JPH0578391A - ペプチドおよびその塩 - Google Patents

ペプチドおよびその塩

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JPH0578391A
JPH0578391A JP3232991A JP23299191A JPH0578391A JP H0578391 A JPH0578391 A JP H0578391A JP 3232991 A JP3232991 A JP 3232991A JP 23299191 A JP23299191 A JP 23299191A JP H0578391 A JPH0578391 A JP H0578391A
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peptide
amino acid
gln
ala
gly
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Takashi Hayashi
隆志 林
Hiroo Watanabe
博夫 渡辺
Hiroshi Izutsu
浩 井筒
Yasuhisa Odakawa
泰久 小田川
Kenzo Baba
憲三 馬場
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 エンドセリンに結合性を有し、次式、 Lys-Gly-Ala-Gln-His-Arg またはArg-His-Gln-Ala-Gly-Lys で特定されるアミノ酸配列の少なくとも4個のアミノ酸
の連続配列を含有するペプチドの群から選択されるペプ
チドおよび医薬用、診断薬用または生物体由来物質調製
用として許容されるその塩。 【効果】 エンドセリンに対し特異的な反応性および高
い結合能を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンドセリンに結合特
異性を有する点で医化学上有用なペプチドおよび医薬
用、診断薬用または生物体由来物質調製用として許容さ
れるその塩に関する。さらに詳しくは、エンドセリン受
容体蛋白の断片化ペプチドであり、かつエンドセリンに
親和性を有するペプチドおよび医薬用、診断薬用または
生物体由来物質調製用として許容されるその塩に関す
る。さらに、本発明のペプチド類およびその塩は臨床検
査薬あるいは生理学、生化学の研究に有用であるエンド
セリン検出試薬、さらには、エンドセリンの生理活性を
修飾させる目的で使用される医薬あるいは生理生化学の
研究に用いる阻害剤として利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】エンドセリン(Endothelin)は、血管内皮
細胞由来の血管収縮性ペプチドとして発見され(Nature,
332, 411-415, 1988)、3種類のイソペプチド、エンド
セリン1、エンドセリン2、エンドセリン3からなるフ
ァミリーを形成する。また、エンドセリンは血管内皮細
胞以外の組織でも産生され、血管のみならず多くの非血
管組織に対しても広範な生理活性を発現することが明ら
かにされている(Trends Pharmacol. Sci., 10, 374-37
8, 1989)。いずれのイソペプチドもアミノ酸21個から
構成され、分子内に2個のジスルフィド結合[Cys(1)-C
ys(15), Cys(3)-Cys(11)]を有している(Proc. Natl. A
cad. Sci. USA, 86, 2863-2867, 1989 : TrendsPharmac
ol. Sci., 10, 374-378,1989)。エンドセリン1(以
下、ET1とする)が血中に存在することが明らかにさ
れて以来、種々の測定法が確立され、各疾患との相関が
報告されている。血中ET1濃度は、本態性高血圧症
(N. Engl. J. Med., 322, 205, 1990 : Hypertension,
15, 734-738, 1990)、心筋梗塞症(Lancet ii, 8653, 53
-54, 1989)、冠攣縮性狭心症(Circulation, 80, II-12
6, 1989)、くも膜下出血(Lancet ii,1402, 1989)、腎不
全(Lancet, May 6, 991-992,1989)等の疾患で上昇す
る。すなわち、ET1を測定することの臨床上の本質的
意義はこれらの疾患の診断および該疾患の病日・病形の
把握、経過観察にある。
【0003】ET1の現行測定法としては、抗体を検出
試薬として用いるRIA法(FEBS Lett., 245, 164-166,
1989 : Biochem. Biophys. Res. Commun., 161, 320-3
26,1989 : エンドセリン最新情報, 175-179, 1990 : エ
ンドセリン最新情報, 171-174, 1990 : Biochem. Bioph
ys. Res. Commun., 161, 562-567, 1989 : Biochem.Bio
phys. Res. Commun., 164, 326-332, 1989)やEIA法
(J. Immunol. Method, 118, 245-250, 1989)がある。さ
らに、臨床上観察される冠血管攣縮、脳血管攣縮の発症
誘因として考えられる局所血管の収縮調節の破綻に関
し、カテコラミン、アセチルコリン、セロトニン、ヒス
タミン、スロンボオキサンA2、ロイコトリエン、オキ
シヘモグロビン等の因子の潅流域虚血への関与が提唱さ
れてはいるが、その病因としての役割については直接的
には理解されていない。
【0004】このような背景の中、特に注目されている
ことの1つに血管内皮細胞の機能変化があり、血管トー
ヌスを調整する因子の1つとしてET1をはじめとする
エンドセリンが重要視されている。事実、動物へのET
1投与によって、冠血流量の減少、心電図上でのST上
昇および刺激伝導系障害の観察、血圧、左室収縮期圧、
左室dp/dt、左室拡張終期圧の上昇など、血行動態
の変化が出現する。大量投与によっては心室細動を誘起
することが報告されている(Life Sci., 44, 1937-1944,
1989 : J. Cardiovasc. Pharmacol., 13, S132-S137,
1989 : Nature, 332, 411-415, 1988)。さらに、ET1
の投与による血圧の持続的な上昇が電位依存型L型Ca
イオンチャンネルの拮抗剤で抑制されることや(Hyperte
nsion, 14, 427-434, 1989)、腎傍糸球体に対してレニ
ン分泌抑制作用を発揮すること(Biochem. Biophys. Re
s. Commun., 155, 1244-1247, 1988)、副腎球状層に対
してアルドステロン分泌促進作用を発揮すること(J. Cl
in. Invest., 83, 317-320, 1989)なども報告されてい
る。しかしながら、多臓器に対する多彩なET1の生理
活性を直接的に修飾あるいは抑制させる薬剤の報告は抗
ET1抗体(特開平2-238894号公報)以外にはなされてい
ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】現行法でのET1の測
定においては、前述の如く抗ET1抗体を用いるのが一
般的である。近年、細胞生物学あるいは生化学に関する
諸技術が進歩したとはいえ、選択される抗体分子および
その性能は、基本的に抗体を産する生物体もしくは細胞
の偶然性に支配され使用性能上の制限を受ける。つま
り、極めて小さい結合定数を有する抗体が産生されるこ
とが望まれるにも拘らず、期待値を達成する抗体を得ら
れないために、試料中の被験物質つまりET1を抽出・
濃縮する操作が必要となる。また、抗体分子はその化学
的性状がよく研究されてはいるものの所詮は生物体に由
来する生合成蛋白であり、この性状は温度・時間の影響
を極めて甚大に被るものであり、この性質はしばしば検
出試薬の保存安定性を劣悪にさせる要因ともなる。さら
に、抗体分子を産する生物個体あるいは継代細胞が代わ
ることに伴って、抗体分子種も代わり、検出試薬の均質
化を図る上で大きな障害となる。また、これらのことは
臨床診断薬を構成している検出試薬に関する課題に留ま
らず、生理・生化学の研究上の課題ともなりうる。
【0006】さらに抗ET1抗体はET1の生理活性を
直接的に修飾あるいは抑制する薬剤としても機能する
が、上述の如き課題はこのような医薬としての用途にお
いても付随するものである。その上、特に注射薬として
抗体を用いた場合、生体の免疫系は該抗体に対する免疫
反応の結果、該抗体を認識する抗体を産生してしまうこ
とがよくあり、この場合は抗ET1抗体を薬剤として追
加投薬することは禁忌となる。経口薬として抗体を用い
た場合は、消化液中の例えばペプシン等の蛋白分解酵素
による侵襲を被り、抗体活性が著しく損なわれる。また
分解の程度によっては、消化管からの吸収に困難を極め
る程度の分子量のまま残ってしまうので事実上薬効が発
揮できない状態に等しくなる。このような課題は、抗E
T1抗体を塗布薬として用いた場合も同様である。した
がって、ET1に対し高親和性を有する低分子薬剤の発
明が望まれる。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め、本発明者らはET1に反応性を有する抗体に代わる
特異的検出試薬あるいは薬剤の検索をホルモン受容体あ
るいは生理活性ペプチド受容体のリガンド結合部位がホ
ルモンあるいは生理活性ペプチドを暗号化する遺伝子の
対合鎖にコードされる遺伝情報によって進化論的に規定
されるという仮説に基づき、鋭意研究を行った結果、E
T1に結合性を有するペプチド配列を得、その利用法の
発明を完成させるに至った。
【0008】すなわち本発明は、エンドセリンに結合性
を有し、次式、 Lys−Gly−Ala−Gln−His−Arg またはArg−His−Gln−Ala−Gly−Ly
s で特定されるアミノ酸配列の少なくとも4個のアミノ酸
の連続配列を含有するペプチドの群から選択されるペプ
チドおよび医薬用、診断薬用または生物体由来物質調製
用として許容されるその塩に関する。さらに本発明は、
これらのペプチドのN末端もしくはC末端のいずれか一
方、または両方において随意に遮断もしくは保護されて
いるペプチドおよび医薬用、診断薬用または生物体由来
物質調製用として許容されるその塩に関する。本発明の
ペプチドは、上記配列のペプチドの少なくとも4個のア
ミノ酸の連続配列を含有するペプチドである。なぜなら
ば、4個のアミノ酸配列がエンドセリンに対し特異的で
ある数学的な確立は16万分の1であり、生物学的な特
異性を論ずるには十分な値であるからである。
【0009】具体的なペプチドは次の通りである。 Lys-Gly-Ala-Gln、Gly-Ala-Gln-His、Ala-Gln-His-Ar
g、Arg-His-Gln-Ala、His-Gln-Ala-Gly、Gln-Ala-Gly-L
ysで示されるテトラペプチド、Lys-Gly-Ala-Gln-His、G
ly-Ala-Gln-His-Arg、Arg-His-Gln-Ala-Gly、His-Gln-A
la-Gly-Lysで示されるペンタペプチド、Lys-Gly-Ala-Gl
n-His-Arg、Arg-His-Gln-Ala-Gly-Lysで示されるヘキサ
ペプチド。 なお、本明細書において、上記アミノ酸の略号は、当技
術分野において慣用されているものであり、全てL−ア
ミノ酸を表わし、アミノ末端側を先頭に記載するもので
ある。
【0010】また、それらの類似体および派生体も本発
明の範囲内である。つまり、任意のアミノ酸順位でほぼ
同等の疎水性を有するアミノ酸と置換したもの、エンド
セリン1(ET1)のイソペプチド(ET2、ET3)
またはその受容体のアミノ酸配列を参考に適当なアミノ
酸と置換したペプチド、ペプチドのN末端側若しくはC
末端側のいずれか一方、または両方において随意に遮断
若しくは保護されているペプチド、例えば任意の部位で
アセチル化やアミド化等の化学修飾を受けたペプチド、
該ペプチドより高分子量の蛋白質類や機能性高分子化合
物に結合させたペプチド等も本発明に含まれる。ET1
のイソペプチドとしては、ET2、ET3があり、その
受容体としては、A型受容体及びB型受容体がある。
【0011】さらに、本発明のペプチドの医薬用、診断
薬用または生物体由来物質調製用として許容されるイオ
ンから構成されるその塩も本発明に含まれる。このよう
な塩としては、酸付加塩、塩基性塩などが挙げられ、具
体的には、塩酸、硫酸、燐酸、ピロ燐酸等の無機酸の
塩、酢酸、乳酸、パルミチン酸、ステアリン酸、プロピ
オン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン
酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸の塩などの酸付
加塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、
カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属
塩、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩などの塩が挙
げられる。本発明のペプチドは、公知の方法、例えば、
固相法および液相法による化学合成、該ペプチドを暗号
化できるDNA鎖を含むDNAベクターを作成し、それ
により培養原核細胞または真核細胞を形質転換後、該形
質転換体によりペプチドを生産させる生体合成法等によ
り製造することができる。
【0012】本発明のペプチドを結合せしめる高分子蛋
白質としては、該ペプチドに対する抗体を得る場合は、
免疫原として用いる貝ヘモシアニン、牛血清アルブミ
ン、牛サイログロブリン、鳥ガンマグロブリン等があ
り、免疫化学分析に用いる場合に、検出用酵素として用
いる西洋ワサビ過酸化酵素、アルカリフォスファター
ゼ、ブドウ糖酸化酵素、ブドウ糖6燐酸脱水素酵素、ガ
ラクトース分解酵素等があげられるが、ペプチドの用途
によって相違し、特に制限を加えるものではない。本発
明のペプチドを結合せしめる機能性高分子化合物として
は、該ペプチドに対する抗体を得る場合は、免疫原とし
て用いるポリビニルピロリドン等があり、免疫化学分析
に用いる場合に、検出用物質として用いる、125I等の
ラジオアイソトープ、FITC等の蛍光物質、磁性化デ
キストラン、ラテックス粒子等があるが特に制限を加え
るものではない。
【0013】本発明のペプチドまたはその塩を薬剤とし
て利用する場合、好適な医薬用途は、高血圧症および循
環器系疾患に対する治療薬である。また、臨床検査薬と
して利用する好適な診断分野は高血圧症などの循環器系
疾患または腎不全症であるが、これらの分野での使用は
非限定的例である。本発明ペプチドを医薬として用いる
場合はその有効量を、診断薬として用いる場合はその所
定量を、治療上あるいは診断上許容される担体と共に含
有または担体に結合させて用いられる。診断薬用途で
は、該ペプチドまたはその塩の所定量を上記検出用酵
素、検出用物質または固定化用担体に結合させて用いる
ことができる。固定化用担体としては、ラテックス粒
子、アガロース樹脂、アクリルアミド樹脂、ポリスチレ
ン樹脂、ポリエチレン樹脂等があるが特に制限を加える
ものではない。さらに上記検出用酵素、検出用物質およ
び固定化用担体に該発明ペプチドを結合させる場合、こ
れらの物質とペプチドとの間にスペーサ構造物を共有結
合等により介在させてもよい。医薬用途では、本発明の
ペプチドの有効量に等しいかまたはそれ以下の所定量か
ら製剤化され、製剤学的に許容される担体を含有する粉
剤、エリキシル剤、溶液剤、丸剤、カプセル剤、小丸
剤、錠剤、スプレー剤、嗅剤等の形状をとることができ
る。本目的に使用が許容される担体としては、澱粉、砂
糖、蛋白、タルク、慣用的に用いられる合成ゴムもしく
は天然ゴム、水等がある。さらにこれら医薬の投与方法
としては、特に制限はないが、皮下、皮内、筋肉内、静
脈内、場合によっては脳脊髄腔への注射あるいは経口、
経皮、座剤、スプレー剤や点眼剤等による経粘膜経路等
がある。
【0014】
【実施例】本発明を実施例により、さらに具体的に詳述
するが、これにより本発明を限定するものではない。以
下に文中で使用する略号の意味を示す。 tBu;t-ブチルエーテル、OtBu;t-ブチルエステル、Boc;t
-ブチルオキシカルボニル、Mtr;4-メトキシ-2,3,6-トリ
メチルベンゼンスルホニル、Trt;トリチル、Opfp;ペン
タフルオロフェニルエステル、ODhbt;ジヒドロキシ-ベ
ンゾトリアジンエステル、HMD;ヘキサメチレンジアミ
ン、Fmoc;9-フルオレニルメチルオキシカルボニル、HOB
T;1-ヒドロキシ-ベンゾトリアゾール。
【0015】〔固相合成装置による合成例〕 例1:Lys-Gly-Ala-Gln-His-Argで示されるペプチドの
合成 固相として、Fmoc-Arg(Mtr)-Pep Syn KA樹脂カラム(ミ
リジェン(MilliGen)社製)を用い、9050型ペプチ
ド合成装置(MilliGen社製)でFmoc-ポリアミド法によ
り表記のペプチドの合成を行った。2.2gの該固相樹
脂(0.09meq/g)カラムを流速5ml/分のジメ
チルホルムアミドで1分間平衡化後、Fmoc基を流速5m
l/分の20%ピペリジン/ジメチルホルムアミド(容
積/容積)で10分間除去処理し、その後さらに流速5
ml/分のジメチルホルムアミドで15分間該樹脂を洗
浄した。引き続き、固相表面上に結合しているアミノ酸
の4倍量(mol数)の Fmoc-His(Boc)のOpfpを5%(重量
/容積)HOBT/ジメチルホルムアミド 2.64mlに
溶解し該樹脂カラムに30分間循環させアミノ酸の伸長
反応を行った。反応後、該樹脂カラムをジメチルホルム
アミドで洗浄し次の段階に供した。上記記載の1段階の
反応には約1時間を要した。さらに上記の段階を次に記
載する固相表面上に結合しているアミノ酸の4倍量(mol
数)の保護アミノ酸のOpfp;Fmoc-Gln, Fmoc-Ala, Fmoc-
Gly,Fmoc-Lys(Boc)をこの順で用いて反復反応させた
後、流速5ml/分の20%ピペリジン/ジメチルホル
ムアミドで10分間、同流速のジメチルホルムアミドで
15分間、さらに同流速のジクロロメタンで15分間順
次洗浄することにより Fmoc基を除去したペプチド樹
脂; Lys(Boc)-Gly-Ala-Gln-His(Boc)-Arg(Mtr)-Pep Syn KA-
樹脂を得た。 上記反応により得られたペプチド樹脂をカラムから取り
出し、m-クレゾール0.6ml、チオアニソール3.6
ml、トリフルオロ酢酸20.0mlを加え室温で1時
間撹拌し、樹脂からペプチドを溶離させた。溶離液は濾
液として回収し、該濾液にエタンジチオール1.8m
l、トリメチルブロモシランの.0mlを加え0℃で1
時間撹拌後窒素ガスを吹き付けた。引き続き、該混合液
を撹拌しつつエーテルの100mlを添加してペプチド
を析出させ3,000×gで5分間遠沈回収した。その
後さらに上記操作により回収した沈澱をエーテルにより
4回遠沈洗浄した後、減圧乾固して表記されるペプチド
を得た。
【0016】このようにして得られたペプチドは、YM
C−ODS−5(直径4.6mm×150mm,山村化学製)上で
溶離剤として0.1%トリフルオロ酢酸水溶液-アセト
ニトリル(2%-10%グラジエント、15分間、0.5
ml/分)を用いるHPLCにおいて、22分間の保持
時間を示した。10μg/5μlのペプチド水溶液をイ
ンジェクトして得た保持時間22分のピーク画分をチュ
ーブに入れ減圧乾燥させた後、PICO TAGワークステーシ
ョン(ウォーターズ社製)の反応槽に1%フェノール/6
N塩酸(容積/容積)を減圧気化(500mTorr)させ、1
50℃で1時間処理してペプチドを酸分解した。引き続
き、湿潤状態のペプチドを減圧乾燥させ、エタノール、
水、トリエチルアミンの2:2:1(容積:容積:容
積)混合液10μlに溶解後再度減圧乾燥させた。その
後さらにエタノール、トリエチルアミン、水、フェニル
イソチオシアネートの7:1:1:1(容積:容積:容
積:容積)混合液を20μl添加し、室温で25分間反
応させた後、50μlのPTC−アミノ酸溶離液A(和
光純薬工業社製)/PTC−アミノ酸溶離液B(和光純
薬工業社製)(PTC−アミノ酸溶離液B容積比0%−
70%グラジェント、15分間、1ml/分)を展開溶
液に用いるHPLCでアミノ酸を分離し、同様に処理し
たアミノ酸標準液のピーク高から該合成ペプチドのアミ
ノ酸組成を求めた結果、Lys 1.01(1), Gly 1.15(1),Ala
1.00(1),Gln 0.96(1), His 0.96(1), Arg 0.90(1)であ
った。
【0017】例2:上記と同様の固相合成装置により、
同様の方法に従って、下記の各ペプチドを合成した。Ly
s-Gly-Ala-Gln、Gly-Ala-Gln-His、Ala-Gln-His-Arg、A
rg-His-Gln-Ala、His-Gln-Ala-Gly、Gln-Ala-Gly-Lys、
Lys-Gly-Ala-Gln-His、Gly-Ala-Gln-His-Arg、Arg-His-
Gln-Ala-Gly、His-Gln-Ala-Gly-Lys、Arg-His-Gln-Ala-
Gly-Lys いずれのペプチドもHPLCにより純粋であることを確
認し、アミノ酸分析で構成アミノ酸を確認した。
【0018】例3:〔ペプチドの結合性の評価のための
ピンテクノロジ法による合成〕 本発明のペプチドの結合性を評価するために、ペプチド
のN末端をアセチル基で保護し、C末端を他のアミノ酸
誘導体を介し固相に結合させたピンテクノロジ法による
ペプチドの合成を行った。ケンブリッジ・リサーチ・バ
イオケミカル社(CRB社)のPT−02−3000マ
ニュアルに従い、NEC社製のAPC H5020型コ
ンピュータ上でCRB社製ソフトウエアを起動させ、ペ
プチドの合成に必要なアミノ酸量、試薬量およびピンの
配置を計算した。ペプチドの合成は上記マニュアルおよ
び文献〔Geysen H M.:Use of peptide synthesis to pr
obe viral antigens for epitopes to a resolution of
asingle amino acid : Proc.Natl.Acad.Sci.USA.,81,3
998-4002,(1984)〕に準じ、CRB社製のミモトープ・
デザインキットに含まれるピン・ブロックとFmoc−L−
アミノ酸を用いて行った。セリンとスレオニンを除く全
てのアミノ酸はアミノ末端をFmoc基で保護された(-Opf
p)であり、セリンとスレオニンはアミノ末端をFmoc基で
保護された(-ODhbt)である。また、セリン、スレオニ
ン、チロシンの側鎖保護基は(-tBu)、アスパラギン酸、
グルタミン酸の側鎖保護基は(-OtBu)、リジン、ヒスチ
ジンの側鎖保護基は(Boc-)、アルギニンの側鎖保護基は
(Mtr-)、システィンの側鎖保護基は(Trt-)である。ま
た、合成に供するピンは表面にアクリル酸がグラフト重
合させてあるポリエチレンの支持体にヘキサメチレンジ
アミン(HMD)をスペーサとしてFmoc-βアラニン(bAla)が
結合させてある。以下に具体的合成例をしめす。
【0019】 Lys-Gly-Ala-Gln-His-Argで示されるペプチドの合成 ポリエチレンロッド末端のピン球(直径4mm)にアクリ
ル酸をグラフト重合させ、HMDを介しFmoc基でαアミノ
基が保護されたβ-アラニンを結合させてある樹脂のFmo
c基を20%ピペリジン/ジメチルホルムアミド(容積
/容積)で30分間除去処理し、ジメチルホルムアミ
ド、メタノールのそれぞれ過剰量で順に洗浄後風乾し、
さらにジメチルホルムアミド中で樹脂を平衡化後、2
2.5mM HOBT/ジメチルホルムアミドに溶解した2
0mM Fmoc-Arg[側鎖は Mtr基で保護されている]の-
Opfpの100μlに30℃で1晩浸漬し、その後過剰量
のジメチルホルムアミド、メタノールで樹脂を順次洗浄
して Fmoc-Arg(Mtr)-bAla-HMD-樹脂を得た。引き続き該
ペプチド樹脂のαアミノ基の保護基(Fmoc)を上記の処理
により除き、さらに上記の段階を次に記載する20mM
の保護アミノ酸の Opfp;Fmoc-His(Boc), Fmoc-Gln, Fm
oc-Ala, Fmoc-Gly, Fmoc-Lys(Boc)をこの順で用いて反
復反応させ保護されたペプチド樹脂;Fmoc-Lys(Boc)-Gl
y-Ala-Gln-His(Boc)-Arg(Mtr)-bAla-HMD-樹脂を得た。
該ペプチド樹脂のαアミノ基の保護基(Fmoc)を上記の処
理により除き、過剰量のジメチルホルムアミド、メタノ
ールで樹脂を順次洗浄後風乾した。その後、ジメチルホ
ルムアミド、無水酢酸、トリエチルアミンの5:2:1
(容積:容積:容積)混合液中に該ペプチド樹脂を浸漬
してアセチル化反応を30℃で90分間行い、同様に過
剰量のジメチルホルムアミド、メタノールで樹脂を順次
洗浄後風乾した。引き続き、トリフルオロ酢酸、アニソ
ール、エタンジチオールの95:2.5:2.5(容
積:容積:容積)混合液中に該ペプチド樹脂を浸漬し室
温で4時間反応させて保護基を除去、風乾後0.1%
(容積/容積)塩酸、50%(容積/容積)メタノール
の混液中で該ペプチドを十分に超音波洗浄して、Ac-Lys
-Gly-Ala-Gln-His-Arg-bAla-HMD-樹脂を得た。
【0020】例4:〔ペプチドのエンドセリン1結合活
性の測定〕 上記例3に示す方法で各種ペプチドを製造し、以下に示
す方法でエンドセリン1に対する結合活性を評価した。
結果を表1に示す。 a:〔酵素免疫競合阻害測定法〕 例3において得られたペプチド樹脂を0.2%脱脂粉乳
溶液で易吸着性部位を被覆後、200μlのヒト・エン
ドセリン1溶液(0.2μg/ml)[0.1%脱脂粉乳
及び0.1%トウィーンを含有するダルベッコ燐酸緩衝
生理食塩液に溶解して調製]に浸漬し、室温で緩やかに
撹拌しながら3時間反応を行った後の溶液を試料液(i)
とした。これとは別にELISA用マイクロプレートの
孔をヒト・エンドセリン1溶液(1μg/ml)の200
μlで4℃1晩処理し、さらに翌日0.2%脱脂粉乳溶
液でプレート上の未反応部位を保護してヒト・エンドセ
リン1吸着プレート(ii)を調製した。ヒト・エンドセリ
ン1吸着プレート(ii)を洗浄用緩衝液[0.1%トウィ
ーンを含有するダルベッコ燐酸緩衝生理食塩液]で洗浄
後、試料液(i)の50μlを添加、その後直ちに5,0
00分の1に希釈した抗ヒト・エンドセリン1ウサギ抗
体溶液[希釈用緩衝液として、0.1%脱脂粉乳及び
0.1%トウィーンを含有するダルベッコ燐酸緩衝生理
食塩液を使用]の200μlを加え室温で2時間競合反
応を行った。該競合反応後プレートを洗浄用緩衝液で十
分に洗浄して、2,000分の1に希釈したアルカリフ
ォスファターゼ標識抗ウサギIgG,A,Mヤギ抗体溶
液の200μlを加えプレート上に捕捉されている抗ヒ
ト・エンドセリン1ウサギ抗体と室温で2時間結合反応
させた。その後同様にプレートを洗浄し、基質溶液(1
mg p-ニトロフェニル燐酸/ml 1Mジエタノールア
ミン緩衝液)の200μlを添加、プレート上に捕捉残
存している標識酵素により遊離されるp-ニトロフェノー
ル量を405nmの吸光度を測定することにより求め、
別に作成した検量線から試料液(i)中のヒト・エンドセ
リン1量を算出した。該ペプチドの結合阻害活性(試料
液(i)中のヒトエンドセリン1の抗原活性のペプチド
樹脂ピンへの結合反応を行う前に比べて低下した割合)
を表1に示す。
【0021】b:〔放射性リガンドの結合活性〕 例3において得られたペプチド樹脂を0.2%脱脂粉乳
溶液で易吸着性部位を被覆後、100mlの125I-ヒト
・エンドセリン1溶液(比活性〜74TBq/mmo
l,濃度0.131ng/ml)[0.1%脱脂粉乳及
び0.1%トウィーンを含有するダルベッコ燐酸緩衝生
理食塩液に溶解して調製]に懸濁し室温で2時間反応さ
せた。結合反応後、ペプチド樹脂を洗浄用緩衝液[0.
1%トウィーンを含有するダルベッコ燐酸緩衝生理食塩
液]で十分に洗浄し、ペプチド樹脂に結合した放射活性
をγカウンタで測定した。その結果、ペプチド樹脂に結
合したヒト・エンドセリン1の量を算出した。結果を表
1に示す。また、比較例として、受容体の他の部位の配
列のペプチドを合成し、同様に評価した。結果を合わせ
て表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】例5;その他前記例3に示す方法により、
下記に示すペプチドを合成し、例4に示す方法で評価し
たところ、いずれのペプチドも充分な結合活性を示し
た。 Lys-Gly-Ala-Gln Gly-Ala-Gln-His Gly-Ala-Gln-His-Arg Arg-His-Gln-Ala-Gly-Lys
【0024】
【発明の効果】本発明のペプチドは、エンドセリンに対
し特異的な反応性および高い結合能を有する。したがっ
て、エンドセリンおよびエンドセリン構造を含有する前
駆物質あるいはエンドセリンの一部の測定に用いる検出
試薬、さらには、これらの生理機能を抑制あるいは修飾
する治療薬をはじめとする薬剤等として非常に有用であ
る。
【0025】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列番号:2 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列番号:3 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列番号:4 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列番号:5 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列番号:6 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列番号:7 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列番号:8 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列番号:9 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列番号:10 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列番号:11 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列番号:12 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【手続補正書】
【提出日】平成3年11月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 39/385 8413−4C G01N 33/53 D 8310−2J C07K 99:00 (72)発明者 小田川 泰久 茨城県つくば市和台48番地 日立化成工業 株式会社筑波開発研究所内 (72)発明者 馬場 憲三 茨城県つくば市和台48番地 日立化成工業 株式会社筑波開発研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンドセリンに結合性を有し、次式、 Lys-Gly-Ala-Gln-His-Arg またはArg-His-Gln-Ala-Gly-Lys で特定されるアミノ酸配列の少なくとも4個のアミノ酸
    の連続配列を含有するペプチドの群から選択されるペプ
    チドおよび医薬用、診断薬用または生物体由来物質調製
    用として許容されるその塩。
  2. 【請求項2】 ペプチドのN末端もしくはC末端のいず
    れか一方、または両方において随意に遮断もしくは保護
    されている請求項1記載のペプチドおよび医薬用、診断
    薬用または生物体由来物質調製用として許容されるその
    塩。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002069055A (ja) * 2000-05-15 2002-03-08 Bayer Corp トリプシン基質及び診断具ならびにその使用方法
JP2009517670A (ja) * 2005-12-01 2009-04-30 ベー・エル・アー・ハー・エム・エス・アクティエンゲゼルシャフト エンドセリン、エンドセリンアゴニスト及びアドレノメジュリンアンタゴニストによる危篤患者の診断及び治療のための方法

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