JP4928686B2 - 防除氷剤回収方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は防除氷剤回収方法に関し、詳しくは航空機の除雪、防除氷処理等により生じる排水中に含まれる防除氷剤を回収し処理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
航空機は大気中を飛行するため、飛行中に雪氷等が機体に付着すると、氷結して操縦に支障をきたし、事故などの原因となる。また、寒冷地では陸上で機体に積雪し、離陸の際や飛行中に氷結して操縦に支障が生じる。
【0003】
このような障害を防止するために、航空機を整備する際、或いは離陸待機時に、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等の水溶性有機化合物からなる防除氷剤を含む水溶液を機体に散布して、機体上の雪氷を溶解して除去すると共にこの防除氷剤を機体に付着させて、機体面の積雪や氷結を防止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、防除氷剤の散布処理を行った際に生じる排水はそのまま雨水等と同じように周辺地域や河川などに流出しており、有機化合物である防除氷剤によって河川放流基準を越える懸念があった。
【0005】
特に最近のように環境保護に対する社会の要求が厳しくなるにつれて、空港外の公共用水域や周辺地域への流出をいかに防止するかが切実な課題となっている。
【0006】
そこで本発明の課題は、散布された防除氷剤の排水を効率的に回収でき、回収した防除氷剤排水を下水道排水基準以下又は河川放流基準以下の水質まで処理して排出、さらに中水処理を行って中水として再利用が可能な防除氷剤回収方法を提供することにある。
【0007】
本発明の上記課題は下記構成によって達成される。
1.駐機エリア及び/又は待機エリア(エプロン及び誘導路を含む)で散布される航空機の除雪、防除氷処理に用いられる防除氷剤排水を吸引して回収する車両により回収する防除氷剤回収方法であって、回収した防除氷剤排水をラグーン処理槽に移送して該ラグーン処理槽に貯溜すると共に好気性又は嫌気性処理を行うことを特徴とする防除氷剤回収方法。
【0008】
2.駐機エリア及び/又は待機エリア(エプロン及び誘導路を含む)で散布される航空機の除雪、防除氷処理に用いられる防除氷剤排水を雨水排水管により回収する防除氷剤回収方法であって、回収した防除氷剤排水をラグーン処理槽に移送して該ラグーン処理槽に貯溜すると共に好気性又は嫌気性処理を行うことを特徴とする防除氷剤回収方法。
【0009】
3.前記雨水排水管には、防除氷剤散布時に回収する防除氷剤排水をラグーン処理槽に移送する経路と雨水を空港外へ排出する経路との切り替えバルブが設けられていることを特徴とする上記2に記載の防除氷剤回収方法。
【0010】
4.駐機エリア及び/又は待機エリア(エプロン及び誘導路を含む)で散布される航空機の除雪、防除氷処理に用いられる防除氷剤排水を回収する防除氷剤回収方法であって、防除氷剤を散布するエリアの外周乃至はエリア領域内に排水溝及び排水管を配備し、該排水溝及び排水管より防除氷剤排水を回収し、回収した防除氷剤排水をラグーン処理槽へ移送して貯溜すると共に好気性又は嫌気性処理を行うことを特徴とする防除氷剤回収方法。
【0011】
5.前記排水溝及び排水管には、防除氷剤散布時に回収する防除氷剤排水をラグーン処理槽に移送する経路と雨水を空港外へ排出する経路との切り替えバルブが設けられていることを特徴とする上記4に記載の防除氷剤回収方法。
【0012】
6.防除氷剤排水を回収する駐機エリア及び/又は待機エリア(エプロン及び誘導路を含む)の近傍に一時貯溜槽を配備し、該一時貯溜槽に回収した防除氷剤排水を仮貯溜した後、ラグーン処理槽に移送することを特徴とする上記1、2又は4に記載の防除氷剤回収方法。
【0013】
7.上記6に記載の一時貯溜槽がラグーン処理槽として利用可能であることを特徴とする防除氷剤回収方法。
【0014】
8.ラグーン処理槽に貯溜され、好気性又は嫌気性処理を行った防除氷剤排水の水質が下水道排水基準を満たした場合に下水道施設に排水することを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の防除氷剤回収方法。
【0015】
9.ラグーン処理槽に貯溜され、好気性又は嫌気性処理を行った防除氷剤排水の水質が中水として利用可能な所定値以下の場合に中水道施設に通水し、中水として利用することを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の防除氷剤回収方法。
【0016】
10.ラグーン処理槽に貯溜し、好気性又は嫌気性処理を行った防除氷剤排水の水質が下水道排水基準を満たさない場合、処理済みの防除氷剤排水を空港施設内の除害施設の処理設備に移送し、該処理設備で下記(1)〜(4)の処理方法の少なくとも一つの方法を含む処理により防除氷剤排水の水質を下水道排水基準以下に処理し、該処理された処理水を下水道施設へ排水することを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の防除氷剤回収方法。
(1)生物処理
(2)逆浸透膜処理
(3)酸化剤処理
(4)活性炭吸着処理
【0017】
11.ラグーン処理槽に貯溜し、好気性又は嫌気性処理を行った防除氷剤排水の水質が中水として利用可能な所定値以下にならない場合、処理済みの防除氷剤排水を空港施設内の除害施設の処理設備に移送し、該処理設備で下記(1)〜(4)の処理方法の少なくとも一つの方法を含む処理を行った後、さらに中水製造設備に移送し、該中水製造設備で防除氷剤排水の水質を中水として利用可能な所定値以下に処理し、該処理された処理水を中水道施設へ通水し、中水として利用することを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の防除氷剤回収方法。
(1)生物処理
(2)逆浸透膜処理
(3)酸化剤処理
(4)活性炭吸着処理
【0018】
12.防除氷剤排水の処理を、空港施設内の除害施設の能力余剰時に行うことを特徴とする上記10又は11に記載の防除氷剤回収方法。
【0019】
13.ラグーン処理槽が、既存の地下施設を改修したものであることを特徴とする上記1〜11のいずれかに記載の防除氷剤回収方法。
【0021】
14.上記1、2又は4の回収によって回収されずに空港施設に隣接する滞水池に流入した防除氷剤排水を、雨水浄化施設の処理設備に移送し、該処理設備で下記(1)〜(4)の処理方法の少なくとも一つの方法を含む処理により防除氷剤排水の水質を河川放流基準に処理し、該処理された処理水を河川に放流することを特徴とする防除氷剤回収方法。
(1)生物処理
(2)逆浸透膜処理
(3)酸化剤処理
(4)活性炭吸着処理
【0022】
15.上記1、2又は4の回収によって回収されずに空港施設に隣接する滞水池に流入した防除氷剤排水を、雨水浄化施設の処理設備に移送し、該処理設備で下記(1)〜(4)の処理方法の少なくとも一つの方法を含む処理により防除氷剤排水の水質を中水として利用可能な所定値以下に処理し、該処理された処理水を中水として利用することを特徴とする防除氷剤回収方法。
(1)生物処理
(2)逆浸透膜処理
(3)酸化剤処理
(4)活性炭吸着処理
【0023】
16.滞水池に流入した防除氷剤排水の河川への流出を制御する制水門を配備したことを特徴とする上記14又は15に記載の防除氷剤回収方法。
【0024】
17.中水として利用可能な所定値以下に処理した防除氷剤排水を、雑用水として利用することを特徴とする上記9、11又は15に記載の防除氷剤回収方法。
【0025】
18.中水道の送水ルートとして、既設の共同溝を利用することを特徴とする上記17に記載の防除氷剤回収方法。
【0026】
19.防除氷剤非回収期は、ラグーン処理槽を雨水貯溜層として利用することを特徴とする上記1〜6、8〜11、13のいずれかに記載の防除氷剤回収方法。
【0027】
20.防除氷剤非回収期は、一時貯溜槽を雨水貯溜層として利用することを特徴とする上記7に記載の防除氷剤回収方法。
【0028】
上記本発明の参考発明として、以下の発明を挙げることができる。
・ラグーン処理槽が、空港敷地内に新規に配備した施設であることを特徴とする上記1〜11のいずれかに記載の防除氷剤回収方法。
・上記1〜20のいずれかに記載の防除氷剤回収方法に用いられる各種施設・設備等が、他の施設・設備等として転用・兼用されることを特徴とする防除氷剤回収方法。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細について説明する。
図1は本発明の防除氷剤回収方法が適用される空港の一例を示す概略平面図である。
【0030】
本発明は、駐機エリア及び/又は待機エリアで散布される航空機の除雪、防除氷処理に用いられる防除氷剤排水を回収し、回収した防除氷剤排水をラグーン処理槽に移送して該ラグーン処理槽に貯溜すると共に好気性又は嫌気性処理等の処理を行う防除氷剤回収方法である。
【0031】
本明細書において、駐機エリア及び/又は待機エリアとは、航空機が通行或いは駐機する全てのエリアを云うものであり、エプロン及び誘導路を含むものである。
【0032】
先ず、請求項1に係る第1の本発明では、防除氷剤排水を吸引して回収する車両により回収する。
防除氷剤排水を吸引して回収する車両としては、従来からこの種の作業で用いられていたものを用いることができる。防除氷剤排水を吸引して回収する車両は、防除氷剤が散布されない時期は、他の装備を装着可能とすることで他の用途、例えば、路面清掃車両、運搬車両やパトロール車両等に転用或いは兼用できることが好ましい。
【0033】
防除氷剤排水を吸引して回収する車両によって回収した防除氷剤排水は、ラグーン処理槽に移送して該ラグーン処理槽に貯溜する。
【0034】
貯溜した防除氷剤排水は、好気性又は嫌気性処理等の処理が行われる。
好気性処理とは、酸素が存在する好気的な環境で、好気性微生物の代謝作用を利用して有機物を分解することをいい、公知の各種ばっ気処理を採用できる。
嫌気性処理とは、溶存酸素が存在しない嫌気的な環境で、嫌気性微生物の代謝作用を利用して有機物を分解することをいう。
【0035】
ラグーン処理槽としては、空港敷地内に新規な施設として新たに配備してもよいが、不要となったトンネルなどの既存の地下施設を改修して転用すれば工期が短縮されるだけでなくコストダウンとなるので好ましい。
【0036】
またラグーン処理槽は、防除氷剤非回収期、即ち、防除氷剤を散布しない季節(春〜秋)は雨水貯溜層として利用することが好ましい。
【0037】
さらにラグーン処理槽のうち、地下構造物となるラグーン処理槽は自然換気能力が低いので換気設備を配備することが好ましい。
【0038】
また本発明では、上記の防除氷剤排水を吸引して回収する車両による回収以外に、請求項2に示す如く、駐機エリア及び/又は待機エリア(エプロン及び誘導路を含む)に配備されている雨水排水管により回収することができる。
【0039】
雨水排水管の経路途中には、防除氷剤散布時は回収した防除氷剤排水をラグーン処理槽に移送し、散布時以外の雨天時には雨水を空港外へ排出するように、防除氷剤排水をラグーン処理槽に移送する経路と雨水を空港外へ排出する経路との切り替えバルブを設ける。切り替えバルブとしては、仕切弁(ゲートバルブ)、バタフライ弁、平底弁(フラットバルブ)、制水扉(スライドゲート)等、種々の機構があるが、従来の雨水排水管に付加する場合、制水扉(スライドゲート)が最も工事が簡便且つ施工費用が低いので好ましい。また、かかる切り替えバルブの切り替えは遠隔操作によって操作できることが運用上及び安全上、好ましい。
【0040】
さらに本発明では、請求項4に示す如く、防除氷剤を散布するエリア、即ち、駐機エリア及び/又は待機エリア(エプロン及び誘導路を含む)の外周乃至はエリア領域内に排水溝及び排水管を配備し、該排水溝及び排水管より防除氷剤排水を回収することができる。
【0041】
排水溝及び排水管を配備した場合、防除氷剤散布時以外の雨天時には、当然の如く雨水が流入することになるので、上述した雨水排水管を利用する態様と同様、排水溝及び排水管には、防除氷剤散布時に回収する防除氷剤排水をラグーン処理槽に移送する経路と雨水を空港外へ排出する経路との切り替えバルブを設ける。切り替えバルブとしては、前記雨水排水管の経路途中に設けたものと同様のものを用いることができる。
【0042】
本発明においては、上記3つの方法により回収した防除氷剤排水をラグーン処理槽に移送する以外に、防除氷剤排水を回収する駐機エリア及び/又は待機エリア(エプロン及び誘導路を含む)の近傍に一時貯溜槽を配備し、該一時貯溜槽に回収した防除氷剤排水を仮貯溜した後、ラグーン処理槽に移送することも可能である。例えば、施設計画の中途段階等でラグーン処理槽の数及び/又は容量が不足している場合などに、配備済みのラグーン処理槽から遠いエリアの近傍に一時貯溜槽を設けることが好ましい。該一時貯溜槽にラグーン処理機能を付加させてもよいし、単なる一時貯溜ではなく恒久的にラグーン処理槽としてもよい。
【0043】
前述した如くラグーン処理槽に貯溜され、好気性又は嫌気性処理等の処理を行った防除氷剤排水の水質が下水道排水基準を満たした場合、処理済みの防除氷剤排水は下水道施設に排水することができる。
【0044】
また、ラグーン処理槽で処理された防除氷剤排水の水質が中水として利用可能な所定値以下となった場合には中水道施設に通水し、中水としての利用が可能となる。
【0045】
中水の利用先としては、冷暖房用補給水やトイレ用洗浄水等の雑用水が挙げられる。
中水として利用する場合、空港施設内の中水道の送水ルートとしては、既設の共同溝等があれば、これを利用することで新たな専用溝の工事が不要となるので好ましい。
【0046】
上述のラグーン処理槽で処理を行ったとしても、防除氷剤排水の水質が下水道排水基準を満たさない場合、請求項10に示す本発明では、処理済みの防除氷剤排水を空港施設内の除害施設の処理設備に移送し、該処理設備で下記(1)〜(4)の処理方法の少なくとも一つの方法を含む処理を行い、防除氷剤排水の水質を下水道排水基準以下に処理する。かかる処理により下水道排水基準以下に処理された処理水は下水道施設へ排水される。
【0047】
また、上述のラグーン処理槽での処理を行ったとしても、防除氷剤排水の水質が中水として利用可能な所定値以下とならない場合、請求項11に示す本発明では、処理済みの防除氷剤排水を空港施設内の除害施設の処理設備に移送し、該処理設備で下記(1)〜(4)の処理方法の少なくとも一つの方法を含む処理を行った後、さらに中水製造設備に移送し、該中水製造設備で防除氷剤排水の水質を中水として利用可能な所定値以下に処理する。かかる処理により中水として利用可能な所定値以下に処理された処理水は中水道施設へ通水され、中水としての利用が可能となる。
【0048】
処理方法としては、例えば、(1)生物処理、(2)逆浸透膜処理、(3)酸化剤処理、(4)活性炭吸着処理の4つが挙げられる。
【0049】
(1)生物処理とは、図2の概略図に示すように、防除氷剤排水を微生物等の代謝作用を利用して有機物を分解する処理方法である。
【0050】
(2)逆浸透膜処理とは、図3の概略図に示すように、逆浸透膜を通過させることにより処理する方法である。
【0051】
(3)酸化剤処理とは、図4の概略図に示すように、酸化剤を用いて防除氷剤を分解させた後、凝集剤により酸化剤及び生成物を凝集・沈殿させることにより処理する方法である。図5として、(3)酸化剤処理の場合の処理システムフロー図を示す。
【0052】
(4)活性炭吸着処理とは、文字通り活性炭により防除氷剤を吸着して処理する方法である。
【0053】
尚、図2〜図5は、防除氷剤排水の貯溜層として、請求項16に示す滞水池に貯溜した態様として図示しているが、「滞水池」を「ラグーン処理槽」と読み替えることで請求項10及び11に適用可能である。請求項10及び11に適用する場合には、これらの処理は空港施設内の除害施設に配備された処理設備及び中水製造設備において行われる。
【0054】
除害施設は、従来からの既存の空港施設であるが、除害施設の能力余剰時を有効利用することで防除氷剤排水の処理を行うことができる。また、ラグーン処理槽の容量によっては防除氷剤の散布を行わない季節(春〜秋)にかけて長期間に亘っての処理も可能である。長期間に亘る処理の場合、除害施設の処理設備及び中水製造設備の処理能力を増強する必要がなく好ましい。
【0055】
以上、本発明に係る防除氷剤回収方法の実施例について説明したが、上述の改修によっても稀に防除氷剤排水を回収しきれない可能性もある。
【0056】
例えば、防除氷剤排水を吸引して回収する車両による回収の場合、該車両の移動経路漏れにより回収しきれなかった防除氷剤排水がエリア内路面に残存していた場合に流出する可能性が大である。
【0057】
このような場合、既設の雨水排水管が滞水池に通水されていれば、該滞水池に流入することになる。
【0058】
従って、このような場合を予め想定して滞水池に防除氷剤排水の河川への流出を制御する制水門を配備し、滞水池内の貯溜水と防除氷剤排水処理水とを区分して放流・処理・中水利用できるようにする。
【0059】
制水門を滞水池に配備することにより、請求項15に示す如く、滞水池に流入した防除氷剤排水を、滞水池近傍の雨水浄化施設の処理設備に移送し、該処理設備で前記(1)〜(4)の処理方法の少なくとも一つの方法を含む処理により防除氷剤排水の水質を河川放流基準以下に処理する。かかる処理によって、河川放流基準以下に処理された処理水を河川に放流する。
【0060】
また、請求項16に示すように、滞水池に流入した防除氷剤排水を、雨水浄化施設の処理設備に移送し、該処理設備で前記(1)〜(4)の処理方法の少なくとも一つの方法を含む処理により防除氷剤排水の水質を中水として利用可能な所定値以下に処理する。かかる処理によって、中水として利用可能な所定値以下に処理された処理水を中水として利用する。
【0061】
以上の本発明の防除氷剤回収方法については、図6にフロー図で示されている通りである。
【0062】
以上、説明した本発明に係る防除氷剤回収方法においては、冬季以外の季節、即ち、防除氷剤排水を貯溜しない防除氷剤非回収期は、雨水貯溜層として利用することができる。その他の防除氷剤回収方法に用いられる各種施設・設備等も他の施設・設備として転用・兼用されることが好ましい。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、散布された防除氷剤の排水を効率的に回収することができる。回収した防除氷剤排水は下水道排水基準以下又は河川放流基準の水質まで処理して排出するか、又は中水として利用可能な所定値以下の水質まで処理して中水として再利用が可能である。
【0064】
また処理に際しては、空港施設内の除害施設の処理設備及び中水製造設備や滞水池近傍の雨水浄化施設の処理設備で処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防除氷剤回収方法が適用される空港の一例を示す概略平面図
【図2】防除氷剤排水の処理方法の1つである生物処理を説明する概略図
【図3】防除氷剤排水の処理方法の1つである逆浸透膜処理を説明する概略図
【図4】防除氷剤排水の処理方法の1つである酸化剤処理を説明する概略図
【図5】防除氷剤排水の処理方法の1つである酸化剤処理の場合の処理システムフロー図
【図6】本発明の防除氷剤回収方法の一実施例を示すフロー図

Claims (20)

  1. 駐機エリア及び/又は待機エリア(エプロン及び誘導路を含む)で散布される航空機の除雪、防除氷処理に用いられる防除氷剤排水を吸引して回収する車両により回収する防除氷剤回収方法であって、回収した防除氷剤排水をラグーン処理槽に移送して該ラグーン処理槽に貯溜すると共に好気性又は嫌気性処理を行うことを特徴とする防除氷剤回収方法。
  2. 駐機エリア及び/又は待機エリア(エプロン及び誘導路を含む)で散布される航空機の除雪、防除氷処理に用いられる防除氷剤排水を雨水排水管により回収する防除氷剤回収方法であって、回収した防除氷剤排水をラグーン処理槽に移送して該ラグーン処理槽に貯溜すると共に好気性又は嫌気性処理を行うことを特徴とする防除氷剤回収方法。
  3. 前記雨水排水管には、防除氷剤散布時に回収する防除氷剤排水をラグーン処理槽に移送する経路と雨水を空港外へ排出する経路との切り替えバルブが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の防除氷剤回収方法。
  4. 駐機エリア及び/又は待機エリア(エプロン及び誘導路を含む)で散布される航空機の除雪、防除氷処理に用いられる防除氷剤排水を回収する防除氷剤回収方法であって、防除氷剤を散布するエリアの外周乃至はエリア領域内に排水溝及び排水管を配備し、該排水溝及び排水管より防除氷剤排水を回収し、回収した防除氷剤排水をラグーン処理槽へ移送して貯溜すると共に好気性又は嫌気性処理を行うことを特徴とする防除氷剤回収方法。
  5. 前記排水溝及び排水管には、防除氷剤散布時に回収する防除氷剤排水をラグーン処理槽に移送する経路と雨水を空港外へ排出する経路との切り替えバルブが設けられていることを特徴とする請求項4に記載の防除氷剤回収方法。
  6. 防除氷剤排水を回収する駐機エリア及び/又は待機エリア(エプロン及び誘導路を含む)の近傍に一時貯溜槽を配備し、該一時貯溜槽に回収した防除氷剤排水を仮貯溜した後、ラグーン処理槽に移送することを特徴とする請求項1、2又は4に記載の防除氷剤回収方法。
  7. 請求項6に記載の一時貯溜槽がラグーン処理槽として利用可能であることを特徴とする防除氷剤回収方法。
  8. ラグーン処理槽に貯溜され、好気性又は嫌気性処理を行った防除氷剤排水の水質が下水道排水基準を満たした場合に下水道施設に排水することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の防除氷剤回収方法。
  9. ラグーン処理槽に貯溜され、好気性又は嫌気性処理を行った防除氷剤排水の水質が中水として利用可能な所定値以下の場合に中水道施設に通水し、中水として利用することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の防除氷剤回収方法。
  10. ラグーン処理槽に貯溜し、好気性又は嫌気性処理を行った防除氷剤排水の水質が下水道排水基準を満たさない場合、処理済みの防除氷剤排水を空港施設内の除害施設の処理設備に移送し、該処理設備で下記(1)〜(4)の処理方法の少なくとも一つの方法を含む処理により防除氷剤排水の水質を下水道排水基準以下に処理し、該処理された処理水を下水道施設へ排水することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の防除氷剤回収方法。
    (1)生物処理(2)逆浸透膜処理(3)酸化剤処理(4)活性炭吸着処理
  11. ラグーン処理槽に貯溜し、好気性又は嫌気性処理を行った防除氷剤排水の水質が中水として利用可能な所定値以下にならない場合、処理済みの防除氷剤排水を空港施設内の除害施設の処理設備に移送し、該処理設備で下記(1)〜(4)の処理方法の少なくとも一つの方法を含む処理を行った後、さらに中水製造設備に移送し、該中水製造設備で防除氷剤排水の水質を中水として利用可能な所定値以下に処理し、該処理された処理水を中水道施設へ通水し、中水として利用することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の防除氷剤回収方法。
    (1)生物処理(2)逆浸透膜処理(3)酸化剤処理(4)活性炭吸着処理
  12. 防除氷剤排水の処理を、空港施設内の除害施設の能力余剰時に行うことを特徴とする請求項10又は11に記載の防除氷剤回収方法。
  13. ラグーン処理槽が、既存の地下施設を改修したものであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の防除氷剤回収方法。
  14. 請求項1、2又は4の回収によって回収されずに空港施設に隣接する滞水池に流入した防除氷剤排水を、雨水浄化施設の処理設備に移送し、該処理設備で下記(1)〜(4)の処理方法の少なくとも一つの方法を含む処理により防除氷剤排水の水質を河川放流基準に処理し、該処理された処理水を河川に放流することを特徴とする防除氷剤回収方法。
    (1)生物処理(2)逆浸透膜処理(3)酸化剤処理(4)活性炭吸着処理
  15. 請求項1、2又は4の回収によって回収されずに空港施設に隣接する滞水池に流入した防除氷剤排水を、雨水浄化施設の処理設備に移送し、該処理設備で下記(1)〜(4)の処理方法の少なくとも一つの方法を含む処理により防除氷剤排水の水質を中水として利用可能な所定値以下に処理し、該処理された処理水を中水として利用することを特徴とする防除氷剤回収方法。
    (1)生物処理(2)逆浸透膜処理(3)酸化剤処理(4)活性炭吸着処理
  16. 滞水池に流入した防除氷剤排水の河川への流出を制御する制水門を配備したことを特徴とする請求項14又は15に記載の防除氷剤回収方法。
  17. 中水として利用可能な所定値以下に処理した防除氷剤排水を、雑用水として利用することを特徴とする請求項9、11又は15に記載の防除氷剤回収方法。
  18. 中水道の送水ルートとして、既設の共同溝を利用することを特徴とする請求項17に記載の防除氷剤回収方法。
  19. 防除氷剤非回収期は、ラグーン処理槽を雨水貯溜層として利用することを特徴とする請求項1〜6、8〜11、13のいずれかに記載の防除氷剤回収方法。
  20. 防除氷剤非回収期は、一時貯溜槽を雨水貯溜層として利用することを特徴とする請求項7に記載の防除氷剤回収方法。
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