JP2853192B2 - 印字記録方法 - Google Patents

印字記録方法

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JP2853192B2
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信男 涌田
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  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、インクジェット方式による印字記録方法に
関する。
従来の技術 従来、普通紙への印字記録技術としては、ノズルから
インクの小滴を噴出して画像を形成するインクジェット
方式や、トナーロール上のワックスをサーマルヘッドの
熱によって溶かし、紙に転移することによって画像を形
成する熱転写方式などが知られている。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、熱転写方式では、印字する面積に等し
い面積のドナーロールを必要とするため、1個のドナー
ロールでは少数のプリントしかできず、高速化のためラ
インプリンターとすると大型のドナーロールを必要とす
るため、小型化することができない。また、カラー画像
の形成のためには、色の数だけのドナーロールを必要と
するため、更に大型化するという欠点があった。
一方、インクジェット方式では、インクを使用するた
め小型化可能であるという長所を有しているが、インク
がノズルの先端で乾いて目詰まりを生じ易く、印字がで
きなくなって信頼性に劣るという問題があり、一方、目
詰まりを防止する目的で乾燥しにくいインクを使用する
と、紙への定着性が悪くなるという問題があった。ま
た、OHPシートのようにインクを吸収しない印字対象物
への印字ができないと言う欠点もあった。
本発明は、従来のインクジェット方式における上記の
ような問題点を改善することを目的としてなされたもの
である。
すなわち、本発明の目的は、固形樹脂状物よりなる定
着インク像を形成するインクを使用して印字を行うイン
クジェットプリンターによる印字記録方法を提供するこ
とにある。
課題を解決するための手段及び作用 本発明は、インクジェットプリンターの記録ヘッドの
ノズルからインクの小滴を印字対象物上に噴射して印字
を行う印字記録方法において、インクとして、常温で液
状であって、加熱により反応して樹脂状物を形成し、加
熱後冷却することによって固体状物となる液状物質より
なり、該ノズルの先端が、少なくとも印字中インクが固
化する温度以上の温度に加熱されていることを特徴とす
る。
本発明において使用するインクとしては、常温で液状
であって、加熱により反応して樹脂状物を形成し、加熱
後冷却することによって固体状物となる液状物質よりな
るものが用いられる。例えば、加熱により反応して樹脂
状物になる液体、或いは混合して加熱することにより反
応が生じて固形樹脂状物となる2種以上の液状インク成
分等を用いることができる。これ等インクは、着色剤に
よって着色されていてもよい。
更に具体的に説明すると、加熱により反応して樹脂状
物になる液体としては、例えばメタクリル酸メチルと過
酸化ベンゾイルの混合物、アクリルポリオールとイソシ
アネートの混合物等があげられる。更に、混合して加熱
することにより反応が生じて固形樹脂状物となる2種以
上の液状インク成分としては、アクリルポリオールとポ
リイソシアネート化合物の組合わせ、メタクリル酸メチ
ルと過酸化水素水の組合わせ、スチレンモノマーと希硫
酸の組合わせ、シアノアクリル酸エステルと水の組合わ
せ等を用いることができる。
本発明の印字記録方法に使用するインクジェットプリ
ンターは、ノズルの少なくとも一方の側の先端部に熱エ
ネルギーを付与する機構を有する記録ヘッドを備え、そ
して記録ヘッドにインクを供給する機構と、該インクに
力を加える機構とを有する。
本発明において、記録ヘッドにおける熱エネルギーを
与える機構としては、サーマルヘッドに限らず、印字す
る部分を加熱できるものであれば如何なるものでも使用
することができる。
インクの噴出方法としては、圧電素子を用いたオンデ
マンド方式に限らず、電界の力によってインクをノズル
やスリットから紙に引き寄せる方法や、サーマルヘッド
や火花によって蒸発又は分解させて気化させ、その圧力
によってインクを噴出させる方法など、噴出したインク
を再利用しないタイプの全てのインクジェット方式を用
いることができる。
本発明において、上記インクを記録ヘッドに供給し、
先端が加熱されたノズルから噴出させると、インクは加
熱され、形成された溶融状態の樹脂状物が、例えば紙な
どの印字対象物に向かって飛翔し、印字対象物上に接着
して印字が行われる。
インクとして、加熱により反応して樹脂状物になる液
状物質、例えばモノマー組成物を使用する場合には、加
熱により反応して生成した溶融状態の樹脂状物が、印字
対象物に向かって飛翔し、印字対象物上に接着する。そ
の場合、モノマーの反応速度が速い場合には、生成され
る樹脂が熱可塑性樹脂であって、加熱温度が樹脂の軟化
温度より高いことが望ましい。また、モノマーの反応速
度が遅い場合には、生成される樹脂は熱硬化性樹脂であ
ってもよく、その場合、印字対象物上に接着した後、硬
化反応が進行して、定着が行われる。
なお本発明において、ノズルの先端部には、反応を促
進させるために、光エネルギーを付与したり、或いは触
媒を取り付けてることも可能である。
また、定着性をあげるために印字後、印字対象物上の
樹脂が柔らかな間にローラー等で圧力を加えてもよい。
実施例 以下、本発明の実施例を図面を参酌して説明する。
第1図は、本発明の印字記録方法に使用するインクジ
ェットプリンターの模式図、第2図は第1図のインクジ
ェットプリンターの先端部の断面図である。図中、1は
紙などの印字対象物、2はノズル、3はインク室、4は
ピエゾ振動子、5はインク供給部、6は発熱部、7はイ
ンク、8は反応中のインク又は溶融状態の樹脂状物、9
は溶融状態の樹脂状物、10は印字対象物上に定着した固
形樹脂状物よりなる定着インク像である。
この例においては、インクとして、アクリルポリオー
ル38%、キシレン41%、酢酸ブチル21%の混合液10部と
イソシアネート75%、酢酸エチル25%の混合液1部との
混合物よりなるインクを使用し、印字を行った。
上記の例において、インクはインク供給部5からイン
ク室3に導入され、ピエゾ振動子4の作動により圧力が
付与され、ノズル先端から噴出する。その際、ノズル先
端部の発熱部6で加熱されるので、アクリルポリオール
とイソシアネート化合物とが反応して溶融状態のウレタ
ン樹脂が形成され、溶融状態の液状物9の粒子となって
印字対象物1上に付着し、冷却により固化し、硬化し
て、ドット状の定着インク像10が形成される。なお、定
着性を向上させるためには、印字後の樹脂が柔らかい間
にローラー等によって圧力を加えてもよい。
発明の効果 本発明によれば、インクジェット方式でありながら印
字対象物上の印字画像が固形樹脂状物より形成されたも
のとなる。したがって、得られるプリントは、インクの
にじみがなく、紙以外のもの、例えばOHPシート等にも
印字が可能になる。また、インクがノズルの先端で目づ
まりを起こすこともない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に使用するインクジェットプリンターの
模式図、第2図は第1図のインクジェットプリンターの
ノズルの断面図である。 1……印字対象物、2……ノズル、3……インク室、4
……ピエゾ振動子、5……インク供給部、6……発熱
部、7……インク、8……反応中のインク又は溶融状態
の樹脂状物、9……溶融状態の樹脂状物、10……定着イ
ンク像。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インクジェットプリンターの記録ヘッドの
    ノズルからインクの小滴を印字対象物上に噴射して印字
    を行う印字記録方法において、インクとして、常温で液
    状であって、加熱により反応して樹脂状物を形成し、加
    熱後冷却することによって固体状物となる液状物質より
    なり、該ノズルの先端が、少なくとも印字中インクが固
    化する温度以上の温度に加熱されていることを特徴とす
    るインクジェットプリンターによる印字記録方法。
  2. 【請求項2】インクが、混合して加熱することにより反
    応が生じて固形樹脂状物となる2種以上の液状インク成
    分からなることを特徴とする請求項1に記載の印字記録
    方法。
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