JP2808421B2 - 隧道の位置測定装置と管体の推進装置 - Google Patents

隧道の位置測定装置と管体の推進装置

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JP2808421B2
JP2808421B2 JP7180159A JP18015995A JP2808421B2 JP 2808421 B2 JP2808421 B2 JP 2808421B2 JP 7180159 A JP7180159 A JP 7180159A JP 18015995 A JP18015995 A JP 18015995A JP 2808421 B2 JP2808421 B2 JP 2808421B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光波を利用して曲
線状の隧道の所定位置を測定する位置測定装置と、その
位置測定装置を利用して管体を計画軌道に沿って自動的
に曲線状に敷設できる管体の推進装置と、に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、隧道の所定地点
の位置の測定は、赤外線や可視光等の光波を利用した光
波距離計により、距離を測定し、トランシットにより角
度を測定して、位置の測定をすることとなっていた。ま
た、これらの光波距離計とトランシットとの2つの機能
を備えたトータルステーションにより、位置の測定を行
なう場合もあった。
【0003】しかし、これらの装置を使用しても、光は
直進するため、隧道の見通しできる範囲の測定に限ら
れ、見通しできない曲線状の部分では、人が隧道の中に
入って、見通しできる直線毎に機器を移設しながら測定
し、複数の折線として位置を測定することとなってい
た。
【0004】そのため、位置の測定には、多大の時間を
必要とし、また、人が隧道の中に入って計測することに
よる安全性にも改善の余地があった。
【0005】これらの問題解決のため、隧道に人が入ら
ずに、位置を測定できる技術として、特開昭61−21
9872号公報では、レーザビーム発射手段と受光手段
とを、見通し範囲内の一定距離を保って隧道内を移動で
きるように、ガイドで案内させるようにして、測定する
技術が開示されている。
【0006】しかし、この技術では、隧道内に別途ガイ
ドを敷設する必要が生じ、設備費が増大するとともに、
設置時の隧道内の作業の危険性が回避できない。
【0007】また、特開平5−61538号公報では、
隧道内にレール等を引いて台車を走行させるとともに、
一定区間毎に、超音波を受信して台車の位置の誤差を検
知し、台車における車輪の回転から算出した移動距離を
修正する検知手段を配置させ、測定する技術が開示され
ている。
【0008】しかし、この技術でも、隧道内にレールや
超音波受信器等を設置しなければならず、設備費が増大
し、また、設置時の安全性も考慮する必要が生ずる。
【0009】なお、台車を利用した曲線軌道の位置検出
に関しては、他に、特開平5−280982号公報、特
開平6−137068号公報、特開平6−137071
号公報、特開平6−137072号公報、特開平6−1
58982号公報等が知られているが、これらも、上述
と同様な課題が生じていた。
【0010】本発明の第1の目的は、上述の課題を解決
するものであり、見通しできない曲線状の隧道であって
も、人が入ることを極力無くし、簡便かつ低コストで、
正確に隧道内の所定位置を測定できる隧道の位置測定装
置を提供することである。
【0011】また、本発明の第2の目的は、隧道を掘削
しつつ管体を曲線状に推進させて敷設するにあたり、推
進開始地点の隧道の竪坑に対する先頭管体の位置を測定
しつつ、先頭管体の位置に応じて先頭管体を所定の方向
に向けて掘削しつつ推進させ、精度良く、管体を計画軌
道に沿って自動的に曲線状に敷設できる管体の推進装置
を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る位置測定装
置は、隧道内の所定位置に配置されて、発光部及び受光
部を有した光学部と、該光学部を上下左右へ振り可能な
回動手段と、該回動手段の作動を制御するとともに前記
光学部からの信号を電気的に処理して距離と角度とを測
定する制御部と、を備えたトータルステーションと、該
トータルステーションから離れた測定地点に配置され
て、前記トータルステーションの発光部から発する光波
を入射して反射させる鏡部と、該鏡部を上下左右へ振り
可能な回動手段と、を備えた先頭反射器と、前記トータ
ルステーションと前記先頭反射器との間に、所定数配置
されて、前記トータルステーションの発光部及び前記先
頭反射器の鏡部から入射する光波を所定方向に反射させ
る鏡部と、該鏡部を上下左右へ振り可能な回動手段と、
を備えた中間反射器と、を具備するとともに前記先頭
反射器と前記中間反射器との鏡部を、それぞれ、平面鏡
と、該平面鏡の周囲に固定されて、入射する光波を入射
方向に反射するコーナキューブ反射鏡と、から構成し、
前記トータルステーション・前記先頭反射器・前記中間
反射器の回動手段を作動させて、前記光学部と前記先頭
反射器及び前記中間反射器の鏡部とを所定方向に向け
て、前記トータルステーションの発光部から発する光波
を、前記中間反射器の鏡部を経て、前記先頭反射器の鏡
部に反射させ、再度、前記中間反射器の鏡部を経て、前
記トータルステーションの受光部に送り返すことによ
り、前記トータルステーションに対する前記先頭反射器
を配置させた測定地点の2次元若しくは3次元の位置を
測定するものである。
【0013】
【0014】
【0015】 本発明に係る推進装置は、複数の管体
が、最後部側の竪坑に配置される元押しジャッキにより
順次推進されるとともに、先頭の管体の前端側に配置さ
れる先導管が、前記先頭管体の後続の管体との間に介在
される開口調整ジャッキ群によって、所定の方向で、隧
道を掘削しつつ、前記複数の管体を曲線状に敷設するに
あたり、前記先頭管体の前記竪坑に対する2次元若しく
は3次元の位置を測定する位置測定装置からの信号を入
力させた制御装置が、予め入力されていたデータに基い
て、前記開口調整ジャッキ群を制御することにより、前
記複数の管体を曲線状に敷設する管体の推進装置であっ
て、前記位置測定装置が、前記竪坑に配置されて、発光
部及び受光部を有した光学部と、該光学部を上下左右へ
振り可能な回動手段と、該回動手段の作動を制御すると
ともに前記光学部からの信号を電気的に処理して距離と
角度とを測定する制御部と、を備えたトータルステーシ
ョンと、前記先頭管体に配置されて、前記トータルステ
ーションの発光部から発する光波を入射して反射させる
鏡部と、該鏡部を上下左右へ振り可能な回動手段と、を
備えた先頭反射器と、前記竪坑と前記先頭反射器との間
の管体に、所定数配置されて、前記トータルステーショ
ンの発光部及び前記先頭反射器の鏡部から入射する光波
を所定方向に反射させる鏡部と、該鏡部を上下左右へ振
り可能な回動手段と、を備えた中間反射器と、を具備
るとともに前記先頭反射器と前記中間反射器との鏡部
を、それぞれ、平面鏡と、該平面鏡の周囲に固定され
て、入射する光波を入射方向に反射するコーナキューブ
反射鏡と、から構成し、前記制御装置を、前記位置測定
装置における前記トータルステーションの制御部と、前
記先頭反射器・前記中間反射器の回動手段とに、電気的
に接続させ、前記制御装置により、前記トータルステー
ションの光学部と、前記先頭反射器及び前記中間反射器
の鏡部と、を上下左右に振らせて所定方向に向かせ、前
記トータルステーションの発光部から発する光波を、前
記中間反射器の鏡部を経て、前記先頭反射器の鏡部に反
射させ、再度、前記中間反射器の鏡部を経て、前記トー
タルステーションの受光部に送り返し、前記トータルス
テーションに対する前記先頭反射器を配置させた測定地
点の2次元若しくは3次元の位置を測定する構成よりな
ることを特徴とする。
【0016】
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を図面に基づいて説明する。
【0018】実施形態の位置測定装置Mは、図1と図2
に示すように、隧道1の一端に配置されるトータルステ
ーション3と、隧道1の測定地点である他端に配置され
る先頭反射器7と、隧道1内のトータルステーション3
と先頭反射器7とを見通しできる位置に配置される中間
反射器8と、トータルステーション3や反射器7・8の
作動を制御する制御装置12と、を備えて構成されてい
る。なお、中間反射器8は、隧道1の曲線状況によっ
て、適宜、増加させても良い。
【0019】トータルステーション3は、電子式デジタ
ルセオドライトと光波距離計とが一体となって、電子光
学的に測定地点の距離と角度を測定して、それらの値を
デジタル表示できる公知のものであり、赤外線のビーム
を発する発光部4a及び発光部4aから発した光波を受
光する受光部4bを有した光学部4と、光学部4を上下
左右に振り可能な回動手段5と、回動手段5の作動を制
御するとともに光学部4からの信号を電気的に処理して
距離と角度を測定する制御部6と、を備えて構成されて
いる。
【0020】なお、発光部4aから発する赤外線ビーム
は細く絞られているが、ある程度広がりを持つことか
ら、受光部4bは、反射光における最も光の受光強度の
高い点を測定することとなる。
【0021】また、トータルステーション3の制御部6
は、距離と角度の測定データを電気信号として出力する
ことができ、RS−422やGP−IP等のインターフ
ェースを介在させて、パーソナルコンピュータからなる
制御装置12に接続させることにより、一連の測定の計
算処理の他、表や地図の作成までも可能となるものであ
る。
【0022】さらに、回動手段5は、後述する反射器7
・8の回動手段10と同様に、光学部4を支持するジン
バルと、光学部4を上下方向に回動させるようにジンバ
ルに連結される縦サーボモータと、光学部4を左右方向
に回動させるようにジンバルを保持する横サーボモータ
と、を備えて構成されている。こられの各サーボモータ
には、エンコーダが内蔵されている。
【0023】先頭反射器7と中間反射器8は、図3に示
すように、共に、トータルステーション3の発光部4a
が発する光波を反射させる鏡部9と、鏡部9を上下左右
に回動可能な回動手段10と、から構成されている。
【0024】鏡部9は、円形の平面鏡9aと、平面鏡9
aの周囲に固定されて、入射する光波を入射方向に反射
させるコーナキューブ反射鏡9bと、から構成されてい
る。コーナキューブ反射鏡9bは、自転車の後部フレー
ム等に配設されて、夜間、自動車のライトを反射する役
目を果すものと等価の、小型の互いに直交する三面の平
面鏡が組み合わされた構造としており、これを多数並べ
てプラスチック材により円環状に形成されたものであ
る。
【0025】回動手段10は、鏡部9を支持するジンバ
ル10aと、鏡部9を上下方向に回動させるようにジン
バル10aに連結される縦サーボモータ10bと、鏡部
9を左右方向に回動させるようにジンバル10aを保持
する横サーボモータ10cと、から構成されている。ま
た、各サーボモータ10b・10cには、それぞれの回
動軸の回転角度をデジタル量として読み取るエンコーダ
が内蔵されている。
【0026】制御装置12は、電源回路を有し、先頭反
射器7・中間反射器8の各モータ10b・10cやトー
タルステーション3の制御部6に、図示しないリード線
を利用して、電気的に接続され、各部の作動を制御する
ものである。
【0027】この位置測定装置Mを使用して、先頭反射
器7の配置された測定地点の位置を測定する場合には、
制御装置12が、図4〜6に示すように、所定の制御を
行なって、初期動作、中間反射器8の横粗正対と縦粗正
対、初期設定、中間反射器8の精正対、中間反射器8の
横設定と縦設定、先頭反射器7の設定等、をステップ1
01〜137の手順で行なうこととなる。
【0028】なお、トータルステーション3の光学部4
と先頭反射鏡7とは、当初、隧道1の中心線に正対して
おり、光学部4が、基準線C1に沿い、先頭反射器7の
鏡部9が、基準線C2と直交している。
【0029】(A) 初期動作では、まず、ステップ101
において、制御装置12がオンされ、ステップ102・
103において、中間反射器8の横サーボモータ10c
を作動させて、中間反射器8のコーナキューブ反射鏡9
bを、大旨の横角度ψ4 分回転させ、また、ステップ1
04・105において、中間反射器8の縦サーボモータ
10bを作動させて、中間反射器8のコーナキューブ反
射鏡9bを、大旨の縦角度θ4 分回転させて、中間反射
器8の鏡部9をトータルステーション3に略正対させ
る。
【0030】(B) 中間反射器8の横粗正対では、まず、
ステップ106において、制御部6を介して回動手段5
を作動させ、トータルステーション3の光学部4を、ゆ
っくり、例えば±2°の範囲で左右に往復操作させる。
【0031】するとその際、トータルステーション発光
部4aからのビームが、中間反射器8のコーナキューブ
反射鏡9bで反射して、受光部4bが受光する。そし
て、平面鏡9aにビームが当たっている時には、中間反
射器8がトータルステーション3に精正対していないこ
とから、反射しても受光部4bは受光しない。
【0032】そのため、トータルステーション3の左右
の一走査で、図7に示すように、受光する部分を基に、
平面鏡9aの左右方向の中央位置を求めることができ、
ステップ107・108において、その中央角度にトー
タルステーション3の光学部4を固定する。
【0033】この時のトータルステーション3の光学部
4は、当初向いていた基準線C1から、図1と図8に示
すように、水平に角度ψ1 ずれることとなり、ステップ
109において、その横角度ψ1 を制御装置12が記憶
する。
【0034】(C) 中間反射器8の縦粗正対では、横粗正
対と同様な操作で縦方向に行なうものであり、まず、ス
テップ110において、トータルステーション3の光学
部4を、ゆっくり、例えば±2°の範囲で上下に往復操
作させる。その際、トータルステーション発光部4aか
らのビームが、中間反射器8のコーナキューブ反射鏡9
bで反射して、受光部4bが受光し、平面鏡9aにビー
ムが当たっている時には、中間反射器8がトータルステ
ーション3に精正対していないことから、反射しても受
光部4bは受光しない。
【0035】したがって、トータルステーション3の上
下の一走査で、受光する部分を基に、平面鏡9aの上下
方向の中央位置を求めることができ、ステップ111・
112において、その中央角度にトータルステーション
3の光学部4を固定すれば、この時のトータルステーシ
ョン3の光学部4は、中間反射器8の平面鏡9aの中心
に向くこととなる。
【0036】またこの時、図2と図8に示すように、当
初向いていた基準線C1から、上下に角度θ1 ずれるこ
ととなり、ステップ113において、その角度θ1 を制
御装置12が記憶する。
【0037】(D) 中間反射器8の精正対では、ステップ
114において、中間反射器8の縦サーボモータ10b
と横サーボモータ10cとを周波数を変えて、同時に作
動させる。例えば、縦サーボモータ10bを0.1Hz
(10秒間に1回の割合でゆっくり往復作動させる)と
し、横サーボモータ10cを1Hz(1秒間に1回の割
合で往復作動させる)として、振幅を±1°とする。
【0038】そして、トータルステーション3の発光部
4aからビームを発すれば、中間反射器8の平面鏡9a
の中心にビームが当たっており、上下左右の±1°の範
囲で細かく走査され、何れかの地点で平面鏡9aが受光
部4bと正対して、受光部4bが受光強度を最大とする
こととなり、ステップ115において、その最大受光強
度の時点で中間反射器8の平面鏡9aを固定すれば、平
面鏡9aは、トータルステーション3の光学部4と正対
することとなる。この時の中間反射器平面鏡9aの中心
点を基準とした平面鏡9aの水平線方向の角度が、図1
に示す基準線C3方向となり、中間反射器平面鏡9aの
中心点を基準とした平面鏡9aの鉛直線方向の角度が、
図2に示す基準線C4方向となる。
【0039】また、この時点で、中間反射器8の平面鏡
9aがトータルステーション3の光学部4と正対してお
り、トータルステーション3と中間反射器8の配置位置
との距離L1 (図8参照)を測定可能となるため、ステ
ップ116において、制御部6を作動させて、距離L1
を測定させて、その距離L1 を制御装置12が記憶す
る。
【0040】(E) 初期設定では、ステップ117・11
8において、先頭反射器7の横サーボモータ10cを作
動させて、基準線C2から、先頭反射器7の鏡部9を大
旨の横角度ψ3 分回転させるとともに、ステップ119
・120において、先頭反射器7の縦サーボモータ10
bを作動させて、基準線C2から、先頭反射器7の鏡部
9を大旨の縦角度θ3 分回転させて、先頭反射器7の鏡
部9を中間反射器8の方向に大旨正対させる。
【0041】ついで、ステップ121・122におい
て、中間反射器8の鏡部9を、横サーボモータ10cを
作動させて、図1に示す大旨の横角度ψ4 分回転させる
とともに、ステップ123・124において、中間反射
器8の鏡部9を、縦サーボモータ10bを作動させて、
図2に示す大旨の縦角度θ4 分回転させる。
【0042】(F) 中間反射器8の横設定では、ステップ
125において、中間反射器8の横サーボモータ10c
を作動させて、中間反射器8の鏡部9を例えば±2°の
範囲で左右に回転走査させる。
【0043】この時、トータルステーション発光部4a
からのビームが、中間反射器8の平面鏡9aを経て、先
頭反射器7のコーナキューブ反射鏡9bで反射し、再
度、中間反射器8の平面鏡9aを経て、受光部4bが受
光し、先頭反射器7の平面鏡9aにビームが当たってい
る時には、先頭反射器7が中間反射器8に精正対してい
ないことから、反射しても受光部4bは受光しない。
【0044】したがって、中間反射器8の左右の一走査
で、受光する部分を基に、先頭反射器7の鏡部9(平面
鏡9a)の中心点に対して発光部4aのビームを当てる
ことのできる左右方向の中間反射器8の角度を求めるこ
とができ、ステップ126・127において、その角度
に中間反射器8の鏡部9を固定すれば、この時の中間反
射器8の鏡部9は、図1に示すように、鏡部9(平面鏡
9a)の中心点を基準とした水平線方向の角度が、基準
線C3から横角度ψ4 の角度となる。
【0045】そして、ステップ128において、制御装
置12は、90°から横角度ψ4 を引いた横角度ψ2
記憶する。
【0046】(G) 中間反射器8の縦設定では、ステップ
129において、中間反射器8の縦サーボモータ10b
を作動させて、中間反射器8の鏡部9を例えば±2°の
範囲で上下に回転走査させる。
【0047】この時、トータルステーション発光部4a
からのビームが、中間反射器8の平面鏡9aを経て、先
頭反射器7のコーナキューブ反射鏡9bで反射し、再
度、中間反射器8の平面鏡9aを経て、受光部4bが受
光し、先頭反射器7の平面鏡9aにビームが当たってい
る時には、先頭反射器7が中間反射器8に精正対してい
ないことから、反射しても受光部4bは受光しない。
【0048】したがって、中間反射器8の上下の一走査
で、受光する部分を基に、先頭反射器7の鏡部9(平面
鏡9a)の中心点に対して発光部4aのビームを当てる
ことのできる上下方向の中間反射器8の角度を求めるこ
とができ、ステップ130・131において、その角度
に中間反射器8の鏡部9を固定すれば、この時の中間反
射器8の鏡部9は、図2に示すように、鏡部9(平面鏡
9a)の中心点を基準とした鉛直線方向の角度が、基準
線C4から縦角度θ4 の角度となる。
【0049】そして、ステップ132において、制御装
置12は、90°から縦角度θ4 を引いた縦角度θ2
記憶する。
【0050】(H) 先頭反射器7の設定では、ステップ1
33において、先頭反射器7の縦サーボモータ10bと
横サーボモータ10cとを周波数を変えて、同時に作動
させる。例えば、縦サーボモータ10bを0.1Hzと
し、横サーボモータ10cを1Hzとして、振幅を±1
°とする。
【0051】そして、トータルステーション3の発光部
4aからビームを発すれば、中間反射器8の精正対と同
様に、上下左右の±1°の範囲で細かく走査され、何れ
かの地点で先頭反射器7の平面鏡9aが中間反射器8と
正対して、受光部4bが受光強度を最大とすることとな
り、ステップ134において、その最大受光強度の時点
で先頭反射器7の平面鏡9aを固定すれば、先頭反射器
7の平面鏡9aは、中間反射器8と正対することとな
る。
【0052】この時、図1に示すように、先頭反射器平
面鏡9aの中心点を基準とする平面鏡9aの水平線方向
の、基準線C2からの横角度は、ψ3 となり、ステップ
135において、その横角度ψ3 を制御装置12が記憶
する。
【0053】また、この時、図2に示すように、先頭反
射器平面鏡9aの中心点を基準とする平面鏡9aの鉛直
線方向の、基準線C2からの縦角度は、θ3 となり、ス
テップ136において、その縦角度θ3 を制御装置12
が記憶する。
【0054】また、この時点で、先頭反射器7の平面鏡
9aが中間反射器8と正対しており、トータルステーシ
ョン3と先頭反射器7の配置位置との距離(L1 +L
2 )を測定可能となるため、ステップ137において、
制御部6を作動させて、距離(L1 +L2 )を測定させ
て、その距離(L1 +L2 )を制御装置12が記憶す
る。
【0055】ついで、制御装置12では、(L1 +L
2 )からL1 を減ずれば、L2 が求められる。
【0056】そして、基準線C1に対する基準線C2の
横角度ψと縦角度θとは、 ψ=ψ1 +2ψ2 +ψ3 …(1) θ=θ1 +2θ2 +θ3 …(2) で表され、制御装置12において、(1) ・(2) 式を演算
すればψとθとを算出することができる。
【0057】そのため、実施形態の位置測定装置Mで
は、L1 、L2 、ψ1 、ψ2 、ψ3 、ψ、θ1 、θ2
θ3 、θ、の所量が自動的に測定若しくは算出されるこ
とから、トータルステーション3からの測定地点である
先頭反射器7の配置位置を自動的に測定することができ
ることとなる。
【0058】そのため、実施形態の位置測定装置Mで
は、見通しできない曲線状の隧道1であっても、トータ
ルステーション3・先頭反射器7・中間反射器8を所定
位置に配置させるだけで、隧道1内に人が入らなくと
も、簡便かつ低コストで、正確に隧道1内の所定の測定
地点の位置測定が行なえることとなる。
【0059】ちなみに、実施形態の位置測定装置Mの測
定精度について述べると、本測定装置Mの距離の測定精
度は、トータルステーション3のみの精度であり、角度
の測定精度は、トータルステーション3を含めた各部モ
ータのエンコーダの誤差の合計となる。そして、公知の
トータルステーションの一例では、距離誤差の標準偏差
が1Kmにおいて2mmであり、角度誤差の標準偏差が0.
5″である。公知のエンコーダの一例では、角度誤差の
標準偏差が約2″である。光中継点が1箇所で、反射器
を先頭反射器7と中間反射器8との2個使用する場合で
は、角度誤差の標準偏差は、約3″、即ち、約1万分の
8度となる。そのため、本測定装置Mでは、高精度に測
定地点の位置の測定を行なうことができる。
【0060】なお、中間反射器8の数を増加させるよう
に隧道1がさらに曲っているような場合には、トータル
ステーション3に最も近い中間反射器の初期動作・横粗
正対・縦粗正対・精正対、最も近いものと次の中間反射
器の初期設定、最も近い中間反射器の横設定・縦設定、
次の中間反射器の設定(最も近い中間反射器に対する次
の中間反射器の精正対)を行ない(これらは、図4〜6
に示すステップ101〜137までの制御と同様であ
る)、後は、順次、増加した中間反射器8の個数分、ス
テップ117〜137を繰返せば良い。
【0061】また、その際、図4〜6のステップ106
・110・114・125・129・133の±2°や
±1°は、隧道1の形により、適宜変更することが望ま
しい。
【0062】さらに、実施形態では、3次元の位置測定
について説明したが、2次元の隧道の測定地点の測定で
は、トータルステーション3の光学部4や反射器7・8
の鏡部9を鉛直方向に傾斜させずに直立させ、位置測定
装置Mの横角度の信号のみを使用して各部を制御すれば
良い。
【0063】さらにまた、実施形態では、制御装置12
を利用し、自動化して、測定地点を測定するようにした
が、勿論、制御装置12を利用することなく、トータル
ステーション3の光学部4・先頭反射器7・中間反射器
8の回動手段5・10を自動制御することなく、手動に
より、逐次操作するようにしても良い。
【0064】ちなみに、上記位置測定装置Mの測定結果
は、隧道1のセンターラインに対するものではなく、光
波の中継点(中間反射器8の配置位置)を結ぶ折線に対
するものである。そのため、曲線の隧道1のセンターラ
イン上での測定とする場合には、測定結果を変換する必
要がある。
【0065】そして、光波の中継点をセンターライン上
に置く場合には、前記の折線からセンターライン曲線へ
の変換が正確に行ない易いが、光波の中継点をセンター
ライン上からオフセットして置く場合に比べて、見通し
できる距離が短くなる。そのため、光波の中継点をセン
ターラインから見通し距離が長くなるようにオフセット
して置く場合には、光波中継点の数を、センターライン
上に設置する場合より減少させることができる。しか
し、この場合には、折線測定値から実際のセンターライ
ン曲線長への変換が近似的にしか行なえない。
【0066】そこで、中継点をセンターライン上に置く
場合と、センターライン上からオフセットして置く場合
とについて、測定した折線距離からセンターライン曲線
距離への変換について説明する。
【0067】曲線部の測量視準線と曲線部のセンターラ
インとの開きは、管内径Dの1/2以内でなければ、見
通しできないので、実際には、余裕をみて、0.45D
として光波中継点までの最大測量長を求める。これによ
って、光波中継点(中間反射器8)の必要数を知ること
ができる。
【0068】図9に折線からセンターライン長への変換
のために関係位置の図を示す。図9において、直線から
曲線への変化点を原点(0,0)Cとし、トータルステ
ーション設置点をAとし、ACの延長線をx軸とする。
x軸と直交する軸をy軸とする。線APQは、曲線のセ
ンターラインを見通しできる最長の直線である。
【0069】 直線PQ(長さ)={(R−η)2 −(R−M)21/2 ={η2 −2Rη+M(2R−M)}1/2 …(3) △ACPと△OPQとが相似形であるから、 η/l0 =線PQ(長さ)/(R−M) …(4) (3) ・(4) 式よりつぎの(5) 式が求められ、 η=[−R+{R2 +MK1 (2R−M)}1/2 ]/K1 …(5) 但、K1 ={(R−M)/l02 −1、また、η>0
となる。
【0070】直線ABの方程式は(6) 式の如く、 y=(η/l0 )x+η …(6) となる。
【0071】半径Rの円の方程式(7) 式の如く、 R2 =x2 +(R−y)2 …(7) となる。
【0072】(5) 〜(7) 式よりつぎの(8) 式が求めら
れ、 x=l0 {η(R−η)+K1 }/(l0 2+η2 ) …(8) となる。
【0073】また、曲線BCの長さは、つぎの(9) 式と
なり、 曲線BC(長さ)=lC =Rsin-1 (x/R) …(9) となる。
【0074】トータルステーションから曲線のセンター
ライン上の測量可能長L0 は、 L0 =lO +lC …(10) となる。
【0075】すなわち、曲線のセンターライン上の光中
継点をおく場合の最大計測可能なx座標は、(8) 式で示
され、その時のセンターライン長の長さは、(10)式で示
されることとなる。
【0076】つぎに、光波中継点の位置は、隧道のセン
ターラインより曲線の外側にオフセットして置いた方が
センターライン上に置くよりも見通しできる距離が長く
なる。この場合の測定結果からセンターライン上の長さ
への換算について述べる。
【0077】図10において、点Aは、トータルステー
ションの位置であり、点Bは、光波の中継点であり、セ
ンターラインよりL3 だけ曲線の外側にオフセットして
ある。点Eは、測定地点であり、点Cは、直線と曲線と
の変化点である。
【0078】また、軌道の計画曲線より、α1 、α2
α3 、L3 、L4 、Rは既知であるものとする。
【0079】これらの値からL1 は、三角形の余弦定理
を使って、 L1 =(R+L32 +R2 +L4 2 −2(R+L3 )(R2 +L4 21/2 cos (α1 +α2 )…(11) となる。
【0080】L1 の測定値をL1 ′とすると、L1 とL
1 ′との差が計画軌道と実際の軌道との差であり、これ
をΔL1 とする。
【0081】L2 に関しても、三角形の余弦定理を使っ
て、 L2 =R2 +(R+L32 −2R(R+L3 )cos α3 …(12) となる。
【0082】L2 の測定値をL2 ′とすると、L2 とL
2 ′との差が計画軌道と実際の軌道との差であり、これ
をΔL2 とする。
【0083】一方、AE間のセンターラインの長さL
は、 L=L4 +R(α2 +α3 ) …(13) となる。
【0084】厳密な意味におけるLの計画軌道上の値と
実際の軌道の値との差は求められないが、近似的、また
は実用的には、LにΔL1 とΔL2 とを加えた値(ΔL
1 とΔL2 は正または負の値)でもって、実際のセンタ
ーライン長とすれば良い。
【0085】したがって、 AE間のセンターラインの長さ=L+ΔL1 +ΔL2 =L4 +R(α2 +α3 )+ΔL1 +ΔL2 =L4 +R(α2 +α3 )+L1 −L1 ′(測定値)+L2 −L2 ′(測定値) =L4 +R(α2 +α3 )+(R+L32 +R2 +L4 2 −2(R+L3 )(R2 +L4 21/2 cos (α1 +α2 )−L1 ′(測定値) +R2 +(R+L32 −2R(R+L3 )cos α3 −L2 ′(測定値) …(14) なお、上述では、光波中継点が1個の場合について説明
したが、光波中継点間の直線距離Ln は(11)・(12)式で
求められる。また、センターライン曲線は、曲線中心に
占める角度αn から(13)式によって求められることか
ら、光波中継点が複数の場合であっても、(14)式を応用
して、1計画軌道の直線距離Ln と測定値Ln ′の差、
ΔLn をセンターライン曲線の計画軌道に加えることに
より、センターライン曲線長を実用的に求めることがで
きる。
【0086】つぎに、本発明の実施形態の推進装置Pに
ついて説明すると、この推進装置Pは、図11に示すよ
うに、複数のヒューム管等の管体51、開口調整ジャッ
キ53、緩衝材55、先頭の管体51Aの前端側に配置
される刃口やシールド機等からなる先導管62、元押し
ジャッキ63、制御装置68、及び、位置測定装置Mを
備えて構成されている。
【0087】開口調整ジャッキ53は、油圧ジャッキを
利用するものであり、図12・13に示すように、管体
51・51相互の端面付近に、所定のブラケット(図符
号省略)を固着させて、上下左右から45°ずらして4
個ずつ配設され、4個ずつで1つの開口調整ジャッキ群
52を構成することとなる。
【0088】なお、大径の管体51の場合には、図14
・15に示すように、開口調整ジャッキ52を大型化さ
せて、それらの両端と管体51の端面との間に、鋼板製
の当板56と硬質ゴム板からなる緩衝材57とを配置さ
せても良く、さらに、開口調整ジャッキ群52として、
実施例で設けた位置に複数個ずつの開口調整ジャッキ5
3を設けるようにしても良い。
【0089】また、これらの開口調整ジャッキ53に
は、油圧ジャッキのピストンロッド53aのストローク
を検出可能な差動トランス等からなる開口調整検出セン
サ54が配置されており、各開口調整ジャッキ53は、
後述する制御装置本体69の制御により、図示しない電
磁弁を介して、ストロークを作動制御されることとな
る。
【0090】このような開口調整ジャッキ53を備えた
開口調整ジャッキ群52では、管体51・51間の4個
の内の左右若しくは上下の2つずつの各々に、制御装置
本体69からのコマンド信号を入力させれば、管体51
・51間に所定の開口差を設けることができる。
【0091】そして、実施形態の場合には、開口調整ジ
ャッキ群52が、先頭の管体51Aを計画軌道に沿って
敷設するために、先頭管体51Aと第2番目の管体51
Bとの間と、第2番目の管体51Bと第3番目の管体5
1Cとの間と、に配設されている。
【0092】すなわち、特公平1−56240号公報に
記載されているように、先行の管体と後続の管体との間
の開口調整を、隧道の変化点(直線部から曲線部が始ま
る始曲点、曲線部から他の曲線部が始まる変曲点、及
び、曲線部から直線部が始まる終曲点等)に、先行の管
体と後続の管体とが到達した時の2回行ない、さらに、
後続の管体とさらにその後続の管体との開口調整を、後
続の管体が変化点に到達した時に1回行なえば、先行の
管体を、つぎの隧道の変化点まで、曲線状の計画軌道に
沿って推進させることができ、先行の管体を計画軌道に
沿って推進させる場合には、先行と後続の管体相互の間
と、後続とさらにその後続の管体相互間に、開口調整部
材(開口調整ジャッキ)を配置させれば、後述する緩衝
材55の作用とあいまって、後続の管体を先行の管体に
追従させて、計画軌道に沿って精度良く推進させ易くな
るからである。
【0093】緩衝材55は、管体51の端面に当接可能
な連続状若しくは断続的な円環状として、発泡プラスチ
ック材から形成され、一方の管体51の端面に接着され
ている。緩衝材55は、先頭管体51Aの軌跡に追従し
て、後続の管体51相互間に開口差が生じようとする
際、軌跡の曲線の内側部位を圧縮させて、管体51を先
頭管体51Aの曲線の軌跡に追従させるとともに、管体
51の端面に働く推進力を平均化する役目を果すことと
なる。そして、緩衝材55は、開口調整ジャッキ53よ
りコストが安価なため、管体51の敷設後に回収しなく
とも良く、施工コストの上昇を防ぐことができることか
ら、工費の低減化を図るために、実施例の場合には、第
3番目以後の管体51相互間に、この緩衝材55を配設
させている。
【0094】そして、管体51・51相互の縁周囲と開
口調整ジャッキ群52若しくは緩衝材55の周囲とに
は、それらを覆う鋼板からなる円筒形の覆い管60が配
設されている。覆い管60は、図12〜15に示すよう
に、管体51の後部外周面に固着されるとともに、管体
51の外周面に配設されるゴムリング61に圧接され、
開口調整ジャッキ群52の周囲の水密性を確保すること
となる。
【0095】元押しジャッキ63は、油圧ジャッキから
構成され、管体51を推進させるためのものであって、
計画軌道の始点となる位置に掘削された竪坑65内に複
数配置され、竪坑65の内周面の一面を支持壁66と
し、各元押しジャッキ63のピストンロッド63aを同
時に伸ばして管体51を推進させることとなる。なお、
ピストンロッド63aのストロークは、管体51の全長
より短いため、鋼板等からなるスペーサ64を複数利用
して管体51を推進させることとなる。ちなみに、各ピ
ストンロッド63aのストロークが大きければ、スペー
サ64は不要となる。
【0096】なお、各開口調整ジャッキ53、元押しジ
ャッキ63、油圧を供給する油圧源67は、竪坑65の
近傍に配設されている。
【0097】また、この推進装置Pでは、管体51に対
して先導管62・開口調整ジャッキ群52・緩衝材55
等を予め組み付けた3つのA・B・Cのユニット単位で
推進させる。ユニットAは、管体51の先端に先導管6
2を取り付けるとともに、管体51の後端に開口調整ジ
ャッキ群52と覆い管60とを取り付けて構成される。
ユニットBは、管体51の後端に開口調整ジャッキ群5
2と覆い管60とを取り付けて構成される。ユニットC
は、管体51後端に緩衝材55と覆い管60とを取り付
けて構成される。
【0098】さらに、ユニットAの先頭管体51Aに
は、位置測定装置Mの先頭反射器7が設置されている。
先頭反射器7の設置位置は、距離の算出が容易なよう
に、隧道1のセンターライン上となる先頭管体51Aの
中央位置に配置させることが望ましい。
【0099】また、曲線の途中の管体51には、位置測
定装置Mの中間反射器8が設置されている。中間反射器
8の設置は、既述の説明で述べたように、光中継点の数
が最低となるように、予め、計画軌道上にて計画してお
き、該当する管体51を竪坑65に入れる時点で、その
管体51にセンターラインからのオフセット量等も考慮
して、設置しておく。
【0100】そして、位置測定装置Mのトータルステー
ション3は、竪坑65における計画軌道のセンターライ
ン上に設置されている。
【0101】なお、推進装置Pに使用する位置測定装置
Mの制御装置12は、竪坑65近傍に配置されている
が、制御装置12の機能を制御装置本体69に兼用させ
るようにしても良い。
【0102】また、先頭反射器7や中間反射器8のサー
ボモータ10b・10c等から伸びて制御装置12に接
続されるリード線・センサ54から伸びるリード線・ジ
ャッキ53から伸びる油圧配管等は、省略してあるが、
管体51を順次増設させる際に、竪坑65内において、
新たな管体51を増設させる毎に新たに継ぎ足したり、
あるいは、掘削する隧道1の長さ分、予め、準備して反
射器7・8等に接続させておいても良い。そのため、隧
道1内に人が入ることなく、リード線等を設置できる。
【0103】制御装置68は、竪坑65の近傍に配設さ
れ、図16に示すように、制御装置本体69、表示器7
0、指示計71、キーボード72、操作盤73、電源7
4等を備えて構成されている。また、制御装置68は、
各元押しジャッキ63を同時に作動させる図示しない作
動スイッチを備えている。
【0104】制御装置本体69は、図17に示すよう
に、2つの演算部69a・69bと所定の図示しない制
御部・記憶部とを備え、計画軌道を3次元で表したxy
z座標のデータが入力されるとともに、演算部69bに
よって、計画軌道のxyz座標データから求めた水平方
向位置及び鉛直方向位置と、位置測定装置Mによって測
定した水平方向位置と鉛直方向位置と、の誤差を無くす
ように、クローズドループ制御(フィードバック制御)
するものである。
【0105】なお、一般に、クローズドループ制御で
は、ループ内に構成要素の個々のゲインの積であるルー
プゲインを大にして、誤差信号を零にするように制御す
る。そして、演算部69bは、一般に調節計と呼ばれる
制御機器の役目をする部分である。調節計は、PID特
性、即ち、P(比例)、I(積分)、D(微分)の各特
性を合成した特性を有しており、制御すべき対象の特性
に合わせて、PIDの各特性を調整し得るようになって
いる。Pは全周波数帯域のゲインを調節する役目をし、
Iは低周波帯域のみ、Dは高周波帯域のみのそれぞれの
ゲインを調節する役目をする。このPIDの各ゲインを
制御対象に合せて調節し、ループゲインを高くすること
によって、誤差信号を零にする制御をする。誤差信号が
零になれば、計画軌道の座標位置と位置計測装置Mの位
置信号とが一致し、ユニットAを計画軌道に正確に一致
させて敷設することができる。
【0106】制御装置本体69に入力される3次元の座
標データは、図18に示すように、計画軌道の多数の箇
所におけるxとyとzの値であり、キーボード72を利
用して制御装置本体69に入力する。なお、このデータ
は、計画軌道をドラムスキャナやカーブトレーサ等の図
形読取装置を利用して制御装置本体69に直接入力させ
ても良い。また、このデータは、入力後、表示器70で
表示させ、確認することができるように構成されてい
る。
【0107】この制御装置本体69の制御による推進装
置Pの各ユニットA・B・Cの推進は、つぎのようにし
て行なう。
【0108】なお、推進は、制御装置68の図示しない
作動スイッチを操作して元押しジャッキ63を逐次作動
させつつ、ユニットAを埋設し、その後、ユニットB・
Cを順次埋設させて推進させることとなる。
【0109】a.まず、位置測定装置Mは、逐次作動さ
れて、先頭のユニットAの移動した位置(x,y,z)
を測定して、距離と角度の信号を制御装置本体69へ出
力する。
【0110】なお、位置測定装置Mは、図4〜6のフロ
ーチャートに示す制御により、位置測定を行なっていく
が、計画軌道に沿って、先頭反射器7と中間反射器8と
が推進され始めれば、トータルステーション3の発光部
4aからのビームが、各反射器7・8の鏡部9の略中央
に当っているため、ステップ106・110・125・
129で振る振幅を小さく、例えば、±0.1°程度と
して、順次行なえば良い。
【0111】b.演算部69aは、xyz座標データか
ら計画軌道の各点におけるdLの成分のdyとdxとd
zを求め、各点の接線方向の水平方向成分の角度ψ0
鉛直方向成分の角度θ0 とを、ψ0 =tan -1(dy/d
x)、θ0 =tan -1(dz/dx)として演算して求め
る。
【0112】また、各点までの計画軌道上での長さL0
と、L0 位置における水平方向位置y0 、鉛直方向位置
0 を、 L0 =∫((dy)2 +(dx)2 +(dz)21/20 =∫(dy) z0 =∫(dz) として演算し、各点での角度ψ0 、θ0 とともにそれら
の値を記憶部に記憶させる。
【0113】c.演算部69bにおいて、位置測定装置
Mから出力される折線距離L1 、L 2 から、(14)式を演
算し(測定した折線距離L1 をL1 ´、L2 をL2 ´と
して(14)式に代入して演算する)、センターライン長L
に変換した値を算出する。
【0114】また、折線距離L1 、L2 、横角度ψ、縦
角度θから、つぎのようにして位置測定値y、zを求め
る。
【0115】この求め方は、L1 区間では、図8より、 y1 =L1 cos θ1 sin ψ1 …(15) z1 =L1 sin θ1 …(16) となる。
【0116】つぎに、L2 区間では、図8より、 y2 =L2 cos (2θ2 +θ3 )sin (2ψ2 +ψ3 ) …(17) z2 =L2 sin (2θ2 +θ3 ) …(18) となる。
【0117】これらを合成して、 y=L1 cos θ1 sin ψ1 +L2 cos (2θ2 +θ3 )sin (2ψ2 +ψ3 ) …(19) z=L1 sin θ1 +L2 sin (2θ2 +θ3 ) …(20) となる。
【0118】そして、センターライン長Lに変換した値
に等しく対応して、さきに記憶部に記憶させたL0 を読
み出し、さらに、そのL0 に対応したψ0 、θ0 、y
0 、z 0 を読み出して、 (ψ0 −ψ)×(KI /S+KP +KD S)と、 (θ0 −θ)×(GI /S+GP +GD S)と、 (y0 −y)×(HI /S+HP +HD S)と、 (z0 −z)×(JI /S+JP +JD S)と、 を演算する。なお、KI 、GI 、HI 、JI は積分ゲイ
ン、KP 、GP 、HP 、JP は比例ゲイン、KD 、G
D 、HD 、JD は微分ゲインである。また、1/Sは積
分、Sは微分を表す。さらに、上記の積分ゲイン、比例
ゲイン、微分ゲインの各々の値は、PID制御の各制御
ゲインであり、制御対象に合せて、予め定めておく。
【0119】そして、上記の演算値に応じて、先頭の開
口調整ジャッキ群52における左右上下の2つずつの開
口調整ジャッキ53を制御し、(ψ0 −ψ)、(θ0
θ)、(y0 −y)、(z0 −z)の値が零となるよう
に制御する。
【0120】なお、この時、移動した位置信号x,y,
zに基き、ユニットAの軌跡を一定時間毎に演算して記
憶し、その施工軌道を表示器70に表示するようにす
る。
【0121】d.そして、(ψ0 −ψ)、(θ0
θ)、(y0 −y)、(z0 −z)の値が零となった際
の先頭の各開口調整ジャッキ53のストロークを検出し
ている開口調整検出センサ54の信号に基づいて、先頭
のユニットAと後続のユニットBとの間に設ける開口差
Sを、制御装置本体69が記憶する。
【0122】e.その後、ユニットAが順次推進され、
後続のユニットBがユニットAを制御した位置に移動し
てきた際には、その位置に到達したユニットBと直後の
ユニットCとの間に、記憶した開口差Sを補正した所定
の補正開口差を生ずるよう、後続の開口調整ジャッキ群
52の各開口調整ジャッキ53を制御する。
【0123】ちなみに、後続のユニットBの移動距離の
算出は、先頭反射器7の設置位置からユニットBまでの
距離を、位置測定装置Mにより測定されたユニットAの
先頭反射器7の移動距離Lから、減算すれば良い。そし
て、先頭反射器7の設置位置からユニットBまでの距離
は、予め実測しておいた先頭反射器7からピストンロッ
ド53aを伸ばしていない状態での先頭の開口調整ジャ
ッキ53の後端までの距離と、開口調整検出センサ54
からの信号に基く先頭の開口調整ジャッキ群52の平均
ストロークと、を加算した値であり、容易に後続のユニ
ットBの移動距離を算出することができる。
【0124】また、補正開口差は、演算部69aにおい
て、記憶した既述の開口差Sにユニット長比(Tb(制
御するユニットBの標準長さ)/Ta(ユニットAの標
準長さ))を乗じた値である。なお、ユニットの標準長
さとは、開口調整ジャッキ53のピストンロッド53a
を伸ばしていない状態での覆い管60を除いたユニット
の長さである。
【0125】なお、後続のユニットBの開口差について
は、上記に変えて、計画軌道の曲線から割り出された理
論的開口差の値を使用し、その値で開口調整ジャッキ群
52を制御するようにしても良い。
【0126】理論的開口差(ジャッキ位置における開口
差(m))S1 は、 S1 =(BC −t)δ/21/2 …(21) 但、BC :管の外径(m)、t:管の厚さ(m)、δ:
管の長さが曲線の中心にしめる偏角(rad)である。
【0127】この推進装置Pでは、竪坑65内に、順
次、ユニットA、ユニットB、ユニットCを挿入させ
て、元押しジャッキ63の推進力で、各ユニットを推進
させていけば、制御装置本体69が、上記の制御を行な
って、先頭のユニットAの移動距離Lを位置測定装置M
を介して実測し、その実測した移動距離Lに対応させ
て、先頭のユニットAがクローズドループ制御されて精
度良く正確に計画軌道に沿って推進されて敷設され、そ
の後続のユニットB・Cも先頭ユニットAにならって推
進されて敷設されることから、精度良く、各ユニットを
3次元の計画軌道における任意の曲線に沿って、敷設す
ることができる。また、表示器70にユニットAの位置
や施工軌道を表示することができることから、便利とな
る。
【0128】なお、敷設後には、隧道1内の中間反射器
8等を回収すれば、つぎの敷設作業にも利用することが
でき、機器の有効利用を図ることができる。
【0129】また、推進装置Pでは、計画軌道が3次元
の場合を示したが、計画軌道が2次元の例えば水平方向
の曲線状であれば、位置測定装置Mの横角度の信号のみ
を使用することにより、各ユニットを水平方向の曲線状
に敷設することができる。この場合の制御装置本体69
に入力される2次元の座標データは、計画軌道の多数の
箇所におけるxとyの値であり、キーボード72を利用
して制御装置本体69に入力しておけば良い。
【0130】さらに、掘削時の隧道1が長くなる場合に
は、管体51・51間に、元押しジャッキ63と同様な
油圧を利用した中押しジャッキを設け、後部側の管体5
1に開口調整ジャッキ群52を設け、中押しジャッキの
周囲の前後の管体51相互間と、開口調整ジャッキ群5
2と、の周囲を覆う覆い管60を配設したユニットD
を、適宜ユニットC間に配設させて、管体51を推進さ
せれば良い。なお、中押しジャッキの作動は、制御装置
68の図示しない作動スイッチを操作することにより、
元押しジャッキ63と同様に作動させれば良い。
【0131】さらにまた、隧道1の曲率が大きく、隧道
1のカーブが急な場合等で、ユニットAに後続のユニッ
トが追従し難い場合には、ユニットCを用いることな
く、ユニットAと、必要数のユニットBと、上述のユニ
ットDを利用して、推進させれば良い。
【0132】この場合の推進では、制御装置本体69の
制御は、上述のa.b.c.d.e.と同様であり、
e.において、後続のユニットがユニットAを制御した
位置に移動してきた際に、その位置に到達したユニット
と直後のユニットとの間に、記憶した開口差Sを補正し
た所定の補正開口差を生ずるように、後続のユニットの
開口調整ジャッキ群52の各調整ジャッキ群53を制御
すれば良い。
【0133】この場合の後続のユニットの移動距離の算
出は、予め、埋設するユニットの標準長さ(開口調整ジ
ャッキ53や中押しジャッキ等のピストンロッドを伸ば
していない状態での覆い管60を省いた各ユニットの長
さ)を、順次、制御装置本体69に入力させておき、演
算部69aにおいて、ユニットAの移動距離Lから、先
頭反射器7からそのユニットまでの長さを、減算すれば
良い。すなわち、ユニットAからそのユニットまでの間
に入った、各ユニットの標準長さを積算した長さと、開
口調整検出センサ54からの信号に基く各開口調整ジャ
ッキ群52の平均ストロークと、中押ジャッキのストロ
ークを検出する中押し検出センサからの信号に基づく中
押しジャッキのストロークと、を加算した値に、さら
に、先頭反射器7の設置位置から先頭のユニットBまで
の距離を加算した値を、移動距離Lから、減算すれば良
い。
【0134】また、補正開口差は、演算部69aにおい
て、記憶した既述の開口差Sにユニット長比(T(制御
するユニットの標準長さ)/Ta(ユニットAの標準長
さ))を乗じた値である。
【0135】
【発明の効果】本発明に係る隧道の位置測定装置は、ト
ータルステーション・先頭反射器・中間反射器の回動手
段を作動させて、トータルステーションの光学部と先頭
反射器及び中間反射器の鏡部とを所定方向に向けて、ト
ータルステーション光学部の発光部から発する光波を、
中間反射器の鏡部を経て、先頭反射器の鏡部に反射さ
せ、再度、中間反射器の鏡部を経て、トータルステーシ
ョン光学部の受光部に送り返すことにより、トータルス
テーションに対する先頭反射器を配置させた測定地点の
2次元若しくは3次元の位置を測定することができる。
【0136】すなわち、見通しできない曲線状の隧道内
に、予め、トータルステーション、先頭反射器、及び、
中間反射器をセットすれば、その後は、人が隧道内に入
ることなく、正確に隧道内の所定の測定地点の位置測定
ができ、さらに、トータルステーション以外の機器とし
て、光波を反射可能として上下左右に振り可能な反射鏡
を利用するだけで良く、レール等を敷設しない分、簡便
かつ低コストで位置測定ができる。
【0137】したがって、本発明に係る位置測定装置で
は、人が入ることを極力無くして、簡便かつ低コスト
で、正確に隧道内の所定位置を測定することができる。
【0138】そして、先頭反射器や中間反射器の反射器
の鏡部を、平面鏡と、平面鏡の周囲に配置させるコーナ
キューブ反射鏡とで構成すれば、コーナキューブ反射鏡
や平面鏡からの反射によるトータルステーション光学部
の受光部の受光強度によって各鏡部の角度が簡単に判別
でき、容易に各反射器の鏡部を所定方向に向けることが
でき、位置測定の作業工数を低減することができる。
【0139】
【0140】そして、本発明に係る管体の推進装置で
は、複数の管体が、開口部側の竪坑に配置される元押し
ジャッキにより順次推進され、また、先頭管体の前端側
に配置される先導管が、先頭管体の後続の管体との間に
介在される開口調整ジャッキ群によって、所定の方向
で、隧道を掘削しつつ、複数の管体を曲線状に敷設する
こととなる。そして、制御装置は、先頭管体の2次元若
しくは3次元の位置を検出する位置測定装置からの距離
と角度の信号を入力させ、予め入力されていたデータに
基いて、開口調整ジャッキ群を制御し、先導管を有した
先頭管体を所定方向に向けて掘削させ、複数の管体を曲
線状に敷設することとなる。
【0141】本発明に係る管体の推進装置では、本発明
に係る位置測定装置が、精度良く先頭管体の竪坑からの
位置を測定することから、精度良く、自動化して、複数
の管体を曲線状に敷設することができる。また、竪坑内
に管体を順次入れて推進させる際、その管体に位置測定
装置の先頭反射器・中間反射器を設置できることから、
隧道内に、極力人が入らなくとも、管体を曲線状に敷設
することができ、安全に管体の敷設を行なうことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の位置測定装置を示す図で
あり、隧道を水平面に投影した状態を示す。
【図2】同実施形態の位置測定装置を示す図であり、隧
道を鉛直面に投影した状態を示す。
【図3】同実施形態の位置測定装置で使用する反射器の
正面図である。
【図4】同実施形態の位置測定装置の制御を示すフロー
チャート図である。
【図5】同実施形態の位置測定装置の制御を示すフロー
チャート図であリ、図4に示す状態の後を示す。
【図6】同実施形態の位置測定装置の制御を示すフロー
チャート図であリ、図5に示す状態の後を示す。
【図7】同実施形態のトータルステーションの受光部
が、コーナキューブ反射鏡から反射される光を受光した
際の、受光出力の変動状態を示す図である。
【図8】同実施形態の位置測定装置が測定する横角度・
縦角度・距離の状態を示す図である。
【図9】同実施形態で位置測定したセンターライン上の
測定地点までの距離を、隧道のセンターライン上へ変換
する式を説明する図である。
【図10】同実施形態で位置測定したセンターライン上
からオフセットした測定地点までの距離を、隧道のセン
ターライン上へ変換する式を説明する図である。
【図11】本発明の実施形態の推進装置を示す図であ
る。
【図12】同実施形態の開口調整ジャッキ群を示す図で
ある。
【図13】図12のXIII−XIII部位の概略断面図を示す
図である。
【図14】開口調整ジャッキ群の変形例を示す図であ
る。
【図15】図14のXV−XV部位の概略断面図を示す図で
ある。
【図16】同実施形態の制御装置の正面図である。
【図17】同実施形態の制御系のブロック図である。
【図18】計画軌道をxyz座標で表した状態を示す図
である。
【符号の説明】
1…隧道、 3…トータルステーション、 4…光学部、 4a…発光部、 4b…受光部、 5…回動手段、 6…制御部、 7…先頭反射器、 8…中間反射器、 9…鏡部、 9a…平面鏡、 9b…コーナキューブ反射鏡、 10…回動手段、 10a…ジンバル、 10b…縦サーボモータ、 10c…横サーボモータ、 12…制御装置、 51…管体、 52…開口調整ジャッキ群、 62…先導管、 63…元押ジャッキ、 65…竪坑、 68…制御装置、 M…位置測定装置、 P…推進装置。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E21D 9/06 311 G01C 15/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隧道内の所定位置に配置されて、発光部
    及び受光部を有した光学部と、該光学部を上下左右へ振
    り可能な回動手段と、該回動手段の作動を制御するとと
    もに前記光学部からの信号を電気的に処理して距離と角
    度とを測定する制御部と、を備えたトータルステーショ
    ンと、 該トータルステーションから離れた測定地点に配置され
    て、前記トータルステーションの発光部から発する光波
    を入射して反射させる鏡部と、該鏡部を上下左右へ振り
    可能な回動手段と、を備えた先頭反射器と、 前記トータルステーションと前記先頭反射器との間に、
    所定数配置されて、前記トータルステーションの発光部
    及び前記先頭反射器の鏡部から入射する光波を所定方向
    に反射させる鏡部と、該鏡部を上下左右へ振り可能な回
    動手段と、を備えた中間反射器と、 を具備するとともに前記先頭反射器と前記中間反射器との鏡部が、それぞ
    れ、平面鏡と、該平面鏡の周囲に固定されて、入射する
    光波を入射方向に反射させるコーナキューブ反射鏡と、
    から構成され、 前記トータルステーション・前記先頭反射器・前記中間
    反射器の回動手段を作動させて、前記光学部と前記先頭
    反射器及び前記中間反射器の鏡部とを所定方向に向け
    て、前記トータルステーションの発光部から発する光波
    を、前記中間反射器の鏡部を経て、前記先頭反射器の鏡
    部に反射させ、再度、前記中間反射器の鏡部を経て、前
    記トータルステーションの受光部に送り返すことによ
    り、前記トータルステーションに対する前記先頭反射器
    を配置させた測定地点の2次元若しくは3次元の位置を
    測定する構成の隧道の位置測定装置。
  2. 【請求項2】 複数の管体が、最後部側の竪坑に配置さ
    れる元押しジャッキにより順次推進されるとともに、先
    頭の管体の前端側に配置される先導管が、前記先頭管体
    の後続の管体との間に介在される開口調整ジャッキ群に
    よって、所定の方向で、隧道を掘削しつつ、前記複数の
    管体を曲線状に敷設するにあたり、 前記先頭管体の前記竪坑に対する2次元若しくは3次元
    の位置を測定する位置測定装置からの信号を入力させた
    制御装置が、予め入力されていたデータに基いて、前記
    開口調整ジャッキ群を制御することにより、前記複数の
    管体を曲線状に敷設する管体の推進装置であって、 前記位置測定装置が、 前記竪坑に配置されて、発光部及び受光部を有した光学
    部と、該光学部を上下左右へ振り可能な回動手段と、該
    回動手段の作動を制御するとともに前記光学部からの信
    号を電気的に処理して距離と角度とを測定する制御部
    と、を備えたトータルステーションと、 前記先頭管体に配置されて、前記トータルステーション
    の発光部から発する光波を入射して反射させる鏡部と、
    該鏡部を上下左右へ振り可能な回動手段と、を備えた先
    頭反射器と、 前記竪坑と前記先頭反射器との間の管体に、所定数配置
    されて、前記トータルステーションの発光部及び前記先
    頭反射器の鏡部から入射する光波を所定方向に反射させ
    る鏡部と、該鏡部を上下左右へ振り可能な回動手段と、
    を備えた中間反射器と、 を具備するとともに前記先頭反射器と前記中間反射器との鏡部が、それぞ
    れ、平面鏡と、該平面鏡の周囲に固定されて、入射する
    光波を入射方向に反射するコーナキューブ反射鏡と、か
    ら構成され、 前記制御装置が、前記位置測定装置における前記トータ
    ルステーションの制御部と、前記先頭反射器・前記中間
    反射器の回動手段とに、電気的に接続され、 前記制御装置により、前記トータルステーションの光学
    部と、前記先頭反射器及び前記中間反射器の鏡部と、を
    上下左右に振らせて所定方向に向かせ、前記トータルス
    テーションの発光部から発する光波を、前記中間反射器
    の鏡部を経て、前記先頭反射器の鏡部に反射させ、再
    度、前記中間反射器の鏡部を経て、前記トータルステー
    ションの受光部に送り返し、前記トータルステーション
    に対する前記先頭反射器を配置させた測定地点の2次元
    若しくは3次元の位置を測定することを特徴とする管体
    の推進装置。
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