JPH09160284A - 静電荷像現像剤および画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像剤および画像形成方法

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JPH09160284A
JPH09160284A JP32536795A JP32536795A JPH09160284A JP H09160284 A JPH09160284 A JP H09160284A JP 32536795 A JP32536795 A JP 32536795A JP 32536795 A JP32536795 A JP 32536795A JP H09160284 A JPH09160284 A JP H09160284A
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JP
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toner
polyethylene wax
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carrier
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JP32536795A
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English (en)
Inventor
Atsuhiko Eguchi
敦彦 江口
Chiaki Suzuki
千秋 鈴木
Takayoshi Aoki
孝義 青木
Kaori Ooishi
かおり 大石
Toshimoto Inoue
敏司 井上
Hiroshi Nakazawa
博 中沢
Yoshifumi Iida
能史 飯田
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐オフセット性、粉体流動性および耐ブロッ
キング性に優れ、定着ロール部の剥離爪による損傷を受
けることがなく、こすり画像強度に優れた画像を長期に
わたって安定して形成することができる静電荷像現像剤
およびそれを用いる画像形成方法を提供する。 【解決手段】 静電荷像現像剤は、滑剤として、メタロ
セン系触媒の存在下での重合により得られたエチレン単
独重合体またはエチレンと炭素数3ないし10のα−オ
レフィンからなるエチレン系共重合体に、スチレン系単
量体および/または不飽和カルボン酸系単量体をグラフ
ト重合させて形成された変性ポリエチレン系ワックスを
含有するトナー粒子と、印加電界103.8 V/cmにお
いて、体積抵抗が107 ないし109 Ωcmのキャリア
とよりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法等において、静電潜像を現像するために用いる静電荷
像現像剤およびそれを用いる画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法においては、複写するに際し
て、光導電性物質を用いた感光体上に形成された静電潜
像に、磁気ブラシ現像法等によりトナーを付着させて現
像し、感光体上のトナー像を、紙、シート等の転写材に
転写した後、熱、溶剤、圧力等を利用して定着し、永久
画像を得るものである。良好な画質の画像を形成するた
めには、トナーは当然のことながら、現像、転写等、全
工程で問題なく機能することが要求され、また、定着工
程においては、転写されたトナー画像が欠損したりオフ
セットするようなトラブルの発生がなく、速やかに転写
体上に定着することが要求される。このように複写に際
し、各工程が完全に機能して、初めて繰り返し特性の安
定なシステムとして完成する。
【0003】現像工程において用いられる方式は、トナ
ーとキャリアからなる二成分現像方式と、磁性トナー等
のトナー単独で用いられる一成分現像方式とに大別され
るが、二成分現像方式は、キャリアが現像剤の撹拌・搬
送・帯電等の機能を分担しており、トナー粒子との機能
分離がなされているため、制御性がよく、現在広く用い
られている。また、現像方法としては、現在は、現像剤
担持体として、磁気ロールを用いる磁気ブラシ法が主流
である。この手法について、帯電制御性が優れ、現像依
存性、経時安定性の改善が比較的容易であること等の利
点があり、特に文字を主体とする原稿の再現性に優れて
いることから、樹脂で表面被覆したキャリアが用いられ
ている。
【0004】しかしながら、近年では、文字のみではな
く、写真等の画像を含む原稿に対してもより忠実再現性
/高画質化が求められているが、上記のような樹脂被覆
絶縁性キャリアでは、その抵抗値が高くなるため(10
11Ωcmないし1016Ωcm)、中間調、いわゆるハー
フトーン部での画像荒れや、ベタ黒画像の濃度低下、画
像エッジ部が強調される現象等が発生するという不具合
がある。
【0005】また、トナー像を定着する方法としては、
加熱溶融方式が最も多く用いられているが、この方法は
接触型と非接触型の2種類に大別される。特に接触型の
加熱ロール定着法は、熱効率がよく、高速定着が可能で
あることから、近年商業用複写機、プリンター等におい
て広く用いられている。しかしながら、加熱ロール定着
法では、トナーが加熱ロールに付着し、次のコピーを汚
すオフセット現象が発生するという不具合が生じる恐れ
があった。特に、高速複写においては、定着速度の増速
に対応するために単位時間当りの加温熱量を増加させる
ために、オフセット現象がより引き起こし易くなる。ま
た、加熱ロール定着方式では、定着ロール部に剥離爪を
設け、転写材、一般的には紙が定着ロールを通過した
後、ロールに巻き付くのを防止している。しかしなが
ら、複写機を高速化すると、この部位にかかるストレス
が増大するため、剥離不良や、剥離した際に爪により転
写材先端部に画像欠損が生じる等のトラブルが発生す
る。
【0006】さらに、複写画像を原稿として再複写を行
う場合、複写機の自動原稿送り装置に複写画像を入れる
と、この装置の紙送り用ローラーで原稿が擦られて、画
像ににじみや汚れが発生する。また、両面原稿や多色原
稿では、初めの複写画像を定着した後2回目の複写を行
うが、このときに紙送りローラーで画像表面が擦られ
て、画像ににじみや汚れが発生する。さらに、複数の原
稿を重ねて複写機内に一次保管したものを、2回目の複
写のために紙送り用ローラーで1枚づつ取り出すが、こ
の移送においても原稿の裏面と下の原稿の画像表面が擦
られて両者にこすり汚れやにじみを発生させ、画質の低
下を引き起こすというトラブルもある。
【0007】これらの定着工程における不具合の改善の
ために、トナー中に滑剤成分として、低分子量ポリプロ
ピレンまたはポリエチレンを添加する方法が提案されて
いる(特公昭52−3304号公報、特公昭52−33
05号公報、特公昭57−52574号公報、特公昭5
8−58664号公報、特開昭58−59455号公報
および特開昭60−151650号公報等)。これらの
公報に開示されている滑剤を添加したトナーでは、加熱
ロールからの離型性不良による耐オフセット性向上や剥
離爪傷抑制、定着画像の耐こすり強度向上等にある程度
効果があるものの、その効果は十分ではない。さらに、
これらポリオレフィン系の滑剤と樹脂成分の相溶性が低
いため、滑剤がトナー中で大きなドメインを形成し、結
果としてトナーの粉体流動性、凝集性等を大きく悪化さ
せてしまう。
【0008】これらの不具合を解決する方法として、ポ
リオレフィンを樹脂にグラフトさせて樹脂中に相溶させ
る方法(特開昭60−457号公報、特開昭60−93
456号公報、特開昭60−93457号公報等)、変
性ポリオレフィンを用いて樹脂中に分散させる方法(特
開昭58−63947号公報、特開昭59−17757
0号公報、特開昭60−3644号公報、特開昭62−
14508号公報、特開昭63−191817号公報
等)が知られている。しかしながら、これらの方法は、
ポリオレフィンの分散性を向上させ、粉体流動性、凝集
性等の悪化をある程度抑制できるものの、本来要求され
るべき離型能向上効果が失われるという問題がある。
【0009】また、現像工程では、樹脂被覆キャリアに
ついて、前記の領域に比べて低抵抗領域への制御が行わ
れている。キャリアの抵抗を下げる方法としては、例え
ば、被覆樹脂層中への導電性微粒子の添加があげられ
る。この手法では、キャリアの抵抗は下がるものの、導
電性微粒子を被覆樹脂層中へ均一に分散させるのは困難
であり、キャリア粒子毎の抵抗値がばらついたり、経時
で被覆層が摩耗するにしたがって、抵抗が大きく変化す
るという不具合がある。
【0010】また、一方では、キャリア表面を樹脂被覆
する際、コア材を部分的に露出させることにより抵抗値
を下げる手法が知られている。この手法では、コア材の
抵抗、被覆樹脂添加量、工程条件等を変えることによっ
て抵抗値の制御が可能である。しかしながら、このよう
なキャリアを前記のポリオレフィン系滑剤を含有するト
ナーと併用した場合、以下のような不具合を発生させて
しまう場合が多い。すなわち、これらのポリオレフィン
系滑剤は、定着工程において離型効果を発揮させるため
に、定着温度で十分に溶融し、且つ離型に必要な溶融粘
度を有していなければならず、このため、滑剤には或る
程度の極低分子量成分が含有されている。そのためトナ
ー粒子表面に露出するこれら成分は、現像剤撹拌等のス
トレスを受けた場合、部分被覆のため凹凸の多いキャリ
ア表面、特に露出している硬いコア材表面に移行/付着
してしまい、経時での帯電低下、帯電分布広域化等や、
キャリア間凝集性による現像剤の流動性悪化等を起こ
し、画像乱れ等のトラブルを発生させる。また、露出し
ているコア材表面を滑剤が覆ってしまう場合、当然のこ
とながら、キャリア自身の抵抗が高くなり、当初予定し
ていた性能が得られなくなってしまう。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、従来技術における上記のような実情に鑑み、その欠
点を改善することを目的としてなされたものである。す
なわち、本発明の目的は、現像剤の寿命を延長すると共
に、安定した高画質の画像を長期にわたって提供でき、
かつ、より低い温度で離型能を発揮でき、耐オフセット
性、粉体流動性、耐ブロッキング性に優れた静電荷像現
像剤を提供することにある。本発明の他の目的は、定着
ロール部の剥離爪による損傷を受けることなく、こすり
画像強度に優れた画像を形成することができる画像形成
方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
した結果、結着樹脂と着色剤と滑剤を必須成分とするト
ナーおよびコア粒子を樹脂で被覆したキャリアよりなる
現像剤において、滑剤としてメタロセン系触媒の存在下
に重合された特定のポリマーをグラフト重合により変性
したものを用い、かつ、キャリアの体積抵抗値を特定の
範囲に規定することにより、前記の問題点を解消するこ
とができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明の静電荷像現像剤は、ト
ナーとキャリアとからなり、そしてトナーが、結着樹脂
と着色剤と滑剤を含有するトナー粒子よりなり、その滑
剤が、メタロセン系触媒の存在下での重合により得られ
たエチレン単独重合体またはエチレンと炭素数3ないし
10のα−オレフィンからなるエチレン系共重合体に、
スチレン系単量体および/または不飽和カルボン酸系単
量体をグラフト重合させて形成された変性ポリエチレン
系ワックスを含有するものであり、また、キャリアの印
加電界103.8 V/cmにおける体積抵抗が107 ない
し109 Ωcmであることを特徴とする。
【0014】本発明の画像形成方法は、潜像保持体上に
静電潜像を形成する潜像形成工程、現像剤担持体上の現
像剤を用いて潜像保持体上にトナー像を形成する現像工
程、該トナー像を転写体上に転写する転写工程、転写体
上のトナー像を加熱定着する定着工程を有するものであ
って、現像工程における現像剤として、上記した静電荷
像現像剤を用いることを特徴とする。
【0015】上記のような静電荷像現像剤において、上
記の変性ポリエチレン系ワックスをトナーに含有させ、
上記範囲の体積抵抗値を有するキャリアと組合せること
により、詳細は不明であるが、変性ポリエチレン系ワッ
クスがトナー粒子表面に均一に分散し、かつ極低分子量
成分を含まないため、キャリア、特に露出したコア材表
面に移行せず、キャリアの持つ高画質の画像再現性を長
期にわたって維持することが可能になると思われる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明において使用されるトナー粒子について説
明する。本発明におけるトナー粒子は、結着樹脂、着色
剤および滑剤を必須成分とするが、本発明において用い
られる滑剤は、メタロセン系触媒の存在下での重合によ
り得られたエチレン単独重合体またはエチレンと炭素数
3ないし10のα−オレフィンからなるエチレン系共重
合体をグラフト変性した変性ポリエチレン系ワックスで
あって、上記エチレン単独重合体またはエチレン系共重
合体に、スチレン系単量体および/または不飽和カルボ
ン酸系単量体をグラフト重合させることによって形成さ
れる。
【0017】エチレン単独重合体またはエチレン系共重
合体を合成するために用いられるメタロセン系触媒は、
その種類に特に限定されることなく利用することができ
る。例えば、(A)周期律表のIVb、VbおよびVIb族
よりなる群から選択された遷移金属の化合物(以下、
「遷移金属化合物」という。)および(B)助触媒の組
み合わせからなるメタロセン系触媒が例示される。上記
の遷移金属の化合物としては、下記一般式(1)で示さ
れるものを例示することができる。 ML (1) 上記一般式(1)中、MはIVb、VbおよびVIb族より
なる群から選択された遷移金属原子を表し、ジルコニウ
ム、チタン、ハフニウム等が例示される。xは遷移金属
の原子価であり、Lの個数を示す。Lは遷移金属に配位
する配位子または基を表し、少なくとも1個のLは、シ
クロペンタジエニル、インデニル等のシクロペンタジエ
ニル骨格を有する配位子であり、それ以外のLは、炭素
数1ないし12の脂肪族、芳香脂肪族または芳香族炭化
水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、トリアルキ
ルシリル基、SO3 1 (ただし、R1 はハロゲン等の
置換基を有してもよい炭素数1ないし8の炭化水素
基)、ハロゲン原子、および水素原子よりなる群から選
ばれる1種の基または原子である。さらにこの一般式
(1)で示される化合物が、シクロペンタジエニル骨格
を有する配位子を2個以上含む場合、そのうち2個のシ
クロペンタジエニル骨格を有する配位子同士は、エチレ
ン、プロピレン等のアルキレン基、イソプロピリデン、
ジフェニルメチレン等の置換アルキレン基、シリレン
基、またはジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基
等の置換シリレン基等を介して結合していてもよい。
【0018】このような化合物としては、例えば、ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(n−プロピルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n−ブチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n−
ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(メチル−n−プロピルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチル−n−ブチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(ジメチル−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(n−ブチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(n−ブチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムメトキシクロリド、
ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
エトキシクロリド、ビス(n−ブチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムブトキシクロリド、ビス(n−ブチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキシド、ビ
ス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメ
チルクロリド、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジメチルジルコニウム、ビス(n−ブチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムベンジルクロリド、ビス
(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジベンジルジルコ
ニウム、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムフェニルクロリド、ビス(n−ブチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムハイドライドクロリド、エ
チレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エチ
レンビス(インデニル)ジエチルジルコニウム、エチレ
ンビス(インデニル)ジフェニルジルコニウム、エチレ
ンビス(インデニル)メチルジルコニウムモノクロリ
ド、エチレンビス(インデニル)エチルジルコニウムモ
ノクロリド、エチレンビス(インデニル)メチルジルコ
ニウムモノブロミド、エチレンビス(インデニル)ジル
コニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジル
コニウムジブロミド、
【0019】エチレンビス{1−(4,5,6,7−テ
トラヒドロインデニル)}ジメチルジルコニウム、エチ
レンビス{1−(4,5,6,7−テトラヒドロインデ
ニル)}メチルジルコニウムモノクロリド、エチレンビ
ス{1−(4,5,6,7−テトラヒドロインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、エチレンビス{1−
(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)}ジルコ
ニウムジブロミド、エチレンビス{1−(4−メチルイ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、エチレンビス
{1−(5−メチルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、エチレンビス{1−(6−メチルインデニル)}
ジルコニウムジクロリド、エチレンビス{1−(7−メ
チルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、エチレン
ビス{1−(5−メトキシインデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、エチレンビス{1−(2,3−ジメチルイ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、エチレンビス
{1−(4,7−ジメチルインデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、エチレンビス{1−(4,7−ジメトキシ
インデニル)}ジルコニウムジクロリド、イソプロピリ
デン(シクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニ
ウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエ
ニル−2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニ
ウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエ
ニル−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス
(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルシリレンビス(ジメチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス
(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、等があげられる。なお、
上記例示のものにおいて、シクロペンタジエニル環の二
置換体は、1,2−および1,3−置換体を含み、三置
換体は、1,2,3−および1,2,4−置換体を含
む。本発明では、上記のようなジルコニウム化合物にお
いて、ジルコニウム金属をチタン金属またはハフニウム
金属に置き換えた遷移金属化合物を用いることができ
る。
【0020】また、助触媒(B)としては、従来公知の
ものを特に限定することなく利用することができる。例
えば、アルミノオキサン(B−1)または遷移金属化合
物(A)と反応してイオン性の錯体を形成する化合物
(B−2)をあげることができる。
【0021】アルミノオキサン(B−1)としては、具
体的には、下記一般式(2)または(3)で示される有
機アルミニウム化合物を例示することができる。
【化1】 (式中、R2 は、炭化水素基を表し、mは2以上の整数
を示す。)
【0022】上記アルミノオキサンにおいて、R2 はメ
チル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、iso
−ブチル基、フェニル基、フェニルメチル基等が例示さ
れ、好ましくはメチル基、エチル基、iso−ブチル基
である。mは2以上の整数、好ましくは3ないし50、
特に3ないし40の整数である。
【0023】アルミノオキサンは、例えば、(1)吸着
水を含有する化合物あるいは結晶水を含有する塩類、例
えば、マグネシウム水和物、硫酸銅水和物等の炭化水素
媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウム等の有機アル
ミニウム化合物を反応させて炭化水素溶液として回収す
る方法、(2)ベンゼン、トルエン等の媒体中で、トリ
アルキルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物に直
接水や氷、水蒸気を作用させて炭化水素の溶液として回
収する方法等があり、用いられる有機アルミニウム化合
物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアル
ミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチ
ルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−
sec−ブチルアルミニウム、トリ−tert−ブチル
アルミニウム、トリイソペンチルアルミニウム等が例示
される。
【0024】また、遷移金属化合物(A)と反応してイ
オン性の錯体を形成する化合物(B−2)としては、例
えば、カチオンと複数の基が元素に結合したアニオンと
からなる化合物、特に配位錯化合物を好ましいものとし
てあげることができる。具体的な化合物としては、テト
ラフェニル硼酸トリメチルアンモニウム、テトラフェニ
ル硼酸トリエチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸ト
リ(n−ブチル)アンモニウム、テトラ(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸トリメチルアンモニウム、テトラ(ペ
ンタフルオロフェニル)硼酸トリエチルアンモニウム、
テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリ(n−ブチ
ル)アンモニウム、ヘキサフルオロ砒素酸トリエチルア
ンモニウム、テトラフェニル硼酸フェロセニウム、テト
ラフェニル硼酸トリチル、テトラ(ペンタフルオロフェ
ニル)硼酸フェロセニウム、テトラ(ペンタフルオロフ
ェニル)硼酸メチルフェロセニウム、テトラ(ペンタフ
ルオロフェニル)硼酸デカメチルフェロセニウム、テト
ラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸銀、テトラ(ペンタ
フルオロフェニル)硼酸トリチル、テトラフルオロ硼酸
銀、ヘキサフルオロリン酸銀、ヘキサフルオロ砒素酸
銀、過塩素酸銀、ヘキサフルオロアンチモン酸銀、トリ
フルオロ酢酸銀、トリフルオロメタスルホン酸銀、テト
ラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸(N−ベンジル−2
−シアノピリジニウム)、テトラ(ペンタフルオロフェ
ニル)硼酸(N−ベンジル−3−シアノピリジニウ
ム)、テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸(N−ベ
ンジル−4−シアノピリジニウム)、テトラ(ペンタフ
ルオロフェニル)硼酸(N−メチル−2−シアノピリジ
ニウム)、テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸(N
−メチル−3−シアノピリジニウム)、テトラ(ペンタ
フルオロフェニル)硼酸(N−メチル−4−シアノピリ
ジニウム)、テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸ト
リメチルアンモニウム、テトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸トリメチル(m−トリフルオロメチルフェニ
ル)アンモニウム、テトラ(ペンタフルオロフェニル)
硼酸ベンジルピリジニウム等があげられる。
【0025】また、これらの助触媒(B)とともに、必
要に応じて有機アルミニウム化合物(C)を用いてもよ
い。このような有機アルミニウム化合物としては、下記
一般式(4)で示される化合物を例示することができ
る。 R1 n AlX3-n (4) (式中、R1 は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、X
はハロゲン原子または水素原子を表し、nは1〜3の整
数である。)
【0026】上記一般式(4)において、R1 は炭素数
1〜12の炭化水素基、例えば、アルキル基、シクロア
ルキル基またはアリール基を表すが、具体的には、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル
基、iso−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オク
チル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニ
ル基およびトリル基等があげられる。このような有機ア
ルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、
トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミ
ニウム、トリ−2−エチルヘキシルアルミニウム等のト
リアルキルアルミニウム類;イソプレニルアルミニウム
等のアルケニルアルミニウム類;ジメチルアルミニウム
クロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロ
ピルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウム
クロリド、ジメチルアルミニウムブロミド等のジアルキ
ルアルミニウムハライド類;メチルアルミニウムセスキ
クロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イソプ
ロピルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウ
ムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミド
等のアルキルアルミニウムセスキハライド類;メチルア
ルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリ
ド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、エチルアル
ミニウムジブロミド等のアルキルアルミニウムジハライ
ド類;ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチ
ルアルミニウムハイドライド等のアルキルアルミニウム
ハイドライド類等の化合物が用いられる。
【0027】本発明におけるエチレン類の重合反応は、
上記の遷移金属化合物(A)および助触媒(B)、さら
に必要に応じて上記一般式(4)で示される有機アルミ
ニウム化合物(C)からなるメタロセン系触媒が利用さ
れる。その重合反応は、炭化水素媒体中で実施される。
炭化水素媒体として、具体的には、ブタン、イソブタ
ン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカ
ン、ヘキサデカン、オクタデカン等の脂肪族系炭化水
素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘ
キサン、シクロオクタン等の脂環族系炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ガソリ
ン、灯油、軽油等の石油留分等の他に、原料のオレフィ
ンも炭化水素媒体となる。これら炭化水素媒体の中では
芳香族系炭化水素が好ましい。
【0028】重合反応を液相重合法で実施する際の上記
遷移金属化合物の使用割合は、重合反応系内の遷移金属
原子の濃度として、通常は10-8ないし10-2グラム原
子/リットル、好ましくは10-7ないし10-3グラム原
子/リットルの範囲である。また、アルミノオキサンの
使用割合は、重合反応系内のアルミニウム原子の濃度と
して、通常は10-4ないし10-1グラム原子/リット
ル、好ましくは10-3ないし10-2グラム原子/リット
ルの範囲である。また、重合反応系内の遷移金属原子に
対するアルミニウム原子の比は、通常4ないし107
好ましくは10ないし106 の範囲である。
【0029】本発明において、エチレン系ワックスの分
子量の調節は、水素および/または重合温度により行う
ことができる。重合反応の際の温度は、通常は20℃以
上、特に好ましくは50℃ないし230℃の範囲であ
る。重合反応に供給される水素量はエチレンに対する水
素のモル比として通常0.01ないし4、好ましくは
0.05ないし2の範囲である。
【0030】本発明では、これらのメタロセン系触媒の
存在下に重合して得られるエチレンの単独重合体または
エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンからなるエ
チレン系共重合体が用いられる。その135℃のデカリ
ン中で測定した極限粘度[η]は、好ましくは0.4d
l/g以下、特に好ましくは0.005なし0.35d
l/gの範囲である。また、共重合体の場合の構成モノ
マー中のエチレンの割合は通常80モル%以上、好まし
くは85モル%以上である。
【0031】さらに、このようにして得られたエチレン
の単独重合体またはエチレン系共重合体は、粘度平均分
子量800ないし3000の範囲、密度0.95g/c
3以上、かつ針入度2dmm以下、さらには1dmm
以下であるのがより好ましい。この範囲のポリエチレン
は、自己潤滑性を有し、そのために定着像表面の摩耗に
よる損傷を低減させ、定着像にこすり汚れ、にじみ等が
発生するのを防止することができる。すなわち、加熱ロ
ール通過後、定着像表面に潤滑性を有する膜を形成さ
せ、潤滑効果が十分に発現されるのである。
【0032】また、上記エチレンの単独重合体またはエ
チレン系共重合体(以下、単にポリエチレンワックスと
いう。)のゲルパーミエイションクロマトグラフィー
(以下、単にGPCという)で求めた分子量分布(Mw
/Mn)は、通常好ましくは1.1ないし1.8、より
好ましくは1.5以下の範囲である。
【0033】分子量分布Mw/Mnが上記の範囲にある
場合、前述の粘度平均分子量の範囲において、ポリエチ
レンワックス中の分子量の大きい成分および分子量の小
さい成分を減少させることができる。これにより、低温
より融解を開始する分子量の小さい成分によるブロッキ
ング性、常温での粉体流動性の悪化や、分子量の大きい
成分の部分的な溶融粘度の引上げによる剥離爪傷抑制効
果の低減を解消することが可能である。また、上記分子
量分布は、ポリエチレンワックス自体の溶融挙動にも大
きな影響を及ぼす。一般にポリエチレンワックスには、
通常の状態では完全に固体の状態を保ち、定着ロールを
通過する際には、その極めて短い通過時間に定着ロール
の設定温度近傍で完全に融解し、効果を発現することが
要求されている。分子量分布を前記の範囲に制御した場
合、通常用いるワックスに比べ、溶解を終えるための溶
解温度幅を狭くすることができる。これにより、離型に
寄与するワックス量(定着ロールの設定温度で溶解する
ワックス量)が多くなり、発現効果という観点からみれ
ば効率がよくなる。
【0034】メタロセン系触媒は、従来の触媒系に比べ
て分子量分布の狭い重合体を作製する。したがって、蒸
溜・晶析・溶媒洗浄による方法で分子量分布を狭くする
必要がなく、あるいは、必要な場合でも、それを効率よ
く実施することができる。
【0035】なお、本発明におけるポリエチレンワック
スの分子量分布(Mw/Mn)は、ウォータース社製G
PC150Cを用い、温度140℃、溶媒o−ジクロル
ベンゼン、測定流量1.0ml/minで濃度0.1重
量%で測定した値である。試料の分子量算出にあたって
は、ポリエチレンの粘度式を使用した。カラムとして、
東ソー社製GMH−HT(60cm)とGMH−HTL
(60cm)を連結したものを用いた。また、針入度は
JIS K2207、密度はJIS K6760に従
い、さらに溶融粘度は試料を160℃にて加熱溶融さ
せ、ブルックフィールズ粘度計により測定した。
【0036】上記の方法で製造したポリエチレンワック
スについて、さらに融点以上の温度で真空下に脱気した
り、ヘキサン、アセトン等の溶媒に溶解させて低分子量
部分を除く手法、あるいは溶媒に全量溶解させた後、特
定の温度で析出させることにより、高分子量部分を取り
除く手法を併用してもよい。
【0037】また、上記のポリエチレンワックスへの、
スチレン系単量体または不飽和カルボン酸系単量体のグ
ラフト変性割合は、総重量100部とした場合、5ない
し30重量部であるのが好ましい。この範囲であれば、
大きなドメインによる粉体流動性、ブロッキング性、耐
ケーキング性等への悪影響や、滑剤がトナー中に高分散
し過ぎることによる離型効果の低下、耐こすり画像強度
等の低下等がなく、良好な性能を示すことができる。
【0038】本発明でグラフト変性させるために使用さ
れるスチレン系単量体としては、スチレン、α−メチル
スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、
4−メチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,
4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレ
ン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−−
ブチルスチレン、4−sec−ブチルスチレン、4−t
ert−ブチルスチレン、4−ヘキシルスチレン、4−
ノニルスチレン、4−オクチルスチレン、4−フェニル
スチレン、4−デシルスチレン、4−ドデシルスチレ
ン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4ーク
ロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、3,4−ジ
クロロスチレン、2−メトキシスチレン、4−メトキシ
スチレン、4−エトキシスチレン等をあげることができ
る。
【0039】また、グラフト変性させるために使用され
る不飽和カルボン酸系単量体としては、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
sec−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プ
ロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸2−オク
チル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、ア
クリル酸ヘキシル、アクリル酸イソヘキシル、アクリル
酸フェニル、アクリル酸2−クロロフェニル、アクリル
酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸3−メトキシブチ
ル、アクリル酸ジエチレングリコールエトキシレート、
アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル等のアクリ
ル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸sec−ブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸プロピル、
メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸2−オクチ
ル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、
メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸デシル、メタクリ
ル酸フェニル、メタクリル酸2−クロロフェニル、メタ
クリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸2−エチ
ルヘキシル、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエ
チル等のメタクリル酸エステル類、マレイン酸エチル、
マレイン酸プロピル、マレイン酸ブチル、マレイン酸ジ
エチル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジブチル等
のマレイン酸エステル類、フマル酸エチル、フマル酸ブ
チル、フマル酸ジブチル等のフマル酸エステル類、イタ
コン酸エチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ブチル
等のイタコン酸エステル類等をあげることができる。ポ
リエチレンワックスにグラフト変性させるスチレン系単
量体または不飽和カルボン酸系単量体については、上記
例示したが、これらに限定されるものではない。
【0040】上記単量体のポリエチレンワックスへの変
性方法としては、公知の種々の方法を採用することがで
きる。例えば、ポリエチレンワックスおよびスチレン系
単量体または不飽和カルボン酸系単量体をラジカル開始
剤の存在下で加熱・溶融混合させ、反応させる方法等が
使用できる。その際には、反応温度は125ないし32
5℃の範囲が好ましく、また、使用されるラジカル開始
剤としては、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペル
オキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペル
オキシド等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等
のアゾ化合物等があげられる。
【0041】また、変性後のポリエチレンワックスの溶
融粘度は、160℃において15ないし250cpsで
あることが好ましい。この範囲では、加熱ロール通過直
後の定着画像の凝集強度および画像表面の溶融粘度が適
切に制御され、剥離爪による画像掻き取りや、離型不
良、離型時の過剰ストレスによる剥離爪傷の発生を抑え
ることが可能である。特に、上記の方法による変性ポリ
エチレン系ワックスが上記の粘度平均分子量の範囲を有
する場合には、前述したようなメタロセン系触媒を用い
たポリエチレンワックスの持つ利点から、他のワックス
物性値とのバランスをとりながら所望の溶融粘度を呈す
るよう制御するのが容易であるという利点がある。
【0042】また、変性ポリエチレン系ワックスは、針
入度が2dmm以下、特に1dmm以下であるのが好ま
しい。溶融粘度および針入度が上記範囲の変性ポリエチ
レンワックスは、自己潤滑性を有し、そのために定着像
表面の摩耗による損傷を低減させ、定着像にこすり汚
れ、にじみ等が発生するのを防止することができる。す
なわち、加熱ロール通過後、定着像表面に潤滑性を有す
る膜を形成させ、潤滑効果が十分に発現されるのであ
る。
【0043】また、変性ポリエチレン系ワックスのトナ
ー中への添加量は、トナー重量の1ないし20重量%の
範囲が適当であり、さらに3〜10重量%がより好まし
い。
【0044】上記変性ポリエチレン系ワックスが添加さ
れるトナー粒子は、結着樹脂および着色剤を主構成成分
とする公知のものが使用される。トナー粒子に使用され
る結着樹脂は、スチレン、クロロスチレン、ビニルスチ
レン等のスチレン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル
類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、ア
クリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等
のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニ
ルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチ
ルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン
等の単量体の単独重合体または共重合体、さらには、ポ
リエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコン樹
脂、ポリアミド等を例示することができ、特に、代表的
な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリ
ル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキ
ル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ス
チレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン
酸共重合体、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体等
を例示することができるが、これらに限定されるもので
はない。
【0045】また、トナー粒子の主構成成分の他の一つ
である着色剤としては、染料および顔料が使用され、例
えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、アニリンブ
ルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマ
リンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロ
ー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、
マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ロ
ーズベンガル、C.I.ピグメントレッド48:1、
C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメント
レッド57:1、C.I.ピグメントイエロー97、
C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメント
ブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3等
を代表的なものとして例示することができる。着色剤は
上記のものに限定されるものではなく、また必要に応じ
て帯電制御剤等、公知の添加剤を含有させてもよい。
【0046】本発明におけるトナー粒子は、上記成分を
常法にしたがって溶融混練し、粉砕、分級することによ
って得ることができる。その平均粒子径は6〜16μm
の範囲が好ましい。また、トナー粒子には、コロイダル
シリカ微粒子を初めとする流動性向上剤等、他の無機化
合物微粒子を外添してもよい。
【0047】本発明において用いるキャリアは、コア粒
子を樹脂で被覆したものであって、コア粒子としては、
鉄粉、フェライト粉、造粒マグネタイト等をあげること
ができるが、好ましくはフェライト系のもので、銅、マ
ンガン、マグネシウム、ニッケル等の非鉄金属を含有す
るものであって、上記の樹脂被覆キャリアにした場合
に、下記の抵抗条件を満たすことが可能なものが使用さ
れる。また、コア粒子の形状は、球形でも、破砕等によ
り不定形化したものでもよく、平均粒径は40〜80μ
mが適しており、さらに50〜70μmの範囲が好まし
い。平均粒径が40μmよりも小さいと、感光体上にキ
ャリアが飛翔するという不都合が発生する場合があり、
80ミクロンより大きくなると、画質が悪化するという
不都合が生じる。
【0048】上記コア粒子を被覆するための樹脂として
は、従来一般に用いられている樹脂が使用でき、例え
ば、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂
等があげられ、より好ましくは、パーフルオロアクリレ
ート樹脂が使用される。
【0049】パーフルオロアクリレート樹脂を構成する
モノマーとしては、例えば、アクリル酸またはメタクリ
ル酸の、1,1−ジヒドロパーフルオロエチル、1,1
−ジヒドロパーフルオロプロピル、1,1−ジヒドロパ
ーフルオロヘキシル、1,1−ジヒドロパーフルオロオ
クチル、1,1−ジヒドロパーフルオロデシル、1,1
−ジヒドロパーフルオロラウリル、1,1,2,2−テ
トラヒドロパーフルオロブチル、1,1,2,2−テト
ラヒドロパーフルオロヘキシル、1,1,2,2−テト
ラヒドロパーフルオロオクチル、1,1,2,2−テト
ラヒドロパーフルオロデシル、1,1,2,2−テトラ
ヒドロパーフルオロラウリル、1,1,2,2−テトラ
ヒドロパーフルオロステアリル、2,2,3,3−テト
ラフルオロプロピル、2,2,3,3,4,4−ヘキサ
フルオロブチル、1,1,ω−トリヒドロパーフルオロ
ヘキシル、1,1,ω−トリヒドロパーフルオロオクチ
ル、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ク
ロロプロピル、3−パーフルオロノニル−2−アセチル
プロピル、3−パーフルオロラウリル−2−アセチルプ
ロピル、N−パーフルオロヘキシルスルホニル−N−メ
チルアミノエチル、N−パーフルオロヘキシルスルホニ
ル−N−ブチルアミノエチル、N−パーフルオロオクチ
ルスルホニル−N−エチルアミノエチル、N−パーフル
オロオクチルスルホニル−N−ブチルアミノエチル、N
−パーフルオロデシルスルホニル−N−メチルアミノエ
チル、N−パーフルオロデシルスルホニル−N−エチル
アミノエチル、N−パーフルオロデシルスルホニル−N
−ブチルアミノエチル、N−パーフルオロラウリルスル
ホニル−N−メチルアミノエチル、N−パーフルオロラ
ウリルスルホニル−N−ブチルアミノエチル等の各エス
テル化合物があげられる。なお、上記パーフルオロアク
リレート樹脂は、上記のパーフルオロアクリレートモノ
マーのみよりなる重合体、或いはそれらモノマーと他の
共重合可能なモノマーとの共重合体であってもよい。
【0050】上記被覆用樹脂のコア粒子への添加量は
0.3〜0.8重量%の範囲が好ましく、より好ましく
は0.4ないし0.6重量%の範囲である。上記樹脂に
よるコア粒子の被覆方法としては、従来公知の何如なる
方法を用いてもよいが、溶剤に樹脂を溶解した溶液をコ
ア粒子に塗布した後、加熱して溶剤を留去して被覆する
方法が好適である。この被覆方法における被覆操作に
は、加熱型ニーダー、加熱型ヘンシェルミキサー、UM
ミキサー、プラネタリーミキサー等を使用することがで
きる。
【0051】本発明におけるキャリアは、印加電界10
3.8 V/cmにおける体積抵抗が107 〜109 Ωcm
であるものが使用される。好ましくは108 〜109 Ω
cmの範囲である。体積抵抗値が109 Ωcmより大き
い場合には、トナー粒子との摩擦帯電による電荷がリー
クしにくくなり、感光体への付着力が増大し、静電荷像
の現像が困難になる。また、体積抵抗値が107 Ωcm
よりも低い場合には、現像効率は高くなるものの、感光
体上の画像部に誘導電荷が注入されて、特に画像のエッ
ジ部にキャリアが付着する等の現象を起こして、感光体
表面を破損させる場合があり、当然のことながら画質が
劣化する。なお、印加電界103.8 V/cmにおける体
積抵抗が上記の範囲のキャリアを得るためには、コア粒
子の種類、被覆する樹脂の種類を適宜選択し、樹脂の被
覆量を適宜設定すればよい。
【0052】本発明の静電荷像現像剤は、上記のトナー
粒子とキャリア粒子とよりなるが、現像剤中のトナー粒
子の量は0.1〜40重量%の範囲が好ましく、特に、
1〜10重量%の範囲が好ましい。
【0053】次に、上記静電荷像現像用トナーを使用す
る本発明の画像形成方法について説明する。本発明にお
ける画像形成方法は、乾式プロセスに応じて適宜使用す
ることが可能であり、潜像保持体上に潜像を形成する潜
像形成工程、該潜像保持体上の潜像を現像する現像工
程、潜像保持体上のトナーが画像を転写体に転写する転
写工程、および転写体上のトナー像を加熱定着する定着
工程を有する。
【0054】潜像形成工程は、従来公知の方法が適用で
き、電子写真法或いは静電記録法によって、感光層或い
は誘電体層等の潜像保持体の上に静電潜像を形成すれば
よい。潜像保持体としては、Se系感光体、有機系感光
体、アモルファスシリコン系感光体、あるいはこれらの
表面に必要に応じて、オーバーコートを施したもの等、
従来公知のものが使用可能である。静電潜像の形成は公
知の方法で実施することができる。
【0055】次いで形成された静電潜像は、現像工程に
おいて顕像化されるが、本発明においては、現像剤とし
て、上記キャリアとトナーとよりなる静電潜像現像剤が
使用される。顕像化されたトナー画像は、転写工程にお
いて、常法により紙等の転写体上に転写され、次いで、
定着工程において常法により加熱定着される。また、潜
像保持体上に残留するトナーは、クリーニング工程によ
ってクリーニングされ、次の工程のために準備される。
【0056】なお、本発明におけるキャリア粒子の体積
抵抗の測定は、図1に示す装置を用いて行うことができ
る。すなわち、測定試料1を厚みHとして、下部電極2
と上部電極3で挾持し、上方よりダイヤルゲージ4で加
圧しながら、測定試料1の電気抵抗を高電圧抵抗計5に
よって測定する。
【0057】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に
よって何等限定されるものではない。なお、下記の説明
において、「部」は、「重量部」を意味する。 (メタロセン系触媒によるポリエチレンワックスの製
造) 製造例a 連続重合反応器を用いて、精製ヘキサンを200リット
ル/hr、メチルアルミノオキサン(東ソー・アクゾ社
製)をアルミニウム原子換算で0.4モル/hr、トリ
メチルアルミニウムを0.2モル/hrおよびビス(n
−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ドをジルコニウム原子換算で2ミリモル/hrの割合で
連続的に供給し、重合反応器内のガス相において水素と
エチレン比(H2 /C2 4 )が0.40、全圧が30
kg/cm2 Gとなるようにエチレンおよび水素を連続
的に供給し、重合温度140℃、常圧、滞留時間0.5
時間、ポリマー濃度90g/リットルとなる条件下に重
合を行った。得られたポリマー溶液1リットルに対し、
メタノール5リットルを加えてポリマーを析出させた
後、濾過によりポリマーを回収し、乾燥して、以下の物
性を有する重合体を得た。[η]:0.08dl/g、
分子量分布Mw/Mn:1.3、粘度平均分子量:11
30、密度:0.96g/cm3 、160℃での溶融粘
度:12.0cps。
【0058】製造例b 製造例aの重合反応で、重合反応器内のガス相における
水素とエチレン比(H2 /C2 4 )を0.50に変え
た以外は、製造例aと同様に重合反応を行った。得られ
た重合体の物性は以下のものであった。[η]:0.0
6dl/g、分子量分布Mw/Mn:1.2、粘度平均
分子量:890、密度:0.96g/cm3 、160℃
での溶融粘度:7.7cps。
【0059】(各種グラフト変性ポリエチレンワックス
の製造例) 製造例1 メタセロン系触媒によるポリエチレンワックス製造例a
のポリエチレンワックス([η]:0.08dl/g、
分子量分布Mw/Mn:1.3、粘度平均分子量:11
30、密度:0.96g/cm3 、160℃での溶融粘
度:12.0cps)1000gを160℃にて溶融
し、スチレン250g、ジ−tert−ブチルパーオキ
シド21gを別々の導管より4時間かけて滴下した。滴
下終了後、さらに160℃で1時間反応を続けた後、揮
発分を除去するために30mmHgの真空下で1時間脱
気し、変性ポリエチレンワックス(針入度:1dmm以
下、160℃での溶融粘度:23.7cps)を得た。
【0060】製造例2 メタセロン系触媒によるポリエチレンワックス製造例b
のポリエチレンワックス([η]:0.06dl/g、
分子量分布Mw/Mn:1.2、粘度平均分子量:89
0、密度:0.96g/cm3 、160℃での溶融粘
度:7.7cps)1000gを用いた以外は、製造例
1と同様にして、変性ポリエチレンワックス(針入度:
1dmm以下、160℃での溶融粘度:17.0cp
s)を得た。 製造例3 スチレン250gの代わりに、スチレン125gとフマ
ル酸ジブチル125gの混合物を用いた以外は、製造例
1と同様にして、変性ポリエチレンワックス(針入度:
1dmm以下、160℃での溶融粘度:18.0cp
s)を得た。 製造例4 スチレン250gの代わりにアクリル酸メチル250g
を用いた以外は、製造例1と同様にして、変性ポリエチ
レンワックス(針入度:1dmm以下、160℃での溶
融粘度:24.8cps)を得た。 製造例5 ポリエチレンワックス(粘度平均分子量:1070、分
子量分布:Mw/Mn:2.61、密度:0.97g/
cm3 、160℃での溶融粘度:85.0cps)10
00gを用いた以外は、製造例1と同様にして、変性ポ
リエチレンワックス(針入度:1dmm以下、160℃
での溶融粘度:210.0cps)を得た。
【0061】製造例6 スチレン250gの代わりに、スチレン20g、ジ−t
ert−ブチルパーオキシド1.7gを用いた以外は、
製造例1と同様にして、変性ポリエチレンワックス(針
入度:1dmm以下、160℃での溶融粘度:12.0
cps)を得た。 製造例7 スチレン250gの代わりに、スチレン125gとフマ
ル酸ジブチル540gの混合物を用いた以外は、製造例
1と同様にして、変性ポリエチレンワックス(針入度:
2dmm、160℃での溶融粘度:130.0cps)
を得た。 製造例8 ポリプロピレンワックス(粘度平均分子量:3000、
分子量分布:Mw/Mn:2.75、密度:0.89g
/cm3 、160℃での溶融粘度:70.0cps)1
000gを用いた以外は、製造例1と同様にして、変性
ポリプロピレンワックス(針入度:1dmm、180℃
での溶融粘度:250.0cps)を得た。
【0062】(樹脂被覆キャリアの製造例) 製造例A コア粒子:球形Cu−Znフェライト 1000部 (パウダーテック社製:平均粒径50μm) 被覆樹脂:下記式のパーフルオロメタクリレートと 8部 メチルメタクリレートの共重合体(20:80) (Mn:2.3×104 、Mw:6.2×104 ) CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 8 17 上記の成分をトルエン300部中に分散させ、加熱ヒー
ターを備えた5リットル小型ニーダー中で、熱媒温度7
0℃で10分間混合した後、熱媒温度を110℃に上昇
させて30分間減圧加熱した。その後、加熱ヒーターに
よる加熱を停止し、撹拌しながら30分間冷却し、樹脂
被覆粒子を作製した。得られた粒子を105μmのメッ
シュで篩分し、樹脂被覆キャリアAを得た。この樹脂被
覆キャリアAの体積抵抗値を測定したところ、印加電界
103.8 V/cmにおいて、1.0×109 Ωcmであ
った。
【0063】製造例B 被覆樹脂の添加量を2部に変更した以外は、製造例Aと
同様にして樹脂被覆キャリアBを得た。この樹脂被覆キ
ャリアBの体積抵抗値を測定したところ、印加電界10
3.8 V/cmにおいて、1.5×105 Ωcmであっ
た。 製造例C 被覆樹脂の添加量を15部に変更した以外は、製造例A
と同様にして樹脂被覆キャリアCを得た。この樹脂被覆
キャリアCの体積抵抗値を測定したところ、印加電界1
3.8 V/cmにおいて、2.0×1012Ωcmであっ
た。
【0064】実施例1 (トナーの調製) スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体(85/15) 100部 (Mw=1.7×105 ) カーボンブラック(BPL、キャボット社製) 9部 帯電制御剤(T−77、保土谷化学社製) 2部 製造例1に示す変性ポリエチレンワックス 5部 上記成分をバンバリーミキサーで溶融混練し、冷却後ジ
ェットミルにより微粉砕し、分級機により分級を行っ
て、平均粒子径8μmのトナー粒子を得た。このトナー
粒子100部に対して、平均一次粒子径0.015μm
の二酸化チタン微粒子1部および平均一次粒子径50n
mのシリカ微粒子0.5部を添加し、ヘンシェルミキサ
ーによって混合分散を行い、トナーを得た。 (現像剤の調製)上記トナー5部と樹脂被覆キャリアA
95部とをV型ブレンダーにより混合して現像剤組成物
を調製した。
【0065】実施例2 滑剤として製造例2に示す変性ポリエチレンワックスを
用いた以外は、実施例1と同様にして現像剤組成物を得
た。 実施例3 滑剤として製造例3に示す変性ポリエチレンワックスを
用いた以外は、実施例1と同様にして現像剤組成物を得
た。 実施例4 滑剤として製造例4に示す変性ポリエチレンワックスを
用いた以外は、実施例1と同様にして現像剤組成物を得
た。
【0066】比較例1 滑剤としてポリエチレンワックス([η]:0.13d
l/g、分子量分布Mw/Mn:2.61、粘度平均分
子量:2000、密度:0.97g/cm3 、160℃
での溶融粘度:55.0cps)を用い、かつキャリア
として樹脂被覆キャリアCを用いた以外は、実施例1と
同様にして現像剤組成物を得た。 比較例2 滑剤としてポリプロピレンワックス(粘度平均分子量:
3000、分子量分布Mw/Mn:2.75、密度:
0.89g/cm3 、160℃での溶融粘度:70.0
cps)を用いた以外は、比較例1と同様にして現像剤
組成物を得た。 比較例3 滑剤として製造例5に示す変性ポリエチレンワックスを
用いた以外は、比較例1と同様にして現像剤組成物を得
た。
【0067】比較例4 滑剤として製造例6に示す変性ポリエチレンワックスを
用いた以外は、比較例1と同様にして現像剤組成物を得
た。 比較例5 滑剤として製造例7に示す変性ポリエチレンワックスを
用いた以外は、比較例1と同様にして現像剤組成物を得
た。 比較例6 滑剤として製造例8に示す変性ポリプロピレンワックス
を用いた以外は、比較例1と同様にして現像剤組成物を
得た。
【0068】比較例7 キャリアとして、樹脂被覆キャリアBを用いた以外は、
比較例1と同様にして現像剤組成物を得た。 比較例8 滑剤として製造例1に示す変性ポリエチレンワックスを
用いた以外は、比較例1と同様にして現像剤組成物を得
た。 比較例9 キャリアとして、樹脂被覆キャリアAを用いた以外は、
比較例1と同様にして現像剤組成物を得た。
【0069】上記実施例および比較例における試験方法
および評価基準は以下の通りである。 (1)オフセット温度 Vivace550(富士ゼロックス社製)(改造)定
着装置を用いて測定した。ヒートロール温度を180℃
より250℃まで5℃づつ上昇させ、オフセットの発生
温度を目視で確認した。(なお、未発生とは、250℃
にてオフセットの発生が確認されないことを示す。) (2)剥離爪傷消失温度 Vivace550(富士ゼロックス社製)(改造)定
着装置を用いて測定した。画像先端部分のべタ黒画像に
おいて発生する剥離爪傷が実使用上問題にならないレベ
ルに達するヒートロール温度を示す。(なお、未発生と
は、測定下限温度140℃においても剥離爪傷の発生が
ないことを示す。)
【0070】(3)こすり画像強度 Vivace550(富士ゼロックス社製)(改造)自
動原稿送り装置を用いて測定した。5枚の原稿を装置に
セットして送り、2枚目以降の原稿の裏汚れを目視で確
認し、グレード付けを行った。(なお、G0〜G1は、
実使用上問題にならないレベルを意味する。) G0:裏汚れ未発生 G1:目視での確認が困難な汚れが若干発生 G2:目視での確認が可能な汚れが発生 G3:目視での確認が十分可能な著しい汚れが発生 (4)貯蔵安定性 50℃、50%RHの雰囲気下、17時間放置テストを
行った。その後、63μmのふるいで5分間振動ふるい
にかけ、ブロッキング性を確認した。 G1:63μmふるい通過率70%以上 G2:63μmふるい通過率40%以上、70%未満 G3:63μmふるい通過率40%未満
【0071】(5)トナー搬送量 各実施例および比較例において、外添剤を添加する前の
トナー粒子を用い、粉体流動性の指標としてVivac
e800(富士ゼロックス社製)(改造)トナーボック
スを用い、時間当たりのトナー搬送量を測定した。 (6)ソリッド画像濃度 それぞれ、FX−5039(富士ゼロックス社製)改造
機にて採取した、初期および10万枚複写採取後のソリ
ッド画像部の画像濃度をX−Rite濃度計を用いて測
定した。
【0072】(7)カブリ それぞれ、FX−5039(富士ゼロックス社製)改造
機にて採取した、初期および10万枚複写採取後の背景
カブリを、以下の基準に沿って目視で評価した。 G1:殆どなし G2:カブリは若干認められるが、実用上問題の無いレ
ベル G3:使用不可 (8)濃度ムラ それぞれ、FX−5039(富士ゼロックス社製)改造
機にて採取した、初期および10万枚複写採取後のソリ
ッド画像部の濃度ムラをX−Rite濃度計を用いて測
定した。 G1:濃度差0.1未満 G2:濃度差0.1〜0.3未満 G3:濃度差0.3以上
【0073】上記実施例1〜4および比較例1〜9で得
られた現像剤組成物において用いた滑剤の性状を表1
に、キャリアを表2に、また、特性評価結果を表3およ
び表4に示す。
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【0077】
【発明の効果】本発明の静電荷像現像剤は、滑剤とし
て、メタセロン系触媒の存在下での重合により得られた
エチレン単独重合体またはエチレンと炭素数3ないし1
0のα−オレフィンからなるエチレン系共重合体に、ス
チレン系単量体および/または不飽和カルボン酸系単量
体をグラフト重合させて形成された変性ポリエチレン系
ワックスを含有させたトナー粒子と、印加電界103.8
V/cmにおいて、体積抵抗が107 ないし109 Ωc
mのキャリアとよりなるので、上記表から明らかなよう
に、耐オフセット性、粉体流動性および耐ブロッキング
性に優れており、それを用いた本発明の画像形成方法に
よれば、現像剤の寿命を延長すると共に、安定した画像
を長期にわたって提供することができ、かつ、定着ロー
ル部の剥離爪による損傷を受けることなく、こすり画像
強度にする優れた画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 キャリアの体積抵抗を測定するために用いる
装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1…測定試料、2…下部電極、3…上部電極、4…ダイ
ヤルゲージ、5…高電圧抵抗計。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/10 354 (72)発明者 大石 かおり 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 井上 敏司 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 中沢 博 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 飯田 能史 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナーとキャリアとからなる静電荷像現
    像剤において、該トナーが、結着樹脂と着色剤と滑剤を
    含有するトナー粒子よりなり、該滑剤が、メタロセン系
    触媒の存在下での重合により得られたエチレン単独重合
    体またはエチレンと炭素数3ないし10のα−オレフィ
    ンからなるエチレン系共重合体に、スチレン系単量体お
    よび/または不飽和カルボン酸系単量体をグラフト重合
    させて形成された変性ポリエチレン系ワックスを含有す
    るものであり、該キャリアの印加電界103.8 V/cm
    における体積抵抗が107 ないし109 Ωcmであるこ
    とを特徴とする静電荷像現像剤。
  2. 【請求項2】 前記変性ポリエチレン系ワックスが、密
    度0.95g/cm3 以上、平均分子量800ないし3
    000、分子量分布Mw(重量平均分子量)/Mn(数
    平均分子量)が1.1〜1.8であるポリエチレン系重
    合体70ないし95重量部にスチレン系単量体および/
    またはアクリル系単量体5ないし30重量部をグラフト
    重合させて形成された、160℃における溶融粘度が1
    5cpsないし250cps、針入度が2dmm以下で
    あるグラフト変性ポリエチレンワックスであることを特
    徴とする請求項1に記載の静電荷像現像剤。
  3. 【請求項3】 キャリアがコア粒子を樹脂で被覆してな
    ることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像剤。
  4. 【請求項4】 コア粒子を被覆する樹脂がフッ素系樹
    脂、シリコーン系樹脂およびアクリル系樹脂から選ばれ
    ることをと特徴とする請求項3記載の静電荷像現像剤。
  5. 【請求項5】 変性ポリエチレン系ワックスの針入度が
    1dmm以下であることを特徴とする請求項2に記載の
    静電荷像現像剤。
  6. 【請求項6】 変性ポリエチレン系ワックスの分子量分
    布Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)が
    1.1〜1.5であることを特徴とする請求項2に記載
    の静電荷像現像剤。
  7. 【請求項7】 滑剤をトナーに対して1ないし20重量
    %添加してなることを特徴とする請求項1記載の静電荷
    像現像剤。
  8. 【請求項8】 キャリアの印加電界103.8 V/cmに
    おける体積抵抗が108 ないし109 Ωcmであること
    を特徴とする請求項1記載の静電荷像現像剤。
  9. 【請求項9】 キャリアの平均粒子径が40ないし80
    μmであることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現
    像剤。
  10. 【請求項10】 潜像保持体上に静電潜像を形成する潜
    像形成工程、現像剤担持体上の現像剤を用いて潜像保持
    体上にトナー像を形成する現像工程、該トナー像を転写
    体上に転写する転写工程、転写体上のトナー像を加熱定
    着する定着工程を有する画像形成方法において、該現像
    工程における現像剤として、請求項1記載の静電荷像現
    像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9304420B2 (en) 2009-07-13 2016-04-05 Sharp Kabushiki Kaisha Two-component developer, developing device, image forming apparatus, and image forming method

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9304420B2 (en) 2009-07-13 2016-04-05 Sharp Kabushiki Kaisha Two-component developer, developing device, image forming apparatus, and image forming method

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