JP2803184B2 - 酸性線維芽細胞成長因子の抗体,その用途およびペプチド - Google Patents

酸性線維芽細胞成長因子の抗体,その用途およびペプチド

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、測定用試薬,精製用試薬として有用な酸性
線維芽細胞成長因子(以下、aFGFと略称することもあ
る。)の抗体,その用途およびその抗原として用いるこ
とのできるペプチドに関する。
従来の技術 aFGFは、視床下部、脳、網膜などに見いだされている
分子量約1.6万、等電点が5〜7である内皮細胞成長因
子であり。ヘパリンと強く結合するという特徴があり、
また血管新生因子として一般に知られている。
発明が解決しようとする課題 癌組織には、それ自身の誘導した多数の不整な血管が
存在していることが確認されている。しかるに、種々の
組織や体液中の血管新生因子を測定することは、癌の診
断に役立つものと思われる。更に、aFGFは、中枢神経系
に関与するところで多く見つかっていることから、中枢
神経系においても重要な役割を果たしていると思われ
る。そこで、種々の組織や体液中のaFGFの測定は、中枢
神経系に関与する疾患などの診断に大いにも役立つもの
と期待出来る。また、aFGFの抗体を作成することができ
れば、aFGFの精製に利用できることが考えられる。
課題を解決するための手段 本発明者らは、上記の事情に鑑み、鋭意研究し、aFGF
の部分ペプチドを免疫原として抗体を作成したところ、
aFGFとの結合能の高い抗体が得られ、該抗体をサンドイ
ッチ法による免疫化学的測定法に付すと感度良くaFGFを
測定でき、しかも該抗体を用いるとaFGFを効率良く精製
できることを見い出し、これらに基づいてさらに研究し
た結果、本発明を完成した。
本発明は、(1)酸性線維芽細胞成長因子(aFGF)の
第1〜11番目のシークエンスのうち連続した8〜10個の
アミノ酸からなるペプチドとキャリア用蛋白質との複合
体を免疫原として得られた抗体、 (2)ペプチドがH−Phe−Asn−Leu−Pro−Leu−Gly−
Asn−Tyr−Lys−OHである上記(1)記載の抗体、 (3)ペプチドがH−Phe−Asn−Leu−Pro−Pro−Gly−
Asn−Tyr−Lys−OHである上記(1)記載の抗体、 (4)酸性線維芽細胞成長因子(aFGF)の第55〜66番目
のシークエンスのうち連続した8〜10個のアミノ酸から
なるペプチドとキャリア用蛋白質との複合体を免疫原と
して得られた抗体、 (5)ペプチドがH−Lys−Ser−Thr−Glu−Thr−Gly−
Gln−Phe−OHである上記(4)記載の抗体、 (6)酸性線維芽細胞成長因子(aFGF)の第103〜113番
目のシークエンスのうち連続した7〜9個のアミノ酸か
らなるペプチドとキャリア用蛋白質との複合体を免疫原
として得られた抗体、 (7)ペプチドがH−Lys−His−Trp−Phe−Val−Gly−
Leu−OHである上記(6)記載の抗体、 (8)酸性線維芽細胞成長因子(aFGF)の第131〜140番
目のシークエンスのうち連続した8〜9個のアミノ酸か
らなるペプチドとキャリア用蛋白質との複合体を免疫原
として得られた抗体、 (9)ペプチドがH−Leu−Pro−Leu−Pro−Val−Ser−
Ser−Asp−OHである上記(8)記載の抗体、 (10)担体上に保持された上記(1)ないし(9)記載
の抗体、および担体上に保持された抗体とは抗原決定部
位を異にする上記(1)ないし(9)記載の抗体に標識
剤を直接結合させた結合物を用いて酸性線維芽細胞成長
因子(aFGF)を測定することを特徴とするaFGFの免疫化
学的測定法、 (11)酸性線維芽細胞成長因子(aFGF)を、上記(1)
ないし(9)記載の抗体を用いて精製することを特徴と
するaFGFの精製法、 (12)酸性線維芽細胞成長因子(aFGF)の第1〜11番目
のシークエンスのうち連続した8〜10個のアミノ酸から
なるペプチド、 (13)酸性線維芽細胞成長因子(aFGF)の第55〜66番目
のシークエンスのうち連続した8〜10個のアミノ酸から
なるペプチド、 (14)酸性線維芽細胞成長因子(aFGF)の第103〜113番
目のシークエンスのうち連続した7〜9個のアミノ酸か
らなるペプチド、 (15)酸性線維芽細胞成長因子(aFGF)の第131〜140番
目のシークエンスのうち連続した8〜9個のアミノ酸か
らなるペプチド、である。
aFGFとしては、天然由来のものでもよく、また、遺伝
子工学的手法により製造されたものでもよい。
aFGFとしては、ウシ型のもの、ヒト型のもの、などが
挙げられる。ウシ型のもの、ヒト型のもののアミノ酸配
列は、バイオケミカル・アンド・バイオフイジカル・リ
サーチ・コミュニケーションズ(Biochemical and Bi
ophysical Research Communications)第611−617頁
(1986年)に記載されている。
また、aFGFとしては、その一部が変異されたムテイン
でもよい。
aFGFの部分ペプチドとしては、たとえばN末端側のシ
ークエンス;C末端側のシークエンス;全アミノ酸配列の
中心部付近のシークエンスを含むaFGFの部分ペプチドが
挙げられる。
該N末端側のシークエンスを含むaFGFの部分ペプチド
としては、上記したものが挙げられるが、さらにaFGFの
第1番目〜第11番目のシークエンスのうちの第1番目ま
たは第2番目のアミノ酸から始まる8〜10個のアミノ酸
からなるシークエンスを含むaFGFの部分ペプチドが挙げ
られる。
該C末端側のシークエンスを含むaFGFの部分ペプチド
としては、上記したものが挙げられるが、さらにaFGFの
第131番目〜第140番目のシークエンスのうちの第131〜1
33番目のアミノ酸から始まる8〜9個のアミノ酸からな
るシークエンスを含むaFGFの部分ペプチドが挙げられ
る。
該中心部付近のシークエンスを含むaFGFの部分ペプチ
ドとしては、上記したものが挙げられるが、さらにaFGF
の第55〜66番目のシークエンスのうち第55〜57番目のア
ミノ酸から始まる8〜10個のアミノ酸からなるシークエ
ンスを含むaFGFの部分ペプチド、またはたとえばaFGFの
第103〜113番目のシークエンスのうち第103〜105番目の
アミノ酸から始まる7〜9個のアミノ酸からなるシーク
エンスを含むaFGFの部分ペプチドが挙げられる。
N末端側のシークエンスの具体例としては、例えば、 など、 C末端側のシークエンスの具体例としては、例えば、 など、 中心部付近のシークエンスとしては、例えば、 などを含むaFGFの部分ペプチドが含まれる。
本発明で用いられる部分ペプチドは、ペプチド合成の
公知の常套手段で製造し得る。そしてそれは、固相法、
液相法のいずれによっても良い。そのようなペプチド合
成の方法としては、例えば、“The Peptides"、第1巻
(1966)、Schroder and Lubke著、Academic Press,New
York,U.S.A.、“ペプチド合成”、泉屋ら著、丸善株式
会社(1975)あるいは“ペプチド合成の基礎と実験”、
泉屋ら著、丸善株式会社(1985)に記載の方法が挙げら
れる。
また、該部分ペプチドは、適当な酵素によりaFGFを切
断することにより製造してもよい。該方法としては、た
とえば、“生化学実験講座1 タンパク質の化学II"、
日本生化学会編、東京化学同人(1976)の255ページか
ら332ページに記載の方法が挙げられる。
該部分ペプチドは、キャリア用蛋白と結合される。該
キャリアー用蛋白としては、例えば、牛チログロブリ
ン、牛血清アルブミン、牛ガンマグロブリン、ヘモシア
ニンなどがあげられる。
該部分ペプチドとキャリアー用蛋白との結合には、公
知の常套手段を用いて実施し得る。結合に用いる試薬と
しては、例えば、グルタールアルデヒド、水溶性カルボ
ジイミドなどがあげられる。ペプチドとキャリアー用蛋
白との使用比は、重量比で約1対1ないし約1対4が適
当であり、反応のpHは、中性付近、特に7.3前後が良好
な結果を与える場合が多い。また、反応に要する時間
は、約2〜6時間が良い場合が多いが、特に、約3時間
が適当である。このようにして作成された複合物は、常
套手段で約4℃前後で水に対して透析し、凍結して保存
しても良いし、凍結嵌装して保存しても良い。
ポリクローナル抗体を製造するためには、以上のよう
にして製造した免疫原を、温血動物に接種する。上記抗
体の製造を用いられる温血動物としては、例えば、哺乳
温血動物(例、ウサギ、ヒツジ、ウシ、ラット、マウ
ス、モルモット、ウマ、ブタ)、鳥類(例、ニワトリ、
ハト、アヒル、ガチョウ、ウズラ)などが挙げられる。
免疫原を、温血動物に接種する方法としては、動物に接
種する免疫原は、抗体産生をするに有効な量でよく、例
えば、ウサギに1回1mgを1mlの生理食塩水およびフロイ
ントの完全アジュバントで乳化して、背部ならびに後肢
掌皮下に4週間おきに5回接種すると抗体を産生させる
場合が多い。このようにして、温血動物中に形成された
抗体を採取する方法としては、例えばウサギでは、通常
最終接種後7日から12日の間に耳静脈から採取し、遠心
分離して血清として得られる。得られた抗血清は、通
常、各抗原ペプチドを保持させた担体を用いるアフィニ
ティクロマトグラフィーで吸着した画分を回収すること
によりポリクロナール抗体を精製することが出来る。
また、ミルステイン(Milstein)らの方法[ネイチュ
ア(Nuture)、第256巻(1975)、第495頁]に記載の方
法と同様の方法により得られるモノクローナル抗体も利
用できる。すなわち、該モノクローナル抗体は、免疫原
のポリペプチドまたは蛋白複合体で哺乳動物を免疫し、
取り出した脾臓細胞と同種または異種のリンパ球様細胞
とを細胞融合によりハイブリドーマとし、これをクロー
ン化し、ここで得られたハイブリドーマを哺乳動物に接
種し、モノクローナル抗体を生成蓄積せしめ、これを採
取して製造される。
抗体分子は、IgGでもよく、または、そのフラクショ
ン{例、F(ab′)2,Fab′もしくはFab}であっても良
い。なかでも、標識剤を直接結合させる抗体分子はFa
b′であることが好ましい。
このようにして得られた抗体は、aFGFの免疫化学的測
定法における試薬として用いることができる。
該aFGFの免疫化学的測定法によって、生体組織や体液
中のaFGFの量を測定することができ、これにより、前述
した如く、たとえば種々の組織や体液中の血管新生因子
を測定することにより、癌の診断に役立つと考えられ
る。
担体に保持する抗体は、抗aFGF抗体が用いられる。
本発明の測定法において用いられる標識剤を結合させ
た抗体は、上記担体に保持された抗体とは抗原決定部位
を異にする抗aFGF抗体に標識剤を直接結合させたものを
用いる。
本発明の免疫化学的測定法において用いられる抗aFGF
抗体としては、aFGFに対して結合能を有するものであれ
ばいずれでもよい。
特に、aFGFの部分ペプチドとキャリア用蛋白との複合
体を免疫原として得られた抗体が好ましい。
aFGFの測定方法において用いられる担体上に保持され
た抗体における担体としては、例えば、ゲル粒子(例、
アガロースゲル[例、セファロース4B、セファロース6B
(ファルマシア・ファインケミカル社(スエーデン)
製)]、デキストランゲル[例、セファデックスG−7
5、セファデックスG−100、セファデックスG−200
(ファルマシア・ファインケミカル社(スエーデン)
製)]、ポリアクリルアミドゲル[例、バイオゲルP−
30、バイオゲルP−60、バイオゲルP−100(バイオラ
ッド・ラボラトリーズ社(米国)製)]、セルロース粒
子[例、アビセル(旭化成製)、イオン交換セルロース
(例、ジエチルアミノエチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース)]、物理的吸着剤[例、ガラス(例、
ガラス球、ガラスロッド、アミノアルキルガラス球、ア
ミノアルキルガラスロッド)、シリコン片、スチレン系
樹脂(例、ポリスチレン球、ポリスチレン粒子)、イム
ノアッセイ用プレート(例、ヌンク社(デンマーク)
製)]、イオン交換樹脂{例、弱酸性陽イオン交換樹脂
[例、アンバーライトIRC−50(ローム・アンド・ハー
ス社(米国)製)、ゼオカーブ226(パームチット社
(西ドイツ)製)]、弱塩基性陰イオン交換樹脂[例、
アンバーライトIR−4B、ダウエックス3(ダウケミカル
社(米国)製)]}などが挙げられる。
担体に抗体を保持させるには、公知の常套手段を応用
し得るが、例えば、“代謝”、第8巻(1971年)、第69
6頁に記載されているブロムシアン法、グルタールアル
デヒド法などが挙げられる。また、より簡便な方法とし
て物理的に担体表面に吸着させてもよい。
標識剤を結合させた抗体における標識剤としては、放
射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物質などが挙げら
れるが、酵素を用いるのが好ましい。酵素としては、安
定で比活性の大きなものが好ましく、ペルオキシダー
ゼ、アルカリホスファターゼ、β−D−ガラクトシダー
ゼ、グルコースオキシダーゼ等を用いることができる
が、ペルオキシダーゼが好ましい。ペルオキシダーゼと
しては、種々の起源のものを用いることができるが、そ
の例としてはたとえば西洋わさび、パイナップル、イチ
ジク、甘藷、ソラマメ、トウモロコシなどから得られる
ペルオキシダーゼが挙げられ、特に西洋わさびから抽出
されたホースラディッシュ ペルオキシダーゼ(horser
adish peroxidase)(HRP)が好ましい。
ペルオキシダーゼと抗体を結合するにあたり、抗体分
子としてのFab′のチオール基を利用するために、あら
かじめペルオキシダーゼにマレイミド基を導入したもの
を用いると好都合である。
マレイミド基をペルオキシダーゼに導入する方法とし
ては、ペルオキシダーゼのアミノ基を介してマレイミド
基を導入することができる。そのためには、N−サクシ
ニミジル−マレイミド−カルボキシレート誘導体を用い
ることができ、好ましくは、N−(γ−マレイミドブチ
ルオキシ)サクシイミド(GMBSと略称することもある)
などが良い。従って、マレイミド基とペルオキシダーゼ
との間に一定の基が入っていることとなってもよい。
GMBSをペルオキシダーゼに反応させるには、両者を、
pH約6ないし8の緩衝液中で約10ないし50℃の温度で約
10分ないし24時間反応させることによって行われる。該
緩衝液としては、たとえば、pH7.0の0.1Mリン酸緩衝液
などが挙げられる。このようにして得られたマレイミド
化ペルオキシダーゼは、たとえばゲルクロマトグラフィ
ーなどにより精製することができる。該ゲルクロマトグ
ラフィーを行う際に用いられる担体としては、例えば、
セファデックスG−25[ファルマシア・ファインケミカ
ル社(スエーデン)製]、バイオゲルP−2[バイオラ
ッド・ラボラトリーズ社(米国)製]などが挙げられ
る。
マレイミド化ペルオキシダーゼと抗体分子との反応
は、両者を緩衝液中で約0℃ないし40℃の温度で、約1
ないし48時間反応させることにより行うことができる。
該緩衝液としては、たとえば、pH6.0の5mMエチレンジア
ミン四酢酸ナトリウム塩を含む0.1Mリン酸緩衝液などが
挙げられる。このようにして得られたペルオキシダーゼ
標識抗体は、たとえばゲルクロマトグラフィーなどによ
り精製することができる。該ゲルクロマトグラフィーを
行う際に用いられる担体としては、例えば、セファデッ
クスG−25[ファルマシア・ファインケミカル社(スエ
ーデン)製]、バイオゲルP−2[バイオラッド・ラボ
ラトリーズ社(米国)製]などが挙げられる。
さらに、ペルオキシダーゼにチオール基を導入し、マ
レイミド化された抗体分子と反応させても良い。
ペルオキシダーゼ以外の酵素を抗体に直接結合させる
には、ペルオキシダーゼの場合に準じて行うことがで
き、また、自体公知のグルタルアルデヒド法,過ヨウ素
酸法,水溶性カルボジイミド法などが用いられる。
本発明の測定系における被検試料としては、尿、血
清、血漿、髄液等の体液、あるいは、動物細胞や菌体の
抽出液またはその培養上清が挙げられる。
本発明の測定方法の例として、標識剤がペルオキシダ
ーゼの場合について以下に具体的に説明するが、ペルオ
キシダーゼに限定されるものではない。
まず、:担体に保持された抗体に、測定すべきaFGF
含有の分析対象物を加えて抗原抗体反応を行った後、こ
れに、前記で得られたペルオキシダーゼと抗aFGF抗体と
の結合物を加えて反応させる。
この本測定系における被検試料としては、尿、血清、
血漿、髄液等の体液、あるいは、動物細胞や菌体の抽出
液またはその培養上清が挙げられる。
:で得られた反応生成物にペルオキシダーゼの基質
を加え、生じた物質の吸光度もしくは蛍光強度を測定す
ることにより上記の反応生成物の酵素活性を知る。
:上記〜の操作を既知量のaFGFの標準溶液に対し
てあらかじめ行い、aFGFと吸光度もしくは蛍光強度との
関係を標準曲線として作成しておく。
:未知量のaFGFを含む分析対象物(被検試料)につい
て得られた吸光度もしくは蛍光強度を標準曲線にあては
め、分析対象物中のaFGFの量を測定する。
本発明の、aFGFを、aFGFの部分ペプチドとキャリア用
蛋白との複合体を免疫原として得られた抗体を用いて精
製するには、該抗体を用いてアフィニティーカラムクロ
マトグラフィーを行うことにより行うことができる。
該アフィニティーカラムクロマトグラフィーは、たと
えば、該抗体を適切な担体にカップリングさせ、これを
カラムに充め、aFGFを含む溶液をカラムに通し吸着さ
せ、次いで溶出させることにより行なうことができる。
該担体としては、たとえば、先に記載された担体と同
様のものが挙げられる。とりわけゲル粒子や各種合成樹
脂が好都合に用いられる。たとえばCNBr−activated Se
pharose 4B(ファルマシア・ファインケミカル社製),
アフィゲル−10,アフィゲル15(バイオラッド・ラボラ
トリーズ社製)などが挙げられる。
抗体を担体にカップリングさせるには、公知の常套手
段を応用し得るが、たとえば“代謝",第8巻(1971
年),第696頁に記載されているブロムシアン法,グル
タールアルデヒド法が挙げられる。また、水溶性カルボ
ジイミドを用いる方法、活性エステル法なども用いるこ
とができるが、より簡単な方法として物理的に担体表面
に吸着させてもよい。
このようにして得られた抗体カラムを用いて精製を行
なうには、抗体を結合させた担体を充てんした抗体カラ
ムに中性付近の緩衝液中のaFGFを吸着させる。次にカラ
ムを同じ緩衝液で洗浄したのち、特異的に吸着されたaF
GFを溶出させる。特異的に吸収された抗体を溶出するに
は、たとえば、低pHもしくは高pHの緩衝液,高濃度の塩
を含有する緩衝液を用いて行われる。
該低pHの緩衝液としては、たとえばpH2.3の0.17M グ
リシン−塩酸緩衝液,pH1.8の0.1M 第二クエン酸ナトリ
ムウ−塩酸緩衝液などが挙げられる。
該高pHの緩衝液としては、たとえばpH11のアンモニア
水,pH11.7の0.2Mホウ酸ナトリウム緩衝液などが挙げら
れる。
該高濃度の塩を含有する緩衝液としては、たとえば6M
グアニジン塩酸溶液,7M尿素溶液などが挙げられる。
上記の溶出は、バッチ法でもよく、またカラムを用い
る方法でもよい。
抗体の溶出液はたとえば透析して精製する。たとえば
低pHの緩衝液で溶出した時は、たとえば0.1%M炭酸ナ
トリウム緩衝液(pH10.5),高pHの緩衝液で溶出した時
は、たとえば0.1Mグリシン−塩酸緩衝液(pH3.0)で中
性化したのち、たとえば0.1NaN3を含む0.02Mリン酸食塩
緩衝液(pH8.0)に対して透析する。また高濃度の塩を
含有する緩衝液で溶出した抗体液は直接に上記のリン酸
食塩緩衝液に透析して保存することもできる。また、上
記溶出液または透析液を凍結乾燥して得られた凍結乾燥
標品として保存することもできる。
このようにして精製されたaFGFは、極めて高単位のも
のであり、たとえば、創傷の治癒促進剤として用いるこ
とができ、また、神経細胞増殖作用を有するので、各種
神経障害の治療に有効に利用できる。
aFGFを上記治療のための医薬として用いるには、その
まま粉末として、または他の薬理学的に許容されうる担
体,賦形剤,希釈剤とともに医薬組成物(例、注射剤,
錠剤,カプセル剤,液剤,軟膏)として、温血動物
(例、ヒト,マウス,ラット,ハムスター,ウサギ,
犬,ネコ)に対して非経口的または経口的に安全に投与
することができる。
上記の医薬組成物としての製剤化は常法に従って行わ
れる。
aFGFを上記した医薬として用いる場合には、たとえば
上記した温血動物に、投与ルート,症状などを考慮し
て、1日量約10ngないし10μg/kgの中から適当量を選ん
で投与される。
また、このようにして精製されたaFGFは、細胞培養を
促進させるための試薬として用いることができる。この
場合、aFGFを好ましくは、培弛1あたり約0.1〜10μ
gとなるように培地に加えることが好ましい。
本発明のaFGFの部分ペプチドは、たとえば上記した抗
体を製造する際の抗原として用いることができる。
実施例 以下に参考例,実施例をもって、本発明をさら詳しく
説明するが、本発明は、これらによってなんら限定され
るものではない。
参考例1 組換え型ヒトaFGFの調製 ヒトaFGFを、Biotechnology ,960(1987);Journal
of Biological Chemistry 263,16471(1988),および
ICSU Short Report volume 8,Advances in Gene Techno
logy:Protein Engineering and Production,Proceeding
s of the 1988 Miami Bio/Technology Winter Symposiu
m,IRL Press,page 110.に記載の方法を参考にして、次
に示す方法により製造した。
(a) 発現プラスミドの構築 化学合成されたヒトaFGFのcDNA(第1図)をpUC18〔M
ethods in Enzymology,101,20−78(1983)〕に組み込
んだプラスミドpTB917をBspM Iで切断し、large fragme
ntの反応によりこの部位を平滑末端にした後BamH Iで消
化して0.45KbのDNA断片を調製した。ベクターDNAにはT7
ファージのφ10プロモーターを保持るpET3c(Studier,
F.W.ら、J.Mol.Biol.189:113−130(1986))を用い、p
ET3cをNde Iで切断し、large fragmentで平滑末端とし
た後T4 DNAリガーゼによりNco Iリンカー5′−CCATGG
−3′を結合させた。このプラスミドをNco Iで切断
し、その部位をDNAポリメラーゼlarge fragmentにより
平滑化した後BamH Iで切断してS10の配列を除き、そこ
に先の0.45Kb blunt BspM I−BamH I断片をT4DNAリガー
ゼを用いて組み込んでpTB975を得た(第2図)。
(b) ヒトaFGFcDNAの大腸菌での発現 次に大腸菌MM294株にT7ファージのRNAポリメラーゼ遺
伝子を組み込んだλファージDE3(Studier,F.W.らJ.Mo
l.Biol.189:113−130(1986))を溶原化させ、さらにT
7ファージのリゾチーム遺伝子をもつプラスミドpLysS
(Studier,F.W.らJ.Mol.Biol.189:113−130(1986))
を導入し、大腸菌MM294(DE3)/pLysS株を作製した。こ
の大腸菌株にpTB975を導入し、大腸菌MM294(DE3)/pLy
sS,pTB975をつくった。この菌を35μg/mlアンピシリ
ン、10μg/mlクロラムフェニコールを含む培地で37℃で
培養し、濁度がKlett170になったときイソプロピルβ−
Dチオガラクトシド(IPTG)を最終濃度が0.5mMになる
ように加え更に3時間培養を継続した。菌体を遠心によ
り集め、氷冷したPBSで洗った後、再集菌し使用時まで
−20℃に保存した。
(c) ヒトaFGFの精製 1liter培養から集めた菌体を100mlの氷冷10mM Tris−
HCl(pH7.4),10mM EDTA,0.6M NaCl,10%ショ糖,0.25mM
PMSFに懸濁し、卵白リゾチームを0.5mg/mlとなるよう
に添加した。1時間氷中に放置後37℃で5分間インキュ
ベートし、氷冷下で超音波処理(20秒間,2回)を行い、
遠心(SORVALL,18Krpm,30min,4℃)して上清を得た。こ
の上清を200mlの氷冷20mM Tris−HCl(pH7.4),1mM EDT
Aと混和し、20mM Tris−HCl(pH7.4),1mM EDTA,0.2M N
aClで平衡化したヘパリンセファロースカラム(径2.5×
4cm)にかけた。カラムを150mlの20mM Tris−HCl(pH7.
4),1mM EDTA,0.5M NaClで洗った後、20mM Tris−HCl
(pH7.4),1mM EDTA,1.5M NaClで蛋白を溶出した。溶出
液を6ml毎に分画し、OD280をモニターして2番目のピー
ク画分(8−11番、計 24ml)を集めた(第3図)。こ
の画分22mlに対して等量の20mM Tris−HCl(pH7.4),1m
M EDTA,2M(NH42SO4を混和し、20mM Tris−HCl(pH7.
4),1mM EDTA,1M(NH42SO4で平衡化したフェニルセフ
ァロースカラム(径2.5×8cm)にかけた(流速 0.5ml/
min.)。20mlの同じ緩衝液でカラムを洗った後、1Mから
0Mの硫酸アンモニウム直線的濃度勾配(流速0.5ml/mi
n.、勾配時間200分)をかけ、溶出された画分40−55を
集め(第4図)、精製ヒトaFGFとした。
(d) 逆相C4 HPLC 精製ヒトaFGF1.2mg/ml溶液を0.25mlの0.1%トリフル
オロ酢酸(TFA)と混合し、逆相C4カラム(VYDAC)にア
プライし、0.1%TFA存在下に0%から90%アセトニトリ
ルの直線的濃度勾配をかけ溶出パターンを調べた。流速
1ml/min.、勾配時間60分で行った(第5図)。
(e) 生物活性 ヒトaFGFの活性は佐々田らの方法(Sasadaら,Mol.Cel
l Biol.:588−594(1988))に従い、マウスBALB/c3T
3細胞のDNA合成誘起[3H]チミジンの取り込みを指標と
して測定した。検体添加時、必要に応じて培地中および
検体中にヘパリン(SIGMA Grade I)溶液を混合した。
実施例1 (1) H−Lys−Ser−Thr−Glu−Thr−Gly−Gln−Phe
−OH(ウシaFGF[57−64],ペプチド(I))の製造 アプライド・バイオシステムズ社430A型全自動ペプチ
ド合成機を用い、Boc−Pheフェニルアセタミドメチル
(PAM)樹脂0.5mmoleより出発し、以下のアミノ酸を順
次縮合及び脱Boc反応に付した。
斯くしてBoc−Lys(ClZ)−Ser(Bzl)−Thr(Bzl)
−Glu(OHCex)−Thr(Bzl)−Gly−Gln−Phe−PAM樹脂
1.32gを得た。このうち500mgをアニソール0.5ml及びジ
メチルスルフィド0.5mlを含む弗化水素5.0ml中で0℃,6
0分間処理した後、弗化水素を減圧留去し、残留物をエ
チルエーテルで洗浄後、目的物を1N酢酸30mlで抽出し、
アンバーライトIRA−400(酢酸型)のカラム(2×5c
m)でイオン交換し、溶出液を凍結乾燥した。これを1N
−酢酸5mlにとかし、セファデックスLH−20(ファルマ
シア社製;カラム:2.5×125cm;溶出液:1N−酢酸)によ
るゲルろ過にて精製して、目的物を得た。収量94mg Rf0.16(酢酸エチル:ブタノール:酢酸:水=1:1:1:
1) アミノ酸分析値:Thr1.98;Ser0.85;Glu2.04;Gly1.00;Phe
1.03;Lys0.99 (2) H−Lys−His−Trp−Phe−Val−Gly−Leu−OH
(ウシaFGF[105−111],ペプチド(II))の製造 アプライド・バイオシステムズ社430A型全自動ペプチ
ド合成機を用い、Boc−Leu PAM樹脂0.5mmoleより出発
し、以下のアミノ酸を順次、縮合及び脱Boc反応に付し
た。
斯くして得られたペプチド樹脂をジメチルフォルムア
ミド(DMF)中1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOB
t)で処理して、Boc−Lys(ClZ)−His−Trp−Phe−Val
−Gly−Leu−PAM樹脂1.13gを得た。このうち300mgをア
ニソール0.3ml及びジメチルスルフィド0.3mlを含む弗化
水素3ml中で0℃,60分間処理した後、弗化水素を減圧留
去し、残留物をエチルエーテルで洗浄後、目的物を1N酢
酸30mlで抽出し、アンバーライトIRA−400(酢酸型)の
カラム(2×5cm)でイオン交換し溶出液を凍結乾燥し
た。これを1N−酢酸5mlにとかし、セファデックスLH−2
0(ファルマシア社製;カラム:2.5×125cm;溶出液:1N酢
酸)によるゲルろ過にて精製して、目的物を得た。収量
40mg Rf 0.52(酢酸エチル:ブタノール:酢酸:水=1:1:1:
1) アミノ酸分析値:Lys0.91;His1.01;Trp0.85;Gly1.00;Val
1.03;Leu1.01;Phe1.14 (3) H−Leu−Pro−Leu−Pro−Val−Ser−Ser−Asp
−OH(ウシaFGF[133−140],ペプチド(III))の製
造 アプライド・バイオシステムズ社430A型全自動ペプチ
ド合成機を用い、Boc−Asp(OBzl)−PAM樹脂0.5mmole
より出発し、以下のアミノ酸を順次、縮合及び脱Boc反
応に付した。
斯くして、Boc−Leu−Pro−Leu−Pro−Val−Ser(Bz
l)−Ser(Bzl)−Asp(OBzl)−PAM樹脂1.10gを得た。
このうち500mgをアニソール0.6ml及びジメチルスルフィ
ド0.6mlを含む弗化水素6.0ml中で0℃,60分間処理した
後、弗化水素を減圧留去し、残留物をエチルエーテルで
洗浄後、目的物を1N−酢酸40mlで抽出し、アンバーライ
トIRA−400(酢酸型)のカラム(2×5cm)でイオン交
換し、溶出液を凍結乾燥した。これを1N酢酸5mlにとか
し、セファデックスLH−20(ファルマシア社製;カラ
ム:2.5×125cm;溶出液:1N酢酸)によるゲルろ過にて精
製して目的物を得た。
収量 120mg Rf 0.43(酢酸エチル:ブタノール:酢酸:水=1:1:1:
1) アミノ酸分析値:Asp1.00;Ser1.95;Pro2.06;Val0.98;Leu
2.01 (4) H−Phe−Asn−Leu−Pro−Leu−Gly−Asn−Tyr
−Lys−OH(ウシaFGF[1−9],ペプチド(IV))の
製造 アプライド・バイオシステムズ社,430A型全自動ペプ
チド合成機を用い、Boc−Lys(ClZ)PAM樹脂0.5mmoleよ
り出発し、以下のアミノ酸を順次、縮合及び脱Boc化反
応に付した。
斯くして、Boc−Phe−Asn−Leu−Pro−Leu−Gly−Asn
−Tyr(BrZ)−Lys(ClZ)−PAM樹脂1.24gを得た。この
うち400mgをアニソール0.5ml及びジメチルスルフィド0.
5mlを含む弗化水素5.0ml中で0℃,60分間処理した後、
弗化水素を減圧留去し残留物をエチルエーテルで洗浄
後、目的物を1N酢酸30mlで抽出し、アンバーライトIRA
−400(酢酸型)のカラム(2×5cm)でイオン交換し、
溶出液を凍結乾燥した。これを1N−酢酸5mlにとかし、
セファデックスLH−20(ファルマシア社製;カラム:2.5
×125cm;溶出液:1N酢酸)によるゲルろ過にて精製して
目的物を得た。
収量 57.5mg Rf 0.41(酢酸エチル:ブタノール:酢酸:水=1:1:1:
1) アミノ酸分析値:Asp1.99;Pro1.03;Gly1.00;Lue1.99;Tyr
0.75;Phe0.97;Lys0.95 (5) H−Phe−Asn−Leu−Pro−Pro−Gly−Asn−Tyr
−Lys−OH(ヒトaFGF[1−9],ペプチド(V))の
製造 アプライド・バイオシステムズ社,430A型全自動ペプ
チド合成機を用い、Boc−Lys(ClZ)PAM樹脂0.5mmoleよ
り出発し、以下のアミノ酸を順次、縮合及び脱Boc化反
応に付した。
斯くして、Boc−Phe−Asn−Leu−Pro−Pro−Gly−Asn
−Tyr(BrZ)−Lys(ClZ)−PAM樹脂1.13gを得た。これ
をアニソール1.34ml及びジメチルスルフィド1.34mlを含
む弗化水素13ml中で0℃,60分間処理した後、弗化水素
を減圧留去し、残留物をエチルエーテルで洗浄後、目的
物を1N酢酸50mlで抽出し、これをアンバーライトIRA−4
00(酢酸型)のカラム(2×5cm)でイオン交換し、溶
出液を凍結乾燥した。これを30%酢酸10mlにとかし、セ
ファデックスG−50(ファルマシア社製;カラム:5×11
0cm;溶出液:30%酢酸)によるゲルろ過にて精製し、部
分精製品267mgを得た。これを0.1N酢酸20mlにとかし、C
M−52(ワットマン社製;カラム2.2×18cm;溶出法:0.01
M酢酸アンモニウム水溶液(pH4.5)−0.15M酢酸アンモ
ニウム水溶液(pH6.5)によるグラジエント溶出)によ
るイオン交換クロマトグラフィーにて精製し目的物を得
た。
収量 213mg Rf 0.50(n−ブタノール:ピリジン:酢酸:水=5:5:
1:4) アミノ酸分析値:Asp1.98;Gly1.00;Leu0.99;Tyr0.97;Phe
1.00;Lys0.98;Pro2.10 実施例2 抗aFGF抗体の製造 (1)H−Lys−Ser−Thr−Glu−Thr−Gly−Gln−Phe−
OH[ペプチド(I)]に対する抗体の製造 ペプチド(I)4mgおよび牛チログロブリン(BTGと略
称する)12mgを0.1Mリン酸緩衝液(pH7.3)1.5mlに溶解
し、1%グルタールアルデヒド水溶液を0.5ml加えて室
温で3時間撹拌後、4℃で透析(生理食塩水2x2)
し、生理食塩水にて8mlとして1mlずつ分注して凍結保存
した。このペプチド(I)−BTG縮合体溶液1mlにフロイ
ンドの完全アジュバント(Freund's complete adjuvan
t)1mlを加えてよく混和し、乳剤を作り、これをウサギ
の両大腿部筋肉内、両後肢掌皮下および背部皮下数ケ所
に注射した。以上の操作を4週おきに5回行い最終免疫
後1週間で採血し、遠心分離して抗血清を得た。
次いで抗血清を0.15MNaClを含む0.02Mホウ酸緩衝液
(pH8.0)で10倍に希釈し、ペプチド(I)を結合した
セファロース4Bカラム(直径1.2cm、長さ4cm)に付し
た。
0.15MNaClを含む0.02Mホウ酸緩衝液(pH8.0)にてカ
ラムを洗浄し、次いで0.1Mグリシン−塩酸緩衝液(pH2.
0)で溶出することによって、ペプチド(I)に対する
抗体AFM1Dを得た。
(2)H−Lys−His−Trp−Phe−Val−Gly−Leu−OH
[ペプチド(II)]に対する抗体の製造 ペプチド(II)4mgおよび牛チログロブリン(BTGと略
称する)12mgを0.1Mリン酸緩衝液(pH7.3)1.5mlに溶解
し、1%グルタールアルデヒド水溶液を0.5ml加えて室
温で3時間撹拌後、4℃で透析(生理食塩水2×2)
し、生理食塩水にて8mlとして1mlずつ分注して凍結保存
した。このペプチド(II)−BTG縮合体溶液1mlにフロイ
ンドの完全アジュバント(Freund′s complete adjuvan
t)1mlを加えてよく混和し、乳剤を作り、これをウサギ
の両大腿部筋肉内、両後肢掌皮下および背部皮下数ケ所
に注射した。以上の操作を4週おきに5回行い最終免疫
後1週間で採血し、遠心分離して抗血清を得た。
(3)H−Leu−Pro−Leu−Pro−Val−Ser−Ser−Asp−
OH[ペプチド(III)]に対する抗体の製造 ペプチド(III)4mgおよびBTG12mgを0.1Mリン酸緩衝
液(pH7.3)1.5mlに溶解し、1%グルタールアルデヒド
水溶液を0.5ml加えて室温で3時間撹拌後、4℃で透析
(生理食塩水2x2)し、生理食塩水にて8mlとして1ml
ずつ分注して凍結保存した。このペプチド(III)−BTG
縮合体溶液1mlにフロインドの完全アジュバント(Freun
d's complete adjuvant)1mlを加えてよく混和し、乳剤
を作り、これをウサギの両大腿部筋肉内、両後肢掌皮下
および背部皮下数ケ所に注射した。以上の操作を4週お
きに5回行い最終免疫後1週間で採血し、遠心分離して
抗血清を得た。
次いで抗血清を0.15MNaClを含む0.02Mホウ酸緩衝液
(pH8.0)で10倍に希釈し、ペプチド(III)を結合した
セファロース4Bカラム(直径1.2cm、長さ4cm)に付し
た。0.15MNaClを含む0.02Mホウ酸緩衝液(pH8.0)にて
カラムを洗浄し、次いで0.1Mグリシン−塩酸緩衝液(pH
2.0)で溶出することによって、ペプチド(III)に対す
る抗体AFCIDを得た。
(4)H−Phe−Asn−Leu−Pro−Leu−Gly−Asn−Tyr−
Lys−OH[ペプチド(IV)]に対する抗体の製造 ペプチド(IV)4mgおよびBTG12mgを0.1Mリン酸緩衝液
(pH7.3)1.5mlに溶解し、1%グルタールアルデヒド水
溶液を0.5ml加えて室温で3時間撹拌後、4℃で透析
(生理食塩水2x2)し、生理食塩水にて8mlとして1ml
ずつ分注して凍結保存した。このペプチド(IV)−BTG
縮合体溶液1mlにフロインドの完全アジュバント(Freun
d's complete adjuvant)1mlを加えてよく混和し、乳剤
を作り、これをウサギの両大腿部筋肉内、両後肢掌皮下
および背部皮下数ケ所に注射した。以上の操作を4週お
きに4回行い最終免疫後1週間で採血し、遠心分離して
抗血清を得た。
次いで抗血清を0.15MNaClを含む0.02Mホウ酸緩衝液
(pH8.0)で10倍に希釈し、ペプチド(IV)を結合した
セファロース4Bカラム(直径1.2cm、長さ4cm)に付し
た。
0.15MNaClを含む0.02Mホウ酸緩衝液(pH8.0)にてカ
ラムを洗浄し、次いで0.1Mグリシン−塩酸緩衝液(pH2.
0)で溶出することによって、ペプチド(IV)に対する
抗体AFN2Cを得た。
(5)H−Phe−Asn−Leu−Pro−Pro−Gly−Asn−Tyr−
Lys−OH[ペプチド(V)]に対する抗体の製造 ペプチド(V)4mgおよびBTG12mgを0.1Mリン酸緩衝液
(pH7.3)1.5mlに溶解し、1%グルタールアルデヒド水
溶液を0.5ml加えて室温で3時間撹拌後、4℃で透析
(生理食塩水2x2)し、生理食塩水にて8mlとして1ml
ずつ分注して凍結保存した。このペプチド(V)−BTG
縮合体溶液1mlにフロインドの完全アジュバント(Freun
d's complete adjuvant)1mlを加えてよく混和し、乳剤
を作り、これをウサギの両大腿部筋肉内、両後肢掌皮下
および背部皮下数ケ所に注射した。以上の操作を4週お
きに4回行い最終免疫後1週間で採血し、遠心分離して
抗血清を得た。
次いで抗血清を0.15MNaClを含む0.02Mホウ酸緩衝液
(pH8.0)で10倍に希釈し、ペプチド(V)を結合した
セファロース4Bカラム(直径1.2cm、長さ4cm)に付し
た。
0.15MNaClを含む0.02Mホウ酸緩衝液(pH8.0)にてカ
ラムを洗浄し、次いで0.1Mグリシン−塩酸緩衝液(pH2.
0)で溶出することによって、ペプチド(V)に対する
抗体HAFN1Bを得た。
実施例3 標識剤結合抗体の調製 実施例2の(4)で得たAFN2Cの溶出画分を、0.1MNaC
lを含む0.1M酢酸緩衝液(pH4.5)に対して4℃で20時間
透析し、ペプシン(シグマ社製、米国)(0.1mg)を加
え、37℃で8時間消化した。1MTrisでpH8にして反応を
止め、Ultrogel AcA44(IBF社製、フランス)のカラム
で0.15MNaClを含む0.02Mホウ酸緩衝液(pH8.0)を溶出
液として分離し、F(ab′)を得た。
これを、1mlに濃縮後、0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)に
対して4℃で20時間透析し、0.2Mメルカプトエチルアミ
ン,5mMEDTA,0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)0.1mlを加え
て、37℃,90分間還元した。反応液をSephadex G−25 fi
ne(ファルマシア・ファインケミカル社製、スエーデ
ン)(φ1X60cm)で5mM EDTA,0.1Mリン酸緩衝液(pH6.
0)を溶出液として分離し、Fab′画分を得た。一方、西
洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)(ベーリンガーマン
ハイム社製、西ドイツ)10mgを1.5mlの0.1Mリン酸緩衝
液(pH7.0)に溶かし、N−(γ−マレイミドブチルオ
キシ)サクシイミド(GMBS)3.5mgをN,N−ジメチルホル
ムアミド(DMF)100μlに溶かして加え、30℃で60分間
撹拌後、Sephadex G−25fine(φ1.2X60cm)で0.1Mリン
酸緩衝液(pH7.0)を溶出液として分離し、マレイミド
基の導入されたHRPを得た(マレイミド化HRP)。Fab′
とマレイミド化HRPをモル比で1:1になるように混ぜ、4
℃で20時間反応した。反応液を、Ultrogel AcA44のカラ
ムで0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)を溶出液として分離
し、酵素標識抗体(AFN2C−HRP)を得た。
実施例4 抗体感作プレートの調製 実施例2で得たAFM1DあるいはAFCIDを0.1M炭酸緩衝液
(pH9.6)にて10μg/mlとなるように希釈し、EIA用イム
ノプレート1(ヌンク社製、デンマーク)の各ウエルに
100μlずつ注入して4℃で一夜放置して感作させた。
0.15MNaClを含む0.01Mリン酸緩衝液(pH7.0)にて洗浄
した後、0.1%BSAを含む0.01Mリン酸緩衝液(pH7.0)を
各ウエルに注入して用時まで冷所保存した。
実施例5 aFGFの測定 (1) 検量線の作成 (a)試薬 実施例3で得られた酵素標識抗体AFN2C−HRP 実施例4で得た抗体感作マイクロプレート ウシ由来aFGF(BaFGF)(R&D社、米国)0〜1
μg/ml 緩衝液A(0.15M NaClを含むpH7.0の0.02Mリン酸緩
衝液) 緩衝液B(10%子牛血清、0.15M NaClを含むpH7.0の
0.02Mリン酸緩衝液) ペルオキシダーゼ基質溶液(0.02%過酸化水素と0.
15%o−フェニレンジアミンを含むpH5.5のクエン酸ナ
トリウム緩衝液) 酵素反応停止溶液(2N−硫酸) (b)測定 実施例4で得られた抗体感作プレートの各ウエルに、
緩衝液Bに溶解させたaFGF溶液100μlをに注入し、25
℃で2時間反応させた。各ウエルを緩衝液Aで洗浄後、
酵素標識抗体溶液100μlを加えて25℃でさらに2時間
反応させた。各ウエルを緩衝液Aで洗浄し、ペルオキシ
ダーゼ基質溶液を100μl加え25℃で30分反応させ、酵
素反応停止溶液100μl加えて反応を停止させた後、マ
イクロプレート用自動比色計(MTP−32,コロナ社製)を
用い、492nmにおける吸光度を測定した。BaFGFの濃度と
吸光度との関係を第6図に示す。第6図において、−○
−はAFCIDを感作したマイクロプレートを用いた場合,
−●−はAFMIDを感作したマイクロプレートを用いた場
合のBaFGFの濃度と吸光度との関係をそれぞれ示す。
(2) aFGFの免疫化学的測定キットおよびaFGFの測定 下記のaFGF免疫化学的測定キットを用い、下記の操作
法に従って、被検試料中のaFGF量を測定する。
(a)試薬 (1)実施例3で得られた酵素標識抗体AFN2C−HRP (2)実施例4で得られた抗体感作マイクロプレート (3)0〜1μg/mcのウシ由来標準aFGF (4)緩衝液A(0.15M NaClを含むpH7.0の0.02Mリン酸
緩衝液) 緩衝液B(10%子牛血清、0.15M NaClを含むpH7.0の
0.02Mリン酸緩衝液) (5)o−フェニレンジアミン (6)上記(5)の溶解に用いる緩衝液D(0.02%過酸
化水素,0.005%チメロサールを含むpH5.5の0.1Mクエン
酸緩衝液) (7)酵素反応停止液(2N−硫酸) (b)測定 緩衝液Bに溶解させたaFGF標準溶液あるいは緩衝液B
で希釈された被検試料溶液100μを、緩衝液Aで洗浄
された(2)の各ウエルに注入し、25℃で2時間反応さ
せる。各ウエルを緩衝液Aで洗浄後、試薬(1)100μ
を加えて、25℃でさらに2時間反応させる。各ウエル
を緩衝液Aで洗浄後、試薬(6)で溶解した0.15%の試
薬(5)100μを加えて25℃で30分反応させる。各ウ
エルに試薬(7)100μを添加して反応を停止させ、4
92nmの吸光度をマイクロプレート用自動比色計(MTP−3
2,コロナ社製)を用いて測定する。標準aFGFの検量線を
作成し、被検試料で得られた吸光度から、aFGF濃度を得
る。
実施例6 1)抗体結合樹脂の作製 CNBr−activated Sepharose 4B 1gを、グラフフィル
ター上で1mM塩酸(200ml)により、洗浄と膨潤を繰り返
した。
カップリングバッファー(0.5M NaClを含む0.1M炭酸
緩衝液(pH8.0))にてゲルを洗浄した後、実施例2
(3)で得られたAFCID 4mgを含むカップリングバッフ
ァー中にゲルを加え、全量をカップリングバッファーで
10mlとして、4℃で20時間かくはんした。
グラスフィルター上でゲルをロ取し、これを0.2M Gly
−NaOH(pH8.0)に移して、室温で2時間かくはんし
た。
ゲルをロ取し、カップリングバッファーと0.5M NaCl
を含む0.1M酢酸緩衝液で洗浄し、0.02Mリン酸緩衝液(p
H7.0)中で4℃で保存した。
2)市販のウシ由来aFGFの精製 1)で調製したゲル0.5mlをカラム(内径0.8cm)につ
め、緩衝液A(0.15M NaClを含む0.05Mヘペス緩衝液(p
H7.5))にて充分洗浄した。
市販のウシ由来aFGF(R&D社(米国),aFGF1μgに
対し50μgのBSAを含む)をaFGFの濃度として10μg/ml
となるように蒸留水で溶解し、そのうち100μを上記
カラムに流した。
カラムを緩衝液Aで充分洗浄した後、緩衝液B(0.2M
グリシン−塩酸緩衝液(pH2.0))にてaFGFを溶出し
た。溶出液は、1M Trisにて中和した。
3)精製aFGFの純度 2)で精製前のaFGF溶液と、精製後のaFGF溶出液を、
FPLCシステム(ファルマシア・ファインケミカル社,ス
ウエーデン)を用いて液体クロマトグラフィーで検定し
た。
カラムは、ゲルろ過用カラムであるSuperose12を用
い、溶出液は緩衝液Aを用い、流速は0.5ml/分とした。
溶出パターンを第7図および第8図に示す。第7図は
精製前のパターンを、第8図は精製後のパターンをそれ
ぞれ示し、第7図および第8図を比較すると、極めて高
純度にaFGFが精製されていることがわかる。
実施例7 ヒト型aFGFの測定 (1) 標識剤結合抗体の調製 実施例2の(5)で得たHAFN1Bの溶出画分を、0.1MNa
Clを含む0.1M酢酸緩衝液(pH4.5)に対して4℃で20時
間透析し、ペプシン(シグマ社製、米国)(0.1mg)を
加え、37℃で8時間消化した。1MTrisでpHを8にして反
応を止め、Ultrogel AcA44(IBF社製、フランス)のカ
ラムで0.15MNaClを含む0.02Mホウ酸緩衝液(pH8.0)を
溶出液として分離し、F(ab′)を得た。
これを、1mlに濃縮後、0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)に
対して4℃で20時間透析し、0.2Mメルカプトエチルアミ
ン,5mMEDTA,0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)0.1mlを加え
て、37℃,90分間還元した。反応液をSephadex G−25 fi
ne(ファルマシア・ファインケミカル社製、スエーデ
ン)(φ1X60cm)で5mM EDTA,0.1Mリン酸緩衝液(pH6.
0)を溶出液として分離し、Fab′画分を得た。一方、西
洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)(ベーリンガーマン
ハイム社製、西ドイツ)10mgを1.5mlの0.1Mリン酸緩衝
液(pH7.0)に溶かし、N−(γ−マレイミドブチルオ
キシ)サクシイミド(GMBS)3.5mgをN,N−ジメチルホル
ムアミド(DMF)100μlに溶かして加え、30℃で60分間
撹拌後、Sephadex G−25 fine(φ1.2X60cm)で0.1Mリ
ン酸緩衝液(pH7.0)を溶出液として分離し、マレイミ
ド基の導入されたHRPを得た(マレイミド化HRP)。Fa
b′とマレイミド化HRPをモル比で1:1になるように混
ぜ、4℃で20時間反応した。反応後を、Ultrogel AcA44
のカラムで0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)を溶出液として
分離し、酵素標識抗体(HAFN1B−HRP)を得た。
(2) ヒトaFGFの測定 (2−1) 検量線の作成 (a)試薬 上記実施例7の(1)で得られた酵素標識抗体HAFN
1B−HRP 実施例4で得たAFCID感作マイクロプレート 参考例1で得たヒト型aFGF(HaFGF)0〜1μg/ml 緩衝液A(0.15M NaClを含むpH7.0の0.02Mリン酸緩
衝液) 緩衝液B(10%子牛血清、0.15M NaClを含むpH7.0の
0.02Mリン酸緩衝液) ペルオキシダーゼ基質溶液(0.22%過酸化水素と0.
15%o−フェニレンジアミンを含むpH5.5のクエン酸ナ
トリウム緩衝液) 酵素反応停止溶液(2N−硫酸) (b)測定 実施例4で得られた抗体感作プレートの各ウエルに、
緩衝液Bに溶解させたaFGF溶液100μlを注入し、25℃
で2時間反応させた。各ウエルを緩衝液Aで洗浄後、酵
素標識抗体溶液100μlを加えて25℃でさらに2時間反
応させた。各ウエルを緩衝液Aで洗浄し、ペルオキシダ
ーゼ基質溶液を100μl加え25℃で30分反応させ、酵素
反応停止溶液100μl加えて反応を停止させた後、マイ
クロプレート用自動比色計(MTP−32,コロナ社製)を用
い、492nmにおける吸光度を測定した。ヒトaFGFの濃度
と吸光度との関係を第9図に示す。
(2−2) ヒトaFGFの免疫化学的測定キットおよびヒ
トaFGFの測定 下記のヒトaFGF免疫化学的測定キットを用い、下記の
操作法に従って、被検試料中のヒトaFGF量を測定する。
(a)試薬 (1)実施例7の(1)で得られた酵素標識抗体HAFN1B
A−HPR (2)実施例4で得られた抗体感作マイクロプレート (3)0〜1μg/mlのヒト型aFGF(参考例1で得たも
の) (4)緩衝液A(0.15M NaClを含むpH7.0の0.02Mリン酸
緩衝液) 緩衝液B(10%子牛血清、0.15M NaClを含むpH7.0の
0.02Mリン酸緩衝液) (5)o−フェニレンジアミン (6)上記(5)の溶解に用いる緩衝液D(0.02%過酸
化水素,0.005%チメロサールを含むpH5.5の0.1Mクエン
酸緩衝液) (7)酵素反応停止液(2N−硫酸) (b)測定 緩衝液Bに溶解させたaFGF標準溶液あるいは緩衝液B
で希釈された被検試料溶液100μを、緩衝液Aで洗浄
された(2)の各ウエルに注入し、25℃で2時間反応さ
せる。各ウエルを緩衝液Aで洗浄後、試薬(1)100μ
を加えて、25℃でさらに2時間反応させる。各ウエル
を緩衝液Aで洗浄後、試薬(6)で溶解した0.15%の試
薬(5)100μを加えて25℃で30分反応させる。各ウ
エルに試薬(7)100μを添加して反応を停止させ、4
92nmの吸光度をマイクロプレート用自動比色計(MTP−3
2,コロナ社製)を用いて測定する。標準aFGFの検量線を
作成し、被検試料で得られた吸光度から、aFGF濃度を得
る。
発明の効果 本発明のaFGFの部分ペプチドを免疫原として得られた
抗体は、aFGFとの結合能が高いので、aFGFを効率良く精
製することができる。また、本発明のaFGFの免疫化学的
測定法によると、感度良くaFGFを測定することができ
る。
また、本発明のaFGFの部分ペプチドは、部位特異抗体
の産生を効率良く行なうことができるので、抗体製造の
際の抗原として有利に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、参考例1で用いられた、ヒトaFGFのcDNA配列
を示す。 第2図は、参考例1で得られた、プラスミドpTB975の構
築図を示す。 第3図は、参考例1で得られた、溶出パターンを示す。 第4図は、参考例1で得られた、溶出パターンを示す。 第5図は、参考例1で得られた、溶出パターンを示す。 第6図は、実施例5で得られたウシaFGFの濃度と吸光度
との関係を示す。 第7図は、実施例6(3)で得られた、精製前のaFGF濃
度についての溶出パターンを示す。 第8図は、実施例7(3)で得られた、精製後のaFGFに
ついての溶出パターンを示す。 第9図は、実施例7で得られた、ヒトaFGFの濃度と吸光
度との関係を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12P 21/08 C12P 21/08 (C12P 21/02 C12R 1:19) (72)発明者 五十嵐 貢一 京都府京都市左京区下鴨宮崎町66番地の 3 (56)参考文献 The Journal of Bi ological Chemistr y,Vol.263,No.15,P.9059 −9062 (1988) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07K 16/22 C07K 14/50 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸性線維芽細胞成長因子(aFGF)の第1〜
    11番目のシークエンスのうち連続した8〜10個のアミノ
    酸からなるペプチドとキャリア用蛋白質との複合体を免
    疫原として得られた抗体。
  2. 【請求項2】ペプチドがH−Phe−Asn−Leu−Pro−Leu
    −Gly−Asn−Tyr−Lys−OHである請求項(1)記載の抗
    体。
  3. 【請求項3】ペプチドがH−Phe−Asn−Leu−Pro−Pro
    −Gly−Asn−Tyr−Lys−OHである請求項(1)記載の抗
    体。
  4. 【請求項4】酸性線維芽細胞成長因子(aFGF)の第55〜
    66番目のシークエンスのうち連続した8〜10個のアミノ
    酸からなるペプチドとキャリア用蛋白質との複合体を免
    疫原として得られた抗体。
  5. 【請求項5】ペプチドがH−Lys−Ser−Thr−Glu−Thr
    −Gly−Gln−Phe−OHである請求項(4)記載の抗体。
  6. 【請求項6】酸性線維芽細胞成長因子(aFGF)の第103
    〜113番目のシークエンスのうち連続した7〜9個のア
    ミノ酸からなるペプチドとキャリア用蛋白質との複合体
    を免疫原として得られた抗体。
  7. 【請求項7】ペプチドがH−Lys−His−Trp−Phe−Val
    −Gly−Leu−OHである請求項(6)記載の抗体。
  8. 【請求項8】酸性線維芽細胞成長因子(aFGF)の第131
    〜140番目のシークエンスのうち連続した8〜9個のア
    ミノ酸からなるペプチドとキャリア用蛋白質との複合体
    を免疫原として得られた抗体。
  9. 【請求項9】ペプチドがH−Leu−Pro−Leu−Pro−Val
    −Ser−Ser−Asp−OHである請求項(8)記載の抗体。
  10. 【請求項10】担体上に保持された請求項(1)ないし
    (9)記載の抗体、および担体上に保持された抗体とは
    抗原決定部位を異にする請求項(1)ないし(9)記載
    の抗体に標識剤を直接結合させた結合物を用いて酸性線
    維芽細胞成長因子(aFGF)を測定することを特徴とする
    aFGFの免疫化学的測定法。
  11. 【請求項11】酸性線維芽細胞成長因子(aFGF)を、請
    求項(1)ないし(9)記載の抗体を用いて精製するこ
    とを特徴とするaFGFの精製法。
  12. 【請求項12】酸性線維芽細胞成長因子(aFGF)の第1
    〜11番目のシークエンスのうち連続した8〜10個のアミ
    ノ酸からなるペプチド。
  13. 【請求項13】酸性線維芽細胞成長因子(aFGF)の第55
    〜66番目のシークエンスのうち連続した8〜10個のアミ
    ノ酸からなるペプチド。
  14. 【請求項14】酸性線維芽細胞成長因子(aFGF)の第10
    3〜113番目のシークエンスのうち連続した7〜9個のア
    ミノ酸からなるペプチド。
  15. 【請求項15】酸性線維芽細胞成長因子(aFGF)の第13
    1〜140番目のシークエンスのうち連続した8〜9個のア
    ミノ酸からなるペプチド。
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