JP2807335B2 - 光ファイバ冷却装置 - Google Patents

光ファイバ冷却装置

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JP2807335B2 JP2303905A JP30390590A JP2807335B2 JP 2807335 B2 JP2807335 B2 JP 2807335B2 JP 2303905 A JP2303905 A JP 2303905A JP 30390590 A JP30390590 A JP 30390590A JP 2807335 B2 JP2807335 B2 JP 2807335B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、光ファイバ母材から紡糸された光ファイバ
を、その移動方向に多段配置された各エアー吹出し冷却
部で冷却する光ファイバ冷却装置に関するものである。
[従来の技術] 光ファイバ1は、第4図に示すように、光ファイバ母
材2を溶融炉3を用いて約2000℃で加熱しつつ引取機4
で引取りながら紡糸することにより得、得られた光ファ
イバ1は溶融炉3の下部のノズル部3aより送り出し、被
覆ダイス5に通して外周に樹脂を被覆し、次に樹脂硬化
器6に通して被覆樹脂の硬化を行うことにより製造して
いる。なお、ノズル部3aは光ファイバ母材2のネックダ
ウン部2aを安定化させるためのものである。
紡糸を高速(例えば、200m/min)で実施する場合、紡
糸直後の光ファイバ1にHe,N2,エアー等を吹き付け、被
覆ダイス5に入る光ファイバ1の温度を50℃以下にして
いる。光ファイバ1の温度がこれ以上になっていると、
被覆ダイス5内の樹脂温度が上昇するため、適正な厚み
の被覆が行えない。
一方、製造コストの競争上から高価なHeを用いず、安
価なエコーをコンプレッサーを用いて圧縮後、除湿し、
除塵して第5図に示す如き構造のエアー吹出し冷却部7
を光ファイバ1の移動路に沿って第4図に示すように多
段配置した光ファイバ冷却装置8から光ファイバ1に吹
付けて冷却することが提案されている。これらエアー吹
出し冷却部7は、冷却筒部9を有し、該冷却筒部8の軸
心には光ファイバ1を貫通させる光ファイバ貫通孔10が
ストレート孔として設けられ、該冷却筒部8の外周の一
部にはエアー入口11が設けられ、該冷却筒部8内にはエ
アー入口11に入ったエアーを調圧するバッファー部12が
光ファイバ貫通孔10に対して同心状に設けられ、該冷却
筒部8の内周にはバッファー部12から供給されるエアー
を光ファイバ1に交叉する向きで吹出すエアー吹出し口
13が設けられた構造になっている。このようなタイプの
エアー吹出し冷却部7を、本発明ではストレート孔型の
エアー吹出し冷却部と称する。
第4図及び第5図に示す如き構成の光ファイバ製造装
置では、光ファイバ1の線引き速度を、生産性の向上
と、原価低減のために更に高速度化(200m/min→500〜6
00m/min)することが要求されている。
[発明が解決しようとする課題] 第5図に示すストレート孔型のエアー吹出し冷却部7
のみを用いた光ファイバ冷却装置8では、光ファイバ1
の線引き速度をパラメータとして冷却能力曲線を描く
と、第6図に実線で示すようになり、光ファイバ1の線
引き速度を上げるためにはエアー吹出し口13から吹出す
エアーの流量を増加させる必要がある。
一方、エアーの流量を大きくすると、第7図に実線で
示すように光ファイバ1の振動振幅が大きくなり、エア
ー流量が約20/minで危険振幅とされている0.1mmを越
えてしまう問題点がある。
光ファイバ1の振動振幅が大きくなると、溶融炉3の
光ファイバ母材2のネックダウン部2aに影響し、光ファ
イバ1の強度低下の原因となり、また被覆ダイス5での
適正な樹脂の被覆が困難となる問題点がある。
本発明の目的は、光ファイバの振動を有効に防止しつ
つ冷却を行うことができる光ファイバ冷却装置を提供す
ることにある。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するための本発明の各構成を説明す
ると、下記の通りである。
請求項(1)の発明は、光ファイバ母材から紡糸され
た光ファイバを、その移動方向に多段配置されたエアー
吹出し冷却部で冷却する光ファイバ冷却装置において、 前記各エアー吹出し冷却部のうち初段と最終段のエア
ー吹出し冷却部は、前記光ファイバが通過する冷却筒部
の光ファイバ貫通孔がテーパ孔となっていて、該テーパ
孔内にその周方向からエアーを吹出す構造のテーパ孔型
のエアー吹出し冷却部であり、 前記エアー吹出し冷却部のうち初段と最終段を除いた
中間段の各エアー吹出し冷却部は、前記光ファイバが通
過する冷却筒部の光ファイバ貫通孔がストレート孔とな
っていて、該ストレート孔内にその周方向からエアーを
吹出し構造のストレート孔型のエアー吹出し冷却部であ
ることを特徴とする。
請求項(2)の発明は、請求項(1)において、スト
レート孔型の前記各エアー吹出し冷却部は、それぞれ冷
却筒部が独立した構造になっていることを特徴とする。
請求項(3)の発明は、請求項(1)において、スト
レート孔型の前記各エアー吹出し冷却部は、各冷却筒部
が相互間で連続した構造になっていることを特徴とす
る。
[作用] 請求項(1)に記載のテーパ孔型のエアー吹出し冷却
部は、冷却能力はストレート孔型のエアー吹出し冷却部
より劣るが、光ファイバに与える振動が小さいという特
性を持っている。
このようなテーパ孔型のエアー吹出し冷却部を、各段
のエアー吹出し冷却部のうちの初段と最終段に用い、こ
れら初段と最終段との間の中間のエアー吹出し冷却部と
してストレート孔型のエアー吹出し冷却部を用いると、
光ファイバの振動を抑制して該光ファイバの冷却を良好
に行えるようになる。
請求項(2)に記載のように、ストレート孔型の各エ
アー吹出し冷却部における各冷却筒部を独立した構造に
すると、相互間の冷却筒部の間に空隙が存在し、各段の
エアー吹出し口から吹出されたエアーは各段毎に冷却筒
部の両端から冷却筒部の外に排出させることができ、隣
の冷却筒部内に排出されるのを抑制でき、冷却を効率よ
く行える。
請求項(3)に記載のように、ストレート孔型の各エ
アー吹出し冷却部における各冷却筒部を相互間で連続し
た構造にすると、これらストレート孔型のエアー吹出し
冷却部の設置作業が容易となる。
[実施例] 以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明す
る。なお、前述した第4図及び第5図と対応する部分に
は同一符号を付けて示している。
第1図は、本実施例で用いるテーパ孔型のエアー吹出
し冷却部14の一実施例を示したものである。このテーパ
孔型のエアー吹出し冷却部14は、冷却筒部15を有し、該
冷却筒部15の軸心には光ファイバ1を貫通させる光ファ
イバ貫通孔16がテーパ孔として設けられ、該冷却筒部15
の外周の一部にはエアー入口17が設けられ、該冷却筒部
15内にはエアー入口17に入ったエアーを調圧するバッフ
ァー部18が光ファイバ貫通孔16に対して同心状に設けら
れ、該冷却筒部15の内周にはバッファー部18から供給さ
れるエアーを光ファイバ1に交叉する向きで吹出すエア
ー吹出し口19が設けられた構造となっている。
このようなテーパ孔型のエアー吹出し冷却部14は、例
えば全長を50〜80mm、テーパ孔よりなる光ファイバ貫通
孔16の最大内径部の直径を20〜30mm、最小内径部の直径
を18〜30mm、テーパ部の半角θを5〜12゜とする。
このようなテーパ孔型のエアー吹出し冷却部14におけ
る光ファイバ貫通孔16に光ファイバ1を300m/minの線速
で通して冷却能力の実験をしたところ第6図に破線で示
す結果が得られ、また振動抑制能力の実験をしたところ
第7図に破線で示す結果が得られた。
即ち、テーパ孔型のエアー吹出し冷却部14はストレー
ト孔型のエアー吹出し冷却部7に比べると、冷却能力は
劣るが、振動が小さく、しかも振動抑制能力があること
が判明した。また、テーパ孔が光ファイバ1を安定させ
る効果がある。
そこで本実施例の光ファイバ冷却装置8は、第1図に
示すように、各段の各エアー吹出し冷却部のうち、初段
と最終段はテーパ孔型のエアー吹出し冷却部14を用い、
初段と最終段を除いた中間段はストレート孔型のエアー
吹出し冷却部7を用いて構成している。この場合、初段
のエアー吹出し冷却部14は第2図に示すような向きで使
用し、最終段のエアー吹出し冷却部14は第2図とは上下
逆向きにして使用する。また、中間段のストレート孔型
のエアー吹出し冷却部7は4段とし、ノズル部3aの先端
から被覆ダイス5までの距離Lは6mとしている。
このような光ファイバ冷却装置8は、例えば表1のよ
うな条件で使用する。
ストレート孔型の各エアー吹出し冷却部7は、第3図
に示すように、各冷却筒部9を相互間で連結した構造と
することができる。
このような構造にすると、各エアー吹出し冷却部7の
設置作業が容易になる。
[発明の効果] 以上説明したように本発明に係る光ファイバ冷却装置
によれば、下記のような効果を得ることができる。
請求項(1)で用いているテーパ孔型のエアー吹出し
冷却部は、冷却能力はストレート孔型のエアー吹出し冷
却部より劣るが、光ファイバに与える振動が小さいとい
う特性を持っている。従って、請求項(1)の発明で
は、このようなテーパ孔型のエアー吹出し冷却部を、各
段のエアー吹出し冷却部のうちの初段と最終段に用い、
これら初段と最終段との間の中間のエアー吹出し冷却部
としてストレート孔型のエアー吹出し冷却部を用いてい
るので、光ファイバの振動を抑制しつつ該光ファイバの
冷却を良好に行うことができる。
請求項(2)の発明では、ストレート孔型の各エアー
吹出し冷却部における各冷却筒部を独立した構造にして
いるので、相互間の冷却筒部の間に空隙が存在し、各段
のエアー吹出し口から吹出されたエアーは各段毎に冷却
筒部の両端から冷却筒部の外に排出されるようになり、
隣の冷却筒部内に排出されるのを抑制でき、冷却を効率
よく行うことができる。
請求項(3)の発明では、ストレート孔型の各エアー
吹出し冷却部における各冷却筒部を相互間で連続した構
造にしているので、これらストレート孔型のエアー吹出
し冷却部の設置作業が容易となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本実施例の光ファイバ冷却装置を用いた光ファ
イバ製造装置の一例の概略構成を示す断面図、第2図は
本実施例で用いているテーパ孔型のエアー吹出し冷却部
の一例の縦断面図、第3図はストレート孔型のエアー吹
出し冷却部の他の例を示す縦断面図、第4図は従来の光
ファイバ製造装置の概略構成を示す縦断面図、第5図は
ストレート孔型のエアー吹出し冷却部の一例の縦断面
図、第6図は従来と本発明の冷却能力の比較図、第7図
は従来と本発明の振動振幅の相違を示す比較図である。 1……光ファイバ、2……光ファイバ母材、3……溶融
炉、4……引取機、5……被覆ダイス、6……樹脂硬化
器、7……ストレート孔型のエアー吹出し冷却部、8…
…光ファイバ冷却装置、9……冷却筒部、10……光ファ
イバ貫通孔、11……エアー入口、12……バッファー部、
13……エアー吹出し口、14……テーパ孔型のエアー吹出
し冷却部、15……冷却筒部、16……光ファイバ貫通孔、
17……エアー入口、18……バッファー部、19……エアー
吹出し口。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光ファイバ母材から紡糸された光ファイバ
    を、その移動方向に多段配置されたエアー吹出し冷却部
    で冷却する光ファイバ冷却装置において、 前記各エアー吹出し冷却部のうち初段と最終段のエアー
    吹出し冷却部は、前記光ファイバが通過する冷却筒部の
    光ファイバ貫通孔がテーパ孔となっていて、該テーパ孔
    内にその周方向からエアーを吹出す構造のテーパ孔型の
    エアー吹出し冷却部であり、 前記エアー吹出し冷却部のうち初段と最終段を除いた中
    間段の各エアー吹出し冷却部は、前記光ファイバが通過
    する冷却筒部の光ファイバ貫通孔がストレート孔となっ
    ていて、該ストレート孔内にその周方向からエアーを吹
    出す構造のストレート孔型のエアー吹出し冷却部である
    ことを特徴とする光ファイバ冷却装置。
  2. 【請求項2】ストレート孔型の前記各エアー吹出し冷却
    部は、それぞれ冷却筒部が独立した構造になっているこ
    とを特徴とする請求項(1)に記載の光ファイバ冷却装
    置。
  3. 【請求項3】ストレート孔型の前記各エアー吹出し冷却
    部は、各冷却筒部が相互間で連続した構造になっている
    ことを特徴とする請求項(1)に記載の光ファイバ冷却
    装置。
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