JP2808223B2 - 防水被覆用組成物 - Google Patents

防水被覆用組成物

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JP2808223B2
JP2808223B2 JP5042164A JP4216493A JP2808223B2 JP 2808223 B2 JP2808223 B2 JP 2808223B2 JP 5042164 A JP5042164 A JP 5042164A JP 4216493 A JP4216493 A JP 4216493A JP 2808223 B2 JP2808223 B2 JP 2808223B2
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進三 開田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリートおよびモ
ルタルの表面に塗布することにより、不透水性、防水性
に優れた防水被覆ができる組成物および下地処理剤に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コンクリートおよびモルタルの腐
食、劣化を防止するため防水被覆材で処理することが行
なわれている。この防水被覆材の中でセメントを用いる
組成物としては、セメントと脂肪酸とからなる防水モル
タル、熱可塑樹脂(例えば酢酸ビニル系エマルション、
合成ゴムラテックス、アクリル系エマルションなど)と
セメントとからなるポリマーセメントモルタル系防水
材、水系化した熱硬化樹脂(例えばエポキシ樹脂エマル
ションとその硬化剤)とセメントとからなる防水材など
があり、使用されている。これらは硬化性無機系物質で
あるセメントが持つ経済性、水使用による良好なる作業
性、高硬度、良耐候性などと、有機系物質である脂肪
酸、熱可塑樹脂あるいは熱硬化性樹脂などが持つ、躯体
表面との良接着性、良硬化性、非透水性などを利用した
組成物である。
【0003】これらのうち、エポキシ樹脂エマルショ
ン、モノ(ポリ)アミドアミン化合物、セメントおよび
高級脂肪酸またはその塩とからなる浸透性防水組成物
(特開昭53−132030号公報)および貼り床用の
接着剤(特公昭62−29470号公報)はセメントの
持つ前記の利点を基に、エポキシ樹脂とモノ(ポリ)ア
ミドアミンとの硬化物が有する躯体との良好な接着性、
高い耐水性および耐薬品性を利用し、高級脂肪酸または
その塩は水系における界面活性の働きによる安定な作業
性の確保およびコンクリートおよびモルタル構造物の表
面から浸透しその細孔内でコンクリートのアルカリ物質
と反応して水不溶化するともに撥水性が生じることによ
る防水性の向上等を利用した方法であり、コンクリート
およびモルタル構造物の防水材、下地処理材(たとえば
流し塗り防水材、防水シート、各種の塗料などを施工す
るためのシーラーおよび下塗り材)および貼り床用の接
着剤として利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、大気汚
染に絡み亜硫酸ガス、炭酸ガス、窒素酸化物等による酸
性雨(たとえばpH3〜6)や下水中の硫化物が分解に
より硫化水素発生から硫酸を生成するなどにより、コン
クリート構造物の腐食および劣化が著しく進んでいる。
これらの酸性イオンを含む雨水や下水に対し、前記の浸
透性防水組成物および貼り床材用の接着剤組成物はコン
クリートのアルカリ性を利用した防水材であり、特にそ
の中の高級脂肪酸またはその塩はアルカリ性に対して耐
久性を発揮するが、酸性イオンを含有した雨水や下水に
対して耐久性がなく、短期間にその防水性および接着性
が失効し、コンクリート躯体が腐食や劣化し始めたり、
貼り床が剥離する問題が生じている。このためpH3〜
4を示す酸性イオンを含有した水に対しても、耐久性お
よび接着性に優れる防水材が必要となっている。
【0005】また、近年施工性を良くするため過剰の水
を入れた生コンリートによる施工あるいはレベリング
剤、減水剤、硬化促進剤などのセメント用混和剤を多く
含んだコンクリートおよびモルタルの施工が多くなって
おり、この結果、従来のコンクリートやモルタルにくら
べ、レイタンスの増加や一部の混和剤が表面にブリード
する等により、防水材が接着し難い問題が生じている。
【0006】更に換気不十分や悪臭などに伴う作業環境
が悪化した建設現場があり、防水材を塗布する専門の作
業技術者は著しく減少してきている。このため塗布回数
を減らす必要があり、1回の塗布で厚く塗布できるよう
な良好な作業性を有する防水材が望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記に例示
した組成物の中で、高級脂肪酸またはその塩が酸性イオ
ンを含有した水に対する防水材の耐久性の低下およびコ
ンクリートやモルタル基材との接着性の低下をもたらし
ていることに着目し、作業性を低下することなく、耐久
性および接着性の優れた組成物を発明すべく、鋭意検討
を行なった結果、高級脂肪酸またはその塩にかえて、ス
チレン−ブタジエン系ラテックスとエチレン−酢酸ビニ
ル系共重合エマルションを用いると作業性を低下させる
ことなく、良好な耐久性と接着性がえられることを見い
だし、本発明に到達した。すなわち、本発明は、下記
A、BおよびCからなる組成物(1)であり、(1)中
のAの樹脂分とBの樹脂分(b1)とCの重量比が1:
(0.3〜0.4):(3.0〜5.0)である防水被
覆用組成物である。 A: ビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂の乳化物(a1)、スチ レン−ブタジエン系ラテックス(a2)およびエチレン−酢酸ビニル 共重合系エマルション(a3)からなり、各々の樹脂分の重量比が1 :(0.3〜0.4):(0.2〜0.4)である組成物。 B: 活性水素当量70〜135のモノ(ポリ)アミドアミン(b1)の 水分散物。 C: セメント。
【0008】本発明において、(a1)としては、ビス
フェノールAおよび/またはビスフェノールFとエピク
ロルヒドリンとの反応により得られる1分子中にエポキ
シ基を1個以上有するエポキシ樹脂、ビスフェノールA
および/またはビスフェノールFにアルキレンオキサイ
ド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチ
レンオキサイドなどの炭素数5以下であるアルキレンオ
キサイド)を付加させた(平均付加モル数2〜10)ポ
リオール類とエピクロルヒドリンとの反応により得られ
る1分子中にエポキシ基を1個以上有するエポキシ樹脂
およびこれらの混合物を、界面活性剤で乳化した物等が
挙げられる。これらのうち、好ましいものは常温で液状
のエポキシ当量170〜350であるビスフェノールA
ジグリシジルエーテルおよび/またはビスフェノールF
ジグリシジルエーテルを界面活性剤で乳化した物であ
る。
【0009】使用できる界面活性剤としては、該エポキ
シ樹脂を乳化できればよく、特に限定しないが、通常エ
ポキシ基と反応しない非イオン系界面活性剤で、HLB
が16以上の物が好ましい。たとえばノニルフェノール
のエチレンオキサイド付加物(商品名ノニポール700
およびノニポール400:いずれも三洋化成工業社
製)、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共
重合物(商品名ニューポールPE68:三洋化成工業社
製)、ヒマシ油のエチレンオキサイド付加物(商品名タ
イヤコードオイル3005:三洋化成工業社製)などで
ある。使用する界面活性剤の量は該エポキシ樹脂に対し
通常3〜15重量%(以下記載の%は重量%を表わす)
である。3%未満はエマルション化し難く乳化出来ても
保存安定性が悪く、15%を超えると耐水性が劣る。
【0010】(a1)の製法は、通常エポキシ樹脂に界
面活性剤を常温または加温して混合溶解したあと、攪拌
下に水を分割して加えながらW/OからO/Wに転相さ
せる方法である。このようにして得た乳化物の樹脂分は
取扱い上および本組成物の下地との接着性より通常35
〜65%が適している。
【0011】(a2)として用いられるスチレン−ブタ
ジエン系ラテックスは、スチレンとブタジエンを主モノ
マーとした共重合ラテックスであり、このうち好ましい
ものはスチレン量が40〜70%程度の中スチレンブタ
ジエン共重合体(通称SBラテックスといわれる)およ
び/または改質のためにビニルビリジンやカルボキシル
基を持ったモノマーを加えた共重合ラテックス(通称変
性タイプのラテックスといわれる)である。たとえば商
品名ニポールLX206、LX209およびLX438
C(いずれも日本ゼオン株式会社製)等である。これら
のラテックスの濃度は、特に限定しないが、樹脂分とし
て通常30〜70%である。30%未満では水分量が過
多の組成物となり厚塗り性や接着性が劣り、70%を超
えると粘度が高くなり取扱いに支障がでる。
【0012】(a3)としては、エチレンと酢酸ビニル
を主モノマーとした共重合エマルションおよびこれらの
モノマーとアクリル酸エステル、塩化ビニル、バーサテ
ィック酸などの他のモノマーとの共重合エマルションお
よび/またはこれらの共重合物の部分けん化物が挙げら
れる。このうち好ましいものはセメントと混和した時に
エマルション破壊や増粘などが生じないものであり、た
とえば商品名ポリゾールEVA M−100、ポリゾー
ルEVA M−200およびポリゾールEVA M−3
00(いずれも昭和高分子株式会社製)等である。これ
らのエマルションの濃度は、特に限定しないが、樹脂分
として通常30〜70%である。30%未満では水分量
が過多の組成物となり厚塗り性や接着性が劣り、70%
を超えると粘度が高くなり取扱いに支障がでる。
【0013】A成分は、(a1)、(a2)および(a
3)からなり、各々の樹脂分の重量比が1:(0.3〜
0.4):(0.2〜0.4)の混合物である。(a
1)に対し(a2)が0.3未満の場合は、特に耐久性
がおとり、0.4を超えると組成物の保存安定性と機械
的な安定性がおとる。また(a1)に対し(a3)が
0.2未満の場合は、本組成物を製造する時の機械安定
性がおとり、0.4を超えると特に耐酸性が低下する。
また、その製法は各成分が均一になればよく、通常常温
で攪拌する方法であり、さらに水を加えて、Aの濃度を
調整することができる。
【0014】本発明のB成分は、活性水素当量70〜1
35のモノ(ポリ)アミドアミン(b1)の水分散物で
ある。(b1)としては、ポリアミン類と脂肪酸類をア
ミド化反応した物である。ポリアミン類としては、アル
キレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミ
ン、ブチレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミン
等)、ポリアルキレンポリアミン{エチレンアミン類
(ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テ
トラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンお
よびアミノエチルピペラジン等)、プロピレンアミン類
(ジプロピレントリアミンおよびトリプロピレンテトラ
ミン等)およびヘキサメチレンアミン類(ジヘキサメチ
レントリアミンおよびトリヘキサメチレンテトラミン
等)等}およびこれらの混合物等が挙げられる。 これ
らのうち好ましいものはポリアルキレンポリアミンであ
り、特に好ましいものはトリエチレンテトラミン、テト
ラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンおよ
びジプロピレントリアミンである。
【0015】脂肪酸類としては天然物から製する高級脂
肪酸(パーム油脂肪酸、糠油脂肪酸、綿実油脂肪酸、ト
ール油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸等)および不飽和脂肪酸
から製する重合脂肪酸(ダイマー酸、トリマー酸な
ど)、合成の脂肪酸(2エチルヘキサン酸、イソステア
リン酸など)およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0016】これらのポリアミン類と脂肪酸類から得ら
れる反応物で、第1、2級アミノ基に基づく活性水素当
量が70〜135であるモノ(ポリ)アミドアミン(b
1)が好ましく、たとえばポリマイドL−45−
(3)、ポリマイドL−55−(3)、ポリマイドL−
4051およびポリマイドL−25−(3)(いずれも
三洋化成工業製)およびこれらの混合物等が挙げられ
る。活性水素当量が70〜135を有するこれらの(b
1)は水に対し自己分散性または自己可溶性を有してい
る。上記範囲外では水に分散し難くなるか、または耐水
性、耐酸性が低下する。
【0017】Bの製法は、(b1)と水を室温あるいは
加温下に混合する方法である。濃度は、特に限定しない
が、通常5〜60%が好ましい。5%未満の場合は水分
量が過多の組成物となり厚塗り性や接着性が劣り、60
%を超えると粘度が非常に高く取扱い難い状態となる。
【0018】(b1)を用いることにより本発明の組成
物は厚塗りが可能となるが、コンクリートの腐食あるい
はハツリ等による欠損部を埋め戻す場合など、更に厚塗
りを可能とする目的でBにガラス繊維(b2)を含有さ
せることができる。(b2)としては、チョップドスト
ランド法による長さ40mm以下の短繊維が好ましく、
たとえばFES−0912AおよびFES−0922A
(いずれも富士ファイバーグラス社製)、ミネロンLお
よびアルファイバーC(いずれも日本バルカー工業社
製)等が挙げられる。(b1)と(b2)の重量比は
1:(0.02〜0.3)である。0.02未満の場合
は、厚塗りの効果がほとんどなく、0.3を超える場合
は、Bとしての粘度が高くなり取扱い難くなる。また、
その配合方法は特に限定しないが、通常(b1)の水分
散物中に(b2)を攪拌しながら投入して均一に分散す
る方法である。
【0019】本発明のCとしては、コンクリート用語辞
典(社団法人日本コンクリート工学協会編)に記載の水
硬性セメントが該当し、水硬性石灰、ローマンセメン
ト、天然セメント、ポルトランドセメント類(普通ポル
トランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強
ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、
耐硫酸塩ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメ
ント)、混合セメント類(高炉セメント、シリカセメン
ト、フライアッシュセメント)、特殊セメント類(アル
ミナセメント、コロイドセメント、超速硬セメント、油
井セメント)およびこれらの混合物等が挙げられる。こ
れらのうち好ましいものはポルトランドセメント類(普
通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、
超早強ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメン
ト等)、混合セメント(高炉セメント、フライアッシュ
セメント等)および特殊セメント(アルミナセメント、
超速硬セメント等)である。
【0020】本発明の組成物は前記のA、BおよびCか
らなり、Aの樹脂分とBの樹脂分(b1)とCの重量比
は1:(0.3〜0.4):(3.0〜5.0)であ
る。Aの樹脂分に対する(b1)の量は、(a1)に含
まれるエポキシ樹脂のエポキシ基1個あたり(b1)の
活性水素0.8〜1.2個の比率に該当する。0.8未
満および1.2を超えるとエポキシ樹脂がバランスよく
架橋できないため、接着性、耐水性、耐酸性が悪く十分
なる防水効果が発揮出来ない。
【0021】また、Aに対するCの量はCの持つ経済性
(低価格)、作業性、高硬度、耐候性と、AおよびBか
らの有機系物質が持つ、良接着性、良硬化性、非透水性
および耐久性(耐水性、耐酸性など)の各々の長所を発
揮する比率である。この範囲外では、前記に記載の長所
のいずれかが低下する。
【0022】本発明の組成物はA、BおよびC成分から
なるが、必要により水、充填材、顔料、増粘剤、レベリ
ング剤、溶媒、消泡剤および低温安定剤などの他の成分
を混合しても良い。
【0023】水は、A、BおよびCを混合する際に同時
に加え、ペースト状または流動状となして、作業性を良
くする目的で使用できる。充填剤としては、川砂、海
砂、硅砂、炭酸カルシュウム、タルク、クレー等が挙げ
られ、通常C成分に混入することができる。その量はC
に対し0〜250重量%である。
【0024】顔料としては、酸化チタン(アナターゼ
型、ルチル型)、硫酸バリウム、ベンガラ、カーボン、
酸化コバルト、有機顔料等が挙げられ、通常AおよびC
成分に混入できる。増粘剤としては、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコー
ル等の水溶性樹脂および有機ベントナイト、コロイダル
シリカ、酸化ポリエチレンワックス等の粘度向上剤が挙
げられ、A、BおよびC成分のいずれかに混入できる。
レベリング剤としては、アセチレングリコール、アクリ
ルオリゴマー、ポリオキシアルキレンポリオール等が挙
げられ、Aおよび/またはBに混入できる。
【0025】溶媒としては、低級アルコール類(メタノ
ール、イソプロパノール、ブタノールなど)、セロソル
ブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセ
ロソルブなど)、カルビトール類(エチルカルビトー
ル、ブチルカルビトールなど)などが挙げられ、Aおよ
び/またはBに混入できる。消泡剤としては、シリコー
ン系および非シリコーン系の水系塗料用消泡剤が挙げら
れ、通常AおよびBに添加して使用できる。低温安定剤
は、AおよびBの保存時の凍結防止であり、エチレング
リコール、プロピレングリコール、グリセリンなどのポ
リオール類が挙げられ、Aおよび/またはBに添加でき
る。そのほか撥水機能を兼備する目的で撥水剤を併用す
ることができ、水分散あるいは水可溶であるパラフィン
系、高級脂肪酸系、シリコーン系、弗素系およびこれら
の混合物等が挙げられ、Aおよび/またはBに添加でき
る。あるいは常温で微粉末であるパラフィン系、ステア
リン酸アミド系、シリコーン系、弗素系などはC成分に
混入できる。
【0026】本発明の組成物は、使用直前にA、Bおよ
びCを所定量計り取り攪拌して均一に混合することによ
り得られる。基材への適用方法は、刷毛塗り、コテ塗
り、ローラー塗り、リシンガンやスプレーガン等の機械
吹き塗り等の塗布方法が挙げられ、通常1〜数回の塗布
でよい。塗布する厚さは、通常0.05〜25mm、好
ましくは0.1〜10.0mmである。
【0027】本発明の組成物を適用できる用途は、新あ
るいは旧のコンクリートおよびモルタル製の建材や構造
物、鋼板やアルミ板などの金属等の躯体を保護する防水
材の目的で使用できる。また各種の塗料やプラスチック
シート等を除去した部分に塗布する場合旧塗膜面やシー
トを完全に除去することなく、塗布することが可能とな
る。そのほかコンクリート構造物等のハツリ、欠損部お
よび不陸部等の凹凸のある表面を平坦にする目的、各種
塗料を塗布するための密着性を付与する目的、壁紙や塩
化ビニル製タイルおよびシート床等を貼るための密着性
を付与する目的と下地を平坦化する目的等に使用するこ
とが出来る。特に、本発明の組成物は、優れた接着性と
防水性を発揮することからコンクリートおよびモルタル
面に好適である。したがって、コンクリート製のビルの
外装や屋上および内装、橋梁、高架橋、上水および下水
槽等の表面防水材として、コンクリートおよびモルタル
面の壁紙の接着のための下地処理材として、タイル張り
やシート貼りおよび流し塗り床材等の下塗り材および各
種塗料のプライマー等として使用することができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を更
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。なお、以下実施例および比較例に記載の%および部
は重量%および重量部を表す。
【0029】実施例1〜5および比較例1、2 1、A成分の調製 室温で、1Lのステンレス製ビーカーに、表1記載の各
成分を所定量配合し、均一になるまで攪拌混合し、本発
明の組成物中のA成分として(A1)〜(A5)の5種
類を調製した。
【0030】
【表1】
【0031】ただし、 表1中の各項の上段に記載の記
号は次の成分である。 EP−EM1:ビスフェノールAジグリシジルエーテル(エポキシ当量 189)60部とノニポール400(非イオン活性剤: 三洋化成工業社製)6部と水34部の乳化物 EP−EM2:ビスフェノールFジグリシジルエーテル(エポキシ当量 182)60部とニューポールPE−68(非イオン活性剤 :三洋化成工業社製)6部と水34部の乳化物 SB1:ニポールLX438C(スチレン−ブタジエン共重合ラテックス: 日本ゼオン社製) SB2:ニポールLX206(スチレン−ブタジエン共重合ラテックス:日 本ゼオン社製) EVA−EM1:ポリゾールEVA M−200(エチレン−酢酸ビニル共 重合エマルション:昭和高分子社製) EVA−EM2:ポリゾールEVA M−100(エチレン−酢酸ビニル共 重合エマルション:昭和高分子社製)
【0032】2、B成分の調製 1Lのステンレス製ビーカーに、表2記載の各成分を所
定量配合し、50〜60℃で均一になるまで攪拌混合
し、本発明の組成物中のB成分として、(B1)〜(B
4)の4種類を調製した。
【0033】
【表2】
【0034】ただし、 表2中の各項の上段に記載の記
号は次の成分である。 アミド1:ポリマイドL−45−3(ポリアミドアミ
ン:三洋化成工業社製) アミド2:ポリマイドL−4051(モノアミドアミ
ン:三洋化成工業社製) アミド3:ポリマイドL−55−3(ポリアミドアミ
ン:三洋化成工業社製) アミド4:ポリマイドL−2513(ポリアミドアミ
ン:三洋化成工業社製) Gセンイ1:ミネロンL(ガラス繊維:日本バルカー工
業製) Gセンイ2:FES−0922A(ガラス繊維:富士フ
ァイバーグラス社製)
【0035】3、C成分の調製 5Lの粉体ブレンダーに、表3記載の各成分を所定量配
合し、室温で均一になるまで攪拌混合し、本発明の組成
物中のC成分として、(C1)〜(C4)の4種類を調
製した。
【0036】
【表3】
【0037】ただし、 表3中の各項の上段に記載の記
号は次の成分である。 セメント1:普通ポルトランドセメント セメント2:白色セメント セメント3:早強ポルトランドセメント
【0038】4、本発明の組成物の実施例1〜5および
その比較例1,2の調製とその評価 上記で作成した各成分をもとに、表4に記載の材料およ
び配合比率で、5Lの鋼製ビーカーに配合し、室温で2
〜5分間攪拌混合して組成物を得た。
【0039】
【表4】
【0040】表4記載の実施例1〜5、および比較例
1、2の組成物について、作業性と性能を評価した。こ
の結果を表5に示す。
【0041】
【表5】
【0042】ただし、試験方法と評価方法は以下の方法
によって行なった。 作業性:垂直に立てた900×900×5mmのスレー
ト板に室温で5mm厚に1回で塗布した。2日後に垂れ
発生の有無を目視観察した。(○:垂れなし、×:垂れ
ありを表す) 透水試験:JIS R5201に準じて作成したモルタ
ル(70×70×20mm)に本組成物をコテで2mm
厚に塗布し、室温で1週間静置し硬化後、JIS A6
910記載の透水試験を行った。 接着強度(浸漬前):JIS R5201に準じて作成
したモルタルに本組成物をコテで2mm厚に塗布し、室
温で1週間静置し硬化させた後、建研式引っ張り試験機
で接着強度を測定した。 接着強度(水浸漬):JIS R5201に準じて作成
したモルタルに本組成物をコテで2mm厚に全面に塗布
し、室温で1週間静置し硬化させた後、水道水に1月間
浸漬後、建研式引っ張り試験機で接着強度を測定した。 接着強度(硫酸浸漬):JIS R5201に準じて作
成したモルタルに本組成物をコテで2mm厚に全面に塗
布し、室温で1週間静置し硬化させた後、2%硫酸に1
月間浸漬後、建研式引っ張り試験機で接着強度を測定し
た。 この結果、実施例1〜5はいずれも作業性(1回の塗布
で5mm厚の塗布ができる)、透水性(防水性と類
似)、接着性、耐水性および耐硫酸性などに優れてお
り、比較例1および2に比べ全ての性能が良好であっ
た。
【0043】
【発明の効果】本発明は下記の効果を奏する。 (1)水系であり、かつ1回の塗布で高い塗布厚が得ら
れる。 (2)硬化物はコンクリートおよびモルタルなどに対
し、優れた接着性を発揮する。 (3)硬化物は酸性の雨水や下水に対し、優れた防水性
と耐久性を発揮する。
【0044】上記効果を奏することから、本発明の組成
物は旧コンクリートおよび旧モルタルの構造物等に対
し、水の躯体内への浸透に伴う鉄筋の発錆や躯体の中性
化および腐食を長期間にわたり保護できるため、防水被
覆の補修材として使用できる。そのほかコンクリート構
造物等のハツリ、欠損部および不陸部等の凹凸のある表
面を平坦に調整する下地処理剤として使用できる。ま
た、各種塗料を塗布する際の密着性を付与するプライマ
ー、更に壁紙や塩化ビニル製タイルおよびシート床等を
貼るための密着性付与と下地を平坦化する下地処理剤と
しても使用できる。そのほか、施工直後のコンクリート
やモルタル表面はエフロレッセンス等により高いアルカ
リ性を持っていることおよび各種のコンクリート混和剤
が表面にブリードしていること等により、難接着の面と
なっている場合があり、これに対しても高い接着性を有
しており、ビルなどの構造物の外装や屋上および内装、
橋梁、高架橋、上水および下水槽等の表面防水被覆材と
して使用できる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 41/00 - 41/71 C09D 1/00 C09D 5/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記A,BおよびCからなる組成物
    (1)であり、(1)中のAの樹脂分とBの樹脂分(b
    1)とCの重量比が1:(0.3〜0.4):(3.0
    〜5.0)である防水被覆用組成物。 A: ビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂の乳化物(a1)、スチ レン−ブタジエン系ラテックス(a2)およびエチレン−酢酸ビニル 共重合糸エマルション(a3)からなり、各々の樹脂分の重量比が1 :(0.3〜0.4):(0.2〜0.4)である組成物。 B: 活性水素当量70〜135のモノ(ポリ)アミドアミン(b1)の 水分散物。 C: セメント。
  2. 【請求項2】 (a1)が、エポキシ当量170〜35
    0であるビスフェノールAおよび/またはビスフェノー
    ルFのジグリシジルエーテルを非イオン糸界面活性剤で
    乳化したものである請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 Bが、さらにガラス繊維(b2)を含有
    し、(b1)と(b2)の重量比が1:(0.02〜
    0.3)である請求項1または2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 コンクリートまたはモルタル表面の下地
    処理剤として用いられる請求項1〜のいずれか記載の
    組成物。
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