JP2806368B2 - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JP2806368B2
JP2806368B2 JP8165439A JP16543996A JP2806368B2 JP 2806368 B2 JP2806368 B2 JP 2806368B2 JP 8165439 A JP8165439 A JP 8165439A JP 16543996 A JP16543996 A JP 16543996A JP 2806368 B2 JP2806368 B2 JP 2806368B2
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敦彦 江口
晴英 石田
能史 飯田
かおり 大石
孝義 青木
敏行 矢野
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録方法等において静電潜像を現像、転写、定着するた
めに使用する画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法は、光導電性物質を用いた感
光体に形成された静電潜像に、磁気ブラシ現像法等によ
りトナーを付着させて現像し、感光体上のトナーを紙、
シート等の転写材に転写した後、熱、溶剤、圧力等を利
用して定着し、永久画像を得るものである。したがっ
て、複写物を得るに際しては、各工程が種々の条件を満
たしていることが必要になる。殊に高品質の複写画像を
得るためには、転写工程においては、転写材付近で均一
な転写電場を形成することが重要であり、従来から機構
が簡単で低コストである等の理由によりコロトロン方式
が広く用いられている。しかしながら、コロトロン方式
は機構が簡単で低コストであるという利点がある一方
で、放電時にオゾンを発生させるという問題があり、こ
のオゾンは、人体に有害で厳しく規制されているだけで
なく、感光体を汚染することにより像抜け等のトラブル
を発生させるという不具合を生じる。さらに、コロトロ
ン方式は高電圧の電源を必要とし、また、トナー、シリ
コーンオイル等の付着物や放電生成物の定期的な清掃、
断線時の交換等のメンテナンスが必要であるなど、様々
の問題点を有する。したがって、従来よりオゾン発生せ
ず、またメンテナンスを必要とせず、さらには低電圧化
を可能にするバイアスロール方式による転写方式が検討
されている。
【0003】ところが、この転写方式では、転写材とバ
イアスロールが接触することにより転写電場が形成され
る。したがって、転写が行われるためには、これらが線
圧5g/cm以上の圧力で接触していることが必要にな
る。転写材およびバイアスロールの間に圧力が加われ
ば、転写材と感光体、さらには感光体上のトナー像にも
圧力がかかってしまい、そのためにトナー像中のトナー
粒子間で凝集が起こったり、またトナー像の感光体への
付着(もしくは固着)等が発生し、トナー像の転写が阻
害され、または全く転写されず、転写材上の画像に欠落
を生じる現象、すなわち、「画像中抜け」が起こりやす
い。
【0004】ところで通常現像では、線画像の場合は像
内部のトナー層が厚くなり、ソリッド画像の場合はエッ
ジ部のトナー層が厚くなる。このため画像中抜けは、線
画像の場合は、主に画像の中心部に生じ、ソリッド画像
の場合は、エッジ部及びその近傍に生じやすくなる。ま
た、この現象の発生程度は、転写材の厚みや表面性にも
影響される。すなわち、転写材の厚みが厚い場合には、
感光体上のトナー像の受ける圧力が大きくなり、トナー
像に凝集、付着等が起こりやすく、また転写材表面の平
滑度が高い場合には、例えばOHPシート等では、トナ
ー粒子と転写材間の付着力が小さくなり、画像中抜けが
発生しやすくなる。上記した転写工程での画質トラブル
を回避できたとしても、後工程である定着工程が抱えて
いる種々の問題に対処しなければならない。
【0005】定着工程においては、そのシステムとして
加熱溶融方式が最も多く用いられているが、この方式は
接触型と非接触型の2種類に大別される。特に接触型の
加熱ロール定着方式は熱効率がよく、高速定着が可能で
あることから、近年商業用複写機、プリンター等におい
て広く用いられている。しかしながら、この加熱ロール
定着方式も幾つかの欠点を持っている。特に重大な欠点
として、エネルギー、すなわち電力の使用量が圧力ロー
ル定着方式に比較して相当多いことが指摘される。勿
論、紙等の転写材に対する定着画像強度は、加熱ロール
定着方式の方が圧力ロール定着方式に比べてはるかに優
れている上に、圧力による紙の変形、シワなどの発生等
の点でも優れているため、加熱定着方式において何如に
電力消費量を低減するか、換言すれば何如にトナーの定
着に必要な最低温度を低下させるかが検討されてきた。
【0006】この目的を達成するための有力な手段とし
ては、トナーの結着樹脂において通常用いられているも
のよりも、数十度低いTg(ガラス転移温度)を有する
ものや分子量の低いもの等を用いる手法があげられる。
しかしながら、このようなトナーの多くは、貯蔵中或い
は複写機内において、ケーキング現象や凝集を発生させ
やすいという致命的な欠点を有している。
【0007】この欠点を解決する方策として、非常に微
細な、コロイダルシリカ、アルミナ、チタニア等の微粒
子をトナー表面に付着させてトナーの耐ブロッキング性
および流動性を改良する試みがあげられる。この方策は
最低定着温度をそれほど上昇させることもなく、また耐
ブロッキング性および流動性の改善もある程度は達成さ
れ、一見有効な手段のように思われる。しかしながら、
これらの微粒子は、仮にそれらをトナー表面に融着させ
るために加熱処理等を施しても、トナー表面から遊離し
易く、感光体、特に表面が有機重合体等で被覆されてい
るものに対して悪影響を及ぼすことが判明した。すなわ
ち、多数回の使用時において、これら微粒子が感光体表
面に半永久的に固着してしまい、画像欠損の原因となる
不都合を生じる。したがって、この方策は抜本的解決策
とはなり得ない。さらに、上記のような結着樹脂を用い
た場合、その熱的な特性上から、加熱ロール定着方式に
適用した際には、トナーが加熱ロールに付着し、次のコ
ピーを汚すオフセット現象が発生するという不具合も生
ずる。
【0008】また加熱ロール定着方式では、定着ロール
部に剥離爪を設けて、転写材、一般的には紙が定着ロー
ルを通過した後、ロールに巻き付くのを防止している。
しかしながら、近年複写機の高速化に伴い、この部位に
かかるストレスが増大した為、剥離不良や、剥離した際
に剥離爪による転写材先端部の画像欠損を生じる等のト
ラブルが発生している。また、複写画像を原稿としてさ
らに複写を行う場合があるが、複写機の自動原稿送り装
置に複写画像を入れると、この装置の紙送り用ローラー
で原稿である複写画像が擦られて、画像ににじみや汚れ
が発生する。また、両面原稿や多色原稿では、初めの複
写画像を定着した後、2回目の複写のために紙送りロー
ラーで画像表面が擦られて、画像ににじみや汚れが発生
する。さらに、複数の原稿を重ねて複写機内に一次保管
したものを、2回目の複写のために紙送り用ローラーで
1枚づつ取り出すことが行われるが、この際の移送にお
いても原稿の裏面と下の原稿の画像表面が擦られて、両
者に擦り汚れやにじみを発生させ、その結果、画質の低
下を引き起こす。
【0009】これらの不具合の改善のために、トナー中
に滑剤成分として低分子量ポリプロピレン或いはポリエ
チレンを添加する方法が提案されている。(特公昭52
−3304号公報、特公昭57−52574号公報、特
開昭60−151650号公報等) 上記の滑剤を添加したトナーでは、加熱ロールからの離
型性不良による耐オフセット性向上や剥離爪傷抑制、定
着画像の耐擦り強度向上等にある程度効果があるものの
未だ十分ではない。さらに、これらポリオレフィン系の
滑剤と樹脂成分の相溶性が低いため、トナー中で大きな
ドメインを形成し、結果としてトナーの粉体流動性、凝
集性等を大きく悪化させてしまう。
【0010】これらの不具合を解決する方法として、ポ
リオレフィンを樹脂にグラフトさせて樹脂中に相溶させ
る方法(特開昭60−457号公報、特開昭60−93
456号公報、特開昭60−93457号公報等)、変
性ポリオレフィンを用いて樹脂中に分散させる方法(特
開昭58−63947号公報、特開昭59−17757
0号公報、特開昭60−3644号公報、特開昭62−
14508号公報、特開昭63−191817公報等)
等が知られている。しかしながら、上記の方法は、ポリ
オレフィンの分散性を向上させ、粉体流動性、凝集性等
の悪化をある程度抑制できるものの、本来要求されるべ
き離型能向上効果が損なわれる。さらにこれらの滑剤を
用いたトナーについて、バイアスロールによる転写を行
う場合、前述したような不具合に対し、シリコーンオイ
ルまたはシリコーンワニスで処理された微粉末を外部添
加することにより画像中抜けを抑制する方法(特開平3
−121462号公報等)が提案されている。この方法
では、初期には効果があるものの、長期使用では、特に
高温高湿環境下における普通紙の使用および低温低湿環
境下におけるOHPシートの使用に際して、画像中抜け
が発生しやすくなる等、効果が十分ではなく、また、外
部添加剤による制御であることから、トナー自身の根本
的な改善策ではない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記の問題点を改善することを目的としてなさ
れたものである。したがって、本発明の目的は、より少
ない電力消費、換言すれば、省エネルギーで、オゾンレ
スによる環境安全性に優れ、画質欠損などのトラブルが
なく、さらに、より低い温度で離型能を発揮でき、且つ
耐オフセット性が良好であり、粉体流動性に優れ、ブロ
ッキング現象を発生させない画像形成方法を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、定着ロール部の剥離爪
による損傷を受けることなく、擦り画像強度に優れた画
像を得ることが可能な画像形成方法を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意検討し
た結果、バイアスロールによる転写工程を有し、結着樹
脂と着色剤と滑剤を必須成分とする乾式トナーを用い、
その際、滑剤として特定の方法により作製したスチレン
系モノマーおよび/または不飽和カルボン酸系モノマー
にてグラフト変性された変性ポリエチレン系ワックスを
含有させることによって、前記の問題点が解消できるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明は、静電潜像担持体上に
静電潜像を形成する潜像形成工程、該静電潜像を現像剤
を用いて現像する現像工程、現像されたトナー像を転写
体上に転写する転写工程、転写体上のトナー像を加熱定
着する定着工程を有する画像形成方法において、該現像
剤として、メタロセン系触媒の存在下に重合して得られ
たエチレン単独重合体およびエチレンと炭素数3〜10
のα−オレフィンとの共重合体から選択されたポリエチ
レン系重合体をスチレン系モノマーおよび/または不飽
和カルボン酸系モノマーでグラフト変性させてなるヘキ
サン抽出量が65重量%以下の変性ポリエチレン系ワッ
クスからなる滑剤5ないし30重量%と、結着樹脂およ
び着色剤とを含有する静電荷像現像用トナーを用いたも
のを使用し、該転写工程が転写体の裏面からバイアスロ
ーラを用いて転写することを特徴とする。
【0014】本発明の現像剤において、上記滑剤は、1
60℃における溶融粘度が15cpsないし250cp
s、針入度が2dmm以下である変性ポリエチレン系ワ
ックスからなるものが好ましい。また、本発明におい
て、上記滑剤は、密度0.95g/cm3 以上、粘度平
均分子量800ないし3000、分子量分布Mw(重量
平均分子量)/Mn(数平均分子量)が1.05ないし
1.8のポリエチレン系重合体70ないし95重量部
を、スチレン系モノマーおよび/または不飽和カルボン
酸系モノマー5ないし30重量部でグラフト変性させて
なる、160℃における溶融粘度が15cpsないし2
50cps、針入度が2dmm以下である変性ポリエチ
レン系ワックスからなるものが好ましい。また、結着樹
脂は、スチレン−アクリル系共重合体であるのが好まし
い。
【0015】なお、本明細書において、ポリエチレン系
ワックスにおける分子量分布Mw/Mnは、ウォーター
ス社製GPC150Cを用い、温度140℃、溶媒o−
ジクロロベンゼン、測定流量1.0ml/minで濃度
0.1重量%で測定したものであり、分子量は、ポリエ
チレンの粘度式を使用して算出した値であり、カラムと
して、東ソー(株)製GMH−HT(60cm)とGM
H−HTL(60cm)を連結したものを用いた。ま
た、針入度はJISK2207、密度はJISK676
0に従い、さらに溶融粘度は試料を160℃にて加熱溶
融させ、ブルックフィールズ粘度計により測定したもの
である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。本発明において用いる滑剤は、エチレン単
独重合体およびエチレンと炭素数3〜10のα−オレフ
ィンとの共重合体から選択されたポリエチレン系重合体
をスチレン系モノマーおよび/または不飽和カルボン酸
系モノマーによってグラフト変性して得られるが、使用
されるエチレンの単独重合体または共重合体は、メタロ
セン系触媒の存在下に重合させて得られたものであるこ
とが必要である。
【0017】メタロセン触媒は、従来の触媒系に比べ分
子量分布の狭い重合物を得ることができる。このため、
蒸留、晶析、溶媒洗浄による方法でさらに、本目的のた
めに分子量分布を狭くする必要がないか、あるいは万一
必要となった場合でもこれを効率よく実施できる。さら
に分子量分布制御に関する利点から、本方法による変性
ポリエチレン系ワックスは、所望の粘度平均分子量範囲
においても、ワックスの他の物性値とのバランスをとり
ながら所望の溶融粘度を呈するように制御するのは、通
常の手法に比べて容易であるという利点がある。このよ
うな利点より、本手法のワックスは、詳細は不明である
が、トナー中での分散が良いため粉砕界面であるトナー
表面でもワックスは高分散しており、また、ワックスの
分子量分布が狭く、特に粉体特性に悪影響を与えるとい
われる極低分子量成分を含まないため、バイアスロール
転写時に線圧を受けてもワックスに起因する凝集を起こ
さず、さらに他外添助剤のトナー表面での分散を阻害し
ない等の効果を発揮できることより、転写効率を向上さ
せるという効果をあげることが可能であると思われる。
【0018】本発明において、メタロセン系触媒はその
種類に特に限定されることなく利用することができる。
例えば(A)周期率表のIVb.Vb.VIb族よりなる群
から選ばれた遷移金属化合物および(B)助触媒の組合
わせからなるメタロセン系触媒が例示される。このよう
な遷移金属の化合物には、下記一般式(1) ML ・・・・・(1) で示される化合物を例示することができる。
【0019】式中、MはIV族の遷移金属原子から選ばれ
る遷移金属原子を示し、ジルコニウム、チタン、ハフニ
ウム等が例示される。xは遷移金属の原子価であり、L
の個数を示す。Lは、遷移金属に配位する配位子または
基を示し、少なくとも1個のLは、シクロペンタジエニ
ル、インデニル等のシクロペンタジエニル骨格を有する
配位子であり、それ以外のLは炭素数1ないし12の炭
化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、トリアル
キルシリル基、SO3 1 (ただし、R1 はハロゲン等
の置換基を有してもよい炭素数1ないし8の炭化水素
基)、ハロゲン原子、および水素原子からなる群より選
ばれる一種の基または原子を表す。さらにこの一般式
(1)で示される化合物が、シクロペンタジエニル骨格
を有する配位子を2個以上含む場合、そのうち2個のシ
クロンペンタジエニル骨格を有する配位子同士は、エチ
レン、プロピレン等のアルキレン基、イソプロピリデ
ン、ジフェニルメチレン等の置換アルキレン基、シリレ
ン基、またはジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン
基等の置換シリレン基等を介して結合されていてもよ
い。
【0020】このような化合物としては、例えば、ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(n−プロピルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n−ブチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n−
ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(メチル−n−プロピルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチル−n−ブチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(ジメチル−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(n−ブチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(n−ブチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムメトキシクロリド、
ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
エトキシクロリド、ビス(n−ブチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムブトキシクロリド、ビス(n−ブチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジエトキシド、
ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
メチルクロリド、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジメチル、ビス(n−ブチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムベンジルクロリド、ビス
(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジベンジルジルコ
ニウム、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムフェニルクロリド、ビス(n−ブチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムハイドライドクロリド、
【0021】エチレンビス(インデニル)ジメチルジル
コニウム、エチレンビス(インデニル)ジエチルジルコ
ニウム、エチレンビス(インデニル)ジフェニルジルコ
ニウム、エチレンビス(インデニル)メチルジルコニウ
ムモノクロリド、エチレンビス(インデニル)エチルジ
ルコニウムモノクロリド、エチレンビス(インデニル)
メチルジルコニウムモノブロミド、エチレンビス(イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(イン
デニル)ジルコニウムジブロミド、エチレンビス{1−
(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)}ジメチ
ルジルコニウム、エチレンビス{1−(4,5,6,7
−テトラヒドロインデニル)}メチルジルコニウムモノ
クロリド、エチレンビス{1−(4,5,6,7−テト
ラヒドロインデニル)}ジルコニウムジクロリド、エチ
レンビス{1−(4,5,6,7−テトラヒドロインデ
ニル)}ジルコニウムジブロミド、エチレンビス{1−
(4−メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
エチレンビス{1−(5−メチルインデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、エチレンビス{1−(6−メチルイ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、エチレンビス
{1−(7−メチルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、エチレンビス{1−(5−メトキシインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、エチレンビス{1−
(2,3−ジメチルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、エチレンビス{1−(4,7−ジメチルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、エチレンビス{1−
(4,7−ジメトキシインデニル)}ジルコニウムジク
ロリド、
【0022】イソプロピリデン(シクロペンタジエニル
−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピ
リデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチ
ルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピ
リデン(シクロペンタジエニル−メチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビ
ス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス(メチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(ジメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス(トリメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス
(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシ
リレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、等
があげられる。なお、上記例において、シクロペンタジ
エニル環の二置換体は1,2−および1,3−置換体を
含み、三置換体は1,2,3−および1,2,4−置換
体を含む。本発明では、上記のようなジルコニウム化合
物において、ジルコニウム金属をチタン金属またはハフ
ニウム金属に置き換えた遷移金属化合物を用いることが
できる。
【0023】また、(B)助触媒としては、従来公知の
ものを特に限定することなく利用することができる。例
えば、アルミノオキサン(B−1)または(A)遷移金
属化合物と反応してイオン性の錯体を形成する化合物
(B−2)をあげることができる。アルミノオキサン
(B−1)としては、具体的には下記の一般式(2)ま
たは(3)
【化1】 (式中、R2 は炭化水素基を示し、mは2以上の整数を
示す、)で示される有機アルミニウム化合物を例示する
ことができる。上記アルミノオキサンにおいて、R2
メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、is
o−ブチル基、フェニル基、フェニルメチル基等が例示
され、好ましくは、メチル基、エチル基、iso−ブチ
ル基である。mは2以上の整数、好ましくは3ないし5
0、3ないし40の整数である。
【0024】アルミノオキサンを得る方法としては、例
えば、(1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を
含有する塩類、例えば、マグネシウム水和物、硫酸銅水
和物等の炭化水素触媒の懸濁液に、トリアルキルアルミ
ニウム等の有機アルミニウム化合物を反応させて炭化水
素溶液として回収する方法、(2)ベンゼン、トルエン
等の触媒中で、トリアルキルアルミニウム等の有機アル
ミニウム化合物に直接水や氷、水蒸気を作用させて炭化
水素の溶液として回収する方法等がある。用いられる有
機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウ
ム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、トリ−sec−ブチルアルミニウム、トリ
−tert−ブチルアルミニウム、トリイソペンチルア
ルミニウム等が例示される。
【0025】また、(A)の遷移金属化合物と反応して
イオン性の錯体を形成する化合物(B−2)としては、
例えば、カチオンと複数の基が元素に結合したアニオン
とからなる化合物、特に配位錯化合物を好ましくあげる
ことができる。このような化合物としては、テトラフェ
ニル硼酸トリメチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸
トリエチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸トリ(n
−ブチル)アンモニウム、テトラ(ペンタフルオロフェ
ニル)硼酸トリメチルアンモニウム、テトラ(ペンタフ
ルオロフェニル)硼酸トリエチルアンモニウム、テトラ
(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリ(n−ブチル)ア
ンモニウム、ヘキサフルオロ砒素酸トリエチルアンモニ
ウム、テトラフェニル硼酸フェロセニウム、テトラフェ
ニル硼酸トリチル、テトラ(ペンタフルオロフェニル)
硼酸フェロセニウム、テトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸メチルフェロセニウム、テトラ(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸デカメチルフェロセニウム、テトラ
(ペンタフルオロフェニル)硼酸銀、テトラ(ペンタフ
ルオロフェニル)硼酸トリチル、テトラフルオロ硼酸
銀、ヘキサフルオロリン酸銀、ヘキサフルオロ砒素酸
銀、過塩素酸銀、ヘキサフルオロアンチモン酸銀、トリ
フルオロ酢酸銀、トリフルオロメタスルホン酸銀、テト
ラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸(N−ベンジル−2
−シアノピリジウム)、テトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸(N−ベンジル−3−シアノピリジウム)、テ
トラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸(N−ベンジル−
4−シアノピリジウム)、テトラ(ペンタフルオロフェ
ニル)硼酸(N−メチル−2−シアノピリジウム)、テ
トラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸(N−メチル−3
−シアノピリジウム)、テトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸(N−メチル−4−シアノピリジウム)、テト
ラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリメチルアニリニ
ウム、テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリメチ
ル(m−トリフルオロメチルフェニル)アンモニウム、
テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジルピリジ
ウム等があげられる。
【0026】また、これらの助触媒(B)と共に必要に
応じて有機アルミニウム化合物(C)を用いてもよい。
このような有機アルミニウム化合物としては、下記一般
式(4)で示される化合物を例示することができる。 R3 n AlX3-n ・・・・・(4) (式中、R3 は炭素数1〜12の炭化水素を表し、Xは
ハロゲン原子または水素原子を表し、nは1〜3の整数
を意味する。)
【0027】上記一般式(4)において、R3 は炭素数
1〜12の炭化水素基、例えば、アルキル基、シクロア
ルキル基またはアリール基を表すが、具体的にはメチル
基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、
iso−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル
基、トリル基等である。このような有機アルミニウム化
合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルア
ルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソ
ブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ
2−エチルヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアル
ミニウム類;イソプレニルアルミニウム等のアルケニル
アルミニウム類;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエ
チルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウ
ムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメ
チルアルミニウムブロミド等のジアルキルアルミニウム
ハライド類;メチルアルミニウムセスキクロリド、エチ
ルアルミニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニ
ウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリ
ド、エチルアルミニウムセスキブロミド等のアルキルア
ルミニウムセスキハライド類;メチルアルミニウムジク
ロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピル
アルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミ
ド等のアルキルアルミニウムジハライド類;ジエチルア
ルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハ
イドライド等のアルキルアルミニウムハイドライド類;
等の化合物が用いられる。
【0028】本発明では、上記の遷移金属化合物
(A)、助触媒(B)、さらに必要に応じて上記一般式
(4)で示される有機アルミニウム化合物(C)からな
るメタロセン系触媒が利用される。これらのメタロセン
系触媒を用いて行う重合反応は炭化水素媒体中で実施さ
れる。炭化水素媒体としては、具体的には、ブタン、イ
ソブタン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、ド
デカン、ヘキサデカン、オクタデカン等の脂肪族系炭化
水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロ
ヘキサン、シクロオクタン等の脂環族系炭化水素、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ガソ
リン、灯油、軽油等の石油留分等があげられ、さらに原
料のオレフィンも炭化水素媒体となる。これらの炭化水
素媒体の中では芳香族系炭化水素が好ましい。
【0029】エチレン単独共重合体またはエチレンと炭
素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体を製造する
場合、液相重合法で実施する際の上記メタロセン触媒に
おける遷移金属化合物の使用割合は、重合反応系内の遷
移金属原子の濃度として通常は10-8ないし10-2グラ
ム原子/リットル、好ましくは10-7ないし10-3グラ
ム原子/リットルの範囲である。また、アルミノオキサ
ンの使用割合は、重合反応系内のアルミニウム原子の濃
度として、通常10-4ないし10-1グラム原子/リット
ル、好ましくは10-3ないし10-2グラム原子/リット
ルの範囲であり、また重合反応系内の遷移金属原子に対
するアルミニウム原子の比として、通常4ないし1
7 、好ましくは10ないし106 の範囲である。
【0030】上記の重合に際して、エチレン単独重合体
またはエチレン共重合体の分子量の調節は、水素および
/または重合温度により行うことができる。重合反応の
際の温度は、通常は20℃以上、特に好ましくは50℃
ないし230℃の範囲である。重合反応に供給される水
素量はエチレンに対する水素のモル比として通常は0.
01ないし4、好ましくは0.05ないし2の範囲であ
る。
【0031】本発明において、上記メタロセン触媒の存
在下に重合して得られるエチレンの単独重合体またはエ
チレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体
は、その135℃のデカリン中で測定した極限粘度
[η]が、好ましくは0.4dl/g以下、特に好まし
くは0.005ないし0.35dl/gの範囲にあるも
のが好ましく用いられる。また、エチレン共重合体の場
合、構成モノマー中のエチレンの割合は通常80モル%
以上、好ましくは85モル%以上である。
【0032】さらに、このようにして得られたエチレン
の単独重合体またはエチレン系共重合体は、粘度平均分
子量800ないし3000の範囲、密度0.95g/c
3以上、且つ針入度が2dmm以下、さらには1dm
m以下であることがより好ましい。この範囲のポリエチ
レンは、高密度及び分子の直鎖性の故に自己潤滑性を有
し、そのために定着像表面の磨耗による損傷を低減さ
せ、定着像にこすり汚れ、にじみ等が発生するのを防止
することができる。即ち、加熱ロール通過後、定着像表
面に潤滑性を有する膜を形成させ、潤滑効果が十分に発
現されるのである。 また、本発明におけるエチレンの
単独重合体またはエチレン系共重合体(以下、単にポリ
エチレンワックスという。)のゲルパーミエイションク
ロマトグラフィー(以下単にGPCという)で求めた分
子量分布(Mw/Mn)は、通常は好ましくは1.05
ないし1.8、より好ましくは1.05ないし1.5、
さらに好ましくは1.05ないし1.3である。分子量
分布Mw/Mnがこの範囲の場合、前述の粘度平均分子
量の範囲において、ポリエチレンワックス中の分子量の
大きい成分及び分子量の小さい成分を減少させることが
できる。これにより、低温より融解を開始する分子量の
小さい成分によるブロッキング性、常温での粉体流動性
の悪化や、分子量の大きい成分の部分的な溶融粘度の引
上げによる剥離爪傷抑制効果の低減を解消することが可
能である。
【0033】また、これはポリエチレンワックス自体の
溶融挙動にも大きな影響を及ぼす。ワックスには、通常
の状態では完全に固体の状態を保ち、定着ロールを通過
する際には、その極めて短い通過時間に定着ロールの設
定温度近傍で完全に溶解し効果を発現することが要求さ
れている。分子量分布を前記の範囲に制御した場合、通
常に比べワックスが溶解を終えるまでにもつ溶解温度幅
を、狭くすることができる。これにより、離型へ寄与す
るワックス量(定着ロールの設定温度で溶解するワック
ス量)が多くなり、発現効果という観点からすれば効率
が良くなる。
【0034】上記の方法で製造したポリエチレンワック
スについて、さらに融点以上の温度で真空下に脱気した
り、ヘキサン・アセトン等の溶媒に溶解させて低分子量
部を除く手法、あるいは溶媒に全量溶解させた後特定の
温度で析出させることにより高分子量部を取り除く手法
を併用してもよい。
【0035】上記のポリエチレン系重合体は、スチレン
系モノマーおよび/または不飽和カルボン酸系モノマー
を用いてグラフト変性させるが、スチレン系モノマーま
たは不飽和カルボン酸系モノマーは特に限定されるもの
ではない。スチレン系モノマーとしては、スチレン、α
−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルス
チレン、4−メチルスチレン、2,5−ジメチルスチレ
ン、3,4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチ
ルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレ
ン、4−ブチルスチレン、4−sec−ブチルスチレ
ン、4−tert−ブチルスチレン、4−ヘキシルスチ
レン、4−ノニルスチレン、4−オクチルスチレン、4
−フェニルスチレン、4−デシルスチレン、4−ドデシ
ルスチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレ
ン、4−クロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、
3,4−ジクロロスチレン、2−メトキシスチレン、4
−メトキシスチレン、4−エトキシスチレン等を挙げる
ことができる。
【0036】また、不飽和カルボン酸系モノマーとして
は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸イソブ
チル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、
アクリル酸2−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリ
ル酸ステアリル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸イソ
ヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸2−クロロ
フェニル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル
酸3−メトキシブチル、アクリル酸ジエチレングリコー
ルエトキシレート、アクリル酸2,2,2−トリフルオ
ロエチル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタク
リル酸sec−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタク
リル酸2−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリ
ル酸ステアリル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸
デシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸2−クロ
ロヘキシル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタ
クリル酸2−ヘキシルエチル、メタクリル酸2,2,2
−トリフルオロエチル等のメタクリル酸エステル類、そ
の他に、マレイン酸エチル、マレイン酸プロピル、マレ
イン酸ブチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロ
ピル、マレイン酸ジプチル等のマレイン酸エステル類、
フマル酸エチル、フマル酸ブチル、フマル酸ジブチル等
のフマル酸エステル類、イタコン酸エチル、イタコン酸
ジエチル、イタコン酸ブチル等のイタコン酸エステル類
などをあげることができる。
【0037】また、上記のポリエチレンワックスへの、
スチレン系モノマーまたは不飽和カルボン酸系モノマー
のグラフト変性割合は、総重量部100部とした場合、
5ないし30重量部であるのが好ましい。この範囲の如
くグラフト変性成分を制御すれば、大きなドメインによ
る粉体流動性、ブロッキング性、耐ケーキング性等への
悪影響や、滑剤がトナー中に高分散しすぎることによる
離型効果、耐こすり画像強度等の低下等がなく、良好な
性能を示すことができる。
【0038】上記モノマーのポリエチレン系重合体への
変性方法としては、公知の種々の方法を用いることがで
きる。例えば、ポリエチレン系重合体およびスチレン系
モノマー又は不飽和カルボン酸系モノマーをラジカル開
始剤の存在下で加熱・溶融混合させ、反応させる方法等
があげられる。その際には、反応温度は125ないし3
25℃が好ましく、また、用いられるラジカル開始剤と
しては、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキ
シド、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキ
シド等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のア
ゾ化合物等が使用される。
【0039】変性後のポリエチレンワックスのヘキサン
抽出量は65%以下であることが必要である。この範囲
では、ワックス自体の耐ブロッキング性が高く、トナー
に添加した場合にも、通常より温度的或いは湿度的にス
トレスな環境下でも凝集等を発生させることなく、良好
な流動性を示すことが可能である。なお、ヘキサン抽出
量は、ワックス2gを円筒状濾紙に入れ、ソックスレー
装置を用いてノルマルヘキサンで5時間沸点抽出を行っ
た後、濾紙上に残ったワックスの量を重量%で求めた値
である。
【0040】また、変性後のポリエチレンワックスの溶
融粘度は、160℃において15ないし250cps、
且つ針入度2dmm以下、さらには1dmm以下である
ことが好ましい。この範囲では、加熱ロール通過直後の
定着画像の凝集強度及び画像表面の溶融粘度が適切に制
御され、剥離爪による画像掻き取りや離型不良、離型時
の過剰ストレスによる剥離爪傷の発生を押さえることが
可能である。
【0041】本発明における現像剤において、上記の変
性されたポリエチレン系ワックスのトナー中への添加量
はトナー重量の2ないし30重量%が適度な範囲であ
り、特に4ないし10重量%が好ましい。
【0042】一方、本発明において用いる結着樹脂は、
スチレン、クロロスチレン、ビニルスチレン等のスチレ
ン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニ
ル、酪酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪
族モノカルボン酸エステル、ビニルメチルエーテル、ビ
ニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニル
エーテル、ビニルメチルケトン等の単独重合体あるいは
共重合体、さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポ
キシ樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド等を例示すること
ができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレ
ン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン
−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロ
ニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ス
チレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル
酸アルキル共重合体等を例示することができるが、これ
らに何ら限定されるものではない。
【0043】また、本発明の静電荷像現像用トナーは、
主構成成分の一つとして着色剤を含有するが、その着色
剤成分としては、カーボンブラック、染料及び顔料、例
えばニグロシン染料、アニリンブルー、カルコイルブル
ー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポン
オイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロ
リド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキ
サレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.
ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レ
ッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、
C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメン
ト・イエロー12、C.I.ピグメント・ブルー15:
1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的な
ものとして例示することができる。着色剤は上記に例示
したものに何ら限定されるものではなく、その配合量
は、トナーに対して1ないし20重量部、より好ましく
は3ないし12重量部の範囲である。
【0044】また、トナーには、必要に応じて帯電制御
剤物質等公知の添加剤を含有させてもよい。さらにコロ
イダル・シリカ微粒子を始めとする流動性向上剤など、
他の無機化合物微粒子を外部添加してもよい。
【0045】本発明において、上記現像剤は、一成分現
像剤として使用してもよいが、キャリアと混合して二成
分現像剤として使用してもよい。キャリアとしては樹脂
被覆キャリアを用いることができる。具体的には、キャ
リアとしては、コア材として鉄粉、フェライト、マグネ
タイト等よりなる、粒径30〜200μm、より好まし
くは40〜100μmの粒子が好ましく用いられる。ま
た、その表面の被覆用樹脂としては、従来から一般に用
いられている樹脂が使用可能である。正帯電トナー用、
すなわち負帯電キャリア用の被覆樹脂としては、フッ素
系樹脂が主に使用され、負帯電トナー用、すなわち正帯
電キャリア用の被覆樹脂としては、アクリル系樹脂が主
に使用される。
【0046】フッ素含有系樹脂の例としては、フッ化ビ
ニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプ
ロピレン、モノクロロトリフルオロエチレン等のビニル
系フッ素含有モノマーの単独重合体、または共重合体を
挙げることができる。
【0047】アクリル系樹脂の例としては、ラウリルア
クリレート、ラウリルメタクリレート、メタクリル酸、
アクリル酸、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレート、エチルメタクリレート等のα−メチレ
ン脂肪族モノカルボン酸類の単独重合体、または共重合
体をあげることができる。また、これらのアクリル系モ
ノマーに対し、エチレン、メチルスチレン等のスチレン
類;アクロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル
類;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビニ
ルピリジン類;ビニルエーテル類;ビニルケトン類;メ
チルシリコン、メチルフェニルシリコン等のシリコン類
等の重合体を使用することも可能である。
【0048】次に上記トナーが使用される本発明の画像
形成方法について説明する。本発明の画像形成方法は、
感光体或いは静電記録体等の静電潜像担持体上に電子写
真的にあるいは針状電極などによって静電潜像を形成す
る。静電潜像担持体としては、Se系感光体、有機系感
光体、アモルファスシリコン系感光体、或るいはこれら
の表面に必要に応じてオーバーコートを施したもの等、
或いはポリエチレンテレフタレートのような誘電体を有
する静電記録体等、従来公知のものが使用可能である。
形成された静電潜像は、次いで上記のトナーを用いて現
像されるが、現像方式としては、一成分現像方式、二成
分現像方式のいずれを採用することもできる。現像によ
り形成されたトナー像は次いで転写材上に転写される
が、本発明においては、バイアスロールを用いて転写す
る方法が採用される。転写されたトナー像は、加熱ロー
ル等によって加熱定着される。
【0049】図1は、本発明の転写工程を説明するため
の説明図であって、図1においては、1は静電潜像担持
体であって、その表面には現像工程で形成されたトナー
像2が形成されている。3は転写ロールであり、これ
は、芯金4を半導電性弾性層5によって被覆する構造を
持ち、芯金4には、電源6によってバイアスが印加され
ている。その際の条件は、電流値:0.5〜30μA、
電圧:100〜2000Vが好ましく採用される。ま
た、半導電性弾性層5は、カーボン等の導電性フィラー
を分散させたポリウレタン系またはスチレン−ブタジエ
ン系共重合体樹脂等の体積抵抗105 〜1011Ω・cm
の弾性体よりなる。該転写ロールの転写体への圧接力は
3ないし12g/cmが好ましく、特に5ないし10g
/cmが好ましい。3g/cm未満では、転写性が低下
しやすい。また、12g/cmを越えると画像中抜けが
発生しやすくなる。これらにより構成された転写系で
は、紙等の転写材7が静電潜像担持体1および転写ロー
ル3の間に挿入され、転写が行われる。転写後は定着工
程を経て複写物となり、一方、静電潜像担持体表面に残
留するトナーはクリーニングされる。クリーニング手段
については、従来公知のものであればどのようなもので
も使用することができる。
【0050】
【実施例】以下、製造例、実施例および比較例によって
本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実
施例によって何等限定されるものではない。尚、下記の
説明において「部」は「重量部」を意味する。 (メタロセン系触媒によるポリエチレン系重合体の製造
例) 製造例A 連続重合反応器を用いて、精製ヘキサンを200L/h
r、メチルアルミノオキサン(東ソー・アクゾ社製)を
アルミニウム原子換算で0.4モル/hr、トリメチル
アルミニウムを0.2モル/hrおよびビス(n−ブチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドをジ
ルコニウム原子換算で2ミリモル/hrの割合で連続的
に供給し、重合器内のガス相において水素とエチレン比
(H2 /C2 4 )が0.40、全圧が30kg/cm
2 Gとなるようにエチレンおよび水素を連続的に供給
し、重合温度140℃、常圧、滞留時間0.5時間、ポ
リマー濃度90g/Lとなる条件下に重合を行った。得
られたポリマー溶液1Lに対しメタノール5Lを加え、
ポリマーを析出させた後、濾過によりポリマーを回収
し、乾燥して以下の物性を有するポリエチレンワックス
を得た。 [η] 0.08dl/g 分子量分布Mw/Mn 1.3 粘度平均分子量 1130 密度 0.96g/cm3 160℃での溶融粘度 12.0cps
【0051】製造例B 製造例Aの重合反応で、重合器内のガス相における水素
とエチレン比(H2 /C2 4 )を0.50と代えた以
外は、製造例Aと同様に重合反応を行った。得られたポ
リエチレンワックスの物性は以下のものであった。
【0052】 [η] 0.06dl/g 分子量分布Mw/Mn 1.2 粘度平均分子量 890 密度 0.96g/cm3 160℃での溶融粘度 7.7cps
【0053】製造例C 製造例Aのポリエチレンワックス1200gをヘキサン
2000mlに60℃で溶解し、50℃で1時間放置し
た。析出物を濾別除去した後、濾液を25℃まで冷却し
た。得られた析出物を濾過した後、乾燥を行った。得ら
れたポリエチレンワックスの物性は以下のものであっ
た。 [η] 0.06dl/g 分子量分布Mw/Mn 1.12 粘度平均分子量 1400 密度 0.96g/cm3 160℃での溶融粘度 12.0cps
【0054】製造例D 製造例Aの重合反応で、重合温度を145℃に代えた以
外は、製造例Aと同様に重合反応を行った。得られたポ
リエチレンワックスの物性は以下のものであった。 [η] 0.06dl/g 分子量分布Mw/Mn 1.37 粘度平均分子量 1070 密度 0.96g/cm3 160℃での溶融粘度 10.0cps
【0055】(各種グラフト変性ポリエチレンワックス
の製造例) 製造例1 上記製造例Aで得られたポリエチレンワックス
([η]:0.08dl/g、分子量分布Mw/Mn:
1.3、粘度平均分子量:1130、密度:0.96g
/cm3 、160℃での溶融粘度:12.0cps)1
000gを160℃にて溶融し、スチレン250g、ジ
−tert−ブチルパーオキシド21gを別々に導管よ
り4時間かけて滴下した。滴下終了後さらに160℃で
1時間反応を続けた後、揮発分を除去するために30m
mHgの真空下で1時間脱気し、変性ポリエチレンワッ
クス(針入度:1dmm以下、160℃での溶融粘度:
28.5cps、ヘキサン抽出量:62.5%)を得
た。
【0056】製造例2 上記製造例Bで得られたポリエチレンワックス
([η]:0.06dl/g、分子量分布Mw/Mn:
1.2、粘度平均分子量:890、密度:0.96g/
cm3 、160℃での溶融粘度:7.7cps)100
0gを用いた以外は、製造例1と同様にして変性ポリエ
チレンワックス(針入度:1dmm以下、160℃での
溶融粘度:17.0cps、ヘキサン抽出量:63.0
%)を得た。 製造例3 スチレン250gの代わりにスチレン125gとフマル
酸ジブチル125gの混合物を用いた以外は、製造例1
と同様にして変性ポリエチレンワックス(針入度:1d
mm以下、160℃での溶融粘度:20.5cps、ヘ
キサン抽出量:58.5%)を得た。 製造例4 スチレン250gの代わりにスチレン125gとメタク
リル酸ブチル125gの混合物を用いた以外は、製造例
1と同様にして変性ポリエチレンワックス(針入度:1
dmm以下、160℃での溶融粘度:20.0cps、
ヘキサン抽出量:55.0%)を得た。 製造例5 製造例Cのポリエチレンワックス1000gを用いた以
外は、製造例1と同様にして変性ポリエチレンワックス
(針入度:1dmm以下、160℃での溶融粘度:2
3.7cps、ヘキサン抽出量:61.5%)を得た。
【0057】製造例6 触媒として、チーグラー型触媒を用いて重合下ポリエチ
レンワックス(粘度平均分子量:900、分子量分布M
w/Mn:2.20、密度:0.95g/cm3 、16
0℃での溶融粘度:10.0cps)1000gを用い
た以外は、製造例1と同様にして変性ポリエチレンワッ
クス(針入度:1dmm以下、160℃での溶融粘度:
22.0cps、ヘキサン抽出量:70.0%)を得
た。 製造例7 チーグラー型触媒を用いて重合したポリエチレンワック
ス(粘度平均分子量:1070、分子量分布Mw/M
n:1.30、密度:0.96g/cm3 、160℃で
の溶融粘度:12.0cps)1000gを用い、スチ
レン20gとジ−t−ブチルパーオキシド1.7gを用
いた以外は、製造例1と同様にして変性ポリエチレンワ
ックス(針入度:1dmm以下、160℃での溶融粘
度:12.0cps、ヘキサン抽出量:58.0%)を
得た。 製造例8 スチレン250gの代わりにスチレン125gとフマル
酸ジブチル540gの混合物を用いた以外は、製造例7
と同様にして変性ポリエチレンワックス(針入度:2d
mm、160℃での溶融粘度:130.0cps、ヘキ
サン抽出量:65.0%)を得た。
【0058】製造例9 ポリプロピレンワックス(粘度平均分子量:3000、
分子量分布Mw/Mn:2.75、密度:0.890g
/cm3 、160℃での溶融粘度:70.0cps)1
000gを用いた以外は、製造例1と同様にして変性ポ
リプロピレンワックス(針入度:1dmm、160℃で
の溶融粘度:250.0cps、ヘキサン抽出量:7
5.0%)を得た。 製造例10 製造例Dのポリエチレンワックス1000gを用いた以
外は、製造例1と同様にして変性ポリエチレンワックス
(針入度:1dmm、160℃での溶融粘度:22.0
cps、ヘキサン抽出量:67.0%)を得た。 製造例11 スチレン250gの代わりにスチレン125gとフマル
酸ジブチル125gの混合物を用いた以外は、製造例1
0と同様にして変性ポリエチレンワックス(針入度:1
dmm、160℃での溶融粘度:16.0cps、ヘキ
サン抽出量:71.5%)を得た。
【0059】次に本発明の実施例および比較例を示す。
なお、以下の実施例及び比較例にて用いる各改造機の条
件は表1に示す通りであった。
【表1】
【0060】実施例1 (トナーの調製) スチレン−アクリル酸ブチル共重合体[80/20] 100部 (Mw=1.5×105 ) カーボンブラック(R330:キャボット社製) 10部 帯電制御剤(P−51:オリエント化学工業社製) 2部 製造例1に示す変性ポリエチレンワックス 5部 上記成分をバンバリーミキサーで溶融混練し、冷却後ジ
ェットミルにより微粉砕し、分級機により分級を行っ
て、平均粒径10μmのトナー粒子を得た。このトナー
粒子100部に対して、平均一次粒子径0.015μm
の酸化チタン微粉末1部を添加してヘンシェルミキサー
で分散混合を行い、トナーを作製した。 (キャリアの調製)85μmのフェライトコアにシリコ
ーン樹脂をコートして得た。 (現像剤の調製)上記トナー3部とキャリア97部とを
混合して二成分現像剤組成物を調製した。
【0061】実施例2 滑剤として製造例2に示す変性ポリエチレンワックスを
用いた以外は、実施例1と同様にして現像剤組成物を得
た。 実施例3 滑剤として製造例3に示す変性ポリエチレンワックスを
用いた以外は、実施例1と同様にして現像剤組成物を得
た。 実施例4 滑剤として製造例5に示す変性ポリエチレンワックスを
用いた以外は、実施例1と同様にして現像剤組成物を得
た。
【0062】比較例1 滑剤として、チーグラー型触媒を用いて重合されたポリ
エチレンワックス(粘度平均分子量:2000、分子量
分布Mw/Mn:2.6、密度:0.97g/cm3
160℃での溶融粘度:85.0cps,ヘキサン抽出
量45.0重量%)を用いた以外は、実施例1と同様に
して現像剤組成物を得た。 比較例2 滑剤として製造例6に示す変性ポリエチレンワックスを
用いた以外は、実施例1と同様にして現像剤組成物を得
た。 比較例3 滑剤として製造例8に示す変性ポリエチレンワックスを
用いた以外は、実施例1と同様にして現像剤組成物を得
た。 比較例4 滑剤として製造例10に示す変性ポリエチレンワックス
を用いた以外は、実施例1と同様にして現像剤組成物を
得た。
【0063】実施例5 (トナーの調製) スチレン−アクリル酸ブチル共重合体[80/20] 100部 (Mw=1.5×105 ) カーボンブラック(ブラックパールズ1300:キャボット社製) 10部 帯電制御剤(TRH:保土谷化学社製) 2部 製造例4に示す変性ポリエチレンワックス 5部 上記成分をバンバリーミキサーで溶融混練し、冷却後ジ
ェットミルにより微粉砕し、分級機により分級を行っ
て、平均粒径10μmのトナー粒子を得た。このトナー
粒子100部に対して、平均一次粒子径0.012μm
の疎水性シリカ微粉末0.5部を添加してヘンシェルミ
キサーで分散混合を行い、トナーを作製した。 (キャリアの調製)85μmのフェライトコアにポリメ
チルメタクリレート樹脂をコートして得た。 (現像剤の調製)上記トナー3部とキャリア97部とを
混合して二成分現像剤組成物を調製した。
【0064】比較例5 滑剤として製造例7に示す変性ポリエチレンワックスを
用いた以外は、実施例5と同様にして現像剤組成物を得
た。 比較例6 滑剤として製造例9に示す変性ポリプロピレンワックス
を用いた以外は、実施例5と同様にして現像剤組成物を
得た。 比較例7 滑剤として製造例11に示す変性ポリエチレンワックス
を用いた以外は、実施例5と同様にして現像剤組成物を
得た。
【0065】実施例1〜5および比較例1〜7における
現像剤について種々の試験を行った。試験方法および評
価基準は以下の通りである。 (1)画像中抜け発生率 実施例1〜3および比較例1〜3における現像剤につい
ては、vivace550(富士ゼロックス社製)改造
機に供給し、また、実施例4〜5および比較例4〜7に
おける現像剤については、現像剤をFX−5039(富
士ゼロックス社製)改造機に供給して、発生率評価試験
を行った。高温高湿(30℃、90%RH)および低温
低湿(10℃、20RH)の環境下でそれぞれ漢字、ア
ルファベット等の文字画像が1500個入ったコピー画
像を5万枚採取した後、画像中抜け発生率を観察した。
なお、発生率15〜20%以下までは実使用上問題の無
いレベルである。
【0066】(2)オフセット温度 Vivace550(富士ゼロックス社製)改造定着装
置を用いて測定した。ヒートロール温度を180℃より
250℃迄5℃づつ上昇させ、オフセットの発生温度を
目視で確認した。(なお、未発生とは、250℃にてオ
フセットの発生が確認されないことを示す。) (3)剥離爪傷消失温度 Vivace550(富士ゼロックス社製)改造定着装
置を用いて測定した。画像先端部分のベタ黒画像におい
て発生する剥離爪傷が実使用上問題にならないレベルに
達するヒートロール温度を示す。(なお、未発生とは、
測定下限温度140℃においても剥離爪傷発生がないこ
とを示す。)
【0067】(4)こすり画像強度 Vivace550(富士ゼロックス社製)改造自動原
稿送り装置を用いて測定した。5枚の原稿を装置にセッ
トして送り、2枚目以降の原稿の裏汚れを目視で確認
し、グレード付けを行った。(なお、G0〜G1は実使
用上問題にならないレベル) G0:裏汚れ未発生 G1:若干の目視での確認が困難な汚れが発生 G2:目視で確認が可能な汚れが発生 G3:目視での確認が十分可能な著しい汚れが発生
【0068】(5)貯蔵安定性 50℃/50%RH以下、17時間放置テストを行っ
た。その後、63μmのふるいにて5分間振動ふるいに
かけ、ブロッキング性を確認した。 G1:63μmふるい通過率70%以上 G2:63μmふるい通過率40%以上70%未満 G3:63μmふるい通過率40%未満 (6)トナー搬送量 各実施例および比較例において、疎水性コロイダルシリ
カを外部添加する前のトナー粒子を、40℃、50%R
Hの環境下に8時間保持した後、Vivace800
(富士ゼロックス社製)改造トナーボックスを用い、時
間当たりのトナー搬送量を測定した。
【0069】上記実施例1〜5及び比較例1〜7にて得
られた現像剤を用いて行った特性評価結果を表2および
表3に示す。
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】実施例6 (トナーの調製) スチレン−アクリル酸ブチル共重合体[80/20] 100部 (Mw=1.5×105 ) 磁性粉(EPT−1000:戸田工業社製) 100部 帯電制御剤(TRH:保土谷化学工業社製) 2部 製造例1に示す変性ポリエチレンワックス 5部 上記成分をヘンシェルミキサーで粉体混合し、これをエ
クストルーダーで加熱溶融混練後、冷却後ジェットミル
により微粉砕し、分級機により分級を行って、平均粒径
10μmのトナー粒子を得た。このトナー粒子100部
に対して、平均一次粒子径0.012μmの疎水性シリ
カ微粉末0.3部を添加してヘンシェルミキサーで分散
混合を行い、一成分現像剤組成物を調製した。 比較例8 滑剤として製造例6に示す変性ポリエチレンワックスを
用いた以外は、実施例6と同様にして一成分現像剤組成
物を得た。 比較例9 滑剤として製造例7に示す変性ポリエチレンワックスを
用いた以外は、実施例6と同様にして一成分現像剤組成
物を得た。 比較例10 滑剤として製造例10に示す変性ポリエチレンワックス
を用いた以外は、実施例6と同様にして一成分現像剤組
成物を得た。
【0072】実施例7 (トナーの調製) スチレン−アクリル酸ブチル共重合体[80/20] 100部 (Mw=1.5×105 ) 磁性粉(EPT−1000:戸田工業社製) 100部 帯電制御剤(P−51:オリエント化学工業社製) 2部 製造例1に示す変性ポリエチレンワックス 5部 上記成分をヘンシェルミキサーで粉体混合し、これをエ
クストルーダーで加熱溶融混練後、冷却後ジェットミル
により微粉砕し、分級機により分級を行って、平均粒径
10μmのトナー粒子を得た。このトナー粒子100部
に対して、平均一次粒子径0.012μmの疎水性シリ
カ微粉末0.5部を添加してヘンシェルミキサーで分散
混合を行い、一成分現像剤組成物を調製した。
【0073】実施例8 滑剤として製造例2に示す変性ポリエチレンワックスを
用いた以外は、実施例7と同様にして一成分現像剤組成
物を得た。 実施例9 滑剤として製造例4に示す変性ポリエチレンワックスを
用いた以外は、実施例7と同様にして一成分現像剤組成
物を得た。 実施例10 滑剤として製造例5に示す変性ポリエチレンワックスを
用いた以外は、実施例7と同様にして一成分現像剤組成
物を得た。
【0074】比較例11 滑剤としてチーグラー型触媒を用いて重合されたポリエ
チレンワックス(粘度平均分子量:2000、分子量分
布Mw/Mn:2.6、密度:0.97/cm3 、16
0℃での溶融粘度:85.0cps,ヘキサン抽出量4
5.0%)を用いた以外は、実施例7と同様にして一成
分現像剤組成物を得た。 比較例12 滑剤として製造例8に示す変性ポリエチレンワックスを
用いた以外は、実施例7と同様にして一成分現像剤組成
物を得た。 比較例13 滑剤として製造例9に示す変性ポリプロピレンワックス
を用いた以外は、実施例7と同様にして一成分現像剤組
成物を得た。 比較例14 滑剤として製造例11に示す変性ポリエチレンワックス
を用いた以外は、実施例7と同様にして一成分現像剤組
成物を得た。
【0075】実施例6〜10および比較例8〜14にお
ける現像剤について試験を行った。試験方法および評価
基準は以下の通りである。 (1)画像中抜け発生率 実施例6、7、比較例8〜10の現像剤については、V
ivace200(富士ゼロックス社製)改造機に供給
し、また、実施例8〜10および比較例11〜14の現
像剤については、Able3015(富士ゼロックス社
製)改造機に供給して、発生率評価試験を行った。高温
高湿(30℃、90%RH)および低温低湿(10℃、
20RH)の環境下でそれぞれ漢字、アルファベット等
の文字画像が1500個入ったコピー画像を5万枚採取
した後、画像中抜け発生率を観察した。なお、発生率1
5〜20%以下までは実使用上問題の無いレベルであ
る。
【0076】(2)オフセット温度 Vivace550(富士ゼロックス社製)改造定着装
置を用いて測定した。ヒートロール温度を180℃より
250℃迄5℃づつ上昇させ、オフセットの発生温度を
目視で確認した。(なお、未発生とは、250℃にてオ
フセットの発生が確認されないことを示す。) (3)剥離爪傷消失温度 Vivace550(富士ゼロックス社製)改造定着装
置を用いて測定した。画像先端部分のベタ黒画像におい
て発生する剥離爪傷が実使用上問題にならないレベルに
達するヒートロール温度を示す。(なお、未発生とは、
測定下限温度140℃においても剥離爪傷発生無き事を
示す。)
【0077】(4)こすり画像強度 Vivace550(富士ゼロックス社製)改造自動原
稿送り装置を用いて測定した。5枚の原稿を装置にセッ
トして送り、2枚目以降の原稿の裏汚れを目視で確認
し、グレード付けを行った。(なお、G0〜G1は実使
用上問題にならないレベル) G0:裏汚れ未発生 G1:若干の目視での確認が困難な汚れが発生 G2:目視で確認が可能な汚れが発生 G3:目視での確認が十分可能な著しい汚れが発生
【0078】(5)貯蔵安定性 50℃/50%RH以下、17時間放置テストを行っ
た。その後、63μmのふるいにて5分間振動ふるいに
かけ、ブロッキング性を確認した。 G1:63μmふるい通過率70%以上 G2:63μmふるい通過率40%以上70%未満 G3:63μmふるい通過率40%未満 (6)トナー搬送量 各実施例および比較例において、疎水性コロイダルシリ
カを外部添加する前のトナー粒子を、40℃、50%R
Hの環境下に8時間保持した後、Vivace800
(富士ゼロックス社製)改造トナーボックスを用い、時
間当たりのトナー搬送量を測定した。
【0079】上記実施例6〜10及び比較例8〜14に
て得られた現像剤を用いて行った特性評価結果を表4お
よび5に示す。
【0080】
【表4】
【0081】
【表5】
【0082】
【発明の効果】本発明の画像形成方法は、形成されたト
ナー像を転写材上にバイアスロールを用いて転写する工
程を有する画像形成方法において、画像形成に供する静
電荷像現像用トナーが結着樹脂と着色剤と滑剤を必須成
分とし、滑剤スチレン系モノマーおよび/または不飽和
カルボン酸系モノマーでグラフト変性されたヘキサン抽
出量が65重量%のポリエチレン系ワックスを用いるこ
とにより、より少ない電力消費、換言すれば、省エネル
ギーで、オゾンが発生せず、したがって環境安全性に優
れ、画質欠損などのトラブルがなく、また、より低い温
度で離型能を発揮でき、且つ耐オフセット性が良好であ
り、粉体流動性に優れている上、高温高湿の環境下でも
ブロッキング現象を発生させず、更に、定着ロール部の
剥離爪による損傷を受けることなく、こすり画像強度に
優れた画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成方法における転写工程を説
明する転写装置の説明図である。
【符号の説明】
1…静電潜像担持体、2…トナー像、3…転写ロール、
4…芯金、5…半導電性弾性層、6…電源、7…転写
材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大石 かおり 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社内 (72)発明者 青木 孝義 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社内 (72)発明者 矢野 敏行 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−110249(JP,A) 特開 平7−104500(JP,A) 特開 平3−200157(JP,A) 特開 平6−3981(JP,A) 特開 平6−21554(JP,A) 特開 平5−313411(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 9/08 G03G 15/16 103 G03G 15/08 507

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する
    潜像形成工程、該静電潜像を現像剤を用いて現像する現
    像工程、現像されたトナー像を転写体上に転写する転写
    工程、転写体上のトナー像を加熱定着する定着工程を有
    する画像形成方法において、該現像剤として、メタロセ
    ン系触媒の存在下に重合して得られたエチレン単独重合
    体およびエチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンと
    の共重合体から選択されたポリエチレン系重合体をスチ
    レン系モノマーおよび/または不飽和カルボン酸系モノ
    マーでグラフト変性させてなるヘキサン抽出量が65重
    量%以下の変性ポリエチレン系ワックスからなる滑剤5
    ないし30重量%と、結着樹脂および着色剤とを含有す
    る静電荷像現像用トナーを用いたものを使用し、該転写
    工程が転写体の裏面からバイアスローラを用いて転写す
    ることを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 前記滑剤が、160℃における溶融粘度
    が15cpsないし250cps、針入度が2dmm以
    下である変性ポリエチレン系ワックスからなるものであ
    ることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記滑剤が、密度0.95g/cm3
    上、粘度平均分子量800ないし3000、分子量分布
    Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)が1.
    1ないし1.8であるポリエチレン系重合体70ないし
    95重量部を、スチレン系モノマーまたは不飽和カルボ
    ン酸系モノマー5ないし30重量部でグラフト変性させ
    てなる、160℃における溶融粘度が15cpsないし
    250cps、針入度が2dmm以下の変性ポリエチレ
    ン系ワックスからなることを特徴とする請求項2記載の
    画像形成方法。
  4. 【請求項4】 転写工程が、転写体の裏面からバイアス
    ローラを用いて3ないし12g/cmの線圧で転写する
    ことを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 現像剤が樹脂被覆キャリアを含有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
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