JP3157856B2 - 陰極線管用電子銃 - Google Patents

陰極線管用電子銃

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JP3157856B2
JP3157856B2 JP17920291A JP17920291A JP3157856B2 JP 3157856 B2 JP3157856 B2 JP 3157856B2 JP 17920291 A JP17920291 A JP 17920291A JP 17920291 A JP17920291 A JP 17920291A JP 3157856 B2 JP3157856 B2 JP 3157856B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、陰極線管用電子銃に
係り、特に高精度組立てが可能な大口径電子レンズを有
する陰極線管用電子銃に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に陰極線管は、図3に示すように、
外囲器1のフェースプレート2内面に蛍光体スクリーン
3が形成され、外囲器1のネック4内に配設された電子
銃5から放出される電子ビーム6を外囲器1の外側に装
着された偏向ヨーク7の発生する磁界により偏向して、
上記蛍光体スクリーン3を水平、垂直走査することによ
り、画像を表示する構造に形成されている。特にカラー
受像管については、蛍光体スクリーン3に対向して、そ
の内側に多数の電子ビーム通過孔の形成されたシャドウ
マスク8が装着され、一方電子銃5を3電子ビームを放
出する電子銃として、この電子銃5から放出される電子
ビーム6をシャドウマスク8の電子ビーム通過孔により
選別して、蛍光体スクリーン3を構成する3色蛍光体層
をランディングさせることにより、画像を表示する構造
に形成されている。
【0003】上記電子銃には、各種構造のものがある
が、一般にカソードおよびこのカソードからの電子放射
を制御し、かつ放射された電子を集束して電子ビームを
形成する複数の電極からなる電子ビーム形成部と、この
電子ビーム形成部から放出される電子ビームを蛍光体ス
クリーン3上に集束する複数の電極からなる主電子レン
ズ部とを有する。
【0004】ところで、上記蛍光体スクリーン上に描か
れる画像を良好にするためには、蛍光体スクリーン上の
電子ビームのビームスポットを小さくすることが必要で
ある。そのためには、電子レンズ、特に主電子レンズ部
のレンズ性能を良好にすることが必要である。この主電
子レンズ部のレンズ性能を向上させる手段として、従来
よりレンズ口径を大きくして大口径電子レンズとすると
よいことが知られている。
【0005】その大口径電子レンズを有する電子銃とし
て、特公昭57−18665号公報には、図4(a)お
よび(b)に示すように、主電子レンズ部を形成するカ
ソード側電極の口径をネック内径に極力近付けるように
大きくし、蛍光体スクリーン側の電極口径をそれよりも
小さくした構造のものが示されている。すなわち、図4
(a)に示す主電子レンズ部については、大径のカソー
ド側電極10と小径の蛍光体スクリーン側電極11とをセラ
ミック12からなる絶縁支持部材を介して固定している。
また同(b)に示す主電子レンズ部については、その大
径のカソード側電極10と小径の蛍光体スクリーン側電極
11とをビードガラス13からなる絶縁支持部材により固定
している。
【0006】しかし、上記のように主電子レンズ部を構
成すると、両電極10,11をセラミック12を介して固定す
るものについては、 (イ) 高電圧が印加されるカラー受像管などの場合、
耐電圧が不十分となり、絶縁破壊を引起こす。
【0007】(ロ) 加工の難しいセラミックを高精度
に加工しなければならず、経済的に問題となる。
【0008】(ハ) セラミック12に電極10,11を固定
するためにストッパー14a ,14b を用いなければなら
ず、組立てが難しい。
【0009】(ニ) セラミック12からの吸蔵ガスが放
出される。
【0010】などの問題がある。
【0011】また、両電極10,11をビードガラス13によ
り固定するものについては、通常の電子銃の組立てのよ
うに、ビードガラスを片側から加熱溶融して電極の支持
片に融着させる方法では組立てることが困難である。ま
た他に適当な組立て方法がない。
【0012】このような電子銃に対して、特公昭58−
31696号公報には、組立て可能な電子銃として、図
5に示すように、極力大径にした第2陽極(第5グリッ
ド)16のカソードK側端部を小径にして、この小径部分
に設けられた支持片17を絶縁支持部材18に融着させて支
持させ、一方、第1陽極(第4グリッド)19を2分割し
て、大径部20のカソードK側に第2陽極16の小径部分と
接触することなく貫通する小径のネック部21を形成し、
電子銃組立て時に、そのネック部21でカソードK側部分
22と接続する構造のものが示されている。
【0013】しかし、この構造では、2分割部分の接続
にともなう精度低下や組立ての困難さが十分に解消され
ない。
【0014】この電子銃の改良構造として、特公平2−
16537号公報には、図6に示すように、極力大径に
した第2陽極(第4グリッド)16のカソードK側端部の
一部を内側に陷入させて陷入部24を形成し、電子銃の組
立てる際に、図7に示すように、第1陽極(第3グリッ
ド)19を第2陽極16に対して適当な角度θ回転させて挿
入することにより、第1陽極19の支持片25と第2陽極16
の陷入部24との接触を避け、挿入後、角度θを元に戻し
て第1陽極19の支持片25と第2陽極16の支持片17を同一
平面上に位置させ、絶縁支持部材18に融着させて固定す
る構造のものが示されている。図8(a)および(b)
は、それぞれ第2陽極16の異なる陷入部24の構造であ
る。
【0015】しかし、いずれにしてもこの例の構造で
は、組立ての際、第1陽極19と第2陽極16とを相対的に
角度θ回転させて挿入し、挿入後元に戻す必要があるた
め、依然として組立てが繁雑であり、量産性に欠ける。
特に図8(a)のような構造では、機械的強度が弱く、
実用性に問題がある。また図8(b)のような構造で
は、図5に示した電子銃と同様に2分割部分の接続にと
もなう精度低下や組立ての困難さが十分に解消されな
い。
【0016】さらに、このような大径の電極(第1陽極
19)とこの電極を包囲するもう一つの大径の電極(第2
陽極16)とにより大口径電子レンズを形成する場合は、
両電極ともかなり長い電極となるため、これら電極は、
きわめて強固に支持固定することが必要である。しか
し、上記電子銃では、第1陽極19の支持片25と第2陽極
16の支持片17とは、同一平面上かつ電子銃の軸方向に離
れて位置させて、絶縁支持部材18により支持固定する構
造であるため、第2陽極16の支持を強固にしようとする
と、必然的にこの第2陽極16のカソードK側部分が長く
なる。しかし、このように第2陽極16のカソードK側部
分が長くなると、耐電圧上、第1陽極19の支持片25をカ
ソードK側に移動しなければならず、その結果、この第
1陽極19と隣接する第2グリッド26との耐電圧が問題と
なり、またこの第1陽極19に支持片25からの蛍光体スク
リーン側の長さが長くなり、強固な支持固定ができなく
なる。特にこの第1陽極19の支持固定が強固でなく、そ
のために蛍光体スクリーン側部分が動くと、電子レンズ
の軸が動くばかりでなく、第1陽極19の蛍光体スクリー
ン側の大径部分27と第2陽極16の大径部分28との間のわ
ずかな隙間がさらに狭くなり、耐電圧不良が発生する
かりでなく、第1陽極19と第2陽極16との短絡という致
命的な欠陥を引起こすことになる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来よ
り電子銃の電子レンズ性能を向上させるために、その主
電子レンズ部を大口径電子レンズとし、この大口径電子
レンズを大径の第1電極とこの第1電極の大径部分を包
囲するもう一つの大径の第2電極とにより形成したもの
がある。しかし、従来の大口径電子レンズは、組立てが
困難であったりあるいは繁雑であり、また高精度の組立
てが困難であるなどの問題がある。また、両電極を強固
に支持固定することが難しく、耐電圧や両電極の接触に
よる短絡などの問題がおこる。
【0018】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであり、大径の第1電極とこの第1電極の
大径部分を包囲するもう一つの大径の第2電極とにより
形成される大口径電子レンズを有する電子銃において、
その電子銃の組立てが容易で量産性に富み、かつその電
極の支持固定が強固で高精度の組立てが可能な実用性の
高い電子銃を構成することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】カソードおよびこのカソ
ードからの電子放射を制御し、かつ放射された電子を集
束して電子ビームを形成する複数の電極からなる電子ビ
ーム形成部と、この電子ビーム形成部から放出される電
子ビームを蛍光体スクリーン上に集束する複数の電極か
らなる主電子レンズ部とを有し、その電子ビーム形成部
および主電子レンズ部を形成するカソードおよび複数の
電極が、これらカソードおよび複数の電極に設けられた
支持片を介して、ほぼ平行に対向する一対の絶縁支持部
材により一体に固定されてなる陰極線管用電子銃におい
て、その主電子レンズ部を、蛍光体スクリーン側を大径
円筒部とし、この大径円筒部のカソード側に、その大径
円筒部よりも小径の最大径部をもつ偏平筒部が一体に形
成された第1電極と、この第1電極の大径円筒部を包囲
する大径円筒部を有する第2電極とにより形成し、その
第1電極に偏平筒部の長側面に絶縁支持部材に固定され
る支持片を設け、第2電極にその大径円筒部に第1電極
の偏平筒部の最大径部を覆い、かつ第1電極の支持片を
上記最大径部の最大径方向に両側から挟むように絶縁支
持部材に固定される支持片の形成された一対の支持板
を、それぞれ少なくとも3個の固定片により取付け、こ
の3個の固定片を各支持板の円筒部側端縁部の両側部か
ら各支持板に形成された支持片と同方向に延在する2個
の固定片と、この2個の固定片の中間からその支持片と
大径円筒部と支持板の固定面内で直交する方向に延在す
る1個の固定片とから構成した。
【0020】
【作用】上記のように、第1電極を大径円筒部とこの大
径円筒部よりも最大径部が小径の偏平筒部とで構成し
て、この偏平筒部の長側面に支持片を設けるとともに、
第2電極に第1電極の偏平筒部の最大径部を覆い、かつ
第1電極の支持片を両側から挟むように支持片の形成さ
れた一対の支持板を取付け、この一対の支持板の取付け
を、少なくとも各支持板の両側部から各支持板に形成さ
れた支持片と同方向に延在する2個の固定片と、この2
個の固定片の中間からその支持片と直交する方向に延在
する1個の固定片とでおこなうと、これら第1および第
2電極を絶縁支持部材に固定するための支持片を両電極
の大径円筒部の近くに設けることができ、第1および第
2電極を絶縁支持部材に強固に支持固定させることがで
きる。しかも第2電極の支持板を、少なくとも支持片と
同方向の2個の固定片とこの支持片に対して直交する方
向の1個の固定片とでおこなうことにより、絶縁支持部
材を支持片に融着するときの押圧力により生ずる支持板
の変形、およびこの支持板の変形により生ずる第2電極
の歪を軽減できる。
【0021】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。
【0022】図1にその一実施例である陰極線管用電子
銃を示す。この電子銃は、カソードK、このカソードK
を加熱するヒータ、および上記カソードKから蛍光体ス
クリーン方向に順次配置された第1ないし第4グリッド
G1〜G4、第5グリッドG5(第1電極)および第6グリッ
G6(第2電極)からなる。
【0023】その第1および第2グリッドG1,G2は比較
的板厚の薄い板状電極からなる。第3グリッドG3は比較
的浅い2個のカップ電極を突合わせた筒状電極からな
る。第4グッドG4は比較的板厚の厚い板状電極からな
る。第5グリッドG5は、比較的板厚の厚い1個の板状電
極30と2個のカップ電極の突合わせた4組の筒状電極と
からなり、この第5グリッドG5の蛍光体スクリーン側の
電極は、大径の円筒部31と、この円筒部31のカソードK
側に取付けられた上記大径の円筒部31よりも最大径が小
径の横長の偏平筒部32とから構成されている。また第6
グリッドG6は、上記第5グリッドG5の大径の円筒部31を
包囲する大径の円筒部33からなり、この円筒部33のカソ
ードK側に上記第5グリッドG5の偏平筒部32の最大径部
を覆う一対の支持板34が取付けられている。
【0024】特にこの例の電子銃では、上記支持板34
は、各支持板34の円筒部33側端縁部に少なくとも3個の
固定片35が折曲形成され、この少なくとも3個の固定片
35を円筒部33の底部取付部に溶接することにより取付け
られている。その少なくとも3個の固定片35のうち、2
個は支持板34の両側部からこの支持板34に設けられた下
記支持片と同方向に、1個は支持板34の中央部(2個の
固定片35の中間)から上記支持片と直交する方向に延出
している。
【0025】そして、上記カソードK、ヒータおよび第
1ないし第6グリッドG1〜G6は、それぞれ支持片を介し
てほぼ平行に対向する一対の絶縁支持部材36により支持
固定されている。この一対の絶縁支持部材36による支持
固定に関し、特にこの例の電子銃は、第5グリッドG5の
蛍光体スクリーン側の電極については、その横長の偏平
筒部32の長側面の中央部に支持片37を取付け、一方、第
6グリッドG6については、この第5グリッドG5の偏平筒
部32の最大径部を覆う一対の支持板34の側縁部に上記偏
平筒部32長側面中央部の支持片37を水平方向に両側から
挟むように、かつ支持片37に対して電子銃の軸方向にわ
ずかにずらして支持片38が折曲形成されている。
【0026】この電子銃の各電極に対する電圧の印加
は、カソードKを0〜200Vとして、これに映像信号を加
え、第1グリッドG1を接地電位とし、第2グリッドG2に
500V〜1kV、第3グリッドG3に5〜10kV、第4グリッド
G4に0〜1kV、第5グリッドG5に5〜10kV、第6グリッ
ドG6に20〜40kVの高電圧が印加される。
【0027】上記電圧の印加により、カソードKおよび
第1ないし第3グリッドG1〜G3により、カソードKから
の電子放射を制御し、かつ放射された電子を集束して電
子ビームを形成する電子ビーム形成部が形成される。ま
た第3、第4グリッドG3,G4及び第5グリッドG5の第4
グリッドG4側の電極30により、上記電子ビーム形成部か
ら放出される電子ビームを弱く集束するユニポテンシャ
ル電子レンズが形成される。さらに第5グリッドG5の蛍
光体スクリーン側の大径の円筒部31とこの円筒部31を包
囲する第6グリッドG6の大径の円筒部33とにより、上記
ユニポテンシャル電子レンズにより集束された電子ビー
ムを強く集束する大口径電子レンズが形成される。その
結果、この大口径電子レンズの集束により蛍光体スクリ
ーン上のビームスポットをいちじるしく小さくすること
ができる。
【0028】ところで、上記電子銃の組立ては、図2
(a)に示す第6グリッドG6の大径円筒部33の先端部の
開孔側から、同(b)に示す第5グリッドG5を挿入し、
この第5、第6グリッドG5,G6の組合わせ体を、ヒータ
およびカソードKの支持片、第1ないし第4グリッドG1
〜G4および第5グリッドG5の1個の板状電極30と4組の
筒状電極とからなるカソードK側部分とともに、電子銃
組立治具に所定の関係に位置決め配置したのち、そのヒ
ータおよびカソードKの支持片および各グリッドの支持
片を加熱溶融させた一対の絶縁支持部材36に押圧して、
ほぼ平行に対向するように融着させることにより組立て
られる。
【0029】したがって上記のように、第5グリッドG5
を大径の円筒部31とこの大径の円筒部31よりも最大径が
小径の横長の偏平筒部32とから構成し、その偏平筒部32
の長側面中央部に支持片37を設け、一方、第6グリッド
G6の大径の円筒部33のカソードK側に一対の支持板34を
第5グリッドG5の偏平筒部32の最大径部を覆うように、
この支持板34に設けた支持片38と同方向に延出した2個
の固定片35とこの2個の固定片35の中央部から支持片38
と直交する方向に延出した1個の固定片35とからなる少
なくとも3個の固定片35により取付け、この一対の支持
板34に設けられた支持片38が上記第5グリッドG5の偏平
筒部32の支持片37を両側から挟むように設けると、2つ
の大径の円筒部31,33を有する特殊構造の電子銃であり
ながら、通常の電子銃と同様に容易に組立てることがで
きる。
【0030】しかも、上記のように第5および第6グリ
ッドG5,G6を構成すると、従来高精度組立てが困難であ
ったこの種の電子銃を高精度に組立てることができる。
すなわち、第6グリッドG6をヒータおよびカソードKの
支持片、および他のグリッドとともに、電子銃組立治具
に所定の関係に位置決め配置し、これに加熱溶融した絶
縁支持部材36を押圧すると、第6グリッドG6の一対の支
持板34は、絶縁支持部材36をを押圧するときの押圧力に
より、図1(b)に示したY方向に潰れ、このY方向と
直交するX方向に広がる変形力を受けるが、各支持板34
は、支持片38と同方向に延出した2個の固定片35とこの
2個の固定片35の中央部から支持片38と直交する方向に
延出した1個の固定片35からなる少なくとも3個の固定
片35により、大径の円筒部33に取付けられているので、
上記絶縁支持部材36を押圧するときのY方向に潰れおよ
びX方向に広がる変形力に十分に対抗でき、各支持板34
の変形を小さく、したがって大径の円筒部33の歪を軽減
することができる。
【0031】さらに、一般に大径円筒部を有する電極を
強固に支持固定するためには、この電極を絶縁支持部材
に固定するための支持片をなるべく大径円筒部に近付け
るのがよく、そのために従来図4(b)に示した特公昭
57−18665号公報の支持手段があるが、この支持
手段では、支持片の絶縁支持部材への融着が困難であり
実用的でない。また図4(a)に示したセラミックによ
る方法は、コスト、精度の面から実用的でない。さら
に、図6に示した特公平2−16537号公報の支持手
段では、第2陽極は、その大径部分の近くに支持片が設
けられているため、強固に支持固定されるが、この第2
陽極の内側になる第1陽極は、支持片がその大径部分よ
り大きく離れているため、強固に支持固定することがで
きない。この第1陽極を強固に支持固定するためには、
その支持片を大きくすればよいが、支持片を大きくする
ことは、耐電圧特性や電子銃設計の面からの制限があ
り、実用可能な電子銃とすることが困難である。
【0032】これに対し、この例の電子銃は、第5、第
6グリッドG5,G6がともに大径の円筒部31,33の近くに
支持片37,38が設けられているため、両グリッドG5,G6
を強固に支持固定することができる。すなわち、第5グ
リッドG5の偏平筒部32に設けられた支持片37に対して、
第6グリッドG6の大径の円筒部33のカソードK側に第5
グリッドG5の偏平筒部32の最大径部を覆う一対の支持板
34を取付け、この一対の支持板34に第5グリッドG5の支
持片37を水平方向に両側から挟むように支持片38が設け
られているため、第5、第6グリッドG5,G6とも、大径
の円筒部31,33の近くに支持片37,38を設けることがで
き、それにより両グリッドG5,G6を強固に支持固定する
ことができ、電子銃を高精度に組立てることができる。
【0033】この場合、第5グリッドG5の支持片37と第
6グリッドG6の支持片38との間隔は、第5、第6グリッ
ドG5,G6間の耐電圧特性を補償する大きさ、すなわち上
記支持片37,38間で放電をおこさない大きさに設定され
る。なお、この両支持片37,38の間隔は、絶縁支持部材
36の幅を大きくし、かつ第5グリッドG5の支持片37に対
して第6グリッドG6の支持片38を電子銃の軸方向に若干
ずらすと、通常の電子銃の軸方向配置と同様に十分な間
隔をとることができ、両グリッドG5,G6間の耐電圧特性
に十分な余裕をもたせることができる。
【0034】さらに、この例の電子銃は、大口径電子レ
ンズを形成する第5、第6グリッドG5,G6の大径の円筒
部31,33を分割しない一体構造のものとしているので、
高精度の電子レンズが形成されるという利点がある。
【0035】
【発明の効果】電子ビーム形成部から放出される電子ビ
ームを蛍光体スクリーン上に集束する主電子レンズ部
を、蛍光体スクリーン側を大径円筒部とし、この大径円
筒部のカソード側にその大径円筒部よりも小径の最大径
部をもつ偏平筒部が一体に形成された第1電極と、この
第1電極の大径円筒部を包囲する大径円筒部を有する第
2電極とにより形成し、その第1電極に偏平筒部の長側
面に絶縁支持部材に融着される支持片を設け、一方、第
2電極に第1電極の偏平筒部の最大径部を覆い、かつ第
1電極の支持片を両側から挟むように絶縁支持部材に融
着される支持片の形成された一対の支持板を、少なくと
も各支持板の両側部から各支持板に形成された支持片と
同方向に延在する2個の固定片と、この2個の固定片の
中央部からその支持片と直交する方向に延在する1個の
固定片とからなる3個の固定片により取付け、その第1
および第2電極の支持片をほぼ平行に対向する一対の絶
縁支持部材により固定すると、これら第1、第2電極の
支持片をそれぞれ大径円筒部の近くに設けることがで
き、かつ絶縁支持部材に融着するときの押圧力に対して
支持板およびこの支持板の取付けられた第2電極の変形
を少なくして絶縁支持部材に強固に固定することができ
る。また、第2電極の支持片が第1電極の支持片を両側
から挟むように設けられているので、従来のような繁
雑、困難な組立て方法でなく、通常の電子銃と同様に容
易かつ量産性に富んだ方法により高精度に組立てること
ができる。しかも、その第1、第2電極を強固に固定で
きるため、大口径電子レンズを精度よく、そのレンズ性
能を向上させることができ、高性能かつ実用的な電子銃
とすることができる。さらに、第1電極の支持片と第2
電極の支持片との間隔を通常の電子銃の軸方向配置と同
様に十分な大きさにすることができるため、耐電圧も確
保されるなどの効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)はこの発明の一実施例である陰極線
管用電子銃の構成を示す正面図、図1(b)はそのB−
B線断面図、図1(c)はその要部を示す側面図であ
る。
【図2】図2はその電子銃の第5グリッドと第6グリッ
ドとの組合わせを説明するための図で、図2(a)は第
6グリッドの斜視図、図2(b)は第5グリッドの斜視
図である。
【図3】図3はカラー受像管の構成を示す図である。
【図4】図4(a)は従来の大口径電子レンズを形成す
る電極の組立て構造を示す図、図4(b)は異なる組立
て構造を示す図である。
【図5】図5は従来の大口径電子レンズを形成する電極
の異なる組立て構造を示す図である。
【図6】図6(a)は従来の大口径電子レンズを形成す
る電極のさらに異なる組立て構造を一部断面で示す正面
図、図6(b)はその第1、第2陽極部の断面図であ
る。
【図7】図7はその要部の組立て方法を説明するための
図である。
【図8】図8(a)および(b)はそれぞれその第2陽
極の異なる構造を示す図である。
【符号の説明】
31…第5グリッドの大径の円筒部 32…偏平筒部 33…第6グリッドの大径の円筒部 34…支持板 35…固定片 36…絶縁支持部材 37…支持片 38…支持片 k…カソード G1…第1グリッド G2…第2グリッド G3…第3グリッド G4…第4グリッド G5…第5グリッド G6…第6グリッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−145632(JP,A) 特開 平5−2998(JP,A) 実開 昭60−35459(JP,U) 特許2960501(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 29/48 - 29/50

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カソードおよびこのカソードからの電子
    放射を制御し、かつ放射された電子を集束して電子ビー
    ムを形成する複数の電極からなる電子ビーム形成部と、
    この電子ビーム形成部から放出される電子ビームを蛍光
    体スクリーン上に集束する複数の電極からなる主電子レ
    ンズ部とを有し、上記電子ビーム形成部および主電子レ
    ンズ部を形成するカソードおよび複数の電極が、これら
    カソードおよび複数の電極に設けられた支持片を介し
    て、ほぼ平行に対向する一対の絶縁支持部材により一体
    に固定されてなる陰極線管用電子銃において、 上記主電子レンズ部は、上記蛍光体スクリーン側を大径
    円筒部とし、この大径円筒部のカソード側に、上記大径
    円筒部よりも小径の最大径部をもつ偏平筒部が一体に形
    成された第1電極と、この第1電極の大径円筒部を包囲
    する大径円筒部を有する第2電極とにより形成され、上
    記第1電極には、上記偏平筒部の長側面に上記絶縁支持
    部材に固定される支持片が設けられ、上記第2電極に
    は、上記大径円筒部に上記第1電極の偏平筒部の最大径
    部を覆い、かつ上記第1電極の支持片を上記最大径部の
    最大径方向に両側から挟むように上記絶縁支持部材に固
    定される支持片の形成された一対の支持板が、それぞれ
    少なくとも3個の固定片により取付けられ、この3個の
    固定片が各支持板の円筒部側端縁部の両側部から各支持
    板に形成された支持片と同方向に延在する2個の固定片
    と、この2個の固定片の中間から上記支持片と大径円筒
    部と支持板の固定面内で直交する方向に延在する1個の
    固定片とからなることを特徴とする陰極線管用電子銃。
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