JP2804944B2 - 高い硬度を有する装飾用純白金の製造方法 - Google Patents

高い硬度を有する装飾用純白金の製造方法

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節子 井嶋
洋 三浦
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井島貴金属精錬株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高い硬度を有する装飾
用純白金の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、指輪、ブローチ、ネツクレ
ス、カフスボタン、ネクタイピン、イヤリング、時計
枠、眼鏡枠等の装飾品として、装飾用純白金は、その銀
白色の品格のある光沢等から合金元素を添加せずに純白
金を装飾品に用いることが望まれている。しかしなが
ら、純白金は、その硬度がビッカース硬度40程度で、
装飾材料としては低く、かつ軟らかいので装飾品に用い
た場合、傷がつきやすく、また変形しやすいという問題
があった。それを解決するための従来技術として、P
d、Ni、Ru、Si、Ge、Mo、Mn、Cu、C
o、あるいはTi等の合金化元素を含有させ、その硬度
を向上させた装飾用白金合金が提案されている。またさ
らに、上記のように各種合金元素を含有させた白金合金
を熱処理等を施し、硬度を向上させ、傷つきにくく、ま
た変形しにくいものとしていた。
【0003】また、従来の装飾用材料のとしての白金、
または白金合金の製造は、真空中または不活性ガス雰囲
気中で溶解し、これを鋳造しているものである。そして
白金は融度が1770℃以上と金、銀と比べて高いの
で、溶解、鋳造時の不純物による品質劣化を生じさせな
いために、溶解るつぼには、高純度アルミナ、ジルコニ
アを用いる等の配慮を行い、また鋳型にも配慮がなされ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術におけ
る、硬度を向上させるために合金化元素を含有させた装
飾用白金合金においては、その硬度は向上されるが、純
白金の品格のある独特の光沢、輝き、および純白金を装
飾品に用いるという願望には対応することができなかっ
た。また、鋳造状態では所望の硬度が得られないもので
あった。また、従来の白金または白金合金の製造では、
その溶解、鋳造に材質を劣化させないよう配慮がなされ
ているが、白金の硬度を改善することについての配慮が
なされているものではなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためのもので、原材料としての白金に、0.01
〜0.10wt%の炭素を添加し、これを溶解し、鋳造
することを特徴とする高い硬度を有する装飾用純白金の
製造方法である。また、本発明は、原材料としての白金
に、0.01〜0.10wt%の炭素を添加し、これを
真空溶解し、次いで真空鋳造であることを特徴とする高
い硬度を有する装飾用純白金の製造方法である。また本
発明は、原材料としての白金に添加する炭素が、好まし
くは、0.03〜0.08wt%であり、さらに好まし
くは、0.04〜0.07wt%であることを特徴とす
る上記高い硬度を有する装飾用純白金の製造方法であ
る。また本発明は、原材料としての白金に添加する炭素
が、コークス、黒鉛、木炭、竹炭、椰子のカーボンある
いはダイヤモンドの1種または2種以上であることを特
徴とする上記高い硬度を有する装飾用純白金の製造方法
である。本発明において、原材料としての白金に、0.
01〜0.10wt%の炭素を添加するとは、白金10
0wt%に0.01〜0.10wt%の炭素を加えるこ
とである。
【0006】本発明は、原材料としての白金は、高純度
白金を用いるもので、特に、99.9wt%以上の高純
度の白金を用いるものである。本発明において、添加す
る炭素であるコークス、黒鉛、木炭あるいは竹炭は粒
状、粉状で用いられる。また、ダイヤモンドは粉状のも
のが用いられる。これらの添加は、るつぼに原材料とし
ての白金とともに入れて溶解してもよく、あるいは原材
料としての白金が溶解した後、これらを添加してもよ
い。溶解、鋳造は、真空溶解、真空鋳造が好ましく、ま
た、溶解は、例えば高周波溶解炉により行なわれ、溶解
るつぼとしては、例えば高純度アルミナ(Al23)、
ジルコニア(ZrO2)を用いるものである。
【0007】
【作用】本発明においては、原材料としての白金に0.
01〜0.10wt%の炭素を添加し、これを溶解、鋳
造することにより、装飾用純白金として純度を悪くする
ものではなく、かつ鋳造状態でも、加工状態でも高い硬
度を有するもので、装飾用純白金として、傷がつきにく
く、また変形しにくいものが得られる。また、白金は炭
素を合金化すると加工性が劣化するといはれているが、
本発明の製造方法では装飾用純白金として必要な加工性
を有するものである。。
【0008】本発明において、炭素の添加量は、0.0
1〜0.10wt%、好ましくは0.03〜0.08w
t%であり、さらに好ましくは、0.04〜0.07w
t%である。その添加量が、0.01wt%未満では硬
度向上に効果なく、0.01〜0.10wt%、好まし
くは0.03〜0.08wt%であり、さらに好ましく
は、0.04〜0.07wt%添加によって硬度が向上
する。この硬度の向上は鋳造状態でも、加工状態でも、
またこれらを加熱した状態でも従来のものより硬度が向
上する。また0.10%を越えると、加工性が劣化し、
装飾用材料には適さないものである。また、本発明にお
いる添加量の範囲では、装飾用純白金の純度が悪くなる
ものではなく、炭素についても不可避不純物として認識
される以上は存在しないものである。本発明において、
炭素としてコークス、黒鉛、木炭、竹炭、ダイヤモンド
を用いるものであるが、いずれの成分も純度を悪くする
ことなく、加工状態、鋳造状態でもその硬度が向上し、
またそれにろう付け等で熱を加えても、高い硬度を有し
ているものである。特に鋳造状態での硬度向上にはコー
クスが好ましい。即ち本発明においては、装飾用純白金
として所望の高い硬度を有し、かつ装飾用純白金として
の品質を有するものである。
【0009】装飾用材料は、鋳放しで、板材線材に加工
して、装飾品の加工時のろう付で、それぞれ高い硬度が
要求されるものであるが、本発明においては、装飾用純
白金として高い硬度について、指輪などのリングの鋳造
品として用いるものでは、鋳造状態(鋳放し)で、従来
のものに比べて高い硬度を有している。またネックレス
などの打ち抜き品では、溶解、鋳造して得られたインゴ
ットを鍛造、圧延又は引抜き加工した状態で用いるが、
このような加工状態でも高い硬度を有している。また、
装飾品の加工時、ろう付で600〜1000℃程に加熱
されるが、加熱による硬度の低下は生じるものの、それ
でも高い硬度を保持しており、装飾用純白金として、傷
がつきにくく、また変形しにくいものが得られるもので
ある。
【0010】
【実施例】本発明の実施について以下に示す。原材料と
して白金500gに、炭素として、コークス、黒鉛、木
炭、ダイヤ粉を添加し、これを真空中(50〜75mm
Hg)で高周波溶解炉を用い、1770〜1840℃で
溶解し、次いで真空中で黒鉛或るいは銅の鋳型に鋳造し
た。なお、高周波溶解炉を用いての溶解であるために、
溶解中に攪拌されるものである。[表1]〜[表3]
は、原材料としての白金純度wt%、炭素添加量wt
%、並びに、製造された装飾用純白金の純度wt%、鋳
造状態、加工状態の硬度(HV)を示したもので、炭素
として添加するものの添加量を変え、それぞれの性質を
示したものである。
【0011】[表1][表2]は、加工状態及びそれを
焼鈍したものの硬度を示したものである。なお、[表
1][表2]の「加工状態」はインゴットを熱間鍛造
し、ついで冷間で圧延又は引き抜き加工した状態のもの
である。また「焼鈍」は、炉中で加熱昇温させ、600
℃に1分保持したものである。この[表1][表2]か
ら明らかなように、炭素の添加を行わない比較例に較
べ、加工状態での硬度がいずれの試料でも大巾に向上し
ている。また、焼鈍により硬度は低下するが、それでも
かなり高い硬度を保持している。即ち、この実施例では
600℃に加熱昇温させ、1分間保持するという条件で
のものであるが、高い硬度を保持しているものである。
特に、試料番号8、12においてはHV100以上の硬
度を保持している。
【0012】[表3]は、鋳造状態及びそれをろう付け
したときの硬度を示したものである。なお、[表3]の
「鋳造状態」は、ロストワックス鋳造した状態のもので
あり、「ろう付け」は600℃でろう付けしたものであ
る。[表3]から明らかなように、鋳造状態でも比較例
に較べ、硬度が向上している。特に試料14、15、1
6では大巾に向上している。そしてろう付け後も、ほと
んど硬度の変化はみられず、その後の加工を行うことを
考えても、装飾用材料として優れているものである。な
お、データにろう付け後に硬度が向上し多ものもあり、
バラツキがあるもののろう付けによる硬度の変化がない
ことを示していると言えるものである。
【表1】
【表2】
【表3】
【0013】いずれの場合も[表1][表2][表3]
から明らかなように、本発明によって製造された装飾用
純白金は高純度であり、そして従来品に較べ、硬度(H
V)が向上しているものである。そしてほとんどの試料
でHV85以上の硬度を有しているものである。また、
炭素の添加量も0.01〜0.10wt%範囲の添加に
よって硬度が向上するものである。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の製造方法
によれば、装飾用純白金として、鋳造状態、加工状態の
いずれでも高い硬度を有し、かつ装飾用純白金としての
品質を有するものである。即ち装飾用純白金の硬度が大
巾に向上することにより、装飾品に傷がつきがたく、変
形しがたいものである。また装飾用純白金として必要な
加工性を備えているので、装飾品に細かい加工を行うこ
とができるものである。そして装飾品の加工時のろう付
で600℃〜1000℃程度に加熱されるが、それによ
っても硬度の低下もないものである。特に、指輪などの
リングのように鋳造品として用いる場合に高い硬度を有
しているという効果を奏するものである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 1/02 C22C 5/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原材料としての白金に、0.01〜0.
    10wt%の炭素を添加し、これを溶解し、次いで鋳造
    することを特徴とする高い硬度を有する装飾用純白金の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 溶解、鋳造が、真空溶解、真空鋳造であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の高い硬度を有する
    装飾用純白金の製造方法。
  3. 【請求項3】 原材料としての白金に添加する炭素が、
    コークス、黒鉛、木炭、竹炭あるいはダイヤモンドの1
    種または2種以上であることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の高い硬度を有する装飾用純白金の製造方
    法。
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