではなくイヌモノクローナル抗体でなければ
ならない。
これらのイヌウイルス性疾患の治療薬としてのイヌモ
ノクローナル抗体の作製法には次のようなものが考えら
れる。(1)イヌ×イヌハイブリドーマを用いる方法、
(2)はある種のウイルス及び化学薬剤等でトランスフ
ァームさせたイヌリンパ球を用いる方法、(3)イヌ×
マウスヘテロハイブリドーマを用いる方法、(4)イヌ
×マウスヘテロハイブリドーマを親株としたイヌ×(イ
ヌ×マウス)ハイブリドーマを用いる方法、(5)キメ
ラモノクローナル抗体[抗原と結合する可変(V)領域
はウイルス中和活性を有するマウスモノクローナル抗体
から、抗原性あるいは免疫原性及び生理活性に関与する
定常(C)領域はイヌモノクローナル抗体からなる。マ
ウス(V)−イヌ(C)キメラモノクローナル抗体]を
遺伝子組換で作製する方法、等であるが、これらの方法
による成功例は一切報告されていない。
ノクローナル抗体の作製法には次のようなものが考えら
れる。(1)イヌ×イヌハイブリドーマを用いる方法、
(2)はある種のウイルス及び化学薬剤等でトランスフ
ァームさせたイヌリンパ球を用いる方法、(3)イヌ×
マウスヘテロハイブリドーマを用いる方法、(4)イヌ
×マウスヘテロハイブリドーマを親株としたイヌ×(イ
ヌ×マウス)ハイブリドーマを用いる方法、(5)キメ
ラモノクローナル抗体[抗原と結合する可変(V)領域
はウイルス中和活性を有するマウスモノクローナル抗体
から、抗原性あるいは免疫原性及び生理活性に関与する
定常(C)領域はイヌモノクローナル抗体からなる。マ
ウス(V)−イヌ(C)キメラモノクローナル抗体]を
遺伝子組換で作製する方法、等であるが、これらの方法
による成功例は一切報告されていない。
ここで、(1)については融合効率が低いことや適当
なミエローマが親株がないこと、(2)についてはヒト
の場合のEBウイルスに相当する適当なウイルスや適当な
化学薬剤がないこと、さらに、(3)(4)の方法では
ヒト型モノクローナル抗体作製例から考えて、目的のイ
ヌ型モノクローナル抗体を高効率に得るまでには多くの
困難が予想される(例えば、安定性の問題等)、従っ
て、(5)のキメラモノクローナル抗体法がより実現性
の高い方法であると考えられる。
なミエローマが親株がないこと、(2)についてはヒト
の場合のEBウイルスに相当する適当なウイルスや適当な
化学薬剤がないこと、さらに、(3)(4)の方法では
ヒト型モノクローナル抗体作製例から考えて、目的のイ
ヌ型モノクローナル抗体を高効率に得るまでには多くの
困難が予想される(例えば、安定性の問題等)、従っ
て、(5)のキメラモノクローナル抗体法がより実現性
の高い方法であると考えられる。
このキメラモノクローナル抗体は、可変(V)領域の
原料となるマウスモノクローナル抗体を産生するマウス
×マウスハイブリドーマからクローニングしたそのV遺
伝子と、定常(C)領域の原料となるイヌモノクローナ
ル抗体を産生するイヌ抗体産生細胞からクローニングし
たC遺伝子とを結合させたマウス(V)−イヌ(C)キ
メラ抗体遺伝子を含むプラスミドベクターを、動物細胞
(例えば、マウスミエローマ)宿主中で発現させ、その
培養上清中に得られるものである。ヒトにおいてはすで
にキメラ抗体に関するいくつかの報告が見受けられる
(特開昭60−155132号、特開昭61−47500号)。
原料となるマウスモノクローナル抗体を産生するマウス
×マウスハイブリドーマからクローニングしたそのV遺
伝子と、定常(C)領域の原料となるイヌモノクローナ
ル抗体を産生するイヌ抗体産生細胞からクローニングし
たC遺伝子とを結合させたマウス(V)−イヌ(C)キ
メラ抗体遺伝子を含むプラスミドベクターを、動物細胞
(例えば、マウスミエローマ)宿主中で発現させ、その
培養上清中に得られるものである。ヒトにおいてはすで
にキメラ抗体に関するいくつかの報告が見受けられる
(特開昭60−155132号、特開昭61−47500号)。
このようにイヌキメラ抗体の作製には、目的の抗原と
結合能を持つ抗体分子の可変(V)領域のアミノ酸配列
をコードする遺伝子とイヌ免疫グロブリンの定常(C)
領域のアミノ酸配列をコードする遺伝子が必要となる。
キメラ抗体の可変(V)領域遺伝子は、前述した種々の
イヌウイルス等に対して中和活性を有するマウスモノク
ローナル抗体を産生する細胞から得られるもので、この
細胞は従来のマウス×マウスハイブリドーマ法で比較的
容易に作製することが出来る。しかしながら、キメラ抗
体の定常領域遺伝子となるイヌ免疫グロブリンC領域遺
伝子については現在のところ全くその構造が知られてお
らず、遺伝子もクローニングされていない。従って、イ
ヌキメラ抗体を作製するためには、イヌ免疫グロブリン
の定常(C)領域のアミノ酸配列をコードする遺伝子を
見いだすことが非常に重要な要素となっている。
結合能を持つ抗体分子の可変(V)領域のアミノ酸配列
をコードする遺伝子とイヌ免疫グロブリンの定常(C)
領域のアミノ酸配列をコードする遺伝子が必要となる。
キメラ抗体の可変(V)領域遺伝子は、前述した種々の
イヌウイルス等に対して中和活性を有するマウスモノク
ローナル抗体を産生する細胞から得られるもので、この
細胞は従来のマウス×マウスハイブリドーマ法で比較的
容易に作製することが出来る。しかしながら、キメラ抗
体の定常領域遺伝子となるイヌ免疫グロブリンC領域遺
伝子については現在のところ全くその構造が知られてお
らず、遺伝子もクローニングされていない。従って、イ
ヌキメラ抗体を作製するためには、イヌ免疫グロブリン
の定常(C)領域のアミノ酸配列をコードする遺伝子を
見いだすことが非常に重要な要素となっている。
発明の目的 このような状況にあっては、本発明者らは、イヌ免疫
グロブリンの定常領域をコードしている遺伝子を単離す
べく研究を重ねた結果、これを単離することに成功し
た。すなわち、本発明はこれまでに一切報告されていな
いイヌ免疫グロブリンκ鎖の定常領域をコードする遺伝
子を提供するものであり、これによりイヌキメラ抗体の
作製を可能にするものである。本発明のイヌ免疫グロブ
リンκ鎖をコードする遺伝子を用いて作られたイヌキメ
ラ抗体は、イヌの疾病、特に伝染病に対して副作用のな
い診断薬、治療薬・予防薬への応用を可能にするもので
ある。
グロブリンの定常領域をコードしている遺伝子を単離す
べく研究を重ねた結果、これを単離することに成功し
た。すなわち、本発明はこれまでに一切報告されていな
いイヌ免疫グロブリンκ鎖の定常領域をコードする遺伝
子を提供するものであり、これによりイヌキメラ抗体の
作製を可能にするものである。本発明のイヌ免疫グロブ
リンκ鎖をコードする遺伝子を用いて作られたイヌキメ
ラ抗体は、イヌの疾病、特に伝染病に対して副作用のな
い診断薬、治療薬・予防薬への応用を可能にするもので
ある。
発明の構成及び効果 免疫グロブリンのκ鎖としては、すでにヒト及びマウ
ス[P.A.Hieterら、Cell,22,p197(1980);H.Sakano
ら、Nature 280,p188−294(1979)]で発見され、さら
に、他の動物種のκ鎖では、ラビット[L.Emorineら、P
roc.Natl.Acad.Sci.USA,80,p5709−5713(1983)]、等
に報告されている。しかしながら、本発明の対象となる
イヌの免疫グロブリンκ鎖の遺伝子については、これま
でには何等解析がなされたという報告はない。
ス[P.A.Hieterら、Cell,22,p197(1980);H.Sakano
ら、Nature 280,p188−294(1979)]で発見され、さら
に、他の動物種のκ鎖では、ラビット[L.Emorineら、P
roc.Natl.Acad.Sci.USA,80,p5709−5713(1983)]、等
に報告されている。しかしながら、本発明の対象となる
イヌの免疫グロブリンκ鎖の遺伝子については、これま
でには何等解析がなされたという報告はない。
一方、イヌの免疫グロブリンL鎖のタイプは、主とし
てλ鎖であることが判っている[U.Hoodら、Cold Sprin
g Harbor Symp.Quant.Biol.32,p133−146(1967)]。
このためκ鎖を発現しているリンパ球は非常に少ないと
考えられ、抗体産生細胞のメッセンジャーRNAからcDNA
クローニング法により目の遺伝子を得ることは困難えだ
ると考えられた。しかしながら、遺伝子組換えによりマ
ウス×イヌキメラ抗体を作る場合には、L鎖可変領域の
遺伝子として、通常マウス由来のκ鎖の可変領域遺伝子
を用いることから、イヌの免疫グロブリンL鎖のκ鎖定
常領域の遺伝子を得ることが必要となる。
てλ鎖であることが判っている[U.Hoodら、Cold Sprin
g Harbor Symp.Quant.Biol.32,p133−146(1967)]。
このためκ鎖を発現しているリンパ球は非常に少ないと
考えられ、抗体産生細胞のメッセンジャーRNAからcDNA
クローニング法により目の遺伝子を得ることは困難えだ
ると考えられた。しかしながら、遺伝子組換えによりマ
ウス×イヌキメラ抗体を作る場合には、L鎖可変領域の
遺伝子として、通常マウス由来のκ鎖の可変領域遺伝子
を用いることから、イヌの免疫グロブリンL鎖のκ鎖定
常領域の遺伝子を得ることが必要となる。
本発明者らは、イヌ肝臓細胞の染色体DNAから、種々
のプローブ並びに種々のハイブリダイゼーションの条件
を用いて、目的のイヌ免疫グロブリンκ鎖定常領域をコ
ードする遺伝子断片を単離すべく研究を重ねたところ、
イヌ免疫グロブリン定常領域をコードすると思われる遺
伝子断片を得ることに成功した。
のプローブ並びに種々のハイブリダイゼーションの条件
を用いて、目的のイヌ免疫グロブリンκ鎖定常領域をコ
ードする遺伝子断片を単離すべく研究を重ねたところ、
イヌ免疫グロブリン定常領域をコードすると思われる遺
伝子断片を得ることに成功した。
このようにして単離された遺伝子断片の塩基配列から
予測されるアミノ酸配列と、他の動物種の免疫グロブリ
ンのC領域遺伝子の配列とを比較し遺伝子解析を行った
結果、本発明により得られた遺伝子断片は、κ鎖に属す
る免疫グロブリン定常領域をコードする遺伝子断片であ
ることが判明した。
予測されるアミノ酸配列と、他の動物種の免疫グロブリ
ンのC領域遺伝子の配列とを比較し遺伝子解析を行った
結果、本発明により得られた遺伝子断片は、κ鎖に属す
る免疫グロブリン定常領域をコードする遺伝子断片であ
ることが判明した。
本発明のイヌ免疫グロブリンκ鎖の定常領域をコード
する遺伝子断片は、109個起のアミノ酸からなるイヌ免
疫グロブリンκ鎖定常領域ペプチドをコードするDNA配
列であり、定常領域のカルボキシ末端から5個のアミノ
酸配列が、−Cys−Gln−Arg−Val−Aspであることがそ
の特徴として挙げられる。すなわち、これまでに報告さ
れているヒトやマウスのκ鎖定常領域のアミノ酸配列で
は、カルボキシ末端がCys(システイン)となっている
ことが知られており、本発明で得られたイヌ免疫グロブ
リンκ鎖定常領域遺伝子のように、カルボキシ末端側に
存在するCysのC末端側に、さらに4つのアミノ酸が続
くようなアミノ酸配列からなる定常領域はこれまでに報
告がなく、本発明のイヌ免疫グロブリンκ鎖定常領域に
特徴的な配列であると言える。
する遺伝子断片は、109個起のアミノ酸からなるイヌ免
疫グロブリンκ鎖定常領域ペプチドをコードするDNA配
列であり、定常領域のカルボキシ末端から5個のアミノ
酸配列が、−Cys−Gln−Arg−Val−Aspであることがそ
の特徴として挙げられる。すなわち、これまでに報告さ
れているヒトやマウスのκ鎖定常領域のアミノ酸配列で
は、カルボキシ末端がCys(システイン)となっている
ことが知られており、本発明で得られたイヌ免疫グロブ
リンκ鎖定常領域遺伝子のように、カルボキシ末端側に
存在するCysのC末端側に、さらに4つのアミノ酸が続
くようなアミノ酸配列からなる定常領域はこれまでに報
告がなく、本発明のイヌ免疫グロブリンκ鎖定常領域に
特徴的な配列であると言える。
さらに本発明のイヌ免疫グロブリンκ鎖定常領域をコ
ードする遺伝子は、下記に示された制限酵素切断地図に
より示される遺伝子断片を有する。
ードする遺伝子は、下記に示された制限酵素切断地図に
より示される遺伝子断片を有する。
本発明のイヌ免疫グロブリンκ鎖定常領域をコードす
る遺伝子のうち、その好ましい一例を示すと、下記に示
すアミノ酸配列をコードする遺伝子断片が挙げられる。
る遺伝子のうち、その好ましい一例を示すと、下記に示
すアミノ酸配列をコードする遺伝子断片が挙げられる。
このようなアミノ酸配列もしくはこれをコードする核
酸塩基配列については一切その報告例はなく、本発明に
より始めて開示されたものである。
酸塩基配列については一切その報告例はなく、本発明に
より始めて開示されたものである。
尚、本発明のイヌ免疫グロブリンκ鎖定常領域をコー
ドする遺伝子断片は、上記のアミノ酸配列をコードスル
遺伝子断片のみに限られず、部分的にアミノ酸が置換さ
れているアロタイプの異なる遺伝子をも包含する。この
ようなアロタイプの異なる遺伝子が存在することは、ヒ
ト、ラビット等の免疫グロブリンκ鎖の遺伝子解析にお
いて1ケ所〜数カ所のアミノ酸が異なるペプチドをコー
ドする遺伝子が存在することが報告されていることから
も予想される。
ドする遺伝子断片は、上記のアミノ酸配列をコードスル
遺伝子断片のみに限られず、部分的にアミノ酸が置換さ
れているアロタイプの異なる遺伝子をも包含する。この
ようなアロタイプの異なる遺伝子が存在することは、ヒ
ト、ラビット等の免疫グロブリンκ鎖の遺伝子解析にお
いて1ケ所〜数カ所のアミノ酸が異なるペプチドをコー
ドする遺伝子が存在することが報告されていることから
も予想される。
また、本発明のイヌ免疫グロブリンκ鎖のC領域をコ
ードする遺伝子の具体的核酸基配列の一例としては、第
4図に示された塩基配列が挙げられる。
ードする遺伝子の具体的核酸基配列の一例としては、第
4図に示された塩基配列が挙げられる。
本発明のイヌ免疫グロブリンκ鎖のC領域遺伝子を直
截用いてマウス−イヌキメラ抗体を作製することが出来
るが、さらにこれをプローブにイヌ抗体産生細胞のcDNA
ライブラリィーから免疫グロブリンκ鎖C領域cDNAをク
ローニングし、これを用いてキメラ抗体を作製すること
も出来る。キメラ抗体の作製方法はすでにマウス−ヒト
キメラ抗体で示された方法[渡辺ら、Cancer Reserch,4
7,p999−1005(1987)]に準じて行うことが出来る。す
なわち、キメラ抗体遺伝子は、基本的にV領域遺伝子と
C領域遺伝子の2種類の遺伝子断片を結合させることに
より構築させる。さらに、遺伝子の単離法に応じて、主
として2つの結合の組合せがある。すなわち、染色体DN
Aから単離したVとC領域遺伝子、cDNAから単離したV
とC領域遺伝子の組合せである。
截用いてマウス−イヌキメラ抗体を作製することが出来
るが、さらにこれをプローブにイヌ抗体産生細胞のcDNA
ライブラリィーから免疫グロブリンκ鎖C領域cDNAをク
ローニングし、これを用いてキメラ抗体を作製すること
も出来る。キメラ抗体の作製方法はすでにマウス−ヒト
キメラ抗体で示された方法[渡辺ら、Cancer Reserch,4
7,p999−1005(1987)]に準じて行うことが出来る。す
なわち、キメラ抗体遺伝子は、基本的にV領域遺伝子と
C領域遺伝子の2種類の遺伝子断片を結合させることに
より構築させる。さらに、遺伝子の単離法に応じて、主
として2つの結合の組合せがある。すなわち、染色体DN
Aから単離したVとC領域遺伝子、cDNAから単離したV
とC領域遺伝子の組合せである。
例えば、マウス染色体DNAから単離したV領域遺伝子
を、イヌ染色体DNAから単離したC領域遺伝子と結合さ
せた場合、マウスV領域遺伝子には発現に必要なプロモ
ータやエンハンサー等の発現調節領域を含んでいること
が好ましい。ただし、プロモーターやエンハンサー等は
マウス由来である必要はなく、イヌ由来でもヒト由来で
もウイルス由来でも差しつかえない。また、プロモータ
ーはV領域の5′上流域に位置し、エンハイサーはV領
域遺伝子とC領域遺伝子の間に位置するのが好ましい
が、エンハイサーについては必ずしもこの位置に限定さ
れるものではない。一方、マウスcDNAから単離したV領
域遺伝子を、イヌcDNAから単離したC領域遺伝子と結合
させる場合、その結合部分は適当な制限酵素サイトや、
必要であれば適当な合成リンカーを用いて、V領域遺伝
子のコードしているアミノ酸配列とC領域遺伝子のコー
ドしているアミノ酸配列がずれないよう、またV領域ア
ミノ酸配列とC領域アミノ酸配列が変化しないよう結合
しなければならない。さらに、動物細胞中で発現を可能
にするための適当なプロモータやエンハンサー等の発現
調節領域を遺伝子の5′上流域に付加してやる必要があ
る。このようにして作製したキメラ抗体遺伝子を、例え
ば、pSV2−gpt[R.C.Mulliganら、Proc.Natl.Acad.Sci.
USA,78,p2027(1981)]、pSV2−neo[P.J.Southern
ら、J.Mol.Appl.Genet.,1,p327(1982)]等の選択マー
カーの付いた適当なベクタープラスミドに、あるいは、
宿主細胞内でプラスミド状態で増殖できるウイルス遺伝
子の一部(パピローマウイルスなど)を持ったベクター
プラスミドに、H鎖遺伝子とL鎖遺伝子を別々に、ある
いは同時に組み込み、キメラ抗体遺伝子プラスミドを構
築することが望ましい。マウス−イヌキメラ抗体を得る
ためには、このようにして調製されたキメラ抗体遺伝子
を含むプラスミドを用いて宿主動物細胞を形質転換する
ことが必要である。宿主動物細胞としては、不死化され
たマウス及び他の動物細胞、好ましくはBリンパ系細胞
株[例えば、P3X63Ag8・653(ATCC CRL 1580)、3PX63A
g8U・1(ATCC CRL 1597)、P3/NS1/1 Ag4−1(ATCC C
RL18)、Sp2/0−Ag12(ATCC CRL 1581)等の型地質細胞
腫、ハイブリドーマ]である。DNAによる細胞の形質転
換方法としては、DEAE−デキストラン法、燐酸カルシウ
ム共沈降法、プロトプロスト融合法、エレクトロポレー
ション法等の方法[例えば、B.D.Hamesら編集“Transcr
iption and Translation"IRL Press(1984)参照]があ
り、いずれの方法でもよい。H鎖とL鎖のキメラ抗体遺
伝子を同時に持つプラスミドで形質転換を行う場合には
選択マーカーには1種類でよいが、H鎖L鎖別々の場合
には2種類のマーカーが必要である。この場合には、1
つのプラスミドで形成転換を行った後に、さらにもう一
方のプラスミドで形質転換を行う二重形質転換法を用い
るのが好ましい。このようにして形質転換された細胞を
通常のハイブリドーマと同じ適当な条件下(例えば、10
%牛脂児血清を含むRPMI1640培地中)で培養すれば、こ
の細胞から通常のハイブリドーマの産生する抗体と同様
にマウス−イヌキメラ抗体が分泌産生される。このキメ
ラ抗体は通常の抗体と同様な方法により精製することが
出来る。
を、イヌ染色体DNAから単離したC領域遺伝子と結合さ
せた場合、マウスV領域遺伝子には発現に必要なプロモ
ータやエンハンサー等の発現調節領域を含んでいること
が好ましい。ただし、プロモーターやエンハンサー等は
マウス由来である必要はなく、イヌ由来でもヒト由来で
もウイルス由来でも差しつかえない。また、プロモータ
ーはV領域の5′上流域に位置し、エンハイサーはV領
域遺伝子とC領域遺伝子の間に位置するのが好ましい
が、エンハイサーについては必ずしもこの位置に限定さ
れるものではない。一方、マウスcDNAから単離したV領
域遺伝子を、イヌcDNAから単離したC領域遺伝子と結合
させる場合、その結合部分は適当な制限酵素サイトや、
必要であれば適当な合成リンカーを用いて、V領域遺伝
子のコードしているアミノ酸配列とC領域遺伝子のコー
ドしているアミノ酸配列がずれないよう、またV領域ア
ミノ酸配列とC領域アミノ酸配列が変化しないよう結合
しなければならない。さらに、動物細胞中で発現を可能
にするための適当なプロモータやエンハンサー等の発現
調節領域を遺伝子の5′上流域に付加してやる必要があ
る。このようにして作製したキメラ抗体遺伝子を、例え
ば、pSV2−gpt[R.C.Mulliganら、Proc.Natl.Acad.Sci.
USA,78,p2027(1981)]、pSV2−neo[P.J.Southern
ら、J.Mol.Appl.Genet.,1,p327(1982)]等の選択マー
カーの付いた適当なベクタープラスミドに、あるいは、
宿主細胞内でプラスミド状態で増殖できるウイルス遺伝
子の一部(パピローマウイルスなど)を持ったベクター
プラスミドに、H鎖遺伝子とL鎖遺伝子を別々に、ある
いは同時に組み込み、キメラ抗体遺伝子プラスミドを構
築することが望ましい。マウス−イヌキメラ抗体を得る
ためには、このようにして調製されたキメラ抗体遺伝子
を含むプラスミドを用いて宿主動物細胞を形質転換する
ことが必要である。宿主動物細胞としては、不死化され
たマウス及び他の動物細胞、好ましくはBリンパ系細胞
株[例えば、P3X63Ag8・653(ATCC CRL 1580)、3PX63A
g8U・1(ATCC CRL 1597)、P3/NS1/1 Ag4−1(ATCC C
RL18)、Sp2/0−Ag12(ATCC CRL 1581)等の型地質細胞
腫、ハイブリドーマ]である。DNAによる細胞の形質転
換方法としては、DEAE−デキストラン法、燐酸カルシウ
ム共沈降法、プロトプロスト融合法、エレクトロポレー
ション法等の方法[例えば、B.D.Hamesら編集“Transcr
iption and Translation"IRL Press(1984)参照]があ
り、いずれの方法でもよい。H鎖とL鎖のキメラ抗体遺
伝子を同時に持つプラスミドで形質転換を行う場合には
選択マーカーには1種類でよいが、H鎖L鎖別々の場合
には2種類のマーカーが必要である。この場合には、1
つのプラスミドで形成転換を行った後に、さらにもう一
方のプラスミドで形質転換を行う二重形質転換法を用い
るのが好ましい。このようにして形質転換された細胞を
通常のハイブリドーマと同じ適当な条件下(例えば、10
%牛脂児血清を含むRPMI1640培地中)で培養すれば、こ
の細胞から通常のハイブリドーマの産生する抗体と同様
にマウス−イヌキメラ抗体が分泌産生される。このキメ
ラ抗体は通常の抗体と同様な方法により精製することが
出来る。
本発明により供給されるイヌ免疫グロブリンをコード
する遺伝子断片は、イヌ免疫グロブリンκ鎖のC領域の
特異的アミノ酸配列もしくはDNA配列を開示するもので
あり、この遺伝子を用いて、上述のようにして得られる
マウス−イヌキメラ抗体は、イヌの疾病に対して、これ
までになかった実質的に有効な診断、予防及び治療剤と
なりうるものである。
する遺伝子断片は、イヌ免疫グロブリンκ鎖のC領域の
特異的アミノ酸配列もしくはDNA配列を開示するもので
あり、この遺伝子を用いて、上述のようにして得られる
マウス−イヌキメラ抗体は、イヌの疾病に対して、これ
までになかった実質的に有効な診断、予防及び治療剤と
なりうるものである。
次に、その実施例を示すが本発明はこれに限定される
ものではない。
ものではない。
実施例 (1)クロスハイブリダイゼーションの条件 イヌκ鎖遺伝子をクロスハイブリダイゼーション法に
よりクローニングするために、ヒトκ鎖とのクロスハイ
ブリダイゼーションの条件を検討した。ここで使用した
ヒトCκ領域を含んだ遺伝子は、ヒト培養細胞ARH77株
[ATCC CRL 1621]よりクローニングされたものであ
り、九州大学・生体防御医学研究所・渡邊武教授より分
与されたものである[工藤ら、Gene,33,p181(1985);
西村ら、Cancer Res.,47,p999(1987)参照]。このヒ
トCκ遺伝子より、Cκエクソンを含むEcoR I−EcoR I
断片を切り出し、プローブとして使用した。
よりクローニングするために、ヒトκ鎖とのクロスハイ
ブリダイゼーションの条件を検討した。ここで使用した
ヒトCκ領域を含んだ遺伝子は、ヒト培養細胞ARH77株
[ATCC CRL 1621]よりクローニングされたものであ
り、九州大学・生体防御医学研究所・渡邊武教授より分
与されたものである[工藤ら、Gene,33,p181(1985);
西村ら、Cancer Res.,47,p999(1987)参照]。このヒ
トCκ遺伝子より、Cκエクソンを含むEcoR I−EcoR I
断片を切り出し、プローブとして使用した。
イヌ肝臓細胞より、N.BlinとD.W.Staffordの方法[Nu
c.Acids.Res.,3,p2303(1976)]に従って染色体DNAを
単離し、各染色体DNA10μgを制限酵素EcoR I(宝酒造
製;以下本実施例で使用した試薬は、特に断りのない限
り宝酒造あるいは東洋紡製を使用した)で切断する。制
限酵素切断DNAを電気泳動で0.7%アガロースゲルに展開
し、ニトロセルロースメンブレンフィルター(S&S社
製:BA 85)に転写後、ヒトCκ領域を含んだ[32P]標
準DNAプローブとサザンハイブリダイゼーションを行っ
た。サザンハイブリダイゼーションの条件は、6xSSC
[0.09M Na3C6H5O7.2H2O,0.9M NaCl]、10mM EDTA[同
仁化学]、0.5%SDS[バイオ・ラッド]の溶液中で65℃
一晩行った。フィルターの最終的な洗浄条件は、0.1xSS
C、0.1%SDSの溶液中で45℃、15分間行った。このフィ
ルターをオートラジオグラフィーにかけた結果は、第1
図に示すように約5kbの単一バンドを形成した。分子の
サイズはλファージDNAをHind IIIで切断したマーカーD
NAによって算出した。この5kbのDNA断片にはイヌκ鎖遺
伝子が含まれていると思われるので、これをクローニン
グするターゲットとした。
c.Acids.Res.,3,p2303(1976)]に従って染色体DNAを
単離し、各染色体DNA10μgを制限酵素EcoR I(宝酒造
製;以下本実施例で使用した試薬は、特に断りのない限
り宝酒造あるいは東洋紡製を使用した)で切断する。制
限酵素切断DNAを電気泳動で0.7%アガロースゲルに展開
し、ニトロセルロースメンブレンフィルター(S&S社
製:BA 85)に転写後、ヒトCκ領域を含んだ[32P]標
準DNAプローブとサザンハイブリダイゼーションを行っ
た。サザンハイブリダイゼーションの条件は、6xSSC
[0.09M Na3C6H5O7.2H2O,0.9M NaCl]、10mM EDTA[同
仁化学]、0.5%SDS[バイオ・ラッド]の溶液中で65℃
一晩行った。フィルターの最終的な洗浄条件は、0.1xSS
C、0.1%SDSの溶液中で45℃、15分間行った。このフィ
ルターをオートラジオグラフィーにかけた結果は、第1
図に示すように約5kbの単一バンドを形成した。分子の
サイズはλファージDNAをHind IIIで切断したマーカーD
NAによって算出した。この5kbのDNA断片にはイヌκ鎖遺
伝子が含まれていると思われるので、これをクローニン
グするターゲットとした。
(2)κ鎖遺伝子の単離 イヌ肝臓の染色体DNA100μgをEcoR Iで完全消化した
後、この5kbに相当するDNA断片をしょ糖密度勾配遠心
[しょ糖10〜40%(wt/vol)、26000rpm、18時間、15
℃]により調製した。次にこのDNA断片とλgt11ベクタ
ーDNA(ストラタジーン社)のEcoR IアームとをT4DNAリ
ガーゼにより連結させ、ストラタジーン社のキットを用
いて、in vitroパッケージングを行い、イヌ肝臓細胞の
κ鎖遺伝子ライブラリィを得た。このライブラリィか
ら、ヒトCκプローブを用いて前述のクロスハイブリダ
イゼーションと同じ条件でプラークハイブリダイゼーシ
ョン[W.D.Benton,R.W.Davis,Science,196,p180(197
7)]を行い、イヌCκ鎖エクソンを含むクローンDEκ5
aを選択した。このクローンの制限酵素切断点地図を第
3図に示す。このクローンのEcoR I挿入断片をThomasと
Davisの方法[M.Thomas,R.W.Davis,J.Mol.Biol.,91,p31
5(1974)参照]によりファージDNAより単離し、さらに
pUC18ベクターのEcoR Iサイトにサブクローニングし
た。
後、この5kbに相当するDNA断片をしょ糖密度勾配遠心
[しょ糖10〜40%(wt/vol)、26000rpm、18時間、15
℃]により調製した。次にこのDNA断片とλgt11ベクタ
ーDNA(ストラタジーン社)のEcoR IアームとをT4DNAリ
ガーゼにより連結させ、ストラタジーン社のキットを用
いて、in vitroパッケージングを行い、イヌ肝臓細胞の
κ鎖遺伝子ライブラリィを得た。このライブラリィか
ら、ヒトCκプローブを用いて前述のクロスハイブリダ
イゼーションと同じ条件でプラークハイブリダイゼーシ
ョン[W.D.Benton,R.W.Davis,Science,196,p180(197
7)]を行い、イヌCκ鎖エクソンを含むクローンDEκ5
aを選択した。このクローンの制限酵素切断点地図を第
3図に示す。このクローンのEcoR I挿入断片をThomasと
Davisの方法[M.Thomas,R.W.Davis,J.Mol.Biol.,91,p31
5(1974)参照]によりファージDNAより単離し、さらに
pUC18ベクターのEcoR Iサイトにサブクローニングし
た。
(3)DEκ5aを用いたサザン及びノーザンブロット分析 初めにいこのDEκ5aを用いたサザンブロット分析を行
った。イヌ肝臓細胞の染色体DNA10μgを制限酵素EcoR
Iで切断し、このDNAを電気泳動で0.7%アガロースゲル
に展開し、ナイロンメンブレンフィルター(ジーンスク
リーンプラス、NEN・リサーチ・プロダクト)に転写
後、イヌCκ鎖領域を含んだ[32P]標識DEκ5aプロー
ブとサザンハイブリダイゼーションを行った。サザンハ
イブリダイゼーションの方法はジーンスクリーンプラス
に付属していたマニュアルのプロトコールに従った。検
出されたバンドのパターンを、以前行ったヒトCκ鎖プ
ローブを用いたクロスハイブリダイゼーションのパター
ンと比較した結果、全く同じ位置(約5kb)にバンドが
みとめられた。分子サイズはλファージDNAをHind III
で切断したマーカーDNAによって算出した。この結果よ
り、イヌCκ領域遺伝子は、他にサブタイプをもたない
1種類の遺伝子であることが推定された。これは、ヒト
及びマウスの例[P.A.Hieterら、Cell,22,p197(198
9);E.E.Maxら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,76,P3450(19
79)]からも示唆されている。
った。イヌ肝臓細胞の染色体DNA10μgを制限酵素EcoR
Iで切断し、このDNAを電気泳動で0.7%アガロースゲル
に展開し、ナイロンメンブレンフィルター(ジーンスク
リーンプラス、NEN・リサーチ・プロダクト)に転写
後、イヌCκ鎖領域を含んだ[32P]標識DEκ5aプロー
ブとサザンハイブリダイゼーションを行った。サザンハ
イブリダイゼーションの方法はジーンスクリーンプラス
に付属していたマニュアルのプロトコールに従った。検
出されたバンドのパターンを、以前行ったヒトCκ鎖プ
ローブを用いたクロスハイブリダイゼーションのパター
ンと比較した結果、全く同じ位置(約5kb)にバンドが
みとめられた。分子サイズはλファージDNAをHind III
で切断したマーカーDNAによって算出した。この結果よ
り、イヌCκ領域遺伝子は、他にサブタイプをもたない
1種類の遺伝子であることが推定された。これは、ヒト
及びマウスの例[P.A.Hieterら、Cell,22,p197(198
9);E.E.Maxら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,76,P3450(19
79)]からも示唆されている。
次にノーザンブロット分析を行った。ハイブリダイゼ
ーションに使用したRNAはイヌ脾臓細胞から全RNAをグア
ニジウムチオシアネート法[J.M.Ghingwinら、Biochemi
stry,18,p5294(1979)]により分離し、さらにオリゴd
Tカラム(ファルマシア)を用いてポリA+RNAに精製し
たものである。このRNA2μgを電気泳動により3%ホル
ムアルデヒドを含む0.75%アガロースゲルに展開し、ナ
イロンメンブレンフィルター(ジーンスクリーンプラ
ス)に転写後、[32P]標準DEκ5aプローブとノーザン
ハイブリダイゼーションを行った。ノーザンハイブリダ
イゼーションの方法はジンスクリーンプラスに付属のマ
ニュアルのロトコールに従った。このプローブにより約
1.3kbの位置にバンドが検出された(第2図)。このサ
イズはマウス及びヒトで知られている免疫グロブリンκ
鎖遺伝子のサイズとほぼ同じである。
ーションに使用したRNAはイヌ脾臓細胞から全RNAをグア
ニジウムチオシアネート法[J.M.Ghingwinら、Biochemi
stry,18,p5294(1979)]により分離し、さらにオリゴd
Tカラム(ファルマシア)を用いてポリA+RNAに精製し
たものである。このRNA2μgを電気泳動により3%ホル
ムアルデヒドを含む0.75%アガロースゲルに展開し、ナ
イロンメンブレンフィルター(ジーンスクリーンプラ
ス)に転写後、[32P]標準DEκ5aプローブとノーザン
ハイブリダイゼーションを行った。ノーザンハイブリダ
イゼーションの方法はジンスクリーンプラスに付属のマ
ニュアルのロトコールに従った。このプローブにより約
1.3kbの位置にバンドが検出された(第2図)。このサ
イズはマウス及びヒトで知られている免疫グロブリンκ
鎖遺伝子のサイズとほぼ同じである。
これら2つの結果より、このDEκ5aは機能的なイヌC
κ領域を生む活性な遺伝子であることが推定された。
κ領域を生む活性な遺伝子であることが推定された。
(4)DEκ5aの核酸塩基配列とアミノ酸配列 イヌCκ領域の核酸塩基配列を調べるために、クロー
ンDEκ5aよりCκ領域を含む約2.0kbのDNA断片(Pst I
断片)を単離し、pUC18ベクターのPst Iサイトに再クロ
ーニングした。このプラスミドを常法[例えば、T.Mani
atis“Molecular Cloning"Cold Spring Harbor Lab.(1
982)参照]に従って大量に調製し、さらにこのPst I断
片からPst I−Hae III,Hae III−Rsa I,Rsa I−Rsa I、
Rsa I−Hae IIIの各小DNA断片を調製した。これらの各
小断片をT4−DNAポリメレースを用いて切断面を平滑末
端に変えた後、M13mp19ベクターのSma Iサイトに宝ライ
ゲーションキットを用いて挿入した。東洋紡インストラ
クトマニュアルの方法に従い、JM101のコンピテント細
胞を調製し、Cκ領域遺伝子を挿入した1M3mp19DNAで形
質転換させ、一本鎖DNAを抽出精製した。さらにこの一
本鎖DNAの核酸塩基配列決定は、タカラM13シークエンシ
ングキットと富士・ジェンサー・ゲル・システムを用い
て行った。核酸塩基配列決定を行った方向は第3図に示
す。核酸塩基配列決定の結果、1つのエクソンからなる
Cκ遺伝子が確認された。第4図にその結果を示す。さ
らに、この核酸塩基配列を基にアミノ酸に変換したとこ
ろ、この遺伝子がオープンリーディングフレームをと
り、疑似遺伝子でないことが示された(第5図)。
ンDEκ5aよりCκ領域を含む約2.0kbのDNA断片(Pst I
断片)を単離し、pUC18ベクターのPst Iサイトに再クロ
ーニングした。このプラスミドを常法[例えば、T.Mani
atis“Molecular Cloning"Cold Spring Harbor Lab.(1
982)参照]に従って大量に調製し、さらにこのPst I断
片からPst I−Hae III,Hae III−Rsa I,Rsa I−Rsa I、
Rsa I−Hae IIIの各小DNA断片を調製した。これらの各
小断片をT4−DNAポリメレースを用いて切断面を平滑末
端に変えた後、M13mp19ベクターのSma Iサイトに宝ライ
ゲーションキットを用いて挿入した。東洋紡インストラ
クトマニュアルの方法に従い、JM101のコンピテント細
胞を調製し、Cκ領域遺伝子を挿入した1M3mp19DNAで形
質転換させ、一本鎖DNAを抽出精製した。さらにこの一
本鎖DNAの核酸塩基配列決定は、タカラM13シークエンシ
ングキットと富士・ジェンサー・ゲル・システムを用い
て行った。核酸塩基配列決定を行った方向は第3図に示
す。核酸塩基配列決定の結果、1つのエクソンからなる
Cκ遺伝子が確認された。第4図にその結果を示す。さ
らに、この核酸塩基配列を基にアミノ酸に変換したとこ
ろ、この遺伝子がオープンリーディングフレームをと
り、疑似遺伝子でないことが示された(第5図)。
このDEκ5aの核酸塩基配列を基に遺伝子解析ソフト
(Genetxy:ソフトウエア開発社製)を用いて、LASLとEM
BLのデータベースをホモロジー検索したところ、ヒト及
びマウスの免疫グロブリンκ鎖と高いホモロジーを示
し、免疫グロブリンκ鎖遺伝子以外の遺伝子とはホモロ
ジーは示さなかった。DEκ5a遺伝子のCκ領域とマウス
及びヒトのCκ領域をホモロジー比較すると、拡酸レベ
ルでマウスとは73.3%、ヒトとは73.0%であり、アミノ
酸レベルでマウスとは59.0%、ヒトとは59.6%であっ
た。
(Genetxy:ソフトウエア開発社製)を用いて、LASLとEM
BLのデータベースをホモロジー検索したところ、ヒト及
びマウスの免疫グロブリンκ鎖と高いホモロジーを示
し、免疫グロブリンκ鎖遺伝子以外の遺伝子とはホモロ
ジーは示さなかった。DEκ5a遺伝子のCκ領域とマウス
及びヒトのCκ領域をホモロジー比較すると、拡酸レベ
ルでマウスとは73.3%、ヒトとは73.0%であり、アミノ
酸レベルでマウスとは59.0%、ヒトとは59.6%であっ
た。
以上の結果より、DEκ5a遺伝子は間違いなくイヌκ鎖
に属する遺伝子であり、マウス−イヌキメラ抗体の作製
を可能にする遺伝子であると思われた。尚、本発明者ら
は、このような本発明のイヌ免疫グロブリンκ鎖の定常
領域をコードする遺伝子断片DEκ5aが組み込まれている
ベクターを有する大腸菌を、Escherichia coli CCK−DE
K5Aとして微工研菌寄第10986号として寄託している。
に属する遺伝子であり、マウス−イヌキメラ抗体の作製
を可能にする遺伝子であると思われた。尚、本発明者ら
は、このような本発明のイヌ免疫グロブリンκ鎖の定常
領域をコードする遺伝子断片DEκ5aが組み込まれている
ベクターを有する大腸菌を、Escherichia coli CCK−DE
K5Aとして微工研菌寄第10986号として寄託している。
(5)マウス免疫グロブリンκ鎖可変(Vκ)領域遺伝
子の単離 抗CPV抗体産生ハイブリドーマJP2(γ1,κ)より染色
体DNAを単離し、染色体DNA100μgを制限酵素Hind III
で切断する。次にこのDNA断片とλL47ベクターDNA(ス
トラタジーン)をT4DNAリガーゼにより連結させ、JP細
胞の染色体DNAライブラリィを得た。このライブラリィ
から、プラークハイブリダイゼイゼーション法[W.D.Be
nton、R.W.Davis,Science,196,(p180(1977)参照]に
よりマウスJκプローブを用いて抗CPV抗体のVκ領域
遺伝子を含むクローンJP2gL411を選択した。第6図はそ
の制限酵素切断段点地図である。この遺伝子断片よりV
κエクソン部分を含んだ、BamH I−Hind III断片を調製
し、以下のイヌ−マウスキメラ抗体L鎖遺伝子の材料と
した。
子の単離 抗CPV抗体産生ハイブリドーマJP2(γ1,κ)より染色
体DNAを単離し、染色体DNA100μgを制限酵素Hind III
で切断する。次にこのDNA断片とλL47ベクターDNA(ス
トラタジーン)をT4DNAリガーゼにより連結させ、JP細
胞の染色体DNAライブラリィを得た。このライブラリィ
から、プラークハイブリダイゼイゼーション法[W.D.Be
nton、R.W.Davis,Science,196,(p180(1977)参照]に
よりマウスJκプローブを用いて抗CPV抗体のVκ領域
遺伝子を含むクローンJP2gL411を選択した。第6図はそ
の制限酵素切断段点地図である。この遺伝子断片よりV
κエクソン部分を含んだ、BamH I−Hind III断片を調製
し、以下のイヌ−マウスキメラ抗体L鎖遺伝子の材料と
した。
(6)マウス−イヌキメラ抗体L鎖遺伝子(pSV2−EPLD
Cκ)の作製 (4)で得られたプラスミドpDE5aPstをHind III及び
EcoR Iで切断し、ネコ免疫グロブリンCκ鎖遺伝子を含
む2kbのHind III−EcoR I DNA断片を調製した。一方、
(5)で得られたマウス免疫グロブリンVκ鎖遺伝子を
含むプラスミドpJP2gL411をBamH I及びHind IIIで切断
し、4.4kbのマウス免疫グロブリンVκ−Jκ領域遺伝
子を得た。これらの遺伝子を、EcoR I及びBamH Iで切断
したpSV2−neoベクター[P.J.Southernら、J.Mol.Appl.
Genet.,1,p327(1982)]ともに宝ライゲーションキッ
トを用いて連結し、プラスミドpSV2−PLDCκを得た。次
に、ヒトγ鎖のエンハンサー領域を含む1.0kbのEcoR I
−EcoR I DNA断片[T.H.Rabbitsら、Nature 306,p806
(1983)]の両端をT4−DNAポイメラーゼを用いた平滑
末端に変え、宝ライゲーションキットを用いてこの両端
にBamH Iリンカー(宝社製)を連結し、両端がBamH Iサ
イトに変更されたヒトγ鎖エンハンサー領域遺伝子を得
た。この遺伝子を前述のプラスミドpSV2−PLDCκのBamH
Iサイトに挿入しプラスミドpSV2−EPLDCκを作製し
た。(第7図)
Cκ)の作製 (4)で得られたプラスミドpDE5aPstをHind III及び
EcoR Iで切断し、ネコ免疫グロブリンCκ鎖遺伝子を含
む2kbのHind III−EcoR I DNA断片を調製した。一方、
(5)で得られたマウス免疫グロブリンVκ鎖遺伝子を
含むプラスミドpJP2gL411をBamH I及びHind IIIで切断
し、4.4kbのマウス免疫グロブリンVκ−Jκ領域遺伝
子を得た。これらの遺伝子を、EcoR I及びBamH Iで切断
したpSV2−neoベクター[P.J.Southernら、J.Mol.Appl.
Genet.,1,p327(1982)]ともに宝ライゲーションキッ
トを用いて連結し、プラスミドpSV2−PLDCκを得た。次
に、ヒトγ鎖のエンハンサー領域を含む1.0kbのEcoR I
−EcoR I DNA断片[T.H.Rabbitsら、Nature 306,p806
(1983)]の両端をT4−DNAポイメラーゼを用いた平滑
末端に変え、宝ライゲーションキットを用いてこの両端
にBamH Iリンカー(宝社製)を連結し、両端がBamH Iサ
イトに変更されたヒトγ鎖エンハンサー領域遺伝子を得
た。この遺伝子を前述のプラスミドpSV2−PLDCκのBamH
Iサイトに挿入しプラスミドpSV2−EPLDCκを作製し
た。(第7図)
第1図は、イヌ肝臓細胞の染色体DNAを制御酵素EcoR I
で切断し、これをヒトCκ鎖領域を含んだ[32P]標識
プローブとサザンハイブリダイゼーションを行った結果
の模式図である。 第2図は、イヌ脾臓細胞から抽出したポリA+RNAと[
32P]標識DEκ5aプローブとのノーザンハイブリダイゼ
ーションの模式図である。 第3図は、本発明においてクローニングされたイヌ免疫
グロブリンκ鎖定常領域をコードするDNA断片(DEκ5
a)の制限酵素切断地図および塩基配列解析を行った領
域(→)を示す。 第4図は、本発明でクローニングされたDNA断片DEκ5a
に存在するイヌ免疫グロブリンκ鎖定常領域をコードす
るDNA塩基配列を示す。 第5図は、本発明においてクローニングされたDNA断片D
Eκ5a中にコードされるイヌ免疫グロブリンκ鎖定常領
域の全アミノ酸配列を示す。 第6図は、実施例(5)で調製した抗CPV抗体のVκ領
域遺伝子を含むクローンJP2gL411の制限酵素切断点地図
を示す。 第7図は、実施例(6)で構築した抗CPVマウス×イヌ
キメラ抗体L鎖を発現する遺伝子(pSV2−EPLDCκ)の
構築図を示す。
で切断し、これをヒトCκ鎖領域を含んだ[32P]標識
プローブとサザンハイブリダイゼーションを行った結果
の模式図である。 第2図は、イヌ脾臓細胞から抽出したポリA+RNAと[
32P]標識DEκ5aプローブとのノーザンハイブリダイゼ
ーションの模式図である。 第3図は、本発明においてクローニングされたイヌ免疫
グロブリンκ鎖定常領域をコードするDNA断片(DEκ5
a)の制限酵素切断地図および塩基配列解析を行った領
域(→)を示す。 第4図は、本発明でクローニングされたDNA断片DEκ5a
に存在するイヌ免疫グロブリンκ鎖定常領域をコードす
るDNA塩基配列を示す。 第5図は、本発明においてクローニングされたDNA断片D
Eκ5a中にコードされるイヌ免疫グロブリンκ鎖定常領
域の全アミノ酸配列を示す。 第6図は、実施例(5)で調製した抗CPV抗体のVκ領
域遺伝子を含むクローンJP2gL411の制限酵素切断点地図
を示す。 第7図は、実施例(6)で構築した抗CPVマウス×イヌ
キメラ抗体L鎖を発現する遺伝子(pSV2−EPLDCκ)の
構築図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12N 15/09 ZNA C12R 1:91) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/00 - 15/90 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG) EPAT(QUESTEL)
Claims (5)
- 【請求項1】以下の(a)又は(b)のポリペプチドを
コードするDNA配列を含有する遺伝子断片。 (a)下記のアミノ酸配列からなるイヌ免疫グロブリン
κ鎖の定常領域ポリペプチド。 (b)アミノ酸配列(a)において1もしくは数個のア
ミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列か
らなり、かつイヌ免疫グロブリンκ鎖定常領域の機能を
有するポリペプチド。 - 【請求項2】(2)以下の(a)又は(b)のDNA配列
を含む遺伝子断片。 (a)下記の塩基配列からなるDNA。 (b)(a)の塩基配列からなるDNAに対して相補的なD
NAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、か
つイヌ免疫グロブリンκ鎖定常領域の機能を有するポリ
ペプチドをコードするDNA。 - 【請求項3】マウス免疫グロブリンL鎖の可変領域をコ
ードする遺伝子断片の3′側に、下記(a)又は(b)
のイヌ免疫グロブリンκ鎖の定常領域をコードする遺伝
子断片を接続したことを特徴とするマウス×イヌキメラ
抗体L鎖をコードする組換えDNA分子。 (a)下記のアミノ酸配列からなるイヌ免疫グロブリン
κ鎖の定常領域ポリペプチド。 (b)アミノ酸配列(a)において1もしくは数個のア
ミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列か
らなり、かつイヌ免疫グロブリンκ鎖定常領域の機能を
有するポリペプチド。 - 【請求項4】マウス免疫グロブリンL鎖の可変領域をコ
ードする遺伝子断片の3′側にイヌ免疫グロブリンκ鎖
の定常領域をコードする下記の(a)又は(b)の遺伝
子断片を接続したことを特徴とするマウス×イヌキメラ
抗体L鎖をコードする組換えDNA分子。 (a)下記の塩基配列からなるDNA。 (b)(a)の塩基配列からなるDNAに対して相補的なD
NAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、か
つイヌ免疫グロブリンκ鎖定常領域の機能を有するポリ
ペプチドをコードするDNA。 - 【請求項5】マウス免疫グロブリンL鎖の可変領域をコ
ードする遺伝子断片の3′側に、下記(a)又は(b)
のイヌ免疫グロブリンκ鎖の定常領域をコードする遺伝
子断片を接続したことを特徴とするマウス×イヌキメラ
抗体L鎖をコードする組換えDNA分子が組み込まれた細
胞用発現ベクターによって形質転換された細胞により発
現されたマウス×イヌキメラ抗体L鎖ペプチド。 (a)下記のアミノ酸配列からなるイヌ免疫グロブリン
κ鎖の定常領域ポリペプチド。 (b)アミノ酸配列(a)において1もしくは数個のア
ミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列か
らなり、かつイヌ免疫グロブリンκ鎖定常領域の機能を
有するポリペプチド。
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