JP2810629B2 - 光電子増倍管およびその組立方法 - Google Patents

光電子増倍管およびその組立方法

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JP2810629B2
JP2810629B2 JP18727894A JP18727894A JP2810629B2 JP 2810629 B2 JP2810629 B2 JP 2810629B2 JP 18727894 A JP18727894 A JP 18727894A JP 18727894 A JP18727894 A JP 18727894A JP 2810629 B2 JP2810629 B2 JP 2810629B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は入射光を光電変換して2
次電子増幅する光電子増倍管およびその組立方法に関
し、特に、集束電極を取り付ける構造および方法に特徴
を有する光電子増倍管およびその組立方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】光電子増倍管(PMT)は光入射に応じ
て光電面で電子を生成する。この電子は集束電極によっ
て第1ダイノードに収束され、2次電子増倍された後、
引き続く各ダイノードで2次電子放出が繰り返される。
最終ダイノードから放出された2次電子群は陽極(アノ
ード)において取り出される。
【0003】集束電極,各ダイノードおよびアノードは
インシュレータに取り付けられ、従来、一般的に図10
に示す構造の電極アセンブリとしてガラス管内部に保持
固定されている。同図(a)および(c)はこの電極ア
センブリの平面図を示しており,同図(b)は同図
(a)に示される電極アセンブリの側面図,同図(d)
は同図(c)に示される電極アセンブリのd−d線破断
断面図である。
【0004】集束電極1は止め金具2によってインシュ
レータ3に固定されている。インシュレータ3は左右2
枚で一対になっており、この一対のインシュレータ3間
に図示しない各ダイノードおよびアノードが挟持されて
いる。各インシュレータ3には止め金具2がハトメ4に
よってかしめられている。各止め金具2には突起部2a
が設けられており、かしめが終わった後に、この突起部
2aに集束電極1のスリット1aが挿入される。この状
態で、止め金具2の舌部2bと集束電極1の底面1bと
が溶接されている。また、集束電極1の周囲4か所には
等間隔でスプリング5が溶接されている。これら各スプ
リング5は、PMTの外囲器を構成するガラス管の内壁
に当接し、集束電極1をガラス管内部の中心に保持固定
する。
【0005】また、特開昭60−262341号公報に
示された光電子増倍管もある。同公報には、次の光電子
増倍管構造およびその組立方法が開示されている。
【0006】図11(a)はこの光電子増倍管に用いら
れるタブ11を示している。このタブ11の板厚は0.
25mmである。同図(b)および(c)はこの光電子
増倍管に用いられるインシュレータ12の横側面および
縦側面を示している。インシュレータ12にはタブ挿入
用スリット12aが設けられている。
【0007】図12はこの光電子増倍管の電極部組立方
法を示す工程断面図である。
【0008】まず、タブ11がB線に沿って直角に曲げ
られ、インシュレータ12のスリット12aに挿入され
る(図12(a)参照)。挿入後、ペンチ等によってタ
ブ11がC線に沿って曲げられ、タブ11がインシュレ
ータ12に固定される(同図(b)参照)。次に、イン
シュレータ12から突出するタブ11の突起部に、集束
電極13に設けられたスリットが挿入される。また、集
束電極13の内のりに設けられた穴にスプリング14が
挿入され、スプリング14の端部が集束電極13の内壁
に溶接される(同図(c)参照)。次に、タブ11がA
線に沿って曲げられ、タブ11の端部が集束電極13の
底面に当接される(同図(d)参照)。次に、タブ11
のこの端部が当接した集束電極13の底面に溶接される
(同図(e)参照)。この結果、インシュレータ12に
集束電極13が保持固定される。なお、同図には示して
いないが、一対のインシュレータ12間にはダイノード
およびアノードが挟持されている。
【0009】また、従来、図13に示す光電子増倍管も
ある。同図(a)はこの光電子増倍管の電極部の平面
図,同図(b)は同図(a)におけるb−b線破断断面
図,同図(c)は同図(b)におけるc−c線破断断面
図を示している。また、図14はこの光電子増倍管に使
用されている各部品を示している。
【0010】図14(a)はこの光電子増倍管に用いら
れる集束電極21の平面図を示しており、集束電極21
には4つの穴21aが設けられている。これら各穴21
aには同図(b)に示すステンレス棒22が挿入され、
ステンレス棒22の各フレヤー部22aと集束電極21
の底面とが溶接される。このステンレス棒22に同図
(c)に示すセラミックパイプ23が通され、このセラ
ミックパイプ23に同図(d)に示すセラミックスペー
サ24が通される。さらに、同図(e)に示すホルダー
25の穴25aにセラミックパイプ23が通される。こ
のホルダー25の4つの穴25aは集束電極21の4つ
の穴21aに対応して設けられている。これらスペーサ
24およびホルダー25は、セラミックパイプ23に交
互に通されて積層される。最後にワッシャ26がセラミ
ックパイプ23に通され、突出したステンレス棒22の
端部が強く潰されて偏平にされる。この結果、積層され
た各スペーサ24,ホルダー25および集束電極21が
相互に固定される。スペーサ24の中には、図13
(c)に示すように、セラミックパイプ23およびステ
ンレス棒22が同心円状に配置されている。なお、各ホ
ルダー25にはダイノード27が溶接されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の各光電子増倍管構造およびその組立方法には次の問
題があった。
【0012】図10に示す第1の従来の光電子増倍管に
おいては、インシュレータ3に集束電極1を固定するた
めの止め金具2およびハトメ4は、光電子増倍管の機能
上意味のないものである。従って、これら部品の採用は
材料費および組立工数を増加させる要因となっていた。
また、集束電極1の周囲4か所にスプリング5を等間隔
で溶接するのにも工数を要した。また、光電子増倍管は
集束電極と第1ダイノードとの相互位置関係が機能上重
要であるが、この第1の従来技術による光電子増倍管に
おいてはこの相互位置寸法に大きな誤差が生じやすい。
つまり、集束電極1はインシュレータ3に取り付けられ
た止め金具2に固定されており、また、第1ダイノード
はインシュレータ3に取り付けられている。従って、集
束電極1と第1ダイノードとの間の相互位置寸法には、
集束電極1と止め金具2との間の寸法誤差,止め金具2
とインシュレータ3との間の寸法誤差,およびインシュ
レータ3と第1ダイノードとの間の寸法誤差が累積され
る。また、集束電極1と止め金具2、および集束電極1
とスプリング5とはそれぞれ溶接で固定されており、こ
の第1の従来技術による光電子増倍管には溶接点が多
い。溶接点は酸化するため、光電面形成時にガラス管内
に供給されるアルカリ金属がこの溶接点に付着しやす
い。また、溶接点には溶接時に溶けて生じたバリが発生
しており、突起状になっているため、電界が集中しやす
い。このため、溶接点から電子が放出されやすく、放電
を誘起しやすい。この電子放出は光電子増倍管のダーク
電流等の不良要因になった。
【0013】図11および図12に示す第2の従来の光
電子増倍管においても、第1の従来技術と基本的に変わ
らない問題が生じる。つまり、第1の従来技術でハトメ
を曲げ潰す代わりに、この第2の従来技術においてはタ
ブ11を曲げるのに過ぎない。すなわち、タブ11は光
電子増倍管の機能上必要なものではなく、材料費および
組立工数を増加させる要因となっている。また、このタ
ブ11を曲げる工程は思うほど簡単なものではなく、ま
た、作業者によって曲げの度合いが異なり、電極アセン
ブリの組立寸法に違いが出てくる。しかも、集束電極1
3と第1ダイノードとはタブ11およびインシュレータ
12を介して固定されているため、集束電極13と第1
ダイノードとの間の相互位置寸法には誤差が加わりやす
い。また、この第2の従来の光電子増倍管においても、
集束電極13とタブ11、および集束電極13とスプリ
ング14とはそれぞれ溶接で固定されており、溶接点が
多い。従って、この第2の従来の光電子増倍管において
も、上記第1の従来例と同様に溶接点から電子が放出さ
れやすく、ダーク電流等が生じ易い。
【0014】図13および図14に示す第3の従来の光
電子増倍管においては、集束電極21からアノードに至
るまでの各ホルダー25に順に高電位が印加され、2次
電子放出された電子群がアノードに収集される。また、
集束電極21とステンレス棒22とは溶接されて電気的
に同電位になり、ステンレス棒22は低電位に保たれて
いる。このステンレス棒22は各ホルダー25を貫通し
ているため、アノードに近付くに連れ、ステンレス棒2
2とホルダー25との間には高い電圧が印加される。こ
のため、この第3の従来技術による光電子増倍管は耐圧
特性上好ましくない構造になっている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
を解消するためになされたもので、光入射によって光電
面に生じた電子を収集する集束電極と、この集束電極を
ガラスバルブ内部に保持するスプリングと、電子を集束
電極に形成された開口部を介して取り込んで2次電子増
幅する電子増倍部と、集束電極およびこの電子増倍部を
保持する支持部とを備えて構成された光電子増倍管にお
いて、上記支持部は、突出部と、この突出部の根元に設
けられた切り込みとを有し、上記スプリングは、集束電
極の開口部に対応して形成された開口部を有するスプリ
ング本体と、このスプリング本体の周囲の一部が曲げて
形成された弾性部と、突出部が挿入されて切り込みに係
合した挿入穴とを有し、上記集束電極は、この挿入穴か
ら突出した突出部に挿入されて突出部に嵌合した挿入穴
と、スプリング本体に当接して固着した底面とを有する
ことを特徴とするものである。
【0016】また、上記支持部は絶縁材料からなる複数
本の支柱からなり、上記電子増倍部はこの支柱にスペー
サを介して積層されたホルダーに固定され、上記突出部
は支柱の各端部に切り込みが形成されて構成され、上記
スプリング本体は円板状の金属板からなり、上記弾性部
はこの金属板の周囲にほぼ等間隔に設けられた複数の舌
部が曲げられて形成され、上記スプリングの挿入穴は突
出部の断面形状に相応して開けられ、支柱の一端部の切
り込みに係合しており、上記集束電極の挿入穴は突出部
に相応する位置に突出部の断面に相応する形状に開けら
れ、さらに、支柱の他端部の切り込みと係合する挿入穴
がスプリングの挿入穴と同じ形状および同じ位置に設け
られた円板状の金属板からなる第1の固定板と、支柱の
他端部の突起部と嵌合する挿入穴が集束電極の挿入穴と
同じ形状および同じ位置に設けられた円板状の金属板か
らなり、第1の固定板と固着された第2の固定板とを備
えたことを特徴とするものである。
【0017】また、電子増倍部を支持部に保持する第1
の工程と、支持部の突出部にスプリングの挿入穴を通す
第2の工程と、スプリングを動かしてスプリングの挿入
穴と支持部の切り込みとを係合させる第3の工程と、ス
プリングの挿入穴から突出する支持部の突出部に集束電
極の挿入穴を通す第4の工程と、集束電極の底面とスプ
リング本体とを固着する第5の工程とを備え、光電子増
倍管を組み立てるものである。
【0018】また、支柱の一端部の切り込みにスプリン
グの挿入穴を係合させる第1の工程と、スプリングの挿
入穴から突出する支柱の突出部に集束電極の挿入穴を通
す第2の工程と、集束電極の底面とスプリング本体とを
溶接する第3の工程と、支柱にスペーサを挿入する第4
の工程と、支柱に電子増倍部が溶接されたホルダーを挿
入する第5の工程と、これら第4の工程および第5の工
程を繰り返してホルダーをスペーサを介して積層する第
6の工程と、支柱にスペーサを介して第1の固定板を挿
入する第7の工程と、挿入した第1の固定板を動かして
第1の固定板の挿入穴と支柱の他端部の切り込みとを係
合させる第8の工程と、第1の固定板の挿入穴から突出
する支柱の突出部に第2の固定板の挿入穴を通す第9の
工程と、第1の固定板と第2の固定板とを固着する第1
0の工程とを備え、光電子増倍管を組み立てるものであ
る。
【0019】
【作用】スプリングの挿入穴が支持部の切り込みと係合
することにより、スプリングは垂直方向に動けなくな
り、集束電極の挿入穴が支持部の突出部に嵌合すること
により、集束電極は支持部に固定されて水平方向に動け
なくなる。従って、集束電極とスプリングとが固着され
ることにより、集束電極とスプリングとは相互に支持部
に堅固に固定し合う。
【0020】また、支持部を絶縁材料からなる支柱と
し、この支柱にスペーサを介してホルダーを積層し、こ
の支柱の一端部において、切り込みに係合したスプリン
グと突出部に挿入された集束電極とを固着し、支柱の他
端部において、切り込みに係合した第1の固定板と突出
部に挿入された第2の固定板とを固着することによって
も、集束電極とスプリングとは相互に支持部に堅固に固
定し合う。しかも、支持部は絶縁材料のみによって構成
されるため、支持部とホルダーとの間に高電界が印加さ
れることはない。
【0021】
【実施例】図1および図2は本発明の第1の実施例によ
る光電子増倍管の構造を示しており、各図における分図
(a)はこの光電子増倍管の平面図,各図における分図
(b)は各分図(a)のb−b線破断断面を示してい
る。ここで、各分図(b)は光電子増倍管の切断面が異
なっている点が相違しており、各切断面の破断方向は相
互に直交している。
【0022】光電子増倍管31はガラスバルブ32内部
に電極アセンブリが収納されて構成されている。この電
極アセンブリでは、セラミックからなる一対の各インシ
ュレータ33間に電子増倍部34が挟持されており、さ
らに、このインシュレータ33の頭部に集束電極35が
固定されている。集束電極35とインシュレータ33と
の間にはスプリング板36が挟まれて固定されている。
また、ガラスバルブ32の底部にはステム37が設けら
れており、このステム37を介して電子増倍部34に電
圧が供給され、また、電子増倍部34で検出された信号
が外部に取り出される。
【0023】集束電極35の底面中央には図3(a)の
平面図に示す角穴35aが設けられており、光電面に生
じた電子はこの角穴35aを通って電子増倍部34に導
かれる。また、集束電極35の底面には4つの挿入穴3
5bが設けられており、このうちの2つの挿入穴35b
は一部が角穴35aと重複している。この挿入穴35b
にはセラミックインシュレータ33の突起部33aが挿
入される。このため、挿入穴35bは、突起部33aに
相応する位置に突起部33aの断面に相応する四角形状
に開けられている。また、図3(b)に平面を示す円板
状の金属板からなるスプリング板36の底面中央にも、
角穴36bおよび挿入穴36bが設けられている。この
角穴36aおよび挿入穴36aは集束電極35に設けら
れた角穴35aおよび挿入穴35bに対応して設けられ
ているが、挿入穴36bは図における左右方向において
挿入穴35bよりも僅かにずれた位置に設けられてい
る。このずれは後述するインシュレータ33の切り込み
33bの深さに対応している。この挿入穴36bも突起
部33aの断面に相応する四角形状に開けられている
が、突起部33aに挿入し易くするため、左右方向の穴
開き寸法を若干大きめに開けてもよい。また、このスプ
リング板36の周囲4か所には弾性部36cが設けられ
ている。この弾性部36cは、円板状のスプリング板3
6の周囲にほぼ等間隔に設けられた4つの舌部が曲げら
れて形成されており、円板状スプリング板36の中心か
ら外方に向かう弾性力を有している。集束電極35は、
弾性部36cがガラスバルブ32の内壁に当接して生じ
る外方に向かうこの弾性力により、ガラスバルブ32の
内部の中心に保持固定されている。
【0024】図4はこのような本実施例による光電子増
倍管の電極部の組立方法を示している。
【0025】まず、ダイノードおよびアノードがインシ
ュレータ33間に挟持され、電子増倍部34が組み立て
られた後、スプリング板36の挿入穴36bがインシュ
レータ33の突起部33aに挿入される。この突起部3
3aはかぎ状になっており、突起部33aの根本部には
切り込み33bが一方向から形成されている。スプリン
グ板36が突起部33aに挿入された後、スプリング板
36は図の右方に切り込み33bの深さ分だけスライド
され、スプリング板36の挿入穴36bとインシュレー
タ33の切り込み33bとが係合される。次に、スプリ
ング板36がインシュレータ33に係合したこの状態
で、集束電極35の挿入穴35bがインシュレータ33
の突起部33aに挿入され、集束電極35がスプリング
板36上に載置される。次に、集束電極35の底面35
cとスプリング板36の底面36dとがこの状態で複数
箇所において溶接され、集束電極35がスプリング板3
6に固着される。
【0026】この集束電極35の挿入穴35bはスプリ
ング板36の板厚によってインシュレータ33の切り込
み33bには届かず、突起部33aの頭部と嵌まり合
う。従って、集束電極35がこの状態でスプリング板3
6に固着されることにより、スプリング板36は挿入穴
36bが切り込み33bに嵌まり込んだ位置に固定され
る。このため、スプリング板36の挿入穴36bは切り
込み33bから外れなくなり、スプリング板36は図に
おける左右方向に動けなくなる。また、集束電極35は
スプリング板36に固着されるために、突起部33aか
ら外れなくなり、図における上方に動くことができなく
なる。この結果、集束電極35およびスプリング板36
はインシュレータ33の頭部に相互に強力に固定される
ことになる。
【0027】このような本実施例による光電子増倍管に
よれば、部品点数が減少し、組立工数が削減される。し
かも、光電子増倍管の組立精度は高くなる。
【0028】図10に示した前述の第1の従来技術によ
る光電子増倍管と比較すると、この従来の光電子増倍管
において必要とされていた、2点の止め金具、2〜4点
のハトメ、および4点のスプリングの計8〜10点の部
品が、本実施例では1点のスプリング板36で済む。ま
た、図11および図12に示した前述の第2の従来技術
による光電子増倍管では、集束電極,インシュレータお
よび電子増倍部を除く電極部組み立て部品として、2点
のタブと4点のスプリングとの計6点の部品が必要とさ
れていた。しかし、本実施例ではこれら6点の部品の代
りに1点のスプリング板36で済む。従って、本実施例
によれば、部品点数が減少し、部品材料費の削減が可能
となる。
【0029】また、従来、浜松ホトニクス株式会社製、
型名R268の光電子増倍管の電極部組立には3.47
分、同社製型名R1104の光電子増倍管の電極部組立
には1.8分の時間が必要とされていた。また、前述の
第2の実施例による光電子増倍管の電極部組立において
は、タブ11をA,B,Cの各線に沿って曲げる3回の
加工が2枚のタブを合わせて合計6回もあり、電極部組
立に推定1.5〜2分の時間が必要とされるものと考え
られる。しかし、本実施例による光電子増倍管によれ
ば、このような曲げ加工は1回もなく、組立工数が削減
されるため、インシュレータ33,集束電極35および
スプリング板36の組立は数十秒(0.3〜0.4分)
で済む。
【0030】また、第1の従来技術による光電子増倍管
においては、集束電極1と止め金具2、および集束電極
1とスプリング5とが溶接で相互に固定されており、溶
接点は電極部で12か所程度あった。また、第2の従来
技術による光電子増倍管においては、タブ11と集束電
極13との溶接に、1枚のタブ当たり2か所の溶接点、
2枚のタブ11では計4か所の溶接点が必要とされる。
また、スプリング14と集束電極35との溶接に、1枚
のスプリング当たり2か所の溶接点、4枚のスプリング
14では計8か所の溶接点が必要とされる。よって、溶
接点の合計はやはり12点になる。しかし、本実施例で
は集束電極35とスプリング板36とが溶接されるだけ
であるため、電極部の溶接点は4か所で済む。このた
め、ダーク電流を生じる要因となる溶接点が減少し、光
電子増倍機能は向上する。
【0031】すなわち、本実施例による光電子増倍管
は、従来のものと比較し、部品点数,加工回数,溶接点
数および組立時間ともはるかに少ない。
【0032】また、光電子増倍管の機能上重要となる集
束電極と第1ダイノードとの相互位置関係は、前述の第
1の従来技術および第2の従来技術による光電子増倍管
においては、止め金具2またはタブ11とインシュレー
タとを介して決められていた。つまり、従来は電極部が
多くの部品から組み立てられているため、各部品間の組
立誤差が累積し、集束電極と第1ダイノードとの間の相
互位置は精度よく決まらなかった。しかし、本実施例に
よる光電子増倍管においては、集束電極35はインシュ
レータ33の突起部33aに対して直接位置決めされ、
従来のように止め金具やタブを介してインシュレータに
間接的に位置決めされる構造とは異なる。従って、電極
部組立の構成部品点数の減少と共に組立位置決め精度も
向上し、集束電極と第1ダイノードとの間の相互位置は
精度よく定まり、所望の光電子増倍機能が実現される。
【0033】また、上記実施例の説明においては、スプ
リング板36が周囲に4か所の弾性部36cを持ってい
る場合について説明したが、図5に平面および側面を示
す構成のスプリング板を用いてもよい。なお、同図にお
いて図3(b)と同一または相当する部分には同一符号
を付してその説明は省略する。同図(a)〜(c)に示
す各スプリング板36は、弾性部36cを設ける箇所お
よび位置が異なっているだけで、他の構成は図3(b)
に示されるスプリング板36と同じである。つまり、同
図(a)に示すスプリング板36は弾性部36cが3か
所に設けられている点が相違しており、同図(b),
(c)に示すスプリング板36は弾性部36cが4か
所,6か所に設けられている点が相違している。また、
これらの各スプリング板36では弾性部36cがガラス
バルブ32の軸方向に沿った縦方向に設けられている
が、同図(d)に示すスプリング板36では弾性部36
cがガラスバルブ32の軸方向と直交する横方向に2か
所設けられている。これらのいずれの弾性部36cも、
一枚の金属板の周囲に突出する舌部が曲げ加工されるこ
とによって形成されており、いずれのスプリング板36
も簡易に形成することが可能である。これら各スプリン
グ板36を用いて光電子増倍管を上記実施例のように組
み立てることにより、上記実施例と同様な効果が奏され
る。
【0034】次に、本発明の第2の実施例による光電子
増倍管について、図6を用いて説明する。
【0035】同図(a)は、この第2実施例による光電
子増倍管に用いられるスプリング板41の平面図であ
る。円形状の金属板からなるスプリング板41の中央部
には円形状の丸穴41aが設けられており、光電面から
放出された電子が電子増倍部へ導かれる開口部が形成さ
れている。この丸穴41aの周囲4か所にはインシュレ
ータ挿入用の略四角形状の挿入穴41bが設けられてい
る。なお、光電子増倍管のガラスバルブ内壁に電極組立
を保持固定する弾性部は同図に示していないが、図3
(b)または図5に示すいずれの弾性部をこのスプリン
グ板41の周囲に設けても良い。図6(b)はインシュ
レータ42の平面図およびA−A線破断断面図を示して
おり、一対の各インシュレータ42の間には図示しない
電子増倍部が挟持されている。このインシュレータ42
の頭部には突起部42aが設けられており、この突起部
42aの根元部には切り込み42bが両方から設けられ
ている。
【0036】まず、同図(a)に示すスプリング板41
の挿入穴41bがこの突起部42aに挿入され、インシ
ュレータ42の頭部にスプリング板41が同図(c)に
示すように載置される。各突起部42aは各挿入穴41
bに囲まれている。次に、この状態でスプリング板41
が同図(d)に示す矢示方向に回転される。この回転に
より、スプリング板41の各挿入穴41bの直線部41
b1は少なくとも一辺がインシュレータ42の各切り込み
42bに入り込んで係合する。ここで、挿入穴41bに
円弧部41b2を設けたが、挿入穴41bの開口形状は単
なる角状であってもよい。なお、同図(d)にはA−A
線破断断面に加えてB−B線破断断面も示されている。
【0037】次に、同図(e)に示す集束電極43のス
リット状の角穴43aがインシュレータ42の突起部4
2aに通される。各角穴43aは突起部42aに相応す
る位置に突起部42aの断面に相応する形状に開けられ
ている。この際、集束電極43の底面43bはスプリン
グ板41の板厚によって切り込み42bには届かず、ま
た、集束電極43の角穴43aは突起部42aの頭部と
嵌まり合う。従って、この状態で集束電極43の底面4
3bとスプリング板41の底面41dとが溶接されるこ
とにより、集束電極43はインシュレータ42の頭部に
固定され、また、この集束電極43に固着したスプリン
グ板41は回転しなくなる。つまり、集束電極43およ
びスプリング板41は、インシュレータ42の頭部にお
いて相互に堅固に固定し合う。
【0038】このような第2の実施例による光電子増倍
管においても上記の第1実施例と同様な効果が奏され
る。つまり、電極組立部の部品点数が削減すると共に、
組立工数が減少し、製品コストは低減される。また、溶
接箇所が減少するため、溶接点が原因となってダーク電
流を生じる懸念は減少される。また、集束電極43はイ
ンシュレータ42に対して直接位置決めされ、集束電極
43と第1ダイノードとの相互位置は精度よく決められ
る。
【0039】次に、本発明の第3の実施例による光電子
増倍管について、図7を用いて説明する。
【0040】同図(a)は、この第3実施例による光電
子増倍管に用いられる円形状の金属板からなるスプリン
グ板51の平面図である。スプリング板51の中央部に
は角穴51aが設けられており、光電面から放出された
電子はこの角穴51aを介して電子増倍部へ導かれる。
また、この角穴51aには突起部52aの断面に相応す
る四角形状のインシュレータ挿入穴51bが4か所に設
けられている。なお、光電子増倍管のガラスバルブ内壁
に電極組立を保持固定する弾性部は同図に示していない
が、図3(b)または図5に示すいずれの弾性部をこの
スプリング板51の周囲に設けても良い。図7(b)は
インシュレータ52の平面図およびA−A線破断断面図
を示しており、一対の各インシュレータ52の間には図
示しない電子増倍部が挟持されている。このインシュレ
ータ52の頭部には突起部52aが設けられており、各
突起部42aの根元部には外から内に向かう向きに切り
込み52bが設けられている。
【0041】まず、同図(a)に示すスプリング板51
の挿入穴51bが突起部52aに挿入され、インシュレ
ータ52の頭部にスプリング板51が同図(c)に示す
ように載置される。次に、この状態でスプリング板51
が同図(d)に示す矢示方向、つまり、インシュレータ
52の厚み方向にスライドされる。このスライドによ
り、スプリング板51の挿入穴51bはインシュレータ
52の各切り込み52bに入り込んで係合する。
【0042】次に、同図(e)に示す集束電極53のス
リット状の角穴53aがインシュレータ52の突起部5
2aに通される。角穴53aは突起部52aに相応する
位置に突起部52aの断面に相応する四角形状に開けら
れている。この際、集束電極53の底面53bはスプリ
ング板51の板厚によって切り込み52bには届かず、
また、集束電極53の角穴53aは突起部52aの頭部
と嵌まり合う。従って、この状態で集束電極53の底面
53bとスプリング板51の底面51cとが溶接される
ことにより、集束電極53はインシュレータ52の頭部
に固定され、また、この集束電極53に固着したスプリ
ング板51はスライドしなくなる。つまり、集束電極5
3およびスプリング板51は、インシュレータ52の頭
部において相互に堅固に固定し合う。
【0043】このような第3の実施例による光電子増倍
管においても上記の第1実施例と同様な効果が奏され
る。つまり、電極組立部の部品点数が削減すると共に、
組立工数が減少し、製品コストは低減される。また、溶
接箇所が減少するため、溶接点が原因となってダーク電
流を生じる懸念は減少される。また、集束電極53はイ
ンシュレータ52に対して直接位置決めされ、集束電極
53と第1ダイノードとの相互位置は精度よく決められ
る。
【0044】次に、本発明の第4の実施例による光電子
増倍管について説明する。
【0045】図8(a)はこの光電子増倍管の電極組立
部の平面図、同図(b)は同図(a)におけるb−b線
破断断面図、同図(c)は同図(b)におけるc−c線
破断断面図である。また、図9はこの光電子増倍管に使
用されている各部品を示している。
【0046】図9(a)はこの光電子増倍管に用いられ
る集束電極61の平面図,同図(b)はスプリング板6
2を示している。これら集束電極61およびスプリング
板62にはそれぞれ4つの角穴61aおよび62aが設
けられているが、スプリング板62の角穴62aは集束
電極61の角穴61aに対して図示のように僅かにずれ
ている。なお、図8および図9に示すスプリング板62
には光電子増倍管のガラスバルブ内壁に当接するスプリ
ング部分が図示されていないが、このスプリング板62
にも図3(b)や図5に示す第1実施例による光電子増
倍管と同様な弾性部が設けられる。また、同図(c)は
セラミック製の支柱63を示しており、この支柱63の
上下には軸方向に直交する方向にスリット63aが設け
られている。このスリット63aが設けられることによ
って端部63bが突出部として構成される。支柱63が
角柱になっているのは、セラミックをプレス加工で成型
する際、円柱ではスリットを入れるのが困難だからであ
る。この第4実施例による光電子増倍管の電極部組立は
次のように行われる。
【0047】まず、スプリング板62aの4つの各角穴
62aに4本の各支柱63の一端部が挿入され、各支柱
63が僅かにスライドされて各角穴62aと各スリット
63aとが係合される。各角穴62aは端部63bの断
面に相応する形状に開けられている。次に、このスプリ
ング板62の各角穴62aから突出する各支柱63の端
部63bに集束電極61の各角穴61aが挿入され、ス
プリング板62上に集束電極61が載置される。各角穴
61aは各端部63bに相応する位置に各端部63bの
断面に相応する形状に開けられている。次に、この状態
で集束電極61の底面61bとスプリング板62の底面
62bとが溶接され、集束電極61とスプリング板62
とが固着される。集束電極61の角穴61aは支柱63
の端部63bと嵌まり合うため、集束電極61は水平方
向に動くことはできない。また、スプリング板62の角
穴62aが支柱63のスリット63aと係合した状態で
このスプリング板62と集束電極61とが固着されるた
め、集束電極61は垂直方向に動くことができなくな
る。一方、スプリング板62もまた、これに固着した集
束電極61が支柱63の端部63bに固定されているた
め、水平方向に動くことはできず、また、スプリング板
62自体がスリット63aに係合しているため、垂直方
向に動くこともできない。つまり、支柱63の頭部にお
いて、集束電極61とスプリング板62とが相互に堅固
に固定し合う。
【0048】次に、各支柱63に図9(d)に示す円筒
状のセラミックスペーサ64が挿入される。その後、図
9(e)に示すホルダー65に開けられた4つの各丸穴
65aに各支柱63が挿入される。さらに、セラミック
スペーサ64およびホルダー65が順に交互に積層され
る。この時、支柱部の断面は、図8(c)に示すよう
に、セラミックスペーサ64の内壁に支柱63の4つの
各角が内接する。また、各ホルダー65にはダイノード
66が図8(b)に示すように既に溶接されている。最
後に、スプリングワッシャ67が各支柱63に挿入され
る。このスプリングワッシャ67は、スペーサ64の持
つ寸法誤差が累積すると組立誤差が大きくなるため、こ
の誤差を吸収するために用いられている。その後、第1
の固定部品68の各角穴が各支柱63の他端部に挿入さ
れる。この第1の固定部品68は図9(b)に示すスプ
リング板62と同形状の円板状金属板からなり、各角穴
はスプリング板62の各角穴62aと同じ位置に設けら
れている。ただし、その周囲にはスプリング機能を果た
す弾性部は設けられていない。この第1の固定部品68
は上記と同様に僅かにスライドされ、第1の固定部品6
8の各角穴とスリット63aとが係合される。その後、
さらに、第2の固定部品69に設けられた4つの各角穴
に各支柱63が通され、この状態で第1の固定部品68
と第2の固定部品69とが溶接される。この第2の固定
部品69は、図9(a)に示す集束電極61の周囲の側
壁を無くした平らな円板状金属板からなり、集束電極6
1と同じ位置関係で各穴が形成されている。従って、こ
の溶接により、第1の固定部品68と第2の固定部品6
9とは、集束電極61とスプリング板62と同様な関係
で相互に堅固に固定し合う。
【0049】このような第4の実施例による光電子増倍
管においては次の効果が奏される。つまり、図13に示
す第3の従来技術による光電子増倍管においては、セラ
ミックパイプ23の中にステンレス棒22を通し、この
ステンレス棒22の端部を潰して集束電極21と各ホル
ダー25とを固定していた。しかし、本実施例ではステ
ンレス棒22を使用しない構造であるので、電極組立部
の部品点数が削減し、材料費が低減される。また、ステ
ンレス棒22の端部を潰して固定すると、潰された棒端
部の肉厚は薄くなり、集束電極21とホルダー25との
固定は信頼性に欠けた。しかし、本実施例では第1の固
定部品68と第2の固定部品69とが溶接で固定される
ため、確実に固定される。また、第3の従来技術による
光電子増倍管では、ステンレス棒22とホルダー25と
の間に高い電圧が印加され、耐圧特性が問題になった
が、この第4実施例では絶縁性セラミックからなる支柱
63に集束電極61および各ホルダー65が固定されて
いるため、従来の耐圧特性の問題は生じない。また、集
束電極61は支柱63の端部63bに対して直接位置決
めされるため、集束電極61と第1ダイノードとの相互
位置は精度よく決められる。また、従来のように集束電
極61にスプリング板を溶接する必要はなく、溶接箇所
は減少するため、溶接点が原因となってダーク電流を生
じる懸念は減少される。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ス
プリングの挿入穴が支持部の切り込みと係合することに
より、スプリングは垂直方向に動けなくなり、集束電極
の挿入穴が支持部の突出部に嵌合することにより、集束
電極は支持部に固定されて水平方向に動けなくなる。従
って、集束電極とスプリングとが固着されることによ
り、集束電極とスプリングとは相互に支持部に堅固に固
定し合う。このため、光電子増倍管は、従来のものと比
較し、部品点数,加工回数,溶接点数および組立時間と
もはるかに少なくて済むようになる。また、光電子増倍
管の機能上重要となる集束電極と第1ダイノードとの相
互位置関係は精度よく定まり、所望の光電子増倍機能が
実現される。また、溶接点が減少してダーク電流が抑制
され、光電子増倍管の光検出機能が向上する。
【0051】また、支持部を絶縁材料からなる支柱と
し、この支柱にスペーサを介してホルダーを積層し、こ
の支柱の一端部において、切り込みに係合したスプリン
グと突出部に挿入された集束電極とを固着し、支柱の他
端部において、切り込みに係合した第1の固定板と突出
部に挿入された第2の固定板とを固着することによって
も、集束電極とスプリングとは相互に支持部に堅固に固
定し合う。しかも、支持部は絶縁材料のみによって構成
されるため、支持部とホルダーとの間に高電界が印加さ
れることはない。このため、光電子増倍管の部品点数お
よび組立工数が少なくて済み、さらに、集束電極と第1
ダイノードとの相互位置関係が精度よく定まるばかりで
なく、光電子増倍管の耐圧特性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による光電子増倍管の平
面図および一部破断断面図である。
【図2】第1の実施例による光電子増倍管の平面図およ
び断面図である。
【図3】第1の実施例による光電子増倍管に用いられる
集束電極およびスプリング板の各平面図である。
【図4】第1の実施例による光電子増倍管の組み立て方
法を説明する図である。
【図5】第1の実施例に用いられるスプリング板の他の
例を示す平面図および側面図である。
【図6】本発明の第2の実施例による光電子増倍管およ
びその組み立て方法を示す平面図および断面図である。
【図7】本発明の第3の実施例による光電子増倍管およ
びその組み立て方法を示す平面図および断面図である。
【図8】本発明の第4の実施例による光電子増倍管を示
す平面図および断面図である。
【図9】第4の実施例による光電子増倍管に用いられる
各部品を示す図である。
【図10】第1の従来技術による光電子増倍管を示す図
である。
【図11】第2の従来技術による光電子増倍管に用いら
れる各部品を示す図である。
【図12】第2の従来技術による光電子増倍管の組み立
て方法を示す図である。
【図13】第3の従来技術による光電子増倍管を示す図
である。
【図14】第3の従来技術による光電子増倍管に用いら
れる各部品を示す図である。
【符号の説明】
31…光電子増倍管、32…ガラスバルブ、33…イン
シュレータ、33a…突起部、33b…切り込み、34
…電子増倍部、35…集束電極、35a…集束電極35
の角穴、35b…集束電極35の挿入穴、35c…集束
電極35の底面、36…スプリング板、36a…スプリ
ング板36の角穴、36b…スプリング板36の挿入
穴、36c…スプリング板36の弾性部、36d…スプ
リング板36の底面、37…ステム。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−262341(JP,A) 特開 昭60−262340(JP,A) 特開 平5−325878(JP,A) 実開 昭49−854(JP,U) 特公 昭41−1485(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 43/00 - 43/30 H01J 9/00 - 9/18

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光入射によって光電面に生じた電子を収
    集する集束電極と、この集束電極をガラスバルブ内部に
    保持するスプリングと、前記電子を前記集束電極に形成
    された開口部を介して取り込んで2次電子増幅する電子
    増倍部と、前記集束電極およびこの電子増倍部を保持す
    る支持部とを備えて構成された光電子増倍管において、 前記支持部は、突出部と、この突出部の根元に設けられ
    た切り込みとを有し、 前記スプリングは、前記集束電極の開口部に対応して形
    成された開口部を有するスプリング本体と、このスプリ
    ング本体の周囲の一部が曲げて形成された弾性部と、前
    記突出部が挿入されて前記切り込みに係合した挿入穴と
    を有し、 前記集束電極は、この挿入穴から突出した前記突出部に
    挿入されて前記突出部に嵌合した挿入穴と、前記スプリ
    ング本体に当接して固着した底面とを有することを特徴
    とする光電子増倍管。
  2. 【請求項2】 前記支持部は一対の絶縁板からなり、前
    記電子増倍部はこれら絶縁板間に挟持され、前記突出部
    はこの絶縁板の端部に突出した前記絶縁板の一部によっ
    て形成され、前記切り込みは前記突出部の根元に一方向
    から設けられ、 前記スプリング本体は円板状の金属板からなり、前記弾
    性部はこの金属板の周囲にほぼ等間隔に設けられた複数
    の舌部が曲げられて形成され、前記スプリングの挿入穴
    は前記突出部の断面に相応する形状に開けられ、前記一
    方向にスライドして前記切り込みに係合しており、 前記集束電極の挿入穴は前記突出部に相応する位置に前
    記突出部の断面に相応する形状に開けられていることを
    特徴とする請求項1記載の光電子増倍管。
  3. 【請求項3】 前記支持部は一対の絶縁板からなり、前
    記電子増倍部はこれら絶縁板間に挟持され、前記突出部
    はこの絶縁板の端部に突出した前記絶縁板の一部によっ
    て形成され、前記切り込みは前記突出部の根元に両方向
    から設けられ、 前記スプリング本体は円板状の金属板からなり、前記ス
    プリング本体の開口部は円形状に開けられ、前記弾性部
    は前記金属板の周囲にほぼ等間隔に設けられた複数の舌
    部が曲げられて形成され、前記スプリングの挿入穴は前
    記突出部を囲む略四角形状に開けられ、前記スプリング
    本体が回転してこの略四角形状挿入穴の少なくとも一辺
    が前記切り込みに係合しており、 前記集束電極の挿入穴は前記突出部に相応する位置に前
    記突出部の断面に相応する形状に開けられていることを
    特徴とする請求項1記載の光電子増倍管。
  4. 【請求項4】 前記支持部は一対の絶縁板からなり、前
    記電子増倍部はこれら絶縁板間に挟持され、前記突出部
    はこの絶縁板の端部に突出した前記絶縁板の一部によっ
    て形成され、 前記スプリング本体は円板状の金属板からなり、前記弾
    性部はこの金属板の周囲にほぼ等間隔に設けられた複数
    の舌部が曲げられて形成され、前記スプリングの挿入穴
    は前記突出部の断面に相応する形状に開けられ、前記絶
    縁板の厚み方向にスライドして前記切り込みに係合して
    おり、 前記集束電極の挿入穴は前記突出部に相応する位置に前
    記突出部の断面に相応する形状に開けられていることを
    特徴とする請求項1記載の光電子増倍管。
  5. 【請求項5】 前記支持部は絶縁材料からなる複数本の
    支柱からなり、前記電子増倍部はこの支柱にスペーサを
    介して積層されたホルダーに固定され、前記突出部は前
    記支柱の各端部に切り込みが形成されて構成され、 前記スプリング本体は円板状の金属板からなり、前記弾
    性部はこの金属板の周囲にほぼ等間隔に設けられた複数
    の舌部が曲げられて形成され、前記スプリングの挿入穴
    は前記突出部の断面形状に相応して開けられ、前記支柱
    の一端部の前記切り込みに係合しており、 前記集束電極の挿入穴は前記突出部に相応する位置に前
    記突出部の断面に相応する形状に開けられ、 さらに、 前記支柱の他端部の前記切り込みと係合する挿入穴が前
    記スプリングの挿入穴と同じ形状および同じ位置に設け
    られた円板状の金属板からなる第1の固定板と、 前記支柱の他端部の前記突起部と嵌合する挿入穴が前記
    集束電極の挿入穴と同じ形状および同じ位置に設けられ
    た円板状の金属板からなり、前記第1の固定板と固着さ
    れた第2の固定板とを備えたことを特徴とする請求項1
    記載の光電子増倍管。
  6. 【請求項6】 前記電子増倍部を前記支持部に保持する
    第1の工程と、前記支持部の突出部に前記スプリングの
    挿入穴を通す第2の工程と、前記スプリングを動かして
    前記スプリングの挿入穴と前記支持部の切り込みとを係
    合させる第3の工程と、前記スプリングの挿入穴から突
    出する前記支持部の突出部に前記集束電極の挿入穴を通
    す第4の工程と、前記集束電極の底面と前記スプリング
    本体とを固着する第5の工程とを備え、請求項1に記載
    された光電子増倍管を組み立てる光電子増倍管の組立方
    法。
  7. 【請求項7】 前記電子増倍部を前記絶縁板に挟持する
    第1の工程と、前記支持部の突出部に前記スプリングの
    挿入穴を通す第2の工程と、前記スプリングを前記一方
    向にスライドして前記スプリングの挿入穴と前記支持部
    の切り込みとを係合させる第3の工程と、前記スプリン
    グの挿入穴から突出する前記支持部の突出部に前記集束
    電極の挿入穴を通す第4の工程と、前記集束電極の底面
    と前記スプリング本体とを固着する第5の工程とを備
    え、請求項2に記載された光電子増倍管を組み立てる光
    電子増倍管の組立方法。
  8. 【請求項8】 前記電子増倍部を前記絶縁板に挟持する
    第1の工程と、前記支持部の突出部に前記スプリングの
    挿入穴を通す第2の工程と、前記スプリングを回転して
    前記スプリングの挿入穴の一辺と前記支持部の切り込み
    とを係合させる第3の工程と、前記スプリングの挿入穴
    から突出する前記支持部の突出部に前記集束電極の挿入
    穴を通す第4の工程と、前記集束電極の底面と前記スプ
    リング本体とを固着する第5の工程とを備え、請求項3
    に記載された光電子増倍管を組み立てる光電子増倍管の
    組立方法。
  9. 【請求項9】 前記電子増倍部を前記絶縁板に挟持する
    第1の工程と、前記支持部の突出部に前記スプリングの
    挿入穴を通す第2の工程と、前記スプリングを前記絶縁
    板の厚み方向にスライドして前記スプリングの挿入穴と
    前記支持部の切り込みとを係合させる第3の工程と、前
    記スプリングの挿入穴から突出する前記支持部の突出部
    に前記集束電極の挿入穴を通す第4の工程と、前記集束
    電極の底面と前記スプリング本体とを固着する第5の工
    程とを備え、請求項4に記載された光電子増倍管を組み
    立てる光電子増倍管の組立方法。
  10. 【請求項10】 前記支柱の一端部の切り込みに前記ス
    プリングの挿入穴を係合させる第1の工程と、前記スプ
    リングの挿入穴から突出する前記支柱の突出部に前記集
    束電極の挿入穴を通す第2の工程と、前記集束電極の底
    面と前記スプリング本体とを溶接する第3の工程と、前
    記支柱に前記スペーサを挿入する第4の工程と、前記支
    柱に前記電子増倍部が溶接された前記ホルダーを挿入す
    る第5の工程と、これら第4の工程および第5の工程を
    繰り返して前記ホルダーを前記スペーサを介して積層す
    る第6の工程と、前記支柱に前記スペーサを介して前記
    第1の固定板を挿入する第7の工程と、挿入した前記第
    1の固定板を動かして前記第1の固定板の挿入穴と前記
    支柱の他端部の切り込みとを係合させる第8の工程と、
    前記第1の固定板の挿入穴から突出する前記支柱の突出
    部に前記第2の固定板の挿入穴を通す第9の工程と、前
    記第1の固定板と前記第2の固定板とを固着する第10
    の工程とを備え、請求項5に記載された光電子増倍管を
    組み立てる光電子増倍管の組立方法。
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