JP2798550B2 - ビスアリルオキシテトラブロモビスフェノ−ルsの製造法 - Google Patents

ビスアリルオキシテトラブロモビスフェノ−ルsの製造法

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JP2798550B2 JP4111526A JP11152692A JP2798550B2 JP 2798550 B2 JP2798550 B2 JP 2798550B2 JP 4111526 A JP4111526 A JP 4111526A JP 11152692 A JP11152692 A JP 11152692A JP 2798550 B2 JP2798550 B2 JP 2798550B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はビス(4−アリルオキシ
−3,5−ジブロモフェニル)スルホン[別称ビスアリ
ルオキシテトラブロモビスフェノ−ルS]をビス(4−
ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)スルホンおよ
び塩化アリルより高純度,高収率で得るための製造法に
関する。
【0002】
【従来の技術】ビス(4−アリルオキシ−3,5−ジブ
ロモフェニル)スルホン(以下、A−TBSと略記す
る)を臭素化して得られるビス(4−2,3ジブロモプ
ロポキシ−3,5−ジブロモフェニル)スルホン(以
下、B−TBSと略記する)は、ポリプロピレン等の難
燃剤として有効であることが知られている(特公昭50
−35103号公報、特公昭50−23693号公報、
特開昭61−176647号公報等)。
【0003】従来、A−TBSの製法としてはビス(4
−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)スルホン
(以下、TBSと略記する)を臭化アリル、または塩化
アリルを用いてアリルエーテル化する方法が知られてい
る。
【0004】臭化アリルを使用する例としては、例えば
特公昭50−35103号公報があげられる。臭化アリ
ルを用いると短い反応時間で高純度のA−TBSが得ら
れるが、臭化アリルは反応性が高い反面、保存安定性が
悪くて分解着色し易く、また高価なため、工業的に使用
するには好ましい原料ではない。
【0005】一方塩化アリルを使用したアリルエーテル
化法も知られている。塩化アリルは臭化アリルに比べ分
子量が小さいため使用量が少なくて済み、さらに単価も
安い為、塩化アリルを用いたアリルエーテル化は製品の
原価を下げる上で非常に好ましい方法である。しかし塩
化アリルを用いて反応する場合、例えばNaBr、KBr 、Na
I 、KIのような臭化物又はヨウ化物等の触媒を添加しな
ければエーテル化速度が非常に遅くA−TBSは殆ど生
成しないことが知られている(特公昭63−39585
号公報)。この方法では高価な臭化物もしくはヨウ化物
を使用する為、工業的に実施するのには好ましい方法と
は言えない。一方水溶性の有機溶媒を特定の割合で水と
混合した溶液を反応溶媒に使用し上記触媒を使用しない
方法も提案されている(特開平3−11052号公
報)。しかしこの方法は、最初に塩化アリルを含む全て
の原材料を仕込んだ後に加熱昇温し反応する方法であ
り、塩化アリルが45℃付近で還流するため、反応温度
があまり上がらず、反応に長時間を要し効率のよい方法
とは言えない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】TBSのアリルエーテ
ル化反応において、アリル化剤に塩化アリルを使用し、
かつ触媒を使用せずに、比較的短時間に高収率で高純度
のA−TBSを得る工業的方法を提供する事である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者はこのような方
法を見出だすべく鋭意検討した結果、本発明に到達した
ものである。
【0008】すなわち本発明は、TBSに酸結合剤水溶
液および有機溶剤の存在下、塩化アリルを添加してアリ
ルエーテル化反応をおこない、A−TBSを製造するに
当たり、有機溶剤として沸点が90℃以上の親水性溶剤
を使用し、大気圧で塩化アリルを反応系内の温度を70
〜100℃に保持するように環流下添加することを特徴
とするA−TBSの製造法である。
【0009】本発明の製造法において用いられる酸結合
剤は、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、
1級,2級,3級のアルキル,アリールまたはアラルキ
ルアミン、第4級アンモニウムハイドロキサイド等
で、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン、ア
ニリン、ジメチルアニリン、トリメチルベンジルアンモ
ニウムハイドロキサイド等があげられる。これらは単
独でも、混合使用しても差し支えない。特に水酸化ナト
リウム、水酸化カリウムを水溶液として用いることが好
ましい。
【0010】本発明において用いられる沸点が90℃以
上の親水性有機溶剤の例としては、ブチルアルコール、
イソブチルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコ
ール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,
4−ブタンジオール等のジオール類、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類、
メチルイソブチルケトン等のケトン類、その他ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド等である。これら
は単独でも混合使用しても差し支えない。
【0011】本発明の方法において用いられる塩化アリ
ルの使用量は、TBS1モルに対して2モル以上で、好
ましくは2.1〜3.5モルである。3.5モル以上加
えても収率の向上は認められない。
【0012】反応はTBS、酸結合剤の水溶液および上
記有機溶媒の混合液を70〜100℃に昇温後、攪拌下
大気圧で塩化アリルを反応系内温度を70〜100
℃、より好ましくは80〜90℃に保つように調節しな
がら環流下添加して行う。反応系内の温度が70℃以下
の場合、反応速度が遅くアリルエーテル化反応に長時間
を要する。また反応系内の温度が100℃以上の場合、
塩化アリル基の加水分解による収率の低下や、生成した
A−TBSの純度の低下、変色が起こるため好ましくな
い。
【0013】本発明の方法によって得られるA−TBS
は純度がよい為、反応液を濾別し、水洗、乾燥するだけ
でポリプロピレン樹脂等の難燃剤として有効なB−TB
Sの原料として使用できる。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。なお以下において部とは重量部を表わす。
【0015】
【実施例1】温度計、還流冷却器、攪拌機をつけた四ツ
口フラスコにイソブチルアルコール26.2部、水4
3.0部、水酸化ナトリウム10.0部を仕込み、そこ
へTBS56.6部を加えて溶解した。
【0016】次にこの溶液を85℃まで加熱し、塩化ア
リル25.3部を大気圧で反応系内の温度を80〜90
℃の範囲を保つように10時間かけて環流下供給し、こ
の温度で合計13時間反応を行った。反応終了後、室温
まで冷却し、析出している結晶を濾別し、水洗した後乾
燥させると白色針状結晶のA−TBS53.9部(収率
83.4%)を得た。この結晶の融点は182〜184
℃であった。
【0017】得られたA−TBS40部を温度計、還流
冷却器、攪拌機をつけた四ツ口フラスコに入れ塩化メチ
レン93.3部に溶解しそこへ臭素20.8部を15〜
20℃で滴下し反応させた。臭素滴下後40℃まで加熱
し1時間保持した。その後、室温まで冷却し亜硫酸ナト
リウムで残留している臭素を中和した。この塩化メチレ
ン溶液を水洗し、メタノール120部を加え析出してき
た結晶を濾別し乾燥すると白色のB−TBS58.3部
(収率97.3%)が得られた。このものの融点126
〜127℃であった。
【0018】
【実施例2】実施例1のイソブチルアルコールの代わり
にエチレングリコールを使用し、その他の条件は全て実
施例1と同様にして反応をおこなったところ、白色針状
結晶のA−TBS51.4部(収率79.6%)を得
た。この結晶の融点は182〜185℃であった。
【0019】
【比較例1】実施例1においては溶液温度を85℃に加
熱後、塩化アリルを系内温度を80〜90℃に保つよう
に供給したのに対し、溶液温度を51℃に加熱後、塩化
アリルを系内温度を50〜60℃に保つように大気圧で
9時間かけて環流下供給し、この温度で合計18時間反
応をおこなった。反応終了後、室温まで冷却し、析出し
ている結晶を濾別し、水洗した後乾燥させると白色針状
結晶のA−TBSが33.1部(収率48.2%)得ら
れた。この結晶の融点は179〜183℃であった。
【0020】
【比較例2】実施例1においては溶液温度を85℃に加
熱後、塩化アリルを系内温度を80〜90℃に保つよう
に供給したのに対し、加熱前に21℃で塩化アリル2
5.3部を加え、その他の条件は実施例1に準じて、
気圧で系内温度55〜63℃で還流下に18時間反応を
行った。これを室温まで冷却し、析出している結晶を濾
別し、水洗した後乾燥させると白色針状結晶のA−TB
Sが23.1部(収率35.8%)得られた。この結晶
の融点は176〜181℃であった。
【0021】
【比較例3】実施例1においては溶液温度を85℃に加
熱後、塩化アリルを系内温度を80〜90℃に保つよう
に供給したのに対し、溶液温度を105℃に加熱後、
気圧で塩化アリルを系内温度を100〜110℃に保つ
ように還流下供給し、合計14時間反応をおこなった。
反応終了後、室温まで冷却し、析出している結晶を濾別
し、水洗した後乾燥させると褐色微粉状のA−TBSが
38.6部(収率59.8%)得られた。この粉体の融
点は178〜180℃であった。
【0022】
【発明の効果】沸点が90℃以上の親水性溶媒を使用
し、大気圧で反応系内温度を70〜100℃に保つよう
に塩化アリルを還流下供給することにより、高価な触媒
を使用せずにしかも高品質のビス(4−アリルオキシ−
3,5−ジブロモ−フェニル)スルホンが高収率で得ら
れる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロ
    モフェニル)スルホンに、酸結合剤水溶液および有機溶
    剤の存在下、塩化アリルを添加してアリルエーテル化反
    応をおこない、ビス(4−アリルオキシ−3,5−ジブ
    ロモフェニル)スルホンを製造するに当たり、有機溶剤
    として沸点が90℃以上の親水性溶剤を使用し、大気圧
    塩化アリルを反応系内の温度を70〜100℃に保持
    するように環流下添加することを特徴とするビス(4−
    アリルオキシ−3,5−ジブロモフェニル)スルホンの
    製造法。
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