JP2798094B2 - 抗菌剤としてのジクロロ置換イミダゾール誘導体 - Google Patents

抗菌剤としてのジクロロ置換イミダゾール誘導体

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JP2798094B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は次式(I)の2種の新規ジクロロ置換1−
(5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イル)−1
H−イミダゾール化合物、[ただし式中−X−は−CH2
CH2−または−CH=CH−かのいずれかを示す],および
医薬上許容される付加塩、それらの製造方法、および抗
菌性の医薬と獣医薬の組成物の調製におけるそれらの使
用に関する。
(従来の技術) N−トリチルイミダゾール誘導体が殺菌活性を示すこ
とは公知である。例えば、米国特許第3,660,577号は次
の一般式(II)に示す化合物、[ただし式中、R,R1およ
びR2は水素、低級アルキル基およびフェニル、Xはアル
キル基または電気陰性置換基、nは0から2の整数、を
表わし、およびnは個々のベンゼン環で異なる意味を有
してもよいを表す]の抗真菌症剤を開示している。
一般に、一般式(II)に含まれる非常に多くの化合物
のなかで、抗菌剤としてモノ置換体はポリ置換体より活
性が高いことが知られている。ここで、例えばフランス
特許第1,600,990号は一般式(III)に示す化合物、[た
だし式中、Xはハロゲンを含む数種の置換基を表わす]
の抗真菌症剤を開示している。この特許はモノ置換のハ
ロゲン誘導体対類似のジおよびトリ置換体の比較試験を
記述しているが、その結果によるとモノ置換誘導体がよ
り高い抗菌活性を有することは明白である。事実、一般
式(III)に含まれるなかで商業的に最も成功した化合
物はクロトリマゾール(Clotrimazole)と名づけられた
モノ置換クロロ誘導体である。
(クロトリマゾール) 米国特許第3,764,609号は一般式(IV),[ただし式
中、R1とR2は同一または異なり、各々水素またはハロゲ
ン原子あるいは低級アルキル基を表わし、R3,R4および
R5は水素原子またはアルキル基を表わし、Xは単結合
で、−CH2−CH2−,−CH2−CH2−CH2−もしくは−CH=C
H−基または−CH2CHHal−基{ここでHalは塩素もしくは
臭素を示す}を表わす]の1−(5H−ジベンゾ[a,d]
シクロヘプテン−5−イル)−1H−イミダゾール誘導体
を開示した。この特許の中ではデータは示されなかった
が、一般式(IV)の化合物は殺菌活性を有することが述
べられている。ここで一般式(IV)の化合物は同一フェ
ニル環において2箇所置換された化合物を全く含まない
ことは注目すべき点である。事実、この特許には、2置
換体についてはなにも述べられず、さらに、異なる環の
置換の場合さえも述べられていない。この特許に記述の
化合物のなかで構造的に本発明の化合物に非常に近い化
合物は式(V)の化合物であって、これは3の位置に臭
素原子を有する。
スクイブの米国特許第4,420,474号は抗真菌症剤とア
ザロマイシン(Azalomycin)Fとの相乗作用のある抗菌
性組成物を開示している。上記特許の表Iでは1−(3
−クロロ−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]ジシ
クロヘプテン−5−イル)−1H−イミダゾールは会社名
SQ80896で記述されているが、その調製法やその用途に
ついては何ら記述がない。われわれの知っている限り、
SQ80896はいままで記載されていて構造的に本発明の製
造物に最も近い化合物である。いずれにせよ、米国特許
第4,420,474号の表Iの薬理学データは明らかにSQ80896
はクロトリマゾールより(カンジダアルビカンス(Cand
ida albicans)に対するMICパラメーターをみると)か
なり活性が低いことを示している。
既知市販抗菌剤の有用性にもかかわらず、この分野の
研究は非常に活発であり、これは、いくつかの菌種は古
い化合物(とくに広汎なクロトリマゾール)に抵抗性を
有するようになってしまったことによるものである。こ
れは問題が深刻なことを示しており、とくに病院が大都
市ではそうである。活性が強力でスペクトルの広い新規
抗菌剤の探索が重要であるが、また、限られた数の細菌
感染、その若干は古い製品に抵抗性ができてしまってい
るものであるが、に対して活性のある新規抗菌剤を与え
ることも重要である。このように、新規化合物(エコナ
ゾール(Econazole),ミコナゾール(Miconazole)…
および有名なビホナゾール(Bifonazole))が、古い製
品、著名にはいまだいくつかの菌種に対し最も活性の高
い市販品であるクロトリマゾールであるが、これと同
様、もしくはこれより高い抗菌活性をいくつかの菌種に
対して示すやいなや前記新規化合物は市場に導入されて
いるのが現状である。
(発明の開示) 上述の当分野の技術状況は、抗菌活性を有する新規イ
ミダゾール誘導体の探索においてはポリハロゲン置換化
合物のスクリーニングから一般に視点が遠ざかる傾向が
あったことを示している。この傾向は、前記フランス特
許第1,600,990号の教えるところでは、一般式(II)の
N−トリチルイミダゾール型について非常にはっきりし
ていた。
われわれ自身の研究の過程で同様の傾向をわれわれは
観察した。例えばWA2162(硝酸塩としての)の化合物を
われわれは調製し、そして実施例3の表の結果に示すよ
うに、これはクロトリマゾールよりかなり活性が低いこ
とを見出した。
旧来のN−トリチルイミダゾール誘導体(一般式(II
I))に代えて(ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−
イル)−1H−イミダゾール型にするこのイミダゾール誘
導体の置換も抗真菌症剤分野で有望な方向とは思われな
かった。事実、われわれの知る限り、一般式(IV)に含
まれる誘導体はいづれもかつて市販されたことはなかっ
た。上述のように、米国特許第4,420,474号はSQ80896が
クロトリマゾールよりかなり活性が低いことを記載して
いる。われわれはまたSQ80896を調製し試験したとこ
ろ、われわれの経験(例えば実施例3の表を参照)で
は、この製造物はクロトリマゾールよりかなり低活性で
ある。
上述の2つの傾向にもかかわらず、予想外にもわれわ
れは式(I)に示すジクロロ置換 1−(5H−ジベンソ
[a,d]シクロヘプテン−5−イル)−1H−イミダゾー
ル化合物、[ただし式中、−X−は−CH2−CH2−または
−CH=CH−基を示す]、およびそれらの医薬上許容され
る塩が、驚くべきことに市販のいくつかの抗菌剤、とく
にクロトリマゾールおよびビホナゾール、と同等または
それ以上の抗菌活性を示すことを見出した。これは実施
例3−7の薬物比較試験に明瞭に説明される。このよう
に、本発明の主要特徴の1つは、式(I)の新規製造物
が細菌感染と戦うのに提供できることである。製造物
(I)は以前に市販されることのなかった化学分類に属
するため多くの菌種がそれに抵抗性を増大させてきたこ
とはありえず、ほとんど確実に他の既使用品に比べこれ
は大きな利点となるものである。
クロロ置換の数と位置ならびに−CH2−CH2−または−
CH=CH−の橋かけにより分子に与えられる易動性の欠如
は、抗菌活性に必須の2種類同時の構造的特性である。
すなわち、もしクロロ置換が違っていると(製造物SQ80
896の場合のように)またはもし橋かけが消えて無くな
ると(製造物WAS2162の場合のように)、抗菌活性は劇
的に減少してしまう。
本発明の実施例にみられる一般式(I)の化合物とし
て主要実施例の2種、すなわち、化合物1−(2,4−ジ
クロロ−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロ
ヘプテン−5−イル)−1H−イミダゾールとその医薬上
許容される塩ならびに化合物1−(2,4−ジクロロ−5H
−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イル)−1H−
イミダゾールとその医薬上許容される塩である。ここで
はじめて調製され記述されるこれらの硝酸塩はそれぞ
れ、WAS2160およびWAS2169と以下に表示する。ここで使
用する名称と式はラセミ混合物を表わす。鏡像異性体の
一方が他方の鏡像体より活性が高いことが予想される
が、本発明ではすべての立体異性体とそれらの混合物を
対象とするものである。
本発明の他の主要な特徴は、医薬上許容される賦形剤
または担体とともに、式(I)に示す化合物またはその
医薬上許容される塩の抗菌性有効量を有する、人および
動物の菌感染を処置するための医薬組成物にある。ウサ
ギでの予備試験(実施例8参照)は、本発明の製造物は
無害であって目、皮フ、および腔に全面的に許容される
ことを明らかに示している。
本発明はまた、人および動物の菌感染を処置するため
の薬剤の調製における式(I)に示す化合物またはその
医薬上許容される塩の使用方法を提供するものである。
本発明の製造物の医薬上許容される塩は、生理学的に
許容される無機酸、例えば硝酸、リン酸、硫酸または塩
酸、スルホン酸、および、カルボン酸もしくはヒドロキ
シカルボン酸、例えば酢酸、酒石酸、サリチル酸、クエ
ン酸、アスコルビン酸など、から得られる塩である。好
ましい実施例としては、塩は硝酸から得られる塩であ
る。
医薬上許容される賦形剤または担体には固体、半固
体、液体希釈剤、充てん剤およびすべての種類の配合助
剤があげられる。式(I)の製造物を含む可能な医薬組
成物には、錠剤、丸薬、カプセル、顆粒、溶液、懸濁
液、乳化液、座薬、ペースト、軟膏、ゲル、クリーム、
ローション、粉末およびスプレイをあげることができ
る。
本発明の別の主要特徴は、式(I)で示す化合物また
はその医薬上許容される塩の製造方法であって、式(V
I)で示す化合物[ただし式中、Xは−CH2−CH2−また
は−CH=CH−の基を表わし、Zはハロゲン基またはスル
ホネート基(例えばメタンスルホネート、ベンゼンスル
ホネート、またはトシレート)を表わす]を、イミダゾ
ールもしくはそれと等価な求核試薬(例えばイミダゾー
ル塩、またはトリメチルシリルイミダゾール)と共に、
極性不活性溶媒(例えばジメチルホルムアミド)中、塩
基(例えば過剰のイミダゾール、トリエチルアミン、炭
酸カリウムまたはこれらの等価体)の存在下で反応させ
て、生成する酸を中和し、塩が所望の場合は次にそれに
対応する酸を添加することからなる上記の製造方法であ
る。
本発明の好ましい実施例は下記のとおりである。すな
わち、中間体(VI)のZはClであり、これは(VII)と
塩化チオニルとから得られる。反応は、過剰のイミダゾ
ールで他の塩基の添加なしに、ジメチルホルムアミド溶
媒中で行われる。アルコール(VII)はケトン(VIII)
から標準的な還元法、例えば接触水素化またはヒドリ
ド、好ましくは水素化ホウ素ナトリウムによる処理によ
り得られる。
本発明の方法の求核置換反応は、とくに、反応中心に
最も近いクロロ置換基が非常に近接していることによる
立体障害が存在するため困難性を有する。しかしなが
ら、本発明の好ましい条件下(過剰のイミダゾール、ジ
メチルホルムアミド還流、6時間、続く硝酸の添加)で
収率は高いものである。
式(VI)の化合物は、式(VII)のアルコールの標準
的有機化学試薬による処理により調製することができ
る。例えばZがClの場合、塩化チオニルが使用できる。
ZがBrの場合、ピリジン中の三臭化リンが使用できる。
Zがトシレートの場合、塩化トシルが使用できる、など
である。
式(VII)のアルコールは、対応するケトンの標準的
有機合成法による還元により調製できるが、その方法は
例えば水素化ホウ素ナトリウムによる処理または接触水
素化である。本発明の製造物の調製に必要な2種のケト
ン(VIII)は、文献(X.シレラ(Cirera)、Ph.D学位論
文、サリア キミコ インスティチュート(Instituto
Quimicode Sarri,バルセロナ,1983参照)に記載され
ている。最終製造物(I)および中間体(VIIおよびVI
Z=Clの場合)は以前に記載されたことのないものであ
る。
本発明は次の実施例によりさらに説明されるがこれに
限定されるものではない。
(実施例1) 1−(2,4−ジクロロ−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ
[a,d]シクロヘプテン−5−イル)−1H−イミダゾー
ル硝酸塩(WAS 2160) a)100mlのメタノールに50ミリモルの2,4−ジクロロ−
10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン
−5−オンの溶液を電磁かく拌機、還流冷却器および滴
下ろうとを付けた250mlフラスコに加えた。次に水5mlと
メタノール15mlとに50ミリモルの水素化ホウ素ナトリウ
ムの溶液を15分間で添加した。混合物を室温で3時間振
とうし、濃塩酸でpH=1にした。溶媒を減圧除去した。
残渣を75mlのクロロホルムに溶解し50mlの水で2回洗浄
した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し濾過し
た。溶媒を減圧除去した。さらに精製することなく残渣
を次の段階の使用に供した。I.R.(KBr):3500−3200,3
020,2940,1590,990cm-1.カルボニルバンドの消失が見
られた。
b)前段階からの粗生成物を100mlの塩化メチレンに溶
解した。この溶液に75ミリモルの塩化チオニルを室温5
分間で添加した。溶媒を減圧除去し残渣を50mlの塩化チ
オニルに溶解し、還流下1時間加熱した。過剰の塩化チ
オニルを減圧留去した。50mlのトルエンを添加した。溶
媒を減圧除去し残渣はさらに精製することなく次の段階
に使用した。I.R.(KBr):3030−3010,2940,1585cm-1
ヒドロキシ伸縮に対応するバンドの消失が見られた。
c)前段階からの粗生成物を100mlのジメチルホルムア
ミドに溶解した。次に200ミリモルのイミダゾールを加
え、混合物を還流下6時間加熱した。溶媒を減圧除去
し、残渣を75mlのクロロホルムに溶解し、50mlの水で3
回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し濾
過した。溶媒を減圧除去した。残渣を50mlのイソプロピ
ルエーテルと25mlのイソプロピルアルコールとに溶解し
た。次に60%(比重1.38)硝酸を題記化合物が全て沈殿
するまで加えた。濾過後、固体をイソプロピルエーテル
/イソプロピルアルコールから再結晶した。全収率56%
融点:173−174℃.I.R.(KBr):3160,3100,3000−2400
(N−H),1590,1400,1320,1290,895,860cm-11H−RM
N(DCCl3/CD3OD):δ=8.2/s(1H),7.5−6.7/sc(9
H),2.9−2.6/sc(4H). (実施例2) 1−(2,4−ジクロロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプ
テン−5−イル)−1H−イミダゾール硝酸塩(WAS216
9) (a)100mlのメタノールに50ミリモルの2,4−ジクロロ
−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オンの溶
液を、電磁かく拌機、還流冷却器および滴下ろうとを付
けた250mlフラスコに加えた。5mlの水と15mlのメタノー
ルに50ミリモルの水素化ホウ素ナトリウムの溶液を15分
間で添加した。混合物を室温で3時間振とうし、濃塩酸
でpH=1にした。溶媒を減圧除去した。残渣を75mlのク
ロロホルムに溶解し、50mlの水で2回洗浄した。有機層
を無水硫酸マグネシウムで乾燥し濾過した。溶媒を減圧
除去した。残渣をさらに精製することなく次の段階に使
用に供した。
I.R.(KBr):3500−3200,3020,1595,1000cm-1.カルボ
ニルバンドの消失が見られた。
(b)前段階からの粗生成物を100mlの塩化メチレンに
溶解した。次に75ミリモルの塩化チオニルを室温5分間
で加えた。溶媒を減圧除去し、残渣を50mlの塩化チオニ
ルに溶解した。混合物を還流下1時間加熱した。過剰の
塩化チオニルを減圧留去した。50mlのトルエンを添加し
た。溶媒を減圧除去し、残渣はさらに精製することなく
次の段階に使用した。I.R.(KBr):3030−3000,2940,15
80cm-1.ヒドロキシル基の伸縮に対応するバンドの消失
が見られた。
(c)前段階からの粗生成物を100mlのジメチルホルム
アミドに溶解した。次に200ミリモルのイミダゾールを
加え、混合物を還流下6時間加熱した。溶媒を減圧除去
した。残渣を75mlのクロロホルムに溶解し、50mlの水で
3回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し
濾過した。溶媒を減圧除去した。残渣を50mlのイソプロ
ピルエーテルと25mlのイソプロピルアルコールとに集め
た。次に60%(比重=1.38)硝酸を題記化合物が全て沈
殿するまで加えた。濾過後、固体をイソプロピルエーテ
ル/イソプロピルアルコールから再結晶した。全収率:4
8% 融点:165−167℃.I.R.(KBr):3160,3000−2300
(N−H),1580,1500,1320,1295,890,850,750cm-11H
−RMN(DCCl3/CD3OD):δ=7.75/s(1H),7.6−7.1/s
c(9H),6.8/d(1H),6.5/m(1H). (実施例3) カンジダ トロピカリス(candida tropicalis)CECT14
40に対するインビトロ活性 この薬物試験は、本発明の2種の調製物(WAS2160とW
AS2169)の活性と、構造的に最も近い既報の化合物(SQ
80896),構造的に最も近い市販品(クロトリマゾー
ル)および7員環のない類似の調製物(WAS2162)の活
性との比較を行うものである。MIC(最低阻害濃度、fg/
mL)およびRIF(相対阻害係数)パラメータを標準的方
法で測定し、次の表の結果を得た(WAS2126はわれわれ
の実験室で調製した1−[(2,4−ジクロロフェニル)
フェニル−メチル]−1H−イミダゾールの硝酸塩であ
る)。
(実施例4) 酵母菌の菌株116と皮フ糸状菌(dermatophyte)の菌株4
5に対するインビトロ活性 無菌ミクロ平板を用いて、液体培地で累進倍加希釈法
によりMICを測定した。使用した培地はゲンタマイシン
(gentamycin)(100mg/1000mL)でのサブロー(Sabour
aud)ブロスである。WAS2169,WAS2160およびクロトリマ
ゾール(Clot.)での比較試験で得られた結果を次の表
に示す。
(実施例5) 白癬毛瘡菌(trichophytonmentagrophyte)により惹起
するモルモットの実験的誘導のヒフ糸状菌病(dermatop
hytosis)に対する防御のインビボ試験 2種の2重盲検比較試験を行ない次の結果を得た。
(実施例6) モルモットのカンジダ症(Candidiosis)に対する抗菌
活性のインビボ試験 WAS2160とクロトリマゾールを用いて2重盲検比較試
験を行ない次の結果を得た。
(実施例7) 癜風菌(malassezia furfur)(ピチオスポラム(Pytio
sporum)の菌株30に対するインビトロ試験 WAS2160,クロトリマゾールおよびビホナゾールを用い
て2重盲検比較試験を行ない次表の結果を得た。(PIC
=部分阻害濃度:増殖阻害が対照の50%超過) (実施例8) ウサギのWAS2160の許容量試験 調製物WAS2160は無害であり、目、皮フおよび腔に全
面的に許容されることがわかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リカルド セペロ メストレス スペイン国 08026 バルセロナ アベ ニダ.サン アントニオ エム クラレ ット 173 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 233/56 A61K 31/415 REGISTRY(STN) CA(STN)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I): [ただし式中、−X−は−CH2−CH2−または−CH=CH−
    基を表わす。] で示されるジクロロ置換1−[5H−ジベンゾ[a,d]シ
    クロヘプテン−5−イル]−1H−イミダゾール化合物お
    よびその医薬上許容される塩。
  2. 【請求項2】医薬上許容される賦形剤または担体ととも
    に、請求項1に記載の式(I)の化合物もしくはその医
    薬上許容される塩の抗菌性有効量を有することを特徴と
    する人および動物の菌感染を処置するための医薬組成
    物。
  3. 【請求項3】人または動物の菌感染を処置するための薬
    剤の調製において、請求項1に記載の式(I)の化合物
    もしくはその医薬上許容される塩を使用する方法。
  4. 【請求項4】−X−が−CH2−CH2−であり該化合物が1
    −(2,4−ジクロロ−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ
    [a,d]シクロヘプテン−5−イル)−1H−イミダゾー
    ルである、請求項1に記載の化合物またはその医薬上許
    容される塩。
  5. 【請求項5】医薬上許容される賦形剤または担体ととも
    に1−(2,4−ジクロロ−10,11−ジヒドロ−5H−ジベン
    ゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イル)−1H−イミダゾ
    ールもしくはその医薬上許容される塩の抗菌性有効量を
    有する、請求項2に記載の人および動物の菌感染を処置
    するための医薬組成物。
  6. 【請求項6】人または動物の菌感染を処置するための薬
    剤の調製において、1−(2,4−ジクロロ−10,11−ジヒ
    ドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イ
    ル)−1H−イミダゾールもしくはその医薬上許容される
    塩を適用する、請求項3に記載の使用方法。
  7. 【請求項7】−X−が−CH=CH−であり該化合物が1−
    (2,4−ジクロロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン
    −5−イル)−1H−イミダゾールである、請求項1に記
    載の化合物またはその医薬上許容される塩。
  8. 【請求項8】医薬上許容される賦形剤または担体ととも
    に、1−(2,4−ジクロロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロ
    ヘプテン−5−イル)−1H−イミダゾールもしくはその
    医薬上許容される塩の抗菌性有効量を有する、請求項2
    に記載の人および動物の菌感染を処置するための医薬組
    成物。
  9. 【請求項9】人または動物の菌感染を処置するための薬
    剤の調製において、1−(2,4−ジクロロ−5H−ジベン
    ゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イル)−1H−イミダゾ
    ールもしくはその医薬上許容される塩を適用する、請求
    項3に記載の使用方法。
  10. 【請求項10】式(VI): [ただし式中、Xは−CH2−CH2−または−CH=CH−の基
    を表わし、Zはハロゲン基またはスルホネート基を表わ
    す] で示される化合物を、イミダゾールもしくはそれと等価
    な求核試薬と共に、極性不活性溶媒中、塩基の存在下で
    反応させて、生成する酸を中和し、塩が所望の場合は次
    にそれに対応する酸を添加することからなることを特徴
    とする請求項1に記載の式(I)の化合物またはその医
    薬上許容される塩の製造方法。
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