JP2798028B2 - ポリエーテルケトン樹脂組成物および半導体ウエハ加工・処理用キャリア - Google Patents

ポリエーテルケトン樹脂組成物および半導体ウエハ加工・処理用キャリア

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JP2798028B2 JP32275695A JP32275695A JP2798028B2 JP 2798028 B2 JP2798028 B2 JP 2798028B2 JP 32275695 A JP32275695 A JP 32275695A JP 32275695 A JP32275695 A JP 32275695A JP 2798028 B2 JP2798028 B2 JP 2798028B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体ウエハ加工・処
理用キャリア、およびこれを与える成形性、寸法安定
性、機械物性、帯電防止性に優れたポリエーテルケトン
樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シリコンウエハに代表される半導体ウエ
ハは、目的製品であるICチップが得られるまでに、多
岐にわたる加工・処理工程を必要とする。例えば、シリ
コン半導体ICは、原料硅石から製造されたミラーウエ
ハを基に、酸化、フォトレジスト塗布、マスキング、露
光、エッチング、減圧CVDによる結晶成長、洗浄等の
工程の繰り返しにより作成される。このようなウエハ処
理工程で使用されるキャリア材料としては、テトラフル
オロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルの
共重合体(以下PFAと略す)、金属アルミニウムおよ
びポリプロピレン等が使用されている。PFA製キャリ
アは、主に洗浄用および不純物拡散処理を施したウエハ
の保管用として、金属アルミニウム製キャリアは、レジ
ストベーキング用として、ポリプロピレン製キャリア
は、搬送用として使用されるのが一般的であった。ま
た、各工程間でのウエハの乗せ替えは通常ロボットによ
り行われることが多い。一方、保管用あるいは200℃
までのレジストベーキング用にPFA製キャリアを用い
る場合、高温で軟化して変形しやすい、成形時の収縮が
大きく寸法精度に劣る等の問題が生じることがある。こ
れを解決するために、例えば、特開昭60−14712
1号公報においてはPFA樹脂の替わりにポリエーテル
エーテルケトン樹脂(以下PEEKと略す)を用いてウ
エハ処理用容器を製造することが開示されている。しか
し、PEEKを単独でキャリア材料として用いた場合に
も高温での剛性に欠け、レジストベーキング時に変形が
懸念されること、PEEKのガラス転移温度が143℃
であるために、それ以上の温度での寸法精度に欠けるこ
と、またPEEK樹脂の溶融粘度が高く、キャリアを成
形する時の流動性に劣り、場合によっては成形時の樹脂
の充填が不完全になること等の欠点を有しており、実際
に使用においては不都合を生じることがあった。また、
ウエハサイズの大型化に伴いPEEK製キャリアの上記
欠点はこれまで以上に実用上の不都合をまねくことが予
想される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の問題
点を解決して、剛性、寸法安定性および帯電防止性に優
れた半導体ウエハ加工・処理用キャリア、およびこれを
与える成形性に優れたポリエーテルケトン樹脂組成物を
提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するために鋭意検討した結果、ポリエーテルケ
トン樹脂に液晶ポリエステルおよび特定の炭素繊維を特
定量配合することにより、上記目的が達成できる組成物
を得ることができ、該組成物から成形された半導体ウエ
ハ加工・処理用キャリアは、その加工・処理工程におい
て優れた適性を有することを見出し本発明に至った。す
なわち、本発明は、ポリエーテルケトン樹脂95〜50
重量%と液晶ポリエステル5〜50重量%からなる組成
物100重量部に対して、平均繊維径5〜20μm、平
均繊維長30〜500μmである炭素繊維5〜100重
量部を配合してなる、ポリエーテルケトン樹脂組成物、
及びこの樹脂組成物で成形された半導体ウエハ加工・処
理用キャリアに関する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で使用されるポリエーテル
ケトン樹脂とは、フェニルケトン構造とフェニルエーテ
ル構造を主構造として併せもつ樹脂である。ポリエーテ
ルケトン樹脂の構造としては、例えば下記のものを例示
することができるがこれらに限定されるものではない。
【0006】
【化4】 耐熱性、機械的物性、加工性のバランスから、特に好ま
しいポリエーテルケトンは、上式(V)で表される繰り
返し構造単位のものであり、市販品としてはVictr
ex PEEK(VICTREX社製)が挙げられる。
Victrex PEEKのグレードとしては、150
P、151G、380P、381G、450P、450
Gが挙げられ、下記に定義される溶融粘度は、それぞれ
1500ポイズ、1500ポイズ、3800ポイズ、3
800ポイズ、4500ポイズ、4500ポイズであ
る。 溶融粘度:400℃に加熱された樹脂を内径1mm、長
さ10mmのノズルから剪断速度1000sec-1で押
し出す時の見掛けの溶融粘度。 ポリエーテルケトンの溶融粘度が500ポイズよりも低
い場合は、ポリエーテルケトン自身の機械的物性が若干
低下する。
【0007】本発明で使用される液晶ポリエステルは、
サーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステル
であり、(1)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールと
芳香族ヒドロキシカルボン酸との組み合わせからなるも
の、(2)異種の芳香族ヒドロキシカルボン酸からなる
もの、(3)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールとの
組み合わせからなるもの、(4)ポリエチレンテレフタ
レートなどのポリエステルに芳香族ヒドロキシカルボン
酸を反応させたものなどが挙げられ、400℃以下の温
度で異方性溶融体を形成するものである。なお、これら
の芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオールおよび芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸の代わりに、それらのエステル形成
性誘導体が使用されることもある。該液晶ポリエステル
の繰り返し構造単位としては下記のものを例示すること
ができるが、これらに限定されるものではない。 芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰り返し構造単
位:
【0008】
【化5】 芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位:
【0009】
【化6】 芳香族ジオールに由来する繰り返し構造単位:
【0010】
【化7】
【0011】
【化8】 耐熱性、機械的特性、加工性のバランスから好ましい液
晶ポリエステルは、前記(A1 )式で表される繰り返し
構造単位を少なくとも30モル%含むものである。
【0012】具体的には繰り返し構造単位の組み合わせ
が下式(a)〜(f)のものが好ましい。 (a):(A1 )、(B1 )または(B1 )と(B2
の混合物、(C1 )。 (b):(A1 )、(A2 )。 (c):(a)の構造単位の組み合わせのものにおい
て、A1 の一部をA2 で置きかえたもの。 (d):(a)の構造単位の組み合わせのものにおい
て、B1 の一部をB3 で置きかえたもの。 (e):(a)の構造単位の組み合わせのものにおい
て、C1 の一部をC3 で置きかえたもの。 (f):(b)の構造単位にB1 とC1 の構造単位を加
えたもの。
【0013】基本的な構造となる(a)、(b)の液晶
ポリエステルについては、それぞれ、例えば、特公昭4
7−47870号公報、特公昭63−3888号公報な
どに記載されている。特に好ましい液晶ポリエステル
は、下記の構造単位(I)、(II)、(III)、
(IV)からなり、(II)/(I)のモル比率が0.
2から1.0、[(III)+(IV)]/(II)の
モル比率が0.9〜1.1、(IV)/(III)のモ
ル比率が0〜1.0であるものが挙げられる。
【0014】
【化9】
【0015】本発明で用いられる炭素繊維は、化学組成
の90%以上が炭素より成る繊維状物質であり、原料と
してはポリアクリロニトリル、ピッチ、再生セルロース
などを用いることができる。これらの原料を用いて紡糸
された繊維前駆体を1000〜2000℃で処理したも
の、あるいは2000〜3000℃で黒鉛化したものが
高強度、高弾性を示すため、一般に用いられる。より高
強度、高弾性の繊維を得るためには、ポリアクリロニト
リルを原料とすることが好ましい。また、炭素繊維の平
均繊維長を500μm以下にするための手段は特に限定
されないが、金属、セラミック等でのハンマリング粉砕
により製造されるのが一般的である。本発明で用いられ
る炭素繊維の平均繊維径は5〜20μm、平均繊維長は
30〜500μmである。好ましい炭素繊維の平均繊維
径は5〜15μm、平均繊維長は30〜200μmであ
る。平均繊維径が5μm未満であっても本組成物に要求
される剛性、寸法安定性、帯電防止性を向上させる効果
は平均繊維径5〜20μmのものとさほど変わらない
が、組成物製造のために押出機などを用いて溶融混練す
る場合に押し出し物の引き取り性が悪くなるため好まし
くない。また、平均繊維径が20μmを越えると成形品
の外観ならびに成形品中での均一分散性が悪くなり好ま
しくない。一方、平均繊維長が30μm未満のものは、
組成物の剛性が不十分となるため好ましくない。また、
平均繊維長が500μmを越えるものは成形品の表面に
炭素繊維が浮き上がり表面状態が悪くなり、その組成物
から得られた成形物を半導体ウエハ加工・処理用キャリ
アとして使用した時に、汚染の原因となり好ましくな
い。
【0016】ポリアクリロニトリルを原料とした炭素繊
維の市販品としては、商品名パイロフィルM−FE、M
−ME(三菱レーヨン(株)製)、ベスファイトHTA
−CMF−0070N/S、HTA−CMF−0160
N/S(東邦レーヨン(株)製)などを例示することが
できる。また、ピッチを原料とした炭素繊維の市販品と
しては、商品名M2007S(呉羽化学(株)製)など
が挙げられる。
【0017】本発明のポリエーテルケトン樹脂組成物に
おいて、ポリエーテルケトンと液晶ポリエステルの配合
割合は、ポリエーテルケトン95〜50重量%に対し、
液晶ポリエステル5〜50重量%であることが好まし
い。特に好ましい配合割合は、ポリエーテルケトン90
〜70重量%に対し、液晶ポリエステル10〜30重量
%せある。液晶ポリエステルの配合割合が5重量%より
も少ない場合は、成形加工時の流動性および高温での寸
法精度を改良する効果が不十分となり好ましくない。ま
た、液晶ポリエステルの配合割合が50重量%よりも多
い場合には、成形体のウエルド強度が低下するため好ま
しくない。
【0018】本発明のポリエーテルケトン樹脂組成物に
おいて、ポリエーテルケトン樹脂95〜50重量%およ
び液晶ポリエステル5〜50重量%からなる樹脂組成物
100重量部に対して、平均繊維径5〜20μm、平均
繊維長30〜500μmである炭素繊維の配合量は5〜
100重量部であることが好ましい。特に好ましい配合
量は10〜50重量部である。炭素繊維の配合量が5重
量部未満の場合は、成形品の帯電防止性および剛性の改
良効果が不十分となり好ましくない。また、炭素繊維の
配合量が100重量部を越える場合は、成形品の導電性
が高くなり過ぎ、半導体ウエハ加工・処理用キャリアと
して使用する際に通電によるトラブルを生じる危険があ
ること、また成形品の表面に粗れが生じるため好ましく
ない。
【0019】本発明のポリエーテルケトン樹脂組成物か
らつくられた成形体の表面固有抵抗値は108 〜1012
Ωが好ましい。表面固有抵抗値が1012Ωより大きくな
ると成形体の帯電防止性が不十分となり、ほこり等の異
物の付着が起こりやすくなり、半導体ウエハを汚染する
ことがあるため好ましくない。また、表面固有抵抗値が
108 Ω未満となると、成形体の導電性が高くなり過
ぎ、半導体ウエハ加工・処理用キャリヤとして使用する
際に通電によるトラブルを生じる危険があること、また
成形体の表面に粗れが生じるため好ましくない。本発明
の用途では、使用時に成形品から包埋ガスの発生が多い
と問題となる。本発明の組成物については、ジフェニル
スルホンに代表されるポリエーテルケトンの重合溶媒が
上記包埋ガスとして若干量検出されることがあるが、こ
れらの発生ガスは成形品のアニール処理により実用上問
題の無いレベルまで低減することが可能である。一般的
なアニール条件としては、180〜230℃において1
時間〜10時間処理が挙げられる。
【0020】なお、本発明の組成物に必要に応じてガラ
ス繊維、シリカアルミナ繊維、ウォラストナイト、チタ
ン酸カリウムウィスカーなどの繊維状あるいは針状の補
強材、炭酸カルシウム、ドロマイト、タルク、マイカ、
クレイ、ガラスビーズなどの無機充填材、フッ素樹脂な
どの離型改良剤、染料、顔料などの着色剤、酸化防止
剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、界面活性剤
などの通常の添加剤を1種以上添加することができる。
また、少量の熱可塑性樹脂、例えば、ポリアミド、ポリ
エステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネー
ト、ポリフェニレンエーテルおよびその変性物、ポリス
ルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミ
ドなどや、少量の熱硬化性樹脂、例えば、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などの一種または、
二種以上を添加することもできる。本発明のポリエーテ
ルケトン樹脂組成物を得るための原料成分の配合手段は
特に限定されない。ポリエーテルケトン、液晶ポリエス
テル、炭素繊維、必要に応じてガラス繊維などの補強剤
や無機充填剤、離型改良剤、熱安定剤類等をヘンシェル
ミキサー、タンブラー等を用いて混合した後、押出機を
用いて溶融混練することが好ましい。本発明のポリエー
テルケトン樹脂組成物より成形された半導体ウエハ加工
・処理用キャリアの形状については、特に限定されるも
のではなく、公知の形状のものを用いることができる。
複数のウエハを隔離した状態で支持するための複数の溝
をもつ形状のものが一般的である。なお、本発明のポリ
エーテルケトン樹脂組成物は、LCD製造の各工程で使
用されるキャリアに対しても、その優れた耐熱性、寸法
安定性、剛性、帯電防止性を生かして使用することがで
きる。
【0021】
【発明の効果】本発明のポリエーテルケトン樹脂組成物
は、成形性、寸法安定性、機械物性、帯電防止性にすぐ
れ、該ポリエーテルケトン樹脂組成物を用いて成形され
た半導体ウエハ加工・処理用キャリアは、フォトレジス
トベーキング、洗浄、不純物拡散処理等の多岐にわたる
加工・処理工程ならびにそれらの保管、搬送用に適して
おり、工程間でのウエハの乗せ替えも省略できることか
ら該用途に極めて有用なものである。また、該ポリエー
テルケトン樹脂組成物を用いて成形された半導体ウエハ
加工・処理用キャリアは、今後予想されるウエハの大型
化に対して特に有用なものである。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。なお、実施例中の各種
物性の測定および試験は次の方法で行った。 (1)成形収縮率:64mm角、厚さ3mmの平板形状
の試験片を成形し、流れ方向の成形収縮率を測定した。 (2)線膨張係数:ASTM4号ダンベルを成形し、ネ
ック部中央を切り出し、流れ方向の線膨張係数を熱機械
分析装置を用いて測定した。 (3)引張強度:ASTM4号引張ダンベルを成形し、
ASTM D638に準拠して測定した。 (4)曲げ弾性率、荷重たわみ温度:長さ127mm、
幅12.7mm、厚み6.4mmの試験片を成形し、そ
れぞれASTM D790、ASTM D648に準拠
して測定した。
【0023】(5)表面固有抵抗:成形収縮率測定用の
試験片を用い、絶縁抵抗計(東亜電波工業社製SE−1
0型)で、電圧250Vで測定した。 (6)溶融粘度:島津製作所製CFT−500型高化式
フローテスターを用い、径1mmφ、長さ10mmのオ
リフィスを使用し、400℃において50kgの荷重を
加えた時の見かけの溶融粘度を測定した。 (7)耐薬品性試験:ASTM4号ダンベルを成形し、
各種薬品に室温で所定時間浸漬した後の重量変化および
引張強度の保持率を評価した。 (8)ウエルド強度の保持率の評価:樹脂組成物から図
1に示す試験片を成形した。この試験片は厚み3mm、
外寸64mm、内寸38mmであった。これから図1に
示すウエルドラインを含む領域(ウエルド1、2)なら
びにウエルドラインを含まない領域(非ウエルド)を切
り出し、ASTM D790に準拠して曲げ強度を測定
した。ウエルド1、ウエルド2の曲げ強度の平均値を求
め、非ウエルド部の曲げ強度に対する保持率を算出し
た。
【0024】実施例1〜5、比較例1〜4 ポリエーテルケトン樹脂であるVictrex PEE
K(Victrex社製)と繰り返し構造単位が前記の
(I)、(II)、(III)、(IV)からなり、
(I):(II):(III):(IV)のモル比が6
0:20:15:5である液晶ポリエステル、ならびに
平均繊維径が6μmで平均繊維長が40〜160μmで
あるポリアクリロニトリル原料の炭素繊維を表1に示す
組成でヘンシェルミキサーで混合後、二軸押出機(池貝
鉄工(株)製PCM−30型)を用いて、シリンダー温
度340℃で造粒し、ポリエーテルケトン樹脂組成物を
得た。得られたペレットは、日精樹脂工業(株)製PS
40E5ASE型射出成形機を用いて、シリンダー温度
360℃、金型温度160℃で射出成形を行い、AST
M4号ダンベル、JIS1(1/2)号ダンベル、曲げ
試験片および成形収縮率評価用試験片を成形し、これら
を用いて上記方法により成形収縮率、線膨張係数、引張
強度、曲げ弾性率の測定および耐薬品性試験、ウエルド
強度試験を行った。結果を表1および表2に示す。本発
明のポリエーテルケトン樹脂組成物(実施例1〜5)
は、成形収縮率および200℃までの線膨張係数が極め
て低い値を示すとともに、優れた耐薬品性、機械物性を
有していた。また、ポリエーテルケトンと液晶ポリエス
テルの合計量に対して、液晶ポリエステルの配合量が5
重量%未満のもの(比較例1〜3)は、溶融粘度の低減
効果が不十分であるとともに成形収縮率、線膨張係数の
低減効果が十分でない。特に、液晶ポリエステル、炭素
繊維をともに含まないもの(比較例1)は、150℃以
上での線膨張係数が著しく高かった。また、液晶ポリエ
ステルの配合量が50重量%を越えるもの(比較例4)
は、ウエルド強度の保持率が低下した。
【0025】比較例5、6 炭素繊維の含有率が5重量部未満であること以外は、実
施例1と同様に混合、造粒した組成物について実施した
結果(比較例5)を表1に示す。比較例5の組成物は、
成形品の帯電防止性および剛性の改良効果が不十分であ
った。また、炭素繊維を100重量部以上含むもの(比
較例6)は、表面固有抵抗値が著しく小さくなるととも
に成形品の表面状態が悪くなった。
【0026】比較例7 炭素繊維として、平均繊維径6μm、平均繊維長100
0μmのものを用いる以外は、実施例1と同様に混合、
造粒した組成物について実施した結果(比較例7)を表
1に示す。炭素繊維の平均繊維長が500μmを越える
もの(比較例7)は、成形品の外観が著しく悪くなっ
た。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ウエルド強度測定用の試験片の平面図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 67:00) (72)発明者 浅井 邦明 大阪市中央区北浜四丁目5番33号 住友 化学工業株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 71/10 C08K 7/06 C08L 67/00 H01L 21/68

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエーテルケトン樹脂95〜50重量%
    と液晶ポリエステル5〜50重量%からなる組成物10
    0重量部に対して、平均繊維径が5〜20μm、平均繊
    維長が30〜500μmである炭素繊維5〜100重量
    部を配合してなる、ポリエーテルケトン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】成形体にしたときの表面固有抵抗値が10
    8 〜1012Ωである、請求項1記載のポリエーテルケト
    ン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】液晶ポリエステルが下記式で表される繰り
    返し構造単位を少なくとも全体の30モル%含むもので
    ある、請求項1または2記載のポリエーテルケトン樹脂
    組成物。 【化1】
  4. 【請求項4】液晶ポリエステルが下記の構造単位
    (I)、(II)、(III)、(IV)からなり、
    (II)/(I)のモル比率が0.2から1.0、
    [(III)+(IV)]/(II)のモル比率が0.
    9〜1.1、(IV)/(III)のモル比率が0〜
    1.0であることを特徴とする、請求項1または2記載
    のポリエーテルケトン樹脂組成物。 【化2】
  5. 【請求項5】ポリエーテルケトン樹脂が下記式で表され
    るものである、請求項1、2、3または4記載のポリエ
    ーテルケトン樹脂組成物。 【化3】 (式中、nは平均繰り返し数である。)
  6. 【請求項6】ポリエーテルケトン樹脂が、下記に定義さ
    れる溶融粘度500〜3800ポイズを有するものであ
    る、請求項1、2、3、4または5記載のポリエーテル
    ケトン樹脂組成物。 溶融粘度:400℃に加熱された樹脂を内径1mm、長
    さ10mmのノズルから剪断速度1000sec-1で押
    し出す時の見掛けの溶融粘度。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3、4、5または6記載の
    ポリエーテルケトン樹脂組成物で成形された半導体ウエ
    ハ加工・処理用キャリア。
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