JP2797480B2 - 紫外線遮断性を有する複合フィルム - Google Patents

紫外線遮断性を有する複合フィルム

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、酸素や水蒸気等のガス遮断性に優れると共
に、無色透明であって、紫外線遮断性に優れる複合フィ
ルムに関する。
<従来技術> 酸素硅素の蒸着膜がガス遮断性に優れ、無色透明で、
しかも紫外線遮断性に優れることは良く知られている。
このため、酸素又は紫外線によって変敗し易い食品や医
薬品の包装材料として適している。
しかし、酸素硅素の蒸着膜は、例えば2000Åの厚さの
蒸着膜であっても、350nmの紫外線をおよそ28%透過す
る。より厚い蒸着膜を設ければ紫外線透過率は減少する
が、厚くなるに従って蒸着膜は硬くなり、柔軟性を失う
と共に、クラックを生じ易くなる。このため、厚みはお
よそ2000Åが上限である。
一方、金属硅素の蒸着膜は、より紫外線遮断性の大き
いことが、特開昭60−99848号公報に記載されている。
しかし、この場合であっても、1300Åの蒸着膜が350nm
の紫外線を27%透過する。その上、金属硅素の蒸着膜は
赤褐色に着色しており、無色透明ではない。
<発明が解決しようとする課題> 本発明は、より紫外線に敏感な内容物の包装材料に適
する複合フィルムを提供することを目的とする。また、
本発明は、かかる紫外線遮断性を有するフィルムであっ
て、しかも無色透明で、内容物の色をそのまま覚知でき
るフィルムを提供することを目的とする。
<課題を解決するための手段> この目的を達成するため、請求項(1)の発明は、Si
Ox(xは0〜2)から成る薄膜を透明高分子フィルム上
に形成して成る複合フィルムであって、金属硅素(Si)
含有率が薄膜の膜厚方向に連続的に変化していることを
特徴とする紫外線遮断性を有する複合フィルムを提供す
る。
また、請求項(2)の発明は、金属硅素含有率が、最
も大きいところで、30〜50%であることを特徴とする上
記フィルムを提供する。
<発明の具体的な説明> 本発明において、高分子フィルムは薄膜の支持体とな
るもので、複合フィルム全体の柔軟性を維持するため、
厚さ1mm以下の高分子物質から成るものが望ましい。通
常5μm以上である。
複合フィルム全体の透明性を保つため、高分子フィル
ムは透明であることが必要である。着色されていても良
いが、包装材料として用いる場合に、内容物の色をその
まま透視可能とするため、無色透明であることが望まし
い。
また、薄膜を均一に層形成するため、高分子フィルム
は表面平滑なものが望ましい。安定剤等の添加剤を含有
していても良い。
かかる高分子フィルムとしては、ポリエチレンテレフ
タレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル
フィルム、ポリエチレン又はポリプロピレンやポリスチ
レン等のポリオレフィンフィルム、ポリアミドフィル
ム、ポリ塩ビニルフィルム、ポリカーボネートフィル
ム、ポリアクリロニトリルフィルム等が例示できる。延
伸したフィルム又は未延伸のフィルムであって良い。
薄膜はこの高分子フィルム上に形成される。両者の密
着力を向上させるため、予め高分子フィルム表面を処理
しておくことができる。例えば、コロナ処理、低温プラ
ズマ処理、イオンボンバード処理等の物理的な表面改質
処理である。また、薬品や溶剤を用いて、化学的な表面
処理を施しても良い。
薄膜はSiOx(xは0〜2)の組成を有する。すなわ
ち、Si(x=0),Si2O(x=0.5),SiO(x=1),Si2
O3(x=1.5),SiO2(x=2)等の混合物である。
この薄膜により紫外線を遮断するため、金属硅素(S
i)の含有率が、膜厚方向に連続的に変化する。金属硅
素の含有率は、最も大きいところで、30〜50atom%であ
る。50atom%を超えると赤褐色に着色して無色透明でな
くなる。また、30atom%未満になると紫外線遮断性が劣
ることとなる。
また、薄膜の金属硅素含有率は、最も小さいところで
10atom%以上である。10atom%未満になると紫外線遮断
性が劣ることとなる。
薄膜の金属硅素含有率が連続的に変化することにより
紫外線遮断効果が著しく向上する理由は明らかではな
い。しかし、後述するように、20〜40atom%の間で金属
硅素含有率が連続的に変化する厚さ850Åの薄膜の紫外
線透過率は、厚さ2000Åの酸化硅素薄膜の紫外線透過率
や厚さ1300Åの金属硅素薄膜の紫外線透過率よりはるか
に小さい。
薄膜の厚さは任意で良い。しかし、2000Åの酸化硅素
薄膜に匹敵する紫外線遮断性を得るためには、500Å以
上の厚さが必要である。また、2000Åを超えると薄膜が
硬くなって柔軟性が失われ、折り曲げによって薄膜にク
ラックが生じ易くなる。クラックの発生によってガス遮
断性が劣化するから、厚さ2000Å以下に留めることが好
ましい。
薄膜はPVD(Physical Vapour Deposition)により形
成することができる。抵抗加熱、誘導加熱、電子線加熱
等の加熱方法を用いることができるが、金属硅素含有率
をコントロールするため、高周波やマイクロ波を用い
て、硅素やその酸化物をプラズマ状態で高分子フィルム
に付着するプラズマCVD法が望ましい。プラズマCVD法の
うちで、成膜時の使用可能な圧力範囲が広く、成膜速度
が大きい点で、マイクロ波を用いるECR(Electron Cycl
ic Resonance)プラズマCVD法が好ましい。
第1図は、このECRプラズマCVD法による薄膜形成方法
の説明図である。図中(1)は基材となる高分子フィル
ムで、巻出しロール(11)に巻取られている。高分子フ
ィルム(1)はテンションコントロールのためのダンサ
ーロール(2)を経て、クーリングロール(4)を通
り、巻取りロール(12)に巻取られる。なお、クーリン
グロール(4)表面に高分子フィルム(1)を密着する
ため、その前後にエキスパンダーロール(3)が設けら
れている。
装置全体は排気装置(9)により、例えば0.1torr、
の真空状態に維持されている。薄膜の原料となるガスは
ガス導入口(6)さら装置内に導入される。原料ガスは
例えばSiH4等のシランガスとN2O等の酸化性ガスの混合
ガスである。薄膜形成に関与しなかった残余のガスは排
気装置(9)から排気される。マイクロ波は導波管
(5)を通って、ガス導入口(6)に直接照射される。
(8)はマグネトロンである。マイクロ波の照射によ
り、原料ガスは、Si,Si2O,SiO,Si2O3,SiO2等のプラズマ
に変化し、クーリングロール(4)上の冷却された高分
子フィルム(1)に付着堆積する。(7)はプラズマの
誘導用マグネットである。
薄膜中の金属硅素含有率は、このマイクロ波のエネル
ギー密度や原料ガスの組成を変えることによりコントロ
ールすることができる。一般にECRプラズマCVD法で薄膜
形成した場合、金属硅素含有率の低下に伴い、x=1.5
以下の低級酸化物(Si2O,SiO,Si2O3)の含有率が増大す
る。すなわち、金属硅素含有率の大きいところで低級酸
化物含有率が小さく、金属硅素含有率の小さいことろで
低級酸化物含有率が大きい。すなわち、低級酸化物の含
有率も膜厚方向に連続的に変化することになる。
薄膜の上には、複合フィルムの透明性を損なわない範
囲で、他の層を形成することができる。例えば、ヒート
シールのための樹脂層、薄膜保護のための樹脂層であ
る。
ヒートシールのための樹脂層としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−エチルメタクリレート
共重合体、アイオノマー等の10〜60μm程度の樹脂層が
使用できる。積層は溶融押出しラミネート、ドライラミ
ネート等で可能である。あるいは、ウレタン系、塩酢ビ
系、塩素化ポリプロピレン系、アクリル系、ポリエステ
ル系等の塗料を塗布することもできる。表面物性を向上
させるためには、紫外線硬化型又は電子線硬化型樹脂を
塗布硬化させるのが良い。紫外線硬化型又は電子線硬化
型樹脂は一般にアクリル系又はエポキシ系等の多官能の
モノマー又はオリゴマーを主成分とするものである。
<実施例1> 第1図に示す装置を用いて、厚さ12μmの透明ポリエ
チレンテレフタレートフィルム片面に、SiOx薄膜を厚さ
850Åに形成した。圧力は0.1torr、原料ガスはSiH4とN2
Oの混合ガス、マイクロ波のパワー密度は2〜4W/cm2
成膜速度はおよそ100Å/secである。
<実施例2> 薄膜を425Åとした他は、実施例1と同様に薄膜を形
成した。
<比較例> 真空蒸着装置を用いて、厚さ12μmのポリエチレンテ
レフタレートフィルム片面に、酸化硅素薄膜を厚さ2000
Åに蒸着した。
得られた各薄膜の金属硅素含有率、低級酸化物(Si
2O,SiO,Si2O3)含有率、膜厚を第1表に示す。なお、各
含有率は光電子分光法(ESCA)で測定し、薄膜内部(ポ
リエチレンテレフタレートフィルムに接する面)の含有
率は薄膜をエッチングして測定した。また薄膜は透過電
子顕微鏡(TEM)で断面写真を撮影して測定した。
また、第2図に波長300〜800nmの光透過率を示す。図
中(a)は薄膜を形成しないポリエチレンテレフタレー
トフィルム単体の透過率である。
また、膜厚を変えた時の波長325〜400nmの紫外線透過
率を第3図に示す。なお、いずれの薄膜も、表面の金属
硅素含有率はおよそ38〜40atom%、内部の金属硅素含有
率は18〜20atom%である。
<効果> 以上のように、請求項(1)の発明によれば、透明で
あってしかも紫外線遮断性に優れた複合フィルムが得ら
れる。
また、請求項(2)の発明によれば、無色透明の上記
フィルムが得られる。
かかる複合フィルムはフレキシブルでしかも折曲げに
よるクラックが発生することなく、酸素や水蒸気等のガ
ス遮断性に優れることから、紫外線や酸素を嫌う内容物
の透明包装材料として最適である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る薄膜形成方法の説明図、第2図及
び第3図はそれぞれ波長300〜800nm、325〜400nmの光透
過率を示すグラフである。 (1)……高分子フィルム、(11)……巻出しロール (12)……巻取りロール、(2)……ダンサーロール (3)……エキスパンダーロール (4)……クーリングロール (5)……導波管、(6)……ガス導入口 (7)……マグネット、(9)……排気装置 (a)……ポリエチレンテレフタレートフィルム単体 (b)……実施例1のフィルム (c)……実施例2のフィルム (d)……比較例のフィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SiOx(xは0〜2)から成る薄膜を透明高
    分子フィルム上に形成して成る複合フィルムにおいて、
    金属硅素含有率が薄膜の膜厚方向に連続的に変化してい
    ることを特徴とする紫外線遮断性を有する複合フィル
    ム。
  2. 【請求項2】金属硅素含有率が、最も大きいところで、
    30〜50%であることを特徴とする請求項(1)記載の複
    合フィルム。
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