JP2806246B2 - 連続鋳造機内鋳片加熱装置 - Google Patents
連続鋳造機内鋳片加熱装置Info
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- JP2806246B2 JP2806246B2 JP3491494A JP3491494A JP2806246B2 JP 2806246 B2 JP2806246 B2 JP 2806246B2 JP 3491494 A JP3491494 A JP 3491494A JP 3491494 A JP3491494 A JP 3491494A JP 2806246 B2 JP2806246 B2 JP 2806246B2
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- Japan
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- continuous casting
- heating device
- casting machine
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、垂直曲げ型の連続鋳
造機における鋳片加熱装置に関する。
造機における鋳片加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造機は、通常湾曲部を通過してき
た鋳片を平坦にするため、矯正帯で形状矯正を行ってい
る。この矯正帯では、鋳片の基準面(鋳造後、下面にな
る方)の反対側の面に引張応力が作用するので、延性が
低い場合割れを生じる。一般に鋼の延性は温度に依存し
ており、750〜900℃に脆化域があることが知られ
ている。連続鋳造機で鋳片を製造する場合、鋳片のコー
ナ部は他の部分に比べて冷却され易く、他の部分より先
にこの脆化域に入る。従って、この状態で鋳片が矯正帯
に入ると、コーナ割れと呼ばれる割れを生じることにな
る。
た鋳片を平坦にするため、矯正帯で形状矯正を行ってい
る。この矯正帯では、鋳片の基準面(鋳造後、下面にな
る方)の反対側の面に引張応力が作用するので、延性が
低い場合割れを生じる。一般に鋼の延性は温度に依存し
ており、750〜900℃に脆化域があることが知られ
ている。連続鋳造機で鋳片を製造する場合、鋳片のコー
ナ部は他の部分に比べて冷却され易く、他の部分より先
にこの脆化域に入る。従って、この状態で鋳片が矯正帯
に入ると、コーナ割れと呼ばれる割れを生じることにな
る。
【0003】この矯正帯におけるコーナ割れの防止対策
としては、次のような技術が提案されている。第1の技
術は、2次冷却スプレの制御によるもので、2次冷却ス
プレの水量や、鋳片へのスプレ水の散布範囲を調節する
方法である。最も簡単な方法は、2次冷却スプレの水量
を絞って、鋳片コーナ部も含めて脆化域に入らないよう
にすることであるが、これは生産性を落とすので常時採
用する訳にはいかない。そこで、例えば特開昭58−1
63559号公報記載の技術では、鋳片の幅方向の両端
部を冷却せず中央部のみ冷却することにより、鋳片コー
ナ部の冷却を緩和している。
としては、次のような技術が提案されている。第1の技
術は、2次冷却スプレの制御によるもので、2次冷却ス
プレの水量や、鋳片へのスプレ水の散布範囲を調節する
方法である。最も簡単な方法は、2次冷却スプレの水量
を絞って、鋳片コーナ部も含めて脆化域に入らないよう
にすることであるが、これは生産性を落とすので常時採
用する訳にはいかない。そこで、例えば特開昭58−1
63559号公報記載の技術では、鋳片の幅方向の両端
部を冷却せず中央部のみ冷却することにより、鋳片コー
ナ部の冷却を緩和している。
【0004】第2の技術は、カバーを用いる方法であ
る。特開昭50−110933号公報記載の技術では、
鋳片の幅方向の両端部をカバーで覆い、スプレ水が当た
らないようにしている。また、更にカバー内に断熱材を
取付けて鋳片のコーナ部を保温する方法もある。
る。特開昭50−110933号公報記載の技術では、
鋳片の幅方向の両端部をカバーで覆い、スプレ水が当た
らないようにしている。また、更にカバー内に断熱材を
取付けて鋳片のコーナ部を保温する方法もある。
【0005】第3の技術は、鋳片のコーナ部を加熱する
方法である。実開昭57−97667号公報記載の技術
では、矯正帯のガイドロールの間隙にバーナを設置し、
鋳片のコーナ付近を加熱している。実開昭57−116
364号公報記載の技術では、矯正帯のガイドロールの
間隙から挿入した誘導コイルを、鋳片のコーナ付近に配
置して誘導加熱を行っている。
方法である。実開昭57−97667号公報記載の技術
では、矯正帯のガイドロールの間隙にバーナを設置し、
鋳片のコーナ付近を加熱している。実開昭57−116
364号公報記載の技術では、矯正帯のガイドロールの
間隙から挿入した誘導コイルを、鋳片のコーナ付近に配
置して誘導加熱を行っている。
【0006】図4は、これらの従来技術の加熱装置を示
す図である。図中、1は鋳片、5はロール、7はブラケ
ット、8はガイドレールをそれぞれ示す。ブラケット7
は、ロール5の間隙に挿入して設置され、その先端にバ
ーナあるいは誘導コイルが取り付けられている。これら
の加熱手段は、鋳片のコーナ部を鋳片の厚さ方向から加
熱するようになっている。
す図である。図中、1は鋳片、5はロール、7はブラケ
ット、8はガイドレールをそれぞれ示す。ブラケット7
は、ロール5の間隙に挿入して設置され、その先端にバ
ーナあるいは誘導コイルが取り付けられている。これら
の加熱手段は、鋳片のコーナ部を鋳片の厚さ方向から加
熱するようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】連続鋳造機は構造上幾
つかの型に分けられ、通常用いられているのは、垂直
型、垂直曲げ型、湾曲型等があることはよく知られてい
る。その中で、垂直型と垂直曲げ型の連続鋳造機は、非
金属介在物が凝固界面にトラップされずに浮上しやすい
ため、清浄な鋼を得る目的で設置されている。このう
ち、垂直型の連続鋳造機は、上下方向の寸法が大きく、
また未凝固部の溶鋼の静水圧も大きくなるので、設備の
大容量化が困難である。そこで、清浄な鋼を大容量で得
るためには、垂直曲げ型の連続鋳造機が用いられてい
る。
つかの型に分けられ、通常用いられているのは、垂直
型、垂直曲げ型、湾曲型等があることはよく知られてい
る。その中で、垂直型と垂直曲げ型の連続鋳造機は、非
金属介在物が凝固界面にトラップされずに浮上しやすい
ため、清浄な鋼を得る目的で設置されている。このう
ち、垂直型の連続鋳造機は、上下方向の寸法が大きく、
また未凝固部の溶鋼の静水圧も大きくなるので、設備の
大容量化が困難である。そこで、清浄な鋼を大容量で得
るためには、垂直曲げ型の連続鋳造機が用いられてい
る。
【0008】垂直曲げ型の連続鋳造機は、湾曲型と比べ
て、鋳片が垂直部から湾曲部に移るための曲げ変形帯が
あることが大きな特徴である。ここで、鋳片には曲げ変
形が加えられ、鋳片は円弧を描きながら湾曲部のガイド
ロールに沿って引き抜かれて行く。
て、鋳片が垂直部から湾曲部に移るための曲げ変形帯が
あることが大きな特徴である。ここで、鋳片には曲げ変
形が加えられ、鋳片は円弧を描きながら湾曲部のガイド
ロールに沿って引き抜かれて行く。
【0009】近年、生産性の向上のため、引抜き速度を
増加させた高速鋳造技術が開発されている。しかし、引
抜き速度の増加に伴い、鋳片の凝固殻の厚さが低下しブ
レークアウトし易くなる。そこで、凝固殻の厚さを十分
確保するため冷却の強化が行われている。その結果、曲
げ変形帯においては、鋳片のコーナ部が過度に冷却され
既に脆化域に入っていることが多くなり、割れを生じ易
くなるという問題が出てきた。
増加させた高速鋳造技術が開発されている。しかし、引
抜き速度の増加に伴い、鋳片の凝固殻の厚さが低下しブ
レークアウトし易くなる。そこで、凝固殻の厚さを十分
確保するため冷却の強化が行われている。その結果、曲
げ変形帯においては、鋳片のコーナ部が過度に冷却され
既に脆化域に入っていることが多くなり、割れを生じ易
くなるという問題が出てきた。
【0010】そこで、高速鋳造用の垂直曲げ型の連続鋳
造機に、従来、矯正帯に用いられていたコーナ割れ防止
技術を適用すると、次のような問題点が出てくる。ま
ず、2次冷却スプレを制御したり、鋳片の幅方向の両端
部を冷却せず中央部のみ冷却する方法、あるいは、カバ
ーを用いる方法をこの曲げ変形帯に適用しても、鋳片の
コーナ部の過度の冷却は避けられない。この場合でも、
鋳片のコーナ部は、鋳片の幅方向の中央部より100〜
150℃、温度が低下する。この方法で鋳片を強冷却す
ると、幅方向の中央部が脆化域に入らない範囲(100
0℃付近)でも、コーナ部は脆化域(900以下)まで
冷却され、コーナ割れが防止できない。従って、鋳片の
強冷却はできず、冷却を弱くする必要があり、ブレーク
アウト等が起こり易くなるという問題がある。
造機に、従来、矯正帯に用いられていたコーナ割れ防止
技術を適用すると、次のような問題点が出てくる。ま
ず、2次冷却スプレを制御したり、鋳片の幅方向の両端
部を冷却せず中央部のみ冷却する方法、あるいは、カバ
ーを用いる方法をこの曲げ変形帯に適用しても、鋳片の
コーナ部の過度の冷却は避けられない。この場合でも、
鋳片のコーナ部は、鋳片の幅方向の中央部より100〜
150℃、温度が低下する。この方法で鋳片を強冷却す
ると、幅方向の中央部が脆化域に入らない範囲(100
0℃付近)でも、コーナ部は脆化域(900以下)まで
冷却され、コーナ割れが防止できない。従って、鋳片の
強冷却はできず、冷却を弱くする必要があり、ブレーク
アウト等が起こり易くなるという問題がある。
【0011】次に、矯正帯においてコーナ部を加熱する
技術を曲げ変形帯に適用することは、高速鋳造を目的と
している連続鋳造機では、加熱手段の設置自体が困難で
問題である。それは、高速鋳造により鋳片の凝固殻の厚
さが低下し、鋳片の内部割れが起こり易くなるので、ロ
ールピッチを小さくしていることの結果である。
技術を曲げ変形帯に適用することは、高速鋳造を目的と
している連続鋳造機では、加熱手段の設置自体が困難で
問題である。それは、高速鋳造により鋳片の凝固殻の厚
さが低下し、鋳片の内部割れが起こり易くなるので、ロ
ールピッチを小さくしていることの結果である。
【0012】ロールピッチの縮小の結果、ロールとロー
ルの間隙からのバーナや誘導加熱装置の挿入は困難とな
る。また、ロールピッチの縮小に伴いロール径も小さく
なるため、ロールの表面と鋳片の表面とで囲まれる部分
の寸法が小さくなり、この部分へのバーナや誘導加熱装
置の設置が困難となっている。特に、曲げ変形帯におい
ては、凝固殻が薄くブレークアウトが起こり易く、ロー
ルピッチとロール径の縮小が必須であるため、従来技術
の適用は困難である。
ルの間隙からのバーナや誘導加熱装置の挿入は困難とな
る。また、ロールピッチの縮小に伴いロール径も小さく
なるため、ロールの表面と鋳片の表面とで囲まれる部分
の寸法が小さくなり、この部分へのバーナや誘導加熱装
置の設置が困難となっている。特に、曲げ変形帯におい
ては、凝固殻が薄くブレークアウトが起こり易く、ロー
ルピッチとロール径の縮小が必須であるため、従来技術
の適用は困難である。
【0013】この発明は、高速鋳造用の垂直曲げ型の連
続鋳造機について、曲げ変形帯および矯正帯におけるコ
ーナ割れを防ぐ手段を提供する。
続鋳造機について、曲げ変形帯および矯正帯におけるコ
ーナ割れを防ぐ手段を提供する。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、垂直曲げ
型の連続鋳造機において、(イ)鋳片を湾曲させるため
に曲げ変形を加える曲げ変形帯には、鋳片の側面の基準
面側の部分を加熱する加熱手段が鋳片の側面より幅方向
外側に設置され、(ロ)湾曲した鋳片を矯正する矯正帯
には、鋳片の側面の基準面とは反対側の部分を加熱する
加熱手段が設置され、(ハ)これらの加熱手段を鋳片の
幅方向に移動して設置位置を調節する調節機構がそれぞ
れ設けられている連続鋳造鋳片の加熱装置である。第2
の発明は、第1の発明において、前記曲げ変形帯に設置
された加熱手段が、誘導加熱装置である連続鋳造鋳片の
加熱装置である。
型の連続鋳造機において、(イ)鋳片を湾曲させるため
に曲げ変形を加える曲げ変形帯には、鋳片の側面の基準
面側の部分を加熱する加熱手段が鋳片の側面より幅方向
外側に設置され、(ロ)湾曲した鋳片を矯正する矯正帯
には、鋳片の側面の基準面とは反対側の部分を加熱する
加熱手段が設置され、(ハ)これらの加熱手段を鋳片の
幅方向に移動して設置位置を調節する調節機構がそれぞ
れ設けられている連続鋳造鋳片の加熱装置である。第2
の発明は、第1の発明において、前記曲げ変形帯に設置
された加熱手段が、誘導加熱装置である連続鋳造鋳片の
加熱装置である。
【0015】
【作用】第1の発明では、まず、曲げ変形帯において、
鋳片の側面の基準面側(鋳造後、下面になる方)の部分
を加熱することにより、基準面側のコーナ部も側面から
の熱伝導により温度が上昇する。その結果、基準面側の
コーナ部は脆化域より高温となり延性を回復する。鋳片
の基準面側には引張応力が作用するが、コーナ部につい
ても延性を回復しているので割れを生じない。
鋳片の側面の基準面側(鋳造後、下面になる方)の部分
を加熱することにより、基準面側のコーナ部も側面から
の熱伝導により温度が上昇する。その結果、基準面側の
コーナ部は脆化域より高温となり延性を回復する。鋳片
の基準面側には引張応力が作用するが、コーナ部につい
ても延性を回復しているので割れを生じない。
【0016】鋳片の基準面とは反対側は、加熱されない
ので脆化域に入ったままである可能性もあるが、こちら
側には圧縮応力が作用するので、割れは起こらない。な
お、加熱手段は、鋳片が曲げ変形帯に入るまでにコーナ
部が昇温するよう、曲げ変形帯よりやや手前の位置から
設置しておくのが望ましい。
ので脆化域に入ったままである可能性もあるが、こちら
側には圧縮応力が作用するので、割れは起こらない。な
お、加熱手段は、鋳片が曲げ変形帯に入るまでにコーナ
部が昇温するよう、曲げ変形帯よりやや手前の位置から
設置しておくのが望ましい。
【0017】次に、矯正帯においては、鋳片の基準面と
は反対側に引張応力が作用するが、ここでも、コーナ部
は加熱された側面からの熱伝導により温度が上昇し、延
性を回復しているので、割れを生じない。ここでも、加
熱手段を矯正帯よりやや手前の位置から設置しておくの
が望ましい。
は反対側に引張応力が作用するが、ここでも、コーナ部
は加熱された側面からの熱伝導により温度が上昇し、延
性を回復しているので、割れを生じない。ここでも、加
熱手段を矯正帯よりやや手前の位置から設置しておくの
が望ましい。
【0018】最後に、設置位置を調節する調節機構によ
り、これらの加熱手段が鋳片の幅方向に移動できるの
で、鋳片の幅変更に追随させることにより、加熱手段と
鋳片の側面との距離を常に適切に保持することが可能と
なる。その結果、鋳片のコーナ部の温度上昇が安定して
得られ、コーナ割れが防止される。
り、これらの加熱手段が鋳片の幅方向に移動できるの
で、鋳片の幅変更に追随させることにより、加熱手段と
鋳片の側面との距離を常に適切に保持することが可能と
なる。その結果、鋳片のコーナ部の温度上昇が安定して
得られ、コーナ割れが防止される。
【0019】第2の発明では、上記に加え更に、曲げ変
形帯の加熱手段を誘導加熱装置としているので、ロール
その他がバーナの火炎で損傷するようなことがなく、ガ
イドロールが小径ロールの場合でも適用可能となる。
形帯の加熱手段を誘導加熱装置としているので、ロール
その他がバーナの火炎で損傷するようなことがなく、ガ
イドロールが小径ロールの場合でも適用可能となる。
【0020】
【実施例】図1は本発明の加熱装置の連続鋳造機におけ
る配置を示す図である。図中、1は鋳片、2は加熱手
段、5はガイドロール、9はモールド、10は曲げ変形
帯、20は矯正帯、91はメニスカス(溶鋼自由表面)
をそれぞれ示す。加熱手段2の設置位置は、曲げ変形帯
10、矯正帯20のいずれにおいても、鋳片がそこに到
達するより以前にコーナ部が十分加熱されるよう、曲げ
変形帯、矯正帯よりやや手前の位置から設置されてい
る。加熱手段2には、この図には示されていないが、鋳
片1の幅変更に追随するための調節機構が取付けられて
いる。
る配置を示す図である。図中、1は鋳片、2は加熱手
段、5はガイドロール、9はモールド、10は曲げ変形
帯、20は矯正帯、91はメニスカス(溶鋼自由表面)
をそれぞれ示す。加熱手段2の設置位置は、曲げ変形帯
10、矯正帯20のいずれにおいても、鋳片がそこに到
達するより以前にコーナ部が十分加熱されるよう、曲げ
変形帯、矯正帯よりやや手前の位置から設置されてい
る。加熱手段2には、この図には示されていないが、鋳
片1の幅変更に追随するための調節機構が取付けられて
いる。
【0021】図2は、曲げ変形帯の加熱手段に誘導加熱
装置を用いた場合の実施例を示す図である。図中、2は
加熱手段、3は調節機構、4は電力供給ケーブル、5は
ガイドロール、6は分割ベアリング、21は誘導加熱装
置をそれぞれ示し、その他の符号は図1と同じである。
装置を用いた場合の実施例を示す図である。図中、2は
加熱手段、3は調節機構、4は電力供給ケーブル、5は
ガイドロール、6は分割ベアリング、21は誘導加熱装
置をそれぞれ示し、その他の符号は図1と同じである。
【0022】この曲げ変形帯は、ブレークアウトを防止
するため、ガイドロール5が分割ベアリング6の採用に
より小径化されており、ガイドロールのロールピッチも
縮小されている。このような、小径ガイドロールを用い
た鋳片支持装置の中においても、加熱手段2として誘導
加熱装置21を用い、更にそれを鋳片1の側面に対向さ
せることにより、鋳片コーナ部を加熱することが可能と
なった。
するため、ガイドロール5が分割ベアリング6の採用に
より小径化されており、ガイドロールのロールピッチも
縮小されている。このような、小径ガイドロールを用い
た鋳片支持装置の中においても、加熱手段2として誘導
加熱装置21を用い、更にそれを鋳片1の側面に対向さ
せることにより、鋳片コーナ部を加熱することが可能と
なった。
【0023】誘導加熱装置21は、巻数1回の誘導コイ
ルにより構成されており、その仕様は、使用周波数2.
5kHz、容量300kWである。この誘導加熱装置に
対して、望ましい鋳造条件は、鋳片厚さ220、25
0、300mm、鋳片幅1600〜2100mm、鋳造
速度1.2〜2.0m/minである。
ルにより構成されており、その仕様は、使用周波数2.
5kHz、容量300kWである。この誘導加熱装置に
対して、望ましい鋳造条件は、鋳片厚さ220、25
0、300mm、鋳片幅1600〜2100mm、鋳造
速度1.2〜2.0m/minである。
【0024】図3は、本発明の加熱装置を使用した際の
鋳片コーナ部の温度推移を示す図である。図中、横軸は
メニスカスからの距離L、縦軸は鋳片コーナ部の温度
T、Aは曲げ変形帯の加熱手段の設置位置、Bは矯正帯
の加熱手段の設置位置をそれぞれ示す。鋳片コーナ部の
温度Tは、本発明の加熱装置を使用することにより(実
施例:図中実線)、これを使用しない場合(比較例:図
中破線)に比べて、100℃以上上昇している。その結
果、コーナ割れ防止に有効であることが確認できた。
鋳片コーナ部の温度推移を示す図である。図中、横軸は
メニスカスからの距離L、縦軸は鋳片コーナ部の温度
T、Aは曲げ変形帯の加熱手段の設置位置、Bは矯正帯
の加熱手段の設置位置をそれぞれ示す。鋳片コーナ部の
温度Tは、本発明の加熱装置を使用することにより(実
施例:図中実線)、これを使用しない場合(比較例:図
中破線)に比べて、100℃以上上昇している。その結
果、コーナ割れ防止に有効であることが確認できた。
【0025】なお、実施例では、調節機構3の駆動装置
として、エアシリンダを用いているが、これはエアシリ
ンダ以外でも、油圧シリンダや電動スクリュ等、直線運
動をするものであればよい。また、実施例では、矯正帯
の加熱手段についても、鋳片の側面より幅方向外側に設
置されており、鋳片の側面からコーナ部を加熱している
が、矯正帯のガイドロールのロール径が従来技術と同様
大きい場合は、ガイドロールの間隙から加熱手段を挿入
しても差支えない。
として、エアシリンダを用いているが、これはエアシリ
ンダ以外でも、油圧シリンダや電動スクリュ等、直線運
動をするものであればよい。また、実施例では、矯正帯
の加熱手段についても、鋳片の側面より幅方向外側に設
置されており、鋳片の側面からコーナ部を加熱している
が、矯正帯のガイドロールのロール径が従来技術と同様
大きい場合は、ガイドロールの間隙から加熱手段を挿入
しても差支えない。
【0026】以上の実施例では、加熱手段2として誘導
加熱装置を曲げ変形帯と矯正帯の双方に用いたが、これ
らはバーナ等を用いてもよい。但し、バーナの燃焼調整
に常に気をつけないと、分割ロールおよび分割ベアリン
グ等にバーナの火炎が当たり損傷する危険性があるの
で、誘導加熱装置を使用することが望ましい。特に、曲
げ変形帯については、高速鋳造のためには小径ロールの
使用が避けられず、その結果、ロールその他にバーナの
火炎が当たり易いので、誘導加熱装置とするのがよい。
加熱装置を曲げ変形帯と矯正帯の双方に用いたが、これ
らはバーナ等を用いてもよい。但し、バーナの燃焼調整
に常に気をつけないと、分割ロールおよび分割ベアリン
グ等にバーナの火炎が当たり損傷する危険性があるの
で、誘導加熱装置を使用することが望ましい。特に、曲
げ変形帯については、高速鋳造のためには小径ロールの
使用が避けられず、その結果、ロールその他にバーナの
火炎が当たり易いので、誘導加熱装置とするのがよい。
【0027】
【発明の効果】垂直曲げ型の連続鋳造機において、曲げ
変形帯と矯正帯に加熱手段を設けているので、コーナ部
の延性が回復し割れを防止することができる。また、曲
げ変形帯の加熱手段を鋳片の側面から加熱する方式と
し、鋳片の幅方向外側に設置しているので、ガイドロー
ルのロールの間隙が小さい高速鋳造用の小径ロールを用
いた連続鋳造機においても適用可能となる。
変形帯と矯正帯に加熱手段を設けているので、コーナ部
の延性が回復し割れを防止することができる。また、曲
げ変形帯の加熱手段を鋳片の側面から加熱する方式と
し、鋳片の幅方向外側に設置しているので、ガイドロー
ルのロールの間隙が小さい高速鋳造用の小径ロールを用
いた連続鋳造機においても適用可能となる。
【図1】本発明の加熱装置の連続鋳造機における配置を
示す図。
示す図。
【図2】加熱手段に誘導加熱装置を用いた場合の実施例
を示す図。
を示す図。
【図3】本発明の加熱装置を使用した際の鋳片表面の温
度推移を示す図。
度推移を示す図。
【図4】従来技術の加熱装置を示す図。
1 鋳片 2 加熱手段 3 調節機構 10 曲げ変形帯 20 矯正帯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保田 淳 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 松崎 健 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 中村 博巳 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 鈴木 幹雄 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 山岡 祐一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 瀬良 泰三 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 高田 稔 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−115658(JP,A) 特開 昭55−42109(JP,A) 特開 平6−246411(JP,A) 特開 平4−238660(JP,A) 特開 昭62−13248(JP,A) 実開 昭57−116364(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 11/12 B22D 11/16
Claims (2)
- 【請求項1】 垂直曲げ型の連続鋳造機において、
(イ)鋳片を湾曲させるために曲げ変形を加える曲げ変
形帯には、鋳片の側面の基準面側の部分を加熱する加熱
手段が鋳片の側面より幅方向外側に設置され、(ロ)湾
曲した鋳片を矯正する矯正帯には、鋳片の側面の基準面
とは反対側の部分を加熱する加熱手段が設置され、
(ハ)これらの加熱手段を鋳片の幅方向に移動させ設置
位置を調節する調節機構がそれぞれ設けられている連続
鋳造機内鋳片加熱装置。 - 【請求項2】 前記曲げ変形帯に設置された加熱手段
が、誘導加熱装置である請求項1の連続鋳造機内鋳片加
熱装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3491494A JP2806246B2 (ja) | 1994-03-04 | 1994-03-04 | 連続鋳造機内鋳片加熱装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3491494A JP2806246B2 (ja) | 1994-03-04 | 1994-03-04 | 連続鋳造機内鋳片加熱装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07241656A JPH07241656A (ja) | 1995-09-19 |
JP2806246B2 true JP2806246B2 (ja) | 1998-09-30 |
Family
ID=12427490
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3491494A Expired - Lifetime JP2806246B2 (ja) | 1994-03-04 | 1994-03-04 | 連続鋳造機内鋳片加熱装置 |
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