JP2801352B2 - つる性植物の採苗方法 - Google Patents

つる性植物の採苗方法

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JP2801352B2 JP2084861A JP8486190A JP2801352B2 JP 2801352 B2 JP2801352 B2 JP 2801352B2 JP 2084861 A JP2084861 A JP 2084861A JP 8486190 A JP8486190 A JP 8486190A JP 2801352 B2 JP2801352 B2 JP 2801352B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、イチゴ(苺)などつる(蔓)性植物の採苗
方法に関するものである。
(従来の技術) 従来からつる性植物例えばイチゴの採苗方法として
は、イチゴの親株を土壌に定植し、その親株から派生し
たランナーより根が土壌に活着しイチゴの子株ができ
る。その子株が、上記ランナーの派生を繰り返し次々と
子株を増やす。そしてこの苗が十分生育してから、この
苗をランナーより切り離し、イチゴの苗として収穫する
方法が知られている。
(発明が解決しようとする課題) ところで前記従来のイチゴなどの採苗方法では多くの
雑草が発生し、そのため薬剤散布による防除も考えられ
るが、特にイチゴの苗は、農薬等の薬剤に弱い。そのた
め手作業で雑草を除去するほかなく、そのための労働負
荷は多大なものとなっている。
一方、雑草の発生防止のためには、従来からエチレン
等のマルチ材が一般に使用されているが、イチゴのラン
ナーより派生する根は、このマルチ材を貫通せず、従っ
てイチゴの子株の生育は不可能である。
そこで本発明の目的は、イチゴなどつる性植物のラン
ナーより派生する根を土壌に十分活着させ、健全なイチ
ゴの苗を増やすと共に発生する雑草を防除し、イチゴな
どつる性植物の採苗作業を容易にする方法を提供するこ
とにある。
[課題を解決するための手段] 本発明の特徴は、植物繊維で抄紙したクレープ状のシ
ート(以下単に「クレープ状シート」という。)の上
に、イチゴなどつる性植物のランナーを這わせるところ
にある。
本発明のクレープ状シートは、その上をイチゴのラン
ナーが這うと、派生する根がそのクレープ状シートを貫
通し、健全に土壌に活着する。同時にクレープ状シート
は表土を被覆して、土壌中から生えてくる雑草を防止し
ながら、日数の経過とともに崩壊し腐食するものであ
る。
クレープ状シートとして、例えばパルプ、ピートモ
ス、バーク、キノコの栽培残渣などの植物繊維を使用す
ることができる。パルプとしては、針葉樹由来、広葉樹
由来または古紙由来のパルプなどどれでも使用すること
ができる。ピートモス、バーク、キノコの栽培残渣は、
粉砕して篩いにかけ、均一にしたものを使用するのが好
ましい。
またこれらの植物繊維は、単一で使用したり、混合し
て使用しでも良く、その植物繊維に水を加え、紙力増強
剤、凝集剤等を添加し、液状を有する組成物[固形分2
〜3%]を得る。紙力増強剤としては、乾燥時紙力増強
剤と湿時紙力増強剤があり、抄紙工程で使用されるもの
であれば使用しても良く、一般的には両者を組み合わせ
て使用するのが効果的である。
乾燥時紙力増強剤としては、例えば澱粉、植物ガム、
ラテックス樹脂、ポリアクリルアミド樹脂等があげられ
る。また湿時紙力増強剤としては、メラミン−ホルムア
ミド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、ポリエチレン
イミン、ポリアミドポリアミン、エピクロールヒドリン
樹脂等があげられる。
これらは通常1種類で使用されるが、2種以上使用し
ても良い。使用量は、植物繊維に対して0.01〜6.0重量
%用いるのが好ましい。また紙力増強剤の添加方法は、
特に限定されるものではなく、また使用する水の量も、
植物繊維と紙力増強剤が混合し得る量以上あれば良い。
また凝集剤としては、通常抄紙等で使用されるもので
あれば良く、例えばアニオン系凝集剤、カチオン凝集剤
を挙げることができる。その使用量は、植物繊維に対し
て0.005〜0.5重量%、好ましくは0.01〜0.1重量%用い
る。
クレープ状シートは、坪量10〜100g、好ましくは10〜
40gのものが使用される。またクレープ状シートは、1
枚敷きかまたはそれ以上重ねて敷いても良い。
また本発明のクレープ状シートを使用し土壌を被覆す
る時期は、特に限定されるものでは無く、イチゴなどつ
る性植物の親株を定植する前に被覆するか、親株の定植
時に被覆するか、あるいは定植後に被覆しても良い。通
常クレープ状シートは、単独で使用するが、農薬、肥
料、土壌改良剤をあらかじめ添加するか、または組み合
わせて使用しても良く、その目的あるいは美観等より着
色して使用して何ら差して支えない。
[作用] したがってイチゴなどつる性植物の親株よりランナー
をはわせる際、植物繊維で抄紙したクレープ状シートの
上にランナーをはわせると、ランナーから派生する根が
クレープ状シートを貫通して土壌に活着する。
(実施例) 以下に参考例および実施例により本発明をさらに具体
的に説明する。
参考例1 [クレープ状シート(A)の製造方法] 新聞脱墨紙(商品名K−GP、フリーネス360、(株)
国光製)100部に、予めリファイナーを通したバーク
(富士見工業(株)製)20部を加え、これに抄紙可能な
状態にまで水を加え撹拌する。
次にカチオン系凝集剤RC104(明成化学(株)製)0.8
部を添加し、5分間撹拌した後、アミオン系凝集剤ハイ
ホルダー351(栗田工業(株)製)0.05部を添加し、5
分間撹拌した後、さらにカチオン系凝集剤RC104(明成
化学(株)製)0.08部を添加し、更に紙力増強剤 カイ
メン557−H(ディック ハーキュレス製)0.2部を添加
して10分間撹拌し、抄紙機で抄紙し、乾燥して坪量30
g、巾110cmの灰白色のクレープ状シート(A)を得た。
参考例2 [クレープ状シート(B)の製造方法] 参考例1と同様な方法で、新聞脱墨紙を100部から20
部に、バークを20部から100部に変え、外は同様に抄紙
し、坪量35g、巾110cmの薄茶色のクレープ状シート
(B)を得た。
実施例1 イチゴ(女峰)の親株を60cmの間隔に10本植え、毎日
潅水した。ランナーが出始めた時に、クレープ状シート
(A)を2枚重ねて、10本にそって8m敷き、シートの端
を土で固定した。また同様に親株を5本植え、比較のた
めシートを敷かない区画を設けた。2週間後ランナー
は、15〜20cmに伸張し1番目の子株が発生した。試験区
画の子株の根は、シートを貫通して土壌に活着した。そ
の後次々に子株が発生し、同様に土壌に活着した。また
比較試験区もランナーから子株が発生し、同様に土壌に
活着した。
4週間後、試験区のシートはまだ崩壊しておらず、雑
草の発生もなかった。一方比較試験区には、オナモミ、
オオイヌノフグリ、ホトケノザ、ニシキソウ等の雑草の
発生が多数見られた。
5週間後試験区のクレープ状シートは崩壊し初め、2
ヶ月後シートは90%以上崩壊したが、雑草の発生はなか
った。3ヶ月後試験区は、一面子株で覆われ、根は全て
土壌に活着し雑草も見られなかった。一方比較試験区画
は、雑草が多数発生しているため、子株が土壌へ十分活
着していなかった。
また試験区の子株は、根を観察したが特に異常はなか
った。
また採苗の結果、親株1本当たり試験区は平均43.5本
の生育した子株が得られたが、比較試験区は平均22.4本
しか得られなかった。
実施例2 クレープ状シート(B)を2枚重ねで8m敷き、シート
の片側に60cm間隔に直径5cmの穴をあけ、直ちに60cm間
隔の穴に親株を10本植えた。また同様に親株を5本植
え、比較試験区としてシートを敷かない区も設けた。そ
の後、実施例1と同様に観察した結果、50日後試験区の
シートはほぼ崩壊したが、雑草の発生はなく子株の根の
活着も良かった。一方比較試験区は、オナモミ、オオイ
ヌノフグリ、ホトケノザ、ニシキソウ等の雑草の発生が
多数見られ、子株の根が土壌へ充分活着していなかっ
た。
また採苗の結果、親株1本当たり試験区は平均41.2本
の生育した子株が得られたが、比較試験区は平均20.8本
しか得られなかった。
[効果] 本発明は、植物繊維で抄紙したクレープ状シートの上
にイチゴなどつる性植物のランナーを這わせるようにし
たので、派生した根がうまくそのクレープ状シートを貫
通し土壌に活着すると共に、雑草の発生も防止できるも
のである。
また本発明の方法によれば、雑草が生えないのでイチ
ゴなどの採苗作業も容易になり経済的である。しかも日
数の経過とともに、使用したクレープ状シートが崩壊す
るので公害処理の問題もなく、天然に存在する繊維を用
いるのでイチゴなどの苗に害を与えないで健全な苗を採
ることができる。
また本発明のクレープ状シートは、シートがクレープ
状になっているので、通常のシートに比べ破れにくく丈
夫である。従って、作業のためクレープ状シートの上に
乗っても破れないので、安心して作業ができるなど優れ
た効果を発揮するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−94322(JP,A) 特開 昭61−25423(JP,A) 特開 昭60−250949(JP,A) 特開 昭61−28310(JP,A) 特開 平1−317338(JP,A) 実開 昭57−201146(JP,U) 実開 昭56−136548(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01G 1/00 A01G 13/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】植物繊維で抄紙したクレープ状シートを土
    壌の上に敷きつめ、このシートの上につる性植物のラン
    ナーを這わせ、派生する根が上記クレープ状シートを貫
    通して土壌に活着させる ことを特徴とするつる性植物の採苗方法。
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KR100797933B1 (ko) * 2006-11-20 2008-01-24 천태봉 딸기 모종 육묘방법
KR101107786B1 (ko) * 2009-07-01 2012-01-20 이창선 딸기모종 육모방법

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