JP3025002B2 - Dna、ポリペプチド、抗体、およびそれらの用途 - Google Patents
Dna、ポリペプチド、抗体、およびそれらの用途Info
- Publication number
- JP3025002B2 JP3025002B2 JP2316100A JP31610090A JP3025002B2 JP 3025002 B2 JP3025002 B2 JP 3025002B2 JP 2316100 A JP2316100 A JP 2316100A JP 31610090 A JP31610090 A JP 31610090A JP 3025002 B2 JP3025002 B2 JP 3025002B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sam
- protein
- antibody
- peptide
- cells
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Description
て有用なN−samタンパク質、その部分ペプチド、それ
らに対する抗体、およびそれらを製造するための技術に
関する。
や分化そして恒常性の維持などの機能を発揮するため
に、それぞれ細胞膜上に存在する個々の因子に特異的な
レセプターに結合し、これが最初のシグナルとなって情
報が細胞内へ伝達され、その目的を達成する。
質キナーゼ(以下チロシンキナーゼと呼称することがあ
る)の関与する反応系が知られている。チロシンキナー
ゼは増殖因子のレセプターや癌遺伝子産物に特有にみら
れ、細胞の増殖制御に深く関わるものとして注目を集め
ている。
している遺伝子として分離され、その遺伝子がコードす
る遺伝子産物は、細胞内ドメインと目される部分にチロ
シンキナーゼ活性を有し、この部分のアミノ酸配列がニ
ワトリbFGFレセプター(Cek−1)のそれと高い相同性
(84%)を示すことから、ヘパリン結合性成長因子(ヘ
パリンバインディンググロースファクター)(HBGF)フ
ァミリーの受容体タンパク質の1つであろうと推定され
ていた。
べく、K−sam以外のチロシンキナーゼ活性を有する因
子を見出すことがこの分野での1つの課題であった。
遺伝子をプローブとして、ヒトbFGFレセプター遺伝子で
ある新規なN−sam蛋白質の遺伝子のクローニングに成
功し、N−samタンパク質をコードする塩基配列を含む
組換えDNAを構築し、該DNAで形質転換された形質転換体
を培養することによりN−samタンパク質が生産される
ことを見出した。さらに、N−samタンパク質もしくは
その部分ペプチドを免疫原として抗体を作成したとこ
ろ、N−samタンパク質もしくはその部分ペプチドとの
結合性の高い抗体が得られ、免疫組織化学的・免疫化学
的測定法に付すと感度よくN−samタンパク質を検出・
定量でき、しかも該抗体を用いるとN−samタンパク質
を効率よく精製できることを見出し、これらに基づいて
さらに研究した結果、本発明を完成した。
(2)以下のアミノ酸配列(第1図)または第1番目の
Mを除いたアミノ酸配列からなる癌遺伝子N−samの遺
伝子産物: (3)(1)または(2)記載の遺伝子産物をコードす
る塩基配列を有する組換えDNA;(4)(3)記載の組換
えDNAを含むベクター;(5)(4)記載のベクターを
保持する形質転換体;(6)(5)記載の形質転換体を
培地に培養することを特徴とする(1)または(2)記
載の遺伝子産物の製造法;(7)(1)または(2)記
載の癌遺伝子N−samの遺伝子産物の部分ペプチド;
(8)(2)記載の癌遺伝子N−samの遺伝子産物のN
末端側から第1番目〜第374番目のアミノ酸配列のうち
の連続した13個以上のアミノ酸からなる部分ペプチドで
あって、該遺伝子産物のアミノ酸配列の第252〜257番目
のアミノ酸のうちの一つを含まない(7)記載の部分ペ
プチド;(9)(2)記載の癌遺伝子N−samの遺伝子
産物のN末端側から第1番目〜第374番目のアミノ酸配
列を含有する(7)記載のムテイン;(10)(1)1ま
たは(2)記載の遺伝子産物もしくは(7)、(8)ま
たは(9)記載の部分ペプチドに対する抗体;(11)
(1)または(2)記載の遺伝子産物もしくは(7)、
(8)または(9)記載の部分ペプチドとキャリア用蛋
白との複合体を免疫原として得られた(10)記載の抗
体;(12)(1)または(2)記載の遺伝子産物もしく
は(7)、(8)または(9)記載の部分ペプチドとキ
ャリア用蛋白との複合体を免疫原として免疫した動物か
ら抗体を採取することからなる、(10)記載の抗体の製
造法;(13)一種または抗原結合部を異にする複数種の
(10)記載の抗体を用いて検体における癌遺伝子N−sa
mの遺伝子産物を検出・定量することを特徴とする免疫
組織学的および免疫化学的測定法;および(14)(10)
記載の抗体を用いることを特徴とする(1)または
(2)記載の遺伝子産物の精製法、に関するものであ
る。
ドメインの遺伝子とハイブリダイズする遺伝子としてヒ
ト奇形腫細胞株NCC−ITのcDNAライブラリーからクロー
ニングされ、そのcDNAの塩基配列解析の結果、N−sam
遺伝子産物(以下N−samタンパク質と呼称することが
ある)はN末端にシグナルペプチドを有し、また中央部
に疎水性部分が存在することから細胞膜に位置するタン
パク質であり、また、その細胞内部分にはチロシンキナ
ーゼ活性を有するタンパク質が持つ共通配列を有してい
ることから、K−sam遺伝子産物と同様、受容体タンパ
ク質であろうと考えられた。
ミノ酸配列とニワトリbFGFレセプター(Cek−1)およ
びマウスFGFレセプターのチロシンキナーゼドメインの
アミノ酸配列の相同性は、それぞれ94%、99%と極めて
高く、それ以外の部分も、例えば細胞外ドメイン89%、
97%、膜貫通ドメイン87%、91%と、それぞれ非常に高
い相同性を示すことから、N−sam遺伝子はヒトbFGFの
レセプター遺伝子と考えられた。
ミング活性を有することや、癌組織から分離された発癌
遺伝子であるint−2、hst−1、FGF−5、hst−2/FGF
−6等の癌遺伝子産物とアミノ酸レベルで高い相同性を
示すことから、bFGFは生体の正常な発達と恒常性維持に
重要な役割を担うのみならず、細胞癌化への関与も注目
されている。
の良いマーカーとなる可能性が高く、該タンパク質の抗
体を作成することができれば、癌およびbFGFが関連する
疾患の診断、受容体の解析さらには制癌剤としても期待
できる。また該タンパク質および該タンパク質の細胞外
ドメインのポリペプチドそのものも制癌剤として期待で
きる。
皮細胞、繊維芽細胞、上皮細胞、神経およびグリア細胞
を包含する中胚葉および神経外胚葉由来の細胞であっ
た。しかしながら驚くべきことにはN−sam mRNAはヒト
リンパ球様細胞で発現していることが今回見出された。
(第1図参照)を有するDNAを含有する発現型ベクター
は、例えば、(イ)N−samタンパク質をコードするRNA
を分離し、(ロ)該RNAから単鎖の相補DNA(cDNA)を、
次いで二重鎖DNAを合成し、(ハ)該相補DNAをファージ
またはプラスミドに組み込み、(ニ)得られた組換えフ
ァージまたはプラスミドで宿主を形質転換し、(ホ)得
られた形質転換体を培養後、形質転換体から適当な方
法、例えばDNAプローブを用いたコロニーハイブリダイ
ゼーション法により目的とするDNAを含有するプラスミ
ドを単離し、(ヘ)そのプラスミドから目的とするクロ
ーン化DNAを取り出し、(ト)該クローン化DNAをビーク
ル中のプロモーターの下流に連結することにより製造す
ることができる。
mタンパク質産生細胞、例えばヒト奇形腫細胞株NCC−IT
から得ることができる。
グアニジンチオシアネート法[J.M.Chirgwinらバイオケ
ミストリー(Biochemistry),18,5294(1979)]など
が挙げられる。
を用いて、例えばCkayama,H.らの方法[モレキュラー・
セルラー・バイオロジー(Mol.Cell.Biol.),2,161
(1982)および同誌、3,280(1983)]やGubler,U.とH
offman,B.J.の方法[ジーン(Gene),25,263(198
3)]に従いcDNAをプラスミドやファージに組み込む。
来のpBR322[Gene,2,96(1977)]、pBR325[Gene,4,
121(1978)]、pUC12[Gene,19,259(1982)]、pUC13
[Gene,19,259(1982)]、枯草菌有来のpUB110[バイ
オケミカル・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケ
ーション(Biochem.Biophys.Res.Commu.),112,678(1
983)]などが挙げられるが、その他のものであって
も、宿主内で複製保持されるものであれば、いずれをも
用いることができる。また、cDNAを組み込むファージベ
クターとしては、例えばλgt10[Young.R.and Daivis,
R.,プロシージングス・オブ・ナショナルア・アカデミ
ー・オブ・サイエンス(Proc.Natl.Acad.Sci.USA),8
0,1194(1983)]などが挙げられるが、その他のもので
あっても、宿主内で増殖できるものであればよい。
niatis,T.らモレキュラー・クローニング(Molecular C
loning),Cold Spring Harbor Laboraotry,p.239(198
5)に記載の方法などがあげられる。またファージ・ベ
クターにcDNAを組み込む方法としては、例べばHyunh,T.
V.らの方法[ディーエヌエー・クローニング(DNA clon
ing),ア・プラクティカル・アプローチ(A Practical
Approach),1,49(1985)]などが挙げられる。この
ようにして得られたプラスミドやファージ・ベクター
は、適当な宿主例えば大腸菌などに導入する。
roc.Natl.Acad.Sci.USA,60,160(1968)]、JM103
[ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucl.Acids Re
s.),9,309(1981)]、JA[ジャーナル・オブ・モレ
キュラー・バイオロジー(J.Mol.Biol.),120,517(19
78)]、HB101[J.Mol.Biol.,41,459(1969)]、C600
[ジェネティックス(Genetics),39,440(1954)]な
どが挙げられる。
4[Gene,24,255(1983)]、207−21[ジャーナル・オ
ブ・バイオケミストリー(J.Biochem.),95,87(198
4)]などが挙げられる。
ばManiatis,T.らMolecular Cloning,Cold Spring Harbo
r Laboraotry,p.249(1985)に記載のカルシウムクロラ
イド法あるいはカルシウムクロライド/ルビジウムクロ
ライド法などが挙げられる。また、ファージ・ベクター
はたとえば、増殖させた大腸菌にインビトロパッケージ
ング法を用いて導入することができる。
方法、例えばコロニー・ハイブリダイゼーション法[Ge
ne,10,63(1980)]、プラーク・ハイブリダイゼーショ
ン法[サイエンス(Science),196,180(1977)]およ
びDNA塩基配列決定法[Proc.Natl.Acad.Sci.USA,74,560
(1977);Nucl,Acids Res.,9.309(1981)]を用い、
求めるクローンを選出する。
質をコードする塩基配列を含有するDNAを有するベクタ
ーを保持する微生物が得られる。
を単離するが、該単離法としては、アルカリ法[Birmbo
im,H.C.ら,Nlcl.Acids Res.,1,1513(1979)]などが
挙げられる。
る塩基配列を含有するDNAを有するプラスミドまたはフ
ァージ・ベクターは目的によりそのまま、または所望に
より制限酵素で消化して使用することができる。
(ベクター)中のプロモーターの下流に連結して発現型
ベクターを得ることができる。
(例;pBR322、pBR325、pUC12、pUC13)、枯草菌由来プ
ラスミド(例;pUB110、pTB5、pCI94)、酵母由来プラス
ミド(例;pSH19、pSH15)、あるいはλファージなどの
バクテリオファージおよびレトロウイルス、ワクシニア
ウイルスなどの動物ウイルスなどが挙げられる。
Gを有し、また3′末端には翻訳終止コドンとしてのTA
A、TGA、またはTAGを有していてもよい。さらに該遺伝
子を発現させるにはその上流にプロモーターを接続す
る。本発明で用いられるプロモーターとしては、遺伝子
の発現に用いる宿主に対応して適切なプロモーターであ
ればいかなるものでもよい。
る場合は、trpプロモーター、lacプロモーター、recAプ
ロモーター、λPLプロモーター、lppプロモーター、T7
プロモーターなどが、宿主がバチルス属菌である場合
は、SPO1プロモーター、SPO2プロモーター、penPプロモ
ーターなど、宿主が酵母である場合は、PHO5プロモータ
ー、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモー
ターなどが好ましい。とりわけ宿主がエシェリヒア属菌
でプロモーターがtrpプロモーターまたはT7プロモータ
ーであることが好ましい。
ター、レトロウイルスのプロモーターなどが挙げられ、
とりわけSV40由来のプロモーターが好ましい。
用いて、形質転換体を製造する。
属菌、酵母、動物細胞などが挙げられる。
コリ(Escherichia coli)K12DH1[Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA,60,160(1968)],M103[Nucleic Acids Researc
h 9,309(1981)],JA221[Journal of Molecular Bio
logy,120,517(1978)],HB101[Journal of Molecular
Biology,41,459(1969)],C600[Genetics),39,440
(1954)]などが挙げられる。
ルス(Bacillus subtilis)MI114[Gene,24,255(198
3)],207−21[ジャーナル・オブ・バイオケミストリ
ー(Journal of Biochemistry)95,87(1984)]などが
挙げられる。
シアエ(Saccharomyces cerevisiae)AH22R-、NA87−11
A、DKD−5Dなどが挙げられる。
ましく、たとえばサル細胞COS−7[セル(cell),23,
157(1981)],Vero、チャイニーズハムスター細胞CH
O、マウスL細胞、ヒトFL細胞などが挙げられる。
Proc.Natl.Acad.Sci.USA,69,2110(1972),ジーン,1
7,107(1982)などに記載の方法に従って行なわれる。
ラー・アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Molecu
lar & General Genetics),168,111(1979)などに記
載の方法に従って行なわれる。
ci.USA,75;1929(1978)に記載の方法に従って行なわれ
る。
(Virology),52,456(1973)に記載の方法に従って行
なわれる。
るベクターで形質転換された形質転換体が得られる。
換体を培養する際、培養に使用される培地としては液体
培地が適当であり、その中には該形質転換体の生育に必
要な炭素源、窒素源、無機物その他が含有せしめられ
る。炭素源としては、たとえばグルコース、デキストリ
ン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源としては、たとえ
ばアンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカ
ー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイシ
ョ抽出液などの無機または有機物質、無機物としてはた
とえば塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化
マグネシウムなどがあげられる。また、酵母エキス、ビ
タミン類、成長促進因子などを添加してもよい。
ばグルコース、カザミノ酸を含むM9培地[Miller,ジャ
ーナル・オブ・エクスペリメンツ・イン・モレキュラー
・ジェネティックス(Journal of Experiments in Mole
cular Genetics),431−433,Cold Spring Harbor Labor
atory,New York 1972)]が好ましい。ここに必要によ
りプロモーターを効率よく働かせるために、たとえば3
β−インドリル アクリル酸のような薬剤を加えること
ができる。
℃で約3〜24時間行い、必要により、通気や撹拌を加え
ることができる。
約6〜24時間行ない、必要により通気や撹拌を加えるこ
ともできる。
ては、たとえばバークホールダー(Burkholder)最小培
地[Bostian,K.L.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77,4505
(1980)]が挙げられる。培地のpHは約5〜8に調整す
るのが好ましい。培養は通常約20℃〜35℃で約24〜72時
間行い、必要に応じて通気や撹拌を加える。
としては、MEM培地[Science,122,501(1952)],DMEM
培地[Virology,8,396(1959)],RPMI1640培地[ジャ
ーナル・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・アソシエ
ーション(The Journal of the American Medical Asso
ciation),199,519(1967)],199培地[プロシーディ
ング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー・ザ・バイオロ
ジカル・メディスン(Proceeding of the Society for
the Biologcal Medical),73,1(1950)]などが挙げ
られる。これにさらに約5〜20%の胎児牛血清を添加し
ても良い。pHは約6〜8であるのが好ましい。培養は通
常約30〜40℃、培養時間は約15〜60時間行い、必要に応
じて通気や撹拌を加える。
は、例えば下記の方法により行なうことができる。
するに際しては、培養後、公知の方法で菌体あるいは細
胞を集め、これを塩酸グアニジンなどの蛋白質変性剤を
含む緩衝液に懸濁して菌体外に目的の蛋白を溶出させる
方法、フレンチプレス、超音波、リゾチームおよび(ま
たは)凍結融解によって菌体あるいは細胞を破壊したの
ち、遠心分離によりN−samタンパク質を得る方法など
が適宜用い得る。とりわけ、リゾチームと超音波処理を
併用する方法が好ましい。
は、自体公知の分離・精製法を適切に組み合わせて行な
うことができる。これらの公知の分離、精製法として
は、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、透
析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリアク
リルアミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を
利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷
電の差を利用する方法、アフィニティークロマトグラフ
ィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体
クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、
等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法など
が挙げられる。
乾燥粉末とすることもできる。さらに、担体として血清
アルブミンなどを添加して保存することは、標品の容器
への吸着を防ぐことができ好適である。
られる。本発明の実質的に純粋な本発明の蛋白質として
は、蛋白質含量として本発明の蛋白質を95%(w/w)以
上であるもの、さらに好ましくは本発明の蛋白質を98%
(w/w)以上であるものが挙げられる。
の蛋白質の一例として、例えば第1図におけるアミノ酸
配列で示されるポリペプチドを含有する蛋白質を挙げる
ことができる。該蛋白質はそのN末端にMetを有してい
てもよい。
はその一部、例えば細胞外ドメインを医薬として用いる
には、そのまま粉末として、または他の薬理学的に許容
されうる担体、賦形剤、希釈剤とともに医薬組成物
(例、注射剤、錠剤、カプセル剤、液剤、軟膏)とし
て、混血哺乳動物(例、ヒト、マウス、ラット、ハムス
ター、ウサギ、犬、ネコ)に対して非経口的または経口
的に安全に投与することができる。
やその他の補助薬を含む水溶液を用い、常法に従って行
なわれる。錠剤、カプセル剤等の医薬組成物も常法に従
って調製しうる。
るには、本発明で得られる遺伝子工学的手法によるN−
samタンパク質、また天然由来のN−samタンパク質でも
よく、あるいはまた、N−samタンパク質の部分ペプチ
ドでもよい。部分ペプチドとしては、癌遺伝子N−sam
の遺伝子産物のN末端側から第1番目〜第374番目のア
ミノ酸配列のうちの連続した13個以上のアミノ酸からな
る部分ペプチドであって、該遺伝子産物のアミノ酸配列
の第252〜257番目のアミノ酸のうちの一つを含まないも
のが挙げられる。N−samタンパク質の第1〜374番目の
アミノ酸配列が細胞外部分に相当し、この細胞外部分の
いずれかの部分がリガンドと結合性を示すと考えられ、
該部分のアミノ酸配列からなるペプチドがより好まし
い。該ペプチドは、キャリア蛋白との結合のためにその
C末端部もしくはN末端部にシステイン残基を付加した
ペプチドであってもよい。
公知の常套手段で製造し得る。そしてそれは、固相法、
液相法のいずれによってもよい。そのようなペプチド合
成の方法としては、例えば、“ザ ペプチズ(The Pept
ides)”、第1巻(1966)、Schroder and Lubke著、Ac
ademic Press,New York,U.S.A.,“ペプチド合成”、泉
屋ら著、丸善株式会社(1975)に記載の方法が挙げられ
る。
タンパク質を切断することにより、製造してもよい。該
方法としては、例えば、“生化学実験講座1 タンパク
質の化学II"、日本生化学会編、東京化学同人(1976)
の255ページから332ページに記載の方法が挙げられる。
キャリア用蛋白としては、例えば、牛チログロブリン、
牛血清アルブミン、牛ガンマグロブリン、ヘモシアニン
などが挙げられる。
の常套手段を用いて実施し得る。結合に用いる試薬とし
ては、例えば、グルタールアルデヒド、水溶性カルボジ
イミドなどが挙げられる。ペプチドとキャリア用蛋白と
の使用比は、約1対1ないし約1対4が適当であり、反
応のpHは、中性付近、特に7.3前後が良好な結果を与え
る場合が多い。また、反応に要する時間は、約2〜6時
間が良い場合が多いが、特に、約3時間が適当である。
このようにして作製された複合物は、常套手段で約4℃
前後で水に対して透析し、凍結して保存しても良いし、
凍結乾燥して保存しても良い。
にして製造した免疫原が、温血動物に接種される。上記
抗体の製造に用いられる温血動物としては、例えば、哺
乳温血動物(例、ウサギ、ヒツジ、ウシ、ラット、マウ
ス、モルモット、ウマ、ブタ)、鳥類(例、ニワトリ、
ハト、アヒル、ガチョウ、ウズラ)などが挙げられる。
免疫原を、混血動物に接種する方法としては、動物に接
種する免疫原は、抗体産生をするに有効な量で良く、例
えば、ウサギに1回1mgを1mlの生理食塩水およびフロン
トの完全アジュバントで乳化して、背部ならびに後肢掌
皮下に4週間おきに5回接種すると抗体を産生させる場
合が多い。このようにして、温血動物中に形成された抗
体を採取する方法としては、例えばウサギでは、通常最
終接種後7日から12日の間に耳静脈から採取し、遠心分
離して血清として得られる。得られた抗血清は、通常、
多抗原ペプチドを保持させた担体を用いるアフィニティ
クロマトグラフィーで吸着した画分を回収することによ
りポリクローナル抗体を精製することが出来る。
ー(Nature)、第256巻(1975)、第495頁〕に記載の方
法と同様の方法により得られるモノクローナル抗体も利
用できる。即ち、該モノクローナル抗体は、免疫原のポ
リペプチドまたは蛋白複合体で哺乳動物を免疫し、取り
だした脾臓細胞と同種または異種のリンパ球様細胞とを
細胞融合によりハイブリドーマとし、これをクローン化
し、ここで得られたハイブリドーマを哺乳動物に接種
し、モノクローナル抗体を生成蓄積せしめ、これを採取
して製造される。
ン{例、F(ab′)2,Fab′もしくはFab}であってもよ
い。なかでも、標識剤を直接結合させる抗体分子はFa
b′であることが好ましい。
の免疫組織化学的・免疫化学的測定法における試薬とし
て用いることができる。
測定法によって、生体組織や体液中のN−samタンパク
質の検出・定量が可能となる。これにより、前述した如
く、例えば種々の組織や体液中のN−samタンパク質の
検出・定量することにより、癌の診断に役立つと考えら
れる。
は、抗N−samタンパク質抗体が用いられる。
samタンパク質抗体としては、N−samタンパク質に対し
て結合能を有するものであればいずれでもよい。
キャリア用蛋白との複合体を免疫原として得られた抗体
が好ましい。
体上に保持された抗体における担体としては、例えば、
ゲル粒子(例、アガロースゲル〔例、セファロース4B、
セファロース6B、(ファルマシア・ファインケミカル社
(スウェーデン)製)〕、デキストランゲル〔例、セフ
ァデックスG−75、セファデックスG−100、セファデ
ックスG−200(ファルマシア・ファインケミカル社
(スウェーデン)製)〕、ポリアクリルアミドゲル
〔例、バイオゲルP−30、バイオゲルP−60、バイオゲ
ルP−100(バイオラッド・ラボラトリーズ社(米国)
製)〕、セルロース粒子〔例、アビセル(旭化成製)、
イオン交換セルロース(例、ジエチルアミノエチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース)〕、物質的吸着
剤〔例、ガラス(例、ガラス球、ガラスロッド、アミノ
アルキルガラス球、アミノアルキルガラスロッド)、シ
リコン片、ステンレス形樹脂(例、ポリスチレン球、ポ
リスチレン粒子)、イムノアッセイ用プレート(例、ヌ
ンク社(デンマーク)製)〕、イオン交換樹脂{例、弱
酸性イオン交換樹脂〔例、アンバーライトIRC−50(ロ
ーム・アンドハース社(米国)製)、ゼオカーブ226
(パームチット社(西ドイツ)製)、弱塩基性陰イオン
交換樹脂〔例、アンバーライトIR−4B、ダウエックス3
(ダウケミカル社(米国)製)〕}などが挙げられる。
し得るが、例えば、“代謝”、第8巻(1971年)、第69
6頁に記載されているブロムシアン法、グルタールアル
デヒド法などが挙げられる。また、より簡便な方法とし
て物理的に抗体表面に吸着させてもよい。
射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物質などが挙げら
れるが、酵素を用いるのが好ましい。酵素としては、安
定で比活性の大きなものが好ましく、ペルオキシダー
ゼ、アルカリホスファターゼ、β−D−ガラクトシダー
ゼ、グルコースオキシダーゼ等を用いることができる
が、ペルオキシダーゼが好ましい。ペルオキシダーゼと
しては、種々の起源のものを用いることができるが、そ
の例としてはたとえば西洋わさび、パイナップル、イチ
ジク、甘諸、ソラマメ、トウモロコシなどから得られる
ペルオキシダーゼが挙げられ、特に西洋わさびから抽出
されたホースラディッシュ ペルオキシダーゼ(horser
adish peroxidase)(HRP)が好ましい。
子としてのFab′のチオール基を利用するために、あら
かじめペルオキシダーゼにマレイミド基を導入したもの
を用いると好都合である。
ては、ペルオキシダーゼのアミノ基を介してマレイミド
基を導入することができる。そのためには、N−サクシ
ニミジル−マレイミド−カルボキシレート誘導体を用い
ることができ、好ましくは、N−(γ−マレイミドブチ
ルオキシ)サクシイミド(GMBSと略称することもある)
などが良い。従って、マレイミド基とペルオキシダーゼ
との間に一定の基が入っていることとなってもよい。
pH約6ないし8の緩衝液中で約10ないし50℃の温度で約
10分ないし24時間反応させることによって行われる。該
緩衝液としては、たとえば、pH7.0の0.1Mリン酸緩衝液
などが挙げられる。このようにして得られたマレイミド
化ペルオキシダーゼは、たとえばゲルクロマトグラフィ
ーなどにより精製することができる。該ゲルクロマトグ
ラフィーを行う際に用いられる担体としては、例えば、
セファデックスG−25〔ファルマシア・ファインケミカ
ル社(スウェーデン)製〕、バイオゲルP−2〔バイオ
ラッド・ラボラトリーズ社(米国)製〕などが挙げられ
る。
は、両者を緩衝液中で約0℃ないし40℃の温度で、約1
ないし48時間反応させることにより行うことができる。
該緩衝液としては、例えば、pH6.0の5mMエチレンジアミ
ン四酢酸ナトリウム塩をふくむ0.1Mリン酸緩衝液などが
挙げられる。このようにして得られたペルオキシダーゼ
標識抗体は、たとえばゲルクロマトグラフィーなどによ
り精製することができる。該ゲルクロマトグラフィーを
行う際に用いられる担体としては、例えば、セファデッ
クスG−25〔ファルマシア・ファインケミカル社(スエ
ーデン)製〕、バイオゲルP−2〔バイオラッド・ラボ
ラトリーズ社(米国)製〕などが挙げられる。
レイミド化された抗体分子と反応させてもよい。
には、ペルオキシダーゼの場合に準じて行うことがで
き、また、自体公知のグルタルアルデヒド法、過ヨウ素
酸法、水溶性カルボジイミド法などが用いられる。
は、尿、血清、血漿、髄液等の体液、あるいは、動物細
胞や菌体の抽出液またはその培養上清が挙げられる。
ルオキシダーゼの場合について以下に具体的に説明する
が、ペルオキシダーゼに限定されるものではない。
samタンパク質含有の分析対象物を加えて抗原抗体反応
を行った後、これに、前記で得られたペルオキシダーゼ
と抗N−samタンパク質抗体との結合物を加えて反応さ
せる。
血漿、髄液等の体液、あるいは、動物組織・細胞や菌体
の抽出液またはその培養上清が挙げられる。
質を加え、生じた物質の吸光度もしくは蛍光強度を測定
することにより上記の反応生成物の酵素活性を知る。
の標準溶液に対してあらかじめ行い、N−samタンパク
質と吸光度もしくは蛍光強度との関係を標準曲線として
作成しておく。
(被検試料)について得られた吸光度もしくは蛍光強度
を標準曲線にあてはめ、分析対象物中のN−samタンパ
ク質の量を測定する。
ク質抗体を上記のように直接ペルオキシダーゼで標識し
ても可能であるが、ビオチン化した該抗体を用いる直接
的あるいはビオチン化二次抗体を用いる間接的アビジン
−ビオチン複合体染色法〔ABC法、ジャーナル・オブ・
ヒストケミストリー・アンド・サイトケミストリー(J.
Hestochem.Cytochem.)29,577(1981)には、感度が高
く、また非特異的染色が少ないので有利に用いられる。
本発明の免疫組織化学的検索における被検材料として
は、動物細胞・組織や菌体などが挙げられる。
たはその部分ペプチドとキャリア用蛋白との複合体を免
疫原として得られた抗体を用いて精製するには、該抗体
を用いてアフィニティーカラムクロマトグラフィーを行
うことにより行うことができる。
えば、該抗体を適切な担体にカップリングさせ、これを
カラムに充填し、N−samタンパク質を含む溶液をカラ
ムに通し吸着させ、次いで溶出させることにより行なう
ことができる。
様のものが挙げられる。とりわけゲル粒子や各種合成樹
脂が好都合に用いられる。たとえば、CNBr−activated
sepharose 4B(ファルマシア・ファインケミカル社
製)、アフィゲル−10、アフィゲル15(バイオラッド・
ラボラトリーズ社製)などが挙げられる。
段を応用し得るが、たとえば「代謝」、第8巻(1971
年)、第696頁に記載されているブロムシアン法、グル
タールアルデヒド法が挙げられる。また、水溶性カルボ
ジイミドを用いる方法、活性エステル法なども用いるこ
とができるが、より簡単な方法として物理的に担体表面
に吸着させてもよい。
なうには、抗体を結合させた担体を充てんした抗体カラ
ムに中性付近の緩衝液中のN−samタンパク質を吸着さ
せる。次にカラムを同じ緩衝液で洗浄したのち、特異的
に吸着させたN−samタンパク質を溶出させる。特異的
に吸収された抗体を溶出するには、たとえば、低pHもし
くは高pHの緩衝液、高濃度の塩を含有する緩衝液を用い
て行なわれる。
シン−塩酸緩衝液、pH1.8の0.1M第一クエン酸ナトリウ
ム−塩酸緩衝液などが挙げられる。
水、pH11.7の0.2Mホウ酸ナトリウム緩衝液などが挙げら
れる。
グアニジン塩酸溶液、7M尿素溶液などが挙げられる。
る方法でもよい。
低pHの緩衝液で溶出した時は、たとえば0.1M炭酸ナトリ
ウム緩衝液(pH10.5)、高pHの緩衝液で溶出した時は、
たとえば0.1Mクリシン−塩酸緩衝液(pH3.0)で中性化
したのち、たとえば0.1%NaN3を含む0.02Mリン酸食塩緩
衝液(pH8.0)に対して透析する。また高濃度の塩を含
有する緩衝液で溶出した抗体液は直接に上記のリン酸食
塩緩衝液に透析して保存することもできる。また、上記
溶出液または透析液を凍結乾燥して得られた凍結乾燥標
品として保存することもできる。
めて高単位のものであり、N−samタンパク質は細胞増
殖因子の受容体と考えられるために、抗癌剤として用い
ることができる。
化合物の残基、保護基、溶媒などを略号で表示する場
合、IUPAC−IUB Commision on Biochemical Nomenclatu
reによる略号あるいは当該分野における慣用略号に基づ
くものであり、その例を下記する。またアミノ酸に関し
光学異性体があり得る場合は、特に明示しなければL−
体を示すものとする。なお、上記略号は、それに相当す
る化合物のペプチド、結合を形成しうる残基を示す場合
もある。
列の一部が修飾(付加、除去、その他のアミノ酸への置
換など)されていてもよい。
く説明するが、本発明は、これらによってなんら限定さ
れるものではない。
ライブラリーの作製。
オシアネート法[Chingwin,J.M.ら、Biochemistry,18,5
294(1979)]を用いて抽出した。このRNAよりポリ
(A)RNAをオリゴdTセルロースカラムクロマトグラフ
ィーにより精製した。[Aviv,H.とLeder,P.,Proc.Natl.
Acid.Sci.USA,69,1408(1972)]。
ffman,B.J.の方法[Gene,25,263(1983)]で精製し、
次にHuynh,T.V.らの方法[DNA Cloning:A Practical Ap
proach(IRL,Oxford),1,49(1985)]にしたがって
上記のcDNAにEcoR Iリンカーを付加したのち、λgt10の
EcoR I部位にクローニングし、cDNAライブラリーを作製
した。
基配列の決定。
リーを感染させたのち、Lブロスの軟寒天プレートにま
いた。プラークの出現を確認後、プラーク・ハイブリダ
イゼーション法[Benton,W.D.とDovis,R.W.,Science,19
6,180(1977)]で陽性クローニングN−sam4を選択し
た。このときプローブとして用いたk−sam cDNA SR0.
5は、K−sam7クローン(Hattori,Y.らProc.Natl.Acad.
Sci,87,5938,1990)においてSma I EcoR Iにより約0.5K
bpのDNAフラグメントとして切り出されるもので、K−s
am7クローンのヌクレオチド2071−2604に相当する。こ
れはK−sam蛋白質のチロシンキナーゼコード領域に相
当する。またDNA・RNAブロットにおいてK−sam cDNA・
mRNAとhigh stringency下でクロスハイブリダイズす
る。
域を含んでいたが翻訳開始部位ATGコドンを欠いてい
た。そこでN−sam cDNAの5′側を含むクローンを得る
ため、N−sam4の5′末端に近いオリゴヌクレオチドプ
ライマーGTTTGCCTAAGACCAGTCTGを用いて、NCC−IT細胞
よりcDNAライブラリーを作製した。このときの作製方法
は実施例1と同様である。スクリーニングの方法は、N
−sam4クローンと同様であるが、用いたプローブは、N
−sam4クローンの5′末端の制限酵素Acc Iで切り出さ
れる約0.2KbpのDNAフラグメントを用いた。スクリーニ
ングの結果1.7KbpのcDNAフラグメントを有するクロー
ン、5N−samを得、DNA塩基配列を決定した。その結果、
5N−samの3′末約500bpは、N−sam4の5′末約500bp
と完全に塩基配列が一致した。またRNAブロット法にお
いてN−sam4、5N−sam cDNAは、共にNCC−IT細胞にお
いて4.0kbのシグナルを呈することも確認した。
部異なり、奇形腫細胞株NCC−IT細胞由来遺伝子である
ことからN−samと命名された。塩基配列およびそれか
ら推測されるアミノ酸配列を第1図に示した。
Val−Met−Thr−Ser−Pro−Leu−Tyr−OH(N−samタン
パク質〔360−374〕,ペプチド(1))の合成 N−samタンパク質(360−374),ペプチドIの合成
は、自動ペプチド合成機430A(アプライドバイオシステ
ム社)を用いた固相合成法にて行なった。プログラムは
「スタンダード−1」を用いた。基本的な合成過程等
は、メリーフィールド アール ビー(Merrifield,R.
B.)(1969)アドバンス オブ エンザイモロジー(Ad
v.Enzymol.)32,221−296の方法に順じている。レジン
にはBoc−Tyr(Brz)−PAM−(0.5m mol/g)を用い、カ
ルボキシル末端から以下のアミノ酸を順次縮合した。Bo
c−アミノ酸としてBoc−Leu−OH,Boc−Pro−OH,Boc−Se
r−OH,Boc−Thr(Bzl)−OH,Boc−Met−OH,Boc−Val−O
H,Boc−Ala−OH,Boc−Pro−OH,Boc−Arg(Tos)−OH,Bo
c−Glu(Obzl)−OH,Boc−Glu(Obzl)−OH,Boc−Leu−
OH,Boc−Ala−OH,Boc−Glu(Obzl)−OHを用いた。アミ
ノ末端Gluまで合成した後ペプチドレジンを合成機から
取り出し、乾燥した。
mlの1、2−エタンジオールを加え、さらに約8mlの液
体フッ化水素を加えて、0℃で2時間反応させた。反応
終了後、デシケーター中でフッ化水素を減圧除去し、0.
1%の2−メルカプトエタノールを含むジエチルエーテ
ルで、続いてジエチルエーテルで洗い、大部分の混在試
薬を除去した。ペプチドを10mlの3%酢酸で抽出し、ろ
過により抽出液中に混合しているレジンを除いた。
ルろ過により精製した。ゲルろ過条件は、カラムサイズ
2.8×60cm;検出波長230nm;溶媒3%酢酸;流速40ml/hr
であった。
られた粉末標本について逆相高速液体クロマトグラフィ
ーによりさらに精製した。カラム、Nucleosil 5C18;4×
150mm;カラム温度、25℃;溶出溶媒A 0.1%トリフル
オロ酢酸−99.9%蒸留水%;溶出媒体B 0.1%トリフ
ルオロ酢酸−99.9%アセトニトリル;溶出プログラム、
0分(90%A+10%B)、25分(40%A+60%B);溶
出速度1ml/min、検出波長220nm。本条件下で保持時間約
17分に溶出された主ピーク画分を集めて、バイオラッド
AG1×8(AcOH型、1.8×5cm)カラムに通し、洗液を集
め、アセトニトリルを留去した後、凍結乾燥した。白色
粉末25mgを得た。得られたペプチドは、上記と同様の条
件における高速液体のクロマトグラフィーによる分析
で、保持時間17.0分で鋭い単ピークを与えた。
8(2),Ala2.09(2),Val1.00(1),Met1.01(1),
Leu2.06(2),Tyr0.99(1),Arg1.00(1)(2)H
−Thr−Thr−Asp−Lys−Glu−Met−Glu−Val−Leu−His
−Leu−Arg−Asn−Val−Ser−Phe−Glu−Asp−Ala−Gly
−OH(N−samタンパク質〔318−337〕,ペプチド(I
I))の合成 自動ペプチド合成機430Aを用い、Boc−Gly−PAM−P
(0.5m mol/g)より出発し、以下のアミノ酸を順次縮合
した。Boc−Ala−OH,Boc−Asp(OBzl)−OH,Boc−Glu−
(Obzl)−OH,Boc−Phe−OH,Boc−Ser−OH,Boc−Val−O
H,Boc−Asn−OH,Boc−Arg(Tos)−OH,Boc−Leu−OH,Bo
c−His(Tos)−OH,Boc−Leu−OH,Boc−Val−OH,Boc−G
lu(OBzl)−OH,Boc−Met−OH,Boc−Glu(OBzl)−OH,B
oc−Lys(Clz)−OH,Boc−Asp(OBzl)−OH,Boc−Thr
(Bzl)−OH,Boc−Thr(Bzl)−OH。アミノ末端Thrまで
合成した後ペプチドレジンを合成機から取り出し、乾燥
した。
mlの1、2−エタンジチオールを加え、さらに約8mlの
液体フッ化水素を加えて、0℃で2時間反応させた。反
応終了後、デシケーター中でフッ化水素を減圧除去し、
0.1%の2−メルカプトエタノールを含むジエチルエー
テルで、続いてジエチルエーテルで洗い、大部分の混在
試薬を除去した。ペプチドを10mlの3%酢酸で抽出し、
ろ過により抽出液中に混合しているレジンを除いた。
ルろ過により精製した。ゲルろ過条件は、カラムサイズ
2.8×60cm;検出波長230nm;溶媒3%酢酸;流速40ml/hr
であった。
られた粉末標本について逆相高速液体クロマトグラフィ
ーによりさらに精製した。カラムNucleosil 5C18;4×15
0mm;カラム温度25℃;溶出溶媒A0.1%トリフルオロ酢酸
−99.9%蒸留水;溶出溶媒B0.1%トリフルオロ酢酸−9
9.9%8アセトニトリル;溶出プログラム、0分(90%
A+10%B);25分(40%A+60%B);溶出速度1ml/m
in、検出波長220nm。本条件下で保持時間約16分に溶出
された主ピーク画分を集めて、バイオラッドAG1×8(A
cOH型、1.8×5cm)カラムに通し、洗液を集め、アセト
ニトリルを留去した後、凍結乾燥した。白色粉末25mgを
得た。得られたペプチドは、上記と同様の条件における
高速液体のクロマトグラフィーによる分析で、保持時間
16.5分で鋭い単ピークを与えた。
6(3),Gly0.98(1),Ala0.99(1),Val1.92(2),
Met0.96(1),Leu2.07(2),Phe1.00(1),Lys0.97
(1),His0.98(1),Arg0.98(1)。
Val−Met−Thr−Ser−Pro−Tyr−OH〔ペプチド(I)〕
に対する抗体の製造 ペプチド(I)7mgおよび牛サイログロブリン(BTGと
略する)2/mgを0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)2mlに溶解
し、1%グルタールアルデヒド水溶液を0.75ml加えて氷
冷下で30分撹拌後、室温で3時間撹拌を行なった。撹拌
終了後、4℃で透析(生理食塩水2×2)し、生理食
塩水にて10mlとして1mlずつ分注して凍結保存した。こ
のペプチド(I)−BTG縮合体溶液0.5mlに等量のフロイ
ンド完全アジュバントを加えてよく混合して乳剤を作製
し、これをウサギ両大腿部筋肉内、両後肢掌皮下および
背部皮下数ヶ所に接種した。3週後、ペプチド(I)−
BTG縮合体溶液0.5mlに等量のフロインド不完全アジュバ
ントを加え、よく混和して乳剤を作成し、同様に接種を
行なった。さらに3、6週後同様の追加免疫を行ない、
最終免疫の1週後採血し、抗血清を得た。
Leu−His−Leu−Arg−Asr−Val−Ser−Phe−Glu−Asp−
Ala−Gly−OH〔ペプチド(II)〕に対する抗体の製造。
(pH7.2)2mlに溶解し、1%グルタールアルデヒド水溶
液を0.75ml加えて氷冷下で30分間撹拌後、室温で3時間
撹拌を行なった。撹拌終了後、4℃で透析(生理食塩水
2×2)し、生理食塩水にて10mlとして1mlずつ分注
して凍結保存した。このペプチド(II)−BTG縮合体溶
液0.5mlに等量のフロインド完全アジュバンドを加えて
よく混合して乳剤を作製し、これをウサギ両大腿部筋肉
内、両後肢掌皮下および背部皮下数ヶ所に接種した。3
週間、ペプチド(II)−BTG縮合体溶液0.5mlに等量のフ
ロインド不完全アジュバンドを加えよく混和して乳剤を
作製し、同様に接種を行なった。さらに3、6週後同様
の追加免疫を行ない、最終免疫の1週間後採血し、抗血
清を得た。
チドをコートしたマイクロプレートを用いたELISA法で
検討した。すなわち、それぞれのペプチドを10μg/mlと
なるよう0.1M炭酸緩衝液(pH9.6)に溶解し、96ウェル
イムノプレート(ヌンク社製、デンマーク)の各ウェル
に100μずつ分注して4℃で一夜放置することにより
コートした。0.15M NaClを含む0.01Mリン酸緩衝液(洗
浄後、pH7.3)で洗浄した後、1%BSAを含む0.02Mリン
酸緩衝液(pH7.0)を各ウェルに入れ用時まで冷所保存
した。以上のように調製したイムノプレートの各ウェル
に、実施例2で得られた抗血清を10倍段階希釈し、その
100μを注入し25℃で2時間反応させた。各ウェルを
洗浄液で洗った後、104倍に希釈したHRP(ホースラディ
ッシュペルオキシダーゼ)標識ヤギ抗ウサギIgG抗体
(カッペル社、米国)を100μ注入し、25℃で2時間
反応させた。各ウェルを洗浄液でよく洗った後、0.02%
過酸化水素と0.15%o−フェニレンジアミンを含むpH5.
5のクエン酸ナトリウム緩衝液を100μ加え25℃で15分
間反応させ、100μの4N−硫酸を加えることにより酵
素反応を停止させた。停止後、マイクロプレート用自動
比色計(MTP−32、コロナ社製)を用い、492nmにおける
吸光度を測定した。その結果、いずれのペプチドを免疫
した場合も接種した2匹のウサギの血中に抗体の存在を
認め、ペプチド(I)で10-5〜10-6(第2図)、ペプチ
ド(II)で10-4〜10-5(第3図)希釈まで、血清中に特
異抗体の存在を認めた。
胞、繊維芽細胞、上皮細胞、神経およびグリア細胞を包
含する中胚葉および神経外胚葉由来の細胞であるといわ
れている。N−sam mRNAのヒトリンパ球様細胞での発現
の結果を次に示す。
白血病細胞株、CCRF−CEM、Jurkat,Molt3、RPMI8402の
全てにおいて;4つの成人T細胞白血病(ATL)細胞株の
内の1つのHUT102において;3つのB細胞系列の内の1つ
のU266において弱く;1つの非T非B急性リンパ球白血病
細胞株P30/OHKにおいてかすかに、発現した(第4
図)。N−sam mRNAが、4つの全ての非ATL T細胞株
で発現されたにもかかわらず、ATL細胞株ではたった1
つの細胞株でしか発現しなかった理由は不明である。N
−sam mRNAは肺癌細胞株、胃癌細胞株、食道癌細胞株お
よび繊維芽細胞株といった、種々の癌あるいは非癌細胞
においても又発現された。
ロット分析である。上記パネルは32P−標識ApAp0.5(N
−samに特異的なプローブ。3′側のApA I/AaA I 0.5kb
pフラグメント)に対するハイブリダイゼーションであ
り、下部パネルは試料に関するRNAの総量を比較するた
めに32P−標識βアクチンに対するハイブリダイゼーシ
ョンが包含されている。ここで示された細胞株(1〜13
レーン)からの総RNA(20μg)を電気泳動で分画し、
ニトロプラス(nitroplus)に移し、標識化プローブに
ハイブリダイズしたものを分析した。ハイブリダイゼー
ションは高ストリンゲンシー(high−stringency)条件
下で行なった。図中、各レーンは以下のとおりである。
非T非B急性リンパ球白血病細胞株(ALL)P30/OHK(レ
ーン1)。胸腺TALL;CCRF−CEM(レーン2)、Molt3
(レーン3)、Jurkat(レーン4)。成人T細胞白血病
(ATL);MT−2(レーン5)、OCH(レーン6)およびC
91/PL(レーン7)。BALL−1(レーン8)およびHL−6
0(レーン9)。ATL HUT102(レーン10)。多発性骨髄
腫U266(レーン11)。Burkitt lymphoma Raji(レーン1
2)。胸腺TALL RPMI−8402(レーン13)。NCC−IT(レ
ーン14)。
セプターであると考えられ、該タンパク質、該タンパク
質の細胞外ドメイン、およびその部分ペプチド等の制癌
剤としての使用が考えられる。また、本発明で得られる
抗N−samペプチド抗体は、癌遺伝子N−samの遺伝子産
物を免疫組織化学的または免疫化学的測定法で検定、定
量する方法における試薬として、癌遺伝子N−sam遺伝
子産物の精製の試薬として、また癌診断剤として用いら
れる他、制癌剤としても有用であると考えられる。
基配列およびそれから推測されるアミノ酸配列を示した
図である。 第2図および第3図は本発明の癌遺伝子N−samの遺伝
子産物の部分ペプチドをウサギに免疫することによって
得られた抗体の抗体価を示すグラフである。 第4図は本発明のN−sam mRNAの発現を示す電気泳動図
である。
Claims (5)
- 【請求項1】以下のアミノ酸配列または第1番目のMを
除いたアミノ酸配列からなるタンパク質。 - 【請求項2】請求項1記載のタンパク質をコードする塩
基配列を有する組換えDNA。 - 【請求項3】請求項2記載の組換えDNAを含むベクタ
ー。 - 【請求項4】請求項3記載のベクターを保持する形質転
換体。 - 【請求項5】請求項4記載の形質転換体を培地に培養す
ることを特徴とする請求項1記載のタンパク質の製造
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2316100A JP3025002B2 (ja) | 1990-11-22 | 1990-11-22 | Dna、ポリペプチド、抗体、およびそれらの用途 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2316100A JP3025002B2 (ja) | 1990-11-22 | 1990-11-22 | Dna、ポリペプチド、抗体、およびそれらの用途 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04190792A JPH04190792A (ja) | 1992-07-09 |
JP3025002B2 true JP3025002B2 (ja) | 2000-03-27 |
Family
ID=18073242
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2316100A Expired - Lifetime JP3025002B2 (ja) | 1990-11-22 | 1990-11-22 | Dna、ポリペプチド、抗体、およびそれらの用途 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3025002B2 (ja) |
-
1990
- 1990-11-22 JP JP2316100A patent/JP3025002B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
Biochemical and Biophysical Research Communications,Vol.169,No.2(June 5,1990),p.680〜685. |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04190792A (ja) | 1992-07-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2807660B2 (ja) | 悪性−PTHrPの体液性高カルシウム血症において活性的なタンパク質 | |
Kem et al. | Isolation, characterization, and amino acid sequence of a polypeptide neurotoxin occurring in the sea anemone Stichodactyla helianthus | |
CA2071538C (en) | Hpth (1-37) fragment, its production, drug containing it and its use | |
JP2980334B2 (ja) | ラットの顎下腺から導出したペプチド及びポリペプチド、対応するポリクローナル及びモノクローナル抗体、対応するハイブリドーマ並びに診断、検出及び治療目的でのこれらの生成物の使用 | |
Koshland et al. | Differences in amino acid composition related to allotypic and antibody specificity of rabbit IgG heavy chains | |
Michael et al. | All eight unassigned reading frames of mouse mitochondrial DNA are expressed. | |
JPH06503947A (ja) | Igfbp―5をコードする遺伝物質 | |
AU1227792A (en) | Ligand growth factors that bind to the erbb-2 receptor protein and induce cellular responses | |
NZ241368A (en) | Fibroblast growth factor receptor blocking peptides and their use in diagnostic methods and test kits | |
JP3025002B2 (ja) | Dna、ポリペプチド、抗体、およびそれらの用途 | |
EP0420081A1 (en) | Monoclonal antibody against an acidic FGF protein, its production and use | |
JP2803184B2 (ja) | 酸性線維芽細胞成長因子の抗体,その用途およびペプチド | |
WO2002088358A2 (en) | Human fibroblast growth factor-related compositions | |
JP2980991B2 (ja) | 癌遺伝子K−samの遺伝子産物に対する抗体、その用途およびペプチド | |
JPH03163095A (ja) | ヒト神経成長因子の部分ペプチド、抗体およびその用途 | |
JPH0570484A (ja) | ペプチドおよびその塩 | |
JPH01500188A (ja) | ヘパトーム由来成長因子 | |
JPH06125784A (ja) | モノクローナル抗体,ハイブリドーマ,その製造法および用途 | |
JP3024987B2 (ja) | 抗体、その製造法および用途 | |
JPH0578391A (ja) | ペプチドおよびその塩 | |
JPH0570482A (ja) | ペプチドおよびその塩 | |
CA1341536C (en) | Transforming growth factor peptides | |
JPH0570481A (ja) | ペプチドおよびその塩 | |
JPH04128298A (ja) | 抗体、その製造法および用途 | |
JPH0570483A (ja) | ペプチドおよびその塩 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090121 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090121 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100121 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110121 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110121 Year of fee payment: 11 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110121 Year of fee payment: 11 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |