JPH1060556A - 金合金及びその製造方法 - Google Patents
金合金及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH1060556A JPH1060556A JP21842596A JP21842596A JPH1060556A JP H1060556 A JPH1060556 A JP H1060556A JP 21842596 A JP21842596 A JP 21842596A JP 21842596 A JP21842596 A JP 21842596A JP H1060556 A JPH1060556 A JP H1060556A
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- Japan
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- gold
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 純金よりも硬質で、しかも純金と同等の高級
感、色調を持つ高品位金合金を得る。 【解決手段】 NiおよびCoが合計で0.06重量%
以上、Geが0.03重量%以上含まれ、Ni、Coお
よびGeの合計含有量が1重量%以下であり、残部が実
質的にAuである硬質化金合金。また、NiおよびCo
が合計で0.06重量%以上、Geが0.03重量%以
上含まれ、Ni、CoおよびGeの合計含有量が1重量
%以下であり、残部が実質的にAuである合金を、必要
であれば700〜800℃の温度で溶体化処理した後、
200〜500℃の温度において10〜60分の時効処
理を施し硬質化することを特徴とする金合金の製造方
法。
感、色調を持つ高品位金合金を得る。 【解決手段】 NiおよびCoが合計で0.06重量%
以上、Geが0.03重量%以上含まれ、Ni、Coお
よびGeの合計含有量が1重量%以下であり、残部が実
質的にAuである硬質化金合金。また、NiおよびCo
が合計で0.06重量%以上、Geが0.03重量%以
上含まれ、Ni、CoおよびGeの合計含有量が1重量
%以下であり、残部が実質的にAuである合金を、必要
であれば700〜800℃の温度で溶体化処理した後、
200〜500℃の温度において10〜60分の時効処
理を施し硬質化することを特徴とする金合金の製造方
法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、指輪、ネックレ
ス、時計等の装飾品や、ペン先、歯科材料、医療器具、
電子機器、測定機器等に用いるための硬質化した金合金
とその製造方法に関し、さらに詳しくは、少量成分の添
加により純金特有の光沢、金属色、美しさ、重量感、高
級感を失わずに硬さを高めた高品位の金合金とその製造
方法に関する。
ス、時計等の装飾品や、ペン先、歯科材料、医療器具、
電子機器、測定機器等に用いるための硬質化した金合金
とその製造方法に関し、さらに詳しくは、少量成分の添
加により純金特有の光沢、金属色、美しさ、重量感、高
級感を失わずに硬さを高めた高品位の金合金とその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高品位の金合金は軟質であるため、高品
位金の装飾品は加工時、使用時に傷が付きやすく、本来
の高級感を維持するのが困難である。例えば、純金イン
ゴットはマイクロビッカース硬度HVが25程度であ
る。そこで、指輪やネックレスなどの金装飾品には銀
(Ag)、銅(Cu)などを25〜40重量%添加して
硬化した、いわゆる18Kや14Kなどが用いられてき
た。
位金の装飾品は加工時、使用時に傷が付きやすく、本来
の高級感を維持するのが困難である。例えば、純金イン
ゴットはマイクロビッカース硬度HVが25程度であ
る。そこで、指輪やネックレスなどの金装飾品には銀
(Ag)、銅(Cu)などを25〜40重量%添加して
硬化した、いわゆる18Kや14Kなどが用いられてき
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、いわゆる18
Kや14Kなどは純金と比べるとその光沢、金属色、美
しさ、重量感、高級感等が劣っていた。
Kや14Kなどは純金と比べるとその光沢、金属色、美
しさ、重量感、高級感等が劣っていた。
【0004】そこで、本発明は、純金よりも硬質で、し
かも純金と同等の高級感、色調を持つ高品位金合金を得
ることを目的とする。
かも純金と同等の高級感、色調を持つ高品位金合金を得
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
行った結果、金(Au)に、ニッケル(Ni)およびコ
バルト(Co)を合計で0.06重量%以上、ゲルマニ
ウム(Ge)を0.03重量%以上含有させ、かつN
i、CoおよびGeの合計含有量を1重量%以下とし
た、残部が実質的に金からなる合金によって、硬質でし
かも純金装飾材と同等の高級感、色調をもつ高品位金合
金が得られることを見いだした。
行った結果、金(Au)に、ニッケル(Ni)およびコ
バルト(Co)を合計で0.06重量%以上、ゲルマニ
ウム(Ge)を0.03重量%以上含有させ、かつN
i、CoおよびGeの合計含有量を1重量%以下とし
た、残部が実質的に金からなる合金によって、硬質でし
かも純金装飾材と同等の高級感、色調をもつ高品位金合
金が得られることを見いだした。
【0006】すなわち、本発明の金合金は、Niおよび
Coが合計で0.06重量%以上、Geが0.03重量
%以上含まれ、Ni、CoおよびGeの合計含有量が1
重量%以下であり、残部が実質的にAuであることを特
徴とする。
Coが合計で0.06重量%以上、Geが0.03重量
%以上含まれ、Ni、CoおよびGeの合計含有量が1
重量%以下であり、残部が実質的にAuであることを特
徴とする。
【0007】また、本発明の金合金の製造方法は、Ni
およびCoが合計で0.06重量%以上、Geが0.0
3重量%以上含まれ、Ni、CoおよびGeの合計含有
量が1重量%以下であり、残部が実質的にAuである合
金を、200〜500℃の温度において10〜60分の
時効処理を施し硬質化することを特徴とする。
およびCoが合計で0.06重量%以上、Geが0.0
3重量%以上含まれ、Ni、CoおよびGeの合計含有
量が1重量%以下であり、残部が実質的にAuである合
金を、200〜500℃の温度において10〜60分の
時効処理を施し硬質化することを特徴とする。
【0008】また、本発明の他の金合金の製造方法は、
NiおよびCoが合計で0.06重量%以上、Geが
0.03重量%以上含まれ、Ni、およびGeの合計含
有量が1重量%以下であり、残部が実質的にAuである
合金を、700〜800℃の温度で溶体化処理した後、
200〜500℃の温度において時効処理を施し硬質化
することを特徴とする。
NiおよびCoが合計で0.06重量%以上、Geが
0.03重量%以上含まれ、Ni、およびGeの合計含
有量が1重量%以下であり、残部が実質的にAuである
合金を、700〜800℃の温度で溶体化処理した後、
200〜500℃の温度において時効処理を施し硬質化
することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の金合金におけるNi、C
oおよびGeは、軟質の純金を硬化させるために添加さ
れ、これら3成分が添加された相乗効果として金合金が
硬化する。NiおよびCoの合計含有量は0.06重量
%以上が、Geの含有量は0.03重量%以上が必要で
ある。NiおよびCoの合計含有量が0.06重量%未
満、または、Geが0.03重量%未満では、硬化の効
果が十分に得られないからである。また、Ni、Coお
よびGeの合計含有量は、1重量%以下が必要である。
Ni、CoとGeの合計含有量が1重量%を超えると、
硬化はするものの、金の品位が低下する。
oおよびGeは、軟質の純金を硬化させるために添加さ
れ、これら3成分が添加された相乗効果として金合金が
硬化する。NiおよびCoの合計含有量は0.06重量
%以上が、Geの含有量は0.03重量%以上が必要で
ある。NiおよびCoの合計含有量が0.06重量%未
満、または、Geが0.03重量%未満では、硬化の効
果が十分に得られないからである。また、Ni、Coお
よびGeの合計含有量は、1重量%以下が必要である。
Ni、CoとGeの合計含有量が1重量%を超えると、
硬化はするものの、金の品位が低下する。
【0010】本発明の金合金は、時効処理を施すことで
より一層硬質になる。時効処理は低温であるほど硬質に
なると考えられるが、低温の時効処理ほどある硬度を得
るためには長時間を要するので生産上好ましくない。そ
のため、時効処理の温度は200℃以上が好ましい。ま
た500℃よりも高い温度で時効処理を施すと、時効硬
化が得られない。そのため、時効処理の温度は500℃
以下が好ましい。
より一層硬質になる。時効処理は低温であるほど硬質に
なると考えられるが、低温の時効処理ほどある硬度を得
るためには長時間を要するので生産上好ましくない。そ
のため、時効処理の温度は200℃以上が好ましい。ま
た500℃よりも高い温度で時効処理を施すと、時効硬
化が得られない。そのため、時効処理の温度は500℃
以下が好ましい。
【0011】時効処理の時間は、組成、時効処理温度に
より異なるが、一般に10分未満では効果が少なく、6
0分で充分であるので、10〜60分の範囲で適宜選択
すればよい。
より異なるが、一般に10分未満では効果が少なく、6
0分で充分であるので、10〜60分の範囲で適宜選択
すればよい。
【0012】また、大きな鋳造品など溶質元素の偏析が
多くみられる鋳造品では時効硬化が十分に得られない場
合があるため、時効処理の前に溶体化処理を施し、溶質
元素の偏析を消失させることにより時効硬化を十分発揮
させることができる。溶体化温度は溶質元素が金中に固
溶する温度で行うが、より高温で行う方が短時間で溶体
化できるので生産上好ましい。そのため、組成によって
最適な温度は異なるが、一般に溶体化温度は700〜8
00℃とすればよい。
多くみられる鋳造品では時効硬化が十分に得られない場
合があるため、時効処理の前に溶体化処理を施し、溶質
元素の偏析を消失させることにより時効硬化を十分発揮
させることができる。溶体化温度は溶質元素が金中に固
溶する温度で行うが、より高温で行う方が短時間で溶体
化できるので生産上好ましい。そのため、組成によって
最適な温度は異なるが、一般に溶体化温度は700〜8
00℃とすればよい。
【0013】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
する。まず、高周波真空溶解炉でNi、CoまたはGe
の各元素を1重量%含有したAu−Ni系、Au−Co
系およびAu−Ge系の母合金を作製し、これら母合金
と純金(純度99.99%)とを原料とした。次に所定
の組成となるように配合した原料を、高周波真空溶解炉
で溶解鋳造し、表1、表2に示す組成の金合金を作製し
た。これらのインゴットに各温度で時効処理を施し(実
施例1〜実施例6、比較例1〜比較例4)、また、各温
度で溶体化処理をした後に各温度で時効処理を施し(実
施例7〜実施例9)、時効前のインゴットと、各時効時
間における硬さ(マイクロビッカース硬度、荷重:20
0gf)を測定した。純度99.99重量%の純金の硬
さとともに、結果を表1、2に示す。
する。まず、高周波真空溶解炉でNi、CoまたはGe
の各元素を1重量%含有したAu−Ni系、Au−Co
系およびAu−Ge系の母合金を作製し、これら母合金
と純金(純度99.99%)とを原料とした。次に所定
の組成となるように配合した原料を、高周波真空溶解炉
で溶解鋳造し、表1、表2に示す組成の金合金を作製し
た。これらのインゴットに各温度で時効処理を施し(実
施例1〜実施例6、比較例1〜比較例4)、また、各温
度で溶体化処理をした後に各温度で時効処理を施し(実
施例7〜実施例9)、時効前のインゴットと、各時効時
間における硬さ(マイクロビッカース硬度、荷重:20
0gf)を測定した。純度99.99重量%の純金の硬
さとともに、結果を表1、2に示す。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】表1、表2より本発明の金合金は時効処理
後、純金(純度99.99重量%)および比較例1〜4
に比べ、著しく硬化していることがわかる。
後、純金(純度99.99重量%)および比較例1〜4
に比べ、著しく硬化していることがわかる。
【0017】なお、本発明の金合金は、光沢、金属色、
美しさ、重量感、高級感等は純金と全く変わらないもの
である。
美しさ、重量感、高級感等は純金と全く変わらないもの
である。
【0018】
【発明の効果】本発明の装飾品用金材料は純金よりも硬
質なことに加え合金成分が少量であるので、傷が付きに
くく純金のもつ高級感、色調を損なわない特性を有す
る。また、圧延等の加工処理することなく鋳造後の熱処
理によって硬質の高品位金合金を製造できるので、デザ
インの自由度が高まり、複雑な形状の金装飾品の製造が
可能になる。
質なことに加え合金成分が少量であるので、傷が付きに
くく純金のもつ高級感、色調を損なわない特性を有す
る。また、圧延等の加工処理することなく鋳造後の熱処
理によって硬質の高品位金合金を製造できるので、デザ
インの自由度が高まり、複雑な形状の金装飾品の製造が
可能になる。
Claims (6)
- 【請求項1】 NiおよびCoが合計で0.06重量%
以上、Geが0.03重量%以上含まれ、Ni、Coお
よびGeの合計含有量が1重量%以下であり、残部が実
質的にAuであることを特徴とする金合金。 - 【請求項2】 NiおよびCoが合計で0.06重量%
以上、Geが0.03重量%以上含まれ、Ni、Coお
よびGeの合計含有量が1重量%以下であり、残部が実
質的にAuである、時効硬化した金合金。 - 【請求項3】 NiおよびCoが合計で0.06重量%
以上、Geが0.03重量%以上含まれ、Ni、Coお
よびGeの合計含有量が1重量%以下であり、残部が実
質的にAuであり、200〜500℃の温度において1
0〜60分の時効処理が施されて硬質化した金合金。 - 【請求項4】 NiおよびCoが合計で0.06重量%
以上、Geが0.03重量%以上含まれ、Ni、Coお
よびGeの合計含有量が1重量%以下であり、残部が実
質的にAuであり、700〜800℃の温度で溶体化処
理された後、200〜500℃の温度において10〜6
0分の時効処理が施されて硬質化した金合金。 - 【請求項5】 NiおよびCoが合計で0.06重量%
以上、Geが0.03重量%以上含まれ、Ni、Coお
よびGeの合計含有量が1重量%以下であり、残部が実
質的にAuである合金を、200〜500℃の温度にお
いて10〜60分の時効処理を施し硬質化することを特
徴とする金合金の製造方法。 - 【請求項6】 NiおよびCoが合計で0.06重量%
以上、Geが0.03重量%以上含まれ、Ni、Coお
よびGeの合計含有量が1重量%以下であり、残部が実
質的にAuである合金を、700〜800℃の温度で溶
体化処理した後、200〜500℃の温度において時効
処理を施し硬質化することを特徴とする金合金の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21842596A JPH1060556A (ja) | 1996-08-20 | 1996-08-20 | 金合金及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21842596A JPH1060556A (ja) | 1996-08-20 | 1996-08-20 | 金合金及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1060556A true JPH1060556A (ja) | 1998-03-03 |
Family
ID=16719719
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21842596A Pending JPH1060556A (ja) | 1996-08-20 | 1996-08-20 | 金合金及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1060556A (ja) |
-
1996
- 1996-08-20 JP JP21842596A patent/JPH1060556A/ja active Pending
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