JP2809358B2 - 抄紙機のツインワイヤフォーマの脱水装置 - Google Patents

抄紙機のツインワイヤフォーマの脱水装置

Info

Publication number
JP2809358B2
JP2809358B2 JP3144742A JP14474291A JP2809358B2 JP 2809358 B2 JP2809358 B2 JP 2809358B2 JP 3144742 A JP3144742 A JP 3144742A JP 14474291 A JP14474291 A JP 14474291A JP 2809358 B2 JP2809358 B2 JP 2809358B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
zone
dewatering
blade
wires
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3144742A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04370288A (ja
Inventor
貴司 坂東
一秀 坂本
牧雄 蓮池
弘 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP3144742A priority Critical patent/JP2809358B2/ja
Publication of JPH04370288A publication Critical patent/JPH04370288A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2809358B2 publication Critical patent/JP2809358B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抄造される紙の配向度
を改善することができる抄紙機のツインワイヤフォーマ
の脱水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】抄紙機のツインワイヤフォーマにおいて
は、2枚のワイヤが各々ループを形成し、その間に原料
液を挟み込んで走行していく間に種々の脱水機器によっ
て原料液から水を脱水することによって徐々に繊維マッ
トが成長し、紙匹が形成されていく。
【0003】図7及び図8に、現在の代表的なツインワ
イヤフォーマの2種を示す。図7に示されるものは、主
たるフォーミングゾーンにシューブレードを使用した固
定脱水機器で構成されるためにシューフォーマと呼ばれ
る。また図8に示されるものは、主たる脱水がロール部
で行なわれるためにロールフォーマと呼ばれる。
【0004】図7に示すシューフォーマにおいては、ヘ
ッドボックス1から噴出された原料液のジェット2は、
通常フォーミングシュー本体11の第1ブレード12の
手前でワイヤ3に着地し、その後、第1ブレード12上
で収束する2枚のワイヤ3,4に挟まれるとワイヤ4の
張力で発生する圧力(p)により、フォーミングシュー
本体11の第1ブレード12及びこれに続くフォーミン
グシュー7″のワイヤ支持面においてワイヤ4を通して
脱水される。なお、図7中8はフォーミングシュー8の
下流側のフォーミングシュー,9は同フォーミングシュ
ー8の下流側のサクションボックス,10は同サクショ
ンボックスの下流側のサクションロールであり、これら
は一方のワイヤ3のループ内に配置されている。
【0005】一方、図8に示すロールフォーマの場合
は、ヘッドボックス1から噴出された原料液のジェット
2はフォーミングロール13上で収束する2枚のワイヤ
3,4に挟まれるとワイヤ4の張力で発生する圧力(p
1 )でワイヤ3,4を通して両側に脱水される。なお、
図8中、14はフォーミングロール13の下流側のフォ
ーミングシュー,15は同サクションボックス14の下
流側のフォーミングシュー,16はワイヤ4のリードイ
ンロールであり、前記フォーミングシュー15は一方の
ワイヤ3のループ内に配置され、前記フォーミングシュ
ー14は反対側の他方のワイヤ4のループ内に配置され
ている。
【0006】前記のシューフォーマとロールフォーマの
脱水圧力p,p1 は、一般に、 p=t/r・k (1) p1 =t1 /r1 ・k1 (2) p,p1 :脱水圧力 r,r1 :曲率半径 t,t1 :ワイヤ張力 k,k1 :濾過抵抗係数 で表わされる。通常,t≒t1 ,r>>r1 であるので
ロールフォーマの挟み込み部の方がシューフォーマより
高い脱水圧力を発生する。図9に両形式のフォーマの代
表的な圧力波形を示す。
【0007】図9から判るように、ロールフォーマの方
が圧力の絶対値ばかりでなく挟み込み部のワイヤ走行方
向(マシン方向)の圧力勾配がシューフォーマに比べ高
くなっている。この圧力勾配によって、2枚のワイヤに
挟まれた原料液には、ワイヤ走行方向に剪断力が発生
し、繊維がワイヤ走行方向に配向させられることは良く
知られている。
【0008】ロールフォーマの場合、ワイヤが約5°フ
ォーミングロール13をラップする範囲(図9での接触
長xに相当)では、ヘッドボックスからの原料液(濃度
1%以下)中の繊維はこの圧力勾配によってワイヤ走向
方向(マシン方向)に配向させられると同時に、原料液
中の水の約50%が脱水されて紙層が形成される。従っ
て、紙層の外層における繊維のワイヤ走行方向の配向度
は高い。フォーミングロール13のその後の部分におけ
る圧力勾配は小さいので、その後形成される紙層におい
ては、ワイヤ走行方向の繊維の配向度は低くなる。
【0009】一方、シューフォーマの場合、挟み込み部
の圧力勾配が小さいために、紙層の表層に近いマットの
繊維のワイヤ走行方向の繊維の配向度はロールフォーマ
に比べかなり低い。しかし、第1ブレードにおける脱水
量がヘッドボックス流量の約20%程度であるので、後
続のシューブレード部へより多量の原料液が送られるこ
とになる。そこでは図9に示すようなパルス状の圧力が
繰り返し加わるために、内部まで繊維分散は促進され地
合の良いマットが形成されるが、半面内部における繊維
の配向度は高くなる。
【0010】図10は、シューフォーマ及びロールフォ
ーマにおいて、繊維の配向度に影響を与える他の因子
(原料性状,ヘッドボックス形式,流量,抄速,ジェッ
トワイヤ比─ジェット速度/ワイヤ速度等)を同じにし
て抄造された紙の厚み方向の配向度分布を示す。この結
果は前述の各脱水形式の紙層内繊維配向度への影響を裏
付けるものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】現在主流となっている
ツインワイヤフォーマにおいては、前記のようにその紙
層形成過程において強い剪断効果が働くために、地合は
良くなるが、ワイヤ走行方向(マシン方向)に繊維の配
向度の高い紙ができるという特徴があった。しかしワイ
ヤ方向の繊維配向度が高いことは、高い寸法安定性や紙
巾方向の剛度を要求される印刷用紙にとっては好ましく
ない性質で、最も厳しい品質が要求される場合には、ツ
インワイヤフォーマが採用されないという場合もある。
【0012】そこで、本発明は、ツインワイヤフォーマ
でありながら、市場の要求する繊維配向度が低く、異方
性と表裏における繊維配向度差が少なく、かつ厚み方向
で繊維配向度分布の均一な紙を抄造することができるツ
インワイヤフォーマの脱水装置を提供しようとするもの
である。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願の第1の発明は、収
束する2枚のワイヤに挟み込まれた原料液を一方のワイ
ヤに接触して脱水する脱水部をもつ抄紙機のツインワイ
ヤフォーマの脱水装置において、前記脱水部を一方のワ
イヤに接する上流側の第1ブレードと下流側の脱水ゾー
ンによって構成し、前記第1ブレードは、ワイヤ側へ向
って凸の大きい曲率半径とをもつワイヤの支持面と同ワ
イヤの支持面にワイヤ走行方向に設けられた複数の脱水
用溝をもつ広巾ブレードで形成されたことを特徴とす
る。 本願の第2の発明は、収束する2枚のワイヤに挟み
込まれた原料液を一方のワイヤに接触して脱水する脱水
部をもつ抄紙機のツインワイヤフォーマの脱水装置にお
いて、前記脱水部を一方のワイヤに接する上流側の第1
ブレードと下流側の脱水ゾーンによって構成し、前記脱
水ゾーンは、それぞれワイヤ走行方向に直交する溝とラ
ンドの繰り返しよりなるワイヤ支持面をもち上流側から
下流側に順次配置された第1,第2及び第3のゾーンで
形成され、前記第1のゾーンのワイヤ支持面はワイヤ側
へ向って凸の曲率をもち、前記第2のゾーンのワイヤ支
持面は平面状をなし、前記第3のゾーンのワイヤ支持面
はワイヤ側へ向って凸の曲率をもつと共に、前記脱水ゾ
ーンに前記原料液を脱水する真空を作用させることを特
徴とする。 本願の第3の発明は、収束する2枚のワイヤ
に挟み込まれた原料液を一方のワイヤに接触して脱水す
る脱水部をもつ抄紙機のツインワイヤフォーマの脱水装
置において、前記脱水部を一方のワイヤに接する上流側
の第1ブレードと下流側の脱水ゾーンによって構成し、
前記第1ブレードは、ワイヤ側へ向って凸の大きい曲率
半径とをもつワイヤの支持面と同ワイヤの支持面にワイ
ヤ走行方向に設けられた複数の脱水用溝をもつ広巾ブレ
ードで形成され、前記脱水ゾーンは、それぞれワイヤ走
行方向に直交する溝とランドの繰り返しよりなるワイヤ
支持面をもち上流側から下流側に順次配置された第1,
第2及び第3のゾーンで形成され、前記第1のゾーンの
ワイヤ支持面はワイヤ側へ向って凸の曲率をもち、前記
第2のゾーンのワイヤ支持面は平面状をなし、前記第3
のゾーンのワイヤ支持面はワイヤ側へ向って凸の曲率を
もつと共に、前記脱水ゾーンに前記原料液を脱水する真
空を作用させることを特徴とする。
【0014】
【作用】本願の各発明においては、脱水部の第1ブレー
ド上で2枚のワイヤに挟まれた原料液には、外側のワイ
ヤ張力とブレードのワイヤ支持面の曲率半径および濾過
抵抗係数によって決まる次式の脱水圧力が働く。 P=T/R・K (3) P:脱水圧力 R:曲率半径 T:ワイヤ張力 K:濾過抵抗係数 前記(3)式は、第1ブレードのワイヤ支持面が大きい
曲率半径Rをもっているので、前記の(2)式と比較す
ると、T=t1 ,R=r1 ,K≒k1 であり、到達最大
圧力Pはp1 とほぼ同じ値になる。
【0015】特に本願の第1の発明では、第1ブレード
をワイヤの支持面にワイヤ走行方向に設けられた複数の
脱水用溝をもつ広巾ブレードで形成しているので、2枚
のワイヤに挟まれた原料液にワイヤ張力による脱水圧力
が作用した時、第1ブレードの支持面の脱水用溝によっ
て同第1ブレード側への脱水が可能となり、その結果両
側に脱水が行なわれることとなり、原料液がチョークさ
れる度合が少なく剪断力も少なくなるので繊維は配向さ
れ難い。同時に両側から同様のメカニズムにより脱水さ
れるために、繊維の配向度が低く、しかも表裏差の少な
い紙層が形成される。
【0016】また、この時に第1ブレードにおいて得ら
れる脱水量は、ヘッドボックス流量の約40%程度と従
来のブレードに比べ倍程度に増大され、脱水能力が増す
と共に後続の脱水ゾーンへ送られる原料液濃度も高くな
る。
【0017】また本願の第2の発明では、第1ブレード
に続く脱水ゾーンの最初の第1のゾーンのワイヤ支持面
は、ワイヤ側へ向って凸の曲率を持っているために、第
1ゾーンのワイヤ支持面の先端でワイヤは折れ曲がりワ
イヤに連れまわる水を確実に掻き取ることができ、ブレ
ードとワイヤ間への白水(水と繊維分の混ったもの)の
進入による弊害が防止される。
【0018】前記第1ゾーンに続く脱水ゾーンの第2ゾ
ーンのワイヤ支持面は平面状に形成されていて真空によ
る脱水を行なうことにより、同第2ゾーンの各ランドの
先端で急激な圧力勾配を生じることなく脱水が行なわ
れ、ここでも繊維配向度の低いマットが形成される。
【0019】前記脱水ゾーンの最終の第3ゾーンのワイ
ヤ支持面を、前記第1ブレードと同じ方向にワイヤ側へ
向って凸の曲率を持つように形成することによって、作
用する真空値を調整することによって、さらに脱水をコ
ントロールすることが可能であると同時に脱水部の出側
でワイヤがしっかりと支持されるのでその走行が安定す
る。更に本願の第3の発明では、第1ブレードを前記第
1の発明の様にして広巾ブレードで形成し、これに続く
脱水ゾーンを前記第2の発明の様にワイヤ側へ向って凸
の曲率の第1のゾーン、平面状の第2ゾーン、そしてワ
イヤ側へ向って凸の曲率の第3ゾーンで形成し、前記第
1、第2の発明の特徴を併せ兼ね備えたものである。
【0020】
【実施例】本発明の第1の実施例を図1ないし図3によ
って説明する。
【0021】図1において、脱水部本体5の第1ブレー
ド6は、2枚のワイヤ3,4が収束する部分に配置さ
れ、同第1ブレード6は、広巾で大きい曲率半径
(R1 )をもちワイヤ3,4側へ凸に湾曲するワイヤ3
を支持する表面を備え、かつ脱水部本体5に固定された
Tバー5aに抜き差し可能に支持されている。第1ブレ
ード6の前記表面には、図2又は図3に示すようなワイ
ヤ走行方向に直交する巾方向に間隔をおいて設けられた
複数の溝を有する。
【0022】図2における溝6aは、ブレードの上流端
から(l)だけ入った所から始まり、深さ(h)でワイ
ヤ走行方向下流側へ延びて下流端に向って開放されてい
る。ブレード先端には、巾方向に連続したランド部6c
が形成され、ワイヤ3に連れ廻わる水を巾方向均一に掻
き取ることができるようになっている。
【0023】従って、原料液2がワイヤ3,4挟まれる
と、前述のようにワイヤ4の張力(t4 )と第1ブレー
ド6の表面の曲率半径(R1 )で決まる脱水圧力によっ
て、ワイヤ3,4を通して両側に脱水される。その時、
ワイヤ3を通してブレード側に脱水された白水は溝6a
を通って開放部より排出される。溝の巾(w)とピッチ
(s)はワイヤのたれ込み及び巾方向脱水ムラが生じな
い適切な寸法に定められている。
【0024】また図3は、第1ブレード6の他の溝形状
を示す。本図において、溝6a′はブレード先端から
(l)だけ入った所から始まり、ワイヤ走行方向下流側
へ延び、かつブレード下流端に向って角度(θ)で傾斜
している。溝6a′をこのような形状にすることによ
り、脱水圧力に加えフォイル効果による真空が作用する
ので、脱水は、図2に示される溝6aの場合より促進さ
れる。
【0025】次にワイヤ3,4に挟まれた原料液は下流
側に第1ブレード6に連続して配置された脱水ゾーンに
進入する。図1において、その脱水ゾーンは巾方向に連
続した複数のスロット部7aと複数のランド部7bが繰
り返されるように構成された目板7で形成される。同脱
水ゾーンは、上流側から下流側へ順次配置された第1ゾ
ーンI,第2ゾーンII及び第3ゾーンIII の3つのゾー
ンに分けられ、第1ゾーンIのワイヤ3を支持するラン
ド上面は曲率半径(R2 )でワイヤ3側に凸に湾曲して
おり、続く第2ゾーンIIは、ワイヤ3を支持するそのラ
ンド上面がフラットであり、さらに続く第3ゾーンIII
は、ワイヤ3を支持するそのランド上面が曲率(R3
で第1ゾーンIと同一方向にワイヤ3側に凸に湾曲して
いる。前記第1ゾーンIIと第2ゾーンIII の間の脱水部
本体5は、仕切り5bで仕切られており、第1ゾーンI
と第2ゾーンII及び第3ゾーンIII はそれぞれ別の真空
源に連結されている。前記第1ないし第3のゾーンI,
II及びIII は、同一の目板で構成してもよく、製作上の
便宜を考えてそれぞれ別個の目板で構成することもでき
る。
【0026】前記本実施例に係る脱水部は、図5及び図
6に示すように、ループをなして走行して下方へ向って
開口する収束部をもつ2枚のワイヤ3,4の収束部に下
方から上方へ向ってヘッドボックス1から原料液のジェ
ット2を噴射し、原料液を両ワイヤ3,4の間に挟み込
んでワイヤ3,4が上方へ移動する抄紙機のツインワイ
ヤフォーマのワイヤ3,4の収束部付近からその上方に
わたって配置される。図5に示す場合には、同脱水部
は、一方のワイヤ3のループ内に配置され、その後流側
のワイヤ3のループ内に順次脱水機器8,9及びサクシ
ョンロール10を備えている。また、図6に示す場合に
は、一方の脱水機器8が反対側のワイヤ4のループ内に
配置されている。
【0027】以上説明した本実施例においては、溝6a
又は溝6a′をその表面に有し、かつその表面がワイヤ
3側へ凸に大きい曲率半径(R1 )で湾曲した第1ブレ
ード6において、前記したように、ワイヤ3,4の両側
へ向って適当な脱水圧力によって原料液の脱水が行なわ
れ、繊維の配向度が低く、かつ、表裏差の少ない紙層が
形成される。
【0028】次いで、第1ブレード6に続く脱水ゾーン
の第1ゾーンIにおいては、その表面がワイヤ3側へ向
って凸に曲率半径(R2 )で湾曲しているために、同第
1ゾーンIの表面先端で湾曲3が折れ曲がり、同ワイヤ
3に連れまわる水を確実に掻き取って、ブレードとワイ
ヤ間への白水の進入を防ぐことができる。また、同第1
ゾーンIにおいては、ワイヤ3を支持するその表面が曲
率半径(R2 )でワイヤ3側へ向って湾曲し、かつ、同
第1ゾーンIは真空源に接続されているために、ワイヤ
張力と真空の作用によって、原料液を更にワイヤ両側へ
向って脱水することができる。
【0029】第1ゾーンIに続く第2ゾーンIIにおいて
は、ワイヤ3を支持する表面がフラットな平面状に形成
されているために、真空が作用しても急激な圧力勾配が
生ずることなく原料液の脱水が行なわれ、同ゾーンIIに
おいては繊維配向度の低いマットが形成される。
【0030】第2ゾーンIIに続く第3ゾーンIII におい
ては、ワイヤ3を支持する表面がワイヤ3側へ向って凸
に曲率半径(R3 )で湾曲し、かつ真空源に接続される
ために、ワイヤ張力と真空の作用によって更にワイヤ両
側へ向って原料液の脱水を行なうことができる。
【0031】この場合、第3ゾーンIII は、前記のよう
に、第1ゾーンIと第2ゾーンIIとは別の真空源に接続
されており、作用する真空値を第1ゾーンIと第2ゾー
ンIIとは異る値に調整することができ、脱水をコントロ
ールすると共に、同第3ゾーンIII の出側でワイヤをし
っかりと支持してその走行を安定させることができる。
【0032】以上説明したように、本実施例では、ツイ
ンワイヤフォーマにおいて、繊維の配向度が低く、異方
性と表裏にわたって繊維の配合度差が少く、かつ、厚み
方向で繊維配向度分布が均一な紙を抄造することができ
る。
【0033】また、本実施例を、図5に示すように配置
した場合には、図7に示す従来のツインフォーマのフォ
ーミングシューよりなる脱水機器11の代りに本実施例
に係る脱水部を配置したこととなり、前記の作用及び効
果によって、ツインワイヤ形式でありながら繊維配向度
の低い紙を抄造することができ、しかも後続のフォーミ
ングシュー8,サクションボックス9等の脱水機器によ
って地合の良さを維持することができる。
【0034】更に、本実施例を図6に示すように配置し
た場合には、本出願人の出願に係る特願平2−1992
30号の特許出願明細書中に説明したように、ワイヤの
両側へ向っての脱水が効果的に行なわれ、抄造される紙
の地合の維持と同時に表裏差のない紙を抄造することが
できる。
【0035】本発明の第2の実施例を、図4によって説
明する。本実施例は、図1ないし図3に示す前記第1の
実施例の脱水ゾーンにおける目板を従来のシューフォー
マで一般的に用いられている抜き差し可能なシューブレ
ード7′に置換したものである。
【0036】即ち、複数のシューブレード7′が、脱水
部本体5の上面に取付けられた図示しないTバーに支持
されてワイヤ支持面を形成しており、同ブレード7′の
上面は、第1ゾーンIで近似的に曲率半径(R2 )でワ
イヤ側へ凸に湾曲しており、第2ゾーンIIでフラット、
第3ゾーンIII で近似的に曲率半径(R3 )でワイヤ側
へ凸に湾曲している。
【0037】本実施例においては、前記第1の実施例と
同様な作用及び効果を発揮することができる。
【0038】なお、本実施例も、前記第1の実施例と同
様に、図5及び図6に示すように、ツインワイヤフォー
マに配置される。
【0039】本実施例において、第3ゾーンIII を繊維
の分散場として使用したい場合には、ブレード7′の本
数を変えることによりパルス圧力を変えることができ
る。
【0040】なお、前記の第1及び第2の実施例は、縦
型のツインワイヤフォーマの脱水装置に係るものである
が、本発明は横型のツインワイヤフォーマにも適用でき
ることはいう迄もない。
【0041】
【発明の効果】本発明は次の効果を発揮することができ
る。
【0042】(1) 抄紙機のツインワイヤフォーマの
ワイヤが収束して原料液のジェットを挟み込む部分の脱
水装置として、曲率半径の大きな溝付きの第1ブレード
を採用することにより、原料液に加わる剪断力を最小限
に抑えながら両方向に同じ脱水メカニズムで脱水が行な
われ、これによって、初期の脱水で形成されるマット
を、繊維配向度が低く、しかも、表裏における繊維配向
度差の少ないものとすることができる。
【0043】(2) 前記第1ブレードに続く、脱水ゾ
ーンをそのワイヤ支持面が曲率−平面−曲率という順に
変化させることにより、紙層内部の繊維の配向度も低い
ものが得られる。
【0044】(3) 以上の効果を持つ脱水部をツイン
ワイヤフォーマの初期脱水装置として採用することによ
り、ツインワイヤフォーマでありながら印刷用紙,情報
用紙として要求される配向度の低い、表裏差の少ない紙
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る脱水部の構成図で
ある。
【図2】同実施例の第1脱水ブレードの1例の斜視図で
ある。
【図3】同実施例の第1脱水ブレードの他の例の斜視図
である。
【図4】本発明の第2の実施例に係る脱水部の構成図で
ある。
【図5】前記本発明の第1及び第2の実施例に係る脱水
部を組込んだツインワイヤフォーマの1例の全体図であ
る。
【図6】前記本発明の第1及び第2の実施例に係る脱水
部を組込んだツインワイヤフォーマの他の側の全体図で
ある。
【図7】従来のツインワイヤフォーマの1例の全体図で
ある。
【図8】従来のツインワイヤフォーマの他の例の全体図
である。
【図9】従来のロールフォーマとシューフォーマにおけ
る原料液挟み込み部の脱水圧力の圧力分布の説明図であ
る。
【図10】図10(a)及び図10(b)は、それぞれ
シューフォーマ及びロールフォーマにおける厚み方向の
繊維配向度分布の説明図である。
【符号の説明】
1 ヘッドボックス 2 原料液のジェット 3,4 ワイヤ 5 脱水部本体 5a Tバー 5b 仕切板 6 第1ブレード 6a,6a′ 溝 6b ワイヤ走行方向ランド 6c 巾方向ランド 7 目板 7a スロット 7b ランド 7′,7″ シューブレード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 弘 広島市西区観音新町四丁目6番22号 三 菱重工業株式会社広島研究所内 (56)参考文献 特公 昭61−43480(JP,B2) 特公 昭60−30798(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D21F 1/52 D21F 9/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 収束する2枚のワイヤに挟み込まれた原
    料液を一方のワイヤに接触して脱水する脱水部をもつ抄
    紙機のツインワイヤフォーマの脱水装置において、前記
    脱水部を一方のワイヤに接する上流側の第1ブレードと
    下流側の脱水ゾーンによって構成し、前記第1ブレード
    は、ワイヤ側へ向って凸の大きい曲率半径とをもつワイ
    ヤの支持面と同ワイヤの支持面にワイヤ走行方向に設け
    られた複数の脱水用溝をもつ広巾ブレードで形成された
    ことを特徴とする抄紙機のツインワイヤフォーマの脱水
    装置。
  2. 【請求項2】 収束する2枚のワイヤに挟み込まれた原
    料液を一方のワイヤに接触して脱水する脱水部をもつ抄
    紙機のツインワイヤフォーマの脱水装置において、前記
    脱水部を一方のワイヤに接する上流側の第1ブレードと
    下流側の脱水ゾーンによって構成し、前記脱水ゾーン
    は、それぞれワイヤ走行方向に直交する溝とランドの繰
    り返しよりなるワイヤ支持面をもち上流側から下流側に
    順次配置された第1,第2及び第3のゾーンで形成さ
    れ、前記第1のゾーンのワイヤ支持面はワイヤ側へ向っ
    て凸の曲率をもち、前記第2のゾーンのワイヤ支持面は
    平面状をなし、前記第3のゾーンのワイヤ支持面はワイ
    ヤ側へ向って凸の曲率をもつと共に、前記脱水ゾーンに
    前記原料液を脱水する真空を作用させることを特徴とす
    る抄紙機のツインワイヤフォーマの脱水装置。
  3. 【請求項3】 収束する2枚のワイヤに挟み込まれた原
    料液を一方のワイヤに接触して脱水する脱水部をもつ抄
    紙機のツインワイヤフォーマの脱水装置において、前記
    脱水部を一方のワイヤに接する上流側の第1ブレードと
    下流側の脱水ゾーンによって構成し、前記第1ブレード
    は、ワイヤ側へ向って凸の大きい曲率半径とをもつワイ
    ヤの支持面と同ワイヤの支持面にワイヤ走行方向に設け
    られた複数の脱水用溝をもつ広巾ブレードで形成され、
    前記脱水ゾーンは、それぞれワイヤ走行方向に直交する
    溝とランドの繰り返しよりなるワイヤ支持面をもち上流
    側から下流側に順次配置された第1,第2及び第3のゾ
    ーンで形成され、前記第1のゾーンのワイヤ支持面はワ
    イヤ側へ向って凸の曲率をもち、前記第2のゾーンのワ
    イヤ支持面は平面状をなし、前記第3のゾーンのワイヤ
    支持面はワイヤ側へ向って凸の曲率をもつと共に、前記
    脱水ゾーンに前記原料液を脱水する真空を作用させるこ
    とを特徴とする抄紙機のツインワイヤフォーマの脱水装
    置。
JP3144742A 1991-06-17 1991-06-17 抄紙機のツインワイヤフォーマの脱水装置 Expired - Fee Related JP2809358B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3144742A JP2809358B2 (ja) 1991-06-17 1991-06-17 抄紙機のツインワイヤフォーマの脱水装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3144742A JP2809358B2 (ja) 1991-06-17 1991-06-17 抄紙機のツインワイヤフォーマの脱水装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04370288A JPH04370288A (ja) 1992-12-22
JP2809358B2 true JP2809358B2 (ja) 1998-10-08

Family

ID=15369305

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3144742A Expired - Fee Related JP2809358B2 (ja) 1991-06-17 1991-06-17 抄紙機のツインワイヤフォーマの脱水装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2809358B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6372091B2 (en) * 1999-06-18 2002-04-16 Metso Paper, Inc. Method and apparatus for forming a paper web
US7005040B2 (en) * 2000-09-05 2006-02-28 Astenjohnson, Inc. Fabric support element for a papermaking machine

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6030798A (ja) * 1983-07-29 1985-02-16 三井建設株式会社 拡大シ−ルド掘進機
JPS6143480A (ja) * 1984-08-08 1986-03-03 Agency Of Ind Science & Technol 電界効果トランジスタ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04370288A (ja) 1992-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6372091B2 (en) Method and apparatus for forming a paper web
US3837999A (en) Method of controlling the orientation of fibers in a foam formed sheet
JP2898752B2 (ja) ツインワイヤ式フォーマ
JP4526389B2 (ja) ツインワイヤフォーマ又はフォーマのツインワイヤセクションにおける紙又は板紙ウェブの形成
US4838996A (en) Hydrofoil blade for producing turbulence
CA2067986C (en) Wire loading device in a paper machine
US6126786A (en) Apparatus and method of generating stock turbulence in a fourdrinier forming section
CA2228259C (en) Roll and blade twin-wire gap former for a paper machine
JP2809358B2 (ja) 抄紙機のツインワイヤフォーマの脱水装置
JP2007277788A (ja) 抄紙機又は板紙機の形成部上の脱水素子及び抄紙機又は板紙機の脱水素子のカバー
JP3244911B2 (ja) 抄紙機のツインワイヤフォーマ
US5871617A (en) Paper machine twin-wire former with dewatering limiting blade device
JP2808491B2 (ja) 抄紙機のツインワイヤフォーマ
DE69417030T2 (de) Verfahren zur herstellung von tissuepapier
US6562197B2 (en) Drainage hydrofoil blade
GB1602214A (en) Vertical twin wire paper machine
US5248392A (en) Sheet-forming apparatus for a twin wire paper machine with positive pulse shoe blades
CA2300280C (en) Apparatus and method of generating stock turbulence in a fourdrinier forming section
JP2749971B2 (ja) 抄紙機の紙層形成装置
JPS6137398B2 (ja)
JP3021223B2 (ja) ツインワイヤ抄紙機
WO2000052261A1 (en) High consistency paper formation
CA2277979C (en) Roll and blade twin-wire gap former for a paper machine
JPH05171591A (ja) ウエブ形成装置
KR20000010759A (ko) 제지기용 다층 헤드박스

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19980623

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080731

Year of fee payment: 10

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080731

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees