JP2000508881A - 免疫グロブリン遺伝子の再編成されたゲノム可変領域のpcr増幅 - Google Patents

免疫グロブリン遺伝子の再編成されたゲノム可変領域のpcr増幅

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、免疫グロブリンの可変領域遺伝子を単離する方法、ならびにキメラ抗体及びアイソタイプ変換抗体の作製における該遺伝子の利用を特徴とする。本発明は、また、ハイブリドーマ細胞系HNK-20によって産生される抗体の可変領域をコードする実質的に純粋なDNA、及びこの可変領域を含むキメラ抗体を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】 免疫グロブリン遺伝子の再編成されたゲノム可変領域のPCR増幅 発明の背景 マウスのハイブリドーマ技術の発展によって、広範囲の抗原に対して特異的な 抗体(Ab)の産生が可能になった。マウスのモノクローナル抗体(mAb)は、診 断および、稀にではあるが、人間の治療やインビボの診断学に幅広く用いられて きた。マウスの抗体をヒトに投与すると、一回限りの処理や、反復して処理した 後に、強力な、ヒトの抗マウス抗体応答(HAMA)を誘導するのが観察されたため 、これらの抗体を用いた長期間の治療はできないことになる。さらに、齧歯類の 抗体は、ヒトの血清から速やかに取り除かれるので、しばしばヒトの免疫系と効 果的には相互作用しない。一般的に、ヒトのハイブリドーマは不安定で、少量の 抗体(大抵はIgMs)しか分泌しないため、外来抗体(例えば、マウス抗体)を、 それが投与される宿主(例えば、ヒト)の抗体によりよく似させるために相当の 努力が払われてきた。ヒトのハイブリドーマに由来する抗体に代わるものとして 、マウスの免疫グロブリンの配列(例えば、定常領域)を、ヒトの免疫グロブリ ン遺伝子に由来する配列の、これに相当する部分で置き換えたものが開発されて きた。このような抗体のタイプの2つの実施例は、(1)マウスの可変領域が、 ヒトの定常領域と組み換えられたキメラmAbs(モリソンら(Morrison et al.) 、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851-6855,1984;ブーリアンら(Boulianne et al.)、Nature 312:643-646,1984)と、(2)マウスのCDRs(相補性決定領 域)で、これに相当するヒトの免疫グロブリンの配列を置き換えた、ヒトに適応 させたmAbsである(ジョーンズら(Jones et al.)、Nature 321:522-525,1986 ;コーら(Co et al.)、Nature 351:501-502,1991)。このように加工された抗 体は、標的特異性を保持しており、患者に注射すると、抑制されたHAMA応答を一 般的に示す。さらに、適当な免疫グロブリンのアイソタイプに相当する定常領域 を用いて、一定の臨床適用にとって望ましい、抗体のエフェクター機能を得るこ とができる。 このような進歩にも拘わらず、可変領域配列のクローニングが、キメラでアイ ソタイプが変換された抗体を速やかに構築する上で律速段階となってきた。免疫 グロブリンの重鎖と軽鎖の可変領域のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による増幅 によって、このステップが容易になった。しかし、重鎖遺伝子も軽鎖遺伝子も、 リーダー配列と可変配列におけるDNA配列の多型性の程度が高いために、縮重プ ライマーの複雑な組み合わせを調製する必要があった(ジョーンズら(Jones et al.)、Bio/Technology 9:88-89,1991;ケトルボロら(Kettleborough et al. )、Eur.J.Immunol.23:206-211,1993;ル・ブフら(Le Boeuf et al.)、Gen e 82:371-377,1989;オーランディら(Orlandi et al.)、Proc.Natl.Acad.S ci.USA 86:3833-3837,1989)。5'側プライマーの場合、これらのプライマーは 、大抵、可変領域の1番目の枠組み(FR1)に対応するように設計されてきてお り、場合によっては、リーダーペプチド配列(L)に対応するように設計されて きた。3'側プライマーは、大抵、限られた多型性しか示さない枠組み4(FR4)領 域、または、保存された、アイソタイプ特異的な配列を同定するのが容易な定常 領域に対応するように設計されてきた。5'側プライマーと3'側プライマーの複雑 な組み合わせが設計されてきたが、それらは必ずしもDNA鋳型に完全には一致し ない(ガビロンド-コーレイら(Gavilondo-Cowley et al.)、Hybridoma9:407-4 17,1990;ローンら(Leung et al.)、BioTechniques 15:286-292,1993)。し たがって、免疫グロブリンの重鎖及び軽鎖遺伝子の本来の配列は、PCR増幅処理 によって、FR1および/またはFR4領域で変更されうる。免疫グロブリンのN末領域 の改変、特に、2番目のアミノ酸がCDR1の推定される標準的な構造の一部である 軽鎖の可変領域(VL)の改変によって(チョーティアら(Chothia et al.)、Na ture 342:877-883,1989)、抗原に対する免疫グロブリンの結合力が劇的に低下 することが示されている。さらに、リーダーペプチドに突然変異が起きると、組 み換え抗体の発現レベルも変化すると考えられる。これらのプライマーを用いた 免疫グロブリンのH(重)鎖とκ/λ(軽)鎖の可変領域のPCR増幅に関するほと んどの研究において、cDNAが鋳型に用いられるため、定常領域の一部につながっ ている、またはつながっていない不完全なVH配列およびVL配列を含む断片が生成 されることになる。 発明の要約 発明者らは、特異的なモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞のゲ ノムDNAから、免疫グロブリンのFv(可変)断片をコードする核酸を単離するた めの方法を立案した。本方法においては、(1)可変領域の5'非翻訳領域(UTR )、および、(2)再編成されたJH/Jκ/λ配列の下流にあるイントロンに対す る特異的なプライマーが用いられている。この方法は、重鎖の可変遺伝子だけで なく、λおよびκ軽鎖の可変遺伝子に対応するゲノムDNAを増幅し、クローニン グするために用いることができる。この方法によって単離された可変遺伝子を、 異種生物(例えば、ヒト)の軽鎖および重鎖の定常遺伝子をもつ発現ベクターに 簡単に挿入することができ、これによって、アイソタイプの変換または抗体のキ メラ化が容易になる。この方法を用いて、発明者らは、ハイブリドーマ細胞系HN K-20によって産生される抗体のカッパ軽鎖及び重鎖の可変領域(Fv)をコードす る遺伝子を初めてクローン化した。 したがって、一つの局面において、本発明は、ハイブリドーマ細胞系HNK-20に よって産生される抗体の可変領域をコードする、実質的に純粋なDNA(ゲノムDNA またはcDNA)を特徴とする。可変領域は、抗体の免疫グロブリン重鎖に由来する ことができ、あるいは、抗体の免疫グロブリン軽鎖に由来することもできる。こ のDNAは、さらに、ヒトの免疫グロブリンの定常領域といった、免疫グロブリン 定常領域をコードしていると考えられる。免疫グロブリンは、いかなるアイソタ イプのものでもよく、IgA(例えば、IgA1、IgA2、および、sIgA)、IgG、IgM、I gDあるいは、IgEアイソタイプなどが含まれるが、これらに限定されない。IgAア イソタイプの場合、免疫グロブリンの重鎖はα鎖でもよい。 一つの態様において、実質的に純粋なDNAは、図5Bの配列を含むか、それの縮 重した変異配列を含んでおり、図5Bのアミノ酸配列をコードしている。別の態様 において、実質的に純粋なDNAは、図5BのDNA配列と約50%以上の配列一致性を有 する配列を含む。別の態様において、実質的に純粋なDNAは、a)厳密な条件下で 、図5BのDNA配列とハイブリダイズすることができ、b)HNK-20の可変領域の生物 学的活性をもつポリペプチドをコードしている。 別の態様において、実質的に純粋なDNAは、図5Cの配列を含むか、それの縮重 した変異配列を含んでおり、図5Cのアミノ酸配列をコードしている。別の態様に おいて、実質的に純粋なDNAは、図5CのDNA配列に約50%以上の配列一致性をもつ 配 列を含む。別の態様において、実質的に純粋なDNAは、a)厳密な条件下で、図5C のDNA配列とハイブリダイズすることができ、b)HNK-20の可変領域の生物学的活 性をもつポリペプチドをコードしている。 別の態様において、実質的に純粋なDNAは、図5Dの配列を含むか、それの縮重 した変異配列を含んでおり、図5Dのアミノ酸配列をコードしている。別の態様に おいて、実質的に純粋なDNAは、図5DのDNA配列に50%以上の配列一致性がある配 列を含む。別の態様において、実質的に純粋なDNAは、a)厳密な条件下で、図5D のDNA配列とハイブリダイズすることができ、b)HNK-20の可変領域の生物学的活 性をもつポリペプチドをコードしている。 本発明の別の局面において、このDNAは、可変領域を発現させるために、プロ モーター配列および/またはエンハンサー配列などの制御配列に、操作的に結合 されている。関連する局面において、本発明は、プロモーター配列に操作的に結 合された、本発明のDNAを含むベクター(例えば、プラスミドベクターあるいはウ イスルベクター)を特徴とする。本発明はまた、本発明のDNAを含む細胞(例えば 、ミエローマ細胞)を特徴とする。 別の局面において、本発明は、ハイブリドーマ細胞系HNK-20によって産生され るモノクローナル抗体に由来する可変領域を含む組み換え抗体を特徴とする。一 つの態様において、可変領域は、モノクローナル抗体の免疫グロブリン重鎖に由 来する。別の態様において、可変領域は、モノクローナル抗体の免疫グロブリン 軽鎖に由来する。組み換え抗体は、さらに、例えば、ヒト免疫グロブリンの定常 領域などのキメラ定常領域を含むと考えられる。本発明の抗体は、前述したリス トにあるような免疫グロブリンのいずれかのアイソタイプのものである。したが って、本発明の抗体は、α重鎖を含んでもよいので、この場合にはIgAのアイソ タイプの抗体である。 本発明は、また、ハイブリドーマ細胞系HNK-20によって産生されるモノクロー ナル抗体に由来する可変領域を含む組み換え抗体を作出する方法を特徴とする。 この方法には、定常領域(例えば、ヒトの定常領域)だけでなく、抗体の可変領 域をコードするDNAの発現が含まれる。当業において知られている標準的な方法 を用いて、DNAの発現を行なうことができる。好ましくは、DNAは細胞、例えば、 ミ エローマ細胞の中で発現される。細胞は、組み換え抗体が産生される条件の下で 培養されてから、標準的な方法を用いて、細胞、または、細胞が培養された上清 から抗体が精製される。 最終的な局面において、本発明は、免疫グロブリン遺伝子(例えば、ハイブリ ドーマ細胞系HNK-20に由来する免疫グロブリン遺伝子)の可変領域を含む核酸を 単離する方法を特徴とする。この方法においては、該免疫グロブリン遺伝子の5 ’非翻訳領域の、多型的な変異配列の分節を含む第一プライマーのセットと、該 免疫グロブリン遺伝子の3'イントロンと再編成したJ領域の、多型的な変異配列 の分節を含む第二プライマーのセットを用いて、免疫グロブリンの可変領域をコ ードするゲノムDNAを含むポリメラーゼ連鎖反応を行なった。ポリメラーゼ連鎖 反応から、免疫グロブリン遺伝子の配列を含むプライマー一組を確認した後、そ れを免疫グロブリン遺伝子を増幅するために用いた。 「プロモーター」とは、転写を行わせるのに足る最小限の配列要素を意味する 。また、プロモーター依存的な遺伝子発現を、細胞型特異的あるいは組織特異的 発現に関して制御可能なものにするのに充分なプロモーター要素や、外部シグナ ルまたは試薬によって、発現を誘導可能なものにする要素も本発明に包含される が、このような要素は、本来の遺伝子の5'または3'領域や内部に位置すると考え られる。 「操作的に結合された」とは、適当な分子(例えば、転写活性化蛋白質)が制 御配列に結合したときに遺伝子発現ができるよう、遺伝子と制御配列が連結され ていることを意味する。 「実質的に同一の」とは、対照用アミノ酸または核酸の配列に少なくとも50% 、好ましくは85%、より好ましくは90%、最も好ましくは95%の相同性を示すポ リペプチドや核酸を意味する。ポリペプチドについては、比較する配列の長さは 、一般的に16アミノ酸以上であり、好ましくは20アミノ酸以上、より好ましくは 25アミノ酸以上、最も好ましくは35アミノ酸である。核酸については、比較する 配列の長さは、一般的に30ヌクレオチド以上であり、好ましくは50ヌクレオチド 以上、より好ましくは75ヌクレオチド以上、最も好ましくは110ヌクレオチドで ある。 配列同一性は、典型的には、配列解析用ソフトウエア(例えば、遺伝学コンピ ュータグループ(Genetics Computer Group)の配列解析用ソフトウエアパッケ ージ、ウィスコンシン州53705、マディソン、ユニバシティー通り1710、ウィス コンシン大学バイオテクノロジーセンター;オースベルら(Ausubel et al.)編 、「分子生物学の最新プロトコール」、ウィリー・アンド・サン社、ニューヨー ク、1989)を用いて判断される。このようなソフトウエアは、さまざまな置換や 欠失、置換および他の修飾に対する相同性の程度を指定することによって、類似 配列を見つけ出す。アミノ酸に関する保存的置換には、典型的には、以下のグル ープの中での置換が含まれる。すなわち、グリシン、アラニン;バリン、イソロ イシン、ロイシン;アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン ;セリン、スレオニン;リシン、アルギニン;およびフェニルアラニン、チロシ ン。 「実質的に純粋なDNA」とは、DNAが由来する生物の、自然に存在するゲノム中 で、その遺伝子に隣接する遺伝子から切り離されたDNAを意味する。したがって 、この用語には、例えば、ベクターに取り込まれたり、自律複製するプラスミド もしくはウイルスに取り込まれたり、または原核生物もしくは真核生物のゲノム DNAに取り込まれたり、または、他の配列とは独立の分離した分子(例えば、cDN A)またはPCRもしくは制限酵素消化によって作製されたゲノムもしくはcDNA断片 )として存在する組み換えDNAが含まれる。また、この用語には、付加的なポリ ペプチド配列をコードするハイブリッド遺伝子の一部である組み換えDNAも含ま れる。 本明細書で用いられる「厳密な条件」とは、以下のように定義される。高厳密 度条件には、約50%のホルムアミド中で約42℃でハイブリダイズすること、約2 ×SSC及び1%SDS中、約65℃で一回目の洗浄を行うこと、その後、約0.1%SSC中 、約65℃で二回目の洗浄を行うことが含まれる。約50%の配列同一性を有する遺 伝子に対する、低厳密度条件には、ホルムアミドの非存在下で、約42℃でハイブ リダイズすること、約6×SSC及び1%SDS中、約42℃で一回目の洗浄を行うこと 、その後、約6×SSC及び1%SDS中、約50℃で二回目の洗浄を行うことが含まれ る。 免疫グロブリンの可変領域遺伝子を単離するための、本発明者らの方法は、ゲ ノムDNAを鋳型に用いるが、組み換え抗体の発現のために適応させる必要のある 断片の産生をもたらさないため、キメラでアイソタイプ変換した免疫グロブリン の 生成が容易になる。この方法を用いれば、DNA配列決定を予め行なう必要なしに 、完全長のリーダーペプチドを含む、完全なコーディング配列を有する可変領域 を得ることができる。したがって、アイソタイプ変換したマウスIgおよびマウス -ヒトのキメラIgを簡単に作製することができる。抗体が投与される宿主(例え ば、ヒト)に由来する定常領域を含むキメラ抗体は、異種抗体(例えば、マウス 抗体)よりも、患者に有害な免疫応答、例えば、HAMA応答を引き起こす可能性が 低いため、治療に用いる上で優れている。 本発明の他の特徴及び利点は、以下に述べる詳細な説明および請求の範囲から 明らかになるであろう。 詳細な説明 まず、図面の説明をする。図面 図1A〜1Bは、マウス免疫グロブリンの重鎖(図1A)、カッパ鎖(図1B)、ラム ダ鎖(図1C)の可変領域をコードする再編成遺伝子の概略を示している。偽遺伝 子は”ψ”で示されている。太い矢印は、5'非翻訳領域及び再編成されたJ分節 の下流にあるイントロンに対応するPCRプライマーを示す。SalI及びNotI制限酵 素部位がPCRプライマーの5'端に付加されている。J分節の下の矢印は、ノーザン ブロットハイブリダイゼーションおよびサザンブロットハイブリダイゼーション で用いられたオリゴヌクレオチドプローブを示している。 図2A及び2Bは、JH、Jκ、及びJλ分節に相同なオリゴヌクレオチドをプローブ に用いた、ハイブリドーマ細胞系3G3及びHNK-20から分離したRNAのノーザンブロ ットである。図2A:ハイブリドーマ細胞系3G3(IgM、λ)の全RNA(10μg/スロ ット)を、図に示すように、オリゴヌクレオチドJλ1、Jλ2およびJλ3とハイブ リダイズさせた。図2B:HNK-20(IgA、κ)の全RNA(10μg/スロット)を、図に 示すように、JκI、Jκ2、Jκ4およびJλ5と、ならびに、JH1、JH2、JH3およびJ H4とハイブリダイズさせた(オリゴヌクレオチドプローブの配列については図6 を参照)。これらの実験では、偽遺伝子(Jκ3とJλ4)に特異的なオリゴヌクレ オチドは使用しなかった。全RNAの泳動量についての内部対照として、ブロット をグリセルアルデヒド-3-リン酸-デヒドロゲナーゼ(GAPDH)の全長cDNAプロー ブと再 ハイブリダイズさせた(マクマスター(HcMaster)ら、Proc.Natl.Acad.Sci .USA 74:4835〜4838,1977)。リボソームRNAの泳動位置が示されている。 図3A〜3Gは、2段階PCR増幅法にしたがって作製された、3G3のVλ、HNK-20のV κ、および、HNK-20のVHのそれぞれの増幅ゲノム断片のサザンブロットである。 第1段階(図3A〜3D)では、グループ2、3、または4の5'プライマー(図6参 照)と、1個の3'プライマーとを用いてPCR増幅を行なった。Vλに対する3'プラ イマーは3'λ1で、Vκに対しては3'κ2、また、VHに対しては3'H3aもしくは3'H3 bであった。第2段階(図3E〜3G)では、第1段階の一群の反応(図3A〜3D)か ら陽性の反応を示した群の各5'プライマーを個別に用いてPCR増幅を行ない、各 陽性群の中でシグナルを生成する5'プライマーの同定ができるようにした。3'H3 bの方が強いシグナルを生成するため、第2段階では3'H3aを用いたPCR増幅は行 わなかった。564、831、947塩基対の分子量マーカーの位置を、M1と表示したレ ーンに示す。 図4A〜4Bは、再編成された3G3のVλ、HNK-20のVκ、および、VHの概要を示し たものである。図4Aでは、3G3のラムダ座位の再編成が示されている。図4Bでは 、HNK-20のカッパ及び重鎖座位の再編成が示されている。Jκ2分節で、3つの異 なるカッパ鎖遺伝子が再編成されるのが観察されている。重鎖遺伝子については 、5'H31aと5'H31bで、同じPCR産物が生成されることから、重鎖に関しては、単 一の再編成が観察されることになる。マップは、一定の縮尺で描かれてはいない 。 図5A〜5Dは、PCRで増幅された、3G3のVλ、HNK-20のVκ、および、HNK-20のVH 領域の配列である。図5A、5B、5Cおよび5Dに示した配列はそれぞれ、3G3のVλ( 5'λ1-3'λ1によって生成される)、HNK-20のVκ(5'κ16-3'κ2によって生成さ れる)、HNK-20のVκ(5'κ30-3'κ2によって生成される)、および、HNK-20のV H(5'H31b-3'H3bによって生成される)に相当する。PCRプライマーの配列を太字 で示し、CDR領域を下線で示し、また、終止コドンを星印で示した。Jλ、Jκお よびJHオリゴヌクレオチドプローブに相同な領域が二重下線で示されている。 図6A〜6Fは、マウスVλ、VκおよびVH領域の増幅に用いられたPCRプライマー およびプローブの塩基配列である。SalIとNotI部位は太字で示し、Iはイノシン を意味する。配列は、5'から3'の方向である。5'プライマーのグループの名前を 、 プライマーの番号と配列の前に示した。ハイブリドーマ細胞系HNK-20によって産生されるモノクローナル抗体 呼吸器多核体ウイルス(RSV)の感染は、肺炎及び重篤な細気管支炎を含む、 気道上部または下部の疾病をもたらしうる(マッキントッシュ(McIntosh)ら、 B.N.フィールズ(Fields)とD.M.クナイプ(Knipe)(編)、Virology,レ ーベン出版(Raven Press)、ニューヨーク、pp.1045〜1072,1990)。HNK-20 は、RSVのF糖蛋白質を認識するモノクローナルIgA抗体を産生するマウスハイブ リドーマ細胞系である。プラーク抑制アッセイ法でRSVを中和することに加えて 、この抗体は、マウスに鼻腔内から受動的に投与すると、RSV感染の防止および 治療に有効である。免疫グロブリン可変領域遺伝子を単離するための方法 本発明者らは、免疫グロブリン遺伝子のVH-D-JH(免疫グロブリンの重鎖可変 領域)とVL-JL(免疫グロブリンの軽鎖可変領域)とをコードするゲノム断片を 調製するための方法を計画した。この方法には、(1)可変領域をコードする遺 伝子の5'非翻訳領域に対応する特異的プライマー、および、(2)特異的に再構 成されたJH/JL配列の下流にあるイントロンに対応する特異的プライマーを用い て、ハイブリドーマから調製したゲノムDNAをPCR増幅することが含まれる。この 方法では、標的となる可変領域をコードする遺伝子の一部の配列を予め知ってい る必要がないため、遺伝子を迅速かつ効果的に単離することができる。 塩基配列データベース(例えば、Genbank)の解析に基づき、データベースに 登録されている、該生物(例えば、マウス)の、免疫グロブリンの可変領域遺伝 子の5'UTRの中にある特異的な領域と再構成されたJ分節の下流にあるイントロン の中にある特異的領域とに関するすべての配列に対応するプライマーのセットを 設計する。所定の領域(例えば、5'UTR)に対する可能な既知の配列をすべてカ バーするのに必要となるプライマーの種類を最小にするために、最も高度に保存 されている特異的な領域に絞ってもよい。特異的な実施例として、マウスの可変 重鎖の5'UTRの場合、比較的塩基配列の多型性が高い(後述参照)ため、42種の プライマーが必要となる。これに対して、配列多型性の程度が低いため、マウス 免疫グロブリンのラムダ可変領域(後述参照)の5'UTRに関して既知の可能な配 列をすべ てカバーするのには、2種のプライマーしか必要でない。PCR反応の最初のセッ トでは、プライマーがハイブリダイズする領域に対応する、多型的な配列のすべ てをカバーする複数のプライマーを、一回の反応で使用した。多数のプライマー が必要となる場合には、プライマーを、融解温度などによっていくつかの反応に 分けることができる。例えば、マウスの重鎖可変領域の5'UTRに対しては、既知 の多型的な配列をすべてカバーするために42種のプライマーが必要となるが、反 応は、12グループに分けられた(後述参照)。陽性であることが分かった、第1 回目のPCR反応のセットの中の反応に含まれるプライマーを、続いて、増幅する 遺伝子の配列に対応するプライマーのセットを確認するために、個別に試験する ことができる(すなわち、1種類の5'プライマーと1種類の3'プライマーだけを 含む反応で)。これらのプライマーは、次に、キメラまたはアイソタイプが変換 した免疫グロブリン遺伝子を作製するための、クローニング用の断片を調製する ために用いることができる。本方法においては、増幅されている遺伝子に関する 配列情報は必要でないため、ハイブリドーマ細胞系から可変領域遺伝子を分離す るのが容易になっている。 キメラの(例えば、ヒトの定常領域に融合したマウスの可変領域)、またはア イソタイプが変換した免疫グロブリンの遺伝子を作製するために、この方法によ って単離された可変領域を、異種生物の定常領域をコードする遺伝子と融合させ ることができ、これは次に、キメラまたはアイソタイプが変換した抗体を作製す るために用いることができる。本発明者らは、一つはヒトの重鎖の定常領域に融 合したHNK-20の重鎖可変領域を含むキメラ免疫グロブリン遺伝子、もう一つはヒ トのカッパ軽鎖の定常領域に融合したHNK-20のカッパ軽鎖の可変領域を含むキメ ラ免疫グロブリン遺伝子を含むキメラ免疫グロブリン遺伝子を作出するために、 この方法を用いてきた。これらの遺伝子の共発現によって、ハイブリドーマ細胞 系HNK-20によって産生される抗体の特異性と、ヒトの抗体のエフェクター領域と を有する組み換え抗体が作出されるようになる。 RSV感染を防止したり、RSV感染によって起きる病気(例えば、肺炎または細気 管支炎などの上下気道感染)を治療するために、本発明の組み換え抗体を用いる ことができる。本発明の組み換え抗体は、RSVに感染しやすいあらゆる宿主に投 与 することができる。このような宿主には、ヒト(成人、小児、乳児)、チンパン ジー、ウシ、オマキザル、ヨザル、フェレット、子ヒツジ、マウス、ラット、お よび、コトンラットが含まれるが、これらに限定されない。本発明の治療用組成 物を、適当な方法で患者に投与することができる。通常は、患者の粘膜表面、例 えば、口腔または鼻腔内表面に抗体を投与する。本発明の抗体は、当業者により 、RSV感染の予防または治療に有効であると判定された用量で投与することがで きる。適当な用量とは、RSV感染によって起きる病気を軽減する効果があり、お よび/または、RSV感染の予防に有効な用量である。投与の方法および経路;投与 を受ける者の年齢、体重、健康状態;病気の性質及び程度;治療頻度及び期間; 同時に行われている治療があれば、そのタイプ;ならびに必要とする効果によっ て、用量はさまざまに変化すると考えられる。例えば、投与される抗体の量は、 体重1kg当たり50μgから5mgの範囲をとりうる。また本発明には、例えば、食 塩水など、薬学的に許容される担体および/または希釈剤に入った本発明の抗体 を含む組成物が含まれる。適当な薬学的担体、ならびに薬学的処方において用い るための薬学的必要物は、当技術分野の標準的な参考文献である「レミントンの 薬剤科学(Remington's Pharmaceutical Science)」及びUSP/NFに記載されてい る。 本発明の抗体は、また、RSVに感染した患者を同定するための診断法で、当業 において周知の多数の標準的なアッセイ系のいずれかを用いた診断法において用 いることができる。このようなアッセイ系には、酵素結合免疫吸着法(ELISA) 、固相放射測定法、免疫蛍光顕微鏡、及び免疫電子顕微鏡(例えば、コリガン( Coligan)ら編、免疫学の最新プロトコール(Current Protocols in Immunology )、ジョン・ウィリー・アンド・サン社(John Wiley & Sons)、ニューヨーク 、1992を参照)などが含まれるが、これらに限定されない。これらの方法におい て、(例えば、細胞性物質または分泌物などの生物試料からの)抗原を本発明の 抗体と接触させ、試料中に存在する抗原の測定値を表すものとして、抗体と抗原 の特異的な結合を検出する。本発明の抗体上に標識が存在するか、または、本発 明の抗体を認識する二次抗体上に標識が存在すると検出が容易になる。これらの アッセイ法で用いることができる標識には、放射標識、酵素標識(例えば、ホー スラディッシュ・パーオキシダーゼ)、ビオチン標識、および、化学発光標識が 含まれ るが、これらには限定されない。また、標準的な方法で検出する。 本発明の方法を用いて単離した、免疫グロブリンの可変領域(軽鎖(カッパ鎖 およびラムダ鎖)と重鎖の両方)をコードする遺伝子は、キメラの、または、ア イソタイプ変換した組み換え抗体をコードする遺伝子を作出するために、免疫グ ロブリンの定常領域(例えば、ヒトの定常領域遺伝子)をコードする遺伝子に融 合させることができる(例えば、「1989年3月28日発行の米国特許第4,816,397 号;本明細書において、参考文献に包含される」;「モリソン(Morrison)ら、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851〜6855,1984;本明細書において、参考文 献に包含される」)。例えば、IgA抗体を作製するために、可変領域をα定常領 域に融合することができる。本発明のキメラ抗体を作製するために用いることが できる定常領域の異なったタイプは、当業において周知であり(例えば、ロワト (Roitt)ら編、免疫学(Immunology)、ゴア医学出版(Gower Medical Publish ing)、(1989)ロンドンを参照のこと)、標準的な方法を用いて、本発明に係 るキメラ遺伝子および/またはアイソタイプ変換した遺伝子を作出するために単 離してクローン化することができる(例えば、「サムブルック(Sambrook)ら編 、分子クローニング:実験マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manua l)、コールドスプリングハーバー研究所出版、コールドスプリングハーバー、 ニューヨーク、(1989)」;「コリガン(Coligan)ら前掲」を参照のこと)。 可変遺伝子のベクターへのクローニングを容易にするために、好ましくは、それ らの増幅に用いられるPCRプライマーには、制限酵素によって認識される、それ らの5'末端配列が含まれる。可変領域遺伝子及び本発明に係るキメラ遺伝子をク ローニングすることができるベクターには、プラスミド及びウイルスベクターの 両方が含まれる。本発明において用いるのに好ましいベクターは、適当な異種生 物の重鎖または軽鎖の定常領域を含む発現ベクターである。例えば、カッパ軽鎖 及び重鎖可変領域をコードする遺伝子を、それぞれ、pUHWκ及びpUHWλ1などの プラスミドにクローニングすることができる(ワイセンホーン(Weissenhorn) ら、Gene 106:273〜277,1991,本明細書において、参考文献に包含される)。 これらのプラスミドには、重鎖のエンハンサーとμ遺伝子のプロモーターとの組 み合わせが含まれ、また、可変領域をコードする遺伝子を挿入できるポリリンカ ーも含まれる。本 発明で用いることができる他のベクターは、pING発現ベクターである(チョムゼ ンスキー(Chomczynski)ら、Biochem.Biophys.Res.Commun.122:340〜344, 1984,後述参照)。 本発明に係る遺伝子は、適当なプロモーター/エンハンサー配列に操作的に結 合するよう、ベクターにクローニングされる。真核生物の細胞の中で転写の開始 を指令できるあらゆるプロモーターが本発明で用いることができる。例えば、サ イトメガロウイルス(デベルナルディ(DeBernardi)ら、Proc.Natl.Acad.Sc i.USA 88:9257〜9361,1991,およびその参考文献)プロモーター、マウスのメ タロチオニンI遺伝子(ハマー(Hammer)ら、J.Mol.Appl.Gen.1:273〜288, 1982)プロモーター、HSVチミジンキナーゼ(マクナイト(McKnight)、Cell 31 :355〜365,1982)プロモーター、および、SV40初期(ベノイスト(Benoist)ら 、Nature 290:304〜310,1981)プロモーターなどの、組織非特異的プロモータ ーを用いることもできる。本発明において用いられる好ましいプロモーターには 、上述されているように、ミエローマ細胞の中で発現を行わせるプロモーターが 含まれる。 本発明に係るキメラ抗体および/またはアイソタイプ変換抗体をコードする遺 伝子の発現は、当業で標準的な多数の方法のいずれかを用いて行わせることがで きる。例えば、プラスミドなどの、HNK-20の可変領域に異種生物の定常領域が融 合した領域を含むベクターは、遺伝子を構造的に発現させるか、または誘導によ って発現させる細胞にトランスフェクションすることができる。エレクトロポレ ーション、リン酸カルシウム沈澱法、プロトプラスト融合、及び、ウイルスベク ターまたは遺伝子と結合した脂質を利用する方法(サムブルック(Sambrook)ら 、前掲参照)などを含むが、これらに限定されない、当業において標準的なあら ゆる方法を用いて細胞に該遺伝子をトランスフェクションすることができる。本 発明に係る抗体を産生するために、本発明に係る遺伝子を発現するあらゆる細胞 が用いられる。このような細胞には、Ig非産生ミエローマ細胞などのミエローマ 細胞が含まれるが、これらに限定されない。特異的な実施例として、いかなる免 疫グロブリン鎖も、分泌せず、合成もしないマウスミエローマ細胞のSp2/0-Ag14 細胞を用いることができる。Sp2/0-Ag14細胞は、メリーランド州20852-1776、ロ ッ クビル、パークローンドライブ12301にある米国基準培養細胞収蔵所(American Type Culture Collection)から入手することができ、ATCC CRL 1581と名付けら れている(オーチ(Ochi)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80: 6351〜6355,1 983も参照)。本発明において用いることができる他の細胞系には、P3X63Ag8.65 3(ATCC CRL 1580)及びSp2/01-Ag(ATCC CRL 8006)が含まれる。 本発明に係る抗体は、標準的な技術を用いて、それをコードする遺伝子を発現 する培養細胞によって産生されうる。次に、標準的な方法(例えば、コリガン( Coligan)ら、前掲を参照)を用いて、細胞、および/または、細胞の培養上清か ら抗体を精製する。大量の抗体を精製させるために、標準的な方法を用いて、培 養条件の規模を大きくしてもよい。さらに、標準的な方法を用いて、腹水から抗 体を精製してもよい。実験結果 マウスVHおよびVL遺伝子をPCR増幅するためのプライマー及びプローブの設計 マウスVHびVL遺伝子を増幅するために用いられる方法のほとんどは、末端を欠 失するか、5'および/または3'端に突然変異を含むような可変領域をコードする 断片を生成する。本発明者らは、Fv(可変)遺伝子を増幅するためのPCR法で、F v配列全部が保存されるような方法を開発した。この方法で用いられるプライマ ーは、5'非翻訳領域(5'プライマー)ならびにラムダ鎖、カッパ鎖、及び重鎖の 遺伝子の再編成されたJ分節の下流にあるイントロン(3'プライマー;図1)と ハイブリダイズする。 「カバット(Kabat)ら、免疫学的に興味ある蛋白質の配列(Sequences of Pr oteins of Immunological Interest)、第5版、米国厚生省(U.S.Dept.Healt h and Human Services)、ワシントンDC、1991」およびGenbankとヨーロッパ分 子生物学研究所(EMBL)図書館からのデータを用いて、5'非翻訳領域とJ分節の 下流にあるイントロンとのDNA配列の比較を行ない、さらに、ジェネティクス・ コンピュータグループ(GCG、ウィスコンシン州マディソン)のパッケージプロ グラムにより解析を行なった。5'非翻訳領域のDNA配列のアラインメントにより 、この領域における多型性は、リーダーペプチド配列の多型性と全体的に同一で あることが明らかになった。しかし、開始コドン(ATG)のすぐ上流にある約20 塩基の伸張が 、アラインメント全体を通して、より保存されているのが観察された。したがっ て、本発明者らは、タック(Taq)ポリメラーゼによる確実なプライミングの開 始に重要であるため、各プライマーの3'端が確実に鋳型と完全に一致するように ATG配列で終わる一連の5'PCRプライマー(18マー(重合体))を設計した。PCR 断片のクローニングを速やかに行うために、制限酵素による消化を容易にするよ う、SalI制限酵素部位と4個の付加的なヌクレオチドをプライマーの5'末端に付 加した。ラムダに対する2種のプライマー、カッパに対する30種のプライマー、 及び、重鎖遺伝子に対する42種のプライマーを含む5'プライマーの複合セットを 合成したが、これらのプライマーには、イノシン残基を含んでいたり、縮重して いるものもあった(図6)。 これとは対照的に、J分節の下流にあるイントロン配列の5'端のアラインメン トからは、有意な多型性は明らかにならなかったため、このイントロン領域の中 で、Jλ、JκおよびJH分節の各々に対して特異的な3'PCRプライマーを設計した 。JH3分節以外の各J分節の下流領域に対応する、単一のPCRプライマーを調製し たが、DNA配列の多型性のために、JH3分節には2種のプライマーが必要であった 。その下流領域のA/T含量が高いために20マーとして設計された、JH1分節の下流 のプライマー以外、3'PCRプライマーは18マーである。PCR断片が方向性をもって 発現ベクターにクローニングできるようにするため、NotI制限酵素部位と4個の 付加的なヌクレオチドを、これらのオリゴヌクレオチドの5'末端に付加した(図 6)。 PCR増幅の特異性を確実にし、VH-D-JHとVL-JLの再編成をよりよく特徴づける ために、JLおよびJHに特異的なオリゴヌクレオチドプローブを設計した。非常に 低い多型性しか示さなかったが、Jλ、JκおよびJH分節のそれぞれに対して特異 的なオリゴヌクレオチド(19マー)のセットを合成した。PCR断片のサザンブロ ット解析、および、マウスのハイブリドーマ細胞から抽出した全RNAのノーザン ブロット解析の両方において、これらのオリゴヌクレオチドをプローブとして用 いた。 オリゴヌクレオチドプローブの特異性 クローン化された様々の、既知の配列のVLおよびVHのPCR断片を用いたサザン ブロットハイブリダイゼーションによって、DNA-DNAハイブリダイゼーションに おけ る、各J分節に相同なオリゴヌクレオチドプローブの特異性が明らかにされた。 また、ノーザンブロット上のRNAとのハイブリダイゼーションによって、これら のプローブの特異性を調べた。ハイブリドーマ細胞3G3(IgM、λ)とHNK-20(Ig A、κ)から採ったRNAを、Jλ、JκおよびJHオリゴヌクレオチドとハイブリダイ ズさせた(図2)。ノーザンブロット解析によって、プローブJλ1、Jκ2および JH3が、それぞれ3G3及びHNK-20について予想通りの分子量のところにシグナルを 生成することが明らかになった。Jκ2プローブとJH3プローブは、同様の特異的 活性を有し、計算上同一の融解温度をもっているが、Jκ2プローブを用いたHNK- 20 RNAとのハイブリダイゼーションは、JH3プローブを用いるよりもはるかに強 いシグナルを生じた。この観察から、カッパ鎖の転写産物がはるかに大量に存在 するか、または、カッパ鎖の転写産物のいくつかがJκ2プローブにハイブリダイ ズすることが示唆される。いくつかの異なったカッパ鎖の再編成が起こり、その うちの一つは、不死化した融合相手であるX63Ag8.653に存在するJκ2分節と組み 換えを起こし、転写された偽遺伝子に由来するという仮説が、Vκ領域のPCR増幅 により支持される(ストロホール(Strohal)ら、Nucleic Acids Res.15:2771 ,1987;キャロル(Carroll)ら、Mol.Immunol.25:991〜995,1988)。このよ うに、少なくとも1個のカッパ偽遺伝子および1個のカッパ機能遺伝子の転写産 物は、どちらもJκ2分節と組み換えられ、強いシグナルを示す一因になっている 。次に、泳動されたRNA量を調節するため、ノーザンブロットを、ハウスキーピ ング酵素遺伝子のグリセルアルデヒド-3-リン酸-デヒドロゲナーゼに特異的なプ ローブ(ピエチャクツィク(Piechaczyk)ら、Nucleic Acids Res.12:6951〜69 63,1984)と再ハイブリダイズさせた(図2)。 上記のJ特異的オリゴヌクレオチドプローブの使用によって、PCR産物と免疫グ ロブリン遺伝子の転写産物の特徴づけが速やかにできるようになり、さらに、軽 鎖遺伝子及び重鎖遺伝子の再編成に用いられるJ分節の同定が可能になる。 mAb可変領域遺伝子の増幅及び検出 数個の免疫グロブリン可変領域遺伝子を、マウスのハイブリドーマ細胞から調 製したゲノムDNAを用いてPCRにより増幅した。特定の実施例として、ハイブリド ーマ細胞系3G3のVλ遺伝子、並びにハイブリドーマ細胞系HNK-20のVκ遺伝子及 び VH遺伝子の増幅についての記述がある。 図2に示されたノーザンブロット分析に基づくと、λ鎖遺伝子がJλ1で再編成 されること、κ鎖遺伝子がJκ2で再編成されること、そして重鎖遺伝子がJH3で 再編成されることが確定された。したがって増幅に必要とされる3'プライマーは 3'λ1、3'κ2、及び3'H3a/3'H3bであった。5'非翻訳領域での多型性が高いレベ ルであるために、5'プライマーの全てが個別のPCR反応で用いられた場合、ラム ダに対しては2回のPCR反応が、カッパに対しては30回のPCR反応が、そして重鎖 遺伝子に対しては42回のPCR反応がなされるであろう。この複雑性を小さくする するために、5'プライマーを、それらの融解温度に基づいて2、3、または4個の プライマーからなる小さなグループに分けた(図6)。λに対しては一つのグルー プが必要とされ、κに対しては9個のグループが、そして重鎖遺伝子プライマー に対しては12グループが必要とされ、それらは反応の数をそれぞれ1、9、及び12 に減少させた。 第1セットのPCR増幅反応で生成した断片は、Jλ1、Jκ2、及びJH3プローブを 用いてハイブリダイゼーションしたサザンブロットで解析したように、5'λグル ープa、5'κグループg及びi、それに5'Hグループc及び1で予測した大きさに対応 していた(図3A、3B、3C、及び3D)。第2セットのPCR反応では、第1セットのPCR反 応で陽性と同定されたグループの5'プライマーのそれぞれを対応する3'プライマ ーと組み合わせ、続いてその増幅された断片をJλ1、Jκ2、及びJH3オリゴヌク レオチドプローブを用いてサザンブロットで解析した。この実験から、5'λ1、5 'κ30、5'κ16、5'κ19及び5'H31Bが予測どおりのシグナルを生じる(図3E、3F、 及び3G)ことが明らかになり、このことは再編成された断片が、3G3では一つのラ ムダ鎖遺伝子に対して存在していること、HNK-20では3個のカッパ鎖遺伝子に対 して存在していること、そしてHNK-20では一つの重鎖遺伝子に対して存在してい ることを示している(図4)。他のマウスのハイブリドーマ細胞(PCG-4)を用いて 、一つのκ鎖、カッパ鎖遺伝子の3個の異なる再編成、そして重鎖遺伝子の一個 の再編成を持つIgG2aの分泌が、同じPCR方法を用いて観察された。この観察結果 は、起源のMOPC-21腫瘍由来の細胞系を用いた融合により得られるハイブリドー マ細胞に、機能性のVκ転写産物と異常型のVκ転写産物の両方が存在すること( ストロハール(Strohal)ら、Nucleic Acids Res.15:2771,1987;キャロル(Carr ol)ら、Mol. Immunol.25:991-995,1988)と一致する。第3番目の非転写のカッパ鎖再編成はH NK-20とPCG-4ハイブリドーマの両方で検出されており、それらは異なるJκ分節 が関与していた。融合パートナーが貢献できる唯一のκ鎖遺伝子は非機能性のMO PC-21κ遺伝子である(ストロブ(Storb)ら、Nucleic Acids Res.8:4681-4687,1 980)ため、この第3番目の再編成は融合パートナーとして働くマウスB細胞に起源 を持っていたと考えられる。 Vλ、Vκ、及びVHのPCR断片の配列分析 3G3のVλ、HNK-20のVκ、このHNK-20のVκ偽遺伝子、及びHNK-20のVHのPCR増 幅された可変領域をpING発現ベクターにそれそれクローニングして(コムジンス キー(Chomczynski)ら、同上)、ジデオキシチェーンターミネーター法を用いて配 列を決定した(ピーチャックジック(Piechaczyk)ら、Nucleic Acids Res.12:695 1-6963,1984参照)。この対応する配列は図5A〜5Dに示されている。Vλ、Vκ、 及びVH断片の推定アミノ酸配列は、数々の遺伝子バンクで報告されたものと一致 するオープンリーディングフレームに対応する。三つ全てのPCR増幅された断片 において、分子内ジスルフィド結合を形成する際に関与するシステインの部位が 保存されていた。フレームワーク配列に対応するアミノ酸の保存された範囲が存 在するため、CDRsの位置づけが可能になった(図5)。まとめて考えると、適当な 宿主細胞において発現すると、これらの観察された構造的特徴は、増幅されてク ローニングが行われたFv断片が機能的であり、したがって対応する抗原を認識で きることを示している。したがってHNK-20ハイブリドーマによって産生された抗 体に対応するマウスのκおよびHのFv遺伝子を、ヒトの重鎖と軽鎖の定常遺伝子 を含む発現ベクターに挿入し、そして骨髄腫細胞に形質導入した。材料及び方法 DNA及びRNAの起源 マウスのハイブリドーマ細胞系3G3(IgM、λ)は米国基準培養細胞収蔵所(Ameri can Type Culture Collection)に寄託されていて、ATCC寄託番号HB8516が付与さ れている。マウスのハイブリドーマ細胞系HNK-20(IgA、κ)は、「オラバックス 社(OraVax Inc.)、ケンブリッジ(Cambridge)、アメリカ合衆国(USA)」より得ら れたもので、1993年7月1日にブタペスト協定の規定により米国基準培養細胞収蔵 所 (American Type Culture Collection)(ATCC,Rockville,Maryland)に寄託され 、ATCC寄託番号HB11394が付与されている。ゲノムのDNAは記載されたとおりに調 製した(本明細書に参照文献として組み入れた、グロス-ベラード(Gross-Bellard )ら、Eur.J.Biochem.36:32-38,1973)。全RNAは、グアニジン/塩化セシウム 法にしたがって凍結細胞ペレットより調製した(グリシン(Glisin)ら、Biochemis try13:2633-2637,1974;シルギン(Chirgwin)ら、Biochemistry 18:5294-5299, 1979)。 オリゴヌクレオチドプライマー及びプローブの合成 オリゴヌクレオチドは、β-シアノエチルホスホールアミダイト法と逆相HPLC 精製法を包含する標準法を用いて合成した(MWG-Biotech,Ebersberg,Germany) 。 PCRによるDNA増幅 インビトロでのDNA増幅(PCR)を、ペルキンエルマー(Perkin Elmer)(Norwalk, CT)製のサーマルサイクラー9600を用いて最終容量を100μlにして行った。試薬 を反応物に添加して、以下の最終組成にした。即ち10mMのトリス-HCl、pH8.3(25 ℃において)、50mMのKCl、2.5mMのMgCl2、0.001%のゼラチン(Shigma,Cat.No .G2500,St.Louis,MO)、200μMのdNTPs、150nMの各増幅プライマー、1μgの ゲノムDNA、及び2.5ユニットのAmpliTaq DNAポリメラーゼ(Perkin Elmer,No.r walk,CT)からなる。用いたサイクルプロフィルは次のとおりである。即ち94℃ で5分間、そして94℃で1分間、50℃で1分間、及び72℃で1分問を3サイクル、そ して94℃で1分間、62℃で1分間、72℃で1分間を27サイクル、そして72℃で10分 間の最終インキュベーションである。 ノーザンブロット及びサザンブロット分析 全RNA(10μg)をグリオキサールで変性し、アガロースゲル上で電気泳動するこ とによって分画した(マックマスター(McMaster)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.US A 74:4835-4838,1977参照)。ジーンスクリーンプラスメンブラン(Dupont,Wilm ington,DE)へのRNAの転移は、製造者によって記載された方式にしたがって行っ た。PCR産物とハイブリドーマ細胞から調製したゲノムDNAを、アガロースゲル上 で分画し、記載されたとおりにジーンスクリーンプラスメンブランに移した(コ ムジンスキー(Chomczynski)ら、Biochem.Biophys.Res.Commun.122:340-344 ,1984)。 ノーザンブロット及びサザンブロットを、Jλ、Jκ、及びJH分節のそれぞれに 対して特異的な32P標識オリゴヌクレオチドプローブを用いて同一条件でハイブ リダイゼーションした。プレハイブリダイゼーション及びハイブリダイゼーショ ンに用いた温度はTM-4℃であり、一方洗浄に用いた温度はTM-2℃であった。オリ ゴヌクレオチドの融解温度(TMs)は式、即ちTM=4(G+C)+2(A+T)によって算出した 。J-特異的オリゴヌクレオチドプローブのTMsは次の通りである。即ちJλ1=58℃ 、Jλ2=62℃、Jλ3=60℃、Jλ4=58℃、Jκ1=64℃、Jκ2=64℃、Jκ3=56℃、Jκ4 =64℃、Jκ5=62℃、JH1=68℃、JH2=64℃、JH3=64℃、及びJH4=60℃である。オリ ゴヌクレオチドプローブを用いて行うサザンブロット及びノーザンブロットの両 方においては、次の条件が用いられた。プレハイブリダイゼーションは、2×SSC 、5×デンハート液、0.1%のSDS、及び5mMのEDTA中で3-4時間かけて行った。ハ イブリダイゼーションは、5×SSC、10×デンハート液、20mMの燐酸ナトリウム緩 衝液(pH7.0)、7%のSDS、100μg/mlのニシン精子の変性DNA、及び32P標識オリゴ ヌクレオチド(106cpm/ml)中で14-18時間かけて行った。ハイブリダイゼーション を行った後で、その膜を3×SSCN 10×デンハート液、5%のSDS、及び70mMの燐酸 ナトリウム緩衝液(pH7.0)を用いて30分かけて二度洗浄し、続いて1×SSC及び1% のSDSを用いて30分かけて二度洗浄した。 全RNAをのせた試料に対する内部コントロールとして、ノーザンブロットをグ リセルアルデヒド-3-ホスフェートーデヒドロゲナーゼcDNAプローブ(ピーチャ ックジック(Piechaczyk)ら、Nucleic Acids Res.12:6951-6963,1984)を用いて ハイブリダイゼーションした。cDNAプローブを用いて行うノーザンブロット及び サザンブロットの両方においては、次の条件を用いた。プレハイブリダイゼーシ ョンは、50%の脱イオン化ホルムアミド、5×デンハート液、5×SSPE(30×SSPE= 4.5MのNaCl、0.3MのNaH2PO4、30mMのEDTA、pH7.7)、1%のSDS、及び200μg/mlの 変性したサケ精子DNA中で、42℃にて3-5時間かけて行った。ハイブリダイゼーシ ョンは、32P標識cDNAプローブ(106cpm/ml)を含む同じ緩衝液中で42℃にて14-18 時間かけて行った。ハイブリダイゼーションを行った後でその膜を、2×SSPEを 用いて室温で5分かけて二度、次に2×SSPE及び0.5%のSDSを用いて65℃で15分か けて一度、さら に0.5×SSPEを用いて65℃で15分かけて一度洗浄した。 DNAの配列決定 DNA配列は、発現ベクターpING(リウ(Liu)ら、Gene54:33-40,1987)に、L-VH-D -JH及びL-VL-JLのPCR断片をサブクローニングし、続いてジデオキシチェーンタ ーミネーター法(サンガー(Sanger)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74: 5463-5 467、1977)を用いて配列決定した。他の実施態様 本発明にはまた、本発明の遺伝子及び抗体の生物学的に活性な断片あるいは類 似体が含まれる。「生物学的に活性な」という用語によって、HNK-20の可変遺伝子 又はそれらを含むキメラ抗体に特徴的である活性が所有されていることが意味さ れる。本発明はまた、HNK-20免疫グロブリンの可変鎖の類似体も含んでいる。好 ましい類似体には、保存性アミノ酸の置換、例えばあるアミノ酸を同じ特性を持 つ他のアミノ酸で置き換える置換(例えば、グリシンに代わってバリンになった り、リジンに代わってアルギニンになる置換など)、又は免疫グロブリンの生物 学的活性を損なわないような一個以上の非保存性アミノ酸の置換、欠失、または 挿入によってのみ、図5B〜5Dに示された配列と異なる配列を持つものが含まれる 。本発明の類似体は、一般的に20アミノ酸残基、好ましくは40アミノ酸残基、あ るいは更に好ましくは本発明の免疫グロブリンの完全な配列からなる分節と、少 なくとも70%、好ましくは80%、更に好ましくは90%、そして最も好ましくは95 %、又は99%の相同性がある。一次配列の変形には、天然や誘導の遺伝子変異配 列が含まれる。また、天然に存在する以外の残基、即ち例えばβ又はγアミノ酸 のような合成のアミノ酸などの類似体が含まれる。また、インビボで、アセチル 化、メチル化、ホスホリル化、カルボキシル化、あるいはグリコシル化を含む化 学的誘導により、修飾された免疫グロブリンも含まれる。 実質的な完全長のポリペプチドに加えて、本発明はまた、この技術分野で標準 的な方法を用いて産生することのできる免疫グロブリンの生物学的活性のある断 片も含んでいる。本明細書で用いられているように「断片」という用語は、例え ば免疫グロブリンのようなポリペプチドに適用する場合には通常、少なくとも20 残基、更に好ましくは少なくとも40残基からなる長さである。同様に本発明はま た 、本発明の免疫グロブリンをコードする遺伝子の断片も含んでいる。 本明細書に記載された実施例及び態様は例示の目的でしかないこと、またこの 見解において数々の改変あるいは変更が当業者に示唆され、それらが本出願及び 添付した請求の範囲の意図及び範囲内に含まれるべきであることが理解される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U G),AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,C A,CH,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI ,GB,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,M G,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO ,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM, TT,UA,UG,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ハイブリドーマ細胞系HNK-20によって産生された抗体の可変領域をコードす る、実質的に純粋なDNA。 2.可変領域が抗体の免疫グロブリン重鎖に由来する、請求項1に記載のDNA。 3.可変領域が抗体の免疫グロブリン軽鎖に由来する、請求項1に記載のDNA。 4.さらに免疫グロブリン定常領域をコードする、請求項1に記載のDNA。 5.免疫グロブリンの定常領域がヒト免疫グロブリンの定常領域である、請求項 4に記載のDNA。 6.DNAが免疫グロブリンα重鎖をコードする、請求項4に記載のDNA。 7.DNAがゲノムDNAである、請求項1に記載のDNA。 8.DNAがcDNAである、請求項1に記載のDNA。 9.図5Bの配列又はその縮重した変異配列を含み、かつ図5Bのアミノ酸配列をコ ードする、実質的に純粋なDNA。 10.図5BのDNA配列に対して約50%以上の配列同一性を有する配列を含む、実 質的に純粋なDNA。 11.a)厳密な条件下で図5BのDNA配列にハイブリダイズでき、ならびにb)HNK -20可変領域の生物学的活性を有するポリペプチドをコードする、実質的に純粋 なDNA。 12.図5Cの配列又はその縮重した変異配列を含み、かつ図5Cのアミノ酸配列を コードする、実質的に純粋なDNA。 13.図5CのDNA配列に対して約50%以上の配列同一性を有する配列を含む、実 質的に純粋なDNA。 14.a)厳密な条件下で図5CのDNA配列にハイブリダイズでき、ならびにb)HNK -20可変領域の生物学的活性を有するポリペプチドをコードする、実質的に純粋 なDNA。 15.図5Dの配列、またはその縮重した変異配列を含み、かつ図5Dのアミノ酸配 列をコードする、実質的に純粋なDNA。 16.図5DのDNA配列に対して約50%以上の配列同一性を有する配列を含む、実 質的に純粋なDNA。 17.a)厳密な条件下で図5DのDNA配列にハイブリダイズでき、ならびにb)HNK -20可変領域の生物学的活性を有するポリペプチドをコードする、実質的に純粋 なDNA。 18.DNAが可変領域発現用の調節配列に操作的に結合され、ならびに調節配列 がプロモーターを含む、請求項1に記載のDNA。 19.請求項1に記載のDNAを含むベクター。 20.請求項1に記載のDNAを含む細胞。 21.ハイブリドーマ細胞系HNK-20によって産生されるモノクローナル抗体由来 の可変領域を含む組換え抗体。 22.可変領域がモノクローナル抗体の免疫グロブリン重鎖に由来する、請求項 21に記載の組換え抗体。 23.可変領域がモノクローナル抗体の免疫グロブリン軽鎖に由来する、請求項 21に記載の組換え抗体。 24.さらにヒト免疫グロブリンの定常領域を含む、請求項21に記載の組換え 抗体。 25.さらに免疫グロブリンのα重鎖を含む、請求項21に記載の組換え抗体。 26.下記の工程を含み、ハイブリドーマ細胞系HNK-20によって産生されるモノ クローナル抗体由来の可変領域を含む組換え抗体を産生する方法。 a.モノクローナル抗体の可変領域をコードし、さらに定常領域をコードするD NAを提供する工程、 b.DNAを発現する工程。 27.下記の工程を含み、ハイブリドーマ細胞系HNK-20によって産生されるモノ クローナル抗体由来の可変領域を含む組換え抗体を産生する方法。 a.モノクローナル抗体の可変領域をコードし、さらに定常領域をコードするD NAを含む細胞を提供する工程、 b.組換え抗体が産生される条件下で細胞を培養する工程、 c.細胞又は細胞を培養した上清から組換え抗体を精製する工程。 28.下記の工程を含み、免疫グロブリン遺伝子の可変領域を含む核酸を単離す る方法。 a.免疫グロブリン遺伝子を含むゲノムDNAを提供する工程、 b.免疫グロブリン遺伝子5’非翻訳領域の多型的な変異配列の分節をそれぞれ が含む、第1プライマーのセットを提供する工程、 c.免疫グロブリン遺伝子の再編成されたJ領域にイントロン3'の多型的な変異 配列の分節をそれぞれが含む、第2プライマーのセットを提供する工程、 d.ゲノムDNAならびに第1及び第2プライマーのセットを用いてポリメラーゼ連 鎖反応を行う工程、 e.ポリメラーゼ連鎖反応から免疫グロブリン遺伝子の配列を含むプライマー のセットを同定する工程、及び f.同定したプライマーのセットを用いて免疫グロブリン遺伝子を増幅する工 程。 29.免疫グロブリン遺伝子がハイブリドーマ細胞系HNK-20に由来する、請求項 28に記載の方法。
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