JP2804489B2 - 航空機の除雪、防氷処理液の回収処理方法 - Google Patents

航空機の除雪、防氷処理液の回収処理方法

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JP2804489B2 JP28607888A JP28607888A JP2804489B2 JP 2804489 B2 JP2804489 B2 JP 2804489B2 JP 28607888 A JP28607888 A JP 28607888A JP 28607888 A JP28607888 A JP 28607888A JP 2804489 B2 JP2804489 B2 JP 2804489B2
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【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は航空機の除雪、防氷処理により生じる排液中
に含まれている防氷剤を濃縮、回収して除雪、防氷処理
に再利用するとともに凝縮液を無害化する航空機の除
雪、防氷処理液の回収処理方法に関する。
(従来の技術) 航空機は大気中を飛行するため、飛行中に水滴や雪氷
が機体に付着すると、氷結して操縦に支障をきたし、事
故の原因となる。また寒冷地では陸上で機体に雪積し、
離陸の際や飛行中に氷結して操縦に支障が生じる。この
ような障害を防止するために、航空機を整備する際に、
例えば、エチレングリコールとプロピレングリコール、
またはヂエチレングリコールとプロピレングリコールな
どの水溶性有機化合物からなる防氷剤を含む高温の水溶
液を機体に散布して、機体上の雪氷を溶解して除去する
とともにこの防氷液を機体に付着させて、機体面の積雪
や氷結を防止している。しかし航空機の除雪、防氷処理
によって生じる除雪、防氷処理液の散布処理排液には、
機体に付着していた雪氷の溶解水または、除雪、防氷の
予備処理として機体に散布した高温水の排水などが含ま
れ、防氷液が希釈されている。したがって、除雪、防氷
処理の排液中の防氷剤液はそのまま回収しても再使用で
きず、防氷液を濃縮しなければならない。
そして従来、航空機の防氷剤を含む水溶液を使用して
除雪、防水処理を行なった際に生じる排液はそのまま廃
棄するか、または蒸発濃縮して防氷液を回収し、その際
生じる凝縮液はそのまま廃棄または希釈して廃棄してい
た。そのため、防氷剤の損失を招き、また環境汚染を引
き起こすなどの問題があった。
(発明が解決しようとする課題) 従来は、航空機に除雪、防氷処理した排液中に含まれ
ている防氷剤を廃棄し、防氷剤の損失を招き、また環境
汚染を引き起す問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、航空機を
防氷剤を含む水溶液を使用して除雪、防氷処理を行なっ
た際に生じる排液を濃縮し、排液中の防氷剤を回収し、
除雪、防氷処理に再利用することができるようにすると
ともに、同時に発生する防氷剤を含む凝縮液を無害化
し、防氷剤の損失を防止するとともに凝縮液の廃棄に伴
う環境汚染の問題、障害を解決した航空機の除雪、防氷
処理液の回収処理方法を提供するものである。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明の航空機の除雪、防氷処理液の回収処理方法
は、航空機の除雪、防氷処理により生じる防氷剤を含む
排液を加熱蒸発工程にて濃縮し、この加熱蒸発工程にて
同時に発生する水蒸気と一部の防氷剤蒸気の混合蒸気を
冷却して生じる凝縮液を防氷剤を排除して水を透過さ
せ、または防氷剤を透過させ水を排除する膜を用いた膜
処理工程により防氷剤液を無害化された水と分離処理し
て防氷剤を濃縮し、この膜処理工程により濃縮した防氷
液を前記加熱蒸発工程に還流させて回収することを特徴
とするものである。
請求項2に記載の発明の航空機の除雪、防氷処理液の
回収処理方法は、膜処理工程により濃縮された防氷剤を
含む濃縮液またはこの濃縮液に防氷剤を含む排液の一部
を混合した液を加熱蒸発工程の発生蒸気に散布して洗浄
することを特徴とするものである。
(作用) 本発明の航空機の除雪、防氷処理液の回収処理方法
は、航空機の除雪、防氷処理により生じる防氷剤を含む
排液は、加熱蒸発工程にて濃縮して防氷剤を回収し、こ
の加熱蒸発工程にて同時に発生する水蒸気と一部の防氷
剤蒸気の混合蒸気を冷却して生じる凝縮液中の防氷剤を
膜処理工程により無害化された水と分離処理し、この膜
処理工程により分離された防氷剤液を前記加熱蒸発工程
に還流させて回収するものである。
請求項2に記載の発明の航空機の除雪、防氷処理液の
回収処理方法は、膜処理工程により濃縮された防氷剤を
含む濃縮液またはこの濃縮液に防氷剤を含む排液の一部
を混合した液を加熱蒸発工程の発生蒸気に散布して洗浄
することにより発生蒸気中に含まれる防氷剤液の微細な
飛沫すなわちミストの粒子を合体させ、大粒子として滴
下させ蒸気から離脱させるものである。
(実施例) 本発明の方法を実施する装置を第1図について説明す
る。
この装置は加熱蒸発工程に常圧式蒸発濃縮器を用い、
また膜処理工程に逆浸透膜装置を用いたものである。
1は排液槽で、航空機の除雪防氷処理により生じた防
氷排液が供給される。またこの排液槽1には供給液ポン
プ2を有する防氷排液供給管路3によって凝縮液/供給
液熱交換器4に接続され、この凝縮液/供給液熱交換器
4はドレン/供給液熱交換器5に予熱供給液移送管路6
にて接続されている。またこのドレン/供給液熱交換器
5には常圧式の蒸発濃縮器7が加熱供給液移送管路8に
て接続され、この蒸発濃縮器7には凝縮器9が発生蒸気
移送管路10にて接続され、さらにこの凝縮器9には凝縮
液移送管路11にて前記凝縮液/供給液熱交換器4に接続
されている。また前記蒸発濃縮器7にはボイラー(図示
せず)に接続した加熱蒸気移送管路12が接続されてこの
蒸気濃縮器7は加熱される。さらにこの蒸発凝縮器7に
接続した加熱蒸気移送管路12のドレン管路13は前記ドレ
ン/供給液熱交換器5に接続され、このドレン/供給液
熱交換器5に接続されたドレン管路13のドレン側は回収
ドレン管路14を介してボイラーに接続されている。また
前記蒸気濃縮器7には高温の濃縮防氷液回収管路15が接
続されている。このように、前記凝縮液/供給液熱交換
器4、ドレン/供給液熱交換器5、蒸発濃縮器7および
凝縮器9にて航空機の除雪、防氷処理により生じる防氷
剤を含む排液を濃縮する加熱蒸発工程16が形成されてい
る。
また20は逆浸透給液槽で、この逆浸透給液槽20には前
記凝縮液/供給液熱交換器4に接続した凝縮液移送管路
11に連通する冷却凝縮液管路17から冷却凝縮液が供給さ
れるようになっている。またこの逆浸透給液槽20には第
1段高圧ポンプ21を介して接続した混合給液管路22にて
第1段逆浸透膜装置23が接続されている。この第1段逆
浸透膜装置23には親水性で、ポリアミド系、ポリエーテ
ル系、ポリビニルアルコール系およびポリアクリロニト
リル系などの逆浸透膜24が設けられ、この逆浸透膜24は
エチレングリコールなどの防氷剤を排除し水を透過させ
る機能を有している。そしてこの第1段逆浸透膜装置23
の逆浸透膜24を通過した第1段逆浸透透過液は中間槽25
に透過液移送管路26にて供給され、また第1段逆浸透膜
装置23の逆浸透膜24を通過しない防氷剤を濃縮した排除
液は排除液移送管路27にて前記排液槽1に返送されるよ
うになっている。さらに中間槽25には第2段高圧ポンプ
28を接続した透過液供給管路29を介して第2段逆浸透膜
装置30が接続されている。この第2段逆浸透膜装置30に
も逆浸透膜31が設けられ、この逆浸透膜31は防氷剤を排
除し水を透過させる機能を有している。そしてこの第2
段逆浸透膜装置30の逆浸透膜31を通過した第2段逆浸透
透過液は透過液管路32にて排出され、また第2段逆浸透
膜装置30の逆浸透膜31を通過しない防氷剤を濃縮した排
除液は排除液移送管路33にて前記逆浸透給液槽20に返送
されるようになっている。
そして前記第1段逆浸透膜装置23と第2段逆浸透膜装
置30とにて膜処理工程34が形成されている。
次にこの実施例の作用を説明する。
排液槽1に防氷排液供給管路35から航空機の除雪防氷
処理により生じた防氷排液および排除液移送管路27にて
第1段逆浸透膜装置23の逆浸透膜24を通過しない防氷剤
を濃縮した排除液が供給され、この防氷排液と排除液と
の混合液がポンプ2にて防氷排液供給管路3から凝縮液
/供給液熱交換器4に移送され、この凝縮液/供給液熱
交換器4にて混合液は凝縮器9からの凝縮液との熱交換
にて予熱され、予熱供給液移送管路6からさらにドレン
/供給液熱交換器5に供給され、このドレン/供給液熱
交換器5にてさらに予熱された混合液は加熱蒸気移送管
路12のドレン管路13を流動する加熱蒸気凝縮水にて加熱
される。次いでこの加熱された混合液は蒸発濃縮器7に
加熱供給液移送管路8にて移送され、この蒸発濃縮器7
にて加熱蒸気移送管路12を流動する蒸気にて加熱され、
混合液より発生する蒸気は蒸発濃縮器7の蒸気室19から
発生蒸気移送管10を経て凝縮器9に移送され、さらにこ
の凝縮器9を通過した高温の凝縮液は凝縮液移送管路11
から凝縮液/供給液熱交換器4に移送され、この凝縮液
/供給液熱交換器4にて排液槽1からの混合液と熱交換
されて適度に冷却され、この冷却凝縮液は逆浸透給液槽
20に凝縮液移送管路17にて供給される。そして冷却凝縮
液は第1段高圧ポンプ21によって混合給液管路22から第
1段逆浸透膜装置23に圧送され、この第1段逆浸透膜装
置23にて逆浸透膜24で防氷剤は排除され、水が優先的に
透過される。そしてこの第1段逆浸透膜装置23の逆浸透
膜24を透過した第1段逆浸透透過液は中間槽25に透過液
移送管路26にて供給され、また第1段逆浸透膜装置23の
逆浸透膜24を通過しない防氷剤を濃縮した排除液は排除
液移送管路27にて前記排液槽1に返送される。さらに中
間槽25に供給された第1段逆浸透透過液は第2段高圧ポ
ンプ28にて透過液供給管路29から第2段逆浸透膜装置30
に圧入され、この第2段逆浸透膜装置30の逆浸透膜31に
て防氷剤は排除され、水が優先的に透過され、この第2
段逆浸透膜装置30の逆浸透膜31を通過した第2段逆浸透
透過液は透過液管路32に排出され、この第2段逆浸透透
過液は廃棄または他の用途に利用される。また第2段逆
浸透膜装置30の逆浸透膜31を通過しない防氷剤を濃縮し
た排除液は排除液移送管路33にて前記逆浸透給液槽20に
返送される。
また蒸気濃縮器7から高温の濃縮防氷液が防氷液回収
管路15にて回収され、航空機の除雪、防氷処理に再使用
される。
この実施例の装置では、高温の凝縮液の熱量は蒸発濃
縮器7に供給される混合液の予熱に利用され、また第1
段逆浸透膜装置23にて水と分離され防氷剤を濃縮した排
除液は排液槽1に返送されて再利用され、第2段逆浸透
膜装置30にて水と分離された防氷剤を濃縮した排除液は
排除液移送管路33にて前記逆浸透給液槽20に返送され
て、防氷剤の回収が効率良くでき、また第2段逆浸透膜
装置30を透過した第2段逆浸透透過液は無害化されてい
る。
次に本発明の方法を実施する他の装置を第2図につい
て説明する。
この装置は加熱蒸発工程に減圧式蒸発濃縮器を用い、
また膜処理工程に逆浸透膜装置を用いたものである。
1は排液槽で、航空機の除雪防氷処理により生じた防
氷排除が供給される。またこの排液槽1には供給液ポン
プ2を有する防氷排液供給管路3によってドレン/供給
液熱交換器5が接続されている。またこのドレン/供給
液熱交換器5には減圧式の蒸発濃縮器7が加熱供給液移
送管路8にて接続され、この蒸発濃縮器7には凝縮器9
が発生蒸気移送管路10にて接続され、さらにこの凝縮器
9にて凝縮された凝縮液は凝縮液移送管路11にて逆浸透
給液槽20に接続されている。そしてこの凝縮液移送管路
11には凝縮液ポンプ40が接続されている。また前記蒸発
濃縮器7にはボイラー(図示せず)に接続した加熱蒸気
移送管路12が接続されてこの蒸気濃縮器7は加熱され
る。さらにこの蒸発濃縮器7に接続した加熱蒸気移送管
路12のドレン管路13はドレン/供給液熱交換器5に接続
され、このドレン/供給液熱交換器5に接続されたドレ
ン管路13のドレン側は回収ドレン管路14を介してボイラ
ーに接続されている。また前記蒸気濃縮器7の上部の蒸
気室19には蒸気洗浄散布器42が配設されている。さらに
前記蒸気濃縮器7には濃縮回収液ポンプ41を接続した高
温の濃縮防氷液回収管路15が接続されている。
なお、前記凝縮器9にはこの凝縮器9の排気管43を介
して気水分離器44が接続されている。そしてこの気水分
離器44は空気などの不活性ガスと液体とを分離するもの
で、分離された気体を排気する排気管45がこの気水分離
器44に接続され、この排気管45に真空ポンプ46が接続さ
れている。さらにこの気水分離器44の分離した液体の導
出管路47は前記凝縮液移送管路11に接続されている。
またこのように、ドレン/供給液熱交換器5、蒸発濃
縮器7、凝縮器9、気水分離器44および真空ポンプ46に
て航空機の除雪、防氷処理により生じる防氷剤を含む排
液を濃縮する加熱蒸発工程16が形成されている。
また前記逆浸透給液槽20には前記凝縮器9に接続した
凝縮液移送管路11が凝縮液ポンプ40を介して連通させ、
この逆浸透給液槽20には中圧ポンプ48を介して接続した
凝縮液管路49にて逆浸透膜装置23が接続されている。逆
浸透膜装置23には防氷剤を排除し水を透過させる機能を
有した逆浸透膜24が設けられている。そしてこの逆浸透
膜装置23の逆浸透膜24を通過した逆浸透透過液は透過液
管路32にて排出される。また逆浸透膜装置23の逆浸透膜
24を通過しない防氷剤を濃縮した排除液の移送管路27は
前記蒸気濃縮器7の上部の蒸気室19に形成した蒸気洗浄
散布器42に接続されている。
次にこの装置の作用を説明する。
排液槽1に供給された航空機の除雪防氷処理により生
じた防氷排液は供給液ポンプ2によって防氷排液供給管
路3からドレン/供給液熱交換器5に供給される。この
ドレン/供給液熱交換器5にて加熱された防氷排液は蒸
発濃縮器7に加熱供給液移送管路8にて移送され、この
蒸発濃縮器7にて防氷排液は蒸発される。そして、この
発生蒸気は、前記蒸気濃縮器7の上部の蒸気室19に設け
た蒸気洗浄散布器42から散布される逆浸透膜装置23の逆
浸透膜24を通過しない防氷剤を濃縮した排除液にて洗浄
され、発生蒸気中に混入するミストが除去されて発生蒸
気移送管路10から凝縮器9に移送され、さらにこの凝縮
器9にて凝縮された凝縮液は凝縮液移送管路11から逆浸
透給液槽20に凝縮液ポンプ40にて移送される。なお前記
蒸発濃縮器7にはボイラー(図示せず)に接続した加熱
蒸気移送管路12を流動する蒸気にて加熱される。さらに
この蒸発濃縮器7に接続した加熱蒸気移送管路12のドレ
ン管路13を流れる加熱蒸気凝縮水にてドレン/供給液熱
交換器5は加熱されている。さらに前記蒸気濃縮器7か
ら濃縮回収液ポンプ41にて高温の濃縮防氷液が回収管路
15を経て回収される。
また凝縮器9に接続した排気管43から気水分離器44に
移送された排気気体はこの気水分離器44で空気などの不
活性ガスと液体とを分離され、分離された気体は真空ポ
ンプ46で排気管45から排気される。さらにこの気水分離
器44で分離した液体は導出管路47から凝縮液移送管路11
を経て前記逆浸透給液槽20に凝縮液ポンプ40にて凝縮器
9からの凝縮液とともに吸込移送される。そしてこの逆
浸透給液槽20から凝縮液は中圧ポンプ48にて凝縮液管路
49から逆浸透膜装置23に圧送される。逆浸透膜装置23に
て凝縮液は逆浸透膜24にて防氷剤と水とに分離され、こ
の逆浸透膜装置23の逆浸透膜24を通過した逆浸透透過液
は透過液管路32にて排出されて、廃棄または他の用途に
利用される。また逆浸透膜装置23の逆浸透膜24を通過し
ない防氷剤を濃縮した排除液は蒸気濃縮器7の上部の蒸
気室19に形成した蒸気洗浄散布器42から散布される。
この装置によれば、蒸気濃縮器7の上部の蒸気室19に
形成した蒸気洗浄散布器42から散布される防氷剤を濃縮
した排除液にて、防氷排液の発生蒸気中に含まれる防氷
液の微細なミストの粒子が合体され、大粒子として滴下
され、蒸気から離脱され、蒸気濃縮器7にて発生する防
氷排液の発生器の凝縮水中の防氷剤の混入率を減少させ
ることができ、凝縮液からの防氷剤の回収と排液の無害
化処理が容易となる。そして蒸気洗浄散布器42から散布
される洗浄液は、逆浸透膜装置23からの防氷液を含む濃
縮排除液であるため、防氷剤の回収も同時にでき、効率
的に防氷液の回収ができる。なお、この洗浄液には濃縮
前の防氷排液を適宜混合した液とすることもできる。
なお加熱蒸発工程16の蒸発濃縮器7はフラッシュ式蒸
発濃縮器、垂直管式蒸発濃縮器、侵管式蒸発濃縮器、蒸
気加圧式蒸発濃縮器、減圧式蒸発濃縮器、その他各種の
加熱蒸発濃縮装置を用いることができる。
また膜処理工程の装置は、防氷剤を含む水溶液を防氷
剤と水とに分離する機能を有するもので、防氷剤を含む
水溶液から膜の特性によって水を優先的に透過させる
か、または防氷剤を優先的に透過させる機能を有し、逆
浸透膜装置、または透過気化膜装置が用いられる。
これらの膜処理装置に用いられる膜としては、防氷剤
を排除して水を透過させる膜、または防氷剤を透過させ
て水を排除する膜を装置に必要とする機能に応じて選択
する。防氷剤を排除して水を透過させる膜としては、親
水性のもので、ポリアミド系膜、ポリエーテル系膜、ポ
リビニルアルコール系膜、ポリアクリロニトリル系膜な
どがある。また防氷剤を透過させて水を排除する膜とし
ては、疏水性のもので、シリコーン膜、アルキルケイ素
系膜などがある。また膜の選択は、混合防氷剤のち廃棄
する側の処理水には同じmg/濃度であってもBOD5など
公害規制のある成分の濃度が小なる値を示すエチレング
リコールなどの防氷剤、または経済的に安価な防氷剤の
方をより多く含有させるようにし、また回収する側の処
理液には、同じmg/濃度であってもBOD5などの公害規
制のある成分の濃度が大なる値を示すプロピレングリコ
ールなどの防氷剤、または経済的に高価な防氷剤の方を
より多く含有させるような膜を選択して用いることが望
ましい。さらに膜の厚みは、水や防氷剤の透過流量が大
きくなるように、できるだけ薄い物がよく、例えば、超
薄膜を分離の活性層として有する複合膜などが好まし
い。
そしてこれらの膜を実際に用いるために必要な膜モジ
ュールの形状としては、薄層流路形平膜形、スタック
形、プレートアンドフレーム形、プリーツ形、チューブ
形、キャピラリー形、ファインチューブ形、スパイラル
形、中空糸形などのいずれの形状でもよい。
また本発明の濃縮回収再利用、無害化の処理対象とな
る防氷剤を含む排液としては、除雪、防氷液の散布、予
備処理としての高温水の散布などに由来する防氷剤、腐
蝕抑制剤、界面活性剤、粘着剤および水などを含み、ま
た航空機体に付着していた雪、氷、車輪タイヤの摩耗
物、ガソリン、潤滑油、塵埃など、および滑走路の舗装
物、土砂などの種々の物質を含む液である。しかしその
主成分は防氷剤と水で、防氷剤としては、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール
などの多価アルコール類およびそれらの誘導体である。
また本発明の方法に供給する排液としては、予め沈
降、沈澱分離、浮上分離などの処理、凝集処理、濾過処
理、活性炭処理などの予備処理を必要に応じて行ない、
防氷剤およびその添加剤である腐蝕抑制剤、界面活性剤
以外の除雪、防氷処理に無益無効な物質や障害となる物
質を予めできるだけ除去したものを用い、防氷剤の凝縮
回収再利用により有害無益な物質が回収防氷液中に蓄積
されることを防止する。
次に実験例について説明する。
実験例1 航空機の除雪、防氷処理には下記組成の防氷原液を水
で希釈して、エチレングリコールとプロピレングリコー
ルの合計濃度を60vol%とした防氷液を、80℃に加温し
て使用した。
防氷剤;エチレングリコール+プロピレングリコール
(重量比3:1)88.9% 水 ;9.5% 腐蝕抑制剤;1.1% 界面活性剤;0.5% 除雪、防氷処理後の防氷排液を沈降、浮上、濾過処理
した排液は、雪、氷、および水により希釈され、エチレ
ングリコールとプロピレングリコールの合計濃度が45vo
l%、液温は1℃であった。この防氷剤排液を上記処理
方法により濃縮回収して、防氷剤濃度60vol 1%、液温8
0℃の処理防氷液として再使用できるようにし、同時に
凝縮液中に含まれる防氷剤排液を無害化した。
実験の処理方法は第1図に示すフローシートにおい
て、加熱蒸発濃縮工程には常圧垂直管式蒸発濃縮装置を
使用し、膜処理工程にはポリアミド系複合膜形逆浸透膜
を用いた透過水2段直列式逆浸透膜装置を使用した。運
転条件と処理結果は次のとおりである。
防氷排液、17.0m3/h、1℃。
第1段逆浸透膜装置排除液;1.0m3h、30℃。
蒸発濃縮装置への供給液;上記2液の混合液で18.0m3
/h。凝縮液との熱交換および蒸発濃縮装置のスチームド
レンとの熱交換後の予熱液。
蒸発濃縮;6kgf/cm2のスチームにより供給液を加熱蒸
発して、エチレングリコールとプロピレングリコールの
混合濃度を60vol%に濃縮した。
蒸発濃縮液の回収;60vol%の防氷液を蒸発濃縮装置か
ら取出して回収し、温度を80℃に調整し、除雪、防氷処
理に再利用することができた。
発生蒸気の凝縮;凝縮器に3℃の水道水を通して発生
蒸気を凝縮し、上記2液の混合液と熱交換して35℃に冷
却した。凝縮液生成量は5.25m2/hであった。
凝縮液の組成;エチレングリコール15300mg/、プロ
ピレングリコール7200mg/で、合計22500mg/、重量
比は2.125:1であった。
第1段逆浸透膜処理;35℃の凝縮液5.25m2/hに第2段
逆浸透膜装置の排除液0.5m3/hを混合した給液5.75m3/h
を、高圧ポンプにより60kgf/cm3の圧力で第1段逆浸透
膜装置に通液し、防氷剤を濃縮した排除液1.0m3/hは回
収して防氷排液と混合して蒸発濃縮装置に供給した。一
方、透過液4.75m3/hの方は第2段目の逆浸透膜装置の給
液とした。
第2段逆浸透膜処理;第1段逆浸透膜装置の透過液4.
75m3/hを、第1段目と同様な高圧ポンプと圧力で第2段
逆浸透膜装置に通液し、排除液0.5m/hは第1段逆浸透膜
装置の給液に混合して循環使用し、透過水4.25m3/hの組
成を測定した。
第2段逆浸透膜装置の透過水の組成; エチレングリコール380mg/、プロピレングリコール
5mg/、合計385mg/、BOD5 60mg/、水温33℃であ
り、下水道放流基準のBOD5 600mg/未満を満足する無
害な排水となった。
実験例2 実験例1と同一の防氷剤60vol%、80℃の防氷剤を用
いて、航空機の除雪、防氷処理を行なって生じた防氷剤
45vol%の排液を処理した。この実験の処理方法は第2
図に示すフローシートにおいて、加熱蒸発濃縮工程には
減圧垂直管式蒸発濃縮装置を使用し、膜処理膜工程には
ポリアミド系複合膜形逆浸透膜を用いた1段式逆浸透膜
装置を使用した。運転条件と処理結果は次のとおりであ
る。
防氷排液、17.0m3/h、1℃。
蒸発濃縮装置への供給液;上記防氷排液17.0m3/hを蒸
発濃縮装置のスチームドレンとの熱交換後の予熱液。
発生蒸気の洗浄;1段式逆浸透膜装置の防氷剤を濃縮し
た排除液1.0m3/hを蒸発濃縮器上部の蒸気室に設けた蒸
気洗浄器に移送して発生蒸気に滴下してミストを洗浄除
去した。
蒸発濃縮;6kgf/cm2のスチームにより供給液を加熱蒸
発して、エチレングリコールとプロピレングリコールの
混合液濃度を60vol%に濃縮した。
蒸発濃縮液の回収;60vol%の防氷液を蒸発濃縮装置か
らポンプにより取出して回収し、温度を80℃に調整し、
除雪、防氷処理に再利用することができた。
発生蒸気の凝縮;凝縮器に3℃の水道水を通して発生
蒸気を凝縮し、気水分離器を介して真空ポンプを用いて
45mgHgに減圧した。凝縮液生成量は5.25m3/hで、40℃で
あった。
凝縮液の組成;エチレングリコール4580mg/、プロ
ピレングリコール2420mg/で、合計7000mg/、重量比
は1.89:1であった。
第1段逆浸透膜処理;38℃の凝縮液5.25m2/hを高圧ポ
ンプにより35kgf/cm2の圧力で1段式逆浸透膜装置に通
液し、防氷剤を濃縮した排除液1.0m3/hは回収して、蒸
発濃縮装置の発生蒸気の洗浄用に送液した。一方、透過
液4.25m3/hの組成測定を行なった。
透過水の組成; エチレングリコール420mg/、プロピレングリコール
50mg/、合計470mg/、重量比8.4:1、BOD5 150mg/
、水温36℃であり、下水道放流基準のBOD5 600mg/
未満を満足する無害な排水となった。
なお、逆浸透膜装置を透過水直列形2段式で行なった
場合は、エチレングリコール25mg/h、プロピレングリコ
ール2mg/、合計37mg/、重量比12.5:1、BOD5 20mg/
h、水温35℃であり下水道放流基準値以下となることは
もとより、直接放流できる無害な水となった。
なお逆浸透膜装置の排除液による発生蒸気の洗浄を行
わない場合には、凝縮液の組成がエチレングリコール58
50mg/、プロピレングリコール2850mg/、合計8700mg
/に増大した。また1段式逆浸透膜装置の透過水の組
成は、エチレングリコール590mg/、プロピレングリコ
ール65mg/、合計では655mg/に増大し、重量比は9.
1:1、BOD5は220mg/に増大した。
〔発明の効果〕
本発明によれば、航空機を防氷剤を含む水溶液を使用
して除雪、防氷処理を行なった際に生じる排液を濃縮
し、その際発生する蒸気を濃縮し、排液中の防氷剤を回
収し、除雪、防氷処理に再利用することができるように
するとともに、同時に発生する防氷剤を含む凝縮液を無
害化し、防氷剤の損失を防止するとともに凝縮液の廃棄
に伴う環境汚染の問題、障害を解決できるものである。
請求項2に記載の発明によれば、膜処理工程により濃
縮された防氷剤を含む濃縮液またはこの濃縮液に防氷剤
を含む排液の一部を混合した液を加熱蒸発工程の発生蒸
気に散布して洗浄するため、加熱蒸発工程における発生
蒸気中に含まれる防氷液の微細なミストを除去でき、効
率良く防氷剤の回収ができるとともに効率良く無害化処
理ができるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明の方法を実施するそれぞれ
異なる装置のシステムフローシート図である。 1……排液槽、2……供給液ポンプ、3……防氷排液供
給管路、4……凝縮液/供給液熱交換器、5……ドレン
/供給液熱交換器、6……予熱供給液移送管路、7……
蒸発濃縮器、8……加熱供給液移送管路、9……凝縮
器、10……発生蒸気移送管路、11……凝縮液移送管路、
12……加熱蒸気移送管路、13……ドレン管路、14……回
収ドレン管路、15……濃縮防氷液回収管路、16……加熱
蒸発工程、17……冷却凝縮液管路、20……逆浸透給液
槽、21……第1段高圧ポンプ、22……混合給液管路、23
……第1段逆浸透膜装置、24……逆浸透膜、25……中間
槽、26……透過液移送管路、27……排除液移送管路、28
……第2段高圧ポンプ、29……透過液供給管路、30……
第2段逆浸透膜装置、31……逆浸透膜、32……透過液管
路、33……排除液移送管路、34……膜処理工程、35……
防氷排液供給管路、40……凝縮液ポンプ、41……濃縮回
収液ポンプ、42……蒸気洗浄散布器、43……排気管、44
……気水分離器、45……排気管、46……真空ポンプ、47
……導出管路、48……中圧ポンプ、49……凝縮液管路。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】航空機の除雪、防氷処理により生じる防氷
    剤を含む排液を加熱蒸発工程にて濃縮し、 この加熱蒸発工程にて発生する水蒸気と一部の防氷剤蒸
    気の混合蒸気を冷却して生じる凝縮液を膜処理工程によ
    り防氷剤液を無害化された水と分離処理して防氷剤を濃
    縮し、 この膜処理工程により発生する防氷液を前記加熱蒸発工
    程に還流させて回収することを特徴とする航空機の除
    雪、防氷処理液の回収処理方法。
  2. 【請求項2】膜処理工程により濃縮された防氷剤を含む
    濃縮液またはこの濃縮液に防氷剤を含む排液の一部を混
    合した液を加熱蒸発工程の発生蒸気に散布して洗浄する
    ことを特徴とする請求項1に記載の航空機の除雪、防氷
    処理液の回収処理方法。
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