JP2804515B2 - 中空糸膜束を備えてなる医療器具の製法 - Google Patents

中空糸膜束を備えてなる医療器具の製法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、中空糸膜型体液処理装置の製法に関する。
特に、中空糸膜束を備える人工循環装置の製法におい
て、中空糸膜内面のコーティング処理を特殊な方法で行
なうことによる前記人工循環装置の製法に関する。
[従来の技術] 従来、中空糸膜内面のコーティング方法としては、中
空糸膜内へ、コーティング処理ポリマー溶液を入れ、気
体吹き込みにより余分なポリマー溶液を吹き出し、乾燥
することによりコーティング処理する方法が、一般的に
用いられいた。
然し乍ら.このような従来のコーティング処理方法に
あっては、吹き出されたポリマー溶液が、中空糸膜束の
ポッテイング端面にたまったり、不均一にコーティング
されたり、中空糸端にポリマーが詰まり、中空糸が閉塞
してしまうという問題があった。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、このような従来技術の問題点を省みて成さ
れたものであり、中空糸が閉塞せず、且つ端面が均一に
コーティング処理できる中空糸内面のコーティング処理
法で、人工肺等の人工循環装置を製造する方法を提供す
ることを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明の要旨とするものは、複数の中空糸膜からなる
中空糸膜束を筒状容器内に備えてなる医療器具の製法で
あって、中空糸膜束を該筒状容器内に収納し;中空糸膜
束の両端部を隔壁形成部材により前記容器の両端部内面
に固定し;その後、各中空糸膜内部に、該中空糸膜内面
をコーティングすべき物質の溶液を、該中空糸膜の一端
より導入し;前記の一端より気体を吹き入れて、前記溶
液を該中空糸膜内面に展着し;乾燥することにより、該
中空糸膜内面に前記物質をコーティングする工程を有
し;前記溶液の量を、前記中空糸膜の一端より気体を吹
き入れる際に、該溶液が該中空糸膜内面のほぼ全面に展
着しうる量以下の量に設定し、該溶液の導入と吹き入れ
の処理を、少なくとも1回行なうことを特徴とする中空
糸膜束を備えてなる医療器具の製法である。その場合、
コーティング溶液の量は、気体の吹き入れの際に、該溶
液が該中空糸膜の他端より漏出しない量であることが好
適である。また、そのコーティング溶液の量が、気体の
吹き入れの際に、該溶液が該中空糸膜内面のほぼ半分を
展着する量であることが好適である。そして、その中空
糸膜の他端より、同様に、該溶液を導入し、気体を吹き
入れる工程を含んでなる方法が好適である。
本発明によると、中空糸膜の閉塞やポッティング部端
面の不均一なコーティングの解決法は、中空糸膜束ポッ
ティング部より、一定量、即ち・空気を吹き込んでも他
端から溶液が出ない量、のポリマー溶液を、中級糸膜内
面に入れ、気体を吹き込むことにより達成される。
即ち、中空糸膜を内蔵してなる人工肺等の人工循環装
置の製法であり、中空糸膜内面に、抗血栓性を付与する
ために、抗血栓性材料をコーティングする際に、従来は
抗血栓性材料の溶液で中空糸膜内を満たした後に、中空
糸膜端部から空気を吹き込んで、余分な溶液を吹き飛ば
していた。然し乍ら、この方法によると、溶液で満たし
た側と反対側のコーティングが不均一になったり、ま
た、中空糸膜端部が抗血栓性材料で閉塞するという問題
があった。そこで、本発明の作製法では、溶液で中空糸
膜内を満たさず、中空糸膜内面をコーティングするに充
分な量或いはそれ以下の量の溶液のみを中空糸膜内に導
入し、その後、同様に空気を吹き込みコーティングする
という方法と取ったことにより、上記の問題の解決を図
ろうとした。
即ち、導入した溶液には、余分な量の溶液がないため
に、反対側の中空糸膜端部から導入された余分な溶液が
飛び散るという問題がなくなり、結果として、反対側端
面が汚れたりすることがなくなり、従来の問題の解決し
た製法が得られたものである。
使用するコーティング用のポリマーは、種類を問わな
いが、コーティング溶液が高い粘度になると、吹き込み
難くなるので、使用するコーティング溶液の濃度を下げ
て、粘度を落とすか、吹き込む気体の量を上げる必要が
ある。また、コーティング用ポリマーを溶解する溶媒
も、特徴に種類を問わないが、溶媒としては、エタノー
ル、クロロホルム、ベンゼン、クロロベンゼン、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン等を用いることができる。
吹き込む気体も、溶媒の蒸発を妨げないものであれ
ば、如何なるものであっても使用できる。
使用する気体の量は、使用するコーティング用ポリマ
ー溶液の粘度、量、中空糸膜の内径、長さ等のパラメー
タにより、その最適量が、変化する。従って、吹き込む
気体の量は、以上のパラメータを考慮して、決めること
が大切である。
[作用] 本発明によるコーティング方法では、一定量の、即
ち、空気等の気体を吹き込んでも他端から出ない程度の
量の、コーティング用のポリマー溶液を、中空糸膜内部
に、導入することにより、従来のように、コーティング
ポリマー溶液が、反対側の中空糸膜束ポッティング部よ
り吹き出ることがない。
次に本発明による中空糸膜を備える人工肺の作製方法
を、第1図a、b、cの説明図によって説明する。
中空糸膜束1を両端部で固定部材2で固定した中空糸
膜束部材7を一端の面(即ち、A面)を、コーティング
用ポリマー溶液3を収納したシャーレ4に浸すと、この
ポリマー溶液3は中空糸内部に表面張力により入る(第
1図a)。
次に、その中空糸膜束部材7を上下ひっくり返して、
上部の端面Aに、空気吹き込み用ポート5を付けて(第
1図b)、第1図cに示すように、端面Aから、中空糸
内部に空気を吹き込むと、内部に入れられたポリマー溶
液3は、中空糸内部を他の端面Bへ向かって展着してい
く。
次に、所望により、端面Bを、第1図に示すものと同
様に、コーティング用ポリマー溶液3に浸し、中空糸内
部に入れ、中級糸膜束部材7を再び上下ひっくり返し
て、空気を吹き込み処理する。
次に、本発明による人工循環器の製造方法を、具体例
により説明するが、本発明は、次の説明に限定されるも
のではない。
[実施例1] 親水化処理した中空糸膜型人工肺(膜面積0.8m2)の
中空糸膜固定部(ポリウレタン)端面(即ち、A面)
を、2%ポリプロピレンオキシドセグメント化ナイロン
610のぎ酸・2−プロパノール(7:3)溶液7mlの入った
シャーレに漬け、該ポリマー溶液を吸わせた後に、直ち
に、空気吹き込み用ポートを付けて、40/分の流量で
空気を吹き込みながら、60℃のオーブン中で2時間乾燥
した。この操作により、中空糸膜の全長の1/2強が、コ
ーティングされた。コーティング形成の確認は、ポリマ
ー溶液にオーラミンを加えて、着色して、調べた。
もう一方の端面に対しても、同様の操作をすることに
より、中空糸膜内面全体に、該ポリマーをコーティング
することができ、端面の不均一コーティングや中空糸膜
の閉塞は、見られなかった。
本実施例により作製コーティングされた中空糸膜束の
内面及びポッティングスライス面の表面状態を示す走査
電子顕微鏡写真を第3図a及びbに各々示す。即ち、作
製された中空糸膜内面の表面状態を示す第3図aは、1
0、000倍の倍率の顕微鏡写真であり、ポッティングスラ
イス面の表面状態を示す第3図bは、25倍の倍率の顕微
鏡写真である。これにより、本発明によりコーティング
作製された人工循環装置の中空糸膜端面の表面には、従
来法により作製された場合の第2図の写真に見られるよ
うな不均一コーティングや閉塞が見られないことが分か
った。即ち、第2図は、従来法によりコーティングポリ
マー溶液を導入し、気体吹き込みで作製した中空糸膜束
のウレタン面の走査電子顕微鏡写真を示す。これは、ウ
レタン面の表面状態を観察するために25倍の倍率で写し
た写真であり、表面には、コーティング不均一部分や閉
塞部分が観察される。
[実施例2] 実施例1と同様の人工肺を使用し、コーティングポリ
マーとして、2%ポリテトラメチレンオキシド セグエ
ント化ナイロン610を用いて、実施例1と同様の操作を
行なうことによって、実施例1と同様の処理法により、
中空糸膜内面に該ポリマーをコーティングした。顕微鏡
観察すると、端面の不均一なコーティングや中空糸膜の
閉塞は、見られなかった。
[発明の効果] 本発明の人工循環装置の製法は、特定した方法で、中
空糸膜内面にポリマーをコーティングすることにおい
て、ポリマーを吹き込むことによりコーティングしよう
としたものであるから、 第1に、従来の吹き込み法のように、端面が不均一に
コーティングされたり、中空糸膜がポリマーで閉塞して
しまうということがない人工循環装置の製法を提供する
こと、 第2に、簡便で操作の容易な製造工程で、中空糸膜束
の端面が、均一にコーティングされた人工循環装置が作
製されること、 などの著しい技術的効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図a、b、cは、本発明の製法による中空糸膜を備
える人工循環装置を作製する操作手順の1例を示す説明
図である。 第2図は、従来法によりコーティングされたウレタンス
ライス面の表面の粒子構造を示す走査電子顕微鏡写真で
ある。 第3図a、bは、本発明による実施例1で作製コーティ
ングされた中空糸膜内面及びポッティングスライス面の
各々の表面の粒子構造を示す走査電子顕微鏡写真であ
る。 [主要部分の符号の説明] 1……中空糸、2……中空糸膜固定部 3……ポリマー溶液 4……受け皿(シャーレ) 5……空気吹き込み用ポート 6……オーブン、7……中空糸膜束部材
フロントページの続き (72)発明者 遠藤 史朗 静岡県富士市大淵2656番地の1 テルモ 株式会社内 (72)発明者 中野 正吾 静岡県富士市大淵2656番地の1 テルモ 株式会社内 (72)発明者 柏木 延好 静岡県富士市大淵2656番地の1 テルモ 株式会社内 (72)発明者 緒方 直哉 東京都杉並区阿佐谷北6―29―6 (72)発明者 讃井 浩平 東京都世田谷区若林4―29―8 (72)発明者 由井 伸彦 東京都日野市日野台2―3―22 (72)発明者 片岡 一則 東京都練馬区小竹町2―40―102 (72)発明者 岡野 光夫 千葉県市川市国府台6―12―9―101 (72)発明者 桜井 靖久 東京都杉並区永福3―17―6 (56)参考文献 特開 昭59−64056(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61M 1/18 500,525

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の中空糸膜からなる中空糸膜束を筒状
    容器内に備えてなる医療器具の製法であって、 該中空糸膜束を該筒状容器内に収納し; 該中空糸膜束の両端部を隔壁形成部材により前記容器の
    両端部内面に固定し;その後、 前記各中空糸膜内部に、該中空糸膜内面をコーティング
    すべき物質の溶液を、該中空糸膜の一端より導入し; 前記一端より気体を吹き入れて、前記溶液を該中空糸膜
    内面に展着し;乾燥することにより、該中空糸膜内面に
    前記物質をコーティングする工程を有し; 前記溶液の量を、前記中空糸膜の一端より気体を吹き入
    れる際に、該溶液が該中空糸膜内面のほぼ全面に展着し
    うる量以下の量に設定し、該溶液の導入と吹き入れの処
    理を、少なくとも1回行なうことを特徴とする、中空糸
    膜束を備えてなる医療器具の製法。
  2. 【請求項2】前記溶液の量は、気体を吹き入れる際に、
    該溶液が該中空糸膜の他端より漏出しない量である請求
    項1に記載の製法。
  3. 【請求項3】該溶液の量が、気体の吹き入れの際に、該
    溶液が該中空糸膜内面のほぼ半分を展着する量である請
    求項1又は2に記載の製法。
  4. 【請求項4】該中空糸膜の他端より、同様に、該溶液を
    導入し、気体を吹き入れる工程を含んでなる請求項1乃
    至3のいずれかに記載の製法。
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