JP2808238B2 - 電子レンジでの加熱調理による殺菌状態のまま密閉できる通気栓付き密閉容器 - Google Patents

電子レンジでの加熱調理による殺菌状態のまま密閉できる通気栓付き密閉容器

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JP2808238B2
JP2808238B2 JP6145487A JP14548794A JP2808238B2 JP 2808238 B2 JP2808238 B2 JP 2808238B2 JP 6145487 A JP6145487 A JP 6145487A JP 14548794 A JP14548794 A JP 14548794A JP 2808238 B2 JP2808238 B2 JP 2808238B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は家庭で止め具を掛けた
密閉状態のままで電子レンジを用いた加圧調理に用いる
ことができ、かつ、調理後の食品をそのまま長期保存で
きる電子レンジでの加熱調理による殺菌状態のまま密閉
できる通気栓付き密閉容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来も、電子レンジを用いて調理できる
容器は知られているが、いずれも充分な密閉性がない容
器であった。
【0003】したがって、電子レンジによる加熱調理直
後の料理は言わば加熱殺菌された状態であるにもかかわ
らず、用いた容器に密閉性がないので、蓋を被せてあっ
ても料理が冷えるにしたがって容器内の空気が収縮し、
この収縮を補うための外気とともに雑菌が容器内に入り
込んで、料理を腐敗させる原因になっていた。そこで、
腐敗防止策として冷凍庫で冷凍保存することも行われて
いるが、家庭での冷凍保存では食味が損なわれることが
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本願出願人は先に通気
栓付き密閉容器(実開平5−68862)を考案してい
るが、この考案を実施した製品のテストで、電子レンジ
による加熱調理に用いることができることに気付いた。
しかし、この考案を実施した製品では、プラスチック製
の蓋は熱伝導性が悪いため加熱時に容器内側が外側に比
べて高温になった状態では蓋の上面と下面との熱膨張の
差のために蓋が上側に反り返り、加熱停止直後にはこの
反りのために密閉性が損なわれる場合がある欠点も分か
った。この発明は従来品の欠点、即ち、電子レンジによ
る加熱調理後に容器内に外気と共に雑菌が入り込み、加
熱調理による殺菌を無駄にする従来品の欠点を解消し、
電子レンジによる加熱調理時に加圧を可能にして食味の
良い調理を可能にするとともに、蓋の反りを抑止する機
構をもうけて、密閉性を向上させ、加熱調理をした殺菌
状態のままで、家庭で保存容器または弁当箱としても用
いることができる使い易い通気栓付き密閉容器を提供し
ようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明では、容器本体
の開口部にパッキング当接部を形成し、容器本体の開口
部を覆う弾性変形可能な中蓋の周縁の下面には環状の溝
を設け、この溝を全周に渡ってほぼ隙間無く埋めるパッ
キングは溝の深さより丈を高く形成して、中蓋を被せた
ときパッキングが容器本体のパッキング当接部に当接す
るように成し、さらに中蓋の上面に雌ねじ部を有する栓
装着孔を形成し、中蓋とは別体に形成した通気栓には、
上記雌ねじ部と螺合する雄ねじ部と、この雄ねじ部の上
部に雄ねじ部より大径に形成した頭部とを設け、さらに
通気栓に上記雌ねじ部より大径の栓パッキングを装着
し、通気栓を装着した中蓋を容器本体に被せた状態で通
気道の上端を中蓋の上面の栓パッキングの径の内側に開
口させ、通気道の下端を容器本体側に開口させ、通気栓
を締め込んだ状態では栓パッキングが中蓋の上面と通気
栓とに当接して上記通気道の通気性を遮断するよう成
し、中蓋には弾性変形可能な外蓋を被せ、外蓋または容
器本体に止め具を枢着し、止め具を外蓋に枢着したとき
は容器本体に係止部を形成し、止め具を容器本体に枢着
したときは外蓋に係止部を形成し、止め具を回動させて
係止部に掛けたとき外蓋を押圧してこの外蓋が中蓋を容
器本体に押圧するように成すとともに、各構成部品を電
子レンジのマイクロ波加熱で使用可能な合成樹脂および
合成ゴムで成形して止め具を掛けた密閉状態のままで電
子レンジによる加熱を可能にしたことで上述の課題を解
決した。
【0006】
【実施例】まず、この発明の電子レンジでの加熱調理に
よる殺菌状態のまま密閉できる通気栓付き密閉容器の実
施例を図面に基づいて説明する。第1図に分解斜視図を
示す通気栓付き密閉容器は、家庭で保存容器または弁当
箱としても用いるものであって、ポリカーボネートで成
形した矩形の容器本体1は開口部2にフランジ部が形成
してあり、このフランジ部がパッキング当接部3になっ
ている。容器本体1の長辺側のフランジ部には係止部4
がほぼ水平に張り出して形成してある。
【0007】容器本体1の開口部2を覆う弾性変形可能
な中蓋5は同じくポリカーボネートで成形してあり、下
面外周部に下向きに開口した環状の溝6が形成してあ
る。この溝6を全周に渡ってほぼ隙間無く埋めるシリコ
ンゴム製の弾性を有するソリッドのパッキング7は溝6
の深さより丈を高く形成して、中蓋5を被せたときパッ
キング7が容器本体1のフランジ部、即ちパッキング当
接部3に当接するように成してある。
【0008】中蓋5の上面にはすり鉢状の凹部8が設け
てあって、凹部8の中心には中蓋5を貫通する栓装着孔
9が形成してあり、栓装着孔9の内周面には雌ねじ部1
0が形成してある。さらに、栓装着孔9の縁部にはこの
縁部と雌ねじ部10とを切り欠いて通気道11を形成し
てあって、この通気道11の上端は中蓋5の上面に開口
しており、下端は中蓋5の下面に開口している。
【0009】同じくポリカーボネート製の通気栓12の
下部には上記雌ねじ部10と螺合する雄ねじ部13を形
成してあり、上部には雄ねじ部13より大径の頭部14
を形成してある。この頭部14の下側は中蓋5の凹部8
の形状に合わせて下方が小径になる円錐形に形成してあ
り、この頭部14の下側に上記雄ねじ部13を連設して
ある。さらに、頭部14の下側には雌ねじ部10より大
径の栓パッキング装着溝15をほぼ水平に浅く環設し
て、Oリング状の弾性を有するソリッドのシリコンゴム
製栓パッキング16を装着してある。
【0010】なお、栓装着孔9にこの通気栓12を装着
した状態で上記通気道11は栓パッキング16の径の内
側に開口している。したがって、通気栓12は、中蓋5
に締め込んだとき螺合による強い力で栓パッキング16
を中蓋5の凹部8に押さえつけ、栓パッキング16は栓
パッキング装着溝15と中蓋5の凹部8とにピッタリと
当接する。この状態で通気道11は栓パッキング16の
内側に開口しているので通気栓12によって覆われ、上
記通気道11の通気性が遮断される。
【0011】中蓋5に被せるポリカーボネート製の弾性
変形可能な外蓋17は、周縁に中蓋5の周縁と同程度の
高さの覆いリブ18が形成してあり、外蓋17の上面は
外周部から7mm程度中心側を上方に膨らませて高天井
部19を形成してあり、この高天井部19と覆いリブ1
8との間に段部20を形成してある。外蓋17の両側の
長辺側の中央付近には覆いリブ18に支軸部21、21
が形成してあって、支軸部21には軸穴22が穿設して
ある。さらに、高天井部19の裏側には第2図に示すよ
うに箸止め具23が設けてあり、箸24が装着してあ
る。
【0012】同じく、ポリカーボネートで形成した止め
具25は、連結部26の両側に一対のアーム部27、2
7が上方へ延設してあって、この一対のアーム部27、
27の先端の内側には一対の軸28、28が相対向して
形成してあり、この軸28を外蓋17の軸穴22に嵌装
して、止め具25を外蓋17に回動自在に枢着してあ
る。連結部26の裏側の上側近くにはアーム部27、2
7の間に係合部29を突設してあり、連結部26の裏側
の下側は切り欠いて指掛け部30を形成してあり、容器
本体1に中蓋5を被せ、この中蓋5に外蓋17を被せ、
止め具25を回動させてこの係合部29を容器本体1の
係止部4に係合させたとき、この止め具25により、外
蓋17は容器本体1側に押圧され、この外蓋17が中蓋
5を容器本体1に押圧して留め付ける。なお、止め具2
5の上下は、外蓋17を被せ係止部4に止め具25を掛
けた状態での上下を言う。
【0013】したがって、通気栓12を締め込んだと
き、通気道11の通気性は遮断されるので、止め具25
を掛けて中蓋5を容器本体1に押圧した状態では、弾性
を有するパッキング7は容器本体1の開口部2と中蓋5
の溝6とに密着し、容器本体1は密閉される。
【0014】次に、この通気栓付き密閉容器を用いた調
理と保存をする方法の例として炊飯について説明する。
【0015】まず、容器本体1の容量の約4分の1以下
(この実施例の容器本体1は容量が670mLであった
ので、180mL)の米と、米の1.4倍程度(この実
施例では250mL)の水を入れ、中蓋5を被せて止め
具25を掛け、通気栓12を締め込み、中蓋5の通気道
11の通気性を遮断する。このとき、この止め具25で
外蓋17は容器本体1側に押圧され、この外蓋17がパ
ッキング7を介して中蓋5を容器本体1の開口部2に押
圧するので、上述のように容器本体1は密閉される。
【0016】次に、通気栓付き密閉容器を電子レンジに
入れてマイクロ波で加熱すると、容器本体1内のものが
マイクロ波で加熱され、容器内の温度が上昇するが、合
成樹脂は金属に比べて熱伝導率が低いので、容器外面の
温度はあまり高くならない。このため、容器内外の温度
差が発生し、中蓋5の容器内側、すなわち下面は、中蓋
5の容器外側、すなわち上面に比べて熱くなり、中蓋5
の上面と下面との熱膨張の差のために、中蓋5は上側に
反り返ろうとする。ところがこの発明の通気栓付き密閉
容器では、外蓋17は中蓋5の温度があまり高くない上
面側に被せてあるので、外蓋17は上面と下面との温度
差は少なく、ほとんど反り返らない。外蓋17を被せて
止め具25を掛けると、ほとんど反りの無い外蓋17の
段部20で中蓋5の周縁を容器本体側に押さえつけるの
で、電子レンジの加熱で容器内の温度が上がっても中蓋
5の反りは抑止され、反りは非常に少なくなる。しか
も、止め具を掛けたとき、パッキング7は押圧されて弾
性変形で、押しつぶされるので、上述のように、加熱時
に中蓋5の表と裏の温度差で中蓋5が少し反っても、こ
の反りによる中蓋5と容器本体1のパッキング当接部3
との間の隙間の広がりをパッキング7が弾性変形の復元
で補い、密閉状態を保つことができる。
【0017】さらに、電子レンジ加熱を続け、容器本体
1内の水が沸騰して容器本体1内の圧力が高まったと
き、この圧力で中蓋5および外蓋17がさらに押し上げ
られて弾性変形し、中蓋5のパッキング7と容器本体1
のパッキング当接部3との隙間が拡大してこの隙間から
蒸気が吹き出す。この蒸気が吹き出したら電子レンジ加
熱を中止して、約10分間、容器本体1内の水を米に吸
水させる。
【0018】上記の米の吸水時間が経過したら、電子レ
ンジで再加熱する。この実施例では出力500Wの電子
レンジを用いたので再加熱は7分間行った。このとき、
加熱により発生した蒸気が上記と同様にパッキング7と
パッキング当接部3との間から吹き出すが、容器本体1
内の水を米がほぼ吸水しているので、容器本体1内で沸
騰して泡立った糊分はほとんど吹き出さない。しかも、
この蒸気が吹き出すとき、上述のとおり加熱により発生
した蒸気で容器本体1内の圧力が高まり、外気圧より高
い圧力で炊飯でき、容器本体1内の空気は蒸気によって
容器本体1外にほぼ追い出され、かつ、容器本体1内は
加熱殺菌される。
【0019】この再加熱が済んだら、5分間、止め具2
5を掛けたままにしておき、ご飯を蒸らす。この蒸らし
ている間に容器本体1内の気体も冷えて収縮し、容器本
体1内の圧力が下がってくる。中蓋5は通気栓12を締
め込んであり、止め具25を掛けて外蓋17で中蓋5を
押さえ、中蓋5の反りを抑止してパッキング7を介して
容器本体1に押圧してあるので、容器本体1内の圧力が
徐々に下がるにしたがって、容器本体1内の圧力により
押し上げられて弾性変形していた中蓋5および外蓋17
が弾性で元にもどり、容器本体1内の圧力が外気圧より
わずかに高い状態でパッキング7が容器本体1のパッキ
ング当接部3に当接して容器本体1は密閉さる。したが
って、容器本体1内の圧力が外気圧より高いときに密閉
状態に戻るので、容器本体1内に外気とともに雑菌が外
から入り込むことがない。加熱終了後、この蒸らし時間
を経過させると、容器本体1内の気体はさらに冷えて圧
力が下がり、外気圧に比べて負圧になり、中蓋5はこの
負圧によってパッキング7を介して容器本体1に強く押
圧される。シリコンゴム製の弾性を有するソリッドのパ
ッキング7は溝6の深さより丈が高く、溝6を全周に渡
ってほぼ隙間無く埋めるので、中蓋5が負圧によって容
器本体1に強く押圧されても、パッキング7は容器本体
1のパッキング当接部3から逃げず、外気の進入経路に
なるパッキング表面のしわもできず、強い押圧力でパッ
キング当接部3に当接して、この通気栓付き密閉容器は
しっかりと密閉される。
【0020】この蒸らし時間が経過したとき炊飯は終了
するが、この炊飯では再加熱の際に上述のように外気圧
より高い圧力で炊飯される。この実施例の容器を用いて
上記の方法で炊飯したご飯は飯粒が通気栓付き密閉容器
内で立っていて、加圧のない通常の容器を用いた電子レ
ンジ炊飯のものに比べて、美味であった。
【0021】次に、通気栓付き密閉容器で炊飯したご飯
の保存について説明する。上述のとおり、炊飯時に容器
内は加熱殺菌された状態になる。この容器を密閉状態で
放置すると、冷えるにしたがって容器内の気圧が下が
り、容器内がさらに低圧になるので、雑菌の繁殖に必要
な酸素が容器内は外気に比べて少ない。しかも、中蓋5
はこの負圧によってパッキング7を介して容器本体1に
強く押圧され、上述のとおり、シリコンゴム製の弾性を
有するソリッドのパッキング7の働きで、この通気栓付
き密閉容器はしっかりと密閉されるので、容器内の気圧
が非常に低くなっても、雑菌混じりの外気は容器内に進
入せず、室温もしくは冷蔵庫による低温で保存すると、
容器内のご飯が腐った状態に達するまでの時間、即ち、
雑菌が大量に繁殖した状態に達するまでの時間が長くか
かり、ご飯が長持ちする。
【0022】冷えて容器内が負圧状態になった通気栓付
き密閉容器を開けるときは、通気栓12を回転させて緩
める。このとき、栓パッキング装着溝15に嵌装してあ
る栓パッキング16は通気栓12とともに持ち上げられ
て中蓋5の凹部8から離間し、栓パッキング16と中蓋
5との隙間から通気道11を通って外気が容器内に流入
し、速やかに負圧を解消する。次に、止め具25を外す
と、容器内の負圧はすでに解消されているので、外蓋1
7および中蓋5を容易に開くことができる。
【0023】この実施例の密閉容器を洗うときは、通気
栓12を緩めて取り外し、止め具25を係止部4から外
して、外蓋17および中蓋5と容器本体1を別々にして
洗えばよい。このとき、栓パッキング16および栓パッ
キング16が当接する部分およびパッキング7に無理な
力がかからないので、栓パッキング16等を傷つける恐
れがなく、容易に取り扱うことができる。
【0024】上記において、この実施例の電子レンジで
の加熱調理による殺菌状態のまま密閉できる通気栓付き
密閉容器を用いた調理と保存をする方法の実施例として
炊飯を説明したが、次に、炊き込みご飯の場合を簡単に
説明する。
【0025】まず、ごぼう10gを皮をこそげ、ささが
きにして酢水につけてアクを抜いておく。続いて、上述
の実施例の通気栓付き密閉容器に90mLの米と、16
0mLの水と、醤油大さじ半分、酒大さじ半分をいれ、
さらに、鶏肉20g、油揚げ4半分、人参15g、上記
のごぼう、干ししいたけを戻したもの1枚をそれぞれ細
かく刻んだものを入れ、中蓋5を被せて止め具25を掛
け、通気栓12を締め込み、中蓋5の通気道11の通気
性を遮断する。次に、パッキング7とパッキング当接部
3との隙間から蒸気が吹き出す電子レンジ加熱を続け、
この蒸気が吹き出したら電子レンジ加熱を中止して、約
10分間、容器本体1内の水分を米に吸水させる。この
吸水時間が経過したら、電子レンジで再加熱する。この
実施例では出力500Wの電子レンジを用いたので炊飯
のときと同様に再加熱は10分間行った。この再加熱終
了後、そのまま、10分間蒸らして炊き込みご飯が出来
上がる。
【0026】上述の炊飯の場合に詳述したとおり、この
炊き込みご飯の場合も、電子レンジ加熱で加圧調理され
ていて美味に炊きあがる。しかも、上述の炊飯の場合に
詳述したとおり、電子レンジ加熱で加熱殺菌した状態で
密閉されているので、調理後の密閉状態でそのままこの
通気付き密閉容器を弁当箱として用いると、炊き込みご
飯のように変質し易いものでも、腐敗しにくく、食中毒
などを防ぐことができる。
【0027】次に、この実施例の電子レンジでの加熱調
理による殺菌状態のまま密閉できる通気栓付き密閉容器
を用いた調理および保存の異なる実施例としてりんごジ
ャムの場合を説明する。
【0028】先ず、りんごの皮をむき、芯を取り、15
0g程度を細かくきざみ、砂糖80gと共に容器本体1
内に入れ、レモン半分を絞ってふりかけ、通気栓12を
締め込んだ中蓋5を被せ、さらに外蓋17を被せて止め
具25をかける。続いてこの通気栓付き密閉容器を電子
レンジで加熱する。この実施例では出力500Wの電子
レンジを用いたので加熱は10分間行った。このとき、
炊飯のときと同様に加熱で発生した蒸気圧で中蓋5およ
び外蓋17は弾性変形して、パッキング7とパッキング
当接部3との間から適宜、蒸気が吹き出し、容器本体1
内のりんご等は加熱殺菌されるとともに加圧調理され、
りんごジャムができあがる。
【0029】加熱終了後、このまま置いておくと、上記
の炊飯で説明したとおり通気栓付き密閉容器内は加熱殺
菌された状態のままで密閉され、容器内のジャムは長持
ちする。
【0030】しかも、家庭で作ったジャムは防腐剤等を
入れていないため、ジャムを食べるときに容器を開ける
と、空気中やジャムナイフ等から雑菌等が移り、腐敗や
カビが生えることがあるが、この実施例の通気栓付き密
閉容器を用いると、食べ終わった後、ジャムの入った通
気栓付き密閉容器を閉め、留具を掛けて電子レンジで加
熱をして保存することにより、容器内は再び加熱殺菌状
態でしっかりと密閉された状態に戻るので、ジャムにカ
ビが生えることがなく、腐敗もしにくいので容器内のジ
ャムは長持ちする。
【0031】なお、この発明の電子レンジでの加熱調理
による殺菌状態のまま密閉できる通気栓付き密閉容器
各部品の材質はこの実施例に限定するものではなく、た
とえばパッキング以外の部品は耐熱グレードのポリプロ
ピレン、ポリサルホンなど、任意の合成樹脂等、電子レ
ンジのマイクロ波加熱が可能であって、この加熱によっ
て容器本体内の蒸気圧が高まったとき、中蓋および外蓋
が弾性変形して容器本体と中蓋との間から容器内の圧力
を適宜逃がして、加圧調理が可能であり、加熱終了後、
容器が再び密閉状態に戻るものであればよい。
【0032】同様に、栓パッキングおよび中蓋の周縁に
装着したパッキングの材質は、シリコンゴムに限定する
ものではなく、例えばフッ素ゴムなど、電子レンジのマ
イクロ波加熱で使用可能であり、かつ、適宜な弾力性を
有するものであれば良い。
【0033】さらに、中蓋の周縁に装着したパッキング
は、上述のように、中蓋が容器本体に強く押圧されて
も、パッキングがパッキング当接部から逃げず、外気の
進入経路になるパッキング表面のしわもできず、しっか
りと密閉されるように、弾性を有するソリッドのパッキ
ングで、溝の深さより丈を高く、かつ、溝を全周に渡っ
てほぼ隙間無く埋める形状に形成することが望ましい
が、弾性を有する中空のパッキングで、溝の深さより丈
を高く、かつ、溝を全周に渡ってほぼ隙間無く埋める形
状に形成してもよい。
【0034】中空パッキングは、弾性を有するソリッド
のパッキングよりも、軽い力で大きく弾性変形する。そ
こで、中空パッキングを用いた場合は、止め具を掛けた
ときに、パッキングのつぶれ量、即ち、弾性変形量が多
くなるように止め具を形成すると、加熱時に中蓋の反り
が、ソリッドのパッキングを用いた上述の実施例の場合
より少し多くても、この反りによる中蓋と容器本体のパ
ッキング当接部との間隔の広がりを中空パッキングの弾
性変形の復元で補い、密閉状態を保つことができる。
【0035】しかし、中空パッキングでは、第4図に示
すように、強い負圧で中蓋が容器本体に押圧されたと
き、パッキングが押しつぶされ、部分的にはみ出したパ
ッキングが折り畳んだ状態で中蓋の外縁と容器本体のパ
ッキング当接部の間に強く挟まれ、パッキングを傷める
ことがある。しかも、このパッキングが押しつぶされた
状態ではパッキングの側壁などに折りしわができ、この
しわに沿って外気がわずかづつ進入して、加熱殺菌効果
が損なわれる場合があり、上述のように弾性を有するソ
リッドのパッキングを用いることが望ましい。なお、中
空パッキングを用いた実施例を示す第4図では、上述の
ソリッドのパッキングの実施例と機能が同様な部分にソ
リッドのパッキングの実施例の図面で用いた符号にアル
ファベットのa添えた符号を付し、詳細な説明を省略す
る。
【0036】さらに、通気道もこの実施例に限定するも
のではなく、栓装着孔に装着した状態で栓パッキングの
径の内側に通気道が開口しておれば良く、例えば、通気
栓の雄ねじ部に通気道を縦に刻設したり、栓装着孔の孔
縁近くに栓装着孔とは別に透孔を設けて通気道にしても
良く、通気栓の雄ねじ部の外径よりも栓装着孔の雌ねじ
部の谷径を大きくして、通気栓を栓装着孔に螺合したと
き、栓装着孔の雌ねじ部の谷部と通気栓の雄ねじ部の外
径との隙間で通気道が形成されるようにしても良い。
【0037】栓パッキングを通気栓に装着する方法もこ
の実施例に限定するものではなく、通気栓を締め込んだ
状態で栓パッキングが通気栓と中蓋の凹部とにピッタリ
と当接して通気道の通気性を遮断でき、通気栓を緩めた
とき通気道で通気できれば良い。
【0038】止め具も上述に限定するものではなく、止
め具を容器本体に枢着し、この止め具を回動して外蓋の
縁に設けた係止部に掛けて、この止め具で外蓋を容器本
体側に押圧し、外蓋で中蓋を容器本体の開口端に押圧し
て容器本体を密閉するようにしてもよく、留具の形状も
限定しない。
【0039】
【発明の効果】以上で説明したとおり、この発明の電子
レンジでの加熱調理による殺菌状態のまま密閉できる通
気栓付き密閉容器は、弾性変形可能な中蓋に設けた通気
道を通気栓を締め込んで閉鎖し、弾性変形可能な外蓋を
中蓋に被せ、止め具で外蓋を容器本体側に押さえ、この
外蓋で中蓋をパッキングを介して容器本体の開口部に押
圧してある。この状態において、合成樹脂は金属に比べ
て熱伝導率が低くいので、電子レンジ加熱で容器本体内
が高温になっても中蓋の上面はあまり熱くならない。こ
の中蓋のあまり熱くならない上面にかぶせた外蓋は上面
と下面との間に大きな温度差ができないので、外蓋には
温度差による反りがほとんど発生しない。したがって、
加熱により容器本体内に発生した蒸気の圧力で中蓋およ
び外蓋が押し上げられて弾性変形し、かつ、中蓋が容器
内外の温度差による熱膨張の差で上側に反り返ろうとし
ても、熱による反りがほとんどない外蓋で押さえて中蓋
の反りを抑止しており、加熱が終わって容器本体内の圧
力が下がり外気圧よりわずかに高くなったときに中蓋お
よび外蓋は弾性で元にもどり、パッキングが容器本体の
パッキング当接部に当接して加熱殺菌状態のままで容器
本体は密閉され、容器本体内に外気とともに雑菌が吸い
込まれないので、電子レンジによる加熱調理後、密閉状
態のままで保存すると容器内の食品が腐った状態に達す
るまでの時間、即ち、雑菌が大量に繁殖した状態に達す
るまでの時間が長くかかり、冷凍庫に入れなくても食品
が長持ちする。したがって、この通気栓付き密閉容器を
用いて電子レンジ加熱で調理し、加熱調理後の密閉状態
でそのままこの通気付き密閉容器を弁当箱として用いる
と、炊き込みご飯のように変質し易いものでも、腐敗し
にくく、食中毒などを防ぐことができる優れた特長があ
る。
【0040】しかも、食品をこの密閉容器に入れ、電子
レンジで加熱調理すると、容器内は発生した蒸気によっ
て外気より高圧になり、かつ、密閉容器内の蒸気は弾性
変形により中蓋および外蓋が撓んでパッキングとパッキ
ング当接部との隙間から適宜逃げるので、容器内の食品
を加圧調理により、美味に調理することができる優れた
特長がある。
【0041】特に、従来の方法で家庭で作ったジャムは
防腐剤等を入れていないため、空気中やジャムナイフ等
から雑菌等が移って、腐敗したり、カビが生えたりする
ことがあるが、ジャムをこの発明の通気栓付き密閉容器
を用いて電子レンジによる加熱調理で作ると、電子レン
ジによる加熱調理後に保存のために中蓋を開けて別の保
存容器に移しかえる必要がなく、上述のように、そのま
ま、加熱殺菌状態で密閉して室温もしくは冷蔵庫による
低温で長期保存でき、かつ、ジャム等を食べ残した場合
も、食後、中蓋および外蓋を被せて留具を掛けて密閉
し、電子レンジで加熱殺菌をして保存すると、容器内は
再び加熱殺菌状態でしっかりと密閉された状態に戻るの
で、ジャムにカビが生えることがなく、腐敗もしにく
く、ジャムが長持ちする優れた特長がある。
【0042】さらに、電子レンジ加熱後、冷えて容器内
が強い負圧になって、中蓋が容器に吸い付けられた状態
であっても、中蓋を開けるときは通気栓を緩めて容器内
に外気を入れることによって、負圧を解除して簡単に中
蓋を開けることが出来る優れた特長を合わせ持つ。
【0043】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の通気栓付き密閉容器の実施例を示す
一部省略分解斜視図である。
【図2】同じく、この発明の実施例の外蓋を裏返した状
態を示す一部省略分解斜視図である。
【図3】同じく、この発明の実施例の通気栓付き密閉容
器の密閉状態を示す一部省略断面図である。
【図4】中空パッキングを用いた実施例の通気栓付き密
閉容器の密閉状態を示す一部省略断面図である。
【符号の説明】
1 容器本体 2 開口部 3 パッキング当接部 4 係止部 5 中蓋 6 溝 7 パッキング 9 栓装着孔 10 雌ねじ部 11 通気道 12 通気栓 13 雄ねじ部 14 頭部 16 栓パッキング 17 外蓋 25 止め具
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−84110(JP,A) 実開 平2−62301(JP,U) 実開 平4−73379(JP,U) 実開 平5−68862(JP,U) 実開 昭62−19952(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65D 51/16 B65D 81/34

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器本体の開口部にパッキング当接部を
    形成し、容器本体の開口部を覆う弾性変形可能な中蓋の
    周縁の下面には環状の溝を設け、この溝を全周に渡って
    ほぼ隙間無く埋めるパッキングは溝の深さより丈を高く
    形成して、中蓋を被せたときパッキングが容器本体のパ
    ッキング当接部に当接するように成し、さらに中蓋の上
    面に雌ねじ部を有する栓装着孔を形成し、中蓋とは別体
    に形成した通気栓には、上記雌ねじ部と螺合する雄ねじ
    部と、この雄ねじ部の上部に雄ねじ部より大径に形成し
    た頭部とを設け、さらに通気栓に上記雌ねじ部より大径
    の栓パッキングを装着し、通気栓を装着した中蓋を容器
    本体に被せた状態で通気道の上端を中蓋の上面の栓パッ
    キングの径の内側に開口させ、通気道の下端を容器本体
    側に開口させ、通気栓を締め込んだ状態では栓パッキン
    グが中蓋の上面と通気栓とに当接して上記通気道の通気
    性を遮断するよう成し、中蓋には弾性変形可能な外蓋を
    被せ、外蓋または容器本体に止め具を枢着し、止め具を
    外蓋に枢着したときは容器本体に係止部を形成し、止め
    具を容器本体に枢着したときは外蓋に係止部を形成し、
    止め具を回動させて係止部に掛けたとき外蓋を押圧して
    この外蓋が中蓋を容器本体に押圧するように成すととも
    に、各構成部品を電子レンジのマイクロ波加熱で使用可
    能な合成樹脂および合成ゴムで成形して止め具を掛けた
    密閉状態のままで電子レンジによる加熱を可能にしたこ
    とを特徴とする電子レンジでの加熱調理による殺菌状態
    のまま密閉できる通気栓付き密閉容器
  2. 【請求項2】 中蓋の周縁の下面の溝に装着したパッキ
    ングは、弾性を有するソリッドの合成ゴムで形成したこ
    とを特徴とする請求項1記載の電子レンジでの加熱調理
    による殺菌状態のまま密閉できる通気栓付き密閉容器
  3. 【請求項3】 中蓋の周縁の下面の溝に装着したパッキ
    ングは、弾性を有するソリッドの合成ゴムで中空に形成
    したことを特徴とする請求項1記載の電子レンジでの加
    熱調理による殺菌状態のまま密閉できる通気栓付き密閉
    容器
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