JP2797478B2 - 熱転写記録方法 - Google Patents
熱転写記録方法Info
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- JP2797478B2 JP2797478B2 JP18027189A JP18027189A JP2797478B2 JP 2797478 B2 JP2797478 B2 JP 2797478B2 JP 18027189 A JP18027189 A JP 18027189A JP 18027189 A JP18027189 A JP 18027189A JP 2797478 B2 JP2797478 B2 JP 2797478B2
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、インクが供給される型の記録ヘッドを備え
た熱転写プリンターを用いて印字を行う熱転写記録方法
に関する。
た熱転写プリンターを用いて印字を行う熱転写記録方法
に関する。
従来の技術 従来、普通紙への印字記録技術としては、ノズルから
インクの小滴を噴出して画像を形成するインクジェット
方式や、ドナーロール上のワックスをサーマルヘッドの
熱によって溶かし、紙に転移することによって画像を形
成する熱転写方式などが知られている。
インクの小滴を噴出して画像を形成するインクジェット
方式や、ドナーロール上のワックスをサーマルヘッドの
熱によって溶かし、紙に転移することによって画像を形
成する熱転写方式などが知られている。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、熱転写方式では、印字する面積に等し
い面積のドナーロールを必要とするため、1個のドナー
ロールでは少数のプリントしかできず、高速化のためラ
インプリンターとすると大型のドナーロールを必要とす
るため、小型化することができない。また、カラー画像
の形成のためには、色の数だけのドナーロールを必要と
するため、更に大型化するという欠点があった。
い面積のドナーロールを必要とするため、1個のドナー
ロールでは少数のプリントしかできず、高速化のためラ
インプリンターとすると大型のドナーロールを必要とす
るため、小型化することができない。また、カラー画像
の形成のためには、色の数だけのドナーロールを必要と
するため、更に大型化するという欠点があった。
一方、インクジェット方式では、インクを使用するた
め小型化可能であるという長所を有しているが、インク
がノズルの先端で乾いて目詰まりを生じ易く、印字がで
きなくなって信頼性に劣るという問題があり、一方、目
詰まりを防止する目的で乾燥しにくいインクを使用する
と、紙への定着性が悪くなるという問題があった。ま
た、OHPシートのようにインクを吸収しない印字対象物
への印字ができないと言う欠点もあった。また多くのイ
ンクジェット方式では、ノズルを使用するため、精密で
高価な加工を行って小さな穴を作成した装置を使用する
必要があった。
め小型化可能であるという長所を有しているが、インク
がノズルの先端で乾いて目詰まりを生じ易く、印字がで
きなくなって信頼性に劣るという問題があり、一方、目
詰まりを防止する目的で乾燥しにくいインクを使用する
と、紙への定着性が悪くなるという問題があった。ま
た、OHPシートのようにインクを吸収しない印字対象物
への印字ができないと言う欠点もあった。また多くのイ
ンクジェット方式では、ノズルを使用するため、精密で
高価な加工を行って小さな穴を作成した装置を使用する
必要があった。
本発明は、従来の印字記録方式における上記のような
問題点を改善することを目的としてなされたものであ
る。
問題点を改善することを目的としてなされたものであ
る。
すなわち、本発明の目的は、ドナーフィルムを使用す
ることなく印字を行うことができる熱転写記録方法を提
供することにある。
ることなく印字を行うことができる熱転写記録方法を提
供することにある。
課題を解決するための手段及び作用 本発明者は、検討の結果、インクが供給される型の記
録ヘッドを備えた熱転写プリンターを用いて、特定のイ
ンクを使用して印字を行うことにより、上記目的を達成
することができることを見出だし、本発明を完成するに
至った。
録ヘッドを備えた熱転写プリンターを用いて、特定のイ
ンクを使用して印字を行うことにより、上記目的を達成
することができることを見出だし、本発明を完成するに
至った。
すなわち、本発明の熱転写記録方法は、ノズル又はス
リットの少なくとも一方の側の先端部に熱エネルギーを
付与する機構と、ノズル又はスリットにインクを供給す
る機構を有する記録ヘッドを備えた熱転写プリンターを
用い、該記録ヘッドに常温で液状であって加熱後冷却す
ることによって固形樹脂状物を形成するインクを供給
し、ノズル又はスリットからインクを印字対象物上に転
移させて印字を行うものであり、そして該ノズル又はス
リットは、熱エネルギーが付与されない場合、その先端
がインクによって形成された固形樹脂状物によって閉塞
されており、該ノズル又はスリット先端の所定の部分に
熱エネルギーを印加することによって固形樹脂状物を溶
融し、インクをノズルから又はスリットの加熱された部
分から印字対象物上に転移させることを特徴とする。
リットの少なくとも一方の側の先端部に熱エネルギーを
付与する機構と、ノズル又はスリットにインクを供給す
る機構を有する記録ヘッドを備えた熱転写プリンターを
用い、該記録ヘッドに常温で液状であって加熱後冷却す
ることによって固形樹脂状物を形成するインクを供給
し、ノズル又はスリットからインクを印字対象物上に転
移させて印字を行うものであり、そして該ノズル又はス
リットは、熱エネルギーが付与されない場合、その先端
がインクによって形成された固形樹脂状物によって閉塞
されており、該ノズル又はスリット先端の所定の部分に
熱エネルギーを印加することによって固形樹脂状物を溶
融し、インクをノズルから又はスリットの加熱された部
分から印字対象物上に転移させることを特徴とする。
本発明において、インクとしては、常温で液状であっ
て加熱後冷却することによって固形樹脂状物を形成する
ものが用いられる。例えば、熱可塑性樹脂を揮発性溶剤
に溶解したもの、加熱によって反応を生じ、熱可塑性樹
脂を形成する液状物質、例えば液状モノマー組成物、或
いは混合し、加熱することによって反応して熱可塑性樹
脂よりなる固形樹脂状物を形成する二種以上の液状成分
よりなるものが使用される。これ等インクは、着色剤に
よって着色されていてもよい。
て加熱後冷却することによって固形樹脂状物を形成する
ものが用いられる。例えば、熱可塑性樹脂を揮発性溶剤
に溶解したもの、加熱によって反応を生じ、熱可塑性樹
脂を形成する液状物質、例えば液状モノマー組成物、或
いは混合し、加熱することによって反応して熱可塑性樹
脂よりなる固形樹脂状物を形成する二種以上の液状成分
よりなるものが使用される。これ等インクは、着色剤に
よって着色されていてもよい。
更に具体的に説明すると、熱可塑性樹脂を揮発性溶剤
に溶解したタイプのインクにおいて、熱可塑性樹脂とし
ては、ナイロン、ポリビニルブチラール、ポリカーボネ
ート等が使用でき、揮発性溶剤としてはメタノール、シ
クロヘキサノン、モノクロルベンゼン、塩化メチレン等
が使用できる。
に溶解したタイプのインクにおいて、熱可塑性樹脂とし
ては、ナイロン、ポリビニルブチラール、ポリカーボネ
ート等が使用でき、揮発性溶剤としてはメタノール、シ
クロヘキサノン、モノクロルベンゼン、塩化メチレン等
が使用できる。
また、加熱によって反応を生じ、熱可塑性樹脂を形成
する液状モノマー組成物よりなるインクとしては、メタ
クリル酸メチルと過酸化ベンゾイルの混合物、アクリル
ポリオールとイソシアネート等があげられる。
する液状モノマー組成物よりなるインクとしては、メタ
クリル酸メチルと過酸化ベンゾイルの混合物、アクリル
ポリオールとイソシアネート等があげられる。
更に、混合し、加熱することによって反応して熱可塑
性樹脂よりなる固形樹脂状物を形成する二種以上の液状
成分よりなるインクとしては、メタクリル酸メチルと過
酸化水素水の組合わせ、スチレンモノマーと希硫酸の組
合わせ、シアノアクリル酸エステルと水の組合わせ等が
使用できる。
性樹脂よりなる固形樹脂状物を形成する二種以上の液状
成分よりなるインクとしては、メタクリル酸メチルと過
酸化水素水の組合わせ、スチレンモノマーと希硫酸の組
合わせ、シアノアクリル酸エステルと水の組合わせ等が
使用できる。
本発明の熱転写記録方法に使用する熱転写プリンター
は、ノズル又はスリットの少なくとも一方の側の先端部
に熱エネルギーを付与する機構を有し、また、ノズル又
はスリットにインクを供給する機構を備えている。
は、ノズル又はスリットの少なくとも一方の側の先端部
に熱エネルギーを付与する機構を有し、また、ノズル又
はスリットにインクを供給する機構を備えている。
また、インクとして、混合し、加熱することによって
反応して熱可塑性樹脂よりなる固形樹脂状態を形成する
二種以上の液状成分よりなるインクを使用する場合に
は、熱転写プリンターの記録ヘッドは、二種類の液状イ
ンク成分を分離した状態でノズル又はスリット先端部に
導入するための分離機構を有するものが使用される。
反応して熱可塑性樹脂よりなる固形樹脂状態を形成する
二種以上の液状成分よりなるインクを使用する場合に
は、熱転写プリンターの記録ヘッドは、二種類の液状イ
ンク成分を分離した状態でノズル又はスリット先端部に
導入するための分離機構を有するものが使用される。
これらの熱転写プリンターに備えられる記録ヘッド
は、一つのノズル又はスリットを備えたものでもよく、
また加工などの理由により1ドット以上の大きさのスリ
ットやノズルの組み合わせで形成されたものでもよい。
は、一つのノズル又はスリットを備えたものでもよく、
また加工などの理由により1ドット以上の大きさのスリ
ットやノズルの組み合わせで形成されたものでもよい。
また、記録ヘッドにおける熱エネルギーを付与する機
構としては、レーザー等のノズル先端又はスリットの印
字する部分を加熱できるものであれば如何なるものでも
使用できるが、例えば、複数の感熱素子を備え、所定の
位置を加熱するよう制御することができるサーマルヘッ
ドが好ましく使用できる。
構としては、レーザー等のノズル先端又はスリットの印
字する部分を加熱できるものであれば如何なるものでも
使用できるが、例えば、複数の感熱素子を備え、所定の
位置を加熱するよう制御することができるサーマルヘッ
ドが好ましく使用できる。
本発明において、加熱によって形成される溶融樹脂状
物が印字対象物上に転移しやすいようにする為に、供給
されるインクに圧力を加えてもよい。例えば、圧電素子
を用いて圧力を加えたり、電磁気力等による引力を与え
てもよい。その際、圧力や引力は連続的な力として加え
てもよく、また印字のサイズルに合わせた断続的な力で
加えてもよい。
物が印字対象物上に転移しやすいようにする為に、供給
されるインクに圧力を加えてもよい。例えば、圧電素子
を用いて圧力を加えたり、電磁気力等による引力を与え
てもよい。その際、圧力や引力は連続的な力として加え
てもよく、また印字のサイズルに合わせた断続的な力で
加えてもよい。
本発明の熱転写記録方法において、印字を行わない場
合は、ノズル又はスリット先端は、インクによって形成
された固形樹脂状物によって閉塞されている。例えば、
インクが熱可塑性樹脂を揮発性溶剤に溶解したタイプの
場合は、溶剤が蒸発することによって残留した熱可塑性
樹脂により、また、インクが液状モノマー組成物である
場合には、モノマーの熱による重合反応によって形成し
た熱可塑性樹脂により、先端部が閉塞されている。ま
た、インクが二種以上の液状インク成分よりなる場合に
は、記録ヘッドに供給された各成分が、ノズル又はスリ
ット先端部で混合され、加熱によって反応して熱可塑性
樹脂を形成し、ノズル又はスリット先端部を閉塞する。
合は、ノズル又はスリット先端は、インクによって形成
された固形樹脂状物によって閉塞されている。例えば、
インクが熱可塑性樹脂を揮発性溶剤に溶解したタイプの
場合は、溶剤が蒸発することによって残留した熱可塑性
樹脂により、また、インクが液状モノマー組成物である
場合には、モノマーの熱による重合反応によって形成し
た熱可塑性樹脂により、先端部が閉塞されている。ま
た、インクが二種以上の液状インク成分よりなる場合に
は、記録ヘッドに供給された各成分が、ノズル又はスリ
ット先端部で混合され、加熱によって反応して熱可塑性
樹脂を形成し、ノズル又はスリット先端部を閉塞する。
印字を行う場合は、熱転写プリンターの記録ヘッドを
印字対象物に接近させ、インクを記録ヘッドに供給しな
がら、例えばサーマルヘッド等の熱エネルギーを付与す
る機構によってノズル先端部又はスリット先端の所定の
部分を加熱する。サーマルヘッドの熱によって、先端を
塞いでいる固形樹脂状物が溶融し、溶融した樹脂状物が
スリットから紙等の印字対象物上に転移し、そこで定着
する。また、その際スリットに新たに供給されたインク
は、ノズル又はスリットの先端部でサーマルヘッドの余
剰によって固形樹脂状物になり、その部分が引き続き加
熱されている場合には、そのまま印字対象物上に転移
し、定着する。また、ノズル又はスリットの加熱が停止
された場合には、その場合(スリット先端)で固形樹脂
状物を形成し、ノズル又はスリット先端を閉塞する。ま
た、二種以上の液状インク成分よりなるインクが供給さ
れている場合には、新たに供給された各液状インク成分
は、ノズル又はスリット先端部で混合して反応し、固形
樹脂組成物を形成する。そしてその部分が引き続き加熱
されている場合には、そのまま印字対象物上に転移し、
定着する。また、スリットの加熱が停止された場合に
は、その場(スリット先端)で固形樹脂状物を形成し、
スリット先端を閉塞する。
印字対象物に接近させ、インクを記録ヘッドに供給しな
がら、例えばサーマルヘッド等の熱エネルギーを付与す
る機構によってノズル先端部又はスリット先端の所定の
部分を加熱する。サーマルヘッドの熱によって、先端を
塞いでいる固形樹脂状物が溶融し、溶融した樹脂状物が
スリットから紙等の印字対象物上に転移し、そこで定着
する。また、その際スリットに新たに供給されたインク
は、ノズル又はスリットの先端部でサーマルヘッドの余
剰によって固形樹脂状物になり、その部分が引き続き加
熱されている場合には、そのまま印字対象物上に転移
し、定着する。また、ノズル又はスリットの加熱が停止
された場合には、その場合(スリット先端)で固形樹脂
状物を形成し、ノズル又はスリット先端を閉塞する。ま
た、二種以上の液状インク成分よりなるインクが供給さ
れている場合には、新たに供給された各液状インク成分
は、ノズル又はスリット先端部で混合して反応し、固形
樹脂組成物を形成する。そしてその部分が引き続き加熱
されている場合には、そのまま印字対象物上に転移し、
定着する。また、スリットの加熱が停止された場合に
は、その場(スリット先端)で固形樹脂状物を形成し、
スリット先端を閉塞する。
インクとして、液状モノマー組成物、或いは二種以上
の液状インク成分よりなるものを使用する場合、印字を
行わないときには、ノズル又はスリットの先端はインク
の反応温度以上で形成する樹脂の軟化温度以下の温度に
加熱させていてもよい。
の液状インク成分よりなるものを使用する場合、印字を
行わないときには、ノズル又はスリットの先端はインク
の反応温度以上で形成する樹脂の軟化温度以下の温度に
加熱させていてもよい。
また、そのような加熱によって反応が生じ、樹脂状物
を形成するインクを使用する場合、反応を進行させるた
めに、スリットの先端に光を当てて、反応エネルギーを
与えたり、或いは、スリット先端部に反応を促進する触
媒を設けることも可能である。
を形成するインクを使用する場合、反応を進行させるた
めに、スリットの先端に光を当てて、反応エネルギーを
与えたり、或いは、スリット先端部に反応を促進する触
媒を設けることも可能である。
また、定着性をあげるために印字後、印字対象物上の
樹脂が軟らかな間にローラー等で圧力を加えてもよい。
樹脂が軟らかな間にローラー等で圧力を加えてもよい。
実施例 以下、本発明の実施例を図面を参酌して説明する。
第1図及び第2図は、本発明の熱転写記録方法に使用
する熱転写プリンターの記録ヘッドの断面図で、第1図
は、スリット先端部が樹脂状固形物によって閉塞してい
る状態を示し、第2図は記録ヘッドからインクが噴出し
ている状態を示す。また第3図は印字が行われている状
態の記録ヘッドを印字対象物側から見た図であり、第4
図は記録ヘッドの斜視図である。
する熱転写プリンターの記録ヘッドの断面図で、第1図
は、スリット先端部が樹脂状固形物によって閉塞してい
る状態を示し、第2図は記録ヘッドからインクが噴出し
ている状態を示す。また第3図は印字が行われている状
態の記録ヘッドを印字対象物側から見た図であり、第4
図は記録ヘッドの斜視図である。
図中、1は紙などの印字対象物、2はサーマルヘッ
ド、3はサーマルヘッドの発熱素子、4はサーマルヘッ
ドに対向するスリットの対向板、5はインク、6はイン
クにより形成された固形樹脂状物、7は反応中のインク
又は溶融状態の樹脂状物、8は印字対象物に定着した固
体樹脂状物よりなる定着インク像を表わす。
ド、3はサーマルヘッドの発熱素子、4はサーマルヘッ
ドに対向するスリットの対向板、5はインク、6はイン
クにより形成された固形樹脂状物、7は反応中のインク
又は溶融状態の樹脂状物、8は印字対象物に定着した固
体樹脂状物よりなる定着インク像を表わす。
この例において、インクとしては、例えば8−ナイロ
ン2gをメタノール10ccに溶解し、フタロシアニンを0.5g
添加することによって着色したインクを使用した。
ン2gをメタノール10ccに溶解し、フタロシアニンを0.5g
添加することによって着色したインクを使用した。
印字を行っていない場合には、第1図に示すようにス
リットの先端が、溶剤が蒸発して固化した着色8−ナイ
ロンよりなる固形樹脂状物6で塞がれている。サーマル
ヘッドの所定の発熱素子を作動させて熱が付与される
と、その部分の固形樹脂状物6が溶融して溶融状態の樹
脂状物7となり、インクに加えられた圧力によって噴出
し、印字対象物1に転移する(第2図参照)。その際、
固形樹脂状物を押出した液状のインクは、サーマルヘッ
ドからの熱によってメタノールが蒸発し、着色8−ナイ
ロンよりなる固形樹脂状物となる。そして、サーマルヘ
ッドから熱が引き続いて与えられている場合には、溶融
状態の樹脂状物7が噴出し、印字が続けられる。また、
サーマルヘッドに熱が与えられず、冷却した場合には、
溶融状態の樹脂状物は固化し、固形樹脂状物6となっ
て、スリットの先端を塞ぐ。その際のスリットの状態を
印字対象物側から見ると、第3図に示すように、印字さ
れる部分では、スリット先端を塞いでいる固形樹脂状物
が溶融することによって穴があき、それ以外の部分では
固形樹脂状物によって閉塞されている。
リットの先端が、溶剤が蒸発して固化した着色8−ナイ
ロンよりなる固形樹脂状物6で塞がれている。サーマル
ヘッドの所定の発熱素子を作動させて熱が付与される
と、その部分の固形樹脂状物6が溶融して溶融状態の樹
脂状物7となり、インクに加えられた圧力によって噴出
し、印字対象物1に転移する(第2図参照)。その際、
固形樹脂状物を押出した液状のインクは、サーマルヘッ
ドからの熱によってメタノールが蒸発し、着色8−ナイ
ロンよりなる固形樹脂状物となる。そして、サーマルヘ
ッドから熱が引き続いて与えられている場合には、溶融
状態の樹脂状物7が噴出し、印字が続けられる。また、
サーマルヘッドに熱が与えられず、冷却した場合には、
溶融状態の樹脂状物は固化し、固形樹脂状物6となっ
て、スリットの先端を塞ぐ。その際のスリットの状態を
印字対象物側から見ると、第3図に示すように、印字さ
れる部分では、スリット先端を塞いでいる固形樹脂状物
が溶融することによって穴があき、それ以外の部分では
固形樹脂状物によって閉塞されている。
第5図及び第6図は、本発明の熱転写記録方法に使用
する他の熱転写プリンターの記録ヘッドの断面図で、第
5図は、スリット先端部が樹脂状固形物によって閉塞し
ている状態を示し、第6図は記録ヘッドからインクが噴
出している状態を示す。また第7図は記録ヘッドの斜視
図である。
する他の熱転写プリンターの記録ヘッドの断面図で、第
5図は、スリット先端部が樹脂状固形物によって閉塞し
ている状態を示し、第6図は記録ヘッドからインクが噴
出している状態を示す。また第7図は記録ヘッドの斜視
図である。
図中、1ないし4、6〜8は前記したものと同じもの
を意味し、5A及び5Bは、それぞれ二種類の液状インク成
分を示し、9はこれらのインク成分を混合しないように
分離するための仕切り板を示す。上記の例において、液
状インク成分5Aとしては、例えばメタクリル酸メチルを
使用し、液状インク成分5Bとしては、濃度35%の過酸化
水素水を使用し、これら二種類の液状インク成分を5:1
の割合で、仕切り板9で分離した状態で記録ヘッドに供
給した。
を意味し、5A及び5Bは、それぞれ二種類の液状インク成
分を示し、9はこれらのインク成分を混合しないように
分離するための仕切り板を示す。上記の例において、液
状インク成分5Aとしては、例えばメタクリル酸メチルを
使用し、液状インク成分5Bとしては、濃度35%の過酸化
水素水を使用し、これら二種類の液状インク成分を5:1
の割合で、仕切り板9で分離した状態で記録ヘッドに供
給した。
印字を行っていない場合には、第5図に示すようにス
リットの先端が、混合により反応して形成されたメタク
リル樹脂よりなる固形樹脂状物6で塞がれている。サー
マルヘッドの所定の発熱素子を作動させて熱が付与され
ると、その部分の固形樹脂状物6が溶融し、インクに加
えられた圧力によって溶融状態の樹脂状物8が噴出し、
印字対象物1に転移する(第6図参照)。その際、固形
樹脂状物を押出した液状インク成分5A及び5Bは、スリッ
ト先端部において混合され反応してメタクリル樹脂が形
成される。そして、サーマルヘッドから熱が引き続いて
与えられている場合には、形成されたメタクリル樹脂が
溶融した状態の樹脂状物7となって噴出し、印字が続け
られる。また、サーマルヘッドに熱が与えられず、冷却
した場合には、溶融状態の樹脂状物は固化して、スリッ
トの先端を塞ぐ。その際のスリットの状態を印字対象物
側から見ると、第3図に示すように、印字される部分で
は、スリット先端を塞いでいる固形樹脂状物が溶融する
ことによって穴があき、それ以外の部分では固形樹脂状
物によって閉塞されている。
リットの先端が、混合により反応して形成されたメタク
リル樹脂よりなる固形樹脂状物6で塞がれている。サー
マルヘッドの所定の発熱素子を作動させて熱が付与され
ると、その部分の固形樹脂状物6が溶融し、インクに加
えられた圧力によって溶融状態の樹脂状物8が噴出し、
印字対象物1に転移する(第6図参照)。その際、固形
樹脂状物を押出した液状インク成分5A及び5Bは、スリッ
ト先端部において混合され反応してメタクリル樹脂が形
成される。そして、サーマルヘッドから熱が引き続いて
与えられている場合には、形成されたメタクリル樹脂が
溶融した状態の樹脂状物7となって噴出し、印字が続け
られる。また、サーマルヘッドに熱が与えられず、冷却
した場合には、溶融状態の樹脂状物は固化して、スリッ
トの先端を塞ぐ。その際のスリットの状態を印字対象物
側から見ると、第3図に示すように、印字される部分で
は、スリット先端を塞いでいる固形樹脂状物が溶融する
ことによって穴があき、それ以外の部分では固形樹脂状
物によって閉塞されている。
上記例においては、記録ヘッドは、全てを一つのスリ
ットで形成したものを使用しているが、1ドット以上の
大きさの1又は複数のノズル又はスリットを組み合わせ
たものを用いることも可能である。
ットで形成したものを使用しているが、1ドット以上の
大きさの1又は複数のノズル又はスリットを組み合わせ
たものを用いることも可能である。
発明の効果 本発明は、インクが供給される型の記録ヘッドを備え
た熱転写プリンターを用いて、特定のインクを使用して
印字を行うものであるから、従来の熱転写記録方法のよ
うにドナーフィルムを使用することなく印字を行うこと
ができ、得られるプリントは、インクのにじみがなく、
紙以外のもの、例えばOHPシート等にも印字が可能にな
る。また印字操作を行わない場合にインクのだれ等を生
じることがない。
た熱転写プリンターを用いて、特定のインクを使用して
印字を行うものであるから、従来の熱転写記録方法のよ
うにドナーフィルムを使用することなく印字を行うこと
ができ、得られるプリントは、インクのにじみがなく、
紙以外のもの、例えばOHPシート等にも印字が可能にな
る。また印字操作を行わない場合にインクのだれ等を生
じることがない。
第1図及び第2図は、本発明に使用する熱転写プリンタ
ーの記録ヘッドの断面図、第3図は印字が行われている
状態の記録ヘッドを印字対象物側から見た図、第4図は
第1図の記録ヘッドの斜視図であり、第5図及び第6図
は、本発明に使用する他の熱転写プリンターの記録ヘッ
ドの断面図、第7図は第5図の記録ヘッドの斜視図であ
る。 1……印字対象物、2……サーマルヘッド、3……サー
マルヘッドの発熱素子、4……スリットの対向板、5…
…インク、5A、5B……液状インク成分、6……固形樹脂
状物、7……反応中のインク又は溶融状態の樹脂状物、
8……定着インク、9……仕切り板。
ーの記録ヘッドの断面図、第3図は印字が行われている
状態の記録ヘッドを印字対象物側から見た図、第4図は
第1図の記録ヘッドの斜視図であり、第5図及び第6図
は、本発明に使用する他の熱転写プリンターの記録ヘッ
ドの断面図、第7図は第5図の記録ヘッドの斜視図であ
る。 1……印字対象物、2……サーマルヘッド、3……サー
マルヘッドの発熱素子、4……スリットの対向板、5…
…インク、5A、5B……液状インク成分、6……固形樹脂
状物、7……反応中のインク又は溶融状態の樹脂状物、
8……定着インク、9……仕切り板。
Claims (7)
- 【請求項1】ノズル又はスリットの少なくとも一方の側
の先端部に熱エネルギーを付与する機構と、ノズル又は
スリットにインクを供給する機構を有する記録ヘッドを
備えた熱転写プリンターを用い、該記録ヘッドに常温で
液状であって加熱後冷却することによって固形樹脂状物
を形成するインクを供給し、ノズル又はスリットからイ
ンクを印字対象物上に転移させて印字を行う熱転写記録
方法であって、該ノズル又はスリットは、熱エネルギー
が付与されない場合、その先端がインクによって形成さ
れた固形樹脂状物によって閉塞されており、該ノズル又
はスリット先端の所定の部分に熱エネルギーを印加する
ことによって固形樹脂状物を溶融し、インクをノズルか
ら又はスリットの加熱された部分から印字対象物上に転
移させることを特徴とする熱転写記録方法。 - 【請求項2】インクが、熱可塑性樹脂を溶剤に溶解した
ものであることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記
載の熱転写記録方法。 - 【請求項3】インクが、加熱により反応して固形樹脂状
物を形成する液状物質であることを特徴とする特許請求
の範囲第1項に記載の熱転写記録方法。 - 【請求項4】インクが、混合し加熱すると反応して熱可
塑性樹脂よりなる固形樹脂状物を形成する二種以上の液
状インク成分よりなることを特徴とする特許請求の範囲
第1項に記載の熱転写記録方法。 - 【請求項5】記録ヘッドが、二種の液状インク成分を分
離した状態でスリット先端部に導入するための分離機構
を有するものであることを特徴とする特許請求の範囲第
1項に記載の熱転写記録方法。 - 【請求項6】インクが圧力によって供給されることを特
徴とする特許請求の範囲第1項に記載の熱転写記録方
法。 - 【請求項7】記録ヘッドが1ドット以上の幅の1ないし
複数のノズル又はスリットで構成されていることを特徴
とする特許請求の範囲第1項に記載の熱転写記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18027189A JP2797478B2 (ja) | 1989-07-14 | 1989-07-14 | 熱転写記録方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18027189A JP2797478B2 (ja) | 1989-07-14 | 1989-07-14 | 熱転写記録方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0345357A JPH0345357A (ja) | 1991-02-26 |
JP2797478B2 true JP2797478B2 (ja) | 1998-09-17 |
Family
ID=16080313
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18027189A Expired - Lifetime JP2797478B2 (ja) | 1989-07-14 | 1989-07-14 | 熱転写記録方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2797478B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0394353U (ja) * | 1990-01-18 | 1991-09-26 |
-
1989
- 1989-07-14 JP JP18027189A patent/JP2797478B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0345357A (ja) | 1991-02-26 |
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