JP3187788B2 - 農業用マルチシートの製造方法 - Google Patents

農業用マルチシートの製造方法

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    • C05G5/00Fertilisers characterised by their form
    • C05G5/10Solid or semi-solid fertilisers, e.g. powders
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、麻を主要組成とし
た不織布にシトロネラ等の植物精油等を含有した農業用
マルチシートの製造方法に関するものであり、詳しく
は、農作物の露地栽培あるいはハウス栽培などに利用で
き、水田や畑の土壌面に敷いて使用する農作物マルチシ
ート製造方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から地温上昇、防草などを目的とし
て、培地や耕作地を被覆資材で被覆する方法は知られて
おり、被覆資材としては、高分子樹脂フィルムや合成繊
維を樹脂接着せしめた不織布が公知である。しかしなが
ら、従来の被覆資材を実用に供した場合、地温上昇、防
草は確かに認められるけれども、次のような欠点のある
ことが明らかとなった。 (1)従来の被覆資材である高分子樹脂フィルムは、透
水性が全くなく、また、合成繊維を樹脂接着せしめた不
織布も、透水性が著しく劣っているため、雨水や散水
は、土壌に浸透しにくいこと。また、十分な酸素の供給
が得られないこと。 (2)従来の被覆資材は、著しく耐蝕性であるため、作
物栽培後は、培地から剥ぎ取り、廃棄物として処理しな
ければならないこと。
【0003】これらの問題の解決方法を示すものとし
て、特開平6−62680号公報は、従来、農業用マル
チシートとして用いられていたビニルシートが、使用後
の廃棄処分に際して、焼却すれば有害な塩素ガスなどが
発生し、且つ黒煙を出したりするので、公害防止の見地
から焼却できず、また、土壌中に混入しても、土壌菌や
微生物により分解できないために、環境保全の上から大
変な問題点を抱えていたとして、木材パルプを原料とす
る紙からなる支持体に、カーボンブラックおよび水不溶
性の結着剤からなる光遮蔽層と、キトサンもしくはその
誘導体を主成分として含有するキトサン主材材料層を設
けた農業用マルチシートを開示している。
【0004】しかしながら、この方法も、下記の点で不
適当である。即ち、カーボンブラックを紙面又は紙中に
保持させるために多量のバインダーが必要とされる。不
透明にする効果は高く樹脂フィルムからなるシートの代
換え品とはなるが、紙としては含浸又は、樹脂を塗布し
た紙となり、分解性に問題が残る。また、通気性、透水
性が農業用マルチシートとしては不十分である。
【0005】上記の課題を解決するために本願出願人
は、特願平9−94396号に記載しているように、粒
子状の固形肥料を含有させるようにした農業用マルチシ
ートであって、これを実用に供した場合、地温上昇、防
草効果はもとより、固形粒子を肥料として使用した場合
には、通気性、透水性に優れ、生分解可能な農業用マル
チシートを出願している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、国内の農業
においては、消費者の嗜好への対応、農作業の負担軽減
という立場から、化学肥料の過剰投与が常態化し、有害
な化学物質の摂取による人体への悪影響が心配され、環
境汚染が深刻化するという問題を抱えている。更に、国
内における農業人口の急速な減少、及び農業人口の年齢
構成の急速な高齢化が、化学肥料の過剰投与に一層拍車
をかけることが予測される。
【0007】一方、パルプを主要組成とした不織布が開
発され、従来の高分子樹脂フィルムや合成繊維を樹脂接
着せしめた不織布とは異なり、生分解可能であり、通気
性、透水性に優れていることが確認され、農業用マルチ
シートへの適用が検討されるようになった。本発明は上
記課題(問題点)を解決し、化学肥料を一切使用せず、
生分解可能で環境に優しく、通気性、透水性に優れ、農
作業の負担を大幅に軽減した農業用マルチシート及びそ
の使用方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の農業用マルチシ
ートの製造方法は、上記課題を解決するために、請求項
1に記載のものでは、シトロネラ、スペアミント、カユ
プテ、ゼラニウム、パチュリ、テレピン等のハーブと称
せられる植物精油を単独又は複数種ブレンドしたもの
を、麻が100重量%の不織布に対して所定量含浸等の
方法で混入させることで生成した。このように生成する
と、防虫効果(抗菌効果)を有する農業用マルチシート
強靭性を保持して軽量化することができる。
【0009】また、請求項2に記載の農業用マルチシー
の製造方法では、シトロネラ、スペアミント、カユプ
テ、ゼラニウム、パチュリ、テレピン等のハーブと称せ
られる植物精油を単独又は複数種ブレンドしたものを、
麻が70〜80重量%、パルプが30〜20重量%の組
成の不織布に対して含浸等の方法で所定量混入させるこ
とで生成した。
【0010】また、請求項3に記載の農業用マルチシー
の製造方法では、請求項1または2に記載の農業用マ
ルチシートの一部又は全部に対して、植物性のパラフィ
ン又は華氏130〜135度のパラフィンを含浸、塗
布、ラミネート、蒸着等のいずれかの方法により混入さ
せるか又は界面活性剤或いはエマルジョン(ラテック
ス)の介在のもとで植物性のパラフィン又は華氏130
〜135度のパラフィンを含浸するようにした。このよ
うにすると、シトロネラ等のハーブと称せられる防虫効
果(抗菌効果)の高い植物精油である揮発性成分を長く
残存させることができるようになるので、農業用マルチ
シートの有効期間を長く持続させることができる。ま
た、無害な植物性のパラフィン又は華氏130〜135
度のパラフィンを用いることにより、環境に優しいとい
う農業用マルチシートの特徴を保持できる。
【0011】請求項4に記載の農業用マルチシートの製
造方法では、この農業用マルチシートの長さ方向に沿っ
て両側に所定幅で植物性のパラフィン又は華氏130〜
135度のパラフィンを含浸、塗布、ラミネート、蒸着
等のいずれかの方法により混入させるか又は界面活性剤
或いはエマルジョン(ラテックス)の介在のもとで植物
性のパラフィン又は華氏130〜135度のパラフィン
を含浸させるようにした。 このようにすると、請求項3
に記載した農業用マルチシートの製造方法で製造した農
業用マルチシートと同様に、有効性を長く維持できるほ
かに、農業用マルチシートの両側は、通常、土中に埋設
されるか、或いは土盛りされるが、この部 分の崩壊を遅
らせることができるので、農業用マルチシートが風に飛
ばされたり、耕作地から外れてしまったりする事態を防
止することができる。 また、植物性のパラフィン又は華
氏130〜135度のパラフィンを農業用マルチシート
の両側に限定することにより、農業用マルチシートの製
造コストを低減できると共に、農業用マルチシートの組
成を麻を主体に構成した不織布を使用すると軽量化でき
るために、農業用マルチシートの敷設作業の負担を軽減
することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の農業用マルチシー
の製造方法について、詳細に説明する。 第1の実施の形態: 本実施の形態の製造方法で製造された農業用マルチシー
トは、肥料は含有しないが、原材料として麻を用いるた
め、透水性、通気性、酸欠防止作用があり、シトロネラ
等の植物精油も付加するため防虫、殺菌作用が顕著であ
り、しかも軽量、強靭性のため使用に便利とできる特徴
を有するものである。このため、具体的には、シトロネ
ラ、スペアミント、カユプテ、ゼラニウム、パチュリ、
テレピン等のハーブと称せられる植物精油を単独又は複
数種ブレンドしたものを、麻が100重量%の不織布に
対して所定量含浸等の方法で混入させることで農業用マ
ルチシートを生成するものである。このように麻よりマ
ルチシートを構成すると、ハーブを含有しているから防
虫効果、殺菌効果がある農業用マルチシートを強靭性を
保持しながら軽量とすることができるから、農作地への
農業用マルチシートの運搬・移送、農作地での農業用マ
ルチシートの取り扱いが容易であるから、高齢化が進ん
でいる農家では重宝な農業用マルチシートと言える。ま
た、比較的目が粗いため、透水性、通気性、酸欠防止作
用がある点で優れている。
【0013】さらに、このように生成した農業用マルチ
シートの全体に、植物性のパラフィンを含浸または塗布
することで混入しておくことが望ましい。このように植
物性のパラフィンを農業用マルチシートに混入しておく
と、揮発性を有するシトロネラ等のハーブ成分の揮発を
少しでも遅らせることができ、また後述するように農業
用マルチシートを耕作地に対して敷設した際に、土壌と
の接触で早く生分解するのを防止することができる。な
お、生分解の予防だけで言えば、パラフィンを混入する
のは、農業用マルチシートの全面でなく両側面の所定幅
部分であってもよい。ところで、上記の製造方法は、麻
にシトロネラ等のハーブと称せられる植物精油を混入し
た後、植物性のパラフィンを混入するという2工程で農
業用マルチシートを製造する方法である。これを1工程
で行うのに、次の方法がある。これは、界面活性剤等を
利用するもので、界面活性剤(エマルジョン、ラテック
ス)を介在すると麻に対してシトロネラ等のハーブと称
せられる植物精油と植物性のパラフィンの両者を、いわ
ゆるどぶ漬けの方法で原料の麻に含浸させることができ
るため作業性を向上できる。
【0014】第2の実施の形態: 第1の実施の形態では、農業用マルチシートの原料とし
て麻100%重量比のものを使用したが、これに代え、
麻20〜30%重量比、パルプ80〜70%重量比の不
織布を用い、これにシトロネラ、スペアミント、カユプ
テ、ゼラニウム、パチュリ、テレピン等のハーブと称せ
られる植物精油を単独又は複数種ブレンドしたものを含
浸等で混入してもよい。この場合も生成された農業用マ
ルチシートに植物性のパラフィンを全面又は両側面部に
混入するのが望ましい。このため、界面活性剤(エマル
ジョン、ラテックス)を介在させて上記のハーブと称せ
られる植物精油(複数種のブレンドした場合も含む)と
植物性のパラフィンの両者を1工程で含浸させるように
して製造してもよい。
【0015】第1の使用形態本使用形態 は、上記のように製造された本発明の農業用
マルチシートを、耕作地で使用する場合の適用例を示す
もので、これを図1を用いて説明する。図1は、本発明
の方法で製造された農業用マルチシート1の使用形態
示す一部を切り欠いて示した一部縦断斜視図である。
使用形態で説明する農業用マルチシート1は、第1及び
第2の実施の形態のいずれかの形態で説明した農業用マ
ルチシート1において、図2に示すようにシートの両側
1a、1bを所定の幅だけ植物性のパラフィンを含浸さ
せるようにした例を示すものである。
【0016】本発明の農業用マルチシート1は、本使用
形態のものに限らず、耕作地5に敷設するだけで、その
自重により生分解するまで、風などに飛ばされることな
く耕作地に残存するように構成されているが、実際の耕
作地5では、農業用マルチシート1の両側1a、1bを
埋設するか、或いは土盛りすることにより、風の飛ばし
止めとしている場合が多い。
【0017】このような使用方法とした場合に、埋設さ
れ、或いは土盛りされた農業用マルチシート1の両側1
a、1bだけが生分解の進行が速く、この両側1a、1
bが崩壊して、農業用マルチシート1と耕作地5との密
着性が悪くなり、残存した中央部分1cが風に飛ばされ
るという事態が想定される。従って、例えば、ユーカリ
の葉等から採取された植物性のパラフィンをこの両側1
a、1bに含浸させることにより、生分解の進行を遅ら
せ、中央部分1cの生分解とほぼ同様の崩壊速度とする
ことが可能になり、農業用マルチシート1の中央部分1
cだけが残存して風に飛ばされるという事態を防止する
ことが可能になる。
【0018】また、日射量が多い地域においては、シト
ロネラ等のハーブと称せられる植物精油の揮発性成分が
速やかに揮発してしまい、農業用マルチシート1の有効
性の一部が早期に低下する事態が想定される。しかし、
植物性のパラフィンを含浸させた部分は、この揮発性成
分の揮発を遅らせる作用を有しているために、農業用マ
ルチシート1の有効性を長く残存させる効果を備えてい
る。また、植物性のパラフィンを、この農業用マルチシ
ート1の両側1a、1bに所定幅で含浸させ、このよう
に含浸させる範囲を限定することにより、農業用マルチ
シート1の製造コストを削減することができる。また、
同様の理由から、農業用マルチシート1を軽量化するこ
とができるので、敷設作業の負担軽減を図ることが可能
となる。但し、本実施の形態における農業用マルチシー
ト1の適用用途によっては、農業用マルチシート1の全
部、或いは中央部等の一部に植物性のパラフィンを含浸
させても良く、このような形態の農業用マルチシート1
も本発明に含まれるのは勿論のことである。更に、鉱物
性のパラフィンではなく、植物性のパラフィンを使用す
ることにより、本発明の農業用マルチシート1の無害性
を保持できるので、第1及び第2の実施の形態で示した
ものと同様に、人体に無害で、環境に優しい農業用マル
チシート1とすることができる。
【0019】さらに、傾斜地のような耕作地や北海道の
ように風を遮るものがない広大な耕作地に対して本発明
の農業用マルチシートを敷設する場合には、[001
7]で記載した土盛り程度では、農業用マルチシートが
ずれ落ちたり、風で飛ばされる恐れがある。そこで、こ
のような耕作地に本発明の農業用マルチシートを敷設す
るときには、図3に示すような次の組成から成る複数個
の有機肥料入りピン10を農業用マルチシートの側面部
に適当間隔で土壌に対して打ち込むことで農業用マルチ
シートがずれ落ちたり、風で飛ばされたりしないように
敷設した土壌に対して堅固に係止することができる。ま
た、麻主体の不織布を用いた農業用マルチシートの場合
には、肥料を含有していないため、肥料含有の機能を持
たせる点でも有効である。このような有機肥料入りピン
の組成としては、次のものが考えられる。 (1)グアノ単体より成るもの (2)グアノとゼオライト又はグアノとカオリンより成
るもの (3)グアノ以外の有機肥料とパルプスラッジより成る
もの。 なお、有機肥料入りピン10の形状としては、図3に示
すように略T字状に形成し、aを100mm程度、bを
150mm程度、dを15mm程度のものを使用し、b
の先端部を円錐状とするのが望ましい。このような形
状、組成の有機肥料入りピンを用いて、農業用マルチシ
ートを土壌に係止した場合、農業用マルチシートは凡そ
50〜60日程度はピンの作用で係止され、その後、ピ
ンは崩壊して土壌に混合した場合は、有機肥料として作
用するので土壌の改良の役割も果たすことになる。
【0020】第2の使用形態: 次に、第1の使用形態で示した農業用マルチシート1を
農地の肥料として用いる使用方法の一使用形態について
図2を用いて説明する。同図に示すように、まず、農業
用マルチシート1に対して種蒔き用又は苗植え付け用の
孔H1〜H8を等間隔に設ける。なお、孔の数は8個に限
定されない。この場合、各孔H1〜H8の間隔は、この合
成肥料紙を用いる場所で生育する農作物の種別(キャベ
ツ、レタス、ピーマン、パプリカ、ナス、トマト、トマ
ピー等)によって最適の間隔となるようにするが、例え
ば、45cm程度とすることが考えられる。また、各孔
1〜H8の直径の大きさは、15cm程度が適当であ
る。2a1〜2a4は夫々4個の孔H1、H2、H5、H6
囲まれた中間部分N1に図示のように複数個、等間隔で
配置される通気性の孔で、各孔2a1〜2a4の直径の大
きさは、例えば3〜5mm程度とすることが考えられ
る。なお、この各孔2a1〜2a4の大きさはそれらの孔
の数や間隔の増減により、前記値より小又は大に調整さ
れることになる。この通気性の孔は、他の隣接する種蒔
き用又は植え付け用の各中間部間N2、N3に対しても図
示のように2b1〜2b4、2c1〜2c4を前記孔2a1
〜2a4に準じて設けるものとする。また、上述したよ
うに、本実施の形態に用いる農業用マルチシート1の両
側1a、1bには、生分解を遅らせるため、及び、有効
な揮発成分が速やかに揮発してしまう事態を防止するた
めに、植物性のパラフィンが含浸されている。
【0021】このような種蒔き用又は苗植え付け用の孔
1〜H8が形成された農業用マルチシート1を対象とす
る畑のうねの長さに切断したものを、各うね部分に配置
し、農業用マルチシート1の4隅及び側面の適所に土を
載せる等して固定した後、各孔H1〜H8の部分の土壌に
対して農作物の種をまく又は苗を植え付ける。なお、農
業用マルチシート1を固定するために、上記のように土
を載せる手段に代えて、農業用マルチシート1の両側の
側面部に、竹片による簡単な垣根を設けるようにしても
良い。
【0022】このようにして畑の各うね部分に農業用マ
ルチシート1を配置し、固定すれば、畑の土に含有され
ている水によって、農業用マルチシート1は畑のうね部
分にくっつき、土と一体化し、これらの農業用マルチシ
ート1に含有されている前述した合成肥料の各成分が時
間の経過と共に、配置された土壌に溶け込んで土壌に栄
養を与えるという肥料として有効な働きをする。また、
これらの農作物の種が撒かれた部分や苗が植え付けれた
部分には、適当な大きさの孔が設けられているので、太
陽光線が入射し、通常の農業の場合と同様に光合成の作
用によって農作物は生育する。この場合、通気性の各孔
2a1〜2a4を通じて、必要な空気(酸素)がマルチシ
ートの下面の土壌に供給される。一方、農業用マルチシ
ート1が自然に農地に溶けきるまでは、うねを覆って、
太陽光線を遮断して光合成の作用を妨げると共に温度を
上昇させることにより、雑草の生育や、害虫の侵入やそ
の活動を防止する効果もある。特に、ゼラニウム又はシ
トラネを混入して生成した農業用マルチシート1では、
防虫効果(抗菌効果)は大である。
【0023】また、第1の使用形態で説明したものと同
様に、農業用マルチシート1の中央部分1cと両側1
a、1bとの生分解による崩壊時期を一致するようにす
ることも、有効成分の揮発を遅らせて農業用マルチシー
ト1の有効性を長く残存させることが可能となる。な
お、本使用形態では、本発明の農業用マルチシート1を
畑に設置する場合を説明したが、田地に適用しても有効
である。
【0024】本発明は上記の各実施の形態及び使用形態
に限定されるものではない。例えば、上記の実施の形態
では、ハーブと称せられる植物精油の代表的なものとし
て、シトロネラ、スペアミント、カユプテ、ゼラニウ
ム、パチュリ、テレピン等を例示したが、これらに限定
されるものではない。即ち、ハーブと称せられる植物精
油について、以下に記載する通り、8種の系統のものに
分類され、本発明のものでは、それらの代表例のみを例
示したが、ここに掲げた各種のものを本発明では使用可
能である。 (1)カンキツ系の精油 シトロネラ、レモングラスほか10種。 (2)ハーブ系の精油 スペアミント、セージ、バジルほか16種。 (3)樹木類の精油 カユプテ、ローズウッド、ユーカリほか9種。 (4)花の精油 ゼラニウム、ラベンダほか10種。 (5)エキゾチック精油 パチュリほか4種。 (6)樹脂類の精油 テレピンほか9種。 (7)スパイス類の精油 ジンジャー、アニス、シナモン、クミンほか9種。 (8)その他の精油 約4000種。
【0025】また、前述のようにシトロネラ等のハーブ
と称せられる植物精油は、単独で本発明の農業用マルチ
シートに含浸等で混入しても有効であるが、これらの複
数種のもの、例えば、シトロネラとゼラニウムとをブレ
ンドして混入すると、単独の場合よりも強い殺虫効果、
殺菌効果が現れるが、ブレンドの組合せ例として、シト
ロネラとブレンドしてよく合う精油を例示すれば、次の
ものが挙げられる。 (1)イランイラン油(バンレイシ科) (2)カユプテ油(フトモモ科) (3)セージ油(シソ科) (4)ゼラニウム油(フウロソウ科) (5)ネロリ油(ミカン科) (6)プチブレン油(ミカン科) (7)ペパーミント科(シソ科) (8)ベルガモット科(ミカン科) (9)ユーカリ油(フトモモ科) (10)ラベンダー油(シソ科)
【0026】さらに、殺虫作用、寄生虫駆除作用、殺菌
作用が、特に顕著なハーブと称せられる植物精油として
は、アニス(セリ科)、ガーリック(ユリ科)、サイプ
レス(ヒノキ科)、シトロネラ(イネ科)、ジュニパー
(ヒノキ科)、ゼラニウム(フウロウソウ科)、テレピ
ン(マツ科)、パチュリ(シソ科)、バエルガモット
(メカン科)、ローズウッド(クスノキ科)、カユプテ
(フトモモ科)、クローブ(フトモモ科)、シダーウッ
ド(ヒノキ、マツ科)、シナモン(クスノキ科)、スペ
アミント(シソ科)、タイム(シソ科)、バジル(シソ
科)、ライム(ミカン科)、レモングラス(イネ科)な
どが挙げられる。また、界面活性材としては、各種のも
のがあるが、その代表的なものを例示すれば次の通りで
ある。 (1)アニオン活性材 これに属するものとしては、石鹸類、流酸化物、スルフ
ォン化物などが挙げられる。 (2)カチオン活性材 (3)非イオン活性材 (4)その他 これに属するものとしては、天然物及びカチオンアニオ
ン調活性材が挙げられる。
【0027】また、前述のように界面活性材又はエマル
ジョン(ラテックス)を介在させて植物性のパラフィン
とシトロネラ等の植物精油とを農業用マルチシートに対
して1工程で含浸させる方法は特に第及び第の実施
の形態で有効であるが、第1、第2の使用形態でも適用
可能である。
【0028】上記で説明した本発明の実施の形態では、
本発明の農業用マルチシートの機能を所定期間維持させ
るために同マルチシートの全体又は一部(側面部等)に
対して含浸等の方法で混入させるものとして植物性のパ
ラフィンを用いる場合を述べた。上記機能を持たせるた
めには、現時点では植物性のパラフィンを用いるのが望
ましいが、これと同等の機能を有するものとして、果実
育成袋に用いられている華氏130〜135度のパラフ
ィンを代替え使用してもよい。
【0029】
【発明の効果】本発明の製造方法で製造される農業用マ
ルチシートは、その組成成分の故に、次のような優れた
効果を有する。 (1)請求項1又は2記載のもののように、麻自体また
は麻を主要な組成とした不織布にハーブを混入した農業
用マルチシートでは、肥料を含有しないがハーブが混入
しているため顕著な防虫、殺菌作用があり、また、原材
料に麻を用いているため上記パルプ主体のものよりも、
軽量性と強靭性を増大させることができる。例えば幅1
350mm、長さ100mm当り4〜5kg位というよ
うに従来のものより1/3の重量にできる。従って、農
業用マルチシートの搬送作業、敷設作業の負担を軽減す
ることができるから、比較的高齢の農作業従事者でも適
切に取り扱うことができ、作業性を向上できる。さら
に、麻を用いているため比較的目が粗いため透水性、通
気性、酸欠防止作用が顕著な点でも優れている。
【0030】(2)また、請求項3に記載のもののよう
に、上記した構成の農業用マルチシートの一部又は全部
に植物性のパラフィンを含浸させるようにすると、シト
ロネラ等の揮発性の高い植物精油成分を長く残存させる
ことができるようになるので、農業用マルチシートの有
効期間を長く持続させることができる。また、無害な植
物性のパラフィン又は華氏130〜135度のパラフィ
ンを用いることにより、環境に優しいという農業用マル
チシートの特徴を保持できる。 (3)さらに、請求項4に記載のもののように、農業用
マルチシートの長さ方向に沿って両側に所定幅で植物性
のパラフィンを含浸させるようにすると、シートの両側
の崩壊を遅らせることができるので、シートが風に飛ば
されたり、耕作地から外れてしまったりする事態を防止
することができる。 (4)また、請求項4に記載のように、植物性のパラフ
ィン又は華氏130〜135度のパラフィンを含浸させ
る部分をシートの両側に限定することにより、農業用マ
ルチシートの製造コストを低減できると共に、軽量化で
きるために、農業用マルチシートの敷設作業の負担を軽
減することができる。 (5)なお、請求項3又は4に記載のように、上記の各
パラフィンの混入に当たって、界面活性剤(エマルジョ
ン、ラテックス)の介在のもとで行えば、麻又は麻を主
体とした不織布に対しては特に、またパルプを主体とし
た不織布に対してもシトロネラなどのハーブと称せられ
る植物精油とパラフィンとのブレンドを1工程の含浸作
業で行うことができるので、作業性が大幅に向上でき
る。
【0031】(6)本発明の製造方法で製造された農業
用マルチシートを、図2に示すような複数個の通気孔を
所定間隔で設けるようにすると、農業用マルチシート内
の蒔かれた農作物に適正な酸素が供給がされるから農業
用マルチシートによる遮蔽により酸欠状態を生じる恐れ
はない。 (7)さらに、本発明の製造方法で製造された農業用マ
ルチシートの耕作地に対する敷設を、有機肥料入りのピ
ンを使用して行うと、耕作地が傾斜地や風の強い場所の
場合でも、上記ピンの係止作用により農業用マルチシー
トをずれ落ちたり、風に飛ばされたりすることなく耕作
地の土壌に対して農業用マルチシートが適正に係止され
るから、防虫や殺菌の機能を適正に行うことができ、ま
た、ピンが崩壊して土壌に混合するときは、その有機肥
料としての働きにより土壌を改良することができるの
で、有効である。従って、麻自体又は麻を主体とする不
織布を用いた農業用マルチシートでは、肥料が含有され
ていないため、上記のような傾斜地や風が強い場所のほ
か、一般の平坦地の耕作地に農業用マルチシートを敷設
するに当たり有機肥料入りピンを使用すれば、施肥が不
要とできるので、効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法で製造された農業用マルチシ
ートの第1の使用形態を示す一部を切り欠いて示した縦
断斜視図である。
【図2】本発明の製造方法で製造された農業用マルチシ
ートの第2の使用形態の構成を示す平面図である。
【図3】本発明の農業用マルチシートの敷設のときに使
用する有機肥料入りのピンの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1:農業用マルチシート 1a、1b:農業用マルチシートの両側 1c:農業用マルチシートの中央部分 2a1〜2c4:通気孔 5:耕作地 10:有機肥料入りのピン H1〜H8:種蒔き又は植え付け用の孔 N1〜N3:中間部分

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シトロネラ、スペアミント、カユプテ、
    ゼラニウム、パチュリ、テレピン等のハーブと称せられ
    る植物精油を単独又は複数種ブレンドしたものを、麻が
    100重量%の不織布に対して所定量含浸等の方法で混
    入させることで生成したことを特徴とする農業用マルチ
    シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 シトロネラ、スペアミント、カユプテ、
    ゼラニウム、パチュリ、テレピン等のハーブと称せられ
    る植物精油を単独又は複数種ブレンドしたものを、麻が
    70〜80重量%、パルプが30〜20重量%の組成の
    不織布に対して含浸等の方法で所定量混入させることで
    生成したことを特徴とする農業用マルチシートの製造方
  3. 【請求項3】 上記農業用マルチシートの一部又は全部
    に対して、植物性のパラフィン又は華氏130〜135
    度のパラフィンを含浸、塗布、ラミネート、蒸着等のい
    ずれかの方法により混入させるか、又は界面活性剤或い
    はエマルジョン(ラテックス)の介在のもとで、植物性
    のパラフィン又は華氏130〜135度のパラフィンを
    含有させるようにしたことを特徴とする請求項1又は2
    に記載の農業用マルチシートの製造方法
  4. 【請求項4】 上記農業用マルチシートの長さ方向に沿
    って両側に所定幅で植物性のパラフィン又は華氏130
    〜135度のパラフィンを含浸、塗布、ラミネート、蒸
    着等のいずれかの方法により混入させるか、又は界面活
    性剤或いはエマルジョン(ラテックス)の介在のもとで
    植物性のパラフィン又は華氏130〜135度のパラフ
    ィンを含浸させるようにしたことを特徴とする請求項
    乃至のいずれかに記載の農業用マルチシートの製造方
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