JP2002514897A - Lyst1およびlyst2の遺伝子組成物ならびに使用方法 - Google Patents

Lyst1およびlyst2の遺伝子組成物ならびに使用方法

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Abstract

(57)【要約】 マウスLyst1および1yst2遺伝子ならびにヒLYSTIおよびLYST2遺伝子を含む組成物が開示される。また、これらの遺伝子それぞれによりコードされるLyst1、Lyst2、LYST1、およびLYST2タンパク質が開示される。また、チェディアック−東症候群を有する患者の同定においてこれらの遺伝子を使用する方法、ならびにCHS-関連核酸および/またはタンパク質配列を検出する方法が開示される。また、LYST1、Lyst1、LYST2、およびLyst2ポリペプチドの組換え体発現、これらのポリペプチドに対して惹起された抗体、ならびに自己免疫疾患および特定のタイプの腫瘍の処置に対する治療アプローチのための方法が開示される。CH病をもたらす遺伝子変異の検出のためのアッセイ、ならびにLyst1、Lyst2、LYST1、およびIYST2遺伝子の検出のための診断プローブもまた提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 LYST1およびLYST2の遺伝子組成物ならびに使用方法 1. 発明の背景 本出願は、1996年12月23日に出願された米国暫定特許出願第60/XXX,XXX号およ び1996年12月20日に出願された米国暫定特許出願第60/XXX,XXX号(これは、1996 年2月1日に出願された米国暫定特許出願第60/011,146号の一部の継続出願である )(これらの全体の内容は特に本明細書中に参考として援用される)の一部の継 続出願である。米国合衆国政府は、国立保健研究所からの研究助成金AI 39651お よび5P30-AR 41943に準拠して本発明における特定の権利を有する。 1.1 発明の分野 本発明は、一般に、分子生物学の分野に関連する。より詳細には、特定の実施 態様は、新規なDNAセグメントおよび哺乳動物種由来のタンパク質を含む方法お よび組成物に関する。より詳細には、本発明は、マウス起源由来のLyst1およびL yst2遺伝子組成物およびヒト起源由来の相同的なLYST1およびLYST2遺伝子組成物 を提供する。これらのLYST/Lyst DNAセグメント、生来のペプチド、および合成 タンパク質誘導体を作製するおよび使用するための種々の方法(例えば、DNAセ グメントの診断的プローブおよびタンパク質産生のためのテンプレートとしての 使用、ならびに種々の薬理学的および免疫学的適用におけるLYST1、Lyst1、LYST 2、およびLyst2タンパク質、融合タンパク質のキャリア、ならびにLyst誘導ペプ チドの使用)が開示される。 1.2 関連分野の説明 1.2.1 チェディアック−東(CH)症候群 チェディアック−東症候群(CHS)は、染色体(Chr)1q42-q43にマップされる常染 色体劣性の免疫不全疾患である(GoodrichおよびHolcombe、1995;Barratら、19 96;Fukaiら、1996)。罹患した個体は、巨大な核周囲のリソソーム、不完全な 顆粒球、NK、および細胞溶解性T細胞の機能を有し、そして早発の感染および悪 性腫瘍で死亡する(Beguez Cesar、1943;Blumeら、1968;Wolffら、1972;Blum eおよびWolff、1972;Rootら、1972;Roderら、1982;Baetzら、1995)。CHS患 者はまた、部分的な眼・皮膚白皮症、血小板貯蔵プールの欠乏、および神経性の 欠損(例えば、末梢神経障害および運動失調)を示す(Windhorstら、1968;Mey ersら、1974;Maedaら、1989;PettitおよびBerdal,1984;Misraら、1991)。最 近、リソソームへのおよびリソソームからの細胞内タンパク質輸送がCHSにおい て乱れていることが立証された(Baetzら、1995;Brandtら、1975;Burkhardtら 、1993;Zhaoら、1994)。顆粒細胞(白血球、メラニン形成細胞、巨核球、およ び小脳のプルキンエ細胞)の分泌リソソームにおけるこのような機能的欠損は、 CHSの多様な臨床的特徴を説明し得る統一された仮説を提供する(Griffiths、19 96)。 ヒトCHS遺伝子の同定に先だって、本発明者らは、CHSと同種であるとずっと考 えられているマウス変異ベージュ(bg)のポジショナルクローニングに着手した。 CHSおよびbgの臨床的および病理学的特徴は非常に類似し、そしてbgはヒト染色 体1q42-q43(CHS遺伝子座の位置)で保存される連鎖群内において近位のマウスC hr 13上にマップされる(Jenkinsら、1991)。ヒトCHSおよびbgマウスが同種の 疾患であるというさらなる証拠は、種間の遺伝的相補性研究に由来し、これは、 bgマウスおよびヒトCHS線維芽細胞の融合がリソソームの形態学的異常を戻すこ とができないことを示した(PennerおよびPrieur、1987)。 最近、本発明者らのグループおよび1つの他のグループがbgマウスにおいて欠 損している遺伝子を同定することに成功した(Perouら、1996a)。しかし、報告 されたbg候補cDNA配列(LystおよびBG)は異なっていた。両方の配列は、同一の 酵母人工染色体(YAC)クローンから単離された。このYACは、bgの決定的領域(cr itical region)内にマップされることにより、およびトランスフェクションの 際にbg線維芽細胞に対する正常リソソーム形態学の修復により確証されている(P erouら、1996a;Perouら、1996b)。さらに、候補遺伝子配列の両方は、異なるbg 対立遺伝子において変異を含んだ。 1.3 先行技術における欠如 チェディアック−東症候群の処置および診断のための方法は開発されていない 。なぜなら、CH遺伝子の配列がマウスまたはヒトにおいて同定されていなかった からである。マウスにおけるいくつかの最近の研究にもかかわらず、ベージュマ ウスにおいて見出された連鎖に類似の連鎖がヒト遺伝子において存在し得た(Ow enら、1986)という推測のみが存在する。CH変異が、マウス、ミンク、およびヒ トにおいて同一の遺伝子内に位置することを示すいくつかの証拠(PerouおよびK aplan、1993)が存在する;しかし、ベージュマウスを除いては、変異の遺伝子 座は同定されていない。 CHS患者は、いくつかの重篤な医学的状態(障害されたナチュラルキラー細胞 活性(Haliotisら、1980)および、腫瘍細胞標的に対する不完全なリンパ球媒介 性抗体依存性細胞に媒介される白血球に媒介されるADCC(defective lymphocyte -mediated antibody dependent cell mediated leucocyte mediated ADCC)(Kl einら、1980)を含む)に罹患することが報告されている。これらの欠損の認識 にもかかわらず、処置における進歩はほとんど達成されていない。なぜなら、主 に、これらの障害を導く変異を有する遺伝子は、いまだに同定されていないから である。 チェディアック−東症候群は、人口のごく少数においてのみ生じる。しかし、 CH遺伝子(LYST1)による細胞内におけるタンパク質トラフィッキング(traffickin g)の調節に関連する、全身性自己免疫疾患およびおそらく特定の型の悪性腫瘍の ような症状のための処置を開発することにおいて、CH遺伝子産物(LYST1)の潜在 的役割の認識が大きくなっている。それゆえ、先行技術において欠如しているも のは、CHSのような自己免疫疾患およびガンの特定の形態についての処置および アッセイの開発において有用である、マウスおよびヒト由来のCH遺伝子の単離お よび特徴付けである。 2. 発明の要旨 相同的なマウスCHSのポジショナルクローニングは、bg遺伝子座での多数の再 変異(remutation)の存在により容易にされる。SB/LeJ-bg対立遺伝子は例外と して、照射により誘導される全てのものが自発的に生じている。本発明は、ヒト におけるチェディアック−東症候群の検出に関連する1つ以上の前述のまたは他 の問題に取り組む。マウス遺伝子および相同的なヒト遺伝子の両方は、クローニ ングされ、そして配列決定されている。 マウスおよびヒト両方の供給源由来のチェディアック−東遺伝子(LYST1)の単 離および配列決定はいまや、例えば、遺伝子、遺伝子セグメント、および/また はコードされたタンパク質もしくはポリペプチドの使用を構成する種々のアッセ イにより、CHSの遺伝子レベルを検出する方法を提供している。実用的な価値に 加え、遺伝子は、リソソームへのおよび特に多様な細胞機能への小胞の選別(ve sicular sorting)への寄与の、タンパク質トラフィッキングの調節の機構を理 解するおよび制御するための手段を提供する。LYST1遺伝子の同定の直接の結果 は、連鎖分析を実施する能力および変異した遺伝子を保有する後代を有する危険 について個体を同定する能力である。本発明者らは、マウス遺伝子であるLyst1 およびBGの配列が、オルタナティブにスプライシングされるmRNAを伴う単一の遺 伝予に由来することを示している。重要な実施態様において、本発明者らはまた 、bg遺伝子(Lyst1)のヒトホモログであるLYST1を同定している。LYST1は、CHSの 決定的領域内においてマップされ、そしていくつかのCHS患者において変異して いる。 2.1 LYSTおよびLyst遺伝子の組成物 本明細書中で使用される用語「DNAセグメント」は、特定の種の全ゲノムDNAを 有さずに単離されているDNA分子をいう。それゆえ,LYST/LystをコードするDNA セグメントは、LYSTまたはLystコード配列を含むがなお、DNAセグメントが得ら れる種の全ゲノムDNAから単離されるか、またはそれを有さずに精製されているD NAセグメントをいう。用語「DNAセグメント」内に、DNAセグメントおよびこのよ うなセグメントのより小さいフラグメントが含まれ、そして組換えベクター(例 えば、プラスミド、コスミド、ファージミド、ファージ、ウイルスなどを含む) もまた含まれる。好ましいLYST遺伝子は、ヒト起源由来のLYST1およびLYST2遺伝 子であり、一方好ましいLyst遺伝子は、マウス起源由来のLyst1およびLyst2であ る。 同様に、単離または精製されたLYST/Lyst遺伝子を含むDNAセグメントは、LYST またはLystコード配列を含むDNAセグメント、特定の局面においては他の天然に 存在する遺伝子またはタンパク質コード配列から実質的に単離された調節配列を いう。この点において、用語「遺伝子」は、機能的なタンパク質、ポリペプチド 、またはペプチドをコードする単位をいうことの単純性のために使用される。当 業者により理解されるように、この機能的な用語は、ゲノム配列、ゲノム外(ext ra-genomic)およびプラスミドコード配列の両方、ならびにタンパク質、ポリペ プチドもしくはペプチドを発現するか、またはその発現に適合され得たより小さ い操作された遺伝子セグメントを含む。このようなセグメントは、天然に単離さ れるか、または人間の手により合成的に改変され得る。好ましいDNAは、1つ以 上のLYST遺伝子(ヒトLYST1およびLYST2遺伝子が特に好ましい)、または1つ以 上のLyst遺伝子(マウスLyst1およびLyst2遺伝子が特に好ましい)を含むDNAで ある。 「他のコード配列から実質的に単離された」とは、目的の遺伝子(この場合、 LYST/Lystタンパク質またはペプチドをコードする遺伝子)がDNAセグメントのコ ード領域の重要な部分を形成すること、およびDNAセグメントが天然に存在する コードDNA(例えば、大きな染色体フラグメントまたは他の機能的遺伝子もしく はポリペプチドコード領域)の大きな部分を含まないことを意味する。当然、こ れは、本来単離され、そして後に人間の手によってセグメントに付加される遺伝 子またはコード領域を排除しないようなDNAセグメントをいう。 特定の実施態様において、本発明は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、 配列番号8、配列番号10、配列番号12、または配列番号14に本質的に記載される アミノ酸配列をそのアミノ酸配列内に含むLYST/Lyst種をコードする、単離され たDNAセグメントおよびDNA配列を組み込む組換えベクターに関する。他の特定の 実施態様において、本発明は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号 7、配列番号9、配列番号11、または配列番号13に本質的に記載される核酸配列 をそれらの配列内に含む、単離されたDNAセグメントおよびDNA配列を組み込む組 換えベクターに関する。 用語「配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列 番号12、または配列番号14に本質的に記載される配列」は、配列番号2、配列番 号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、または配列番号14の 部分に実質的に対応する配列を意味し、そして配列番号2、配列番号4、配列番 号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、または配列番号14のアミノ酸と一 致しない比較的少数のアミノ酸を有するか、またはこの配列のアミノ酸の生物学 的機能等価物を有する。用語「生物学的機能等価物」は、当該分野において十分 に理解され、そして本明細書中で詳細にさらに定義される(例えば、例示的な実 施態様を参照のこと)。従って、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番 号8、配列番号10、配列番号12、または配列番号14の、約70%と約80%との間、 またはより好ましくは約81%と約90%との間、またはなおより好ましくは約91% と約99%との間で一致するアミノ酸、またはこの配列の機能等価物を有する配列 は、「配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番 号12、または配列番号14に本質的に記載される」配列である。 特定の他の実施態様において、本発明は、配列番号1、配列番号3、配列番号 5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、または配列番号13に本質的に記載さ れる核酸配列をそれらの配列内に含む単離されたDNAセグメントおよび組換えベ クターに関する。用語「配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配 列番号9、配列番号11、または配列番号13に本質的に記載される」は、上記と同 じ意味において使用され、そして配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番 号7、配列番号9、配列番号11、または配列番号13の部分に実質的に対応する核 酸配列を意味し、そして配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配 列番号9、配列番号11、または配列番号13のコドンと同一でない比較的少数のコ ドンを有するか、またはこの配列のコドンの機能等価物を含む。また、LYST、Ly st、LYST様、またはLyst様活性を示すタンパク質をコードするDNAセグメントが 最も好ましい。 タンパク質発現が関係する場合、配列が生物学的タンパク質活性の維持を含む 上記の基準を満たす限り、アミノ酸および核酸配列が、さらなる残基(例えば、 さらなるN-もしくはC-末端アミノ酸または5'もしくは3'配列)を含み得るが、な おいまだに本質的に本明細書中に開示される配列の1つに記載されるものである ことがまた理解される。末端配列の付加は、特に、例えばコード領域の5'もしく は3'部分のいずれかに隣接する種々の非コード配列を含み得るか、または調節遺 伝子もしくは構造遺伝子の種々の上流もしくは下流を含み得る核酸配列に適用す る。 当然に、本発明はまた、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、 配列番号9、配列番号11、もしくは配列番号13に記載される配列に相補的である かまたは本質的に相補的であるDNAセグメントを含む。「相補的」である核酸配 列は、標準的なWatson-Crick相補性規則に従って塩基対形成し得る配列をいう。 本明細書中で使用される用語「相補的配列」は、上記の同一ヌクレオチド比較に より評価され得るか、または本明細書中に記載される条件のような比較的ストリ ンジェントな条件下で、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配 列番号9、配列番号11、または配列番号13の核酸セグメントにハイブリダイズし 得るとして定義される、実質的に相補的である核酸配列を意味する。 本発明の核酸セグメントは、コード配列自身の長さに関係なく、他のDNA配列 (例えば、プロモーター、ポリアデニル化シグナル、さらなる制限酵素部位、複 数のクローニング部位、他のコードセグメントなど)と組み合わせられ得、その 結果、全体の長さが相当変化し得る。それゆえ、ほとんど任意の長さの核酸フラ グメントが使用され得ることが意図され、全長は好ましくは調製の容易さおよび 意図される組換えDNAプロトコルにおける使用により制限される。例えば、配列 番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、また は配列番号13に一致するかまたは相補的である、短い連続する範囲(stretch)( 例えば、約14ヌクレオチド)を含む核酸フラグメントが調製され得、そしてそれ は約10,000までまたは約5,000塩基対の長さまであり、特定の場合において約3,0 00のセグメントが好ましい。約2,000、約1,000、約500、約200、約100、および 約50塩基対の長さ(全ての中間の長さを含む)の全長を有するDNAセグメントも また、有用であると意図される。 これらの文脈において、「中間の長さ」は、引用された範囲の間の任意の長さ (例えば、14、15、16、17、18、19、20など;21、22、23など;30、31、32な ど;50、51、52、53など;100、101、102、103など150、151、152、153など;20 0-500;501-1,000;1,001-2,000;2,001-3,000;3,001-5,000;5,001-10,000の 範囲にわたる全ての整数を含み、約12,001、12,002、12,003、13,001、13,002な どの配列までおよびこの配列を含む)を意味することが容易に理解される。 本発明が、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、 配列番号11、または配列番号13に開示される特定の核酸配列、あるいは配列番号 2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、または配 列番号14に開示されるような特定のアミノ酸配列に限定されないこともまた理解 される。それゆえ、組換えベクターおよび単離されたDNAセグメントは、LYSTも しくはLystコード領域自身、選択された改変を保有するコード領域、または基礎 コード領域における修飾を多様に含み得るか、あるいはそれらはLYST、LysL、LY ST様、もしくはLyst様コード領域をやはり含むより大きなポリペプチドをコード し得るか、または変異体アミノ酸配列を有する生物学的機能等価物のタンパク質 またはペプチドをコードし得る。 所望であれば、例えば、LYSTまたはLystコード領域が所望の機能を有する他の タンパク質またはペプチド(例えば、精製または免疫検出目的(例えば、それぞ れ、アフィニティークロマトグラフィーおよび酵素標識コード領域により精製さ れ得るタンパク質))を伴う同一の発現単位内において整列(align)される場合 、融合タンパク質およびペプチドもまた調製され得る。 組換えベクターは、本発明のさらなる局面を形成する。特に、有用なベクター は、DNAセグメントのコード部分(全長のタンパク質またはより小さいペプチド のいずれかをコードする)がプロモーターの制御下に配置されているベクターで あることが意図される。プロモーターは、本明細書中に開示される組成物に関連 して、例えば、組換えクローニングおよび/またはPCRTM技術を使用して、コー ドセグメントの上流に配置された5'非コード配列を単離することにより得られ得 るような、LYST1、Lyst1、LYST2、またはLyst2遺伝子に天然に会合するプロモー ターの形態であり得る。 他の実施態様において、特定の利点が、コードDNAセグメントを組換えまたは 異種プロモーターの制御下に配置することにより得られることが意図される。本 明細書中で使用される組換えまたは異種プロモーターは、その天然の環境におい てはLYST/Lyst遺伝子と通常会合しないプロモーターをいうことが意図される。 このようなプロモーターは、他の遺伝子に通常会合するLYSTもしくはLystプロモ ーターおよび/または任意の細菌、ウイルス、真核生物、もしくは哺乳動物細胞 から単離されたプロモーターを含み得る。当然に、発現のために選択された細胞 型、生物体、またはなお動物におけるDNAセグメントの発現を効果的に指向する プロモーターを使用することは重要である。タンパク質発現のためのプロモータ ーと細胞型との組み合わせの使用は、一般に、分子生物学の分野の当業者に公知 である(例えば、Sambrookら、1989を参照のこと)。使用されるプロモーターは 、構成性または誘導性であり得、そして導入されたDNAセグメントの高レベルの 発現を指向するような適切な条件下(例えば、組換えタンパク質またはペプチド の大量生産に有利な条件)で使用され得る。 本発明の核酸セグメントの原核生物発現は、当業者に公知の方法を使用して実 施され得、そして発現ベクターおよびtac、trp、lac、lacUV5またはT7から得ら れるようなプロモーター配列を含むようである。組換えLYST1、LYST2、Lyst1、 またはLyst2タンパク質の発現が真核生物細胞において所望される場合、多数の 発現系が利用可能であり、そして当業者に公知である。高レベル発現における使 用のために意図される例示的な真核生物プロモーター系は、Pichia発現ベクター 系(Pharmacia LKB Biotechnology)である。 組換えLYST1、LYST2、Lyst1、またはLyst2タンパク質およびペプチドを調製す るような発現の実施態様に関連して、より長いDNAセグメントが最もよく使用さ れ、全LYST1、LYST2、Lyst1、もしくはLyst2、または機能的ドメイン、エピトー プ、リガンド結合ドメイン、サブユニットなどをコードするDNAセグメントが最 も好ましいことが意図される。しかし、LYST1、LYST2、LystLもしくはLyst2ペプ チド、またはエピトープコア領域の発現を指向するようなより短いDNAセグメン トの使用(例えば、抗LYSTもしくはLyst抗体を産生するために使用され得る)は また、本発明の範囲内に入ることが理解される。約15から約100アミノ酸の長さ 、またはより好ましくは約15から約50アミノ酸の長さのペプチド抗原をコードす るDNAセグメントは、特に有用であると意図される。 LYSTまたはLyst遺伝子およびDNAセグメントはまた、動物における体細胞の発 現に関連してまたはトランスジェニック動物の作製において使用され得る。また 、このような実施態様において、全長もしくは活性LYST/Lystタンパク質の発現 を指向する組換えベクターの使用が特に意図される。動物におけるLYST/Lyst導 入遺伝子の発現は、受動的な免疫方法、LYST/Lystタンパク質の検出、および大 量のLYST/Lystタンパク質の精製における使用のための抗LYST/Lyst抗体の産生に おいて有用であるために特に意図される。 LYST/Lystの発現を指向することにおけるそれらの使用に加えて、本明細書中 に開示される核酸配列はまた、種々の他の使用を有する。例えば、それらはまた 、核酸ハイブリダイゼーションの実施態様においてプローブまたはプライマーと しての有用性を有する。このような場合、配列番号1、配列番号3、配列番号5 、配列番号7、配列番号9、配列番号11、もしくは配列番号13の14ヌクレオチド 長の連続する配列と同一の配列を有するかまたは相補的である、少なくとも14ヌ クレオチド長の連続する配列からなる配列領域を含む核酸セグメントが特定の有 用性を見出すことが意図される。より長い連続して、一致するまたは相補的な配 列(例えば、約20、30、40、50、100、200、500、1000(全ての中間の長さを含 む)およびなお全長配列まで)もまた、特定の実施態様において使用される。 LYST/Lystコード配列に特異的にハイブリダイズするこのような核酸プローブ の能力は、それらを所定のサンプルにおける相補的配列の存在を検出することに おいて使用することを可能にする。しかし、変異種プライマーまたは他の遺伝的 構築物を調製することにおける使用のためのプライマーの調製のための配列情報 の使用を含む他の使用が考慮される。 配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11 、もしくは配列番号13と一致するかまたは相補的である、10-14、15-20、30、50 ヌクレオチドの連続する核酸範囲またはなお100-200ほどのヌクレオチドの連続 する核酸範囲からなる配列領域を有する核酸分子は、特に、例えば、サザンブロ ッティングおよびノーザンブロッティングにおける使用のためのハイブリダイゼ ーションプローブとして意図される。これは、多様な細胞型およびやはり種々の 細菌細胞の両方において、LYST/Lystの構造遺伝子または調節遺伝子が分析され る ことを可能にする。フラグメントの全サイズならびに相補的範囲のサイズは、最 終的に特定の核酸セグメントの意図される使用または適用に依存する。より小さ いフラグメントは、一般に、ハイブリダイゼーションの実施態様における使用を 見出す。ここで、連続する相補的領域の長さは例えば、約14と約100ヌクレオチ ドの間で変化し得るが、検出が望まれる相補的配列の長さに従ってより大きな連 続する相補的範囲が使用され得る。 約14-25ヌクレオチド長のハイブリダイゼーションプローブの使用は、安定お よび選択的の両方である二本鎖分子の形成を可能にする。ハイブリッドの安定性 および選択性を増強するため、そしてそれにより、得られる特異的ハイブリッド 分子の質および程度を改善するためにもかかわらず、14塩基長を超える範囲にわ たる連続する相補的配列を有する分子が、一般に好ましい。一般に、15-25、ま たは所望される場合、なおより長い、連続するヌクレオチドの遺伝子相補的な範 囲を有する核酸分子を設計することが好ましい。 ハイブリダイゼーションプローブは、本明細書中に開示される任意の配列の任 意の部分から選択され得る。必要とされる全ては、配列番号1、配列番号3、配 列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、または配列番号13に記載され る配列を参照すること、ならびに約14-25ヌクレオチド長および全長配列を含む までの配列の任意の連続する部分(プローブまたはプライマーとして使用するこ とが望まれる)を選択することである。プローブおよびプライマー配列の選択は 、種々の因子(例えば、全体の配列の終端からのプライマーを使用することが望 まれ得る)により支配され得る。 配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11 、または配列番号13内からの連続する配列を含む核酸セグメントの選択および調 製のプロセスは、核酸フラグメントを調製する工程として代わりに記載され得る 。当然、フラグメントはまた、他の技術により(例えば、機械的剪断によるかま たは制限酵素消化により)得られ得る。小さな核酸セグメントまたはフラグメン トは、例えば、化学的手段(一般に、自動化オリゴヌクレオチド合成機を使用し 実施される)によってフラグメントを直接合成することにより、容易に調製され 得る。また、フラグメントは、核酸再生技術(例えば、米国特許第4,683,202号 (本明細書中で参考として援用される)のPCRTM技術)の適用、組換え産生のた めの組換えベクターへの選択された配列の導入、および分子生物学の当業者に一 般に公知の他の組換えDNA技術により得られ得る。 従って、本発明の核酸配列は、全体のLYST/Lyst遺伝子または遺伝子フラグメ ントの相補的範囲と選択的に二本鎖分子を形成するその能力のために、使用され 得る。考慮される適用に依存して、標的配列に対するプローブの選択性の種々の 程度を達成するようなハイブリダイゼーションの種々の条件を使用することが所 望される。高い選択性を要求する適用のために、ハイブリッドを形成するような 比較的ストリンジェントな条件を使用することが代表的に所望される(例えば、 約0.02Mから0.15MのNaClで50℃から70℃の温度により提供されるような、比較的 低い塩および/または高い温度条件を選択する)。このような選択条件は、もし あれば、プローブとテンプレートまたは標的鎖との間のミスマッチをほとんど許 容せず、そしてLYSTまたはLyst遺伝子を単離することのために特に適切である。 当然、いくつかの適用について、例えば、基礎となるテンプレートにハイブリ ダイズした変異プライマー鎖を使用して変異体を調製することが所望される場合 、または関連した種、機能等価物などからLYSTもしくはLyst配列を単離すること が努力される場合、あまりストリンジェントでないハイブリダイゼーション条件 が、代表的に、ヘテロ二重鎖の形成を可能にするために必要とされる。これらの 状況において、約0.15Mから約0.9Mの塩、20℃から55℃までの範囲の温度のよう な条件を使用することが所望され得る。それにより、交差ハイブリダイズした(c ross-hybridizing)種は、コントロールハイブリダイゼーションに対して陽性に ハイブリダイズしたシグナルとして容易に同定され得る。任意の場合において、 条件は、ホルムアミド(これは、温度の上昇と同じ様式でハイブリッド二重鎖を 不安定化するように作用する)の増量の添加により、よりストリンジェントにさ れ得る。従って、ハイブリダイゼーション条件は、容易に操作され得、従って、 一般に、所望の結果に依存する選択の方法である。 特定の実施態様において、ハイブリダイゼーションを決定するために適切な手 段(例えば、標識)と組み合わせて本発明の核酸配列を使用することは有利であ る。蛍光、放射性、酵素的、または他のリガンド(例えば、アビジン/ビオチ ン)(これらは検出可能なシグナルを示し得る)を含む多種多様な適切な指標手 段は、当該分野で公知である。好ましい実施態様において、放射性または他の環 境的に望ましくない試薬の代わりに、蛍光標識または酵素タグ(例えば、ウレア ーゼ、アルカリホスファターゼ、もしくはペルオキシダーゼ)を使用することが 所望されるようである。酵素タグの場合、人の目に見えるかまたは分光光度的な 手段を提供し、相補的な核酸を含むサンプルとの特異的なハイブリダイゼーショ ンを同定するために使用され得る比色の指標基質が公知である。 一般に、本明細書中に記載されるハイブリダイゼーションプローブは、溶液ハ イブリダイゼーションならびに固相を使用する実施態様の両方における試薬とし て有用である。固相に関する実施態様において、試験DNA(または、RNA)は、選 択されたマトリックスもしくは表面に吸着されるか、またはそうでなければ固定 される。次いで、この固定された一本鎖核酸は、所望の条件下で選択されたプロ ーブを用いた特異的ハイブリダイゼーションに供される。選択された条件は、必 要とされる特定の基準(例えば、G+C含量、標的核酸の型、核酸の供給源、ハイ ブリダイゼーションプローブのサイズなどに依存する)に基づく特定の状況に依 存する。以下の非特異的に結合したプローブ分子を除去するような、ハイブリダ イズされた表面の洗浄に続いて、特異的ハイブリダイゼーションが、標識の手段 により検出されるか、またはなお定量される。 2.2 組換え宿主細胞およびベクター 本発明の特定の局面は、組換えペプチド、および生来のまたは部位特異的変異 LYSTまたはLystタンパク質、ペプチド、またはエピトープのいずれかを含む、特 定のペプチドエピトープのクローニングおよび発現のためのプラスミドベクター の使用に関する。組換えベクターの作製、宿主の形質転換、および組換えタンパ ク質の発現は、当業者に周知である。原核生物宿主が本発明のペプチド組成物の 発現のために好ましい。好ましい原核生物宿主の例は、E.coliであり、特に、E .coli株JM101、XL1-BlueTM、RR1、LE392、B、X1776(ATCC31537)、およびW3110( F-、λ-、原栄養性、ATCC273325)が挙げられる。あるいは、他のEnterobacteria ceae種(例えば、Salmonella typhimuriumおよびSerratia marcescens)、また はさ らに種々のPseudomonas種を含む他のグラム陰性宿主が本明細書中に開示される 遺伝的構築物の組換え発現に使用され得る。 一般に、宿主細胞と適合性の種由来であるレプリコンおよび制御配列を含むプ ラスミドベクターは、これらの宿主と関連して使用される。ベクターは通常、複 製部位、ならびに形質転換細胞における表現型選択を提供し得る標識配列を有す る。例えば、E.collは、典型的にはpBR322のようなベクターまたはその任意の 誘導体を用いて形質転換され得る(Bolivarら、1977)。pBR322は、アンピシリン およびテトラサイクリン耐性のための遺伝子を含み、従って形質転換細胞を同定 するための容易な手段を提供する。pBR322、その誘導体、または細菌性プラスミ ドあるいはバクテリオファージはまた、内因性タンパク質の発現のために細菌性 生物により使用され得るプロモーターを含み得るか、または含むように改変され 得る。 さらに、レプリコンおよび宿主微生物に適合性である制御配列を含むファージ ベクターが、これらの宿主に関連して形質転換ベクターとして使用され得る。例 えば、λGEMTM-11のようなバクテリオファージが、E.coli LE392のような感受 性宿主細胞を形質転換するために使用され得る組換えベクターを作製することに おいて利用され得る。 これらのプロモーターは、最も一般的にはβ-ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ )およびラクトースプロモーター系(Changら、1978;Itakuraら、1977;Goeddelら 、1979)、またはトリプトファン(trp)プロモーター系(Goeddelら、1980)を含む 組換えDNA構築物において使用される。組換えおよび生来の微生物プロモーター の使用は当業者に周知であり、そしてそのヌクレオチド配列に関する詳細および 特定の方法論は公共財産であり、当業者は本発明の組成物の産生する目的のため の特定の組換えベクターおよび発現系を構築し得る。 原核生物における発現の好ましい実施態様に加えて、酵母培養物のような真核 性微生物もまた、本発明に開示される方法に関連して使用され得る。Saccharomy ces cerevisiae、または一般的なパン酵母は、真核性微生物の中でも最も普通に 使用されるが、多数の他の種もまたこのような真核生物発現系のために用いられ 得る。Saccharomycesにおける発現のために、例えば、プラスミドYRp7が通常使 用される(Stinchcombら、1979;Kingsmanら、1979;Tschemperら、1980)。このプ ラスミドはすでに、トリプトファン中で増殖する能力を欠損している酵母の変異 株(例えば、ATCC44076またはPEP4-1(Jones,1977))のための選択マーカーを提 供するtrpL遺伝子を含む。次いで、酵母宿主細胞ゲノムの特徴としてのtrpL破壊 の存在は、トリプトファンの非存在中での増殖による形質転換の検出のために効 率的な環境を提供する。 酵母ベクターにおける適切なプロモーター配列は、3-ホスホグリセリン酸キナ ーゼ(Hitzemanら、1980)または他の解糖酵素(例えば、エノラーゼ、グリセルア ルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルベートデカ ルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース-6-ホスフェートイソメ ラーゼ、3-ホスホグリセリン酸ムターゼ、ピルベートキナーゼ、トリオセホスフ ェートイソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、およびグルコキナーゼ) (Hessら、1968;Hollandら、1978)のためのプロモーターを含む。適切な発現プラ スミドの構築において、これらの遺伝子に関連した終結配列がまた、発現ベクタ ーの発現を所望される配列の3'側に連結され、mRNAのポリアデニル化および終結 を提供する。増殖条件によって制御される転写のさらなる利点を有する他のプロ モーターは、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソシトクロームC、酸ホスファ ターゼ、窒素代謝に関連する分解酵素、および上記のグリセルアルデヒド-3-ホ スフェートデヒドロゲナーゼ、ならびにマルトースおよびガラクトース利用を担 う酵素が挙げられる。酵母適合性プロモーター複製起点、および終結配列を含む 任意のプラスミドベクターが適切である。 微生物に加えて、多細胞生物由来の細胞の培養物もまた、開示された方法の日 常的業務において宿主として使用され得る。原則として、脊椎動物または非脊椎 動物培養物のいずれかの由来の、このような任意の細胞培養物が使用され得る。 しかし、目的は脊椎動物細胞において最も大きく、そして脊椎動物細胞の培養( 組織培養)における増殖は近年日常的業務になっている。このような有用な宿主 株の例は、VEROおよびHeLa細胞、Chinese hamster卵巣(CHO)細胞株、およびW138 、BHK、COS-7、293、およびMDCK細胞株が上げられる。このような細胞のための 発現ベクターは、普通、(必要な場合)複製起点、発現されるべき遺伝子の前 に位置するプロモーター、任意の必要なリボソーム結合部位とともに、RNAスプ ライシング部位、ポリアデニル化部位、および転写終結配列を含む。 哺乳動物細胞における使用のために、しばしばウイルス性物質から発現ベクタ ー上の制御機能が得られる。例えば、通常使用されるプロモーターは、ポリオー マ、アデノウイルス2が挙げられ、そして最も頻繁にはシミアンウイルス40(SV4 0)が挙げられる。SV40ウイルスの初期および後期プロモーターは、その両方が、 SV40ウイルス複製起点(Fiersら、1978)もまた含むフラグメントとしてウイルス から容易に得られるので、特に有用である。ウイルス複製起点に位置するHindII I部位からBglI部位へ延びる約250bp配列が含まれている限り、より小さなまたは 大きなSV40フラグメントがまた使用される。さらに、このような制御配列が宿主 細胞系に適合性である限り、所望の遺伝子配列に通常関連するプロモーターまた は制御配列を利用することがまた可能であるか、あるいはしばしば望ましくあり 得る。 複製起点は、外因性起点(例えば、SV40または他のウイルス(例えば、ポリオ ーマ、アデノ、VSV、BPV)供給源由来であり得る)を含むベクターの構築から得 られ得るか、または宿主細胞染色体複製機構から得られ得る。ベクターが宿主細 胞染色体に組み込まれる場合、後者がしばしば十分である。 SDS/PAGEゲル分析において通常用いられるクマシーブリリアントブルー染色手 順の検出限界以下の量でポリペプチドが確かに存在し得ること、またはそれらの 存在が類似のMrの不活性ポリペプチドによりマスクされ得ることが、さらに理解 される。本発明の日常業務に必要ではないが、目的の特定ポリペプチドの可視化 において他の検出技術が有利に用いられ得ることが意図される。免疫学に基づく 技術(例えば、酵素標識、放射標識、または蛍光的にタグ化された本明細書中に 記載の抗体を用いるウエスタンブロッティング)がこれに関して特に使用される ことが考慮される。あるいは、本発明のペプチドは、本発明の抗体と、このよう な1次抗体に対して親和性を有する2次抗体とを組合わせて用いることにより検 出され得る。この2次抗体は、酵素または放射標識され得るか、あるいは蛍光ま たはコロイド金タグ化され得る。標識およびこのような2工程2次抗体技術の検 出のための手段は、当業者に周知である。 2.3 1つ以上のLYST遺伝子産物の組換え発現 全体において用いられる「LYST/Lyst」遺伝子は、哺乳動物供給源由来のLYST またはLyst遺伝子を意味することが意図され、ヒトLYSTおよびマウスLyst遺伝子 が最も好ましい。当業者に公知の遺伝的学名スキームにおいて、「LYST」遺伝子 は、ヒト供給源由来の遺伝子であり、一方「Lyst」遺伝子は、マウス供給源由来 の遺伝子である。従って、LYST1およびLYST2遺伝子は、ヒトから単離される「LY ST/Lyst」ファミリーの2つの遺伝子であり、一方Lyst1およびLyst2は、それら のマウス相同体である「LYST/Lyst」ファミリーの2つの遺伝子をそれぞれ表す 。 同様の様式において、「LYST/Lyst」タンパク質は、ヒト供給源から単離され たLYSTまたはLystタンパク質を意味することが意図され、ヒトおよびマウスペプ チドが最も好ましい。当業者に公知の遺伝的学名スキームにおいて、「LYST」タ ンパク質はヒト供給源由来のLYST遺伝子によりコードされるタンパク質であり、 一方「Lyst」タンパク質はマウス供給源由来のLyst遺伝子によりコードされるタ ンパク質である。従って、LYST1およびLYST2はヒトから単離される「LYST/Lyst 」タンパク質ファミリーの2つのタンパク質の適切な命名であり、一方Lyst1お よびLyst2はマウスから単離される「LYST/Lyst」タンパク質ファミリーの2つの 相同的タンパク質を表す。 これらのタンパク質には長いおよび短いイソ型が存在するので、2つのイソ型 の間を区別するために本発明者らは本明細書中全体で「Lyst1イソ型I」、「Lys t1イソ型II」などという。このようなイソ型命名はまた、「Lyst1-I」または「L yst2-II」などと短縮され得る。ヒトタンパク質イソ型は対応する様式でいわれ 得る:「LYST1-I」および「LYST1-イソ型II」はヒトタンパク質の長いイソ型を いい、一方「LYST2-I」および「LYST2-イソ型II」はヒトタンパク質の短いイソ 型をいう用語である。従って、Lyst1-IおよびLyst1-IIは、Lyst1のマウスイソ型 の2つのイソ型を表すために使用される用語であり、そしてLYST1-IおよびLYST1 -IIは、ヒトLYST1の2つのイソ型を表すために使用される用語である。同様に、 Lyst2-IおよびLyst2-IIはマウスLyst2のイソ型の2つのイソ型を表し、一方LYST 2-IおよびLYST2-IIは、ヒトLYST2タンパク質の2つのイソ型を表す。 本発明はまた、単離されたLYST1、Lyst1、LYST2、またはLyst2遺伝子の発現の ための組換え宿主細胞に関する。この目的のために実質的に任意の宿主細胞も用 いられ得るが、E.coli、S.typhimurium、B.subtilisなどのような細菌性宿主 細胞を用いることに特定の利点が見出され得ることが意図される。酵母、昆虫、 または哺乳動物細胞株由来のような真核生物細胞における発現もまた意図される 。これらの組換え宿主細胞は、LYST1、Lyst1、LYST2、またはLyst2タンパク質の 「過剰発現」、すなわち、哺乳動物細胞において天然に見出される発現のレベル を超えて増大させることに関連して用いられ得る。当業者に周知のように、タン パク質の組換え発現のためのこのようなベクターおよび宿主細胞の多数が容易に 入手可能であり、哺乳動物細胞における発現のために適切なベクターの特に詳細 な例は、本明細書中に参照として援用される米国特許第5,168,050号に記載され ている。しかし、用いられるコードセグメントが目的のタンパク質またはペプチ ド(例えば、LYST1、Lyst1、LYST2、またはLyst2タンパク質)をコードする限り 、高度に精製されたベクターが使用される必要はなく、そして細胞に有利な効果 を有する任意のコード配列または制御配列を含まない。従って、有用な核酸配列 がさらなる残基(例えば、コード配列の5'または3'のいずれかの部分に隣接する さらなる非コード配列)を含み得ること、または種々の制御配列を含み得ること もまた理解される。 適切なエピトープコード核酸分子を同定した後、これは当該分野に最近公知の 多数のベクターの任意の1つに、宿主細胞に組み込まれた場合に目的のタンパク 質またはペプチドエピトープ(例えば、LYST1、Lyst1、LYST2、またはLyst2タン パク質)の発現および産生を指向するように挿入され得る。組換え発現ベクター において、DNAセグメントのコード部分は、プロモーターの制御下に置かれる。 プロモーターは、LYST1、Lyst1,LYST2、またはLyst2コード核酸セグメントに天 然に関連するプロモーターの形態であり得、コードセグメントの上流に位置する 5'非コード配列から、例えば、本明細書中に開示される組成物に関連して、組換 えクローニングおよび/またはPCRTM技術を用いて単離することにより得られ得 る。米国特許第4,683,195号および同第4,683,202号(本明細書中に参照として援 用される)のPCRTM技術を用いる核酸の直接増幅が、このような方法論において 特に有用であると意図される。 特定の実施態様において、LYST1、Lyst1、LYST2、またはLyst2コードDNAセグ メントを組換え、または異種プロモーターの制御下に置くことにより、特に利益 が得られることが意図される。本明細書中において、組換えまたは異種プロモー ターは、その天然の環境において通常はLYST1、Lyst1、LYST2、またはLyst2コー ドDNAセグメントに関連しないプロモーターをいうことが意図される。このよう なプロモーターは、通常他の遺伝子に関連するプロモーター、および/または他 の任意の細菌、ウイルス、真核生物、または哺乳動物細胞から単離されたプロモ ーターを含み得る。当然、LYST1、Lyst1、LYST2、またはLyst2コード核酸セグメ ントを含むベクターを含む特定細胞において、DNAセグメントの発現を効率的に 指向するプロモーターを用いることが重要である。 タンパク質発現を達成するための組換えプロモーターの使用は、分子生物学の 当業者に既知である。例えば、Sambrookら(1989)を参照のこと。用いられるプロ モーターは、構成的または誘導性であり得、そして導入されたDNAセグメントの 高レベルまたは調節された発現を指向するに適切な条件下で使用され得る。真核 生物発現のために最近好まれるプロモーターは、例えば、CMV、RSVLTR、SV40プ ロモーター単独、SV40エンハンサーと組み合わせるSV40プロモーターが挙げられ る。特定の実施態様において、組換えLYST1、Lyst1、LYST2、またはLyst2タンパ ク質の発現は、原核生物発現型、そして詳細にはE.coliのような細菌系を用い て行われる。本発明のこのような核酸セグメントの原核生物発現は、当業者に公 知の方法を用いて実施され得、そしてtac、trp、lac、lacUV5、またはT7プロモ ーターから得られたような発現ベクターおよびプロモーター配列を含むようであ る。 LYST1、Lyst1、LYST2、Lyst2タンパク質、またはLYST1、Lyst1、LYST2、Lyst2 由来のエピトープの発現のために、生来の配列かまたは遺伝的に改変された配列 かのいずれかであろうと、一旦適切なクローンが得られれば、LYST1、Lyst1、LY ST2、Lyst2タンパク質、または1つ以上のLYST1、Lyst1、LYST2、Lyst2由来のエ ピトープの発現のための発現系の調製を行い得る。原核生物系または真核生物系 における発現のためのDNAセグメントの操作は、組換え発現の当業者に一般に知 られた技術により実施され得る。実質的に任意の発現系が、LYST1、Lyst1、LYST 2、Lyst2タンパク質またはこれらのタンパク質由来のエピトープの発現において 用いられ得ると考えられる。 あるいは、特定の実施態様において、真核生物発現系において遺伝子産物また はそれ由来のエピトープを発現させることが所望され得る。所望のエピトープ( 生来かまたは変異されたかのいずれか)をコードするDNA配列は、当業者に周知 のように、独立して種々の真核生物系において発現され得る。 このようなエピトープをコードするDNAセグメントを有する宿主細胞の形質転 換が、目的のタンパク質またはペプチドを得るための便利な手段を提供すること が提案される。宿主細胞が、もちろん、ゲノム転写物をプロセシングしてタンパ ク質への翻訳のための機能的mRNAを得るので、ゲノム配列が真核生物発現に適切 である。 ほとんど任意の真核生物発現系が本発明のタンパク質、またはこのようなタン パク質由来のペプチドまたはエピトープの発現のために利用され得ると同様に考 えられる。例えば、バキュロウイルスベース、グルタミンシンターゼベース、ま たはジヒドロ葉酸レダクターゼベース系が用いられ得る。好ましい実施態様にお いて、複製起点およびpCMVシリーズ(例えば、pCMV5)の真核生物ベクターによ って例示される効率的な真核生物プロモーターを組み込んだプラスミドベクター が最も使用されることが意図される。 この様式における発現のために、コード配列をプロモーターに隣接し、そして その制御下にあるように位置させる。コード配列をこのようなプロモーターの制 御下に配置するために、タンパク質の転写読み取り枠の転写開始部位の5'末端を 、選択したプロモーターの1ヌクレオチドと約50ヌクレオチドとの間「下流」( すなわち、3')に位置させることが当該分野において理解される。 真核生物発現が意図される場合、典型的には、元のクローニングセグメント中 にポリアデニル化部位が含まれていない場合、LYST/Lyst遺伝子産物またはLYST/ Lyst由来ペプチドをコードする核酸配列を含む転写単位に、適切なポリアデニル 化部位(例えば、5'-AATAAA-3')を組み込むことがまた所望される。典型的には 、ポリ-A付加部位は、転写終結の前の位置でタンパク質の終結部位の約30〜2000 ヌ クレオチド「下流」に位置される。 LYST1、Lyst1、LYST2、Lyst2タンパク質および本明細書に関連してこれらから 由来するエピトープの発現に関して、実質的に任意の宿主細胞が使用され得るこ とが意図される。真核生物発現のために典型的に用いられる細胞株の例は、例え ば、239、AtT-20、HepG2、VERO、HeLa、CHO、WI38、BHK、COS-7、RIN、およびMD CK細胞株が上げられる。 生来のまたは組換えLYST1、Lyst1、LYST2、もしくはLyst2タンパク質由来のタ ンパク質、ペプチド、またはエピトープ性ペプチドが、「過剰発現」(すなわち 、ヒト細胞におけるその天然の発現に関して、またはLYST1、Lyst1、LYST2、ま たはLyst2コードDNAセグメントを含む組換え宿主細胞における他のタンパク質の 発現に関して増大したレベルで発現される)され得ることがさらに意図される。 このような過剰発現は、放射標識および/またはタンパク質精製を含む種々の方 法により分析され得る。しかし、容易かつ直接的な方法(例えば、SDS/PAGEおよ びタンパク質染色またはウエスタンブロッティング、続いて定量的分析(例えば 、生じたゲルまたはブロットの濃度測定分析)を含む方法)が好ましい。天然の LYST1、Lyst1、LYST2、またはLyst2産生細胞におけるレベルに比較した組換えタ ンパク質またはペプチドのレベルにおける特定の増大は、過剰発現を示し得、そ してこれは宿主細胞により産生される他のタンパク質に関する特定タンパク質の 相対量であり、そして例えば、ゲル上で観察され得る。 本明細書中に使用される用語「操作」または「組換え」細胞は、その中に組換 え遺伝子(例えば、LYST1、Lyst1、LYST2、Lyst2)が導入されている細胞をいう ことが意図される。従って、操作細胞は、組換え的に導入された遺伝子を含まな い天然に存在する細胞から区別され得る。従って、操作細胞は人の手によって導 入された遺伝子を有する細胞である。組換え的に導入された遺伝子は、1つの構 成遺伝子の形態であるか、構成遺伝子および隣接するDNAを含むゲノムクローン 全体の形態であるか、またはイントロンを含むかまたは含まずに、プロモーター 、制御エレメントの上流および/または下流のいずれかに位置した遺伝子をまた 含み得るオペロンあるいは他の機能的核酸セグメントの形態であるか、または構 成遺伝子それ自体を含むcDNAクローンの形態であるか、または目的の特定遺伝子 に 天然には関連しない遺伝子の形態でさえある。 前述の遺伝子の1つ以上の組換えバージョンの導入が必要な場合、操作のため に選択した細胞型において遺伝子の発現を効率的に指向するプロモーターの制御 下にあるように、遺伝子を導入することが重要である。一般に、目的の遺伝子を 構成的(定常的)に発現させるプロモーターを用いることが所望される。通常用 いられる真核生物構成的プロモーターは、ウイルスプロモーター(例えば、サイ トメガロウイルス(CMV)プロモーター、ラウス肉腫長末端反復(LTR)配列、または SV40初期遺伝子プロモーター)が挙げられる。これらの構成プロモーターの使用 は、導入された遺伝子の高い、定常的レベルの発現を保証する。本発明者らは、 導入された目的の遺伝子の発現レベルは、異なるクローン、あるいは異なる株ま たは細菌から単離された遺伝子において変動し得ることに気づいている。従って 、特定の組換え遺伝子の発現レベルは、各トランスフェクション研究由来の異な るクローンを評価することにより選択され得る;一旦その株が選択されると、構 成的プロモーターは所望の発現レベルが永久に保持されることを保証する。操作 に用いた細胞型に特異的であるプロモーター(例えば、膵島細胞腺腫細胞株にお けるインスリンプロモーター、前下垂体細胞株におけるプロラクチンまたは成長 ホルモン)を使用することがまた可能であり得る。 2.4 LYST/Lyst遺伝子産物の検出 本明細書のさらなる局面は、免疫学的組成物の調製、およびより詳細にはCHS の検出および診断に関する診断および治療方法のための抗LYST/Lyst抗体の調製 である。核酸組成物を用いる臨床サンプルにおけるCHSの診断方法およびLYST/Ly stコード核酸セグメントの検出のための方法はまた、本発明から得られる。LYST /Lystをコードする核酸配列は、このような症状を有すると疑われる患者からの 臨床サンプル中のLYST/Lyst核酸セグメントの存在を検出するための、従来の技 術(例えば、サザンハイブリダイゼーション分析またはノーザンハイブリダイゼ ーション分析)を用いる診断プローブとして有用である。好ましい実施態様にお いて、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番 号11、および配列番号13に開示される核酸配列が、このようなハイブリダイゼー ション分析のためのプローブとして好ましい。 2.5 免疫応答を産生するための方法 動物において免疫応答を生じる方法がまた開示される。この方法は一般に、免 疫学的に有効な量の本明細書中に開示されるペプチド組成物を含む薬学的組成物 を、動物に投与することに関する。好ましいペプチド組成物は、配列番号2、配 列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、または配列番号 14に開示されるペプチドを含む。 本発明はまた、特定のワクチンの組成物において用いられ得る薬学的に受容可 能な賦形剤、キャリア、希釈剤、アジュバント、および他の組成物(例えば、さ らなるペプチド、抗原、または外膜調製物)と一緒になったLYST/LystおよびLYS T/Lyst由来のペプチド抗原組成物を包含する。 抗体は、LYST/Lyst遺伝子産物で免疫された異種ドナー動物またはヒトボラン ティアにおいて惹起されたもの、骨髄腫細胞株と適合性である免疫動物またはヒ トからのB細胞の融合物由来のハイブリドーマから生じるモノクローナル抗体(m Ab)、異種の種とヒト抗体をコードする遺伝子からのmAbコード遺伝子の相補性決 定領域の遺伝子融合物の発現から生じるいわゆる「ヒト化」mAb、またはCHSを有 すると疑われるヒトドナーからの血漿のLYST/Lyst反応性抗体含有画分を含むい くつかの型であり得る。上記の任意の技術が抗体産生の目的のための被験体のワ クチン接種のために使用され得ることが意図される。このような抗体の最適用量 は、処置されるべき特定の種における特異的抗体集団の薬学動態に高度に依存す る。 本明細書中に記載されるペプチド抗原を用いて、本発明はまた、免疫応答を生 じる方法を提供する。この方法は一般に、免疫学的に有効な量のLYST/Lystペプ チド組成物を含む薬学的に受容可能な組成物を、動物に投与することを含む。好 ましい動物は哺乳動物、そして特にヒトを含む。他の好ましい動物は、ネズミ、 ウシ、ウマ、ブタ、イヌ、およびネコが挙げられる。組成物は、天然または組換 え供給源から得られた部分的または有意に精製されたLYST/Lystペプチドエピト ープを含み得る。そのタンパク質またはペプチドは、天然に得られ得るかまたは 化学的に合成され得るか、あるいはこのようなエピトープをコードするDNAセグ メントを発現している組換え宿主細胞からインビトロで産生され得るかのいずれ かである。反応性エピトープを含むより小さいペプチド(例えば約10と約50との 間、または約50と約100との間の長さのアミノ酸さえも)がしばしば好ましい。 抗原性タンパク質またはペプチドはまた、所望であれば他の薬剤(例えば、他の LYST/Lyst関連ペプチドまたは核酸組成物)と組み合わされ得る。 「免疫学的に有効な量」により、レシピエント動物において免疫応答を生じ得 るペプチド組成物の量が意味される。これは、抗体応答(B細胞応答)の産生お よび/または細胞傷害性免疫応答(T細胞応答)の刺激の両方を含む。このよう な免疫応答の産生は、CTLのような有用なバイオ試薬、およびより詳細には診断 的実施態様における使用のための反応性抗体の産生の両方において利用性を有し 、そして種々の予防的または治療的実施例においてもまた利用性を有する。従っ て、免疫応答の刺激のためのこれらの方法はワクチン接種レジメおよび処置レジ メを含むが、これらのいずれの結果の達成も、本発明のこれらの局面の実施のた めには必要ではないことが理解される。 動物において免疫応答を産生するための手段は、本発明者らによりさらに意図 される。これは、LYST/Lystエピトープをコードする核酸組成物の免疫学的に有 効な量を含む、またはこのような核酸組成物を含みかつ発現する生きた弱毒化生 物の免疫学的に有効な量を含む、薬学的に受容可能な組成物を動物またはヒト被 験体に投与する工程を含む。「免疫学的に有効な量」は、B細胞および/または T細胞応答を刺激し得る量である。 ワクチン接種、処置、またはCHSの検出に有用な抗体の産生のためのいずれか に意図される本発明の免疫処方物は、生来のまたは合成的由来のこれらのタンパ ク質からの抗原性ペプチドフラグメントを含み得る。このように、本明細書中に 記載されるタンパク質およびペプチドの抗原的機能等価物もまた、本発明の範疇 にはいる。「抗原的機能等価物」タンパク質またはペプチドは、開示される任意 の特定タンパク質に由来する1つ以上のエピトープと免疫学的に交差反応性であ るエピトープを含むタンパク質またはペプチドである。抗原的機能等価物または エピトープ性配列は、最初に設計または予測され、次いで試験され得るか、また は単に交差反応性について直接試験され得る。 免疫処方物、ワクチン、または単に抗原として(例えば、検出プロトコルにお ける使用のため)における使用のために適切なエピトープおよび/またはそれら の機能的な等価物の同定または設計は、比較的簡単な問題である。例えば、親水 性に基づくアミノ酸配列からのエピトープの同定および調製を教示する、米国特 許第4,554,101号(本明細書中に参照として援用される)において可能にされたH oppの方法を用い得る。他のいくつかの文献において記載された方法およびそれ らに基づくソフトウエアプログラムもまた、エピトープ性コア配列を同定するた めに用いられ得る。例えば、ChouおよびFasman(1974 a,b;1978 a,b;1979);Jam esonおよびWolf(1988);Wolfら(1988);ならびにKyteおよびDoolittle(1982)がこ の論題を示す。次いで、これらの「エピトープ性コア配列」のアミノ酸配列は、 ペプチド合成または組換え技術の適用のいずれかを介して、容易にペプチドに取 り込まれ得る。 LYST/Lystタンパク質のエピトープを取り込んだより短い抗原性ペプチド(例 えば、約25〜約50、または約15〜25アミノ酸の長さ)の使用が、特定の状況(例 えば、ワクチンの調製において、または免疫学的検出分析において)において利 点を提供することが提案される。例示的な利点は、調製および精製の容易さ、比 較的低い価格および産生の改善された再現性、ならびに有利な生体分布が挙げら れる。 なおさらなる実施態様において、本発明は免疫検出法および関連するキットに 関する。本発明のタンパク質またはペプチドは、これらとの反応性を有する抗体 を検出するために用いられ得ること、あるいは本発明に従って調製された抗体は 、LYST/Lystタンパク質またはペプチドを検出するために用いられ得ることが意 図される。いずれのタイプのキットも、臨床サンプル中に存在する、CHSを示す 化合物の免疫検出において使用され得る。これらのキットはまた、適宜、抗原ま たは抗体の精製において使用され得る。 一般に、好ましい免疫検出法は、まず、LYST/Lyst反応性抗体を含有すると疑 われるサンプル(例えば、患者の生物学的サンプル)を得る工程、およびこのサン プルと第1のLYST/Lystタンパク質またはペプチドとを、免疫複合体(一次免疫複 合体)の形成を可能とするに効果的な条件下で接触させる工程を包含する。次い で、形成される任意の一次免疫複合体の存在を検出する。好ましいLYST/Lystタ ンパク質には、ヒト起源のLYST1およびLYST2、ならびにマウス起源のLyst1およ びLyst2タンパク質が含まれる。 選択されたサンプルとLYST/Lystタンパク質またはペプチドとを、(一次)免疫 複合体の形成を可能とするに効果的な条件下で接触させるとは、一般に、タンパ ク質またはペプチド組成物をサンプルに単に添加することである。次いで、添加 した抗原が、サンプル中に存在する任意の抗体と免疫複合体を形成する(すなわ ち、結合する)ことを可能とするに十分な時間、混合物をインキュベートする。 この時間の後、一般に、サンプル組成物(例えば、組織切片、ELISAプレート、ド ットブロットまたはウェスタンブロット)を洗浄して、非特異的に結合した抗原 種を除去する。このことにより、免疫複合体内で特異的に結合した種のみの検出 が可能になる。 免疫複合体形成の検出は、当該分野において周知であり、そして当業者に公知 で、種々の刊行物(例えば、Nakamuraら(1987):本明細書中に参考として援用す る)に記載された多くのアプローチの適用によって達成され得る。一次免疫複合 体の検出は、一般に、標識またはマーカー(例えば、放射活性、蛍光、生物学的 、または酵素的標識)の検出に基づき、酵素タグ(例えば、アルカリホスファター ゼ、ウレアーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、およびグルコースオキシダーゼ )が適切である。用いられる特定の抗原は、それ自体が、検出可能な標識と結合 され得る。次いで、この標識は簡単に検出される。これにより、組成物中に存在 する結合した抗原の量の決定が可能になる。 あるいは、一次免疫複合体は、検出可能な標識に結合され、第1のタンパク質 またはペプチドに対して結合親和性を有する、第2の結合リガンドにより検出さ れ得る。この第2の結合リガンドは、しばしば、それ自体が抗体であり、従って 、「二次」抗体と呼ばれる。一次免疫複合体を、標識された、二次結合リガンドま たは抗体と、二次免疫複合体の形成を可能とするに効果的な条件下および十分な 時間接触させる。次いで、一般に、二次免疫複合体を洗浄して、特異的に結合し ていない、標識された任意の二次抗体を除去し、そして次いで残りの結合した標 識 を検出する。 診断目的には、目的の抗体を含有すると疑われる、実質的に任意のサンプルを 用いることが提案される。例示的なサンプルには、患者から得られる臨床サンプ ル(例えば、血液または血清サンプル、気管支肺胞液、耳スワブ、痰サンプル、 中耳液)が含まれ、またはおそらく尿サンプルさえも用いられ得る。このことは 、CHSおよび関連する障害の診断を可能にする。さらに、このような実施態様は 非臨床サンプルへの応用(例えば、抗体サンプルの力価測定、ハイブリドーマの 選択などにおける応用)を有し得ることが意図される。あるいは、臨床サンプル は獣医学的供給源に由来し得、そしてこれには、ウシ、ヒツジ、およびヤギのよ うな家畜が含まれ得る。ネコ、イヌ、およびウマ供給源からのサンプルもまた、 本明細書に記載の方法に従って使用され得る。 関連する実施態様において、本発明は、サンプルにおけるLYST/Lyst特異的抗 体の存在を検出するために使用され得るキットの調製を意図する。一般的にいえ ば、本発明に従うキットは、適切なタンパク質またはペプチドおよび免疫検出試 薬、ならびにこのタンパク質またはペプチドおよび試薬を含むための手段を含む 。 免疫検出試薬は、代表的には、LYST/Lystタンパク質またはペプチドと結合し た、または二次結合リガンドと結合した標識を包む。例示的なリガンドとして、 第1のLYST/Lystもしくはペプチドまたは抗体に対する二次抗体、あるいは結合 した標識を有するビオチンもしくはアビジン(またはストレプトアビジン)リガン ドが挙げられる。ヒト抗体に対して結合親和性を有する、抗体に結合した検出可 能な標識もまた、例えば、第1の試薬が、ヒトサンプル由来の反応性抗体との結 合のために使用されるLYST/Lystペプチドであるプロトコルのために、意図され る。もちろん、上記のように、多くの例示的な標識が当該分野において公知であ り、そしてそのような標識すべてが、本発明に関連して使用され得る。キットは 、抗原もしくは抗原標識結合体を、完全に結合した形態、中間体の形態、または キットの使用者によって結合される別々の部分としてのいずれかで含み得る。 容器手段には、一般に、少なくとも1つのバイアル、試験管、フラスコ、ボト ル、シリンジ、または他の容器手段が含まれる。この容器手段の中に抗原が置か れ得、好ましくは適切に配置され得る、第2の結合リガンドが提供される場合、 キットはまた、一般に、このリガンドまたは抗体がその中に置かれ得る、第2の バイアルもしくは他の容器手段を含む。本発明のキットはまた、代表的には、市 販のためにバイアルを密に閉じこめて含むための手段(例えば、所望のバイアル がその中に保持される射出成形もしくはブロー成形のプラスチック容器)を含む 。 2.6 ワクチンとしての処方物 「免疫学的に有効な処方物」を達成するためには、薬学的に受容可能な組成物中 で、LYSTまたはLystコードタンパク質をヒトまたは動物被験体に投与することが 望ましいと考えられる。この薬学的に受容可能な組成物は、B細胞および/また はT細胞応答の刺激を改善し得るか、そうでなければ改変し得る、他の賦型剤、 キャリア、または希釈剤と混合された、あるいはこのような混合物の安定性を促 進する免疫学的に不活性な塩、有機酸および塩基、炭水化物などと混合された、 免疫学的に有効な量のLYSTまたはLystタンパク質もしくはペプチドを含む。免疫 刺激性賦型剤(しばしば、アジュバントと呼ばれる)には、アルミニウムの塩(し ばしば、ミョウバンと呼ばれる)、単純または複合脂肪酸およびステロール化合 物、生理学的に受容可能な油、ポリマー性炭水化物、化学的または遺伝子的に改 変されたタンパク質毒素、およびそれらの種々の微粒子または乳化された組合せ が含まれ得る。これらの混合物中のLYSTもしくはLystのタンパク質もしくはペプ チドまたは各改変物(1より多く存在する場合)は、約0.0001〜1.0ミリグラム/用 量、またはより好ましくは約0.001〜0.1ミリグラム/用量、またはなおより好ま しくは0.1ミリグラム/用量未満を含むと考えられる。 組換えLYSTまたはLystのタンパク質またはペプチドを発現するよう、弱毒化微 生物を操作し得ること、および微生物自体が本発明のための送達ビヒクルである こともまた意図される。ポックスウイルス、ポリオウイルス、アデノウイルスま たは他のウイルス、および細菌(例えば、Salmonella、Shigella、Listeria、Str eptococcus種)もまた、本明細書中に開示される方法および組成物とともに使用 され得る。 裸のDNA技術(しばしば、遺伝子免疫と呼ばれる)は、感染性生物に対する防御 に適切であることが示されている。このようなDNAセグメントは、裸のDNAおよび プラスミドDNAを包含する種々の形態において使用され得、そして種々の方法(非 経口、粘膜、およびいわゆるマイクロプロジェクタイルベースの「遺伝子銃」接種 を包含する)で被験体に投与され得る。従って、このような免疫技術における本 発明のLYSTまたはLyst核酸組成物の使用は、ライム病に対するワクチン接種スト ラテジーとして有用であることが提案される。 ワクチン接種養生の最適な投薬スケジュールは、2〜4週程度の短い間隔から 5〜10年程度の長い間隔、または場合によってはさらにより長い間隔で与えられ る免疫物を、5〜6回程度の多くの投与、好ましくは3〜5回、またはなおより 好ましくは1〜3回投与することを包含すると当業者に認識される。 2.7 Lyst1機能をブロックするかまたは模倣する製剤としてのLyst1ペプチド/ア プタマーの使用 Lystは、主に白血球において、リソソーム、後期エンドソームおよび酸性分泌 顆粒の脱顆粒を調節する。ドミナントネガティブに作用する短縮型Lystペプチド を使用する、このような脱顆粒のブロックは、炎症性疾患および自己免疫疾患( 例えば、喘息、蕁麻疹、炎症性腸疾患、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウ マチ、乾鮮、全身性脈管炎、糸球体腎炎、多発性硬化症、血管形成後再狭窄)に 有効であると合理的に考えられ得る。この原理の証明はClarkら(1982)において 証拠づけられている。彼らは、bgマウスがループス腎炎から保護されることを示 した。 2.8 Lyst1機能をブロックするかまたは模倣する製剤化合物の使用 Lystは、主に白血球において、リソソーム、後期エンドソームおよび酸性分泌 顆粒の脱顆粒を調節する。ドミナントネガティブに作用する短縮型Lystペプチド を使用する、このような脱顆粒のブロックは、炎症性疾患および自己免疫疾患( 例えば、喘息、蕁麻疹、炎症性腸疾患、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウ マチ、乾鮮、全身性脈管炎、糸球体腎炎、多発性硬化症、血管形成後再狭窄)に 有効であると合理的に考えられ得る。この原理の証明はClarkら(1982)において 証拠づけられている。彼らは、bgマウスがループス腎炎から保護されることを 示した。 Lyst機能を模倣するかまたは増強するLystペプチドは、新生物の処置に有効で あると合理的に考えられ得る。この原理の証明はAboudら(1993)およびHayakawa ら(1986)において証拠づけられている。彼らは、bgマウスおよびCHS患者が新形 成の発症に感受性であり、そして加速された転移を伴うより攻撃的な新生物を有 することを示した。 2.9 Lyst2機能をブロックするかまたはLyst2機能を再生する製剤薬剤としてのL yst2ペプチド/アプタマーの使用 Lyst2は、脳および腎臓の細胞内で小胞の脱顆粒を調節するように作用すると 考えられる。ドミナントネガティブに作用する短縮型Lyst2ペプチドを使用する 、このような脱顆粒のブロックは、神経学的および腎臓変性疾患(例えば、アル ツハイマー病、運動ニューロン疾患、パーキンソン病、急性尿細管壊死、糸球体 腎炎および糸球体硬化症)の処置に有効であると合理的に考えられ得る。 2.10 Lyst2機能をブロックするかまたは模倣する製剤化合物の使用 ドミナントネガティブに作用する短縮型Lyst2ペプチドの作用を模倣する薬物 。Lyst2は、脳および腎臓の細胞内で小胞の脱顆粒を調節するように作用すると 考えられる。ドミナントネガティブに作用する短縮型Lyst2ペプチドを使用する 、このような脱顆粒のブロックは、神経学的および腎臓変性疾患(例えば、アル ツハイマー病、運動ニューロン疾患、パーキンソン病、急性尿細管壊死、糸球体 腎炎および糸球体硬化症)の処置に有効であると合理的に考えられ得る。 3.図面の簡単な説明 図面は本明細書の部分を形成し、本発明の特定の局面をさらに確証するために 含まれる。本発明は、これらの図面の1またはそれ以上を、本明細書において示 される特定の実施態様の詳細な説明と合わせて参照することによって、より良好 に理解され得る。 図1A。マウスYACライブラリーに由来するクローンのDNAの臭化エチジウム染 色したパルスフィールドゲル。YACクローンの番号を各パネルの上部に、そして 分子サイズ標準(キロベース)を各パネルの左に示す。1380は、宿主S.Cerevisiae 株であり、そしてYACを含まない。YACクローンのサイズは、151H1=950kb、195A 8=650kb、64F5=580kb、93E4=370kb、68E12=500kb、55F3=550kb、135G3=75 0kb、148H8=1000kb、84A8=370kb、148E11=650kb、165F7=500kbである。 図1B。pBR322とハイブリダイスした(pYAC4に対して交差ハイブリダイズする) 、図1Aに示されるゲル由来の対応するサザンブロットのオートラジオグラフ。YA Cクローンの番号を各パネルの上部に、そして分子サイズ標準(キロベース)を各 パネルの左に示す。1380は宿主S.cerevisiae株であり、YACを含まない。YACクロ ーンのサイズは、151H1=950kb、195A8=650kb、64F5=580kb、93E4=370kb、68 E12=500kb、55F3=550kb、135G3=750kb、148H8=1000kb、84A8=370kb、148E1 1=650kb、165F7=500kbである。 図2。YACおよびP1クローンにおけるbg決定的領域のSTS内容マッピング。YAC/ P1クローン(x軸)におけるSTS(y軸)の存在を斜線ボックスで示す。各コンティ グをボックスの陰影の程度により同定する。bg決定的領域は、D13Mit134の近位 からD13Mit207とD13Mit162/D13Mit305との間の間隔(二重線によって示される交 差位置)まで伸びる。YACクローンの単離に使用されたSTSは、151H1、195A8、64F 5、93E4、68E12、および55F3についてはNid5'、148E11についてはEstm9、165F7 についてはD13Mit134、84A8についてはD13Sfk13、そして135G3および148H8につ いてはD13Mit207であった。P1クローン8591および8592は、D13Sfk13で同定され た。YACクローン64F5はキメラであり;YACクローン84A8は、D13Sfk6を含む内部 欠失を獲得している。9つのクローン195A8〜55F3から構成されるコンティグの セントロメアに関する相対的な位置は確立されていない。このコンティグに関す るクローン165F7および148E11の位置は確立されていない。 図3A。マウスChr1上でのbgの遺伝子マッピング。504匹のC57BL/6J-bgJ×(C57B L/6J-bgJ×CAST/EiJ)F1戻し交雑マウスにおける近接マウスChr1遺伝子マーカー のハプロタイプ分析。黒塗りボックスはホモ接合C3Hパターンを、そして白ボッ クスはF1パターンを表す。各ハプロタイプのマウス数を示す。 図3B。マウスChr1上でのbgの遺伝子マッピング。111匹の(C57BL/6J-Wsh-bgJ× M us domesticus PAC)F1×C57BL/6J-bgJ戻し交雑マウスにおける近接マウスChr1遺 伝子マーカーのハプロタイプ分析。黒塗りボックスはホモ接合C3Hパターンを、 そして白ボックスはF1パターンを表す。各ハプロタイプのマウス数を示す。 図3C。マウスChr1上でのbgの遺伝子マッピング。111匹の(C57BL/6J-Wsh-bgJ× Mus musculus PWK)F1×C57BL/6J-bgJ戻し交雑マウスにおける近接マウスChr1遺 伝子マーカーのハプロタイプ分析。黒塗りボックスはホモ接合C3Hパターンを、 そして白ボックスはF1パターンを表す。各ハプロタイプのマウス数を示す。 図3D。マウスChr1上でのbgの遺伝子マッピング。bgの近傍におけるマウスChr1 3の合成連鎖地図。遺伝子座は、それらのおよその相対的位置に従って配置され た。遺伝子座の相対的位置は、上記の3つの戻し交雑のデータおよびDietrichら (1994)のデータの統合によって確定された。 図4。NidでプローブされたマウスDNAのパルスフィールドゲルサザンブロット のオートラジオグラフ。制限エンドヌクレアーゼをパネルの上部に、分子サイズ 標準(キロベース)を左に示す。+/+=DBA/2J DNA;bg=SB-bg/bg DNA。このブロ ットをGli3またはEstm9で再プローブした際、すべてのDBA/2JおよびSB-bgバンド は同一サイズであった。 図5A。CH遺伝子(LYST1)の1位から1400位までのDNA配列。DNA配列は図5Bに続 く。 図5B。1401位から始まり2800位まで続く、図5AのCH遺伝子のDNA配列の続き。 図5C。2801位から始まり3514位まで続く、図5BのCH遺伝子のDNA配列の続き。 図6。CHタンパク質のアミノ酸配列。 図7A。B1遺伝子の遺伝子マッピング。 図7B。bgおよびB1遺伝子の遺伝子マッピング。 図7C。bgおよびB1遺伝子の位置を示す詳細な地図。 図8。B1 cDNAクローン。 図9A。bg11JにおけるB1の一部分の欠失。サザン分析において使用したプロー ブは、図8のプローブAである。 図9B。bg11JにおけるB1の一部分の欠失。サザン分析において使用したプロー ブは、図8のプローブBである。 図9C。bg11JにおけるB1の一部分の欠失。サザン分析において使用したプロー ブは、図8のプローブCである。(bp11Jにおいて、bp 1250から2400までの欠失 を観察した。) 図10。bg決定的領域内でのB1遺伝子の物理的マッピング。 図11。Lystの位置を示す、マウス第13染色体上のbg非組換え間隔の遺伝子地図 および物理的地図。マウス第13染色体を、左にセントロメアを有する横線で示す 。種間マウス戻し交雑[C57BL/6-bgJ×(C57BL/6J-bgJ×CAST/EiJ)F1]の動物134お よび137における染色体交差(Xで示す)によって、bg決定的領域の輪郭を決めて いる。マイクロサテライトマーカーD13Mit172およびD13Mit239は、bgに近位で隣 接し;D13Mit162およびD13Mit305は、bgに対して遠位に存在する(青緑色の円で 示す)。NidまたはD13Sfk13に対応するオリゴヌクレオチドを用いてPCRTMスクリ ーニング(Kusumiら、1993;Pierceら、1992)により同定されたYACおよびP1クロ ーンを、染色体の上部に示す。逆反復エレメントPCRまたは直接もしくは直接cDN A選択によって作成された、新規な配列タグ化部位(STS、濃青色の円で示す)を使 用して連続配置内でクローンを順に並べた。新規なマウス第13染色体STSを、D13 Sfk1〜D13Sfk18に対応させて、それぞれ1〜18と番号づける。直接cDNA選択を使 用することによって、YAC 195A8(650kbのクローン)からLystを単離した。YACお よびP1クローン上でのLyst関連STSの物理的位置を赤で示す(MGDアクセス番号MGD -PMEX-13)。 図12A。bg11J DNAにおけるLystの遺伝子内欠失。bg11J DNAにおける遺伝子内L yst欠失のサザンブロット同定。サザンブロットを3つのLystプローブと続けて ハイブリダイズさせた(Barbosaら、1995)。このパネルは、bg11J欠失の上流に伸 びるプローブ(Lyst cDNAのヌクレオチド1,262〜3,433)を示す。制限エンドヌク レアーゼをパネルの下部に示し、そして分子サイズ標準(kb)を左に示す。3つの さらなる制限エンドヌクレアーゼを用いて同様な結果を得た。bg11J変異は、B6C 3Fe-a/aからの転移後の世代N4のC57BL/6J-jbマウスにおいて、The Jackson Labo ratoryで1992年に見出された。次に、変異jbが、C57BL/10Jからの転移後の世代N 3のB6C3Fe-a/a-hyhマウスにおいて14世代早く見出された。hyh変異はC57BL/10J マウスにおいて生じ、そしてF15での転移までその系統において維持された。従 って、 bg11Jへの遺伝情報の可能な寄与体には、C57BL/6J、C3HeB/FeJ、およびC57BL/10 Jが含まれる。サザンブロットを、可能性のあるすべての祖先マウス系統のゲノ ムDNAから調製したが、C57BL/10J、C57BL/6J、およびC57BL/6J-bg11のみを示す 。 図12B。bg11J DNAにおけるLystの遺伝子内欠失。bg11J DNAにおける遺伝子内L yst欠失のサザンブロット同定。サザンブロットを3つのLystプローブと続けて ハイブリダイズさせた(Barbosaら、1995)。このパネルは、プローブ(Lyst cDNA のヌクレオチド2,835〜3,433)が完全に欠失していることを示す。制限エンドヌ クレアーゼを各パネルの下部に示し、そして分子サイズ標準(kb)を左に示す。 図12C。bg11J DNAにおけるLystの遺伝子内欠失。bg11J DNAにおける遺伝子内L yst欠失のサザンブロット同定。サザンブロットを3つのLystプローブと続けて ハイブリダイズさせた(Barbosaら、1995)。プローブ(Lyst cDNAのヌクレオチド3 ,594〜4,237)が大きなbg11J欠失の下流に伸びる場合の結果を、このパネルに示 す。制限エンドヌクレアーゼを各パネルの下部に示し、そして分子サイズ標準(k b)を左に示す。3つのさらなる制限エンドヌクレアーゼを用いて同様な結果を得 た。 図12D。bg11J DNAにおけるLystの遺伝子内欠失。bg11J欠失のPCRTM分析。C57B L/10J、C3HeB/FeJ、C57BL/6J、およびC57BL/6J-bg11のゲノムDNAおよびLyst cDN Aを、PCRTM反応におけるテンプレートとして使用した。示されたアンプリコンは 、エキソンβを表し、そして欠失の上流に存在する、Lyst cDNAヌクレオチド1,3 37〜1,837に対応する。テンプレートなしで実行されたコントロールのPCRTM反応 物には、アンプリコンは観察されなかった。bg非組換え間隔内に位置決めされた 30以上の他のSTSが、bg11J DNAから正常にPCRTM増幅された。 図12E。bg11J DNAにおけるLystの遺伝子内欠失。bg11J欠失のPCRTM分析。C57B L/10J、C3HeB/FeJ、C57BL/6J、およびC57BL/6J-bg11のゲノムDNAおよびLyst cDN Aを、PCRTM反応におけるテンプレートとして使用した。示されたアンプリコンは 、bg11J DNAでは欠失しているエキソンγを表す、ヌクレオチド2,670〜3,210に 対応する。テンプレートなしで実行されたコントロールのPCRTM反応物には、ア ンプリコンは観察されなかった。bg非組換え間隔内に位置決めされた30以上の他 のSTSが、bg11J DNAから正常にPCRTM増幅された。 図12F。bg11J DNAにおけるLystの遺伝子内欠失。bg11J欠失のPCRTM分析。C57B L/1 OJ、C3HeB/FeJ、C57BL/6J、およびC57BL/6J-bg11のゲノムDNAおよびLyst cDNAを 、PCRTM反応におけるテンプレートとして使用した。示されたアンプリコンは、 欠失の下流のエキソンを表す、ヌクレオチド4,913〜5,433に対応する。テンプレ ートなしで実行されたコントロールのPCRTM反応物には、アンプリコンは観察さ れなかった。 図12G。bg11J DNAにおけるLystの遺伝子内欠失。bg11J欠失の近傍でのLystの ゲノム構造。Lystエキソン(α、β、γ、δ、ε、およびφ)を黒ボックスで、そ して介在するイントロンを実線で表す。エキソン境界に対応するマウスLyst cDN Aのヌクレオチドを、ボックス上部に示す。エキソンβの3’末端、ならびにエ キソンγおよびδのすべてが、bg11J DNAにおいて欠失している。bg11Jにおいて 欠失しているLystタンパク質の領域は、N末端リン酸化部位を有する一対のヘリ ックスを含む。エキソンプライマーおよびP1クローンDNAをテンプレートとして 用いて実行したネスティッドPCRTM産物の配列分析(Kingsmoreら、1994)によって 、ゲノム構造およびイントロン配列を確定した。ゲノムDNAのPCRTMによって、bg11J 欠失の境界を決定した。 図13A。マウスおよびヒトLystのノーザンブロット分析。マウスLyst cDNAのヌ クレオチド4,423〜4,621に対応するプローブとハイブリダイズした、種々のマウ ス組織由来の2μgのポリ(A)+RNA(Clontech)のノーザンブロット。 図13B。マウスおよびヒトLystのノーザンブロット分析。マウスLyst cDNAのヌ クレオチド1,430〜2,457(エキソンβ)に対応するプローブとハイブリダイズした 、種々のマウス組織由来の2μgのポリ(A)+RNA(Clontech)のノーザンブロット 。分子サイズ標準(kb)を左に示す。マウスLystエキソンαおよびγ由来のプロー ブとのマウスmRNAのハイブリダイゼーションは、エキソンβを用いて示された結 果と同じ結果を与えた。一方、エキソンδ、ε、およびφ由来のプローブは、図 13Aに示された結果と同じ結果を与えた。 図13C。マウスおよびヒトLystのノーザンブロット分析。ヒトLYST cDNAのヌク レオチド357〜800に対応するプローブとハイブリダイズした、種々のヒトリンパ 様組織由来の2μgのポリ(A)+RNAのノーザンブロット。分子サイズ標準(kb)を 左に示す。 図13D。マウスおよびヒトLystのノーザンブロット分析。ヒトLYST cDNAのヌク レオチド357〜800に対応するプローブとハイブリダイズした、ヒトガン細胞株由 来の2μgのポリ(A)+RNAのノーザンブロット。分子サイズ標準(kb)を左に示す 。 図14A。CHS患者由来のLYST cDNAの変異分析。CHS患者およびコントロール由来 の2ωgアリコートのリンパ芽球ポリ(A)+RNAのノーザンブロット。ハイブリダイ ゼーションのために使用されるプローブは、LYSTのヌクレオチド490〜817に対応 する。 図14B。LYSTヌクレオチド439〜806に対応するcDNAのSSCP分析。各々のレーン は示されるような個々の患者由来のサンプルを含む。患者371および373に対応す るレーンにおける余分のバンドの出現に留意のこと。 図14C。患者371および373由来のLYST cDNAクローンにおける変異を示す配列ク ロマトグラム。上部は正常ヒトLYST cDNA配列である。矢印はG挿入(患者371) およびC→T置換(患者373)の位置を示す。LYSTのアンチセンス鎖が示される 。 図15A。LYSTの物理的マッピングEcoRIで消化された24の体細胞ハイブリッド細 胞株および3つのコントロールDNA(ヒト、ハムスター、またはマウス)由来のD NAを含む単染色体体細胞ハイブリッドブロット(BIOS Laboratories,New Haven ,Connecticut)。細胞株および染色体番号は図の頂部に示される。*1.5mgのヒ トDNAおよび4.5mgのマウスDNAからなる混合レーン。**ヒト/ハムスター体細胞 ハイブリッド。その他の全てはヒト/マウスハイブリッドである。分子サイズ標 準(kbでの)は右に示される。ブロットはヒトLYST cDNAのヌクレオチド2923〜4 865に対応するプローブでハイブリダイズされた。 図15B。TaqIで消化されたCHS決定的領域YACのサザンブロット。YAC座標は頂部 に示され、そして分子サイズ標準(kbでの)は左に示される。ハイブリダイゼー ションのために使用されるプローブはLYSTヌクレオチド490〜817に対応する。 図15C。LYSTヌクレオチド4551〜4977に対応するプローブで再ハイブリダイズ された、パネルBに示されるのと同じサザンブロット。第3のLYSTプローブ(ヌ クレオチド3032〜4722に対応する)もまた、同じYACクローンにハイブリダイズ した。 図15D。CHS決定的領域のYACコンティグ内のLYSTの位置を示すヒト第1染色体 の物理的地図(Barratら、1996)。上部は第1染色体を表す。マイクロサテライ トマーカーD1S179(セントロメア)およびWI-12396(テロメア)はCHS遺伝子座 に隣接する。YACクローンは染色体の下に示される。図は比例して描かれてはい ない。 図16A。LYSTのゲノム構成。ヒトLYST cDNA(GenBankアクセス番号U70064)に 対応するPCRTMクローンの模式図。格子を付した(solid)棒および白棒は、それ ぞれLYSTコード領域および5'UTRを表す。ヌクレオチド5095は、Lyst(Barbosaら 、1996)およびBG(Perrouら、1996a)で保存されている配列間での移行(trans ition)を表す。マウス配列を用いるデータベースサーチにより同定された3つ のヒトEST(#1、#2、および#3;GenBankアクセス番号:#1、L77889;#2,W26957 ;#3、H51623)は頂部に示される。クローン#4、#5、#6、および#8はRT-PCRTM産 物である。クローン#7は、2kb 5'RACE産物である。 図16B。マウスLystのオルタナティブスプライシング。格子を付した(solid) ボックスは、Lystエキソンσおよびτを表す。エキソンσからエキソンτのスプ ライシングは、Lyst-I mRNA(12kb)中で生じる。斜線を付した(hatched)ボッ クスは、Lyst-II ORF(5.9kb)の3'末端を形成するイントロン領域を表す。アス テリスクは終止コドンを示し、そして「A」はイントロン内のポリアデニル化シ グナルを示す。示されるヌクレオチド位置はGenBankアクセス番号L77884(Lyst- II)およびU70015(Lyst-I)に由来する。 図16C。RT-PCRTMおよびゲノムPCRTMによるLyst-IおよびLyst-IIの検出。DNAse 処理マウスメラノサイトRNAは、逆転写され、そしてプライマーF1/R1(予想アン プリコンサイズ273bp)またはF1/R2(予想アンプリコンサイズ560bp)を用いて 増幅された。RNAse処理C57BL/6J DNAは、プライマーF1/R1を用いて増幅された 。プライマー配列は以下のとおりである: 4.例証的な実施態様の説明 4.1 LYSTコード核酸セグメント 本明細書中で用いられる場合、用語「LYST1遺伝子」は、チエディアック−東 タンパク質、ポリペプチド、またはペプチドをコードする遺伝子またはDNAコー ド領域をいうために用いられる。 本明細書中で用いられる場合、「LYST1遺伝子」の定義は、比較的ストリンジ エントなハイブリダイゼーション条件下で(例えば、Maniatisら、1982を参照の こと)、LYST1遺伝子配列を含むことが現在既知であるDNA配列にハイブリダイズ する遺伝子である。もちろん、LYST1タンパク質またはペプチドをコードする1 つ以上の遺伝子が本発明の方法および組成物において使用され得ることが理解さ れる。本明細書中に開示される核酸組成物および方法は、1つ、2つ、3つ、ま たはより多くの遺伝子または遺伝子セグメントの投与を伴い得る。使用され得る 遺伝子の最大数は、実際的な考察(例えば、多数の遺伝子構築物を同時に調製す ることに含まれる努力、または顕著な有害な細胞傷害性効果を誘起する可能性さ え)によってのみ限定される。 本明細書中で用いられる場合、用語「LYST2遺伝子」は、LYST2タンパク質、ポ リペプチド、またはペプチドをコードする遺伝子またはDNAコード領域をいうた めに用いられる。 本明細書中で用いられる場合、「LYST2遺伝子」の定義は、比較的ストリンジ エントなハイブリダイゼーション条件下で(例えば、Maniatisら、1982を参照の こと)、LYST2遺伝子配列を含むことが現在既知であるDNA配列にハイブリダイズ する遺伝子である。もちろん、LYST2タンパク質またはペプチドをコードする1 つ以上の遺伝子が本発明の方法および組成物において使用され得ることが理解さ れる。本明細書中に開示される核酸組成物および方法は、1つ、2つ、3つ、ま たはより多くの遺伝子または遺伝子セグメントの投与を伴い得る。使用され得る 遺伝子の最大数は、実際的な考察(例えば、多数の遺伝子構築物を同時に調製す ることに含まれる努力、または顕著な有害な細胞傷害性効果を誘起する可能性さ え)によってのみ限定される。 本発明の複数の遺伝子が関与する実施態様において、本明細書中に開示される LYSTおよびLyst遺伝子は、単一の遺伝子構築物上で1つ以上のプロモーターの制 御下で組み合わされ得るか、またはそれらは同じまたは異なる型の別々の構築物 として調製され得る。従って、異なる遺伝子および遺伝子構築物のほぼ無限の組 み合わせが用いられ得る。特定の遺伝子の組み合わせが以下のために設計され得 るか、またはそうでなければその使用が以下を生じる:免疫応答の形成に対する 相乗効果の達成、またはそのような核酸セグメントによりコードされる遺伝子産 物に対する抗体の開発、またはとりわけチェディアック−東症候群のための診断 および処置プロトコルの作成。任意のおよび全てのそのような組み合わせは、本 発明の範囲内に入ることが意図される。実際、多くの相乗効果が科学文献に記載 されており、その結果当業者は、相乗的でありそうな遺伝子の組み合わせ、また は遺伝子-タンパク質の組み合わせさえ容易に同定し得る。 所望であれば、核酸セグメントまたは遺伝子が、例えば、タンパク質またはポ リペプチドまたは種々の薬学的に活性な薬剤のようなさらなる薬剤と組み合わせ て投与され得ることもまた理解される。遺伝子材料が組成物の一部を形成する限 り、追加の薬剤が標的細胞または組織との接触に際して顕著な有害な効果を生じ ないのであれば、さらに含まれ得るその他の成分には事実上制限はない。 4.2 治療および診断キット 適切な容器手段中に、薬学的に受容可能な処方物中の本発明のLYSTまたはLyst 組成物を含む治療キットは、本発明の別の局面を表す。LYSTもしくはLyst組成物 は、生来のLYSTもしくはLystタンパク質、短縮型LYSTもしくはLystタンパク質、 部位特異的に変異されたLYSTもしくはLystコードDNA、またはLYSTもしくはLyst 由来ペプチドエピトープ、あるいは生来のLYSTもしくはLyst遺伝子産物、短縮型 LYSTもしくはLystタンパク質、部位特異的に変異されたLYSTもしくはLystタンパ ク質、またはLYSTもしくはLystコードペプチドエピトープを結合する抗体であり 得る。他の実施態様において、LYSTもしくはLyst組成物は、1つ以上の生来のLY STもしくはLystタンパク質、短縮型LYSTもしくはLystタンパク質、部位特異的に 変異されたLYSTもしくはLystタンパク質、またはLYSTもしくはLystのペプチドエ ピトープ誘導体をコードする核酸セグメントであり得る。そのような核酸セグメ ントはDNAまたはRNAであり得、そして生来の、組換え、または変異誘発された核 酸セグメントのいずれかであり得る。 キットは、LYSTまたはLyst組成物を含む単一の容器手段を含み得る。所望であ れば、容器手段は、薬学的に受容可能な無菌賦形剤、それに伴って有する、LYST またはLyst組成物、および必要に応じて、検出可能な標識または画像化剤を含み 得る。処方物は、ゼラチン性組成物の形態(例えば、コラーゲン性LYSTもしくは Lyst組成物)、またはより流動性の形態であり得る。容器手段は、それ自体は、 シリンジ、ピペット、またはその他のそのような器具であり得、そこからLYSTま たはLyst組成物は組織部位に適用され得、動物中に注射され得、またはそうでな ければ必要なように投与され得る。しかし、単一容器手段は、乾燥した、または 凍結乾燥された、LYSTまたはLyst組成物の混合物を含み得、これは使用前に事前 湿潤を必要としてもよくまたはしなくてもよい。 あるいは、本発明のキットは、各々の成分について異なる容器手段を含み得る 。そのような場合において、1つの容器は、無菌DNA溶液としてまたは凍結乾燥 形態でのいずれかで、LYSTまたはLyst組成物を含み、そして他の容器はマトリッ クスを含み、これはそれ自体、無菌溶液で事前湿潤化されてもよくまたはされな くてもよく、あるいはゼラチン性、液体、または他のシリンジ可能な形態であっ てもよくまたはそうでなくてもよい。 キットはまた、無菌の、薬学的に受容可能な緩衝液、希釈剤、または溶媒を含 むための第2または第3の容器手段を含み得る。そのような溶液は、LYSTまたは Lyst成分を、身体への適用のためにより適切な形態(例えば、局所調製物、ある いは、経口、非経口、または静脈内形態)に処方することを必要とし得る。しか し、キットの全ての成分が乾燥形態(凍結乾燥)(これは、体液との接触に際し て「湿潤化」を可能にする)で供給され得ることに留意するべきである。従って 、任意の型の薬学的に受容可能な緩衝液または溶媒の存在は、本発明のキットの 必要条件ではない。キットはまた、薬学的に受容可能な検出可能な画像化剤また は組成物を含むための第2または第3の容器手段を含み得る。 容器手段は、一般に、その中にキットの成分が配置され得る、バイアル、試験 管、フラスコ、ボトル、シリンジ、またはその他の容器手段である。マトリック スおよび遺伝子成分はまた、それが所望されれば、より小さな容器に小分けされ 得る。本発明のキットはまた、個々の容器を商業的販売のために厳重に拘束して 含むための手段を含み得る(例えば、その中に所望のバイアルまたはシリンジが 保持される注射またはブロー成形プラスティック容器)。 容器の数にかかわらず、本発明のキットはまた、動物の体内での最終的なLYST またはLyst組成物の配置を補助するための器具を含み得るか、またはそれととも に包装され得る。そのような器具は、シリンジ、ピペット、鉗子、または任意の そのような医学的に承認された送達ビヒクルであり得る。 4.3 核酸送達およびDNAトランスフェクションの方法 特定の実施態様において、本明細祖中に開示される核酸セグメントは、適切な 宿主細胞をトランスフェクトするために使用される。DNAの細胞中への導入のた めの技術は、当業者に周知である。核酸セグメントを細胞中へ送達するための4 つの一般的な方法は以下に記載されている: (1) 化学的方法(GrahamおよびVanDerEb、1973); (2) マイクロインジェクション(Capecchi、1980)、エレクトロポレーション (WongおよびNeumann、1982;Frommら、1985)ならびに遺伝子銃(Yangら、1990 )のような物理的方法; (3) ウイルスベクター(Clapp、1993;EglitisおよびAnderson、1988);なら びに (4) レセプター媒介性機構(Curielら、1991;Wagnerら、1992)。 4.4 リポソームおよびナノカプセル 特定の実施態様において、本発明者らは、特定のペプチドまたは核酸セグメン トの宿主細胞への導入のためのリポソームおよび/またはナノカプセルの使用を 意図する。そのような処方物は、本明細書中に開示される核酸、ペプチド、およ び/または抗体の薬学的に受容可能な処方物の導入のために好ましくあり得る。 リポソームの処方および使用は、当業者に一般に公知である(例えば、Couvreur ら、1977(これは、細胞内細菌感染および疾患の標的化抗体療法におけるリポソ ームおよびナノカプセルの使用を記載する)を参照のこと)。最近、改善された 血清安定性および循環半減期を有するリポソームが開発された(GabizonおよびP apahadjopoulos、1988;AllenおよびChoun、1987)。 ナノカプセルは、一般に、化合物を、安定なそして再現性のある様式で取り込 み得る(Henry-Michellandら、1987)。細胞内ポリマー過負荷に起因する副作用 を回避するために、そのような超微粒子(0.1μm周辺のサイズ)は、インビボに おいて分解され得るポリマーを使用して設計されるべきである。この必要条件に 合致する生分解性ポリアルキル-シアノアクリレートナノパーティクルは、本発 明における使用のために意図され、そしてそのような粒子は記載のように(Couv reurら、1977;1988)容易に作製され得る。 リポソームは、水性媒質中で分散され、そして自発的にマルチラメラ同心二重 層小胞(マルチラメラ小胞(MLV)とも呼ばれる)を形成するリン脂質から形成 される。MLVは一般に25nm〜4μmの直径を有する。MLVの超音波処理は、200〜50 0Cの範囲の直径を有する、コア中に水溶液を含有する小ユニラメラ小胞(SUV) の形成を生じる。 Couvreurら(1988)の教示に加えて、以下の情報が、リポソーム処方物の生成 において利用され得る。リン脂質は、水に分散された場合、水に対する脂質のモ ル比率に依存して、リポソーム以外の種々の構造を形成し得る。低い比率におい て、リポソームは好ましい構造である。リポソームの物理的特徴は、pH、イオン 強度、および2価カチオンの存在に依存する。リポソームは、イオン性および極 性物質に対する低い透過性を有し得るが、高温においては、その透過性を顕著に 変化させる相転移を経る。相転移には、密にパックされた整然とした構造(ゲル 状態として知られる)から疎にパックされたより整然としていない構造(流体状 態として知られる)への変化が関与する。これは特徴的な相転移温度で生じ、そ してイオン、糖、および薬物に対する透過性の増加を生じる。 リポソームは、4つの異なる機構を介して細胞と相互作用する:網内皮系の食 細胞(例えば、マクロファージおよび好中球)によるエンドサイトーシス;非特 異的な弱い疎水性もしくは静電力による、または細胞表面成分との特異的な相互 作用によるかのいずれかの、細胞表面への吸着;リポソーム内容物の細胞質中へ の同時の放出をともなう、リポソームの脂質二重層の原形質膜中への挿入による 、原形質細胞膜との融合;および、いかなるリポソーム内容物の会合もともなわ ない、リポソーム脂質の細胞もしくは細胞下膜への移行、もしくはその逆による 。どの機構が作動可能であるかを決定することはしばしば困難であり、そして1 つより多い機構が同時に作動し得る。 4.5 抗体組成物を調製するための方法 別の局面において、本発明は、本発明のポリペプチドを免疫反応性である抗体 を意図する。上記のように、本発明によるLYSTまたはLyst由来エピトープペプチ ドについての使用の1つは、抗体を生成することである。本明細書中を通じての 抗体に対する言及は、全体のポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体(mA b)、またはその部分(単独で、もしくは他の部分と結合してのいずれか)を含 む。抗体部分は、FabおよびF(ab)2フラグメントならびに単鎖抗体を含む。抗体 は、インビボにおいて適切な実験動物において、またはインビトロにおいて組換 えDNA技術を使用して作製され得る。好ましい実施態様において、抗体はポリク ローナル抗体である。抗体を調製および特徴付けするための手段は当該分野にお いて周知である(HarlowおよびLane、1988を参照のこと)。 簡潔に記載すると、ポリクローナル抗体は、動物を、本発明のポリペプチドを 含む免疫原で免疫し、そして抗血清をその免疫された動物から採集することによ り調製される。広範囲の動物種が、抗血清の産生のために使用され得る。代表的 には、抗血清の産生のために使用される動物は、ウサギ、マウス、ラット、ハム スター、またはモルモットである。ウサギの相対的に多い血液容量のために、ウ サギは、ポリクローナル抗体の産生のために好ましい選択である。 LYSTまたはLyst由来エピトープに特異的な抗体(ポリクローナルまたはモノク ローナル)は、当業者に一般に知られるような、従来の免疫技術を使用して調製 され得る。特定のタンパク質の抗原性エピトープを含む組成物は、1つ以上の実 験動物(例えば、ウサギまたはマウス)を免疫するために使用され得、次いでこ れは、LYSTまたはLyst由来ペプチドに対して特異的な抗体を産生するように進行 する。ポリクローナル抗血清は、抗体生成のために時間を経過させた後、単に動 物を放血し、そして全血から血清サンプルを調製することにより得られ得る。 ポリクローナル抗体の産生において使用される免疫原組成物の量は、免疫原の 性質、および免疫のために使用される動物によって変動する。種々の経路が免疫 原を投与するために使用され得る(皮下、筋内、皮内、静脈内、および腹腔内) 。ポリクローナル抗体の産生は、免疫後の種々の時点で免疫した動物の血液をサ ンプリングすることによりモニターされ得る。第2に、追加免疫注射もまた与え られ得る。追加免疫および力価測定のプロセスは、適切な力価が達成されるまで 反復される。所望のレベルの免疫原が得られると、免疫された動物は放血され得 、そして血清は単離および保存され、そして/または動物はmAbを生成するため に使用され得る(下記)。 本発明から得られる重要な特徴の1つは、その中の抗体の特異性に関して相対 的に均質であるポリクローナル血清である。代表的には、ポリクローナル抗血清 は、種々の異なる「クローン」、すなわち、異なる系列のB細胞に由来する。対 照的に、mAbは、共通のB細胞祖先を有する抗体産生細胞から生じるとして、す なわち、それらの「モノ」クローン性として定義される。 ペプチドがポリクローナル血清を惹起するための抗原として使用される場合、 全体の抗原が用いられる場合より、かなり少ない、血清のクローン性性質の変動 を予想する。不運なことに、エピトープの不完全なフラグメントが提示される場 合、ペプチドは、非常に十分に、複数の(そしておそらく非天然の)コンホメー ションをとり得る。その結果として、短いペプチドでさえ、相対的に複数の特異 性を有するポリクローナル抗血清、および不運なことに、天然分子と全く反応し ないまたは弱く反応する抗血清を産生し得る。 本発明によるポリクローナル抗血清は、全体の、インタクトなエピトープを含 むと予想されるペプチドに対して産生される。それゆえ、これらのエピトープは 、免疫学的な意味でより安定であり、従って免疫系に対する、より一貫した免疫 学的標的を発現すると考えられている。このモデルにおいて、このペプチドに応 答する潜在的なB細胞クローンの数はかなり少なく、そして従って、生じる血清 の 均質性はより高い。種々の実施態様において、本発明は、クローン性(すなわち 、同一の分子決定基と反応するクローンの割合)は、少なくとも80%である。よ り高いクローン性−90%、95%またはより高い−さえ意図される。 mAbを得るために、また、最初に実験動物(しばしば好ましくはマウス)をLYS TまたはLyst含有組成物で免疫する。次いで、抗体生成を可能にするのに十分な 期間の後、動物から脾臓またはリンパ細胞の集団を得る。次いで、脾臓またはリ ンパ細胞は、細胞株(例えば、ヒトまたはマウス骨髄腫株)と融合されて、抗体 分泌ハイブリドーマを生成し得る。これらのハイブリドーマは、個々のクローン を得るために単離され得、次いでこれは、所望のペプチドに対する抗体の産生に ついてスクリーニングされ得る。 免疫後、脾臓細胞は取り出され、そして、標準的な融合プロトコルを使用して プラズマ細胞腫細胞と融合されて、LYSTまたはLystタンパク質に対するmAbを分 泌するハイブリドーマを生成する。選択された抗原に対するmAbを産生するハイ ブリドーマは、ELISAおよびウエスタンブロット方法のような標準的な技術を使 用して同定される。次いで、ハイブリドーマクローンは液体培地中で培養され得 、そして培養上清は精製されて、LYSTまたはLyst特異的mAbを提供する。 本発明のmAbがまた、LYSTまたはLystタンパク質に特異的な抗体を利用し得る 、免疫化学的手順(例えば、ELISAおよびウエスタンブロット方法)、ならびに 他の手順(例えば、免疫沈降、免疫細胞学的方法など)における有用な適用を見 出すことが提案される。特に、抗LYST/Lyst抗体は、天然もしくは組換えLYST/ Lystタンパク質またはLYST/Lyst由来ペプチド種またはその合成もしくは天然改 変体を精製するための免疫吸着プロトコルにおいて使用され得る。 本明細書中に開示される抗体は、他の種または生物由来のLYST/Lystタンパク 質をコードするcDNAもしくは遺伝子を得るための、またはLYST/Lyst遺伝子産物 に対する有意な相同性を有するタンパク質を同定するための、抗体クローニング プロトコルにおいて用いられ得る。抗体はまた、細胞、組織、または全体の動物 におけるLYST/Lystタンパク質の効果を分析するための阻害研究において使用さ れ得る。抗LYST/Lyst抗体はまた、特定の細胞活性の間にLYST/Lystタンパク質 を発現する細胞の分布を分析するための、または例えば、異なる生理学的条件下 におけるLYST/Lystの細胞または組織特異的分布を決定するための免疫局在化研 究において有用である。そのような抗体の特に有用な適用は、例えば抗体親和性 カラムを使用する、天然または組換えLYST/Lystタンパク質の精製における。全 てのそのような免疫学的技術は、本開示に照らして、当業者に公知となる。 4.6 「LYSTファミリー」ペプチドの組換え発現 「LYSTファミリー」核酸セグメントを発現する組換えクローンは、精製組換え LYSTタンパク質(rLYST)、精製rLYST由来ペプチド抗原、および変異体または改 変体組換えタンパク質種を顕著な量で調製するために使用され得る。選択された 抗原、およびその改変体は、CHSの診断および処置における顕著な有用性を有す ることが提案される。例えば、rLYST、そのペプチド改変体、および/またはそ のようなrLYSTに対する抗体はまた、LYSTの存在を検出するためのイムノアッセ イにおいて、またはCHSおよび関連障害を処置するためのワクチンもしくは免疫 治療薬として使用され得る。さらに、DNA変異誘発のような技術の適用により、 本発明は、改変されたまたは単純化されたタンパク質構造を有するいわゆる「第 2世代」分子の容易な調製を可能にする。第2世代タンパク質は、代表的には、 完全長抗原と共通の1つ以上の特性を共有する(例えば、特定の抗原性/免疫原 性エピトープコア配列)。エピトープ配列は、ペプチドの知見、またはコードす るDNA配列情報から調製される比較的短い分子から得られ得る。そのような改変 体分子は、タンパク質構造の選択された免疫原性/抗原性領域に由来するのみで はないかもしれず、さらに、あるいは、天然配列との類似性またはさらに差異に 基づいて選択される1つ以上の機能的に等価なアミノ酸を含むかもしれない。 4.7 抗体組成物およびその処方物 抗体を調製および特徴づける手段は当該分野で周知である(例えば、Harlowお よびLane(1988)を参照のこと;本明細書中に参考として援用される)。mAbを生 成する方法は、一般に、ポリクローナル抗体を調製する方法と同じ株を使用して 開始する。簡潔には、ポリクローナル抗体は、本発明に従って免疫原性組成物で 動物を免疫し、そして免疫した動物から抗血清を採集することによって調製され る。広範な動物種が、抗血清の産生に使用され得る。代表的には、抗血清の産生 のために使用される動物は、ウサギ、マウス、ハムスター、モルモット、または ヤギである。ウサギの比較的大きな血液容量のために、ウサギは、ポリクローナ ル抗体の産生のための好ましい選択である。 当該分野で周知のように、所定の組成物がその免疫原性を変化し得る。従って 、ペプチドまたはポリペプチド免疫原のキャリアへの結合によって達成され得る ような、宿主免疫系の追加免疫がしばしば必要である。例示的および好ましいキ ャリアは、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)およびウシ血清アルブミ ン(BSA)である。オボアルブミン、マウス血清アルブミン、またはウサギ血清 アルブミンのような他のアルブミンがまた、キャリアとして使用され得る。ポリ ペプチドのキャリアタンパク質への結合手段は当該分野で周知であり、そしてグ ルタルアルデヒド、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエス テル、カルボジイミド、およびビス-ジアゾ化ベンジジンが含まれる。 mAbは、本明細書中で参考として援用される米国特許第4,196,265号に例示され る技術のような、周知の技術の使用によって容易に調製され得る。代表的には、 この技術として、例えば、精製または部分精製したタンパク質、ポリペプチド、 またはペプチドのような選択された免疫原性組成物で適切な動物を免疫する工程 を包含する。この免疫組成物は、抗体を産生する細胞を刺激するために有効な様 式で投与される。マウスおよびラットのような齧歯類が好ましい動物であるが、 ウサギ、ヒツジ、またはカエルの細胞の使用もまた可能である。ラットの使用は 、特定の利点を提供し得る(Goding,1986)が、マウスが好ましく、最も日常的 に使用されているBALB/cマウスが最も好ましく、そして一般に安定な融合体のよ り高い割合を生じる。 免疫後、抗体を産生する可能性を有する体細胞(特に、B-リンパ球(B-細胞) )が、mAb生成プロトコルにおける使用のために選択される。これらの細胞は、 生検した脾臓、扁桃、もしくはリンパ節から、または末梢血サンプルから得るこ とができる。脾臓細胞および末梢血細胞は、前者は、それらが、分裂している形 質芽球の段階にある抗体産生細胞の豊富な供給源であるため、そして後者は、末 梢血が容易に入手できるために好ましい。しばしば、動物のパネルが免疫され、 そして最も高い抗体力価を有する動物の脾臓が取り出され、そして脾臓リンパ球 が注射器で脾臓をホモジナイズすることによって得られる。代表的には、免疫し たマウス由来の脾臓は、約5×107から約2×108のリンパ球をおおよそ含む。 次いで、免疫した動物由来の抗体産生Bリンパ球を、一般には免疫した動物と 同じ種のものである、不死化骨髄腫細胞の細胞と融合させる。ハイブリドーマ産 生融合手順における使用に適切な骨髄腫細胞株は、好ましくは非抗体産生性であ り、高い融合効率を有し、そして所望の融合細胞(ハイブリドーマ)のみの増殖 を支持する特定の選択培地中でそれらを増殖不能にする酵素を欠損している。 多くの骨髄腫細胞の任意の1つが、当業者に公知(Goding,1986;Campbell、 1984)のように使用され得る。例えば、免疫した動物がマウスである場合、P3-X 63/Ag8、X63-Ag8.653、NS1/1.Ag4l、Sp210-Ag14、FO、NSO/U、MPC-11、MPC11-X4 5-GTG I.7、およびS194/5XX0 Bulが使用され得る;ラットについては、R210.RCY 3、Y3-Ag 1.2.3、IR983F、および4B210が使用され得る;そしてU-266、GM1500-G RG2、LICR-LON-HMy2、およびUC729-6は全て、ヒト細胞融合物との組合せにおい て有用である。 1つの好ましいマウス骨髄腫細胞はNS-1骨髄腫細胞株(P3-NS-1-Ag4-lとも呼 ばれる)であり、これは、NIGMS Human Genetic Mutant Cell Repositoryから細 胞株貯蔵番号GM3573を要求することによって、容易に入手できる。使用され得る 他のマウス骨髄腫細胞株は、8-アザグアニン耐性マウスのマウス骨髄腫SP2/0非 プロデューサー細胞株である。 抗体産生脾臓またはリンパ節細胞と骨髄腫細胞とのハイブリッドの生成方法は 通常、体細胞を骨髄腫細胞と2:1の比で混合する工程を包含するが、この比は 、細胞膜の融合を促進する単数または複数の試薬(化学的または電気的)の存在 下でそれぞれ約20:1から約1:1まで変化し得る。センダイウイルスを使用す る融合方法が記載されており(KohlerおよびMilstein,1975;1976)、およびGe fterら(1977)による、37%(v/v)ポリエチレングリコール(PEG)のようなPE Gを使用する方法が記載されている。電気的に誘導される融合方法の使用がまた 、適切である(Goding、1986)。 通常、融合手順は、低頻度(約1×10-6〜約1×10-8)で生存可能なハイブリ ッドを生じる。しかし、これは、選択培地中での培養によって生存可能な融合さ れたハイブリッドが親の融合していない細胞(詳細には、通常は無限に分裂し続 ける融合されていない骨髄腫細胞)から分化されるような問題を有さない。一般 に、選択培地は、組織培養培地中でのヌクレオチドの新たな合成をブロックする 試薬を含む培地である。例示的および好ましい試薬は、アミトプテリン、メトト レキセート、およびアザセリンである。アミノプテリンおよびメトトレキセート は、プリンおよびピリミジンの両方の新規の合成をブロックするが、アザセリン は、プリン合成のみをブロックする。アミノプテリンまたはメトトレキセートが 使用される場合、培地はヌクレオチドの供給源としてのヒポキサンチンおよびチ ミジンを補充される(HAT培地)。アザセリンが使用される場合、培地は、ヒポ キサンチンを補充される。 好ましい選択培地はHATである。ヌクレオチド回収(salvage)経路の操作が可 能である細胞のみが、HAT培地中で生存することが可能である。骨髄腫細胞は、 回収経路の鍵となる酵素(例えば、ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェ ラーゼ(HPRT))を欠損しており、そしてそれらは生存し得ない。B細胞は、この 経路を操作し得るが、それらは、培養物中での生存期間が限られており、一般的 には、約2週間以内に死亡する。従って、選択培地中で生存し得る細胞のみが、 骨髄腫細胞およびB細胞から形成されたそれらのハイブリッドである。 この培養は、特異的なハイブリドーマが選択されるハイブリドーマの集団を提 供する。代表的には、ハイブリドーマの選択は、マイクロタイタープレート中で の単一のクローンの希釈により細胞を培養すること、続いて個々のクローンの上 清を所望の反応性について試験する(約2〜3週間後)ことによって行われる。 アッセイは、放射性イムノアッセイ、酵素イムノアッセイ、細胞傷害性アッセイ 、プラークアッセイ、ドット免疫結合アッセイなどのように、敏感、単純、およ び迅速であるべきである。 次いで、選択されたハイブリドーマは連続希釈され、そして、次いでクローン を無限に増殖させてmAbを提供し得る、個々の抗体産生細胞株にクローニングさ れる。細胞株は、2つの基本的な方法においてmAbの産生のために使用され得る 。ハイブリドーマのサンプルは、元の融合体のための体細胞および骨髄腫細胞を 提 供するために使用されたタイプの生体適合性である動物に注射(しばしば、腹膜 腔中に)され得る。注射された動物は、腫瘍を発症して、融合された細胞ハイブ リッドから産生される特異的なmAbを分泌する。次いで、動物の体液(例えば、 血清または腹水)が採取され、高濃度のmAbが提供され得る。個々の細胞株がま た、インビトロで培養され得、ここでmAbは、培養培地中に天然に分泌され、mAb はこの培地から高濃度で容易に得ることができる。いずれかの手段で産生された mAbは、所望であれば、濾過、遠心分離、およびHPLCまたはアフィニティークロ マトグラフィーのような種々のクロマトグラフィー法を使用してさらに精製され 得る。 4.8 イムノアッセイ 記載されるように、天然のおよび合成的に誘導された、本発明のペプチドおよ びペプチドエピトープが免疫原として(例えば、ワクチンの開発と組み合わせて 、または反応性抗体の検出のためのイムノアッセイにおける抗原として)の有用 性が見出されることが考えられている。それらを最も単純および直接的な方向で イムノアッセイを最初に方向付ける(turning first)ために、本発明の好まし いイムノアッセイは、当業者に公知の固相酵素免疫測定法(ELISA)の種々の型 を含む。しかし、LYST誘導タンパク質およびペプチドの有用性はこのようなアッ セイに限定されないこと、および他の有用な実施態様が、RIAならびに他の非酵 素結合抗体結合アッセイおよび他の手順を含むことが容易に明らかである。 好ましいELISAアッセイにおいて、LYST、rLYST、またはLYST由来のタンパク質 抗原配列を取り込んでいるタンパク質またはペプチドは、選択された表面(好ま しくは、例えば、ポリスチレンマイクロタイタープレートの壁のような、タンパ ク質親和性を示す表面)に固定される。不完全に吸着した物質を除去するための 洗浄後、次いで一般に、ウェル上の試験抗血清について抗原的に中性であること が公知の非特異的タンパク質(例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)またはカゼ イン)を結合または被覆することが所望される。このことは、固定する表面上の 非特異的吸着部位をブロックすることを可能にし、従って、表面上の抗血清の非 特異的結合によって生じるバックグラウンドを減少させる。 壁への抗原性物質の結合、バックグラウンドを減少するための非反応性物質で の被覆、および結合していない物質を除去するための洗浄後、固定した表面は、 免疫複合体(抗原/抗体)形成について誘導性である様式で、試験されるべき抗 血清または臨床的もしくは生物学的抽出物と接触させられる。このような条件と して、好ましくは、BSA、ウシガンマグロブリン(BCG)、およびリン酸緩衝化生 理食塩水(PBS)/TweenTMのような希釈剤で抗血清を希釈することが挙げられる 。これらの添加される試薬はまた、非特異的バックグラウンドの低減を補助する 傾向がある。次いで、層状に重ねられた(layered)抗血清は、例えば、2〜4 時間、好ましくはおよそ約25℃〜約27℃の温度でインキュベートされる。インキ ュベーション後、抗血清と接触させられた表面は、非免疫複合体物質を除去する ために洗浄される。好ましい洗浄手順は、PBS/TweenTM、またはホウ酸緩衝液の ような溶液で洗浄する工程を含む。 試験サンプルと結合した抗原との間の特異的な免疫複合体の形成、および続く 洗浄後、免疫複合体の形成の発生および量が、第1の抗体に対して特異性を有す る第2の抗体に複合体を曝すことによって決定され得る。もちろん、試験サンプ ルが代表的にはヒト起源である場合、第2の抗体は、好ましくは、ヒト抗体に対 して特異性を有する抗体である。検出手段を提供するために、第2の抗体は、好 ましくは例えば、適切な色素原性基質とともにインキュベートする際に発色する ようなシグナルを生成する酵素標識のような、結合された検出可能な標識を有す る。従って、例えば、抗血清結合表面を、ウレアーゼまたはペルオキシダーゼ結 合抗ヒトIgGと、免疫複合体の形成の進行に好ましい時間および条件下で接触さ せ、そしてインキュベート(例えば、PBS-TweenTMのようなPBS含有溶液中で、室 温で2時間のインキュベーション)することが所望される。 第2の酵素タグ化抗体とのインキュベーション、および続く結合していない物 質を除去するための洗浄後、標識の量を、尿素およびブロモクレゾールパープル 、または2,2'-アジノ-ジ-(3-エチル-ベンズチアゾリン)-6-スルホン酸(ABTS) およびH2O2(酵素標識としてペルオキシダーゼの場合)のような色素原性基質と ともにインキュベーションすることによって定量される。次いで、定量は、色素 生成の程度を測定する(例えば、可視的な分光光度計を使用して)ことによって 達成される。 ELISAは、本発明と組み合わせて使用され得る。1つのこのようなELISAアッセ イにおいて、本発明の抗原性配列を組み込んでいるタンパク質またはペプチドは 、選択された表面(好ましくは、ポリスチレンマイクロタイタープレートの壁の ような、タンパク質親和性を示す表面)上に固定される。不完全に吸着した物質 を除去するための洗浄後、アッセイプレートのウェルを、試験抗血清について抗 原的に中性であることが公知の非特異的タンパク質(例えば、ウシ血清アルブミ ン(BSA)、カゼイン、または粉乳の溶液)と結合させるかまたはそれらで被覆 することが所望される。このことは、固定する表面上の非特異的吸着部位をブロ ックすることを可能にし、従って、表面上の抗血清の非特異的結合によって生じ るバックグラウンドを減少させる。 4.9 免疫沈降 本発明の抗LYSTタンパク質抗体は、免疫沈降によるLYSTタンパク質抗原の単離 に特に有用である。免疫沈降は、複合体混合物からの標的抗原成分の分離を含み 、タンパク質の識別、または微少量のタンパク質の単離のために使用される。 別の実施態様において、本発明の抗体は、2つの抗原の隣接した並置に有用で ある。これは、例えば、酵素−基質対のように、局在した抗原の濃度を増大させ るために特に有用である。 4.10 ウェスタンブロット 本発明の組成物は、イムノブロットまたはウェスタンブロット分析において重 要な用途が見出されている。抗LYST抗体は、ニトロセルロース、ナイロン、また はそれらの組合せのような固体支持体上に固定されたタンパク質の同定のための 、高親和性一次試薬として使用され得る。免疫沈降、続くゲル電気泳動との組合 せにおいて、これらは、抗原の検出における使用のための、単一の工程試薬とし て使用され得、抗原の検出において使用されるこの抗原に対する二次試薬は有害 なバックグラウンドを引き起こす。これは、研究される抗原が免疫グロブリンで ある(免疫グロブリン結合細菌細胞壁成分の使用を除く)場合、研究される抗原 が 検出試薬と交差反応性である場合、またはそれらが交差反応性シグナルとして同 じ相対分子量で移動する場合、特に有用である。ウェスタンブロッティングと組 み合わされる免疫学的に基づく検出方法(毒性物質(moiety)に対する酵素-、 放射性標識-、または蛍光-タグ化二次抗体)が、この関係における特定の使用に 考慮される。 4.11 薬学的組成物 本明細書中で開示される薬学的組成物は、経口投与(例えば、不活性な希釈剤 または同化性(assimilable)の食用キャリアとともに)され得るか、またはそ れらは、固いもしくは軟らかい殻(shell)のゼラチンカプセルに含まれ得るか 、またはそれらは錠剤に圧縮されるか、またはそれらは食餌の食物に直接取り込 まれ得る。経口治療的な投与のために、活性化合物が賦形剤とともに取り込まれ 得、そして摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル 剤、懸濁剤、シロップ剤、カシェ剤などの形態で使用され得る。このような組成 物および調製物は、少なくとも0.1%の有効成分を含むはずである。組成物およ び調製物の割合は、当然変化され得、そして適切には、単位の重量の約2〜約60 %の間であり得る。このような治療的に有用な組成物における活性化合物の量は 、適切な投与量が得られる量である。 錠剤、トローチ剤、丸剤、カプセル剤などはまた、以下を含み得る:ゴム、ト ラガカント、アカシア、コーンスターチ、またはゼラチンのようなバインダー; リン酸二カルシウムのような賦形剤;コーンスターチ、ポテトスターチ、アルギ ン酸などのような崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤;およびス クロース、ラクトース、またはサッカリンのような甘味剤が添加され得るか、ま たはペパーミント、ヒメコウジ(wintergreen)の油、またはチェリー香味料の 様な香味剤が添加され得る。投与単位形態がカプセル剤である場合、上記の型の 物質に加えて脂質キャリアが含まれ得る。種々の他の物質が、コーティングとし て、またはそうでなければ用量単位の物理的形態を改変するために存在し得る。 例えば、錠剤、丸剤、またはカプセル剤は、セラック、糖、または両方で被覆さ れ得る。エリキシル剤のシロップ剤は、甘味剤として活性化合物であるスクロー スを、そして保存剤としてメチルおよびプロピルパラベンを、着色剤、およびチ ェリーまたはオレンジ香味料のような香味剤を含み得る。当然、任意の用量単位 形態の調製において使用される任意の物質は、薬学的に純粋であるはずであり、 そして使用される量において実質的に非毒性であるはずである。さらに、活性化 合物は、維持されて放出される調製物および処方物中に取り込まれ得る。 活性化合物はまた、非経口投与または腹膜内投与され得る。塩基または薬学的 に受容可能な塩を含まない活性化合物の溶液は、ヒドロキシプロピルセルロース のような界面活性剤と適切に混合された水中で調製され得る。分散物はまた、グ リセロール、液体のポリエチレングリコール、およびそれらの混合物、ならびに オイル中で調製され得る。貯蔵および使用の通常の条件下で、これらの調製物は 微生物の増殖を妨げる保存剤を含む。 注射可能な用途に適切な薬学的形態は、滅菌の水溶液または分散物、および滅 菌の水溶液または分散物の瞬時の調製のための滅菌の粉末を含む。全ての場合に おいて、形態は滅菌でなくてはならず、そして容易に注射可能に存在する範囲の 液体でなければならない。これは、製造および貯蔵の条件下で安定でなければな らず、そして細菌および真菌のような微生物の混入作用に対抗して保存されなけ ればならない。キャリアは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グ リセロール、プロピレングリコール、および液体のポリエチレングリコールなど )、それらの適切な混合物、および植物油を含む、溶媒または分散培地であり得 る。好適な流動性は、例えば、レシチンのようなコーティングの使用により、分 散物の場合において必要とされる粒子サイズの維持によって、および界面活性剤 の使用によって維持され得る。微生物の作用を妨げることは、例えば、パラベン 、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどの、種々の抗 菌剤および抗真菌剤によっておそらくもたらされ得る。多くの場合において、例 えば、糖または塩化ナトリウムのような等張化剤(isotonic agent)を含むこと が好ましい。注射可能な組成物の延長された吸着は、おそらく、吸着を遅延する 薬剤(例えば、一ステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)の組成物中での使 用によってもたらされ得る。 滅菌の注射可能な溶液は、活性化合物を、先に列挙した種々の他の成分を有す る適切な溶媒中で必要とされる量を(必要な場合には濾過滅菌後に)取り込むこ とによって調製される。一般には、分散物は、種々の滅菌した有効成分を、塩基 性の分散物培地および先に列挙された成分から必要とされる他の成分を含む滅菌 のビヒクル中に取り込ませることによって調製され得る。滅菌の注射可能な溶液 の調製のための滅菌の粉末の場合において、好ましい調製方法は、減圧乾燥およ び凍結乾燥技術であり、これは、有効成分およびそれらの予め滅菌濾過した溶液 からの所望される任意のさらなる成分の粉末をもたらす。 本明細書中で使用する「薬学的に受容可能なキャリア」は、任意および全ての 溶媒、分散培地、被覆剤、抗菌剤および抗真菌剤、等張化剤、ならびに吸着遅延 剤などを含む。薬学的に活性な基質に対するこのような培地および試薬の使用は 、当該分野で周知である。任意の従来の培地または薬剤が有効成分と不適合性で ある範囲を除いて、治療用組成物におけるその使用が意図される。補助的な有効 成分がまた、組成物中に取り込まれ得る。 経口的な予防のために、ポリペプチドは、賦形剤とともに取り込まれ得、そし て注射不可能な口内洗浄剤および歯磨き剤の形態で使用され得る。口内洗浄剤は 、有効成分を、ホウ酸ナトリウム溶液(Dobell's Solution)のような適切な溶 媒中に必要とされる量で、取り込まれ得る。あるいは、有効成分は、ホウ酸ナト リウム、グリセリン、および二炭酸カリウムを含有する抗腐敗洗浄剤中に取り込 まれ得る。有効成分はまた、ゲル、軟膏、粉末、およびスラリーを含む歯磨き剤 中に分散され得る。有効成分は、軟膏の歯磨き剤に治療有効量で添加され得、こ の歯磨き剤は、水、バインダー、研磨剤、香味剤、泡沫剤、および湿潤剤を含み 得る。 句「薬学的に受容可能な」は、ヒトに投与された場合にアレルギー性または類 似の不適切な反応を生じない、分子部分(entity)および組成物をいう。有効成 分としてタンパク質を含む水溶性組成物の調製は、当該分野で十分に理解されて いる。代表的には、このような組成物は、液体の溶液または懸濁物の;注射の前 に液体の溶液もしくは懸濁物のために適切な固体の形態のいずれかで、注射可能 なものとして調製される。調製物は乳濁物でもあり得る。 組成物は、中性または塩の形態で処方され得る。薬学的に受容可能な塩は、酸 添加塩(acid addition salt)(タンパク質の遊離のアミノ基を有して形成され る)を含み、そしてこれは、例えば、塩酸もしくはリン酸のような無機酸、また は酢酸、オキサロ酸、酒石酸、マンデル酸などのような有機酸を用いて形成され る。遊離のカルボキシル基を有して形成される塩は、例えば、水酸化ナトリウム 、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、または水酸化鉄の ような無機塩基、およびイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、 プロカインなどの有機塩基由来であり得る。処方の際に、溶液は、投与処方物と 適合可能な様式で、そして治療的に有効である量で投与される。処方物は、注射 可能な溶液、薬物放出力プセルなどの種々の投与形態で、容易に投与される。 水性の溶液中での非経口投与のために、溶液は、例えば、必要であれば、適切 に干渉化されるべきであり、そして液体の希釈剤は、まず、十分な生理食塩水ま たはグルコースで等張化される。これらの特定の水溶液は、静脈内、筋肉内、皮 下、および腹膜内投与に特に適切である。この組合せにおいて、使用され得る滅 菌の水性培地は、本発明の開示を考慮して当業者に公知である。例えば、1投与 量は、1mlの等張NaCl溶液に溶解され、そして1000mlの皮下注入用の液体に添加 されるかまたは予定された注入部位に注射されるかのいずれかである(例えば、 「Remington's Pharmaceutical Sciences」第15版、1035-1038頁および1570-158 0頁を参照のこと)。投与のいくつかのバリエーションは、処置される被験体の 条件に依存して必然的に生じる。投与を担う人は、いかなる事象においても、個 々の被験体について適切な用量を決定する。さらに、人への投与のために、調製 物は、FDA Office of Biologics standardsにより要求されるような、滅菌性、 発熱性、一般的な安定性、および純度の標準を満たさなければならない。 4.12. エピトープコア配列 本発明はまた、全細胞および他のペプチドを含まない、タンパク質またはペプ チド組成物に関する。これは、本発明の1つ以上の抗体と免疫学的に交差反応性 であるエピトープを取り込んでいる、精製されたタンパク質またはペプチドを含 む。 本明細書中で使用される用語「1つ以上の抗-LYSTタンパク質抗体と免疫学的 に交差反応性であるエピトープを取り込んでいる」は、LYSTポリペプチド中に位 置するエピトープに類似の、一次、二次、または三次構造を含む、ペプチドまた はタンパク質抗原をいうことを意図する。類似性のレベルは、一般に、LYSTポリ ペプチドに対するモノクローナルまたはポリクローナル抗体がまた、交差反応性 ペプチドまたはタンパク質抗原と反応するために結合するか、またはそうでなけ ればそれを認識する程度のレベルである。例えば、ウエスタンブロッティング、 ELISA、RIAなどの種々のイムノアッセイ法が、このような抗体と組み合わせて使 用され得、これらの全ては当業者に公知である。 ワクチンにおける使用に適切なLYST由来のエピトープ(例えば、LYST遺伝子、 またはLYST様遺伝子産物、および/またはそれらの機能的等価物由来のエピトー プ)の同定は、比較的簡単な様式である。例えば、本明細書中で参考として援用 される米国特許第4,554,101号に教示されているような、Hoppの方法を使用し得 る。これは、親水性に基づくアミノ酸配列によるエピトープの同定および調製を 教示している。いくつかの他の文献に記載されている方法、およびそれらに基づ くソフトウェアプログラムは、エピトープのコア配列を同定するためにもまた使 用され得る(例えば、JamesonおよびWolf,1988;Wolfら、1988;米国特許第4,5 54,101号を参照のこと)。次いで、これらの「エピトープコア配列」のアミノ酸 配列は、ペプチド合成または組換え技術のいずれかの適用によって、ペプチドに 容易に取り込まれ得る。 本発明に従う使用のための好ましいペプチドは、一般に、約5〜約25アミノ酸 の長さの程度であり、そしてさらに好ましくは、約8〜約20アミノ酸の長さであ る。より短い抗原性ペプチド配列が、例えば、ワクチンの調製または免疫学的な 検出アッセイにおけるような、特定の状況において利点を提供することが考えら れている。例示的な利点は、調製および精製の容易さ、比較的低いコスト、およ び改善された生産の再生性、ならびに有利な生体分布を含む。 本発明の特定の利点が、LYST遺伝子産物またはLYST関連配列に指向される「不 変の」エピトープペプチドを生じる、改変されたおよび/または拡大されたエピ トープ/免疫原性コア配列を含む、合成ペプチドの調製を通じて明らかにされ得 ることが、考えられている。これらの領域が、動物におけるT細胞またはB細胞 の刺激を促進、およびそれ故にこのような動物において特異的な抗体の産生を誘 発することが最も可能であるような、エピトープを提示することが、考えられて いる。 本明細書中で使用されるように、エピトープコア配列は、LYSTタンパク質エピ トープ特異的抗体上の抗原結合部位に「相補的」であるため、それに結合する比 較的短い長さのアミノ酸である。さらに、または、あるいは、エピトープコア配 列は、本発明のペプチド成分に指向される抗体と交差反応性である抗体を誘発す る配列である。本開示の文脈において、用語「相補的」は、相互に対する引力を 示すアミノ酸またはペプチドをいうと理解される。従って、本発明の特定のエピ トープコア配列は、所望されるタンパク質抗原と対応するタンパク質指向性血清 との結合と競合するか、またはおそらくは置換する能力という意味において作動 的に定義され得る。 一般的に、ポリペプチド抗原の大きさは、同定されるコア配列を有するのに少 なくとも十分大きい限り、特に決定的だとは考えられていない。本開示から推定 される最小の有用なコア配列は、一般的に、およそ約5アミノ酸の長さであり、 およそ8〜25の配列がより好ましい。従って、この大きさは、一般的に、本発明 に従って調製される最小のペプチド抗原に対応する。しかし、抗原の大きさは、 所望の場合、抗原が基本的なエピトープコア配列を含む限り、より大きくあり得 る。 エピトープコア配列の同定は、例えば、親水性に基づくアミノ酸配列由来のエ ピトープの同定および調製を教示する本明細書中で参照として援用される米国特 許第4,554,101号に記載のように当業者には公知である。さらに、多数のコンピ ュータープログラムが、タンパク質の抗原性部分の予測における使用のために利 用可能である(JamesonおよびWolf,1988;Wolfら、1988を参照のこと)。コン ア、DNAStar,Inc.Madison,WI)はまた、本開示に従う合成LYSTペプチドおよ びペプチドアナログを設計においてに有用であり得る。 タンパク質またはペプチドが、本開示のペプチドの1つ以上のエピトープと免 疫学的に交差性であるか、または生物学的に機能的に等価であることを確認する ことはまた、簡単な事項である。これは、特異的なアッセイを用いるか(例えば 、単一の提唱されたエピトープ配列のアッセイ)、またはより一般的なスクリー ニング(例えば、ランダムに生成した合成ペプチドまたはタンパク質フラグメン トプールのスクリーニング)を用いて容易に決定され得る。スクリーニングアッ セイは、等価な抗原または交差反応性の抗体のいずれかを同定するために使用さ れ得る。いずれの事象においても、原理は同じである(すなわち、抗体と抗原と の間の結合部位についての競合に基づく)。 使用され得る適切な競合アッセイは、免疫組織化学的アッセイに基づくプロト コル、ELISA、RIA、ウェスタンまたはドットブロットなどを含む。競合アッセイ のいずれにおいても、結合成分の一つ(一般的には公知のエレメント(例えば、 LYST遺伝子産物もしくはLYST由来ペプチド)または公知の抗体)は、検出可能な 標識で標識され、そして試験成分(一般的には非標識のままである)は、対応す る応答抗体または抗原に結合する標識の量を減少する能力について試験される。 実施態様の例として、LYSTタンパク質と任意の試験抗原との間の競合試験を行 うために、まずLYSTを検出可能な標識(例えば、ビオチンまたは酵素的、放射性 、または蛍光性標識)で標識し、続く同定を可能にする。次いで、標識された抗 原を、種々の割合(例えば、1:1、1:10、および1:100)で試験される他の試験抗 原とインキュベートし、そして、両者混合後、次いで本発明の抗体に混合物を加 える。好ましくは、公知の抗体が固定化される(例えば、ELISAプレートに付着 させることにより)。混合物が抗体に対して結合する能力は、特異的に結合され た標識の存在を検出することにより決定される。次いで、この値は、インキュベ ーションにおいて潜在的な競合(試験)抗原が含まれていないコントロール値と 比較される。 アッセイは、ハイブリダイゼーションに基づく免疫学的アッセイの範囲の任意 の一つであり得、そして応答性抗原は、それらの標識を検出する手段(例えば、 ビオチン化抗原の場合においてストレプトアビジンを使用する)によるか、また は酵素的標識に関連する発色団基質を使用することによるか、あるいは単純に放 射性標識または蛍光標識を検出することにより、検出される。 LYSTと同じ抗体に結合する抗原は、例えば、抗体への結合を有効に競合し得、 従って検出される標識の量の減少により明らかなようにLYST結合を有意に減少す る。 試験抗原が存在しない場合での標識された抗原(例えば、LYST成分)の応答性 が、コントロールの高い値である。コントロールの低い値は、競合が結合を生じ て、そして結合を減少させる場合に、標識抗原と過剰な非標識LYST抗原とをイン キュベートすることにより得られる。試験抗原の存在下で標識された抗原応答性 における有意な減少は、試験抗原が「交差性」である(すなわち、同じ抗体に対 する結合親和性を有する)ことの指標である。本願の用語における「有意な減少 」は、結合において再現性のある(つまり、一貫して観察される)減少として定 義され得る。 本明細書中に記載されるペプチジル化合物に加えて、本発明者らはまた、他の 立体的に類似する化合物が、ペプチド構造の決定的な部分を模倣するために形成 され得ること意図する。ペプチド模倣物と称され得るこのような化合物は、本発 明のペプチドと同様に使用され得、そしてそれゆえ、機能的等価物でもある。構 造的機能的等価物の生成は、当業者にとって公知のモデリングおよび化学設計の 技術により達成され得る。全てのこのような構造的に類似する構築物は、本発明 の範囲に入ることが理解される。 エピトープ配列またはそれらの配列内に抗原エピトープを含むペプチドの合成 は、固体相法(例えば、Applied Biosystems Model 430A Peptide Synthesizer のような市販のペプチド合成器の使用により)のような従来の合成技術を用いて 容易に達成される。次いで、この様にして合成されるペプチド抗原は、事前に決 定された量にアリコートされ得、そして水溶液のような従来様式で保存されるか 、またはなお一層好ましくは、使用を係属する粉末または凍結乾燥状態において 保存される。 一般的に、ペプチドの比較的な安定性のため、それらは、所望の場合かなり長 期間の間(例えば、抗原活性の検出可能な分解または損失を伴わずに、6ヶ月ま でかそれ以上、実質上任意の水溶液において)水溶液中に容易に保存され得る。 しかし、延長される水溶性保存が意図される場合、pH約7.0〜約7.5を維持するた めに緩衝液(例えば、トリスまたはリン酸緩衝液)を含む薬剤を含むことが望ま しい。さらに、アジ化ナトリウムまたはマーチオレートのような微生物の生長を 阻害する因子を含むことが望ましい。水溶性状態における保存を延長するために 、溶液を4℃にてまたは、より好ましくは凍結して保存することが所望される。 もちろん、ペプチドが凍結乾燥または粉末状態で保存される場合、それらは、例 えば、使用前に、事前に決定した量の水(好ましくは、蒸留水)または緩衝液で 再水和され得る計量したアリコートにおいて、実質上無期限に保存され得る。 4.13 部位特異的変異誘発 部位特異的変異誘発は、基礎をなすDNAの特異的変異誘発を介する、個々のペ プチド、または生物学的に機能的が等価なタンパク質またはペプチドの調製にお いて有用な技術である。当業者に周知の技術は、1つ以上の核酸配列変化をDNA に導入することにより、例えば、1つ以上の先述の考慮を取り込みながら配列変 異体を調製しおよび試験するための容易な能力をさらに提供する。部位特異的変 異は、所望の変異のDNA配列ならびに十分な数の隣接ヌクレオチドをコードし、 特異的オリゴヌクレオチド配列の使用を介する変異株の産生が、交錯される欠失 接合部分の両側において安定な二本鎖を形成するために十分な大きさおよび配列 複雑さを有するプライマー配列を提供することを可能にする。代表的には、接合 部分の両側の約5〜約10残基配列が改変された約14〜約25ヌクレオチドの長さの プライマーが好ましい。 一般的には、部位特異的変異誘発の技術は、種々の刊行物により例示されるよ うに、当該分野で周知である。認識されるように、技術は、代表的には、一本鎖 または二本鎖の両方の形態で存在するファージベクターを使用する。部位特異的 変異誘発において有用な代表的なベクターは、M13ファージのようなベクターを 含む。これらのファージは、容易に市販されており、それらの使用は、一般的に 当業者に周知である。二本鎖プラスミドもまた、プラスミドからファージへの目 的の遺伝子の移入の段階を省略する部位特異的変異誘発において日常的に使用さ れる。 一般的に、本明細書に従う部位特異的変異誘発は、所望のペプチドをコードす るDNA配列をその配列に含む一本鎖ベクターをまず得るか、または二本鎖ベクタ ーの二本差を融解分離することにより実施される。所望の変異される配列を有す るオリゴヌクレオチドプライマーが一般的に合成的に調製される。次いで、この プライマーは、一本鎖ベクターにアニールされ、そして変異含有鎖の合成を完了 するために、E.coliポリメラーゼIクレノウフラグメントのようなDNAポリマー 化酵素に供される。従って、異種二本鎖が形成され、ここで一方の鎖は元の変異 されていない配列をコードし、そして他方の鎖は所望の変異を有する。次いで、 この異種二本鎖ベクターは、E.coli細胞のような適切な細胞を形質転換するた めに使用され、そして変異された配列アレンジメントを有する組換えベクターを 含むクローンが選択される。 部位特異的変異誘発を使用したDNAセグメントをコードする選択されるペプチ ドの配列変異体の調製が、潜在的に有用な種を産生する手段として提供され、そ して、それらをコードするペプチドおよびDNAの配列変異体を得ることができる 他の方法が存在するので、制限されることを意味しない。例えば、所望のペプチ ド配列をコードする組換えベクターは、ヒドロキシルアミンのような変異誘発因 子で処置され得、配列変異体を得ることができる。これらの方法およびプロトコ ルについての特異的な詳細は、Maloyら、1994;Segal,1976;Prokop;およびBajpa i,1991;Kuby,1994およびManiatisら、1982の教示において見出され、各々がそ の目的のために、本明細書中で参考として援用される。 4.14 生物学的機能等価物 修飾および変化が本発明のペプチドおよびそれらをコードしかつそれでも所望 の特徴を伴うタンパク質またはペプチドをコードする機能的な分子を得るDNAセ グメントの構造においてなされ得る。以下は、等価物またはさらに改善された二 世代目の分子を作製するためのタンパク質のアミノ酸の変化の基づく考察である 。アミノ酸の変化は、表1において列挙されるコドン表に従ってDNA配列のコド ンを変化することにより達成され得る。 例えば、特定のアミノ酸は、タンパク質構造において、例えば、抗体の抗原結 合領域または基質分子上の結合部位のような構造との相互作用性の結合能の測定 可能な損失を伴わずに、他のアミノ酸と置換され得る。相互作用能およびタンパ ク質の性質がタンパク質の生物学的機能的活性を定義するので、特的のアミノ酸 配列置換がタンパク質配列およびもちろん、その基礎になるDNAコード配列にお いてなされ得、それにも関わらず、似た特性を有するタンパク質を得る。従って 、 生物学的有用性または活性の測定可能な損失を伴わずに、上記のペプチドをコー ドする開示される組成物のペプチド配列ならびに対応するDNA配列において種々 の変化がなされ得ることが本発明者らによって意図される。 このような変化を作製する際に、アミノ酸の疎水性親水性指性が考慮され得る 。タンパク質に相互作用生物学的機能を与えることにおける疎水性親水性アミノ 酸指標の重要性は、一般的に当業者には理解される(KyteおよびDoolittle、198 2、本明細書中で参考として援用される)。アミノ酸の相対的疎水性親水性特徴 が生じるタンパク質の二次構造に寄与することが認められており、このタンパク 質の二次構造は次いで、タンパク質と他の分子(例えば、酵素、基質、レセプタ ー、DNA、抗体、抗原など)との相互作用を定義する。各アミノ酸は、それらの 疎水性および電荷特性に基づいて疎水性親水性指数を割り当てられ(Kyteおよび Doolittle、1982)、それらは以下:イソロイシン(+4.5);バリン(+4.2); ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(+2.8);システイン/シスチン(+2.5) ;メチオニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリシン(-0.4);スレオニン(-0 .7);セリン(-0.8);トリプトファン(-0.9);チロシン(-1.3);プロリン (-1.6);ヒスチジン(-3.2);グルタミン酸(-3.5);グルタミン(-3.5); アスパラギン酸(-3.5);アスパラギン(-3.5);リジン(-3.9);およびアル ギニン(-4.5)である。 特定のアミノ酸が他の類似の疎水性親水性指数またはスコアを有するアミノ酸 によって置換され得、そしてなお同様の生物学的活性を有するタンパク質を生じ 得る(すなわち、なお生物学機能的に等価なタンパク質を得る)ことは当該分野 において公知である。このような変化の作製において、疎水性親水性指数が±2 以内のアミノ酸置換が好まれ、±1以内のアミノ酸の置換が特に好ましく、そし て±0.5以内のアミノ酸の置換がなお一層特に好まれる。似たアミノ酸の置換が 親水性を元に効果的に作製され得ることも当該分野においてまた理解される。本 明細書中で参考として援用される米国特許第4,554,101号は、タンパク質の最大 の局所的平均親水性(その隣接のアミノ酸の親水性に支配されるような)が、タ ンパク質の生物学的特性と相関することを言及する。 米国特許第4,554,101号に詳細に説明されるように、以下の親水性値がアミノ 酸残基に割り当てられている。アルギニン(+3.0);リジン(+3.0);アスパラ ギン酸(+3.0±1.0);グルタミン酸(+3.0±1.0);セリン(+0.3);アスパラ ギン(+0.2);グルタミン(+0.2);グリシン(0);スレオニン(-0.4);プ ロリン(-0.5±1.0);アラニン(-0.5);ヒスチジン(-0.5);システイン(- 1.0);メチオニン(-1.3);バリン(-1.5);ロイシン(-1.8);イソロイシン (-1.8);チロシン(-2.3);フェニルアラニン(-2.5);トリプトファン(-3 .4)。アミノ酸は、類似の親水性値を有する別のアミノ酸に置換され得、そして なお生物学的に等価で、そして特に免疫学的に等価なタンパク質を得ることがで きることが理解される。このような変化において、親水性値が±2.0以内のアミ ノ酸置換が好ましく、±1.0以内のアミノ酸置換が特に好ましく、そして±0.5以 内の置換がなお一層特に好ましい。 上記のように、それゆえアミノ酸置換は一般的に、アミノ酸側鎖置換基の相対 的類似性(例えば、疎水性、親水性、電荷、大きさなど)に基づく。種々の前述 の特徴を考慮する例示的な置換は、当業者に周知であり、そして以下を含む:ア ルギニンおよびリジン;グルタミン酸およびアスパラギン酸;セリンおよびスレ オニン;グルタミンおよびアスパラギン;ならびにバリン、ロイシンおよびイソ ロイシン。 ********** 5.実施例 以下の実施例が、本発明の好ましい実施態様を示すために含まれる。以下の本 実施例において開示される技術が本発明の実施においてよく機能すると本発明者 らによって見い出された技術を示し、従って、実施についての好ましい態様をな すと考慮され得ることが、当業者によって理解されるべきである。しかし、当業 者は、本開示の観点から、多くの変化が、開示される特定の実施態様においてな され得、そして本発明の精神と範囲を逸脱することなく、同様または類似の結果 をなお得ることができることを理解するべきである。 5.1 実施例1-マウスCHR13上のBG決定的領域のマッピング 分子ベースでは未知の3つのマウス変異、ベージュ(beige)(bg)、しわが れ(crinkled)(cr)および進行性運動神経細胞障害(pmn)は、近位マウスChr 13上の2cM以内にクラスターされている。領域的ポジショナルクローニングの努 力の一部として、高解像度の物理的マップがbg決定的領域に対応するマウスChr1 3の0.24cMのインターバルで確立されている。bg決定的領域STSを使用して単離さ れた11の酵母人工染色体(YAC)および2つのP1クローンがSTS内容物(content )マッピングにより特徴づけられた。これは、既存のマイクロサテライトマーカ ーおよび逆反復エレメントPCRTMおよび直接選択により決定的領域YACクローンDN Aから生成された20の新規の配列タグ化部位(STS)を使用して達成された。bg決 定的領域の2400kbがYACおよびP1クローンにおいて単離された。発現配列タグは 、直接選択によりbg決定的領域YACクローンから同定され、そしてbgおよびcrに ついての可能性のある候補を示す。 ポジショナルクローニングは、染色体位置にだけ基づいた疾患遺伝子同定に対 するアプローチを示す。開始以来の10年間で、ポジショナルクローニングは一般 的な比較的効果的な哺乳動物メンデル疾患の原因である遺伝子同定の方法として 確立した(Collins、1995)。近年開発された技術および資源は、位置クローニ ングを解きあかし、かつ体系化してきた;遺伝子座の正確な遺伝子マッピングに 続いて、巨大DNAインサートを収容するベクターを使用して構築される重複ゲノ ムクローン(コンティグ)における生じる非組換えインターバルの物理的マッピ ングおよびクローニングが行われる。次いで、転写配列が系統的にコンティグゲ ノムクローンから同定され、そして冒された個体における変異についてスクリー ニングされる。ポジショナルクローニングのさらなる利点は、それが疾患特異的 というよりはむしろ領域的なアプローチを示すということである。従って、特定 の疾患遺伝子をクローニングする目的で開発された試薬および資源(例えば、新 規な配列タグ化部位(STS)、正確な遺伝子マッピング、およびコンティグにお けるクローン間の相互関係の確立)はまた、同じゲノム領域内の他の遺伝子座マ ッピングをポジショナルクローニングするのに有用である。 エキストラトウ(extra-toe)(Xt)遺伝子座に隣接するマウスChr13近位領域 は、変異表現型に富み、そして疾患遺伝子同定の領域的なアプローチが共働的で あり得るインターバルを示す。Xtはヒト疾患Greig脳多合指症(cephalopolysynd actyly)に相同である;ポジショナル候補アプローチを使用して、ジンクフィン ガー遺伝子(Gli3)がXtの元になると示された(Vortkampら、1992;HuiおよびJ oyner、1993)。Xtの非常に近いところには、ヴェルドニヒ-ホフマン脊髄筋萎縮 のモデルである劣性変異の進行性運動神経障害(pmn)が存在する(246減数分裂 中0組換え、Brunialtis,1995)。劣性変異のしわがれ(cr)はXtの約2cM近位 にマップされる(1197減数分裂中23組換え、Swankら、1991;Lyonら、1967)。 最後に、ベージュ(bg)(ヒトChediak-Higashi症候群のホモログ)はcrとXtと の間にマップされる(Lane、1971;LyonおよびMeredith、1969)。bgは、特にポ ジショナルクローニングアプローチを以下の3つのさらなる理由で受容する: (1.)多数のbg対立遺伝子の存在が候補遺伝子変異分析を容易にし; (2.)bgは、遺伝的相補により候補遺伝子のスクリーニングの可能性を提供す る特徴的な細胞表現型(巨大な、核周囲の、機能障害のリソソーム)に関連し; そして (3.)全ての細胞型がbgホモ接合において影響を受けるため、直接選択が、YA Cクローンからbgの候補である転写された配列を同定するために利用され得る。 bgのポジショナルクローニングが、相同なヒト遺伝子の同定に先行するものと して実施されており、これは、ヒトChediak-Higashi症候群においておそらく欠 損である。戻し交雑マウスを使用して、bgはいぜん、Chr13上の0.24cMのインタ ーバルに位置付けられた。実施例は、20の新規配列タグ化部位(STS)を伴うbg 決定的領域のさらなる特徴付け、およびマウスChr13のこの領域のほとんどを包 含する重複するYACおよびP1クローンの単離を示す。 5.1.1 材料と方法 5.1.1.1 YAC操作 ベクターpYAC4(Kusumiら、1994;Research Genetics Inc.)において構築さ れたマウスゲノムDNAライブラリーを、bgに隣接するSTS由来のプライマーを用い たPCRTMによりスクリーニングした。擬陽性PCRTM産物を、アニール温度を上昇さ せること、および必要に応じてポリメラーゼ特異性のエンハンサー(Perfect Ma tch,Stratagene,La Jolla,CA)の添加により最小化した。PCRTM産物の正確さ を、適切な制限酵素による産物の消化により、そして全てのPCRTM反応において コントロール酵母DNAを含むことによりチェックした。目的のYACを含む酵母クロ ーンの個々のコロニーを、プレート上で単離し、そして微小欠失の発生を予防す るために50%グリセロール中で凍結した。YACクローンを液体YPD培地中で増殖さ せ、Zymolase(ICN Pharmaceuticals,Costa Mesa,CA)を用いて対数増殖期に おいてスフェロプラストに変換し、そして染色体DNAがアガロース上で精製した 。YAC DNAを、低融点アガロース(SeaPlaqueTM GTG,FMC Bioproducts,Rocklan d,ME)を用いた調製用パルスフィールド電気泳動(PFGE)を用いて宿主酵母染 色体から分離し、そして、滅菌ブレードで切り出した。 5.1.1.2 P1クローン ベクターP1において構築されたマウスゲノムDNAライブラリー(Pierceら、199 2;Genome Systems Inc.,St.Louis,MO)を、bgに隣接するSTS由来のプライマ ーを用いたPCRTMによりスクリーニングした。陽性クローンに対応する穿刺をカ ナマイシンプレート上にストリークし、そして個々のコロニーから記載のように (Pierceら、1992)DNAが調製した。 5.1.1.3 パルスフィールド電気泳動 アガロースブロックにおける高分子量DNAの調製、制限酵素消化、PFGEおよび サザントランスファーを前に記載されるように(Kingsmoreら、1989)実施した 。簡潔に述べると、マウス脾臓細胞、リンパ節細胞、または酵母スフェロプラス ト /ml(哺乳動物細胞)または1〜2×1010細胞/ml(酵母)で懸濁した。DNAを、5 00mM EDTA(pH9.0)、1%ラウロイルサルコシネートナトリウム、2%プロテイナ ーゼK中で50℃で24時間を2回のアガロースのインキュベーションにより、調製 した。次いで、ブロックを洗浄し、フェニルメチルスルフォニルフルオリドで処 理し、再び洗浄し、そして必要な場合2〜10ユニット/μgDNAの制限酵素(Bo ehringer-Mannheim Biochemicals,Indianapolis,IN)で消化した。PFGEを、14 ℃で1×TBE中でGene Navigatorユニット(Pharmacia,Piscataway,NJ)を用い て1%アガロースゲル(Fastlane,FMC BioProducts)中で実施した。50〜1500k b DNA分子の分離は、145Vで46時間、70〜145秒の勾配のパルスを用いて達成した 。ゲルをエチジウムブロマイドで染色し、分子サイズ標準(λファージのオリゴ マー、およびSaccharomyces cervisiaeの染色体[FMC BioProducts])を可視化し た。DNAのZeta-probeTMメンブラン(Bio-Rad Laboratories)へのサザントラン スファー、およびフィルターハイブリダイゼーションを前に記載されるように実 施した(Kingsmoreら、1989)。共通の制限断片への2つのプローブの割り当て は、フィルターの連続したハイブリダイゼーションおよび2重または部分消化に よる同一性の明示に基づいた。 5.1.1.4 分子プローブ 全てのプローブを、前に記載のように(Kingsmoreら、1989)"-[32P]dCTPを用 いるヘキサヌクレオチド技術により標識された。YACクローンの端を示す制限エ ンドヌクレアーゼ断片を、pBR322(pYAC4に効率的にハイブリダイズする)を用 いたサザンブロットハイブリダイゼーションにより同定され;YACクローン内部 制限エンドヌクレアーゼ断片を、マウスB1反復エレメントプローブを用いたハイ ブリダイゼーションにより同定した。 5.1.1.5 分散型反復エレメント−ポリメラーゼ連鎖反応 IRE-PCRTMを、本質的に記載されるように、マウスB1反復エレメントプライマ ーおよびPFGEで精製されたYAC DNAをテンプレートとして用いて実施した(Hunte rら、1993;Simmlerら、1991)。使用したB1反復エレメント特異的プライマーは 、5'-CCAGGACACCAGGGCTACAGAG-3'(配列番号75)(順向きプライマー、B1の3’ 末端由来)および/または5'-CCCGAGTGCTGGGATTAAAG-3'(配列番号76)(逆向き プライマー、B1の5’末端由来)であったB1間のPCRTMを、順向きプライマーのみ 、逆向きプライマーのみ、または両方のプライマーを一緒に用いて実施した。PC RTM増幅反応は、20μl反応液中で、40ngのYACDNA、1μMの各々のプライマー、 そ して200μMの各々のdNTPを用いて実施された。サイクルのパラメーターは、95℃ 2分間、引き続いて94℃で20秒間、55℃で30秒間、および72℃で2分間を32サイ クルであった。IRE-PCRTM産物を、低融点アガロースゲルからのバンド切り出し によるか、またはTAサブクローニング(Invitrogen)によるかのいずれかで単離 した。IRE-PCRTM産物を配列決定し、共通マウス反復エレメント配列の存在、お よび配列タグ化部位(STS)に適切なオリゴヌクレオチドを設計するために使用 される配列の非反復領域についてスクリーニングした。 5.1.1.6 直接選択 直接選択は、以前に記載されたように行った(Lovettら、1991;Lovett、1994 )。概要を述べると、cDNAをマウス脾臓から、ランダムおよびオリゴ(dT )プライミングを用いた逆転写によって生成させ、増幅カセットに連結させ、そ してPCRTMにより増幅させた。調製用PFGEを用いて、YAC 195A8DN Aを精製した。これは、ビオチン標識し、変性させ、そして溶液中で変性cDN Aプールにハイブリダイズさせたものである。反復エレメント、rRNAに対応 するcDNA、および酵母遺伝子は、C0t=20までブロックした。(アニー ルしたcDNAを伴う)YAC DNAを、ストレプトアビジン被覆ビーズで捕 獲し、高ストリンジェンシーで洗浄し、そしてコードされたcDNAを溶出させ た。溶出したcDNAをPCRTMにより増幅させ、直接選択のさらなるラウンド に付した。選択されたcDNAをPCRTMにより再増幅させ、λgt10にサブ クローンし、そして個々のクローンを、96ウェルプレート中のSM緩衝液中へ と取り出した。直接選択の産物をファージ含有上清から、PCRTMにより、以下 のプライマーを用いて増幅させた: 直接選択アンプリコンを、標準的なM13の正方向および逆方向プライマーを 用いて、循環(cycle)配列決定した。STSに適切なオリゴヌクレオチドを、 直接選択産物の配列を用いて設計した。 5.1.1.7 STS PCRTM PCRTM増幅反応を、20μlの反応において、40ngのテンプレートDN A(YACクローン、P1クローン、S.cerevisiae株1380、またはC57BL/6Jゲノ ムDNA)、1μMの各プライマー、および200μMの各dNTPを用いて、 記載されたように行った(Barbosaら、1995)。サイクルのパラメータは、95 ℃で2分の後に、94℃で20秒、45〜58℃で30秒、および72℃で20 秒を34サイクルである。増幅産物は、3%アガロースゲル上で分離させ、エチ ジウムブロミド染色によって可視化させた。あるいは、[γ-[32P]ATPお よびT4ポリヌクレオチドキナーゼを用いたプライマーの1つの末端標識、およ び産物の6%変性ポリアクリルアミドゲル上での分離、それに伴うオートラジオ グラフ可視化によった。単純配列長多型(SSLP)プライマーは、記載された とおりである(Dietrichら、1994;Research Genetics Inc.,Hunstsville,AL )。新規なSTSプライマー配列、アンプリコンの大きさ、およびアニール温度 を、表2に要約する。 5.1.2 結果および議論 5.1.2.1 YACおよびP1の単離 11のYACクローンおよび2つのP1クローンが、マウスのYACおよびP 1ライブラリーから、bg決定的(critical)領域内で遺伝的にマッピングされ たマーカーを用いるPCRTMによって、単離された。PFGE、サザンブロッテ ィングおよびpBR322とのハイブリダイゼーションによって測定したYAC クローンの大きさを、図1に示す。YACクローンは、STS内容(content) マッピングによって、キメラ性、微少欠失、およびオーバーラップについて調べ た。既述のSSLPは、使用すべきSTSの最初の供給源であった。bgを含む ゲノム領域は、特にそのようなSSLPに富んでいる(bgを含む2cM内で3 8が局在化された;Dietrichら、1994)。さらなる隣接染色体13STSが、I RE−PCRTMおよび直接選択を用いて、生成された。 5.1.2.2 IRE−PCRTM由来の新規CHR13STS IRE−PCRTMは、YACクローンの初期の特徴付けおよびコンティグ開発 のために新規STSでゲノム領域を飽和させるための、迅速かつ容易な方法を表 す(Hunterら、1993;Simmlerら、1991)。IRE−PCRTMを、テンプレート としてのYAC DNA、および反対方向に配向したマウス反復エレメントB1 の末端に由来するプライマーを用いて行った。IRE−PCRTM産物を、サブク ローニングし、配列決定し、そして非反復領域を用いて、タグ化部位の配列決定 に適したオリゴヌクレオチドを設計した。12の新規STS(D13Sfk1-D13 Sfk12)が、この方法により開発され(表2)、そしてIRE−PCRTMによ りChr13YACおよびP1クローンに物理的に割り当てられた(図2)。 5.1.2.3 直接選択由来の新規CHR13STS 直接選択は、YAC 195A8で行った。これは650-kbのYACであっ て、宿主酵母染色体と共移動しないため、調製用パルスフィールドゲルから容易 に精製された。YAC 195A8から、192の候補cDNA断片が溶出され 、その後マウス脾臓細胞cDNAでの2ラウンドの直接選択を行った。これらの 直接選択産物中、56を配列決定した。DNA配列データベースとの比較により 、2(4%)のニドゲン(Nid)、32(57%)の新規物、12(21%) の反復エレメント(B1=2,B2=1,LINEI=4,IAP=2,XL3 0=1,MT=1,(サテライト=1)、および9(16%)の夾雑物(rRN A=3,アクチン=1,Nip2=1,プラスミド=4)が明らかになった。こ れらの産物中でのNid cDNA断片の存在により、YAC 195A8にコー ドされた遺伝子を富化させる上での選択手法の効果が確認された。さらに、新規 な直接選択産物に対応する8つのSTSの内、PCRTM分析により、7つがYA C 195A8にマッピングして戻された(D13Sfk13-D13Sfk19;表2、図 2)。D13Sfk13およびD13Sfk18はまた、サザンブロットに十分良くハイ ブリダイズし、多型NotI断片上のNid近傍への物理的なマッピングをする ことが可能になった(DBA/2J DNAで1100-kb、およびSB/L eJ DNAで1150-kb)。D13Sfk13はまた、TaqI多型を用いて、 504の戻し交雑マウス[C57BL/6J-bgJ×(C57BL/6J-bgJ ×CAST/Ei)F1]においてbg決定的領域内で遺伝的にマッピングされ た。 5.1.2.4 隣接CHR13YACおよびP1クローンのコンティグにおける配置 YACおよびP1クローンを、SSLP、IRE−PCRTMアンプリコン、お よび直接選択産物由来のSTSの存在または不存在について分類した。STS内 容マッピングは、クローンをキメラ性および微少欠失について調べることを可能 にした。1つのYACクローン、64F5は、キメラであった。このYACは、 580-kbの大きさであったが(図1)、D13Mit44のみを含み、そしてNi dの5'-または3'-末端由来のSTSは含まなかった(図2)。後者の2つのS TSは、マウスゲノムDNA中で65-kb未満しか離れていないので(Durkin ら、1995)、またD13Mit44はNid遺伝子内に位置するので、Chr13由 来のYAC64F5のこの部分は80-kb未満であると結論付けられた。 YACクローン(84A8)は、D13Sfk6を含む内部欠失を含んだ(図2) 。さらに、84A8の物理的な大きさ(370-kb)は、予測したよりも著し く小さかった:これが含む他の遺伝的マーカー間の距離は約600-kbであり 、このYAC内での著しいゲノム欠失が確認された。いくつかのYACクローン は培養中に不安定であり、経時的に小さくなっていくことが報告されている(Ne hlsら、1995)。YAC84A8は、そのような不安定性を示すのかもしれない 。 STS内容マッピングはまた、bg決定的領域内でのYACおよびP1クロー ンの順序付け、およびクローンの2つのコンティグへの組み込みを可能にした( 図2)。コンティグ1は、7つのYACおよび2つのP1クローンを含み、D13 Sfk19からD13Sfk2まで拡がり、長さ約1150-kbであった。このコン ティグのセントロメアに対する配向は確立されなかった。第2のコンティグ2は 、2つのYACクローンからなった。これは、D13Mit207(近位)からD13 Sfk10(遠位)まで拡がり、長さ約1000-kbであった。コンティグ2 は、bg決定的領域の遠位境界を規定する交差をまたがっていた(図2)。ST S内容マッピングにかかわらず、2つのさらなる決定的領域YACクローンは、 これらのコンティグとリンクされないままであった(165F7および148E 11)。これらのYACとコンティグ1または2との間に重複が存在するかを決 定的に評価するためには、YAC末端クローンの単離が必要である。 1つの決定的領域遺伝マーカー(D13Mit114)、およびbg決定的領域の 近位境界を規定する2つのSTS(D13Mit172およびD13Mit239)に対応 するYACを同定する努力は不成功であった;さらに、これらSTSは、同定さ れたいずれのChr13YAC/P1クローンにも存在しなかった。これらのデ ータは、非組換え間隔の領域は、今回のYACおよびP1クローンによっては表 されないままであるか、または、YACクローンにさらなる微少欠失が存在する ことを示唆する。YACおよびP1クローンの間の重複の評価に基づいて、bg 決定的領域は少なくとも長さ2400-kbと見積られた。 YAC195A8から脾臓細胞cDNAを用いて同定された直接選択産物は、 Chr13YACのSTS内容マッピングを可能にしただけでなく、bgおよび crの候補遺伝子をも構成する。調べた全ての器官において、これらのマウス変 異の両方が、異常な表現型による構成的に発現される遺伝子での欠損に起因する ようである。多数のbg対立遺伝子が入手可能であることは、複数のbg対立遺 伝子および共-同質遺伝子(coisogenic)コントロールからの核酸を用いた、サ ザンおよびノーザンハイブリダイゼーションおよびRT−PCRTMの組合せによ る、候補遺伝子の効率的なスクリーニングを可能にする。このような研究は、点 変異の検出のためには非効率な方法であるが、遺伝子内欠失、逆転位およびゲノ ム再配置の検出においては極めて効率的である。これらは一体となって、自然の マウス変異の十分大きい部分についての原因となり、bg対立遺伝子の1つにお ける変異の検出の可能性を高める。crの対立遺伝子は1つのみが存在するが、 これはニトロゲンマスタードで処理されたマウスの後代において現れ、それゆえ 、同一のスクリーニング技法を用いて検出可能なゲノム再配置と関連する可能性 がより高い。 要約すれば、bg決定的領域の約2400-kbが物理的にマッピングされ、 YACおよびP1クローンの形態で単離された。これらの研究は、bgのポジシ ョナルクローニングにおける必要な中間的工程を表し、crおよびpmnのポジ ショナルクローニングにおいても有用であり得る。 5.2 実施例2 − BEIGE遺伝子座のマウスLYST13へのマッピング 本実施例は、bgの近傍における近位Chr13の高分離遺伝地図の生成、およ びbgに密接に連鎖した2つの遺伝子の同定を示す。これらの研究は、bgをC hr13上で正確に局在化し、YACコンティグ開発、およびbgの候補遺伝子 の効率的なスクリーニングの基礎を提供する。 5.2.1 材料および方法 5.2.1.1 マウス C57BL/6J-bgJ×(C57BL/6J−bgJ×CAST/EiJ) F1戻し交雑マウスは、記載されたように成育させ、維持した(Barbosaら、1995 )。使用した(C57BL/6J-bgJ×PWK)F1×C57BL/6J-bgJ 戻し交雑マウスおよび(C57BL/6J-bgJ×PAC)F1×C57BL/ 6J-bgJ戻し交雑マウスは、記載されている(Holcombeら、1991)。 5.2.1.2 サザンハイブリダイゼーション 標準的な技法を用いてDNAをマウス器官から単離し、制限エンドヌクレアー ゼで消化し、そして10μgのサンプルを0.9%アガロースゲル上での電気泳 動に付した。DNAをゼータ−プローブメンブレン(Bio-RadLaboratories,Her cules,CA)に移し、そしてフィルターハイブリダイゼーションを以前に記載さ れたように行った(Barbosaら、1995)。 5.2.1.3 ノーザンブロット分析 C57BL/6J-+/+、C57BL/6J-bgJ、SB/LeJ-bg、お よびC3H/HeJ-bg2Jマウスの肝臓、脾臓および腎臓から標準的な技法を 用いて調製された20μgの全RNAを、ホルムアルデヒドアガロースゲル上で 分離し、ゼータ−プローブメンブレン(Bio-Rad Laboratories)に移し、そして 以前に記載されたようにハイブリダイズさせた(Kingsmoreら、1994)。 5.2.1.4 RT−PCRTMアッセイ C57BL/6J-+/+、C57BL/6J-bgJ、SB/LeJ-bg、お よびC3H/HeJ-bg2Jマウスの肝臓から、フェノール/グアニジンイソチ オシアナート(TRIzol7、Gibco BRL,Gaithersburg,MD)での抽出によ って全RNAを調製した。定量的RT−PCRTMアッセイのためのテンプレート は、1〜10ngの第1鎖cDNAであり、これは、全RNAから、オリゴ(d T)プライマーおよびモロニーマウス白血病ウイルスの逆転写酵素(Stratagene ,La Jolla,CA)を用いて合成された。RT−PCRTMに用いられたニドゲン( Nid)プライマーは、マウスNid cDNAのbp3805−3822、お よびbp3938−3955に対応する(Durkinら、1988)。用いられたEst m9プライマーは、以下のものである: これらは、Estm9 cDNAの、それぞれ5'-および3'-末端に対応する(B ettenhausenおよびGossler、1995)。RT−PCR7産物を、bg、bgJ、b g2J、および+/+RNAから、NidプライマーまたはEstm9プライマー F1−R1またはF2−R2を用いて、増幅させた。構成的に発現されるアルド ラーゼAの定量的RT−PCR7もまた行い、等量のbg、bgJ、bg2J、お よび+/+テンプレートが用いられていることを確認した。 PCRTM反応を、1〜20ngのcDNA、1μMの各プライマー、200μ Mの各dNTP、10mMのトリス−HCl、pH8.8、50mMのKCl、 1.5mMのMgCl2、および1.25UのAmpliTaq7DNAポリメラーゼ(Per kin-Elmer Cetus,Norwalk,CT)を含む50μl容量中で、行った。サイクルの プロフィールは、予期される産物の長さ1kb当たり、初期の変性(94EC で2分)の後に、94ECで30秒、55〜58ECで30秒、および72EC で1分の25サイクルからなる。PCRTM産物は、アガロースゲル上での電気泳 動により分離させ、そしてエチジウムブロミド染色の強度によって定量した。 5.2.1.5 SSLP PCRTM PCRTM増幅反応を、40ngのゲノムDNA、1μMの各プライマー(Diet richら、1994;Research Genetics,Inc.,Huntsville,AL)、および200μ Mの各dNTPを用いて、20μl反応で、記載されたように行った(Barbosa ら、1995)。サイクルのパラメータは、95ECで2分の後に、94ECで20 秒、58ECで30秒、72ECで10秒の36〜38サイクルであった。可能 な場合、増幅産物(20μl)は、3%アガロースゲル上で分離させ、そしてエ チジウムブロミド染色によって可視化させた。対立遺伝子の大きさが株間で8b p未満しか異ならないSSLPは、プライマーの1つを[γ32P]ATPおよび T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いる末端標識、増幅産物(4μl)の6%変 性ポリアクリルアミドゲル上での分離、およびオートラジオグラフィーでの可視 化によって分類した。SSLP対立遺伝子の大きさは、図3A、図3B、図3C および図3Dに要約する。 5.2.1.6 パルスフィールド電気泳動 アガロースブロック中での高分子量DNAの調製、制限酵素消化、パルスフィ ールド電気泳動(PFGE)、およびサザン転写は、以前に記載されたように行 った(Kingsmoreら、1989)。概要を述べると、マウス脾臓細胞またはリンパ節 細胞を、1ml当たり1〜2H107細胞で、0.5%低融点アガロース(InCert ,FMC BioProducts,Rockland,ME)に懸濁させた。DNAを、500mMのE DTA(pH9.0)、1%ラウロイルサルコシンナトリウム塩、2%プロテイ ナーゼK中、50ECで2回、24時間、アガロースブロックをインキュベート することによって調製した。ブロックを次に洗浄し、フェニルメチルスルホニル フルオリドで処理し、再度洗浄し、そして2〜10単位/μgDNAの制限エン ドヌクレアーゼ(Boehringer Mannheim Biochemicals)で消化した。PFGEを 、 1%アガロースゲル(Fastlane,FMC BioProducts)中、14ECで、1×TB Eにて、Gene Navigator system(Pharmacia,Piscataway,NJ)を用いて行った 。59〜1500kb DNA分子の分離を、70〜145秒、145Vで46 時間、勾配させたパルスを用いて達成した;1000〜6000kb DNAは 、15〜90分、50Vで6または10日間のパルスによって分離した。ゲルを エチジウムブロミドで染色し、分子サイズ標準物(λファージのオリゴマー、お よびSaccharomyces cerevisiaeおよびSchizosaccharomyces pombe[FMC BioProd uc ad Laboratories)へのサザン転写、およびフィルターハイブリダイゼーション を以前に記載されたように行った(Kingsmoreら、1989)。2つのプローブの一 般的な制限断片への割り当ては、フィルターの連続的なハイブリダイゼーション 、および二重または部分消化物による同一性の表示に基づいた。 5.2.1.7 分子プローブ 全てのプローブは、"-[32P]dCTPを用いるヘキサヌクレオチド技法によ って、以前に記載されたように(Kingsmoreら、1989)標識した。使用したニド ゲン(Nid)プローブは、pN−5(Jenklnsら、1991)であった。膠芽腫腫 瘍遺伝子ホモログ−3(Gli3)プローブは、pGli3a(HuiおよびJoyne r、1993)に由来した。T細胞受容体(鎖(Tcrg)、および妊娠中胚cDN A ESTM9について使用されたプローブは、以前に記載されている(Holcomb eら、1991)。情報になるCAST/EiJ RFLVサイズは、図3Dに要約さ れる;Tcrgについての、情報になるPACおよびPWK RFLVは、記載 されたとおりである(Holcombeら、1991)。 5.2.2 結果 bg座を分離する3つの別個の戻し交雑{2つの種内戻し交雑[(C3H/HeJ×C57BL /6J-bgJ)F1×C57BL/6J-bgJ]、および[(C57BL/6J-Wsh-bgJ×Mus domesticus PAC) F1×C57BL/6J-bgJ]、ならびに1つの亜種間戻し交雑[(C57BL/6J-Wsh-bgJ×Mus m usculus PWK)F1×C57BL/6J-bgJ]}を使用する、以前のマッピング研究は、bgが マウ スChr 13上のTcrgに近接して位置することを示している(Holcombeら,1987,19 91)。bgとの連鎖について、そしてポジショナルクローニングの先例として、候 補遺伝子を評価するために、本発明者らは現在、後者の2つの戻し交雑と第3の 新規な戻し交雑とを使用して、近位マウスChr 13の高分解能の連鎖マップを作製 している。 5.2.2.1 bg戻し交雑マウスの表現型分析 bgを分離する3つの戻し交雑を利用した。109の(C57BL/6J-Wsh-bgJ×Mus dome sticus PAC)F1×C57BL/6J-bgJ戻し交雑マウス、および111の(C57BL/6J-Wsh-bgJ ×Mus musculus PWK)F1×C57BL/6J-bgJ戻し交雑マウスの表現型分析が、以前に 報告されている(Holcombeら,1991)。第3の戻し交雑をC57BL/6J-bgJマウスと Muscastaneus(CAST/EiJ)との間で確立し、そして504の[C57BL/6J-bgJ×(C57BL /6J-bgJ×CAST/EiJ)F1]後代を作製した。Mus castaneusを、種内戻し交雑と比較 してDNA多形の検出の可能性が増加するために、後者の亜種間戻し交雑における 第2の親として選択した。マウスを、ベージュ色の外皮の存在または非存在につ いて表現型を類別した。bgの浸透は、交雑の全てにおいて完全であった(726中3 59の戻し交雑マウス[49%]が、ベージュ色の外皮を示した)。 5.2.2.2 情報的RFLVおよびSSLPの同定 C57BL/6J-bgJおよびCAST/EiJ、PAC、またはPWK親マウス由来の種々の制限酵素 で消化したゲノムDNAを含有する、サザンブロットへの遺伝子プローブのハイブ リダイズにより、情報的RFLVを確認した。表3は、Gli3およびNidについての独 特のCAST/EiJ RFLVのサイズを記載する。TergについてのPWKおよびPAC RFLVは、 以前に記載されている(Holcombeら,1991);Estm9についてのCAST/EiJ RFLVは 以前に記載されている。情報的SSLPを、C57BL/6J-bgJおよびCAST/EILPAC、なら びにPWK親マウス由来のゲノムDNAのPCRTMによって確認した。SSLP-PCRTM産物の おおよそのサイズを、表3に記載する。 5.2.2.3 近位マウスChr13上のbgの精密な遺伝的マッピング 111の(C57BL/6J-Wsh-bgJ×Mus domestlcus PAC)F1×C57BL/6J-bgJ戻し交雑マ ウス、111の(C57BL/6J-Wsh-bgJ×Mus musculus PWK)F1×C57BL/6J-bgJ戻し交雑 マウス、および504の[C57BL/6J-bgJ×(C57BL/6J-bgJ×CAST/EIJ)F1]戻し交雑マ ウスを、近位マウスChr 13にマッピングすることが知られる23のSSLPおよび3つ のRFLVの全体について、遺伝子型を類別した。各々の座において、戻し交雑DNA は、ホモ接合F1パターンまたはヘテロ接合F1パターンのいずれかを示した。連鎖 関係を、分離分析(Green,1981)を用いて決定し、そして最良の遺伝子順序を 、交差事象の最小化および二重交差事象の排除(BiShop,1985)によって決定し た。各交雑についてのハプロタイプ分析を、図3A、図3B、図3C、および図3Dに示 す。 PACおよびPWK戻し交雑の、以前に公表された遺伝子型(Holcombeら,1991)を 再分類(retyping)したところ、4つの誤りを検出した。各々の場合において、外 皮色は不正確に指定されており、結果として0.5cM未満の遺伝的区間内での二重 交差が生じていた;そのような事象は正の干渉に対して予測されるので、これら の動物を続く分析から除外した。これらの動物の除外によって、遺伝子順序また は組換え頻度における有意な差を、3つの交雑の間で全く見出さなかった。 [C57BL/6J-bgJ×(C57BL/6J-bgJ×CAST/EiJ)F1]戻し交雑についての最良の遺伝 子順序および組換え頻度(±標準偏差)は、以下であった:セントロメア‐D13M it158、D13Mit172、D13Mit205、D13Mit206、D13Mit239‐0.20±0.20cM‐bgJ、Ni d、Estm9、D13Mit44、D13Mit114、D13Mit134、D13Mit207‐0.20±0.20cM‐Gli3 、D13Mit56、D13Mit162、D13Mit174、D13Mit237、D13Mit240、D13Mit305‐0.20 ±0.20cM‐D13Mit218、D13Mit219、D13Mit271‐0.40±0.28cM‐D13Mit3、D13Mi t133‐テロメア。 [(C57BL/6J-Wsh-bgJ×Mus domesticus PAC)F1×C57BL/6J-bgJ]戻し交雑につい ての最良の遺伝子順序および組換え頻度(±標準偏差)は、以下であった:セン トロメア‐D13Mit79‐5.4±2.1cM‐D13Mit1‐0.9±0.9cM‐bgJ、D13Mit44、D13M it134、D13Mit174、D13Mit205‐0.9±0.9cM‐Tcrg、D13Mit218、D13Mit219‐3.6 ±1.8cM‐D13Mit3‐テロメア。 [(C57BL/6J-Wsh-bgJ×Mus musculus PWK)F1×C57BL/6J-bgJ]戻し交雑について の最良の遺伝子順序および組換え頻度(±標準偏差)は、以下であった:セント ロ メア‐D13Mit79‐5.4±2.1cM‐D13Mit1‐0.9±0.9cM‐bgJ、D13Mit44、D13Mit13 4、D13Mit205、D13Mit237‐0.9±0.9cM‐D13Mit174‐0.9±0.9cM‐Tcrg、D13Mit 218、D13Mit219‐0.9±0.9cM‐D13Mit3‐テロメア。 これら3つの交雑の統合によって得られた、近位マウスChr 13の合成の連鎖マ ップを、図3Dに示す。合わせた結果は、bgを含有する領域の範囲をChr 13上の0. 24±0.17の区間に定め、これは遺伝的マーカーD13Mit172およびD13Mit239に近接 して位置し、そしてGli3、D13Mit56、D13Mit162、D13Mit237、D13Mit240、およ びD13Mit305の遠位に位置する。bgを、6つの遺伝的マーカー(Nid、Estm9、D13 Mit44、D13Mit114、D13Mit134、およびD13Mit207)と共分離した。bg非組換え区 間を定義する組換え事象を有する戻し交雑マウスを、[C57BL/6J-bgJ×(C57BL/6J -bgJ×CAST/EiJ)F1]戻し交雑から得た。 5.2.2.4 bgにおける因果性へのNidおよびEstm9の候補化(candidacy)の評価 多数のbg対立遺伝子の利用可能性を考慮して、ノーザン分析、サザン分析、お よびRT-PCRTM分析を、bgにおける因果性へのNidおよびEstm9の候補化の初期評価 のための、有効な方式であると推論した。 サザンブロットを、6つのbg対立遺伝子由来のDNAにより作製した:5つの制 限エンドヌクレアーゼ(EcoRI、HindIII、BamHI、MspI、およびTaqI)を使用す る、SB/LeJ-bg、C57BL/6J-bgJ、C3H/HeJ-bg2J、DBA/2J-bg8J、C57BL/6J-bg10J、 C57BL/6J-bg11J、および適切な+/+類似遺伝子型コントロール。制限フラグメン ト長の差異を、NidまたはEstm9とのハイブリダイゼーションにおいて、bg対立遺 伝子と類似遺伝子型コントロールとの間で観察しなかった(これらのbg対立遺伝 子における因果関係から、これらの遺伝子における欠失または挿入を排除する) 。 bgマウスにおけるNidおよびEstm9の発現を、ノーザンブロット分析および定量 的RT-PCR7により試験した。+/+、bg、bgJ、およびbg2J由来の肝臓および腎臓RNA のノーザンブロットの、NidおよびEstm9のためのプローブとのハイブリダイゼー ションによって、bgおよび+/+ RNAにおける類似のサイズおよび強度のシグナル を得た。さらに、アンプリコンのサイズまたは量における差異を、+/+、bg、bgJ 、およびbg2Jマウス由来の肝臓または腎臓RNA、ならびにNidまたはEstm9のため の オリゴヌクレオチドを使用する定量的RT-PCR7において観察しなかった。これは 、NidおよびEstm9の発現がbgにおいて全く影響を受けなかったことを示す。 5.2.2.5 bgの近辺における近位マウスChr 13の物理的マッピング 細胞遺伝学的および物理的マッピング研究は、生殖腺X線照射によって誘導さ れるマウス変異が、しばしばゲノム再編成(典型的には欠失または転座)に伴う ことを実証している。SB/LeJ-bg対立遺伝子を、そのような処置を受けた雄の後 代の間で発見した。ゲノム再編成についてSB/LeJ-bg DNAを試験するために、物 理的マッピング研究を、高分子量DNAおよび制限エンドヌクレアーゼ(まれにし か切断しない)を使用するパルスフィールドゲル電気泳動によって実行した。PF GE-サザンブロットを、DBA/2、C57BL/6J-bg1、CAST/EiJ、およびSB/LeJ-bg脾臓 細胞由来のDNAを使用して作製し、そしてbgの近辺においてマッピングする3つ の遺伝子(Nid、Estm9、およびGli3)で連続してプローブした。Estm9、Gli3、 およびNid遺伝子プローブとのハイブリダイゼーションは、同一サイズのバンド を全く明らかにしなかったので、これらの遺伝子の物理的な連鎖は不可能であっ た(表4)。 Gli3またはEstm9とのハイブリダイゼーションにおいて、SB/LeJ-bgおよびコン トロールDNAにおいて同定されるバンドのサイズにおける差異を、全く観察しな かった(表4)。しかし、同一のブロットとNid遺伝子プローブとのハイブリダ イゼーションは、バンドサイズの不均衡を明らかにした。5つの制限酵素を用い て(NotI、MluI、NruI、およびSrfI完全消化、NaeI部分消化、ならびにNotI/Mlu I二重消化)、差異を、DBA/2と他のDNA(C57BL/6J-bgJ、CAST/EiJ、およびSB/Le J-bg)との間で観察した。各々のケースにおいて、DBA/2フラグメントは、C57BL /6J-bgJ、SB/LeJ-bg、またはCAST/EiJ DNAにおいて同定されるバンドよりも25〜 50kb小さかった(図3A、図3B、図3C、および図3D;表4)。Nidバンドサイズに おける差異は、試験された他のマウス系統(C57BL/6J-bgJ、SB/LeJ-bg、およびC AST/EiJ)の間で、全く明らかでなかった。Nidでプローブした場合により小さな フラグメントを同定する他の制限エンドヌクレアーゼ(BssHII、ClaI、NaeI、Sm aI、XhoI)は、試験された全ての系統において同一であった(図3A、図3B、図3C 、 図3D;表4)。Nidフラグメントサイズの差異を、メチル化感受性およびメチル 化非感受性の両制限エンドヌクレアーゼを使用して観察した。 5.2.3 議論 以前の研究は、bgを近位Chr 13に局在化している。Lyonら,(1969)は、bgが変 異Xtに0.5cMで近接する(これはGli3遺伝子に対応する)ことを実証した。いく つかのグループは、bgとTcrgとの間の堅い連鎖を実証している(Holcombeら,19 87,1991;Justiceら,1990)。Jenkinsら,(1991)は、bgが123の減数分裂事象 においてNidと共分離することを見出した。bgの精密な遺伝的マッピングを、こ れらの遺伝子および最近同定されたSSLPマーカー(Dietrichら,1994)に関して 、bgを含むゲノム領域のYACコンティグの発生に先立って実行した。これらの結 果は、染色体13上の遺伝的マーカー順序の以前の研究に一致しているが、本研究 において利用された大多数の減数分裂は、以前の研究において共分離した座の分 離を可能にし、そして近位マウスChr 13上の0.24cM区間へのbgの局在を可能にし た。マーカー間の遺伝的距離における統計学的に有意な差異を、本交雑間で、ま たは本交雑と以前の研究との間で全く観察しなかった。bgとNidの共分離を504の 減数分裂事象において観察し、これは近位マウスChr 13とヒトChr 1の遠位長腕( distal long arm)との間で保存される連鎖群の内部にbgがマッピングすることを 示唆する(Jenkinsら,1991)。暗に、相同なヒト座CHSがヒトChr 1q42.1-1q43 上に位置することが予期され、これはこの保存された連鎖群のおおよその限界を 表す(Jenkinsら,1991;Matteiら,1994)。0.24cM区間へのbgの局在は、bgを 含むYACコンティグの発生を可能にする。bgと共分離するそれらの遺伝的マーカ ーは、迅速なコンティグの構築のための核形成点として役立つ。 一倍体マウスゲノムが1500cMのサイズでありかつ60,000のランダムに分布した 遺伝子を含有すると仮定した場合、0.24cM bg棄却域は10の遺伝子を含有するこ とが予期される。本報告において、2つの遺伝子NidおよびEstm9はこの区間内に 局在化され、それによってbg座の候補遺伝子を表す。しかし、ナイドジェンは、 機能的な理由のためにbgの候補から除外され得る。bgマウスはリソソーム輸送(l ysosomal trafficking)において構成的細胞内欠損を示すが、ナイドジェンは基 底膜の成分であり、特定の組織に限定される特殊な細胞外マトリックス構造であ る(Durkinら,1988)。Estm9の候補は、機能的な理由に基づいては未だに評価 され得ない。Estm9は、新規なマウス発現配列であり、これは繁殖後10.5日のマ ウス胚cDNAライブラリから最近同定された(BettenhausenおよびGossler,1995 )。部分的なEstm9 cDNA配列とDNAおよびペプチドのデータベースとの比較は、 特徴づけられていないヒトESTのみとの、有意な配列類似性を実証した。Estm9の 機能は未知であるが、発現分析は、それがマウスにおいて構成的に、一時的に、 そして空間的に発現されることを明らかにする(BettenhausenおよびGossler,1 995)。ノーザンおよびサザンブロットハイブリダイゼーションまたは定量的RT- PCRTMによる、bgについてのNidおよびEstm9の候補化の初期の遺伝的評価は、い くつかのbg対立遺伝子と類似遺伝子型コントロールとの間で差異を全く明らかに しなかった。これらの研究は、bgについての候補化からNidまたはEstm9を明確に は除外しない。bg候補遺伝子についてのより強固な評価方法は、遺伝的補完であ る。bgマウスから得られた細胞株は、特徴的な表現型を示し(Burkhardtら,199 3;Gowら,1993;Baetzら,1995)、これらは遺伝的補完により阻止される(Per ouおよびKaplan,1993;PennerおよびPrieur,1987;Gowら,1993)。インビト ロでbg随伴表現型を補完するNidまたはEstm9の能力を試験するための研究が、遂 行されている。 bg決定的領域の物理的マッピング研究を実行し、放射線で誘導したSB-bg対立 遺伝子を、著しいゲノム再編成の存在について評価した。SB-bg-特異的制限フラ グメント長の差異は、Nid、Estm9、またはGli3遺伝子プローブによっては観察さ れなかった。さらに、全ての棄却域SSLPアンプリコン(D13Mit44、D13Mit114、D 13Mit134、およびD13Mit207)は、SB-bg DNA中に存在した。これらのデータは共 に、SB-bg DNAにおける著しいゲノム再編成の存在を除外する。しかし、DBA/2特 異的パルスフィールド電気泳動RFLPを、5つの制限エンドヌクレアーゼを使用す るNidによって観察した。各々のケースにおいて、Nidによって同定されたDBA/2 フラグメントは、コントロールDNAにおいて同定された対応するバンドよりも25 〜50kb小さかった(図3A、図3B、図3C、および図3D)。バンドサイズにおける差 異を、他の種の間で、またはPFGE-サザンブロットとGli3もしくはEstm9との再プ ローブ(reprobing)において観察しなかった。フラグメントサイズの差異が、多 数のレアカッティング(rare cuiting)制限エンドヌクレアーゼ(メチル化非感受 性のいくつかを含む)によって観察されたので、それらはDNAメチル化または点 変異における単なる株間差異ではありそうにない。その代わりに、ゲノム再編成 が、DBA/2マウスにおいてNidから900kb未満の距離で生じていることが示唆され る(図3D)。再編成は、DBA/2マウスにおける小さな(25〜50kb)ゲノムの欠損 を表す。そのような推定再編成の機能的重要性は不確かである。興味深いことに 、ヒトナイドジェン遺伝子の近辺における類似の現象が、最近記載された(Good richおよびHolcombe,1995)。これは、パルスフィールドゲル電気泳動サザンブ ロットに、SalIによって消化したDNAとのハイブリダイゼーションに基づき、ナ イドジェンは白人集団における多形バンドサイズを同定した。現在まで試験され ている2人のCHS患者において、1つのNID対立遺伝子についてのホモ接合性が観 察され、ヒトCHSおよびNIDの連鎖の可能性が示唆された(GoodrichおよびHolcom be,1995)。しかし、ヒトCHSの決定的なマッピングは、マウスbg遺伝子の同定 を待たねばならない。実施ノートによると、パルスフィールド制限フラグメント 長における株間差異は、bg非組換え区間内に位置する物理的指標を提供する。従 って、bg候補遺伝子は、それらがbg非組換え区間内に位置するか否かを決定する 手段として、Nidとの物理的連鎖について容易にスクリーニングされ得る。 要約すれば、bg座(これはヒトCHSのマウスホモログである)は、マウスChr 1 3の約400分の1に対応するゲノム区間に局在化されている。これは、bgの(それ によってヒトCHSの)ポジショナルクローニングの重要な中間段階を表す。 5.3 実施例3―相同ベージュおよびCHS遺伝子の同定 上記のように、本発明者らは、bg遺伝子座をマウス第13染色体上の0.24センチ モルガン以内の間隔に位置づけ、そしてこの間隔の2,400kbをカバーするYACの連 続した配列を単離した。bgについての候補cDNAを、マウス脾臓cDNAでの直接cDNA 選択を用いて、650kbのbg非組換え間隔を含むYAC 195A8から単離した(図11)。 直接選択研究から分析した56個の候補cDNAクローンの内、bgにおける原因の証拠 を1つ(以下参照のこと)に見出し、そしてこの遺伝子を、Lyst(リソソーム輸 送レギュレーター)と称した。このクローンは132ヌクレオチド長であったので 、さらなるLyst配列を、3つのマウスcDNAライブラリーをスクリーニングし、そ してcDNA末端のポリメラーゼ連鎖反応(PCRTM)増幅を行うことにより探した(K ingsmoreら、1994)。10個の重複するLystクローンが同定され、これは約7kbを 示す(Genbankアクセス番号L77889)。これらは、パルスフィールドゲル電気泳 動(PFGE)サザンブロットでマウス第13染色体に物理的に割り当てられた。この ことは、これらがすべて単一の遺伝子(マウスゲノムデータベースアクセス番号 MGD-PMEX-14)に由来することを確認した。Lystプローブは、同じ多型PFGE制限 フラグメントをナイドジェン(Nid)として同定した。このことは、LystおよびN idが、650kb内でクラスター化していることを示す。Lystはまた、504[C57BL/6-b gJ×(C57BL/6J-bgJ×CAST/EiJ)F1]戻し交雑マウスにおいて、3個のTaqI制限断 片長多型(RFLP)により、遺伝的にマッピングされた。LystRFLPは、bg(および Nid)と同時分離した。このことは、マウス第13染色体上の近位(MGDアクセス番 号MGD-CREX-615)でこれらが共存することを確認する。 Lyst変異についての証拠が2個のbg対立遺伝子において見出された。Lystエキ ソンβの3'末端、ならびにエキソンγおよびδを含む5-kbゲノム欠失が、bg11JD NA(図12)において同定された。bg11J欠失は、予測されたLystペプチドの約400 個の内部アミノ酸の喪失に対応する。さらに、bg11J欠失の5'末端がLystエキソ ンβ内で生じるのに対して、3'末端はイントロンである。従って、bg11Jマウス における短縮型Lyst mRNAはまた、不正確にスプライシングされ、未熟なまま終 結し、そしてポリアデニル化を欠くと予測される。 定量的逆転写(RT)-PCRTMは、bgおよびbg1肝臓でのLyst mRNAの中程度の減少 、ならびにbg2Jにおける著しい減少(β-アクチンmRNAに対して正規化された後 のLystΔOD;+/+、1.00;bg2/bg2J、0.19;bg/bg、0.28;bgJ/bgJ、0.40)を 実証した。bg2J転写産物量における同程度の減少は、Lyst cDNAの異なる領域に 由 来するいくつかのプライマー対を用いて示された。異常なLyst RT-PCRTM産物は 、観察されなかった。bg2Jホモ接合体に明らかなLyst発現における特に著しい( 5倍より多い)減少は、転写の減少またはmRNAの不安定性をもたらす、bg2JLyst における変異の存在を示唆した。bg2JにおけるLyst mRNAの減少の分子的基礎は 、未だ知られていないが、イントロンのレトロトランスポジション事象に関連す る、成熟したメッセージの切断の漏れを暗示する(Kingsmoreら、1994)。 Lystの予測されたオープンリーディングフレーム(ORF)は、4,635ヌクレオチ ドであった。これは、1,545アミノ酸で、かつ相対分子量が172,500(Mr 172.5K )(図13a)のタンパク質をコードする。ヌクレオチド51〜74は、ハウスキーピ ング遺伝子の5'領域の共通の特徴である、CGヌクレオチドに富む。DNAデータベ ースでの比較は、Lystが新規であり、そして特徴付けられていない、ヒト発現配 列タグ(EST)とのみ類似することを示した。このようなヒトESTの一つに対応す るcDNAクローン(Genbankアクセス番号L77889)の配列は、マウスLystの5'領域 とマッチした(ヌクレオチド同一性は、5'非翻訳領域(UTR)において76%であ り、ORFにおいて91%であり、そしてアミノ酸同一性は97%であった;図13c); 別のヒトESTは、マウスLystコードドメインの3'領域(Genbankアクセス番号W269 57)とマッチした。マウスDNAのPFGEサザンブロットへのハイブリダイゼーショ ンでは、ヒトクローンは、マウスLyst1と区別できない制限フラグメントを同定 した;マウスゲノムのLystと同じ領域へのヒトクローンの物理的マッピングは、 これらが実際にLystに相同であることを示す。 それらの臨床的特徴(BlumeおよびWolff、1972)およびリソソーム輸送の欠損 (Burkhardtら、1993)が同じであることから、CHSおよびbgが相同な障害を示す ことが示唆された。bgおよびCHSの相同性は、遺伝的相補性研究により支持され る;bgマウスおよびCHS患者由来の線維芽細胞の融合は、正常な細胞との融合と は対照的に、リソソーム異常を逆転させることができなかった(PerouおよびKap lan、1993)。さらに、最近の遺伝的連鎖研究は、連鎖群内のCHSマップがヒト第 1q43染色体とマウス第13染色体のbg領域との間で保存されることを示した。従っ て、CHS患者におけるLYST変異は、10人のCHS患者由来のこれらのESTに対応する 、LYSTリンパ芽球および線維芽細胞のcDNAを配列決定することにより探された。 1 人の患者において、1塩基挿入変異が、LYSTコードドメインのヌクレオチド117 〜118で見出された。このことは、フレームシフトおよびアミノ酸62の後での終 結ををもたらす(図13c)。 膜結合型コンカナバリンAの自発的凝集(キャッピング)を示す以前の研究は 、bg細胞における微小管動態に欠損があることを示唆する(Oliver、Zurier、お よびBerlin、1975;OliverおよびZurier、1976)。SWISSPROTデータベースの検 索において、BlitzおよびBLASTPを用いて、Lystのドメインと、微小管の重合を 調節し得るリンタンパク質であるスタスミン(stathmin)(オンコプロテイン18 )(BelmontおよびMitchison、1996)のドメインとの間に類似性が見出された( 残基463〜536で27%同一性;偶然による最大の予測出現頻度は4.36×10-6)。ス タスミンにおいてLystにマッチするドメインは、ヘリックスであり、そして他の タンパク質とのコイルドコイル相互作用に関与するヘプタド反復を有する(Sobe l、1991;Maucuerら、1995)。Lystのスタスミン様領域はまた、ヘリックスであ り、そしてコイルドコイルを形成すると予測される。しかし、Lystとスタスミン との間で保存されたのは、疎水性残基ではなく荷電した残基であり、このことは 、配列類似性は、主に保存された二次構造によるのではないことを示唆する。従 って、Lystのこの領域は、潜在的に、微小管に媒介されるリソソーム輸送を調節 し得る、コイルドコイルタンパク質相互作用ドメインをコードする。Lystは膜貫 通ヘリックスを有するとは予測されていないが、C末端テトラペプチド(CYSP; アミノ酸1,542〜1,545)は、公知のプレニル化部位に著しく類似している。これ は、システインとのチオエステル結合を介してのリソソーム膜/後期エンドソー ム膜への結合を提供し得る。 bg白血球の以前の研究は、(コンカナバリンAキャッピングにより評価して) 微小管の機能の訂正およびナチュラルキラー活性が、プロテインキナーゼC(PK C)のインヒビターで処理した場合に破壊された(Satoら、1990;Itoら、1989) ことを示した。このことは、bgがリン酸化により調節され得ることを示唆する。 Lystは、PKCによる潜在的なリン酸化の部位を25個、カゼインキナーゼII(CKII )による部位を36個(これらの多くはPKCの部位と重複する)、cAMP-依存性プロ テインキナーゼによる部位を2個、そしてチロシンキナーゼによる部位を1個 含む(図13b)。スタスミン様領域の外側の予測されたヘリックスのほぼ半分(3 0個のうちの14個)は、PKC-またはCKII-リン酸化シグナルをそれらのアミノ末端 に有し、そしてこれらのうち8個は、連続したヘリックス対を形成する。従って 、Lystは、いずれかの末端にリン酸化部位のクラスターを有するヘリックス束を 含むようである。スタスミンはまた、N末端リン酸化部位およびヘリックスモチ ーフを有し、そしてこれらのLystドメインは、スタスミンへの同様の「シグナル 中継」機能を有し得る(Sobel、1991;Maucuerら、1995)。さらに、これらの位 置のリン酸化は、束におけるコンホメーションシフトを生じることによる制御機 構を提供し、それにより他の分子との相互作用に影響を与え得る。 ノーザン分析およびRT-PCRTMは、Lystが、マウスおよびヒトの組織において、 時間的および空間的に両方で遍在的に転写されることを示した(図14)。ノーザ ンブロット分析はまた、構成的および解剖学的の両方で制限されたLyst mRNAイ ソ型とともにLyst mRNAの複雑なオルタナティブスプライシングを明らかにした 。ヒトおよびマウスにおける最大のLyst転写産物は12〜14kbであったが、この転 写産物は、構成的に発現された訳ではない。マウス脾臓、ヒト末梢血白血球、前 骨髄球白血病HL-60、およびいくつかの白血病株由来のmRNAにおいて、12〜14kb のイソ型は、検出不可能またはほとんど検出できないかのいずれかであったが、 より小さなLyst転写産物は豊富であった(図14)。顆粒球、NK細胞、および細胞 溶解性Tリンパ球のリソソームおよび後期エンドソーム区画の欠損のbgマウスお よびCHS患者での重要性(Gallinら、1974;RoderおよびDuwe、1979;Saxenaら、 1982;Baetzら、1995)を考慮に入れると、約3kbおよび4kbのこれらのLyst mR NAが、主に機能的重要性のある転写産物を示すようである。プローブは、Lystの 5'または3'末端に由来した。 5.4 実施例4--変異分析ならびに物理的および遺伝的マッピングは、ヒトLYST をCHS遺伝子として樹立する 5.4.1 材料および方法 5.4.1.1 ヒトLYST遺伝子のクローニング ヒトLYST配列のセグメントを、肝臓cDNAをテンプレートとして用いる係留ネス ティッドPCRTM(5'RACE-PCRTM)(Clontech Laboratories,Palo Alto,CA)に より、全RNAを用いるRT-PCRTMにより、そしてマウスLystに配列が類似している ヒトESTの配列決定により得た。5'RACE-PCRTMについては、ヒトEST(GenBankア クセス番号W26957)に由来し、そして以下のヌクレオチド配列を有する2つのネ スティッドプライマーを用いた: RT-PCRTM実験については、全RNAを、前骨髄球HL-60細胞株から調製した。逆転 写を、以下のプライマー対を用いてExpand(Boehringer Mannheim,Meylan Fran ce)で行なった: bp1891と3050との間のcDNAを増幅するために用いたプライマーは、マウスLyst 配列に由来した。ヒトプライマーは、PCRTM産物(1159bp)の配列から設計して 隣接配列を増幅するために用いた。 5.4.1.2 DNA配列決定および配列分析 PCRTM産物を、TAクローニングキット(Invitrogen Corporation,San Diego C alifornia)を用いてクローニングし、そして両方の鎖をサイクル配列決定した 。配列を、GCG Package(Devereuxら、1984)で分析し、そしてNational Center for Biotechnology Informationデータベースの検索を、BLASTネットワークサ ーバー(Altschulら、1990)(National Library of Medicine,INTERNETを介し て)およびWhitehead Institute Sequence Analysis Programs(MIT,Cambridge ,Massachusetts)を用いて行なった。 5.4.1.3 サザンおよびノーザンブロット分析 マウス、ヒト、および酵母のDNAサンプルの調製、制限エンドヌクレアーゼで の消化、アガロースゲル電気泳動、およびサザン転写を、標準的な技術(Maniat isら、1984)を用いて行なった。EcoRI単染色体体細胞ハイブリッドのブロット は、BIOS Laboratories(New Haven,Connecticut)から得られた。線維芽細胞 およびEBV形質転換Bリンパ芽球細胞株からのポリ(A)+RNAの単離、ホルムアルデ ヒドアガロースゲル電気泳動、およびノーザンブロッティングを、標準的な手順 (Maniatisら、1984)に従って行なった。膜を、a32P-dCTPで標識した、種々 のLYSTまたはアクチンプローブとハイブリダイゼーションした。マウス遺伝子マ ッピング分析を、記載された(Barbosaら、1995)ように行なった。 5.4.1.4 SSCP分析 SSCPによるヌクレオチドの変化の検出を、Oritaら(1989)により記載された ように行なった。簡略には、それぞれのPCRTM産物を、等容量の変性緩衝液と混 合し、そして95℃で3分間加熱し、その後、サンプルを0.8mm厚さの10%未変性 ポリアクリルアミドゲルにロードした。ゲルを、PCRTM産物の大きさに依存して 、室温で9Wで6〜10時間流した。バンドを、銀染色により可視化した(Beidler ら、1982)。 5.4.1.5 対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド分析 患者371における変異部位にまたがるPCRTM産物を、スロットブロット装置を用 いてナイロン膜に転写した。約5ngのそれぞれのPCRTM産物を、変性溶液(0.5M NaOH,1.5M NaCl)で処理し、半分に分け、そして2連でロードした。2つの17 マーオリゴヌクレオチドを、変異を含む領域にまたがるように合成した。一方は 正常な対立遺伝子の配列(5'-CGCACATGGCAACCCTT-3')(配列番号73)を含んだ が、他方は、変異対立遺伝子の配列(5'-GCACATGGGCAACCCTT-3')(配列番号74 )を含んだ。これらは、T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いてγ32P-dATPで末 端標識し、そして膜に50℃でハイブリダイズした。ハイブリダイゼーションおよ び洗浄緩衝液は、記載されたとおり(ChurchおよびGilbert、1984)であった。 膜を、45℃、55℃、および65℃でそれぞれ10分間連続的に洗浄し、そしてX線フ ィルムに曝露した。 5.4.2 結果 5.4.2.1 2つのbg遺伝子の間題 2つの異なるbg候補遺伝子(LystおよびBG)の存在により生じるジレンマを解 決するために、本発明者らは、Lystの3'末端に対応する、さらなるマウスcDNAお よびゲノムクローンを単離および配列決定した。この領域からの係留ネスティッ ドPCRTM(3'RACE-PCRTM)は、2つのフラグメント(1.25kbおよび2kb)を生じ た。 1.25kbクローンは、以前に公開されたLystの3'末端を含んだが、2kbクローンは 、Lyst(5'末端に)およびBG(3'末端に)に由来する配列を含んだ。逆転写およ びPCRTM(RT-PCRTM)は、Lystのヌクレオチド1-4706もまた以前に決定されてい ないBGオープンリーディングフレームの5'末端を示すことを確認した(図15c) 。完全長cDNAは、Lystのヌクレオチド1-4706、2kb 3'RACE-PCRTMクローン、お よびBG cDNAの6824ヌクレオチドから組み立てられた。この11,817bp cDNA配列( Lyst-I、Genbankアクセス番号U70015)は、ノーザンブロットで観察された最大 のmRNA(約12kb)(GoodrichおよびHolcombe、1995)に対応する。 LystおよびBGを含むP1ゲノムクローン(番号8592)の分析は、11,817bp Lyst- I cDNAがLystエキソンσ(ヌクレオチド4706を含む)から下流のエキソンτまで のスプライシングにより生じることを明らかにした(図15b)。エキソンσとτ との間に介在したイントロンσ'の不完全なスプライシングおよび読み通しが、B arbosaら(1996)(Lyst-II、図15b、Genbankアクセス番号L77884)に記載され る5893bpcDNAを生じる。イントロンσ'は、37個のインフレームなアミノ酸、そ れに続く停止コドンおよびポリアデニル化シグナルをコードする。Lyst-IIは、 ノーザンブロットで観察された、より小さな(約4kb)のmRNAに対応する。Lyst -IおよびLyst-IIは、両方とも、多くのマウス組織由来のポリ(A)+RNA中に存在す る(図15b)。推定のLyst-Iタンパク質は、相対分子量425,287(Mr425K)であり 、一方Lyst-IIはMr72.5Kであると推定される。 5.4.2.2 ヒトLYST1およびLYST2 cDNAの配列 LYST1(Lyst1-イソ型Iのヒトホモログ)(これは、bg遺伝子の最大のmRNAイソ 型である)に対応するcDNAを、データベース検索により、マウスLyst1に配列が 類似するヒト発現配列タグ(EST)(Genbankアクセス番号L77889、W26957、およ びH51623)を同定して得た。介在するcDNA配列を、マウスLyst1配列および隣接 するESTに由来するプライマーと共にRT-PCRTMを用いて単離した。部分的LYST1 c DNA配列(Genbankアクセス番号U70064;7.1kb)を、これらのクローンと、マウ スLyst1 cDNAとのアラインメントにより組み立てた。ヒトLYST1は、マウスLyst1 に、1,990アミノ酸にわたって82%の予測アミノ酸同一性を有する。予測された ヒトLYST1アミノ酸配列は、マウスLyst1に対して、残基1,039で6アミノ酸挿入 を含む。最近、別のグループが、ヒトLYST1 cDNAの配列を公開した(Nagleら、1 996)。本発明のcDNA配列は、Nagleら(1996)の配列とは、4ヌクレオチドおよ び3予測アミノ酸が異なる。この13.5kb cDNA配列は、ヒト組織のノーザンブロ ットで観察された最大のmRNA(LYST1-イソ型I)に対応する(図2の説明)。こ れらのノーザンブロットはまた、より小さなLYSTイソ型(約4.5kb、LYST-イソ型 IIと称される)の存在を実証した。これは、より小さなマウスLyst1 mRNAと同様 の大きさであり、そしてLYST1-イソ型Iとはヒト組織における発現の分布が異な るようである。ヒトLYST1-イソ型IIのゲノム起源がマウスLyst1-イソ型IIと同じ であると仮定して、ヒトLYST1−IIイソ型の3'末端の配列を、LYST1エキソンFお よびマウスイントロンF'に由来するプライマーでのヒトゲノムDNAのPCRTMを用い て、ヒトLYST1イントロンF'のクローニングにより探した(図2の説明)。ヒトL YST1イントロンF'の5'末端の配列は、LYST1エキソンFとインフレームな17コドン 、それに続く停止コドンを含んだ。5'LYST1エキソンおよびLYST1イントロンF'由 来のプライマーでのRT-PCRTMによる、ヒト末梢血RNAからのLYST1-イソ型II cDNA の増幅により、このイントロンが、ヒトLYST1-イソ型II mRNAにおいて実際に保 持されたことが実証された。ヒトLYST1-イソ型II cDNAのヌクレオチド1-5905は 、LYST1-イソ型Iに同一であり、そしてイントロンF'配列が続く(Genbankアクセ ス番号U84744)(図2)。マウスLyst1-イソ型IIおよびヒトLYST1-イソ型IIのペ プチドのイントロンにコードされる予測されたアミノ末端は、65%同一性を共有 した。 公知のタンパク質に対するLYST1-イソ型IIの唯一の有意な配列類似性は、スタ スミンファミリーとであった。この領域(アミノ酸376-540)におけるマウスLys t1-イソ型IIとの同一性は92%であった(そして類似性は99%であった)(図5 )。 5.4.2.3 LYSTの遺伝子マッピングおよび物理的マッピング 2kbのヒトLYSTプローブを、ヒト-齧歯類体細胞ハイブリッドDNAに対するハイ ブリダイゼーションにより、ヒト染色体1に割り当てた(図16)。ヒトDNAとと もに分離した全てのバンドが、ヒト染色体1DNAを含む体細胞ハイブリッドにの みハイブリダイズした。 ヒト染色体1において、LYSTを正確にマッピングするために、LYSTプローブを CHS決定的領域を含むYACクローンにハイブリダイズさせた(図16bおよび図16c) (Barratら、1996)。LYST cDNAの異なるセグメントに由来する、3つのプロー ブは、それぞれ、5つのCHS決定的領域YACにハイブリダイズし(図16d)、これ により、正確な間隔に対する位置を確認した。 504[C57BL/6J-bgJ×(C57BL/6J-bgJ×CAST/EiJ)F1]戻し交雑マウスにおける遺 伝子マッピングを使用して、LYSTがマウスbg遺伝子のヒトホモログであるか否か を決定した。1回のXbaI RFLPおよび2回のTaqI RFLPを使用して、LYSTが、マウ ス染色体13においてbgおよびLystと共分離することが示された。 5.4.2.4. 変異解析 CHS患者におけるLYST変異についての最初のスクリーニングとして、本発明者 らは、CHS患者からのポリ(A)+RNAのノーザンブロットを解析した。最も大きなLY ST mRNA種(LYST-I、約12kb)は、それぞれ、患者P1およびP3のリンパ芽球mRNA において、非常に量が減少されたかまたは存在しなかった(図4a)、一方より 小さなLYST転写物(LYST-II、約4.4kb)は、両方の患者に存在し、量も減少して いなかった。アクチンプローブを用いたこのブロットのリハイブリダイゼーショ ンにより、より大きな転写物の非存在は、一様でないゲルローディングまたはRN Aの分解に起因しないことが確認された。3人の他のCHS患者(369、371、および 373)由来の線維芽細胞ポリ(A)+RNAは、LYST-I mRNAの中程度の減少を示し(デ ンシトメトリーによりコントロールの51〜60%)、一方LYST-II mRNAは、本質的 に量における変化はなかった(コントロールの103〜147%)。 一本鎖コンホメーション多型(single-strand conformation polymorphism) (SSCP)解析を、CHS患者からのリンパ芽球細胞株または線維芽細胞株由来のcDN Aサンプルを用いて行った。異常なバンドが、異常なノーザンブロットパターン を有する患者とは異なる、2人の未処理のCHS患者におけるLYST ORFの5’末端 からのPCRTM産物において検出された(371および373、図4b)。その後の配列決 定解析によって、患者373におけるコードドメインのヌクレオチド148にて、Cか らTへの転移が同定された(図4c)。患者373由来の9個のcDNAクローンのうちの 4個が、この変異を含んだ。制限酵素消化によりこの変異が確認された。LYST c DNAのTaqI消化(ヌクレオチド520〜808)により、ヘテロ接合性である患者373に おいてこの制限部位の欠損が示された。CからTへの置換により、アミノ酸50にて 停止コドンが作製される(R50X)。 患者371は、コードドメインのヌクレオチド118でのGの挿入を伴うフレームシ フト変異を有することが、以前に示されている(図4c)[Barbosaら、1996]。患 者371のリンパ芽球から単離された5つのcDNAクローンのそれぞれは、この変異 を含むことが見出された。この患者からのcDNAの対立遺伝子特異的オリゴヌクレ オチドハイブリダイゼーションは、正常な対立遺伝子に対応するオリゴヌクレオ チドを用いて、シグナルを検出できなかった。このことは、患者がこの変異につ いてホモ接合性またはヘミ接合性のいずれかであることを示唆する。 3人の他のCHS患者において変異が同定された:患者372のEBV形質転換リンパ 芽球(GM03365としてCoriell Instituteに寄託されている)から単離されたcDNA は、コードドメインのヌクレオチド3310にてホモ接合性のCからTへの転移を含み 、これによりアミノ酸1104にて停止コドンが作製された(R1104X)[Nagleら、19 96]。患者370は、コードドメインのヌクレオチド3085にてホモ接合性のCからTへ の転移を含み、これによりアミノ酸1029にて停止コドンが作製された(Q1029X) 。患者369は、ヘテロ接合性フレームシフト変異を有した。コードドメインのヌ クレオチド3073および3074は、この患者から単離された5つのcDNAクローンのう ち の2つにおいて欠失されていた。この欠失により、コドン1026にてフレームシフ トが生じ、そしてコドン1030にて終結を生じる。 これらの全ての患者(369、370、371、372、373、P1およびP3)からのリンパ 芽球は、CHSの特徴である、巨大な核周囲のリソソームビヒクルを含む。患者369 、370、および371は、再発性の幼児期感染および眼皮膚白皮症を伴う、CHSの典 型的な決定的提示(presentation)を有した。患者369および370の親は、共多血 質(cosanguinous)ではなかったことが知られている。対照的に、患者372およ び373の臨床過程は、より軽度であり:27歳で患者372からのリンパ芽球は不死化 された。患者372は、眼皮膚白皮症、再発性皮膚感染、および末梢神経障害を有 した。患者373は、全身性感染を有さず、37歳で生存している。しかし、患者373 は、色素低下した(hypopigmented)頭髪および虹彩、ならびに末梢神経障害を 有する。 5.4.2.5 ヒト組織におけるLYST-IおよびLYST-IIの発現 マウスmRNAのノーザンブロット解析により、マウスLyst-IおよびLyst-II転写 物の相対的な量は、組織によって異なることが示唆された(Barbosaら、1996) 。異なる発生段階のヒト組織におけるLYST mRNAイソ型の相対的な量を、いくつ かのLYST cDNAプローブを用いるポリ(A)+RNAドットブロットの連続的ハイブリダ イゼーションにより試験した。ブロットに対してロードされるポリ(A)+RNAの量 を8つのハウスキーピング遺伝子(ホスホリパーゼ、リボソームタンパク質S9、 チューブリン、非常に塩基性である23kDタンパク質、グリセルアルデヒド三リン 酸デヒドロゲナーゼ、ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラー ゼ、$-アクチン、およびユビキチン)に対して標準化し、異なる組織におけるL YST mRNAイソ型の相対的な量の評価を可能にした。 ノーザンブロットに対するLYST-I転写物(最も大きなLYSTイソ型)に対しての みハイブリダイズするプローブ(Barbosaら、1996)を用いて、LYST-I mRNAが、 胸腺(成人および胎児)、末梢血白血球、骨髄、および成人脳のいくつかの領域 において最も豊富であることが見出された。対照的に、胎児脳においてLYST-I m RNAは検出されなかった。ごくわずかなLYST-I転写物がまた、任意の発生段階に おいて、心臓、肺、腎臓、または肝臓において観察された。 いくらか異なる発現のパターンが、LYSTのコードドメインの5'末端(ノーザ ンブロットに対してLYST-IおよびLYST-II mRNAの両方に対してハイブリダイズす る領域)由来のプローブを用いてブロットをリハイブリダイセーションした際に 明らかであった(Barbosaら、1996)。LYST-I転写物のパターンとの一致は、末 梢血白血球、胸腺(成人および胎児)、および骨髄においてこのプローブを用い て検出された豊富な発現、ならびに骨格筋において検出されたごくわずかな発現 であった。しかし、豊富なLYST-I転写物を有するいくつかの組織(成人脳、胎児 および成人の胸腺、ならびに脾臓のほとんどの領域を含む)は、LYST-I+LYST-II プローブとのかなり減少されたハイブリダイゼーションシグナルを示した。さら に、わずかなLYST-I転写物を有するいくつかの組織(成人および胎児の心臓、腎 臓、肝臓、および肺、ならびに成人の大動脈、甲状腺、唾液腺、虫垂、および胎 児の脳を含む)は、LYST-I+LYST-IIプローブとの強力なハイブリダイゼーショ ンを示した。 5.4.3 考察 上記のように、新規なマウス遺伝子であるLYST(リソソーム輸送調節因子)は 、bg決定的領域YACから同定され、そして2つのbg対立遺伝子において変異され たことが示された。本発明者らはまた、マウスLYSTに対して配列が類似する2つ のヒトESTを同定し、そしてCHS患者におけるこれらのESTの1つにおいて変異を 同定した。同時に、別のグループが、同じYACから単離された部分cDNA配列(BG )を公開した(Perouら、1996a)。この部分cDNA配列は、2つの他のbg対立遺伝 子において変異されていたが、LYSTとは配列が異なった。本発明者らは、このbg 遺伝子ジレンマを、LystおよびBG配列がオルタナティブにスプライシングされる mRNAを有する、単一の遺伝子に由来することを示すことにより解決した。報告さ れていた無関係のcDNA配列は、予測される異なるC末端領域を有する2つのLyst イソ型の重複しない部分に由来した。本発明者らは、5893bpのcDNA(Lyst)を記 載し、一方、Perouらは5'末端を有さない部分cDNA配列(BG)を報告した(Pero uら、1996a)さらなるRT-PCRTM産物を配列決定することにより、本発明者らはLy s tのヌクレオチド1〜4706が以前には決定されていないBGの5'領域を表すことを 示した。しかし、ヌクレオチド4706でのオルタナティブスプライシングは、BGま たはLystの3'領域を含むbg遺伝子イソ型を生じる。Lystエキソンσ(ヌクレオ チド4706を含む)のエキソンτへのスプライシングは、ノーザンブロットにおい て観察される最も大きなバンドに対応し、そして3'末端にBG配列を含むmRNA(L yst-I)を生じる。ヌクレオチド4706での不完全なスプライシングは、Barbosaら (1995)により記載される、5893bpのcDNA(Lyst-II)を生じ、そして3'末端に イントロン由来の配列を含む。Lyst-IIは、ノーザンブロットにおいて観察され るより小さなmRNAに対応する。いくつかの他の遺伝子は不完全なスプライシング によりオルタナティブなC末端を生じ(Myersら、1995;Sugimotoら、1995;Syg iyamaら、1996;ZhaoおよびManlley、1996;Van De Weteringら、1996)、一方 、bg遺伝子は、2つのC末端の予測される構造が極めて異なることにおいて独特 である。Lyst-IのC末端は、ヘテロ三量体Gタンパク質のβ-サブユニットに類 似し、そしてプロペラ様二次構造を想定し得る「WD」反復ドメインを含む(Lamb rightら、1996)。対照的に、Lyst-IIは、リソソーム膜への接着を提供し得るC 末端プレニル化モチーフを有する。プレニル化シグナルはLyst-Iには存在しない が、膜に会合されると予測される疎水性流域を含む。これらの相違する特徴の重 要性は、Lystが膜貫通螺旋を有することが予測されないという事実により、増強 される。 bg遺伝子のヒトホモログであるLYSTは、LystおよびBGが単一の遺伝子に由来す るという証拠の第2の道筋を提供する。なぜなら、LYST配列はLystおよびBGの両 方に重複するからである。同定されたLYST cDNAは、マウスLyst-Iイソ型に対応 する。ヒト組織のノーザンブロットは、LYST(相同なヒト遺伝子)の転写におい て、類似の複雑性が存在することを示唆する(Barbosaら、1996)。本発明者ら は、最近、マウスLystに相同な2つのヒトESTを同定し、そしてCHS患者における これらのESTのうちの1つにおいて変異を記載した(Barbosaら、1996)。その後 、別のグループが最も大きいLYSTイソ型(LYST-I)のcDNA配列を発表し、そして CHSを伴う2人のさらなる患者のこの遺伝子における変異を同定した(Nagleら、 1996)。本明細書中で本発明者らは、ヒトLYSTの第2のイソ型の同定を記載する 。 このcDNA(LYST-IIと称する)は、マウスLYST-IIに相同である、1531アミノ酸の タンパク質をコードする。マウスLYST-IIのように、ヒトLYST-II mRNAは、予測 されるLYST-IIタンパク質のC末端をコードする、転写されたイントロンの不完 全なスプライシングおよび保持を介して生じる。マウスおよびヒトのLYST-II特 異的コドンは65%の予測されるアミノ酸同一性を共有する。しかし、停止コドン は、ヒトLYST-IIとマウスLYST-IIとの間で正確には保存されていない。マウスLY ST-IIの転写はC末端プレニル化モチーフ(CYSP)を含むと予測され、一方ヒトL YST-IIは、22コドン早く終結し、そしてこのモチーフを欠損すると予測される。 マウスLystの予測されるいくつかの構造特徴は、ヒトにおいて保存された。こ れらの最も注目すべき領域は、スタスミン(stathmin)に配列が類似する領域( アミノ酸376〜540)であった。マウスおよびヒトのLYSTが81%の全体のアミノ酸 同一性を有し、一方、スタスミン様ドメインにおける同一性は、92%(類似性は9 9%)であった。stathminは、微小管重合を調節し、細胞内シグナル伝達のための 中継として作用すると考えられる超螺旋リン酸タンパク質である(Sobel、1991 ;BelmontおよびMitchison、1996)。LYSTのこの領域は、超螺旋タンパク質相互 作用ドメインをコードし得、そして微小管媒介性リソソーム輸送を調節し得る。 興味深いことに、微小管動態における欠損は、以前にCHSにおいて証明され(Oli verら、1975)、そして無傷の微小管はリソソーム形態学および輸送を維持する ために必要とされる(MatteoniおよびKreis、1987;Swansonら、1987;Swanson ら、1992;OkaおよびWeigel、1983)。 ヒトとマウスとの間で保存されるLYSTの他の推定の構造特徴は、そのN末端に プロテインキナーゼC-リン酸化シグナルまたはカゼインキナーゼII-リン酸化シ グナルを有する、予測される螺旋のいくつかの対である。これらの螺旋の束は、 スタスミンに類似するシグナル導入機能を有すると仮設されてきた。保存された リン酸化部位は、LYSTと他の分子との間のリン酸化を介する相互作用を影響する と仮設されてきた(螺旋の束のコンホメーションシフトに依存する)。ヒトとマ ウスとの間のこれらの特徴の保存性は、それらの生物学的関連性に対する信頼性 を導く。 CHSについてのLYSTの候補性を評価するために、LYST配列のセグメントをヒト ゲノムにおいてマッピングした。CHS遺伝子座は、最近、bg遺伝子座を含むマウ ス染色体13領域とヒト染色体1q42-q43との間の連鎖保存(Beguez-Cesar、1943) に基づいて予測された結果、ヒト染色体1q42-43に割り当てられた(Goodrichお よびHolcombe、1995;Barratら、1996;Fukaiら、1996)。DIS2680およびDIS163 は、それぞれ、CHS決定的領域のテロメア範囲におよびセントロメア範囲を表す ことが、以前に示されている(Barratら、1996)。ヒトLYSTは、このCHS決定的 領域にマップされた。CHS決定領域YACに対する全てのLYST PCRTM産物の局在はま た、LYST配列が密接に関連する遺伝子のセグメントからアセンブリされた可能性 を排除した。 ノーザンブロットは、12kb mRNA(LYST-Iに対応する)が、2人のCHS患者にお いて、その量が重篤に減少されていることを示した。しかし、4.4kdバンド(LYS T-IIに対応する)は、これらの患者からのmRNAにおいて正常な量で存在した。こ れらの結果は、少なくとも何人かの患者において、CHSはLYST-IIよりもLYST-Iに よりコードされるタンパク質の欠損により生じることを示唆する。この結果は、 以前のノーザンブロットが、顆粒細胞において主要なLYST mRNAは、LYST-IIであ り、一方LYST-Iは、これらの細胞において検出不可能かまたはわずかに検出可能 であるかのいずれかであった。顆粒細胞におけるリソソーム輸送の欠損は、CHS の臨床的特徴を説明するので(Griffiths、1996)、4.4kbのLYST-II mRNAが主要 な機能的重要性のある転写物を表すことが仮説されている。この情況において、 bg8j変異は、Lyst-II mRNAプロセッシングを影響しないようであるLyst-Iにおけ る未熟な停止コドンの生成を生じる(Perouら、1996a)ことを記すことは興味深 い。これらの結果は、LYST-I単独における欠損が、CHSを誘発し得、そしてLYST- II発現単独ではLYST-Iの欠損を補い得ないことを示唆する。 変異は、5人のCHS患者(このうちの2人は、以前に報告されている(Barbosa 、1996;Nagleら、1996)におけるLYSTのコードドメイン内に同定された。3人 のCHS(患者370、372、および373)における遺伝子障害は、未熟な終結を生じる CからTへの転移であった(それぞれ、Q1029X、R1104X、およびR50X)[Nagleら、 1996)。2人の他の患者は、未熟な終結を誘導するのコードドメインフレームシ フト変異を有した。このうちの1人である患者371は、コードドメインのヌクレ オ チド118でGの挿入を有し、コドン63での未熟な終結を導いた(Barbosaら、1996 )。対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド分析により、この変異がホモ接合性で あること、またはこの領域に対応するそのmRNAは他の対立遺伝子から産生されな いこと(ヘミ接合性)、のいずれかを示した。患者369は、コドン1030にて不未 熟な終結を生じる2つのヌクレオチド欠失についてのヘテロ接合性であった。興 味深いことに、今日までに同定されている全てのbg変異およびCHS変異は、短縮 型LYSTタンパク質を産生するかまたはLYSTタンパク質を産生しないかのいずれか であることが予測される(Barbosaら、1996;Nagleら、1996)。ファンコーニ貧 血(C型)とは異なり、短縮型LYSTタンパク質(これは、安定であってもなくて もよい)の長さとCHS患者における臨床的特徴または疾患重篤度との間の相関は ないようでる。しかし、患者369および373における他の変異体対立遺伝子が同定 されるまで、およびタンパク質レベルでの各変異の正確な影響が特徴づけられる まで、このような相関は不明確である。 異なる発生段階でのヒト組織におけるLYST-IおよびLYST-IIの転写の比較によ り、重複するが異なる発現パターンが示された。より小さなLYST mRNAイソ型の 発現の定量的評価は、全てのLYST転写物にハイブリダイズするプローブを用いて 得られる相対的ハイブリダイゼーション強度から、LYST-I特異的プローブを用い て得られる相対的ハイブリダイゼーション強度を引くことによって得られる。LY ST転写物は、胸腺、胎児胸腺、脾臓、および脳(扁桃体、後頭葉、被殻、および 脳下垂体を除く)において優性であった。LYST-IおよびLYST-IIの両方の転写物 は、後者の脳組織、末梢血白血球、および骨髄において豊富であった。小さなLY STイソ型のみが、いくつかの組織(心臓、胎児心臓、大動脈、甲状腺、唾液腺、 腎臓、肝臓、胎児肝臓、虫垂、肺、胎児肺、および胎児脳を含む)において発現 された。脳におけるLYST mRNAイソ型発現の発生パターンは、特に興味深い。な ぜなら、小さなLYSTイソ型のみが胎児脳において発現されたのに対して、最も大 きいイソ型(LYST-I)は、成人脳の多くの領域において優勢であったからである 。 要約すると、本発明者らは、ヒトCHSおよびbgマウスにおいて、同じ遺伝子が 変異されていることを示した。骨髄移植を行わないと、CHS患者は、感染および 悪性の幼児期において典型的に死亡する。類似の遺伝子障害を有するCHSの動物 モデルの存在は、この疾患について新規な治療を開発するための試みを補助する 。 5.5 実施例5 --マウスLystIのDNA配列 5.5.1 長いイソ型のcDNA配列(配列番号3) 5.5.2 短いイソ型のcDNA配列(配列番号5) 5.6 実施例6 --マウスLystIタンパク質の推定のアミノ酸配列 5.6.1 長いイソ型のペプチド配列(配列番号4) 5.6.2 短いイソ型のペプチド配列(配列番号6) 5.7 実施例7 --ヒトLYSTI遺伝子のDNA配列 5.7.1 長いイソ型のcDNA配列(配列番号7) 5.7.2 短いイソ型のcDNA配列(配列番号9) 5.8 実施例8 --ヒトLYSTIタンパク質の推定のアミノ酸配列 5.8.1 長いイソ型のペプチド配列(配列番号8) 5.8.2 短いイソ型のペプチド配列(配列番号10) 5.9 実施例9-- LYST2をコードするDNAセグメントの同定 Lyst2は、Lyst1(CH遺伝子)に類似するヒト遺伝子についてのサーチにおいて 同定された。マウスLyst1 cDNA配列を、Genbank配列と比較し、そして有意な類 似性(52%)が、Lyst1(Genbankアクセス番号U70015)とR17955との残基3275〜341 3の間に見られた。R17955は、ヒトにおいて発現される、特徴づけられていない2 92bpの長さの配列tagである。対応する部分長のcDNAクローン(番号32273)は、 Imageコンソーシアムから得られた。このcDNAクローンは、ヒト乳児脳のcDNAラ イブラリーに由来し、そして1979bpの長さであった。このクローンをヒトLYST2 と命名した。 5.10 実施例10 -- ヒトLYST2遺伝子のDNA配列 LYST2クローンを標準的な方法論を使用して配列決定した。DNA配列を以下に与 える(配列番号11): このDNA配列は、ヒトLYST2コードドメインの3'末端および3'非翻訳領域に対 応する。 5.11 実施例11 -- ヒトLYST2タンパク質のアミノ酸配列 配列番号11のDNAの翻訳は、以下に示すLYST2タンパク質(配列番号12)の推定 のアミノ酸配列を提供した: 予測されるヒトLYST2タンパク質のアミノ酸2〜140は、マウスおよびヒトLyst 1のアミノ酸3275〜3413と51.8%の配列同一性しか共有しなかった。LYST2のC末 端残基はLYST1に類似しないが、類似の予測される二次構造を有する:LYST1のこ の領域はWD反復を含み、そしてヘテロ三量体Gタンパク質のβサブユニットに類 似して、プロペラ様二次構造を想定すると予測される。LYST2の対応する領域は またWD反復を含み、そしてまたヘテロ三量体Gタンパク質のβサブユニットに配 列が類似する(グアニンヌクレオチド結合タンパク質βサブユニット様タンパク 質P49027に対して、30.4%の同一性(LYST2のアミノ酸285〜418)。さらに、マウ スLyst1およびヒトLYST2の停止コドンは、一致領域(matching region)からほ ぼ同じ距離を生じる。 5.12 実施例12 -- LYST2遺伝子の遺伝子マッピング ヒト-齧歯類体細胞ハイブリッドのサザンブロットハイブリダイゼーションに より、LYST2は、ヒト染色体13上に位置することが示された。これは、ヒト染色 体1上に位置するLYST1とは対照的である。Lyst2は、MspI制限酵素フラグメント 長多型を使用し、マウスにおいてクロスハイブリダイゼーションを行うことによ りマップされた。93匹の亜種間の(intersubspecific)戻し交雑[C57BL/6J-bgJ ×(C57BL/6J-bgJ×CAST/EiJ)F1]マウスからのDNAを使用する連鎖解析により、 Lyst2はマウス染色体3のD3Mit21とD3Mit22との間に位置することが示された。 このことは、マウス染色体13上に位置するLystとは対照的である。Lyst2プロー ブとハイブリダイズされたマウスDNAのパルスフィールドゲル電気泳動ブロット は、単一のバンドを示した。このことは、Lyst2が単一の遺伝子座であることを 示す。 5.13 実施例13 -- Lyst2遺伝子の発現解析 LYST2を用いるヒトおよびマウスの組織のノーザンブロットのハイブリダイゼ ーションにより、以下の発現パターンが示された:Lyst2は、マウス脳において 豊富に発現し、およびマウス腎臓において中程度に発現し、ならびにマウス心臓 、肺、骨格筋、および精巣において弱く発現する。Lyst2は、マウスの脾臓また は肝臓において発現されない。ノーザンブロットにおいて観察された最も大きな (および最も顕著な)バンドは、13.5kbの大きさであった(これは、最も大きな Lyst mRNAに非常に類似する)。6kbおよび5kbに対するさらなる転写物が、マ ウス脳RNAにおいて明らかであった。 選択されたヒト組織において、LYST2は、以下のように発現された:中程度の 発現が黒色腫細胞において観察され、弱い発現がHeLa細胞、結腸癌腫細胞におい て、ならびに脾臓、リンパ節、胸腺、および虫垂において発現された。末梢血白 血球、骨髄、胎児肝臓、肺癌腫、または白血病細胞株(K562、MOLT4、Raji、HL6 0)において、発現は検出されなかった。 主要な転写物はヒトRNAにおいて13kbの大きさであった。 要約すると、LYST2は、最も大きいLYST1 mRNAに類似の大きさであるようであ るが、発現の組織分布は、脳においてのみに豊富に発現され、非常に異なる。LY ST2は、lyst1の脳特異的ホモログであるようであり、脳内のリソソームおよび後 期エンドソームに対するタンパク質の輸送を調節するために機能し得る。 異なる発生段階でのヒト組織におけるLYST2 mRNAイソ型の相対的な量は、LYST 2 cDNAプローブを用いて、ポリ(A)+RNAドットブロットの連続的ハイブリダイゼ ーションにより試験された。ブロットにロードされたポリ(A)+RNAの定量は、8 つのハウスキーピング遺伝子(ホスホリパーゼ、リボソームタンパク質S9、チュ ーブリン、非常に塩基性である23kDタンパク質、グリセルアルデヒド三リン酸デ ヒドロゲナーゼ、ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ、 $-アクチン、およびユビキチン)に対して正規化し、異なる組織におけるLYST2 mRNAイソ型の相対的な量の評価を可能にした。 豊富なLYST2転写物は、全ての脳領域および腎臓において検出された。LYST2転 写物は、全ての発生段階においてこれらの領域において検出された。 5.14 実施例14 -- マウスLYST2 cDNAクローンの同定 マウス胚(性交後14.5日目)のcDNAライブラリーを、ヒトLYST2に対応するプ ローブを用いてハイブリダイズした。2つのクローンが単離され、そして配列決 定された。それらは、重複する配列(ヒトLYST2とのアラインメントによりアセ ンブリされた)を含み、2543bpのcDNA配列を表す。 5.15 実施例15 -- マウスLYST2遺伝子のDNA配列5.16 実施例16 --マウスLYST2タンパク質の推定のアミノ酸配列 マウスLyst2は、ヒトLYSTと98%の配列同一性を共有する。 本明細書において開示および請求される組成物および方法の全ては、本開示を 考慮すれば過度の実験を要することなくなされ、そして達成され得る。本発明の 組成物および方法は好ましい実施態様について記載されているが、本明細書中に 記載の組成物、方法、および方法の工程または方法の工程の順序が、本発明の概 念、精神、および範囲を逸脱することなく変更され得ることは当業者には明らか である。より詳細には、同じまたは同様の結果が達成されながら、化学的および 生理学的の両方に関連する特定の薬剤が、本明細書に記載の薬剤と置換され得る ことは明らかである。当業者に明らかであるこのような同様の置換および改変の 全ては、添付の請求の範囲により規定される本発明の精神、範囲、および概念の 範囲内であるようである。従って、特許を受けようとする独占的な権利は、以下 の請求の範囲に記載されるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/47 C07K 16/18 16/18 C12N 1/15 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 C12P 21/08 5/10 C12Q 1/68 A C12P 21/08 C12N 15/00 ZNAA C12Q 1/68 5/00 A (31)優先権主張番号 60/034,346 (32)優先日 平成8年12月23日(1996.12.23) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN, CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR ,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV, MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ, VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.精製した哺乳動物LYST1、Lyst1、LYST2、またはLyst2タンパク質。 2.前記タンパク質がマウスまたはヒトから単離される、請求項1に記載のタン パク質。 3.配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号 12、または配列番号14のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載のタンパク質。 4.LYST1、Lyst1、LYST2、またはLyst2タンパク質をコードする、精製した核酸 セグメント。 5.前記セグメントが、ヒトLYST1またはLYST2タンパク質、あるいはマウスLyst 1またはLyst2タンパク質をコードする、請求項4に記載の核酸セグメント。 6.配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号 12、または配列番号14のアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするとさらに定 義される、請求項4に記載の核酸セグメント。 7.配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号 11、または配列番号13の核酸配列、あるいはその相補物、あるいは配列番号1、 配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、または配列番 号13の配列にハイブリダイズする配列を含むとさらに定義される、請求項4に記 載の核酸セグメント。 8.RNAセグメントとしてさらに定義される、請求項4に記載の核酸セグメント 。 9.単離したLYST1、Lyst1、LYST2、またはLyst2遺伝子を含む、DNAセグメント 。 10.単離したLYST1、Lyst1、LYST2、またはLyst2遺伝子を含む、請求項9に記 載のDNAセグメント。 11.単離したヒトLYST1またはLYST2遺伝子、あるいは単離したマウスLyst1ま たはLyst2遺伝子を含む、請求項10に記載のDNAセグメント。 12.配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番 号12、または配列番号14からの連続するアミノ酸配列を含むタンパク質またはペ プチドをコードする、単離したヒトLYST1またはLYST2遺伝子、あるいはマウスLy st1またはLyst2遺伝子を含む、請求項11に記載のDNAセグメント。 13.配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番 号11、または配列番号13の連続する核酸配列を含む、単離したヒトLYST1またはL YST2遺伝子、あるいはマウスLyst1またはLyst2遺伝子を含む、請求項9に記載の DNAセグメント。 14.約15個から約50個のアミノ酸長のタンパク質をコードする、単離したヒト LYST1またはLYST2遺伝子、あるいはマウスLyst1またはLyst2遺伝子を含む、請求 項9に記載のDNAセグメント。 15.約50個から約150個のアミノ酸長のタンパク質をコードする、単離したヒ トLYST1またはLYST2遺伝子、あるいはマウスLyst1またはLyst2遺伝子を含む、請 求項9に記載のDNAセグメント。 16.約1185個のアミノ酸長のタンパク質をコードする、単離したヒトLYST1ま たはLYST2遺伝子、あるいはマウスLyst1またはLyst2遺伝子を含む、請求項9に 記載のDNAセグメント。 17.組換えベクターであるとさらに定義される、請求項9に記載のDNAセグメ ント。 18.組換えベクターpCHであるとさらに定義される、請求項17に記載のDNAセ グメント。 19.前記DNAがプロモーターに作動的に連結され、該プロモーターがDNAセグメ ントを発現する、請求項9に記載のDNAセグメント。 20.請求項9に記載のDNAセグメントを含む、組換え宿主細胞。 21.原核生物細胞であるとさらに定義される、請求項20に記載の組換え宿主 細胞。 22.細菌細胞であるとさらに定義される、請求項21に記載の組換え宿主細胞 。 23.真核生物細胞であるとさらに定義される、請求項20に記載の組換え宿主 細胞。 24.酵母細胞または動物細胞であるとさらに定義される、請求項23に記載の 組換え宿主細胞。 25.前記細胞が哺乳動物細胞である、請求項24に記載の組換え宿主細胞。 26.前記細胞がヒト細胞である、請求項25に記載の組換え宿主細胞。 27.前記DNAセグメントが組換えベクターにより細胞中に導入される、請求項 20に記載の組換え宿主細胞。 28.前記宿主細胞がDNAセグメントを発現してLYST1、Lyst1、LYST2、またはLy st2タンパク質またはペプチドを産生する、請求項20に記載の組換え宿主細胞 。 29.前記LYST1、Lyst1、LYST2、またはLyst2タンパク質またはペプチドが、配 列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、ま たは配列番号14からの連続するアミノ酸配列を含む、請求項28に記載の組換え 宿主細胞。 30.単離したヒトLYST1またはLYST2タンパク質、あるいはマウスLyst1またはL yst2タンパク質をコードするDNAセグメントを使用する方法であって、該方法が 以下の工程: (a)組換えベクターを調製する工程、ここでLYST1、Lyst1、LYST2、またはLyst2 をコードするDNAセグメントはプロモーターの制御下に位置する; (b)該組換えベクターを宿主細胞中に導入する工程; (c)該宿主細胞を、コードされたタンパク質またはペプチドを発現させるに有効 な条件下で、培養する工程;および (d)発現された該タンパク質またはペプチドを回収する工程 を包含する、方法。 31.以下のように特徴付けられた、単離した核酸セグメント: (a)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号1 1、または配列番号13の14個の連続するヌクレオチドと同じ配列を有するか、ま たは該14個の連続するヌクレオチドに相補的である、少なくとも14個の連続する ヌクレオチドからなる配列領域を含む核酸セグメント、または (b)標準的なハイブリダイゼーション条件下で、配列番号1、配列番号3、配列 番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、または配列番号13の核酸セグメ ント;またはその相補物にハイブリダイズする14個から約10,000個のヌクレオチ ド長の核酸セグメント。 32.配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番 号11、または配列番号13の14個の連続するヌクレオチドと同じ配列を有するか、 または該14個の連続するヌクレオチドに相補的である、少なくとも14個の連続す るヌクレオチドからなる配列領域を含むとさらに定義される、請求項31に記載 の核酸セグメント。 33.標準的なハイブリダイゼーション条件下で、配列番号1、配列番号3、配 列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、または配列番号13の核酸セグ メント、あるいはその相補物にハイブリダイズする14個から約10,000個のヌクレ オチド長の核酸セグメントを含むとさらに定義される、請求項31に記載の核酸 セグメント。 34.前記セグメントが少なくとも約20個のヌクレオチドの配列領域を含む;ま たは前記セグメントが約20個のヌクレオチド長である、請求項33に記載の核酸 セグメント。 35.前記セグメントが少なくとも約30個のヌクレオチドの配列領域を含む;ま たは前記セグメントが約30個のヌクレオチド長である、請求項34に記載の核酸 セグメント。 36.前記セグメントが少なくとも約50個のヌクレオチドの配列領域を含む;ま たは前記セグメントが約50個のヌクレオチド長である、請求項35に記載の核酸 セグメント。 37.前記セグメントが少なくとも約100個のヌクレオチドの配列領域を含む; または前記セグメントが約100個のヌクレオチド長である、請求項36に記載の 核酸セグメント。 38.前記セグメントが少なくとも約200個のヌクレオチドの配列領域を含む; または前記セグメントが約200個のヌクレオチド長である、請求項37に記載の 核酸セグメント。 39.前記セグメントが少なくとも約500個のヌクレオチドの配列領域を含む; または前記セグメントが約500個のヌクレオチド長である、請求項38に記載の 核酸セグメント。 40.前記セグメントが少なくとも約1000個のヌクレオチドの配列領域を含む; または前記セグメントが約1000個のヌクレオチド長である、請求項39に記載の 核酸セグメント。 41.前記セグメントが、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、 配列番号9、配列番号11、または配列番号13の配列領域を含む、請求項40に記 載の核酸セグメント。 42.前記セグメントが10,000塩基対長までである、請求項31に記載の核酸セ グメント。 43.前記セグメントが5,000塩基対長までである、請求項42に記載の核酸セ グメント。 44.前記セグメントが4,000塩基対長までである、請求項43に記載の核酸セ グメント。 45.前記セグメントが3,000塩基対長までである、請求項44に記載の核酸セ グメント。 46.前記セグメントが約3514塩基対長である、請求項45に記載の核酸セグメ ント。 47.LYST1、Lyst1、LYST2、またはLyst2タンパク質をコードする核酸配列を検 出するための方法であって、該方法が以下の工程: (a)LYST1、Lyst1、LYST2、またはLyst2タンパク質をコードすると考えられるサ ンプル核酸を得る工程; (b)該サンプル核酸と該タンパク質をコードする単離した核酸セグメントとを、 実質的に相補的な核酸をハイブリダイゼーションさせるに有効な条件下で接触さ せる工程、および (c)このように形成されたハイブリダイズした相補的な核酸を検出する工程 を包含する、方法。 48.前記接触されたサンプル核酸が細胞内に位置する、請求項47に記載の方 法。 49.前記サンプル核酸が接触前に細胞から分離される、請求項47に記載の方 法。 50.前記単離したタンパク質コード核酸セグメントが検出可能な標識を含み、 そしてハイブリダイズした相補的な核酸が該標識を検出することにより検出され る、請求項47に記載の方法。 51.適切な容器手段中に、単離したLYST1、Lyst1、LYST2、またはLyst2核酸セ グメントおよび検出試薬を含む、核酸検出キット。 52.前記検出試薬が前記核酸セグメントに連結されている検出可能な標識であ る、請求項51に記載の核酸検出キット。 53.制限酵素をさらに含む、請求項51に記載の核酸検出キット。 54.配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番 号12、または配列番号14の連続するアミノ酸配列を含むLYST1、Lyst1、LYST2、 またはLyst2タンパク質を含む、全細胞を含まないペプチド組成物。 55.配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番 号12、または配列番号14からの約15個から約50個のアミノ酸長配列を含むペプチ ドを含む、請求項54に記載の組成物。 56.配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番 号12、または配列番号14からの約50個から約150個のアミノ酸長配列を含むペプ チドを含む、請求項54に記載の組成物。 57.配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番 号12、または配列番号14からの約150個から約300個のアミノ酸長配列を含むペプ チドを含む、請求項54に記載の組成物。 58.前記タンパク質またはペプチドが組換えタンパク質またはペプチドである 、請求項54に記載の組成物。 59.LYST1、Lyst1、LYST2、またはLyst2タンパク質またはペプチドに結合する 精製した抗体。 60.前記抗体が検出可能な標識に結合されている、請求項59に記載の抗体。 61.前記抗体が放射性標識、蛍光発生標識、核磁気スピン共鳴標識、ビオチン 、または発色基質と接触させた際に呈色産物を生成する酵素に結合されている、 請求項60に記載の抗体。 62.前記抗体がアルカリフォスファターゼ、ヒドロゲンペルオキシダーゼ、ま たはグルコースオキシダーゼ酵素に連結されている、請求項61に記載の抗体。 63.前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項59に記載の抗体。 64.チェディアック−東症候群を診断するための方法であって、このような症 候群を罹患することが疑われる患者からの臨床サンプル中に存在するLyst1また はLYST1核酸セグメント、あるいはLyst1またはLYST1タンパク質またはペプチド を同定する工程を包含する、方法。 65.そのゲノム中にLYST1、Lyst1,LYST2、またはLyst2タンパク質またはペプ チドをコードするトランスジーンを組み込まれた、トランスジェニック動物。
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