JP3504856B2 - 静電偏向装置と静電偏向装置の製造方法 - Google Patents

静電偏向装置と静電偏向装置の製造方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は静電偏向装置及び静
電偏向装置の製造方法に関し、詳しくは、電子顕微鏡や
電子線露光装置等の電子線応用装置に用いられる静電偏
向装置の改善に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子顕微鏡や電子線露光装置等の電子線
応用装置に用いられる電子線の偏向装置は、電磁偏向装
置と静電偏向装置に大別できる。
【0003】ここで、電磁偏向装置は、偏向効率は優れ
ているもののコイルのインダクタンスや渦電流等の影響
から応答時間が数百マイクロ秒程度と遅くなるという問
題がある。
【0004】これに対し、静電偏向装置は、偏向効率は
電磁偏向装置には及ばないものの応答時間が数マイクロ
秒程度と高速になるという利点があり、高速応答性が要
求される電子線応用装置の偏向装置として広く用いられ
ている。
【0005】ところで静電偏向装置は、例えば円筒形状
の部材を分割して複数の電極を形成し、各電極に偏向量
に応じた所定の電圧を印加することにより駆動される。
電子線応用装置では、このような構成の静電偏向装置を
複数組み合わせることが行われているが、個々の静電偏
向装置の電子線の偏向中心がずれると電子線偏向時の歪
みが大きくなる要因になる。
【0006】図4は従来のこのような静電偏向装置の一
例の部分構成図であり、(a)は主要部の上面図、
(b)は(a)中の切断線III−IIIにおける断面図であ
る。図において、偏向器、非点補正器、軸補正器などを
構成する分割電極d1,d2はそれぞれのアース電位に
保たれる保持台h1,h2に個別に組み込まれ、分割電
極ユニットu1,u2として一体化される。
【0007】そして、これら分割電極ユニットu1,u
2相互は、これら保持台h1,h2を含む各保持台の側
面に予め描かれている図示しない位置決め用のけがき線
相互が一致するように各保持台h1,h2を相互に回転
させたり、実際に電子線走査させることにより得られる
画像を観察しながら最良画像が得られる位置まで各保持
台h1,h2を相互に回転させて、隣接する保持台相互
をネジs1,s2,s3によりネジ止め固定する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の構成の軸合わせ精度は、保持台の側面に予め描かれ
ている位置決め用のけがき線の加工精度や組立作業時の
精度に左右されることになり、けがき線加工や組立にか
なりの熟練度が要求されるとともに、これらの作業にも
かなりの工数が必要になる。
【0009】また、このような従来の構成では、各分割
電極毎に保持台と組み合わせてユニット化しているので
部品点数が多くなってしまう。さらに、各分割電極毎に
保持台と組み合わせてユニット化した状態では、各電極
の位置を再調整することは不可能である。
【0010】本発明はこのような問題を解決するために
なされたものであり、部品点数が少なく、組立調整を短
時間で高精度に行える静電偏向装置及び静電偏向装置の
製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成する本
発明のうち請求項1記載の発明は、有底円筒状の保持部
材内に、円周方向に沿って等角度に分割された複数個の
電極要素よりなる少なくとも2個の分割電極の両端を円
盤状のアース電極で挟むようにして積層収納される静電
偏向装置であって、前記各分割電極及び各アース電極の
中心部分には同一形状の位置決め用すり割りを設けたこ
とを特徴とするものである。
【0012】これにより、静電偏向装置は、有底円筒状
の保持部材とその内部に積層収納される分割電極と円盤
状のアース電極とで全体として一体化されることにな
り、従来のように分割電極毎にユニット化する構成に比
べて部品点数を大幅に削減できる。
【0013】上述の目的を達成する本発明のうち請求項
2記載の発明は、有底円筒状の保持部材内に、円周方向
に沿って等角度に分割され中心部分には位置決め用すり
割りが形成された複数個の電極要素よりなる少なくとも
2個の分割電極の両端を中心部分に分割電極と同一形状
の位置決め用すり割りが形成された円盤状のアース電極
で挟むようにして積層収納する工程と、これら積層収納
された各分割電極及び各アース電極の中心部分の位置決
め用すり割りを貫通するように棒状の位置決め用部材を
挿入する工程と、該位置決め用部材を挿入貫通させた状
態で保持部材の開口面に蓋を固定して積層収納された各
分割電極及び各アース電極を固定する工程と、保持部材
の開口面に蓋を固定した後、位置決め用部材を抜き取る
工程、からなることを特徴とするものである。
【0014】このような製造方法によれば、有底円筒状
の保持部材内に分割電極と円盤状のアース電極とを積層
収納する工程では各分割電極相互の角度関係は高精度に
管理しなくてもよく、その作業にあたって熟練度は不要
であってきわめて短時間に行える。そして、位置決め用
部材の挿入工程においても分割電極と円盤状のアース電
極に設けられた位置決め用すり割りを貫通させるだけで
各分割電極相互間の同軸性及び各電極要素の軸に対する
対称性を一義的に正確に設定することができ、組立作業
の初心者であっても短時間で個人差を生じることなく安
定した性能を有する静電偏向装置を製造することができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下図面を用いて本発明の実施の
形態例を説明する。図1及び図2は本発明に基づく静電
偏向装置の実施の形態例を示す構成説明図であり、図1
(a)は主要部の上面図、図1(b)は(a)中の切断
線I−Iにおける断面図、図2は図1(b)中の切断線II
−IIにおける断面図である。両図において、保持部材1
は有底円筒状に形成されている。該保持部材1の内部に
は、円周方向に沿って等角度に分割された複数個の電極
要素よりなる5個の分割電極2〜6が、それらの両端を
円盤状のアース電極7〜12で挟むようにして積層収納
されている。
【0016】ここで、分割電極2,4は偏向器として機
能し、分割電極3,6は軸補正器として機能し、分割電
極5は非点補正器として機能する。アース電極7〜12
は、各分割電極の電界干渉を除去するように機能する。
【0017】これら各分割電極2〜6及び各アース電極
7〜12の中心部分には同一形状の位置決め用すり割り
13が公差内になるように形成されている。また、各分
割電極2〜6の各電極要素及び各アース電極7〜11に
は外部と電気的に接続するための端子T1〜T9が設け
られていて、保持部材1の側面にはこれら各端子T1〜
T9が外部に露出するように複数の窓Wが形成されてい
る。なお、図1では、アース電極7は保持部材1の底面
に設けられ、アース電極12は蓋を兼ねている。
【0018】図3は静電偏向装置の製造組立時に位置決
め用のすり割り13に挿入する位置決め用部材14の具
体例であり、(a)は断面が矩形の平板形を示し、
(b)は平板形の中央部分に軸にはめ合う断面円形の突
起を形成した例を示し、(c)は断面形状が十字形の例
を示している。これらはいずれも4分割4極形および8
分割8極形の分割電極のすり割り13に挿入できる。な
お、位置決め用部材14の幅はすり割り13の幅よりも
わずかに狭くなるように形成されている。これら位置決
め用部材14は製造組立段階でのみ治具として用いるも
のであり、静電偏向装置が完成した時点で抜き取る。
【0019】このような静電偏向装置の製造組立工程に
ついて説明する。まず、保持部材1の内部に、5個の分
割電極2〜6の両端を円盤状のアース電極7〜12で挟
むようにして積層収納する。
【0020】次に、これら積層収納された各分割電極2
〜6及び各アース電極7〜12の中心部分に形成されて
いるすり割り13を貫通するように棒状の位置決め用部
材14を挿入する。この段階で、各分割電極2〜6の中
心部の同軸性及び各電極要素の軸に対する対称性を同時
に合わせ込むことができる。
【0021】位置決め用部材14を挿入貫通させた状態
で保持部材1の開口面に蓋12をネジ止め固定し、内部
に積層収納された各分割電極2〜6及び各アース電極7
〜12を固定する。
【0022】そして、保持部材1の開口面に蓋12を固
定した後、位置決め用部材14を抜き取る。このように
構成される静電偏向装置は、有底円筒状の保持部材とそ
の内部に積層収納される分割電極と円盤状のアース電極
とが全体として一体化されるので、分割電極毎にユニッ
ト化する従来の構成に比べて部品点数を大幅に削減でき
る。
【0023】また、これら一連の製造組立作業には、従
来のような熟練度は不要であってきわめて短時間に行え
る。そして、各分割電極相互間の同軸性及び各電極要素
の軸に対する対称性を、位置決め用部材14を貫通させ
ることによって一義的に正確に設定することができ、作
業者による個人差を生じることなく安定した性能を有す
る静電偏向装置が実現できる。例えば、外径20mmで
内径6mmの場合、内径の同軸度及び分割面の軸対称度
を10マイクロミリメートル以下にしなければならない
が、本発明によれば作業者による個人差なく実現可能で
ある。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
各分割電極及び各アース電極の中心部分には同一形状の
位置決め用すり割りを設けたので、部品点数が少なく、
組立調整を短時間で高精度に行える静電偏向装置及び静
電偏向装置の製造方法を提供することができ、電子顕微
鏡や電子線露光装置等の電子線応用装置の静電偏向装置
として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく静電偏向装置の実施の形態例を
示す構成説明図である。
【図2】図1の実施の形態例の断面を示す構成説明図で
ある。
【図3】本発明で用いる位置決め用部材の具体例の構成
説明図である。
【図4】従来の静電偏向装置の一例を示す構成説明図で
ある。
【符号の説明】
1 保持部材 2,4 偏向器(分割電極) 3,6 軸補正器(分割電極) 5 非点補正器(分割電極) 7〜12 アース電極 13 すり割り 14 位置決め用部材
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 37/147 H01J 9/18 H01L 21/30

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有底円筒状の保持部材内に、円周方向に
    沿って等角度に分割された複数個の電極要素よりなる少
    なくとも2個の分割電極の両端を円盤状のアース電極で
    挟むようにして積層収納される静電偏向装置であって、 前記各分割電極及び各アース電極の中心部分には同一形
    状の位置決め用すり割りを設けたことを特徴とする静電
    偏向装置。
  2. 【請求項2】 有底円筒状の保持部材内に、円周方向に
    沿って等角度に分割され中心部分には位置決め用すり割
    りが形成された複数個の電極要素よりなる少なくとも2
    個の分割電極の両端を中心部分に分割電極と同一形状の
    位置決め用すり割りが形成された円盤状のアース電極で
    挟むようにして積層収納する工程と、 これら積層収納された各分割電極及び各アース電極の中
    心部分の位置決め用すり割りを貫通するように棒状の位
    置決め用部材を挿入する工程と、 該位置決め用部材を挿入貫通させた状態で保持部材の開
    口面に蓋を固定して積層収納された各分割電極及び各ア
    ース電極を固定する工程と、 保持部材の開口面に蓋を固定した後、位置決め用部材を
    抜き取る工程、からなる静電偏向装置の製造方法。
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