JP2807278B2 - 磁気記録媒体用磁性粉の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体用磁性粉の製造方法

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JP2807278B2
JP2807278B2 JP1224804A JP22480489A JP2807278B2 JP 2807278 B2 JP2807278 B2 JP 2807278B2 JP 1224804 A JP1224804 A JP 1224804A JP 22480489 A JP22480489 A JP 22480489A JP 2807278 B2 JP2807278 B2 JP 2807278B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、主に高密度垂直磁気記録媒体に用いられる
磁性粉の製造方法に関する。
(従来の技術) 塗布形の磁気記録媒体はポリエチレンテレフタレート
などからなる基体と、この基体面上に形成されたフェラ
イトおよびバインダレジンを主成分とする磁性層により
構成されている。しかして、磁気記録媒体に用いられる
フェライトとしては、従来、γ−Fe2O3,Co被着γ−Fe2O
3,Coドープγ−Fe2O3,CrO2,金属Feなどの針状フェライ
トが知られており、磁気記録は面内長手方向の磁化を用
いる方法により行われている。
しかし、この面内長手方向の磁化を用いる磁気記録媒
体においては、高周波域における記録再生の向上を図ろ
うとすると、記録媒体内の減磁界が増加するため、記録
密度をそれ程向上させることができないという問題があ
る。
近年、磁気記録密度の大幅な改善を図るために、磁気
記録媒体の基体と垂直な方向の磁化を用いる垂直磁気記
録方式が提案されている。この方式による磁気記録媒体
は、高周波域においても減磁界の問題が生じないので、
高密度記録に適している。
このような垂直磁気記録方式に適した磁気記録媒体と
しては、Co−Cr合金などを真空蒸着法やスパッタ法によ
り基体面上に被着したものが提案されている。しかしな
がら、この種の磁気記録媒体にあっては、環境安定性、
走行耐久性や生産性などの点で問題を有している。一
方、それらの問題点を解消した磁気記録媒体として、基
体面に垂直な方向に磁化容易軸を向け易い六方晶系フェ
ライト、例えばM型のBaFe12O19やW型のBaMe2Fe16O27
(Meは置換金属元素)など、およびそれらの原子の一部
が元素で置換された六方晶系フェライトを基体面に塗布
したものが開発されている。
塗布型の磁気記録媒体の六方晶系フェライトを製造す
る方法の一つとして、六方晶系フェライトが形成される
ような元素と、その他の成分としてガラスが形成される
ような元素を混合溶融し、急速冷却を施して非晶質体に
熱処理を施して六方晶系フェライトを析出せしめ、洗浄
処理を施して、六方晶系フェライトを抽出するガラス結
晶化法が知られている。このガラス結晶化法において
は、ガラスを形成する元素としてB2O3およびAO(Aは、
Ba,Sr,Ca,およびPbの中から選ばれる少なくとも1種の
元素)を用いることが知られている。さらに、ガラスを
形成する原料としてホウ酸ナトリウムを用いることも知
られている。
(発明が解決しようとする課題) しかし、上記従来のガラス結晶化法において、ガラス
を形成する元素としてB2O3およびAO(Aは、Ba,Sr,Ca,
およびPbの中から選ばれる少なくとも1種の元素)を用
いた場合、得られたフェライトの媒体中で充填度合いが
低く、磁気記録媒体の出力が小さいためS/N特性が低い
という問題点を有している。さらに、ホウ酸を用いた場
合は、溶融の不均一が起り易く非晶質体中の原子分布に
偏りを生じ易いため、得られた六方晶系フェライトの粒
子が不均質で媒体中で充填し難く、また磁気記録媒体の
S/N特性が低いと言う問題を有している。
本発明は、高い記録密度と高いS/N特性を有する磁気
記録媒体を得る場合の上記問題点を解決するために成さ
れたものであって、媒体中で高充填が図れる六方晶系フ
ェライトの製造方法を提供することを目的とするもので
ある。
(課題を解決するための手段) 磁気記録媒体に用いられる六方晶系フェライトは、垂
直磁化記録が面内記録より有為性の明らかとなる記録波
長1μm以下の領域で、十分な記録・再生が行われるた
めに、粒径が0.01〜0.3μmのものでしかも高いS/Nを確
保するためには粒径の揃ったものがよい。また、その六
方晶系フェライトの保磁力は、高すぎると記録時にヘッ
ド磁界が飽和し、低すぎると記録信号の保持が不可能と
なるため、200〜2000エールステッドのものがよい。
そのため本発明による六方晶系フェライトとしては、
バリウムフェライトもしくはストロンチウムフェライト
などの構成原子の一部を特定の他の原子で置換し保磁力
が制御されたものであってもよい。そして、そのような
粒子を製造する方法として、本発明は成されたものであ
って、 一般式 AO・n(Fe1-XMX2O3 5.0≦n≦6.5 0.02≦x≦0.24 但しA:Ba,Sr,Ca,およびPbの中から選ばれる少なくとも
1種の元素、M:Co,Ti,In,Ni,Cu,Zn,Nb,Zr,V,Ta,Al,Cr,S
b,Hf,Mo,W,Ir,Sn,およびMgの中から選ばれる少なくとも
1種の元素で示されるような六方晶系フェライトを形成
する各元素ごとの化合物と、 その他の成分として、Na2O、AOおよびB2O3がmol比で 1.0<(AO+Na2O)/B2O3<2.0 0.0<Na2O/AO<1.0 となるようにNa,AおよびBの各化合物 とを混合溶融し、急速冷却を施して非晶質化した後、こ
の非晶質体に熱処理を施して六方晶系フェライトを析出
せしめ、洗浄処理を施して、六方晶系フェライトを抽出
する磁気記録媒体用磁性粉の製造方法である。
ここでMは六方晶系フェライトの保磁力を制御するた
めのものであるが、その置換量Xが0.02より小さいと保
磁力が大きくなり過ぎ、0.24を越えると逆に保磁力が小
さくなり過ぎて好ましくない。
またその他の成分としてのAO,Na2およびB2O3をmol比
で、(AO+Na2O)/B2O3≦1.0となるような組成にした場
合には、得られたフェライトの媒体中での充填度合いが
あまり大きくならない。また(AO+Na2O)/B2O3≧2.0の
場合には多磁区粒子の出現がみられる。更にAO≦Na2Oの
場合には、非晶質体が水分や炭酸ガスを激しく吸収する
ため、安定に六方晶系フェライトを製造し難くなる。し
かも、非晶質体の保存状態がよく水分や炭酸ガスを吸収
しないとしても、非晶質体の融点が低下するため、フェ
ライト粒子の焼結が起こり易くなる。
(作 用) 本発明に係る磁気記録媒体用磁性粉の製造方法によれ
ば、六方晶系フェライトを形成する各元素ごとの化合物
と、その他の成分としてmol比で1.0<(AO+Na2O)/B2O
3<2.0でかつ0.0<Na2O/AO<1.0となるようにNa,Aおよ
びBの各化合物とを混合して溶融し、急冷により非晶質
化したものを結晶化しているため、媒体中で高充填が図
れる六方晶系フェライトを容易に得ることができる。
また,得られた磁性粉を用いて製造される媒体は、出
力が大きく高い記録密度と高いS/N特性の実現が可能と
なる。しかもNa2B4O7のような既に合成された複合的な
化合物を原料として用いず、各必須成分の単純な化合物
を原料として用いているため均一性よく溶融でき、原子
分布の偏りのない非晶質性のよい非晶質体を得ることが
できる。
(発明の実施形態) 以下に本発明を、実施例により詳細に説明する。
目的とする磁性粉としてBaフェライトを選び、保磁力
制御のための置換元素は、CoとTiイオンの組み合わせで
置換X=0.14となるようにし、n=6.0となる組成を試
みた。またその他の成分としては、B、BaおよびNaの各
化合物を用いた。フェライトの成分は、40mol%とし
た。
実施例1〜6、比較例1a〜5a Baフェライトとなる原料成分とその他の成分が第1表
に示す割合となるよう各元素の炭酸化物を1400℃にて溶
融の後、双ロールにて急冷圧延して非晶質体をえた。こ
の非晶質体を、800℃で5時間の熱処理を施して六方晶
系フェライトを析出させた後、酢酸および純水にて洗浄
して抽出し乾燥を行って磁性粉を得た。
上記で得た各六方晶系フェライトの磁気特性は試料振
動型磁力計で、形状は透過電子顕微鏡による写真から測
定した結果を、第2表に示す。
比較例4aでは、多磁区粒子が生成しているためか角型
比が小さく、しかも保磁力は185(Oe)と磁気記録媒体
に用いるには小さすぎる値であった。
上記で得た六方晶系フェライトを用いて、磁性塗料を
第3表の組成にて調整した。
第3表 成分 配合量 六方晶系フェライト 100重量部 スルホン化塩酸ビ樹脂 10 〃 分散剤(レシチン) 3 〃 研磨剤(Al2O3) 2 〃 潤滑剤(StA/StBu) 2 〃 硬化剤(コロネート) 4 〃 メチルエチルケトン 40 〃 トルエン 40 〃 シクロヘキサノン 40 〃 これらをサンドグラインダーにて十分に混練し塗料化
した後、厚さ9μmのポリエチレンテレフタレートフィ
ルム面上に塗布、乾燥後、カレンダー処理し、キュアを
行って磁気記録媒体を得た。得られた磁性粉の特性およ
び磁気記録媒体の特性を第4表に示す。充填度合いは比
較例1の場合の充填率(得られた媒体の飽和磁化と媒体
に空隙がないとした場合の飽和磁化の理論値の比)を1
として示した。
実施例1〜6で得た磁性粉を用いた場合は、充填度合
いが高く、出力の大きい媒体が得られた。このようにフ
ェライトの媒体中での充填度合いが向上する原因は明白
ではないが、本発明に係る組成にすることでフェライト
の表面性が変化しバインダレジンなどとの馴染みがよく
なり分散性が向上したものと考えられる。すなわち、そ
の他の成分をmol比で1.0<(AO+Na2O)/B2O3<2.0でか
つ0.0<Na2O/AO<1.0なる組成にして製造した六方晶系
フェライトにより出力の高い媒体が得られた。
なお、フェライトとその他の成分の比率がいかなる場
合でも、またBaフェライトの変わりにSrフェライトなど
の他のフェライト、Co−Tiイオン以外の置換元素におい
ても同様の効果がえられた。
[発明の効果] 以上説明したように本発明の製造方法によれば、媒体
中で高充填を図り得る六方晶系フェライトを容易に製造
することができ、またその六方晶系フェライトを用いて
製造される磁気記録媒体は、高い(大きい)出力が得ら
れるため、高い記録密度と高いS/N特性の実現が可能と
なる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井戸 忠 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−210801(JP,A) 特開 昭60−229307(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 AO・n(Fe1-XMX2O3 5.0≦n≦6.5 0.02≦x≦0.24 但しA:Ba,Sr,Ca,およびPbの中から選ばれる少なくとも
    1種の元素、M:Co,Ti,In,Ni,Cu,Zn,Nb,Zr,V,Ta,Al,Cr,S
    b,Hf,Mo,W,Ir,Sn,およびMgの中から選ばれる少なくとも
    1種の元素でしめされるような六方晶系フェライトを形
    成する各元素ごとの化合物と、 その他の成分として、Na2O、AOおよびB2O3がmol比で 1.0<(AO+Na2O)/B2O3<2.0 0.0<Na2O/AO<1.0 となるようにNa,AおよびBの各化合物とを混合溶融し、
    急速冷却を施して非晶質化した後、この非晶質体に熱処
    理を施して六方晶系フェライトを析出せしめ、洗浄処理
    を施して、六方晶系フェライトを抽出する磁気記録媒体
    用磁性粉の製造方法。
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