JP2805548B2 - ベルト式無段変速機の制御装置 - Google Patents

ベルト式無段変速機の制御装置

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JP2805548B2
JP2805548B2 JP3018928A JP1892891A JP2805548B2 JP 2805548 B2 JP2805548 B2 JP 2805548B2 JP 3018928 A JP3018928 A JP 3018928A JP 1892891 A JP1892891 A JP 1892891A JP 2805548 B2 JP2805548 B2 JP 2805548B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は油圧制御のベルト式無段
変速機に関し、特に、溝幅を変更可能なドライブプーリ
およびドリブンプーリと、両プーリ間に巻き掛けた無端
ベルトと、無端ベルトの伝達トルクを決定する低圧側の
ライン圧をスロットル開度に応じて発生させる第1ライ
ン圧発生手段と、前記両プーリのレシオを維持および変
更する高圧側のライン圧をスロットル開度に応じて発生
させる第2ライン圧発生手段と、前記ドライブプーリと
ドリブンプーリに低圧側のライン圧と高圧側のライン圧
を選択的に作用させる選択供給手段とを備えたベルト式
無段変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかるベルト式無段変速機の制御
装置として、特開昭61−206862号公報に記載さ
れたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで記高圧側の
ライン圧はレシオの維持および変更を司る圧力であるた
め、その高圧側のライン圧が過小であると変速速度が遅
くなって応答性が低下し、逆に過大であるとオイルポン
プのフリクションが増大して燃費が悪化する不都合があ
る。
【0004】しかしながら上記従来のベルト式無段変速
機の制御装置は、図18に示すように、その高圧側のラ
イン圧PHと低圧側のライン圧PLを単にレシオがロー
側で高く、オーバードライブ側で低くなるように制御し
ているだけであり、高圧側のライン圧PHを変速時に特
別に制御してはいない。
【0005】ところで車両が停止する際にレシオがロー
側に速やかに戻るように、低スロットル開度でのPH圧
を高めに設定することが考えられるが、このような高め
のPH圧が必要とされるのは、例えば図19に示すよう
なベルト式無段変速機の変速特性において矢印で示す部
分、すなわちスロットル開度が閉じられてレシオがOD
側からLOW側に戻る部分だけであり、しかも実際にレ
シオ維持に必要最低限のPH圧はかなり小さいものであ
るため、常時高めのPH圧を発生させることはオイルポ
ンプに無用の負荷をかけ、そのフリクションや燃費の点
から好ましくない。
【0006】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、高圧側のライン圧PHをより精密に制御することに
より、上記問題を解決できるようにしてベルト式無段変
速機の一層適切な制御を可能とし、しかもその制御構成
を極力簡単化することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、溝幅を変更可能なドライブプーリおよび
ドリブンプーリと、両プーリ間に巻き掛けた無端ベルト
と、無端ベルトの伝達トルクを決定する低圧側のライン
圧をスロットル開度に応じて発生させる第1ライン圧発
生手段と、前記両プーリのレシオを維持および変更する
高圧側のライン圧をスロットル開度に応じて発生させる
第2ライン圧発生手段と、前記両プーリに低圧側のライ
ン圧と高圧側のライン圧を選択的に作用させる選択供給
手段とを備えたベルト式無段変速機の制御装置におい
て、低スロットル開度時には高圧側のライン圧をレシオ
維持のための必要圧近くに保ち、またスロットル開度の
減少によりレシオがオーバドライブ側からロー側に戻る
間は、ドリブンプーリに実際に作用するドリブンプーリ
圧と前記高圧側のライン圧との差圧が所定値以下になっ
たときに、該高圧側のライン圧を上昇させる手段を備え
たことを第1の特徴としている。この特徴によれば、低
スロットル開度状態においてライン圧を発生させるため
の負荷の軽減を図りながら、スロットルを閉じてレシオ
をロー側に変化させる過程でのみ高圧側のライン圧を上
昇させてレシオのロー側への移行を速やかに行わせるこ
とが可能となる。また特にレシオをロー側へ戻す時に、
ドリブンプーリ側へのライン圧供給に伴い上昇変化する
ドリブンプーリ圧が高圧側ライン圧に近づいたこと(即
ちその差圧が所定値以下になったこと)を検出して該ラ
イン圧を増加補正するため、前記差圧に基づく簡単な制
御構成で最適な時期にライン圧を昇圧制御できるように
なる。
【0008】また本発明は、上記特徴に加えて、前記手
段は、一端部にドリブンプーリ圧が 、また他端部に高圧
側のライン圧がそれぞれ作用する切換バルブを有してお
り、この切換バルブは、オイルポンプの吐出油圧を高圧
側のライン圧に調圧するPHレギュレータバルブに対し
て、前記差圧が所定値以下になったときに、高圧側のラ
イン圧を上昇させるための信号圧を出力することを第2
の特徴としており、この特徴によれば、前記差圧に応動
する上記切換バルブの作動により、レシオをロー側へ戻
す時のライン圧の昇圧時期の制御が容易且つ的確に行わ
れる。
【0009】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【0010】図1は車両用の動力伝達装置を示す図2〜
図5の配置図、図2は図1のA部拡大図、図3は図1の
B部拡大図、図4は図1のC部拡大図、図5は図1のD
部拡大図、図6は図1の6方向矢視図である。
【0011】本発明によるベルト式無段変速機を備えた
動力伝達装置は車体前部に横置き配置したエンジンに接
続されるもので、図2〜図6に示すように、左半部1L
との右半部1R を結合して成るトランスミッションケー
ス1の内部に収納される。前記トランスミッションケー
ス1の右半部1R の内面には、油圧制御系の各種バルブ
を設けたメインバルブボディ2とセカンダリバルブボデ
ィ3が重ね合わされた状態で固定され、そのセカンダリ
バルブボディ3に設けたボールベアリング4により、エ
ンジンのクランクシャフト5にトルクコンバータ6を介
して接続されたミッション入力軸7の先端が支持され
る。前記ミッション入力軸7の上部には、トランスミッ
ションケース1の左半部1L に設けたボールベアリング
8とセカンダリバルブボディ3に設けたローラベアリン
グ9によりインプットシャフト10が支持される。ま
た、前記インプットシャフト10の下部には、トランス
ミッションケース1の左半部1L に設けたボールベアリ
ング11と右半部1R に設けたボールベアリング12に
よりアウトプットシャフト13の両端部が支持される。
【0012】インプットシャフト10にはドライブプー
リ14の固定側プーリ半体15が一体に形成されるとと
もに、その固定側プーリ半体15の右側には可動側プー
リ半体16がボールスプライン17を介して軸方向移動
自在、且つ相対回転不能に支持される。一方、前記アウ
トプットシャフト13には、ドリブンプーリ18の固定
側プーリ半体19の軸部191 が一対のニードルベアリ
ング20を介して支持され、アウトプットシャフト13
の外周に嵌合する前記軸部191 の外周には、可動側プ
ーリ半体21がボールスプライン22を介して軸方向移
動自在、且つ相対回転不能に支持される。すなわち、ド
ライブプーリ14の固定側プーリ半体15はドリブンプ
ーリ18の可動側プーリ半体21に対向するとともに、
ドライブプーリ14の可動側プーリ半体16はドリブン
プーリ18の固定側プーリ半体19に対向し、これによ
り両固定側プーリ半体15,19、および両可動側プー
リ半体16,21は相互に交差するように配置される。
そして、前記両プーリ18,24の間には帯状のストラ
ップ23に多数の押し駒24を装着した無端ベルト25
が巻き掛けられる。
【0013】インプットシャフト10に支持した隔壁部
材26と可動側プーリ半体16の外周に形成したフラン
ジ161 とにより、可動側プーリ半体16を固定側プー
リ半体15に向けて接近するように移動させるための油
室27が形成される。油室27への給油は、インプット
シャフト10の右端から挿入されたフィードパイプ2
8、インプットシャフト10の内部に形成した油路10
1 、および可動側プーリ半体16を貫通する油路162
を介して行われる。前記フランジ161 の先端に外周を
支持されたキャンセラピストン29と前記隔壁部材26
との間には、油室27に作用する遠心油圧を補償するた
めのキャンセラ30が画成される。そして、このキャン
セラ30と前記油室27は隔壁部材26に設けた油路
(図示せず)を介して相互に連通する。
【0014】アウトプットシャフト13の左端に支持し
た隔壁部材31と可動側プーリ半体21の外周に形成し
たフランジ211 とにより、可動側プーリ半体21を固
定側プーリ半体19に向けて移動させるための油室32
が形成され、その油室32の内部にはドリブンプーリ1
8と無端ベルト25間に所定の初期荷重を与えるための
スプリング33が縮設される。前記油室32への給油
は、アウトプットシャフト13の右端から挿入されたフ
ィードパイプ34、アウトプットシャフト13に形成し
た油路131 、固定側プーリ半体19の軸部191 に形
成した油路192、可動側プーリ半体21に形成した油
路212 を介して行われる。前記フランジ211 の先端
に外周を支持されたキャンセラピストン35と隔壁部材
31との間には、油室32に作用する遠心油圧を補償す
るためのキャンセラ36が画成され、このキャンセラ3
6と前記油室32は隔壁部材31に設けた図示せぬ油路
を介して相互に連通する。
【0015】ミッション入力軸7に一体に形成した駆動
ギヤ37はインプットシャフト10の右端に設けた従動
ギヤ38に噛合し、インプットシャフト10はミッショ
ン入力軸7と逆方向に駆動される。一方、メインバルブ
ボディ2とセカンダリバルブボディ3に支持された中間
軸39には、一対のニードルベアリング40を介して一
体に結合された第1中間ギア41と第2中間ギア42が
軸支されており、第1中間ギア41は前記駆動ギヤ37
に噛合するとともに、第2中間ギア42はアウトプット
シャフト13にニードルベアリング43を介して支持し
たリバースギヤ44に噛合する。そして、これら駆動ギ
ヤ37、第1中間ギア41、および第2中間ギア42に
より構成される後退用ギヤ列45により、リバースギヤ
44はミッション入力軸7と同方向に駆動される。
【0016】アウトプットシャフト13上のドリブンプ
ーリ18とリバースギヤ44の間に位置するように、車
両を前進駆動する際にドリブンプーリ18をアウトプッ
トシャフト13に結合するための前進用クラッチ46
と、車両を後退駆動する際にリバースギヤ44をアウト
プットシャフト13に結合するための後退用クラッチ4
7とが背中合わせに設けられる。すなわち、前進用クラ
ッチ46は、アウトプットシャフト13にスプライン結
合したクラッチガイド48の左半部に配設され、そのク
ラッチガイド48の内部に摺動自在に設けたクラッチピ
ストン49を油室50に作用する油圧で戻しバネ51に
抗して左方向に移動させることにより、ドリブンプーリ
18の固定側プーリ半体19に連結した摩擦板52を挟
圧するように構成される。一方、後退用クラッチ47
は、クラッチガイド48の右半部に前記前進用クラッチ
46と左右対称に配設され、そのクラッチガイド48の
内部に摺動自在に設けたクラッチピストン53を油室5
4に作用する油圧で戻しバネ55に抗して右方向に移動
させることにより、リバースギヤ44に連結した摩擦板
56を挟圧するように構成される。また、クラッチガイ
ド48の外周にはパーキングギヤ483 が一体に形成さ
れる。これにより、アウトプットシャフト13上に特別
のパーキングギヤを設ける必要がなくなり、トランスミ
ッションケース1の軸方向の寸法短縮と部品点数の減少
が併せて可能となる。
【0017】アウトプットシャフト13の内部に配設さ
れた前記フィードパイプ34の外周には中間のフィード
パイプ57と外側のフィードパイプ58が同軸に挿入さ
れる。中間のフィードパイプ57から供給される圧油
は、アウトプットシャフト13に形成した油路132
よびクラッチガイド48に形成した油路481 を介して
油室50に作用し、前進用クラッチ46を係合させる。
また、外側のフィードパイプ58から供給された圧油
は、アウトプットシャフト13に形成した油路133
よびクラッチガイド48に形成した油路482 を介して
油室54に作用し、後退用クラッチ47を係合させる。
更に、外側のフィードパイプ58の外周から供給された
圧油は、アウトプットシャフト13に形成した油路13
4 を介してリバースギヤ44を支持するニードルベアリ
ング43を潤滑するとともに、アウトプットシャフト1
3の油路135 、クラッチガイド48の油路484 、お
よびアウトプットシャフト13の油路136 を介してド
リブンプーリ18の固定側プーリ半体19を支持するニ
ードルベアリング20を潤滑する。
【0018】アウトプットシャフト13の右端に一体に
形成した出力ギヤ59は、トランスミッションケース1
に一対のボールベアリング60,61を介して支持した
差動装置62の歯車箱63外周に設けたファイナルギヤ
64に噛合し、これにより左右の後輪に駆動力が伝達さ
れる。
【0019】なお、図4における符号65は、無端ベル
ト25に潤滑油を供給するためのフィードパイプであ
る。
【0020】次に、本実施例の制御装置の油圧回路を説
明する前に、図7〜図14を参照してその油圧回路の比
較例を先に説明する。
【0021】先ず、第7〜図10の第1比較例について
説明すると、図7に示す油圧回路は、無端ベルト25の
張力を保持してスリップを防止するための低圧側のライ
ン圧(以下PL圧という)と、ベルト式無段変速機のレ
シオを維持および変更するための高圧側のライン圧(以
下PH圧という)の制御を司るもので、この油圧回路に
設けられた各バルブは前記メインバルブボディ2とセカ
ンダリバルブボディ3の内部に配設される。
【0022】前記PL圧とPH圧は、オイルポンプ71
の吐出油圧をPB圧、PI圧、およびPM圧に基づいて
調圧することにより作られるものである。ここで、PB
圧はスロットル開度に応じて変化する圧力であって、図
8に示すように、スロットル開度が0/8から2/8ま
では直線的に増加し、スロットル開度が2/8を越える
と一定値に保持される特性を持つ。PI圧はレシオに応
じて変化する圧力であって、図9に示すように、レシオ
がLOW側からOD側に変化するに伴って直線的に減少
する特性を持つ。PM圧はPL圧を作る元圧となるもの
で、PH圧をモジュレータで所定値だけ減圧することに
より作られる。
【0023】符号72はPHレギュレータバルブであっ
て、オイルポンプ71の吐出油圧を前述のPB圧および
後述のPLC圧に基づいて調圧してPH圧を作るもので
ある。
【0024】符号73および74は第1PLコントロー
ルバルブおよび第2PLコントロールバルブであって、
前記PI圧、PB圧、およびその右側に設けたスプリン
グの設定により、前記PM圧を元圧としてそれぞれPL
1 圧およびPLC2 圧を作るものである。第1PLコ
ントロールバルブと第2PLコントロールバルブは直列
に接続され、PL圧を決定するためのPLC圧(PLC
1 圧あるいはPLC2圧)をスロットル開度とレシオの
応じて連続的に形成する。ここで、PB圧の受圧面積が
小さい第1PLコントロールバルブ73で作られるPI
1 圧はスロットル開度が2/8以上である時、すなわ
ちPB圧が高圧時の信号圧を決定し、PB圧の受圧面積
が大きい第2PLコントロールバルブ74で作られるP
IC2 はスロットル開度が0/8に近い時、すなわちP
B圧が低圧時の信号圧を決定する。
【0025】符号75はPLレギュレータバルブであっ
て、前記PIC1 圧あるいはPIC2 圧のいずれかであ
るPLC圧に基づき、前記PHレギュレータバルブで作
ったPH圧を調圧してPL圧を作るものである。
【0026】上記PHレギュレータバルブ72、第1P
Lコントロールバルブ73、第2PLコントロールバル
ブ74、およびPLレギュレータバルブ75により作ら
れるPH圧とPL圧は図10に示す特性をもつもので、
その特性については後から詳述する。
【0027】符号76はシフトバルブであって、PG
圧、PI圧、PA圧、およびシフトバルブスプリング7
1 の荷重により、PH圧とPL圧をドライブプーリ1
4の可動側プーリ半体16およびドリブンプーリ18の
可動側プーリ半体21に選択的に作用させてレシオを変
更すべく作用する。ここで、PG圧は元圧であるPH圧
をガバナで調圧して作られるもので、エンジンの回転数
に応じて増加する特性を有する。また、PA圧は元圧で
あるPM圧をスロットル開度に応じて調圧したもので、
前記PG圧が実際のエンジンの回転数に対応しているの
に対し、このPA圧は運転者の意思をアクセルペダルを
介して具体化したスロットル開度すなわち目標エンジン
回転数に対応している。
【0028】而して、シフトバルブ76を左位置に付勢
するPA圧とスプリング761 の荷重の和が、該シフト
バルブ76を右位置に付勢するPG圧とPI圧の和に釣
り合っているとき、シフトバルブ76は中立位置にあっ
てPL圧がドライブプーリ14およびドリブンプーリ1
8の両方に作用し、レシオは固定される。また、シフト
バルブ76が左位置に移動すると、ドライブプーリ14
に低圧のPL圧が作用するとともにドリブンプーリ18
に高圧のPH圧が作用し、レシオはLOW側に移動す
る。一方、シフトバルブ108が右位置に移動すると、
ドライブプーリ14に高圧のPH圧が作用するとともに
ドリブンプーリ18に低圧のPL圧が作用し、レシオは
OD側に移動する。
【0029】次に、前述の構成を備えた第1比較例の作
用について説明する。エンジンのクランクシャフト5に
トルクコンバータ6を介して接続されたミッション入力
軸7の回転は、駆動ギヤ37および従動ギヤ38を介し
てインプットシャフト10に伝達され、インプットシャ
フト10の回転はドライブプーリ14および無端ベルト
25を介してアウトプットシャフト13上に支持したド
リブンプーリ18に伝達される。一方、前記ミッション
入力軸7の回転は後退用ギヤ列45の第1中間ギヤ41
と第2中間ギヤ42を介してアウトプットシャフト13
上に支持したリバースギヤ44に伝達される。このと
き、アウトプットシャフト13上のドリブンプーリ18
とリバースギヤ44は相互に逆方向に回転するが、前進
用クラッチ46および後退用クラッチ47が係合しない
限り、その回転はいずれもアウトプットシャフト13に
伝達されない。
【0030】この状態から、アウトプットシャフト13
の内部に配設したフィードパイプ57、油路132 、お
よび油路481 を介して前進用クラッチ46の油室50
に圧油を供給すると、クラッチピストン49が左方向に
移動して摩擦板52を挟圧し、ドリブンプーリ18はク
ラッチガイド48を介してアウトプットシャフト13に
結合される。而してアウトプットシャフト13が駆動さ
れると、その回転は出力ギヤ59およびファイナルギヤ
64を介して差動装置62に伝達されて車両を前進駆動
する。一方、アウトプットシャフト13の内部に配設し
たフィードパイプ58、油路133 、および油路482
を介して後退用クラッチ47の油室54に圧油を供給す
ると、クラッチピストン53が右方向に移動して摩擦板
56を挟圧し、リバースギヤ44はクラッチガイド48
を介してアウトプットシャフト13に結合される。この
場合、リバースギヤ44はドリブンプーリ18とは逆方
向に回転しているため、アウトプットシャフト13は前
述とは逆方向に回転して車両は後退駆動される。
【0031】アイドリング時におけるシフトバルブ76
の左側にはアイドリング回転数に応じた低圧のPG圧お
よびPI圧が作用し、シフトバルブ76の右側にはアイ
ドリング時の低スロットル開度に対応する低圧のPA圧
が作用する。このとき、シフトバルブ76はシフトバル
ブスプリング761 の設定により左位置に移動してお
り、ドライブプーリ14に低圧のPL圧が作用するとと
もにドリブンプーリ18に高圧のPH圧が作用し、その
ベルト式無段変速機のレシオはLOWの状態にある。こ
こからアクセルペダルを踏み込むと、エンジンの回転数
が上昇してPG圧が高まり、PA圧に抗してシフトバル
ブ108を右位置に切り換える。その結果、ドライブプ
ーリ14に高圧のPH圧が作用するとともにドリブンプ
ーリ18に低圧のPL圧が作用し、レシオはLOW位置
からOD位置に向けて変速を開始する。
【0032】次に、図7と図10を参照しながらPH圧
とPL圧の特性について説明する。PL圧に対抗してレ
シオを維持および変更するためのPH圧は、常にPL圧
よりも大きい必要がある。これはPHレギュレータバル
ブ72で作ったPH圧をPLレギュレータバルブ75で
減圧してPL圧を作ることにより達成される。また、ス
ロットル開度が大きい時には伝達されるトルクも大きい
ため、無端ベルト25のスリップを防止するにはPH圧
およびPL圧をスロットル開度に応じて増加させる必要
があり、またレシオがLOW側に近づくほど伝達される
トルクが大きくなるため、前記PH圧およびPL圧を増
加させる必要がある。これは、PHレギュレータバルブ
72、第1PLコントロールバルブ73、および第2P
Lコントロールバルブ74の出力油圧を、スロットル開
度に連動するPB圧とレシオに連動するPI圧に応じて
増加させることにより達成される。
【0033】而して、図10において、スロットル開度
が2/8以上(高スロットル開度)の時のPH圧(A)
はスロットル開度が0/8(低スロットル開度)時のの
PH圧(B)よりも上側に位置し、且つスロットル開度
が2/8以上(高スロットル開度)の時のPL圧(C)
はスロットル開度が0/8(低スロットル開度)の時の
PL圧(D)よりも上側に位置することになる。また、
レシオに関しては、上記全ての特性(A)〜(D)がO
D側からLOW側に移行するにつれて高圧となる左上が
りの特性を持つことになる。
【0034】さて、本比較例では上記一般的な特性に加
えて、PH圧とPL圧の差圧をレシオおよびスロットル
開度に応じて更に精密に制御している。すなわち、高ス
ロットル開度時つまりドライブプーリ14側からドリブ
ンプーリ18側に駆動力の伝達が行われている時、無端
ベルト25は駆動側のドライブプーリ14に強く巻き付
くため、レシオは自動的にLOW側に移行する傾向にあ
る。したがって所望のレシオを得るためには、LOW側
における前記差圧ΔP1 は小さくても良く、逆にOD側
における前記差圧ΔP2 を大きく設定する必要がある。
【0035】また、低スロットル開度時すなわちエンジ
ンブレーキ時には、駆動力はドリブンプーリ18側から
ドライブプーリ14側に伝達されるため、無端ベルト2
5は駆動側となるドリブンプーリ18に強く巻き付き、
レシオは逆にOD側に移行する傾向にある。したがって
所望のレシオを得るためには、低スロットル開度時には
OD側における差圧ΔP4 をLOW側における差圧ΔP
3 よりも小さくする必要がある。しかも低スロットル開
度時には内燃機関の回転速度が低いため、OD側からL
OW側への変速速度が極めて遅くなることが実験的に知
られており、これを防止するためには低スロットル開度
時における前記差圧ΔP3 ,ΔP4 を高スロットル開度
時における差圧ΔP1 ,ΔP2 よりも大きく設定する必
要がある。
【0036】上記PH圧とPL圧の差圧の特性は次のよ
うにして得ることができる。すなわち、低スロットル開
度時におけるPL圧(D)は、OD側からLOW側に向
けて第2PLコントロールバルブ74に作用するPI圧
の作用で左上がりに増加するが、第2PLコントロール
バルブ74に作用するPI圧の受圧面積が小さいことか
ら前記左上がりの傾斜は小さなものとなる。一方、高ス
ロットル開度時におけるPL圧(C)は、OD側からL
OW側に向けて第1PLコントロールバルブ73に作用
するPI圧の作用で同じく左上がりに増加するが、第1
PLコントロールバルブ73に作用するPI圧の受圧面
積が大きいことから前記左上がりの傾斜は大きいものと
なる。その結果、OD側における(C)と(D)の差圧
aに比べてLOW側における(C)と(D)の差圧bは
大きくなる。
【0037】また、PHレギュレータバルブ72で作ら
れるPH圧も、レシオがOD側からLOW側の変化する
に伴って、第1PLコントロールバルブ73および第2
PLコントロールバルブ74で作られるPLC圧の作用
で左上がりに増加する。高スロットル開度時には、その
時に機能する第1PLコントロールバルブ73の作用に
よりLOW側におけるPLC圧の増加が大きいため、P
H圧(A)の左上がりの傾斜は大きくなるが、逆に低ス
ロットル開度時には、その時に機能する第2PLコント
ロールバルブ74の作用によりLOW側におけるPLC
圧の増加が小さいため、PH圧(B)の左上がりの傾斜
は小さくなる。したがって、OD側における(A)と
(B)の差圧cに比べてLOW側における(A)と
(B)の差圧dは大きくなる。
【0038】以上のことから、図10における(A)〜
(D)の特性が得られ、高スロットル開度時には(A)
と(C)の差圧をLOW側で小さいΔP1 とし、OD側
で大きいΔP2 として無端ベルト25がドライブプーリ
14に巻く付く傾向を規制することができ、低スロット
ル開度時には(B)と(D)の差圧をLOW側大きいΔ
3 とし、OD側で小さいΔP4 として無端ベルト25
がドリブンプーリ18に巻く付く傾向を規制することが
できる。そして、低スロットル開度時における(B)と
(D)の差圧ΔP3 ,ΔP4 を、高スロットル開度時に
おける(A)と(C)の差圧ΔP1 ,ΔP2 よりも大き
くし、レシオのLOW側への戻り速度を早めることがで
きる。
【0039】図11および図12は油圧回路の第2比較
例を示すもので、図12はその制御装置の油圧回路図、
図12はPH圧とPL圧の特性を示すグラフである。
【0040】図11に示すように、この比較例における
PHレギュレータバルブ77には、PB圧の他に、先の
第1比較例におけるPLC圧に代えてPI圧が信号圧と
して入力される。また、第1比較例における第1PLコ
ントロールバルブ73、第2PLコントロールバルブ7
4、およびPLレギュレータバルブ75の代わりに単一
のPLレギュレータバルブ78を備える。このPLレギ
ュレータバルブ78はPB圧により駆動されるスリーブ
781 を備え、このスリーブ781 は低スロットル開度
時には図の上半部の位置にあるが、高スロットル開度時
にはPB圧により図の下半部の位置に駆動される。
【0041】図12を併せて参照すると明らかなよう
に、PHレギュレータバルブ77により作られるPH圧
は、PB圧とPI圧により一義的に決定されるため、高
スロットル開度時におけるPH圧(A)と低スロットル
開度時におけるPH圧(B)は平行な2本の直線とな
る。一方、若しもPLレギュレータバルブ78のスリー
ブ781 が常に図の下半部の位置にあるとすると、低ス
ロットル開度時におけるPL圧は高スロットル開度時に
おけるPL圧(C)と平行な直線(D′)となる筈であ
る。しかしながら、実際には低スロットル開度時にはス
リーブ781 が上半部の位置にあるため、PI圧が遮断
されて低スロットル開度時におけるPL圧(D)はレシ
オのよらぬ一定圧となる。
【0042】而して、この第2比較例によるPH圧とP
L圧の差圧特性は図12にΔP1 ,ΔP2 ,ΔP3 ,Δ
4 で示すものとなり、第1比較例に近似した特性を簡
単な構成で得ることができる。
【0043】図13および図14は油圧回路の第3比較
例を示すもので、図13はその制御装置の油圧回路図、
図14はPH圧とPL圧の特性を示すグラフである。
【0044】図13に示すように、この実施例は第1比
較例と第2比較例を組み合わせたもので、第1比較例に
ける2個のPLコントロールバルブ73,74に類似の
第1PLコントロールバルブ79と第2PLコントロー
ルバルブ80を備えるとともに、第2比較例のものと同
一のPHレギュレータバルブ77を備えている。
【0045】したがって、図14に示すように、高スロ
ットル開度時におけるPH圧(A)と低スロットル開度
時におけるPH圧(B)は平行な2本の直線となる。ま
た、高スロットル開度時におけるPL圧(C)を決定す
る第1PLコントロールバルブ79はPI圧の受圧面積
が大きく形成されているため、その左上がりの傾斜が大
きくなる一方、低スロットル開度時におけるPL圧
(D)を決定する第2PLコントロールバルブ80はP
I圧の受圧面積が小さく形成されているため、その左上
がりの傾斜が小さくなる。その結果、図14に示す第3
比較例のPH圧とPL圧の差圧特性ΔP1 ,ΔP2 ,Δ
3 ,ΔP4 を、図10に示す第1比較例のものと略同
一することができる。
【0046】図15〜図17は本発明の第1実施例を示
すもので、図15はその制御装置の油圧回路図、図16
はPH圧の特性を示すグラフ、図17はPDN圧とPD
R圧の特性を示すグラフである。
【0047】前述の第1〜第3比較例において、車両が
停止する際にレシオが速やかに戻るように、低スロット
ル開度でのPH圧を高めに設定している(図10、図1
2、図14の(B)参照)。しかしながら、このような
高めのPH圧が必要とされるのは、図19に示すベルト
式無段変速機の変速特性において矢印で示す部分、すな
わちスロットル開度が0/8でOD側からLOW側に戻
る部分だけであり、しかも図20に示す実際にレシオ維
持に必要なPH圧(B1 )と図10に示す第1比較例の
もののPH圧(B)を比較すると分かるように、実際に
レシオ維持に必要なPH圧(B1 )はかなり小さいもの
であるため、常時高めのPH圧を発生させることはオイ
ルポンプ71に無用の負荷をかけ、そのフリクションや
燃費の点から好ましくない。そこで本実施例では、PH
圧を通常はレシオ維持のための必要最低限な低圧に保
ち、特にレシオをLOW側に戻す時にのみPH圧を上昇
させるようにしてレシオのLOW側への戻り速度を早め
るようにしている。
【0048】図15に示すように、オイルポンプ71に
接続されるPHレギュレータバルブ1は第2,3比較
例におけるPHレギュレータバルブ77と基本的に同一
の構造を備えている。記PHレギュレータバルブ
で調圧されたPH圧は、そのPH圧に基づいてPL圧を
作る適当なモジュレータMPL(例えば前記各比較例のバ
ルブ75,78,79・80)にも供給され、そこで作
られたPL圧と共にシフトバルブ76に送られ、そのシ
フトバルブ76からから各比較例と同様、PH圧とPL
圧とをドライブプーリ14とドリブンプーリ18とに選
択的に供給し得るように構成されている。
【0049】ところでレシオのLOW側への戻り速度を
早めたい時は内燃機関の目標回転速度に対してレシオ変
化が追随できない場合であるから、目標回転速度と実際
の回転速度の差が大きくてシフトバルブ76が大きく動
いている時である。すなわち、図17の左半部に示すよ
うに、レシオがLOW側に変化する時にPDN圧(ドリ
ブンプーリ18の可動側プーリ半体21に作用する圧力
で、PH圧>PDN圧>PL圧)がPH圧に向けて増加
するが、そのPDN圧がPH圧に近づいたこと(即ちP
DN圧とPH圧の差圧が所定値以下になったこと)をA
点において検出してPDN圧をPH′圧まで上昇させて
やれば、レシオのLOW側への戻りを早めることができ
る。
【0050】前記PHレギュレータバルブ91には、P
B圧をPBアップバルブ86により昇圧させたPB′圧
を伝達し得るようになっている。PBアップバルブ86
は、本発明の切換バルブを構成するものであって、通常
はPB圧をそのままPHレギュレータバルブ91に伝達
して、PH圧をレシオ維持のための必要最低限な低圧に
保つが、PH圧を高める必要がある時に前記PB圧を
PM圧に近いPB′圧まで高めてPHレギュレータバル
ブ91に伝達し、以てPH圧を高めるように機能する。
そのために、PBアップバルブ86のスプールの右端お
よび左端にはそれぞれPH圧とPDN圧が作用し、その
PDN圧が上昇してPH圧に近づき差圧が所定値以下に
なるとスプールを右方向に駆動してPB′圧を上昇させ
る。
【0051】前記PDN圧の油路にはPDNカットバル
ブ87が介装される。このPDNカットバルブ87はレ
シオがLOW側に戻り切った時にPDN圧をカットして
PH圧を通常の値に戻すためのもので、そのスプールの
右端に作用するPI圧の油路にはオリフィス88、チェ
ックバルブ89、およびアキュムレータ90が設けられ
る。
【0052】本実施例によれば、高スロットル開度時に
PB圧の増加によりPHレギュレータバルブ91のスリ
ーブ911 が右方向に移動するため、PI圧がスプール
に作用してPH圧(A)に左上がりの特性を与える。一
方、低スロットル開度時にはPB圧の減少によりスリー
ブ911 が左方向に移動してPI圧を遮断するため、P
H圧(B)はレシオすなわちPI圧によらず必要圧(B
1 )に近い一定圧となる。
【0053】さて、スロットル開度を減少させて車両を
減速する際、PBアップバルブ86のスリーブの右端に
作用するPH圧は次第に低下するのに対し、レシオがO
D側からLOW側に変化することによりスリーブの左端
に作用するPDN圧が前述のように上昇する。そして、
スロットルが閉じられてPB圧が0kg/cm2になった時、
PDN圧が上昇してPH圧との差圧が2kg/cm2以下に低
下するとPBアップバルブ86のスプールが右方向に移
動し、PBアップバルブ86が出力する信号圧としての
PB′圧はPM圧に次第に近づき、最終的に前記差圧が
0kg/cm2まで低下するPB′圧はPM圧に近い4kg/c
m2まで増加する。而して、前記PB′圧がPHレギュレ
ータバルブ91に作用すると、そのPHレギュレータバ
ルブ91が出力するPH圧は図18の(B)から
(B3 )に一時的に上昇する。
【0054】このようにしてレシオがLOW側に戻り切
ると、PI圧が上昇してPDNカットバルブ87のスプ
ールを左向きに駆動し、PBアップバルブ86に伝達さ
れるPDN圧を遮断する。これにより、PBアップバル
ブ86のスプールがPH圧により左向きに駆動されてP
B′圧はPB圧(0kg/cm2)と等しくなり、その結果P
Hレギュレータバルブ91が出力するPH圧は再び減少
する。このとき、PI圧の油路に設けたオリフィス8
8、チェックバルブ89、およびアキュムレータ90
は、PI圧の上昇を遅らせてレシオが完全にLOW側の
戻り切るまでPDN圧をPBアップバルブ86に作用さ
せるとともに、レシオが完全にLOW側に戻り切った後
はPI圧を速やかに低下させるように機能する。
【0055】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求
の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の小
設計変更を行うことが可能である。
【0056】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の特徴によれ
ば、低スロットル開度時には高圧側のライン圧をレシオ
維持のための必要圧近くに保ち、またスロットル開度の
減少によりレシオがオーバドライブ側からロー側に戻る
は、ドリブンプーリに実際に作用するドリブンプーリ
圧と前記高圧側のライン圧との差圧が所定値以下になっ
たときに、該高圧側のライン圧を上昇させるようにした
ので、低スロットル開度状態においてライン圧を発生さ
せるための負荷の軽減を図りながら、スロットルを閉じ
てレシオをロー側に変化させる過程でのみ高圧側のライ
ン圧を上昇させてレシオのロー側への移行を速やかに行
うことができる。また本発明では、特にレシオをロー側
へ戻す時に高圧側のライン圧がドリブンプーリ側へ供給
される点に着目し、その供給に伴い上昇変化するドリブ
ンプーリ圧が該ライン圧に近づいたこと(即ちその差圧
が所定値以下になったこと)を検出して該ライン圧を増
加補正するようにしているため、前記差圧に基づく簡単
な制御構成で最適な時期にライン圧を的確に昇圧させる
ことが可能であり、制御系のコストの節減や信頼性向上
に寄与することが出来る。
【0057】また本発明の第2の特徴によれば、一端部
にドリブンプーリ圧が、また他端部に高圧側のライン圧
がそれぞれ作用する切換バルブを備え、この切換バルブ
は、オイルポンプの吐出油圧を高圧側のライン圧に調圧
するPHレギュレータバルブに対して、前記差圧が所定
値以下になったときに、高圧側のライン圧を上昇させる
ための信号圧を出力するので、前記差圧に応動する上記
切換バルブの作動により、レシオをロー側へ戻す時のラ
イン圧の昇圧時期の制御を容易且つ的確に行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用の動力伝達装置を示す図2〜図5の配置
【図2】図1のA部拡大図
【図3】図1のB部拡大図
【図4】図1のC部拡大図
【図5】図1のD部拡大図
【図6】図1の6方向矢視図
【図7】第1比較例による制御装置の油圧回路図
【図8】スロットル開度に対するPB圧の特性を示すグ
ラフ
【図9】レシオに対するPI圧の特性を示すグラフ
【図10】レシオおよびスロットル開度に対するPH圧
とPL圧の特性を示すグラフ
【図11】第2比較例による制御装置の油圧回路図
【図12】レシオおよびスロットル開度に対するPH圧
とPL圧の特性を示すグラフ
【図13】第3比較例による制御装置の油圧回路図
【図14】レシオおよびスロットル開度に対するPH圧
とPL圧の特性を示すグラフ
【図15】本発明の実施例による制御装置の油圧回路図
【図16】レシオおよびスロットル開度に対するPH圧
の特性を示すグラフ
【図17】シフトバルブストロークに対するPDN圧と
PDR圧の特性を示すグラフ
【図18】従来のPH圧とPL圧の特性を示すグラフ
【図19】ベルト式無段変速機の変速特性を示すグラフ
【図20】低スロットル開度における必要PH圧を示す
グラフ
【符号の説明】
14・・ドライブプーリ 18・・ドリブンプーリ 25・・無端ベルト 76・・シフトバルブ(選択供給手段) PH・・高圧側のライン圧 PL・・低圧側のライン圧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮崎 哲史 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−28738(JP,A) 特開 昭62−196450(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 61/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溝幅を変更可能なドライブプーリ(1
    4)およびドリブンプーリ(18)と、両プーリ(1
    4,18)間に巻き掛けた無端ベルト(25)と、無端
    ベルト(25)の伝達トルクを決定する低圧側のライン
    圧(PL)をスロットル開度に応じて発生させる第1ラ
    イン圧発生手段と、前記両プーリ(14,18)のレシ
    オを維持および変更する高圧側のライン圧(PH)をス
    ロットル開度に応じて発生させる第2ライン圧発生手段
    と、前記両プーリ(14,18)に低圧側のライン圧
    (PL)と高圧側のライン圧(PH)を選択的に作用さ
    せる選択供給手段(76)とを備えたベルト式無段変速
    機の制御装置において、 低スロットル開度時には高圧側のライン圧(PH)をレ
    シオ維持のための必要圧近くに保ち、またスロットル開
    度の減少によりレシオがオーバドライブ側からロー側に
    戻る間は、ドリブンプーリ(18)に実際に作用するド
    リブンプーリ圧(PDN)と高圧側のライン圧(PH)
    との差圧が所定値以下になったときに、該高圧側のライ
    ン圧(PH)を上昇させる手段を備えたことを特徴とす
    る、ベルト式無段変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記手段は、一端部にドリブンプーリ圧
    (PDN)が、また他端部に高圧側のライン圧(PH)
    がそれぞれ作用する切換バルブ(86)を有しており、
    この切換バルブ(86)は、オイルポンプ(71)の吐
    出油圧を高圧側のライン圧(PH)に調圧するPHレギ
    ュレータバルブ(91)に対して、前記差圧が所定値以
    下になったときに、高圧側のライン圧(PH)を上昇さ
    せるための信号圧を出力することを特徴とする、請求項
    1に記載のベルト式無段変速機の制御装置。
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