JP2805543B2 - すべり軸受 - Google Patents

すべり軸受

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JP2805543B2 JP29271690A JP29271690A JP2805543B2 JP 2805543 B2 JP2805543 B2 JP 2805543B2 JP 29271690 A JP29271690 A JP 29271690A JP 29271690 A JP29271690 A JP 29271690A JP 2805543 B2 JP2805543 B2 JP 2805543B2
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Description

【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明はすべり軸受、特に、ライニング層上に、境界
層を介してPb−Sn−In合金よりなる表面層を有するすべ
り軸受の改良に関する。
この種すべり軸受は、主として内燃機関におけるクラ
ンクシャフトのジャーナル部、コンロッドの大端部等に
適用される。
(2) 従来の技術 従来、前記すべり軸受の製造に当っては、例えばライ
ニング層上に、Pb−Sn合金層とIn単体層(またはIn−Sn
合金層)とを電気メッキにより順次形成して軸受素材を
製作し、次いで、その素材に熱拡散処理を施す、といっ
た方法が採用されている。
前記熱拡散処理によって、Pb−Sn−In合金よりなる表
面層が形成され、その際、InおよびSnの偏析によって境
界層が形成される。
(3) 発明が解決しようとする課題 本発明者等は前記境界層について種々検討を加えた結
果、その境界層は表面層の耐剥離性、強度等に直接影響
を与える重要なファクタであり、その境界層の構成要素
であるSn−In偏析物の金属組織的形態の如何によって、
すべり軸受の耐焼付き性が大いに左右されることを究明
した。
本発明はこのような観点よりなされたもので、前記境
界層の構成要素であるSn−In偏析物の金属組織的形態を
特定することによって、耐焼付き性を大幅に向上させ得
るようにした前記すべり軸受を提供することを目的とす
る。
B.発明の構成 (1) 課題を解決するための手段 本発明は、ライニング層上に、境界層を介してPb−Sn
−In合金よりなる表面層を有するすべり軸受において、
前記境界層の少なくとも前記表面層との界面側を、52重
量%以上のSnを含有するSn−In固溶体より構成したこと
を特徴とする。
(2) 作用 前記のように、境界層の少なくとも表面層との界面側
を特定量のSnを含有するSn−In固溶体より構成すると、
そのSn−In固溶体が表面層との密着性が良いことに起因
して表面層の耐剥離性が高められる。またSn−In固溶体
は表面層を構成するPb−Sn−In合金の組成バランスを崩
すことがないので、表面層の強度、耐食性等の低下が回
避される。
これにより、すべり軸受の耐焼付き性を大幅に向上さ
せることが可能である。
たゞし、Sn−In固溶体におけるSn含有量が52重量%未
満になると、そのSn含有量が共晶点である49%に近似す
るため、Sn−In固溶体の耐熱性が低下して、結果的にす
べり軸受の耐焼付き性が悪化する。
(3) 実施例 第1,第2図において、すべり軸受1は、エンジンにお
けるクランクシャフトのジャーナル部、コンロッドの大
端部等に適用されるもので、第1および第2半体11,12
よりなる。両半体11,12は同一構造を有し、裏金2の相
手部材との摺動面側に順次、ライニング層3、Niメッキ
バリヤ層4、境界層5および表面層6を形成したもので
ある。必要に応じて、裏金2およびライニング層3間に
はCuメッキ層が形成され、またライニング層3および境
界層5間のNiメッキバリヤ層4を省くこともある。
裏金2は圧延鋼板より構成され、その厚さはすべり軸
受1の設定厚さにより決められる。ライニング層3はC
u、Cu合金、Al、Al合金等より構成され、その厚さは50
〜500μm、通常は300μm程度である。境界層5はSn−
In偏析物より構成され、その厚さは2μm以下である。
また表面層6はPb−Sn−In合金より構成され、その厚さ
は5〜50μm、通常は20μm程度である。
表面層6を構成するPb−Sn−In合金は、2〜12重量%
のSn、1〜10重量%のInおよび残部Pbといった組成を有
する。
この種すべり軸受1、したがって半体11,12の製造に
当っては、第3図に示すようにライニング層3上に、Ni
メッキバリヤ層4を介してPb−Sn合金層7と、In単体層
8とを電気メッキにより順次形成して軸受素材10を製作
し、次いでその素材10に熱拡散処理を施すものである。
Pb/Sn合金層7を形成するためのメッキ液としては、 ホウフッ化鉛Pb(BF4 ……150g/ ホウフッ化スズSn(BF4 ……25g/ ホウフッ酸HBF4 ……50g/ ハイドロキノン ……2g/ ゼラチン ……1g/ ペプトン ……1g/ β−ナフトール ……1g/ よりなる溶液が用いられ、電気メッキにおける電流密度
は1〜10A/dm2に設定される。
In単体層8を形成するためのメッキ液としては、 ホウフッ化インジウムIn(BF4 ……200g/ ホウフッ化アンモニウムNH4BF4 ……35g/ ホウ酸H3BO3 ……20g/ ホウフッ酸(HBF4) ……20g/ よりなる溶液が用いられ、電気メッキにおける電流密度
は5〜10A/dm2に設定される。
またIn単体層8を形成するための他のメッキ液として
は、アルカリシアンメッキ液である、 塩化インジウムInCl3 ……50g/ シアン化カリウムKCN ……150g/ 水酸化カリウムKOH ……40g/ デキストリン ……30g/ よりなる溶液が用いられ、電気メッキにおける電流密度
は1〜10A/dm2に設定される。
熱拡散処理は、処理温度120〜200℃、処理時間10〜70
分間の条件下に、軸受素材10を保持してPb−Sn合金層7
およびIn単体層8間に金属相互拡散を生じさせるもの
で、この処理によりPb−Sn−In合金よりなる表面層6が
形成され、その際InおよびSnの偏析によって境界層5が
形成される。この場合、Pb、Sn、Inのライニング層3側
への拡散はNiメッキバリヤ層4によって阻止される。
前記と同一構成の複数の軸受素材10を製作し、熱拡散
処理における処理温度を150℃に設定すると共に処理時
間を種々変えてすべり軸受I〜VIIを得た。
表Iは、各すべり軸受I〜VIIにおける前記処理時間
と境界層5を構成するSn−In偏析物との関係を示す。こ
の場合の境界層5の厚さは0.5μmである。
表中、In3Ni2およびInSn4は金属間化合物である。
表IIはすべり軸受III、IV、VIIのX線回折結果を示
す。この結果は、JCPDS(ジョイント・コミッティ・パ
ウダ・ディフラクト・スタンダーズ)による。
すべり軸受IIIの境界層5は、表IIよりSn−In固溶体
より構成され、またすべり軸受IVの境界層5は、表IIよ
りSn−In固溶体と金属間化合物In3Ni2とより構成され、
さらにすべり軸受VIIの境界層5は、表IIより二種の金
属間化合物InSn4およびIn3Ni2より構成されることが判
る。第4図はすべり軸受VIIにおける境界層5のX線回
折図である。
表IIIは、各すべり軸受I〜VIIのテスト結果を示す。
実機テストは、各すべり軸受を、4サイクル内燃機関
におけるコンロッドの大端部に適用し、機関回転数をゼ
ロから8000rpmまで上昇させ、これを10回繰返すことに
より行われた。
単体テストは、回転軸に各すべり軸受を摺擦させ、そ
のすべり軸受に対する負荷荷重を漸次増加させることに
より行われた。
単体テスト条件は次の通りである。回転軸の材質 JI
S S48C材に窒化処理を施したもの、回転軸の回転数 60
00rpm、給油温度 120℃、給油圧力 3kg/cm2、負荷荷
重 1kg/sec。
表IIIの単体テストにおける数値は、すべり軸受IIIの
焼付き発生面圧を100として表わしてある。
第5図は、単体テストを行った場合の各すべり軸受I
〜VIIにおける境界層5のSn含有量と焼付き発生面圧と
の関係を示す。
表IIIおよび第5図より、すべり軸受II〜IVは優れた
耐焼付き性を示すことが明らかであり、このような好結
果を得るためには境界層5の少なくとも表面層6側を、
52重量%以上のSnを含有するSn−In固溶体より構成する
ことが必要である。
その理由は、特定量のSnを含有するSn−In固溶体は表
面層6との密着性が良いため表面層6の耐剥離性が高め
られ、またSn−In固溶体は表面層6を構成するPb−Sn−
In合金の組成バランスを崩すことがないので、表面層6
の強度、耐食性等の低下が回避されるからである。
耐焼付き性向上の観点より、Sn−In固溶体におけるSn
含有量の上限値は68重量%に設定され、好ましいSn含有
量は54重量%以上、66重量%以下である。
すべり軸受IVの境界層5は金属間化合物In3Ni2を含ん
でいるが、表面層6との界面側はSn−In固溶体より構成
され、一方、In3Ni2はNiメッキバリヤ層4の界面側に形
成されている。この金属間化合物In3Ni2はすべり軸受の
耐焼付き性には何等影響を与えない。
すべり軸受Iの境界層5はSn−In固溶体より構成され
ているが、その固溶体におけるSn含有量は50重量%であ
って共晶点49重量%に近似しており、その結果、すべり
軸受Iは境界層5におけるSn含有量の不足に起因して耐
熱性が低く、結果的にすべり軸受II〜IVに比べて耐焼付
き性が劣る。
すべり軸受V〜VIIの境界層5においては、Sn含有量
が68重量%を上回っており、それに起因して金属間化合
物InSn4が生成され、そのInSn4が表面層6の密着性を弱
め、また表面層6を構成するPb−Sn−In合金の組成バラ
ンスを崩して表面層6の強度、耐食性等を低下させてい
る。その結果、すべり軸受V〜VIIの耐焼付き性が悪化
するのである。
C.発明の効果 本発明によれば、ライニング層および表面層間に存す
る境界層の構成を前記のように特定することによって、
耐焼付き性を大幅に向上させたすべり軸受を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1,第2図はすべり軸受を示し、第1図は分解平面図、
第2図は第1図II−II線断面図、第3図は第2図に対応
する軸受素材の断面図、第4図はX線回折図、第5図は
境界層のSn含有量と焼付き発生面圧との関係を示すグラ
フである。 1……すべり軸受、3……ライニング層、5……境界
層、6……表面層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−20915(JP,A) 特開 昭56−96088(JP,A) 特開 昭56−51589(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C25D 5/00 - 7/12 F16C 33/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ライニング層上に、境界層を介してPb−Sn
    −In合金よりなる表面層を有するすべり軸受において、
    前記境界層の少なくとも前記表面相との界面側を、52重
    量%以上のSnを含有するSn−In固溶体より構成したこと
    を特徴とするすべり軸受。
  2. 【請求項2】前記Sn−In固溶体におけるSn含有量の上限
    値を68重量%に設定した、第(1)項記載のすべり軸
    受。
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