JP2804982B2 - 二相ステンレス鋼遠心力鋳造管の製造方法 - Google Patents

二相ステンレス鋼遠心力鋳造管の製造方法

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JP2804982B2 JP16325792A JP16325792A JP2804982B2 JP 2804982 B2 JP2804982 B2 JP 2804982B2 JP 16325792 A JP16325792 A JP 16325792A JP 16325792 A JP16325792 A JP 16325792A JP 2804982 B2 JP2804982 B2 JP 2804982B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二相ステンレス鋼の遠
心力鋳造管を製造する方法に関し、更に詳しくは、重量
%にて、窒素が0.2〜0.5%を含む二相ステンレス
鋼の遠心力鋳造管を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼の中でも、二相ステンレス
鋼(オーステナイト−フェライト系ステンレス鋼)は、
耐食性が優れるのみならず、引張強さや伸びが大きく、
応力腐食割れ抵抗性が大きい等、種々の利点を有するた
め、それらの利点を活かした種々の用途が開発されてい
る。かかる二相ステンレス鋼のうちでも窒素が適量添加
されたものにおいては、添加された窒素が強力なオース
テナイト生成元素として作用し、その窒素が合金元素と
して高価なニッケルの代用となる上、耐食性や靭性等が
一層向上するため、窒素が適量添加された二相ステンレ
ス鋼の遠心力鋳造管は、製紙用ロールのスリーブ等のよ
うに耐食性等が特に要求される環境の下で使用される筒
状体として有効に利用されている。尚、窒素の含有量が
0.2%(重量%、以下同じ)より少ないと、前記耐食
性等を向上させる効果が生じない一方、窒素の含有量が
0.5%を越えると、組織がオーステナイト相のみにな
り易くて二相ステンレス鋼としての前記利点が活かせな
くなるので、前記二相ステンレス鋼における窒素の含有
量は、0.2〜0.5%に限定するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然るに、窒素が或る程
度以上添加された二相ステンレス鋼(具体的には、鋼中
の窒素含有量が0.2%以上となるように窒素が添加さ
れたもの)よりなる筒状体を遠心力鋳造する場合におい
ては次に述べるような問題があった。即ち、前記筒状体
においては、その鋳造過程で、最終凝固層となる内周部
に窒素が偏析するようになり、その窒素の偏析に起因し
て、前記内周部に引け巣やガスポロシティ等の欠陥が発
生し易い(特に、引け巣が発生し易い)という問題があ
った。このような欠陥は、前記筒状体が厚肉の場合に、
その冷却時間がより多くかかるようになるため、特に生
じ易かった。また、製品における前記引け巣やガスポロ
シティ等の欠陥の発生部分を、例えば、内面機械加工に
よって除去するとすれば、製品歩留りが、例えば40〜
50%と非常に悪くなるという問題があった。本発明
は、かかる実情に着目してなされたものであり、上述し
た如き問題を解消し得る手段を提供することを目的とし
ている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る遠心力鋳造
方法(以下、本発明方法という)は、遠心力鋳造用の金
型内へ鋳込口から溶湯を注湯した後、その鋳込口を閉鎖
し、然る後、前記金型内へ不活性ガス又は窒素ガスを供
給して前記金型内を2〜5kgf/cm2に加圧し、前
記金型を回転させながら前記溶湯を凝固させることを特
徴としている。
【0005】
【作用】本発明方法によれば、溶湯が注湯され且つ鋳込
口が閉鎖された金型内へ、不活性ガス又は窒素ガスが供
給されて、その金型内が加圧された状態となるため、そ
の加圧力が遠心力に加わって溶湯を内側から押圧するよ
うに作用し、前記内周部における引け巣やガスポロシテ
ィ等の発生が抑えられるようになる。尚、前記金型内の
圧力が2kgf/cm2より少ないと、前記押圧の作用
が十分に生じないようになる一方、その圧力が5kgf
/cm2を越えると、製品内部に高圧ガスが満ちている
ガスポロシティ等が発生し、そのガス圧による内部応力
が発生して強度上の問題が生じる場合がある。従って、
前記金型内の圧力は2〜5kgf/cm2となるように
限定した。
【発明の効果】かくして、本発明方法によれば、遠心力
鋳造される製品の内周部に、引け巣やガスポロシティ等
の欠陥が発生することが抑えられるようになり、製品品
質が向上するようになる。また、前記欠陥を除去すべく
鋳造品の内周部に機械加工等を施すこととした場合で
も、その歩留りが従来よりも向上するようになる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1には、本発明方法の実施に使用する縦型遠心
力鋳造装置が示されており、図中の1は、底付き円筒状
の金型(内径:1230mm×有効長さ:4128m
m)である。
【0007】前記金型1は、その上部に鋳込口2が開口
形成され、その底部に回転駆動源3との連結部4が形成
され、その連結部4が前記回転駆動源3の出力部に伝動
連結された状態で、縦軸周りに回転自在に担持されてい
る。
【0008】前記鋳込口2には、シール状態に施蓋自在
な蓋体5が、上方から着脱自在に施蓋されるようになっ
ている。その蓋体5には、配管6の端部(その端部に
は、開閉弁6aが介装されている)が、それらの各管路
を前記施蓋の状態で金型1内に連通させるべく取り付け
られている。その配管6は、前記金型1内へ不活性ガス
(具体的には、アルゴンガス)を供給するために不活性
ガス供給源(図外)に通じる管路を形成するものであ
る。尚、その配管6は、前記金型1の回転中にその回転
を妨げないように、その管路が途中(具体的には、前記
開閉弁6aのガス供給源側近傍)で分離できるように構
成されている。
【0009】かかる構成の鋳造装置を用いて本発明方法
を実施する場合、先ず、金型1内に鋳込口2から溶湯が
注湯される(鋳込温度:1650℃、鋳込重量:115
00kg)。その溶湯は、鋳込み前の脱炭処理の過程で
窒素ガスを導入する(例えば、酸素とアルゴンの混合ガ
スを溶湯に吹き込んで強い溶湯攪拌下で脱炭を行うAO
D処理の過程でAOD炉内へ窒素ガスを導入する)こと
により、窒素が適量添加された二相ステンレス鋼の溶湯
(例えば、C:0.02%、Si:0.8%、Mn:
0.6%、Cr:25.7%、Ni:4.0%、Mo:
2.5%、Cu:2.0%、N:0.30%となるよう
に成分調整された溶湯)である。尚、前記溶湯への窒素
添加手段としては、鋳造過程における溶湯に窒化クロム
等の窒素供給源を混入させるという手段を採用してもよ
い。然る後、鋳込口2に蓋体5をシール状態に装着した
後、前記ガス供給源及びそれからの配管6を用いて、金
型1内へ前記不活性ガスを供給することにより、金型1
内を、圧力:2〜5kgf/cm2(例えば、3kgf
/cm2)に加圧した後、前記配管6の開閉弁6aを閉
じ、且つ、その管路を分離して前記ガス源側の配管6を
金型1側から切り離す。然る後、前記溶湯を収容した金
型1を、前記回転駆動源3の駆動力によって、所定の回
転条件(回転数:980rpm、Gナンバー:100)
で回転させ、前記溶湯を凝固させることにより、遠心力
鋳造を行って前記二相ステンレス鋼遠心力鋳造管(鋳放
し寸法は、外径:1200mm×内径:1000mm×
長さ:4100mm)を鋳造する。尚、鋳造後の製品の
冷却は、前記金型1内を大気圧に減圧した上で行う。
【0010】かかる本発明方法によれば、溶湯を収容し
た金型1内へは、不活性ガスが供給されてその金型1内
が加圧状態となるため、その加圧力が遠心力に加わって
溶湯を押圧するようになり、前記遠心力鋳造管の内周部
における引け巣やガスポロシティ等の欠陥の発生が抑え
られるようになる。
【0011】本実施例においては、前記遠心力鋳造管の
製造後に、その鋳造管に対し、外周部の機械加工を施す
と共に、前記欠陥を除去するための内周部の機械加工
(内径片肉:10mmを除去する旋盤加工)を施すこと
とした(仕上寸法は、外径:1180mm×内径:10
20mm×長さ:4000mm)。そして、その加工後
の製品の内周部を浸透探傷することにより、製品の内周
面欠陥を検査したが、その内周面欠陥は全く認められな
かった。従って、欠陥のない製品の歩留りは79%とな
り、従来の歩留り:40〜50%に比して大幅に向上す
ることが分かった。
【0012】次に、別実施例について説明する。前記金
型1内を加圧するのに、上述の実施例においては、前記
金型1内へ不活性ガスを供給することとしたが、前記金
型1内へ窒素ガスを供給して前記金型1内を加圧しても
よい。
【0013】本発明は、二相ステンレス鋼の遠心力鋳造
管を製造する方法に関するものであったが、窒素を適量
含有するオーステナイト系ステンレス鋼の遠心力鋳造管
を製造する場合においても、上述の如く、溶湯を注湯し
た金型内へ不活性ガス又は窒素ガスを供給して金型内を
加圧することが有効である。
【0014】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の実施に使用する装置を示す縦断面
【符号の説明】
1 金型 2 鋳込口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−35622(JP,A) 特開 昭52−119420(JP,A) 特開 平6−612(JP,A) 特公 昭44−20609(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 13/00 B22D 13/02 B22D 13/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%にて、窒素が0.2〜0.5%を
    含む二相ステンレス鋼の遠心力鋳造管を製造する方法で
    あって、 遠心力鋳造用の金型(1)内へ鋳込口(2)から溶湯を
    注湯した後、その鋳込口(2)を閉鎖し、然る後、前記
    金型(1)内へ不活性ガス又は窒素ガスを供給して前記
    金型(1)内を2〜5kgf/cm2に加圧し、前記金
    型(1)を回転させながら前記溶湯を凝固させる二相ス
    テンレス鋼遠心力鋳造管の製造方法。
JP16325792A 1992-06-23 1992-06-23 二相ステンレス鋼遠心力鋳造管の製造方法 Expired - Lifetime JP2804982B2 (ja)

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