JP2800134B2 - 多孔質セラミックスの製造方法 - Google Patents

多孔質セラミックスの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は多孔質セラミックスの製造方法に関し、特
に細孔径の大きな且つ高気孔率の多孔質セラミックスを
製造する方法に関する。
(従来の技術及び発明が解決しようとする課題) 多孔質セラミックスは、各種分野において種々の目的
で広く使用されている。かかる多孔質セラミックスの製
造方法には各種のものがあり、これを大別すると次のよ
うになる。
I 焼成前空隙の利用 ポリウレタンフォーム原料中にセラミックス原料を混
合しておき、フォーム化してから焼成し、樹脂成分を除
去する。
ポリウレタンフォームにセラミックススラリーをコー
ティングして焼成する。
粒状樹脂をパックしておき、生じた空間にセラミック
ススラリーを流し込み、焼成する。
II 焼成過程の空隙の利用 熔化開始前に焼結を止める。
燃焼或いは揮発物資を添加して焼成する。
粒子径分布の調整された骨材粒子に少量のガラス質フ
ラックス、結合材を添加して焼成する。
珪藻土等の多孔質原料を結合材として混合して焼成す
る。
III ガラスの分相利用(多孔質ガラス) IV ゾルーゲル法(シリカゲル等) V 結晶内空隙の利用(ゼオライト等) これらの方法により得られる多孔質セラミックスの細
孔径のおよその範囲が第1図に示してある。
表から明らかなように、(I)の焼成前空隙の利用、
(II)の焼成過程の空隙の利用による方法では大きな細
孔径が得られる。そこで散気材や菌体の担体として用い
られる多孔質セラミックスのように、大きな細孔径(細
孔径数十〜数百μm以上)を必要とされるものの場合、
(I)の方法或いは(II)の方法が一般に用いられる。
ところが、(I)の方法の場合、通常の多孔質セラミ
ックスの製造工程(成形−焼成)以外の複雑な工程を必
要とする上、燃焼用の樹脂成分が用いることからコスト
が高くなるといった問題がある。
他方(II)の焼成過程の空隙の利用の方法において、
の熔化前に焼結を止める方法の場合、粒子が大きいと
焼結性が悪くなり、十分な強度が得られないといった難
点があり、またの燃焼物質等を添加して焼成する方法
の場合、製造コストは安価であるものの細孔の大きさが
不規則となる上、セラミックスが脆くなる欠点がある。
そこで大部分はの骨材粒子の粒子径分布を均一に調
整し、少量のガラス質フラックスを加えて焼成する方法
が採用されている。
しかしながらこの方法の場合、例えば細孔径100μm,
気孔率38%程度の多孔質セラミックスを製造しようとす
ると、焼成中期段階のモデルより導かれる式、 (d:細孔径,D:骨材粒子径,ε:気孔率) から、粒子径として350μm程度の大きな骨材粒子を用
いることが必要となる。
而してこのような大きな粒子を用いた場合、ガラス質
フラックスや粘土等の結合材を添加して焼成しても十分
な強度が得られ難くなり、また気孔率も小さくなってし
まう。
これらの問題を解決するため、焼成反応中の熔化過程
における一時膨張を利用して気孔率の高い、且つ細孔径
の大きな多孔質セラミックスを得る方法が本出願人によ
り先に提案されている。(特公平2−12899号)この方
法の要旨は、SiO2:70〜88重量%,CaO:5〜23重量%,Al2O
3:5〜15重量%を含む調合物を焼成して望ましい気孔
率,細孔径のものを得ることにあり、そしてこの方法に
従って多孔質セラミックスを製造した場合、焼成反応中
に共融反応により部分的に低融点の液相が生じ、これが
セラミックス粒子を結合する作用を果たし、以て細孔径
の均一な且つ機械的,物理的性質の良好な多孔質セラミ
ックスを得ることができる。
(課題を解決するための手段) しかしながらその後研究を行う中で、この方法には未
だ改良の余地のあることが判明した。
本発明はこのような事情の下になされたものであっ
て、その要旨は、SiO2,CaO,Al2O3を含有する調合物を焼
成して多孔質セラミックスを製造するに際し、該調合物
をSiO2:70〜88重量%,CaO:5〜23重量%,Al2O3:5〜15重
量%となるように且つCaO粒子の粒度がSiO2の粒度より
も3倍以上大きくなるように調整することにある。尚こ
こでCaO粒子の粒度がSiO2粒子の粒度よりも大きいと
は、CaO粒子の平均粒子径がSiO2粒子の平均粒子径より
も大きいことを意味する。
(作用及び発明の効果) 本発明によれば、上記先願発明と同様、安価に得られ
る天然原料である珪質蝋石,石灰石,粘土を用いて且つ
粒径の小さいものを用いながら、更に高気孔率の、細孔
径の大きな多孔質セラミックスを得ることができる。例
えば本発明によれば気孔率45%以上の、また細孔径100
μm以上の多孔質セラミックスを得ることが可能であ
る。
本発明によって一段と高気孔率の、細孔径の大きなセ
ラミックスが得られることとなった理由は次のように考
えられる。
SiO2,CaO,Al2O3から成る調合物を焼成したとき、焼成
中に次の反応が起ることが知られている。
CaO→ゲーレナイト(2CaO・Al2O3・SiO2)→アノルサ
イト(CaO・Al2O3・2SiO2)+ワラストナイト(CaO・Si
O2) ・・・(1) SiO2→クリストバライト(SiO2) ・・・(2) そしてこの反応においてゲーレナイト,アノルサイ
ト,ワラストナイトが生成して消失する過程で一時膨張
が生じると共に、ゲーレナイト,アノルサイト,ワラス
トナイトの共存下で共融反応が生じ、これにより低融点
の液相が生じてこれが原料粒子を結合する働きをする。
そして上記一時膨張の発生により気孔が多量に生成し、
また液相の発生による結合作用によって、均一な細孔径
の多孔質セラミックスが得られるものと解される。
ところでこの反応において、アノルサイトが多量に生
成すると共融反応が効果的に惹起されず、また一時膨張
も小さくなってしまう。
そこで本発明者はその対策としてCaO粒子の粒度をSiO
2粒子の粒度よりも3倍以上大きくしたところ、アノル
サイトと生成が適度に抑制されて、ゲーレナイト,アノ
ルサイト,ワラストナイト共存下での共融反応が良好に
惹起され、一時膨張も大となって、気孔率の高い細孔径
の大きな多孔質セラミックスが得られる知見を得た。こ
れは、CaO粒子の粒度をSiO2粒子の粒度よりも3倍以上
大とすることによって上記(1)式の反応が良好に抑制
され、従ってアノルサイトの生成量が適度に低く抑えら
れるようになったことによるものと考えられる。
かかる本発明によれば、調合原料として珪質蝋石,石
灰石,粘土等の安価な天然原料を用いることができ、ま
た特別の付加工程も要しないために、安価に多孔質セラ
ミックスを製造することができる。またその外、調合原
料として粒子径の大きなものを用いる必要がなく、粒径
の小さなものを用いるので粒子同士の焼結も良好に行わ
れ、強度に優れた(曲げ強度で150kgf/cm2以上)多孔質
セラミックスを得ることができ、しかも細孔径の大きな
且つ気孔率の高いセラミックスを得ることができる。
かかる多孔質セラミックスは、大きな細孔径,高気孔
率を利して水処理分野或いは化学工業におけるフィルタ
ー,散気管、更には各種担体その他の用途に好適に用い
ることができる。
尚本発明においては、CaO粒子の粒度をSiO2粒子の粒
度よりも3倍以上大とするだけでも良好な結果を得るこ
とができるが、CaO粒子の粒径をSiO2粒子の粒径の5倍
以上としたときにより良い結果が得られ、更にCaO粒子
の粒径をSiO2粒子の粒径の10倍以上としたときに更に良
好な結果が得られることが確認されている。またCaO粒
子として10μm以上のものを、SiO2粒子として5μmm以
下のものを用いることにより良好な結果の得られること
が併せて確認されている。
(実施例) 次に本発明の特徴を更に明確にすべく、以下にその実
施例を詳述する。
珪質蝋石(主成分SiO2)及び石灰石(主成分CaO)を
ボールミル細磨し、且つ細磨時間を異ならせることによ
って種々の粒径の粉砕品を用意した。またこれと併せて
粘土のフィルタープレス品を乾燥し、ロールクラッシャ
ーで破砕したものを用意した。因みに珪質蝋石をボール
ミルにて4時間及び96時間細磨したものの粒径分布が第
2図中,として、また石灰石をボールミルにてそれ
ぞれ1時間,4時間細磨したものの粒径分布が第3図中
,として示してある。尚第4図は、粘土粉砕品の粒
径分布を示したものである。
これら粉砕品を、SiO2:74重量%,CaO:14重量%,Al
2O3:12重量%となるように珪質蝋石:70.2重量%,石灰
石:22.1重量%,粘土:7.7重量%の割合で調合し、混合
した。混合はアイリッヒミキサーで行い、バインダー分
としてメチルセルロースを3重量%添加し、適量の水と
共に土練機にて十分に混練した。この混練物を小型押出
機でシート状に押出成形して乾燥後、電気炉で7℃/分
の速度で昇温し、最高温度(1250℃)に1時間保持した
後自然冷却して多孔質セラミックスを製造した。得られ
た多孔質セラミックスの細孔径分布を調べたところ第5
図の如くであった。但し図中B1はCaO粒子(石灰石粒
子)の粒径をSiO2粒子(珪質蝋石粒子)の粒径の3倍よ
り僅かに大とした場合、B2は5倍より僅かに大とした場
合、B3は10倍以上とした場合、B4は粒径の比率が10倍以
上であってSiO2の粒径が5μm以下、CaOの粒径が10μ
m以上とした場合の結果である。またAはSiO2として上
記のものを、CaOとしてのものを用い、焼成温度125
0℃で焼成したものの結果である(比較例)。尚気孔率
についてはAの場合が38%、Bの場合が45%であった。
第5図の結果から、CaOとSiO2の粒度を本発明に従っ
てコントロールすることにより、細孔径が大きく且つ気
孔率の高い多孔質セラミックスが得られることが分か
る。
また得られた多孔質セラミックスの強度を調べたとこ
ろ、実施例の品の場合3点曲げ強度が150kgf/cm2以上と
高強度であることも確認された。
以上本発明の実施例を詳述したが、これはあくまで一
具体例であって、本発明は上例以外の原料を用いで調合
物を調整することも可能である外、その主旨を逸脱しな
い範囲において、当業者の知識に基づき様々な変更を加
えた態様で実施可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は多孔質セラミックスの各種製造方法により得ら
れる細孔径の範囲を示す図、第2図,第3図及び第4図
はそれぞれ本発明の実施例において得られた珪質蝋石,
石灰石及び粘土粉砕品の粒径分布図、第5図はその実施
例において得られた多孔質セラミックスの細孔分布図で
ある。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SiO2,CaO,Al2O3を含有する調合物を焼成し
    て多孔質セラミックスを製造するに際し、該調合物をSi
    O2:70〜88重量%,CaO:5〜23重量%,Al2O3:5〜15重量%
    となるように且つCaO粒子の粒度がSiO2粒子の粒度より
    も3倍以上大きくなるように調整することを特徴とする
    多孔質セラミックスの製造方法。
  2. 【請求項2】前記調合物を、SiO2粒子の粒径が5μm以
    下、CaO粒子の粒径が10μm以上となるように調整する
    ことを特徴とする請求項(1)に記載の多孔質セラミッ
    クスの製造方法。
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