JP2797469B2 - 光ディスク基板の成形方法 - Google Patents
光ディスク基板の成形方法Info
- Publication number
- JP2797469B2 JP2797469B2 JP16881289A JP16881289A JP2797469B2 JP 2797469 B2 JP2797469 B2 JP 2797469B2 JP 16881289 A JP16881289 A JP 16881289A JP 16881289 A JP16881289 A JP 16881289A JP 2797469 B2 JP2797469 B2 JP 2797469B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mold
- resin
- heat stabilizer
- polycarbonate resin
- injection
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C45/00—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
- B29C45/17—Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
- B29C45/26—Moulds
- B29C45/263—Moulds with mould wall parts provided with fine grooves or impressions, e.g. for record discs
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、光磁気ディスク,各種追記型光ディスク,
あるいはいわゆるコンパクトディスク等に使用される光
ディスク基板の成形方法に関するものであり、特にポリ
カーボネート樹脂よりなる光ディスク基板の成形方法の
改良に関するものである。
あるいはいわゆるコンパクトディスク等に使用される光
ディスク基板の成形方法に関するものであり、特にポリ
カーボネート樹脂よりなる光ディスク基板の成形方法の
改良に関するものである。
本発明は、熱安定化剤を含まないポリカーボネート樹
脂をなるべく低い温度,且つ短い可塑化滞留時間で光デ
ィスク基板に射出成形し、記録層の腐食等の悪影響を抑
えつつコンタミネーションの低減を図ろうとするもので
ある。
脂をなるべく低い温度,且つ短い可塑化滞留時間で光デ
ィスク基板に射出成形し、記録層の腐食等の悪影響を抑
えつつコンタミネーションの低減を図ろうとするもので
ある。
デジタルオーディオディスク(いわゆるコンパクトデ
ィスク),光学式ビデオディスク光磁気ディスク,各種
追記型光ディスク,書換型光ディスク等のように、レー
ザ光の照射によって情報の記録・再生を行う光ディスク
においては、光学的情報記録層はポリカーボネート樹脂
等よりなる透明な光ディスク基板上に形成されており、
情報の書き込み,あるいは読み出しはこの基板側よりレ
ーザ光を照射することにより行うのが一般的である。し
たがって、光ディスク基板の成形にあたっては、光学特
性の観点から様々な要求が出されている。
ィスク),光学式ビデオディスク光磁気ディスク,各種
追記型光ディスク,書換型光ディスク等のように、レー
ザ光の照射によって情報の記録・再生を行う光ディスク
においては、光学的情報記録層はポリカーボネート樹脂
等よりなる透明な光ディスク基板上に形成されており、
情報の書き込み,あるいは読み出しはこの基板側よりレ
ーザ光を照射することにより行うのが一般的である。し
たがって、光ディスク基板の成形にあたっては、光学特
性の観点から様々な要求が出されている。
例えば、複屈折(この場合は入射光と反射光の位相の
ずれ具合を言い、主として基板の内部歪が原因とな
る。)が少ないこと、転写性が良好であること、表面平
滑性が良好であること、コンタミネーション(樹脂の分
解による異物やヤケ等)が少ないこと、成形面のふれ
(いわゆるスキュー)が少ないこと、等がその代表的な
ものである。特に、光磁気ディスクでは、照射されるレ
ーザ光の偏光面の微小な回転を検出し信号として読み取
るものであるので、複屈折の発生は致命的で、基板の成
形に際しては基板中に発生する複屈折をなるべく小さく
する技術が不可欠となる。
ずれ具合を言い、主として基板の内部歪が原因とな
る。)が少ないこと、転写性が良好であること、表面平
滑性が良好であること、コンタミネーション(樹脂の分
解による異物やヤケ等)が少ないこと、成形面のふれ
(いわゆるスキュー)が少ないこと、等がその代表的な
ものである。特に、光磁気ディスクでは、照射されるレ
ーザ光の偏光面の微小な回転を検出し信号として読み取
るものであるので、複屈折の発生は致命的で、基板の成
形に際しては基板中に発生する複屈折をなるべく小さく
する技術が不可欠となる。
光ディスク基板の成形方法としては、射出成形法が広
く用いられてきているが、光学特性(特に複屈折)を満
足させるためには樹脂温度330℃以上として成形する必
要がある。しかしながら、このような高温域では、ポリ
カーボネート樹脂が分解を起こしやすくなり、異物やヤ
ケ等のコンタミネーションの発生原因となる虞れがあ
る。このコンタミネーションは、ノイズレベルの上昇
や、エラーレートの悪化,ドロップアウトの増加等につ
ながり、光ディスクにとって好ましいものではない。そ
こで、例えば特公昭63−56043号公報や特開昭63−25793
3号公報等に記載されるように、ポリカーボネート樹脂
にリン化合物等の熱安定化剤を添加し、前記コンタミネ
ーションを抑えることが試みられている。
く用いられてきているが、光学特性(特に複屈折)を満
足させるためには樹脂温度330℃以上として成形する必
要がある。しかしながら、このような高温域では、ポリ
カーボネート樹脂が分解を起こしやすくなり、異物やヤ
ケ等のコンタミネーションの発生原因となる虞れがあ
る。このコンタミネーションは、ノイズレベルの上昇
や、エラーレートの悪化,ドロップアウトの増加等につ
ながり、光ディスクにとって好ましいものではない。そ
こで、例えば特公昭63−56043号公報や特開昭63−25793
3号公報等に記載されるように、ポリカーボネート樹脂
にリン化合物等の熱安定化剤を添加し、前記コンタミネ
ーションを抑えることが試みられている。
ところで、光ディスクの情報記録層の記録材料として
は、光磁気ディスクにおける希土類−遷移金属非晶質合
金膜に代表されるように、金属系の記録材料が多用され
ており、例えばTbFeCo等の材料は感度,読み出し性能等
の点で良好な特性を与えることが報告されている。
は、光磁気ディスクにおける希土類−遷移金属非晶質合
金膜に代表されるように、金属系の記録材料が多用され
ており、例えばTbFeCo等の材料は感度,読み出し性能等
の点で良好な特性を与えることが報告されている。
このような金属系の記録材料により情報記録層が構成
されている場合、腐食の発生が大きな問題となる。情報
記録層に腐食が発生すると、バイトエラー数が増加する
等、再生不良をもたらし、信頼性を保証しなければなら
ない光ディスクにおいて商品価値を大きく低下させる原
因となる。特に、希土類−遷移金属非晶質合金膜を情報
記録層とする光磁気ディスクにあっては、Tb等の希土類
元素が非常に酸化されやすく、この傾向が著しい。
されている場合、腐食の発生が大きな問題となる。情報
記録層に腐食が発生すると、バイトエラー数が増加する
等、再生不良をもたらし、信頼性を保証しなければなら
ない光ディスクにおいて商品価値を大きく低下させる原
因となる。特に、希土類−遷移金属非晶質合金膜を情報
記録層とする光磁気ディスクにあっては、Tb等の希土類
元素が非常に酸化されやすく、この傾向が著しい。
したがって、光ディスクにおいては、情報記録層の腐
食を如何にして抑えるかが大きな課題となっている。
食を如何にして抑えるかが大きな課題となっている。
かかる観点から見たとき、例えば特開昭63−257933号
公報にも記載されるように、前記ポリカーボネート樹脂
への熱安定化剤の添加は不利であり、熱安定化剤を除去
した(熱安定化剤を含有しない)ポリカーボネート樹脂
を使用することが望まれる。すなわち、リン化合物等の
熱安定化剤がディスク基板中に残留すると、情報記録層
の腐食発生のひとつの引金となり、できることならばこ
のような熱安定化剤を添加しないことが好ましい。
公報にも記載されるように、前記ポリカーボネート樹脂
への熱安定化剤の添加は不利であり、熱安定化剤を除去
した(熱安定化剤を含有しない)ポリカーボネート樹脂
を使用することが望まれる。すなわち、リン化合物等の
熱安定化剤がディスク基板中に残留すると、情報記録層
の腐食発生のひとつの引金となり、できることならばこ
のような熱安定化剤を添加しないことが好ましい。
しかしながら、先に述べたように、複屈折が発生しな
いような高温域で射出成形する際に、前記熱安定化剤が
添加されていないと、当然のことながらコンタミネーシ
ョンが増加することになり、やむをえず熱安定化剤を添
加しているのが実情である。
いような高温域で射出成形する際に、前記熱安定化剤が
添加されていないと、当然のことながらコンタミネーシ
ョンが増加することになり、やむをえず熱安定化剤を添
加しているのが実情である。
そこで本発明は、前述の従来の実情に鑑みて提案され
たものであって、熱安定化剤を添加しなくとも複屈折や
コンタミネーションを増加することなく光ディスク基板
を成形可能とする光ディスク基板の成形方法を提供する
ことを目的とするものである。
たものであって、熱安定化剤を添加しなくとも複屈折や
コンタミネーションを増加することなく光ディスク基板
を成形可能とする光ディスク基板の成形方法を提供する
ことを目的とするものである。
本発明は、前述の目的を達成するために、熱安定化剤
を含まないポリカーボネート樹脂を樹脂温度326℃以
下,可塑化滞留時間4分以下で射出成形することを特徴
とするものである。
を含まないポリカーボネート樹脂を樹脂温度326℃以
下,可塑化滞留時間4分以下で射出成形することを特徴
とするものである。
熱安定化剤を含まないポリカーボネート樹脂を高温域
で射出成形すると、成形される基板中に異物,ヤケ等の
コンタミネーションが発生する。
で射出成形すると、成形される基板中に異物,ヤケ等の
コンタミネーションが発生する。
これに対して、樹脂温度を326℃以下とし、可塑化滞
留時間4分以下として射出成形すると、樹脂の酸化等に
よる劣化が抑えられ、コンタミネーションの増加が抑制
される。また、このとき成形方法を工夫することで複屈
折も抑えられる。
留時間4分以下として射出成形すると、樹脂の酸化等に
よる劣化が抑えられ、コンタミネーションの増加が抑制
される。また、このとき成形方法を工夫することで複屈
折も抑えられる。
一方、熱安定化剤は基板に情報記録層を形成して光デ
ィスクとしたときに腐食の引金となるものであるが、本
発明においてはポリカーボネート樹脂に当該熱安定化剤
を添加する必要がなくなることから、記録層の腐食が防
止され信頼性が向上される。
ィスクとしたときに腐食の引金となるものであるが、本
発明においてはポリカーボネート樹脂に当該熱安定化剤
を添加する必要がなくなることから、記録層の腐食が防
止され信頼性が向上される。
以下、本発明による光ディスク基板の射出成形方法の
一実施例を工程順序に従い図面を参照しながら説明す
る。
一実施例を工程順序に従い図面を参照しながら説明す
る。
先ず、本実施例において使用される射出成形機の構成
について説明する。
について説明する。
射出成形機は、第1図に示すように、ポリカーボネー
ト樹脂を溶融し金型へ送り込むための樹脂射出部(1)
と、光ディスク基板の形状に応じたキャビティを形成す
る金型部(2)、さらにはこの金型部(2)に圧力を加
える型締め機構(3)とから構成される。
ト樹脂を溶融し金型へ送り込むための樹脂射出部(1)
と、光ディスク基板の形状に応じたキャビティを形成す
る金型部(2)、さらにはこの金型部(2)に圧力を加
える型締め機構(3)とから構成される。
上記樹脂射出部(1)は、原料となる樹脂ペレットが
投入される投入ホッパ(11),周囲に加熱用ヒータが設
けられ内部にスクリュが配設される加熱シリンダ(12)
及びノズル(13)を有し、投入ホッパ(11)より供給さ
れた樹脂ペレットを順次溶融し、ノズル(13)の先端か
らこの溶融した樹脂を送り出すものである。
投入される投入ホッパ(11),周囲に加熱用ヒータが設
けられ内部にスクリュが配設される加熱シリンダ(12)
及びノズル(13)を有し、投入ホッパ(11)より供給さ
れた樹脂ペレットを順次溶融し、ノズル(13)の先端か
らこの溶融した樹脂を送り出すものである。
また金型部(2)は、第2図に示すように、可動金型
(21)と固定金型(22)とを主たる構成要素とするもの
で、可動金型(21)にはスタンパ(23)が内周スタンパ
押さえ(24),外周スタンパ押さえ(25)によって固定
されている。固定金型(22)は、固定盤(26)に固定さ
れており、中央に前記樹脂射出部(1)のノズル(13)
に連結され先端に開口部(27a)を有する樹脂注入口(2
7)が設けられている。そして、固定金型(22)の外周
部分には、固定盤(26)に固定された金型押さえ(28)
が設けられており、この金型押さえ(28)の先端面(28
a)に可動金型(21)の外周部分(21a)が当接されて型
閉じ状態となり、両金型(21),(22)間にキャビティ
(29)が所定の空間として形成されることになる。
(21)と固定金型(22)とを主たる構成要素とするもの
で、可動金型(21)にはスタンパ(23)が内周スタンパ
押さえ(24),外周スタンパ押さえ(25)によって固定
されている。固定金型(22)は、固定盤(26)に固定さ
れており、中央に前記樹脂射出部(1)のノズル(13)
に連結され先端に開口部(27a)を有する樹脂注入口(2
7)が設けられている。そして、固定金型(22)の外周
部分には、固定盤(26)に固定された金型押さえ(28)
が設けられており、この金型押さえ(28)の先端面(28
a)に可動金型(21)の外周部分(21a)が当接されて型
閉じ状態となり、両金型(21),(22)間にキャビティ
(29)が所定の空間として形成されることになる。
金型部(2)には、前記可動金型(21)前後進させる
型締め機構(3)が設けられるが、本例ではこの型締め
機構(3)として,いわゆるブースタラム式型締め機構
が採用されている。このブースタラム式型締め機構は、
主ラムを高速前進させるため主ラムの中心軸と同軸上に
主ラムの直径より細い直径のブースタラムを挿入した機
構であり、中型の射出性機等に広く用いられるものであ
る。そして、この型締め機構(3)には、サーボ弁機構
(31)が接続され、さらにこの型締め圧調節器(32)に
より制御されるようになっている。型締め圧調節器(3
2)は、圧力検出器(33)を介して前述の型締め機構
(3)に接続されており、この型締め機構(3)の作動
により可動金型(21)に加えられる圧力は、該圧力検出
器(33)により検出され、この検出信号により型締め圧
調節器(32)が制御されてサーボ弁機構(31)が調節さ
れる。また、上記型締め圧調節器(32)には、プログラ
ム設定器(34)も接続され、このプログラム設定器(3
4)に可動金型(21)の型締め圧力の印加タイミングを
記憶させておくことにより、プログラム設定器(34)の
出力を型締め圧調節器(32)に加えてこれを制御し、サ
ーボ弁機構(31)を作動させて型締め機構(3)の油圧
及び作動時間を制御して可動金型(21)と固定金型(2
2)の間のキャビティ(29)内への溶融樹脂射出工程
中,あるいは射出工程完了後における可動金型(21)の
型締め圧力を変化させるように設定されている。なお、
型締め圧力の変化はデジタル的にコントロールできるこ
とが好ましく、また応答性の速いもの(例えば140kg/cm
2から0kg/cm2へのデコンプレッションが0.5秒以内で完
了するもの)が好ましい。
型締め機構(3)が設けられるが、本例ではこの型締め
機構(3)として,いわゆるブースタラム式型締め機構
が採用されている。このブースタラム式型締め機構は、
主ラムを高速前進させるため主ラムの中心軸と同軸上に
主ラムの直径より細い直径のブースタラムを挿入した機
構であり、中型の射出性機等に広く用いられるものであ
る。そして、この型締め機構(3)には、サーボ弁機構
(31)が接続され、さらにこの型締め圧調節器(32)に
より制御されるようになっている。型締め圧調節器(3
2)は、圧力検出器(33)を介して前述の型締め機構
(3)に接続されており、この型締め機構(3)の作動
により可動金型(21)に加えられる圧力は、該圧力検出
器(33)により検出され、この検出信号により型締め圧
調節器(32)が制御されてサーボ弁機構(31)が調節さ
れる。また、上記型締め圧調節器(32)には、プログラ
ム設定器(34)も接続され、このプログラム設定器(3
4)に可動金型(21)の型締め圧力の印加タイミングを
記憶させておくことにより、プログラム設定器(34)の
出力を型締め圧調節器(32)に加えてこれを制御し、サ
ーボ弁機構(31)を作動させて型締め機構(3)の油圧
及び作動時間を制御して可動金型(21)と固定金型(2
2)の間のキャビティ(29)内への溶融樹脂射出工程
中,あるいは射出工程完了後における可動金型(21)の
型締め圧力を変化させるように設定されている。なお、
型締め圧力の変化はデジタル的にコントロールできるこ
とが好ましく、また応答性の速いもの(例えば140kg/cm
2から0kg/cm2へのデコンプレッションが0.5秒以内で完
了するもの)が好ましい。
上記型締め機構(3)としては、前述のブースタラム
式型締め機構に限らず、例えばトグル式の型締め機構等
も採用可能である。トグル式型締め機構は、型締めシリ
ンダの力をトグルと呼ばれるリンク機構により拡大し大
きな型締め圧力を得るものであって、小さなシリンダで
大きな型締め圧力が得られ高速型締めが可能である。
式型締め機構に限らず、例えばトグル式の型締め機構等
も採用可能である。トグル式型締め機構は、型締めシリ
ンダの力をトグルと呼ばれるリンク機構により拡大し大
きな型締め圧力を得るものであって、小さなシリンダで
大きな型締め圧力が得られ高速型締めが可能である。
上述の構成を有する射出成形機を用いてポリカーボネ
ート樹脂よりなる光ディスク基板を成形するが、以下そ
の成形方法について説明する。
ート樹脂よりなる光ディスク基板を成形するが、以下そ
の成形方法について説明する。
本実施例において、光ディスク基板を作成するには、
第2図に示すように、可動金型(21)の外周部分(21
a)が固定金型(22)の外周に設けられた金型押さえ(2
8)の先端面(28a)に当接された型閉じ状態としてお
き、この状態で樹脂射出部(1)で溶融されたポリカー
ボネート樹脂(4)をノズル(13)を介して樹脂注入口
(27)からキャビティ(29)内に射出する。
第2図に示すように、可動金型(21)の外周部分(21
a)が固定金型(22)の外周に設けられた金型押さえ(2
8)の先端面(28a)に当接された型閉じ状態としてお
き、この状態で樹脂射出部(1)で溶融されたポリカー
ボネート樹脂(4)をノズル(13)を介して樹脂注入口
(27)からキャビティ(29)内に射出する。
このとき、使用されるポリカーボネート樹脂は、亜リ
ン酸エステル等のリン化合物を熱安定化剤として含まな
いものである。ただし、ここではポリカーボネート樹脂
の熱による分解を防止する目的で所定量の熱安定化剤を
添加していないことを意味し、例えば他の要因により痕
跡程度のリン化合物が含まれている場合や微量(例えば
5ppm以下)の熱安定化剤が含まれている場合も、ここで
言う熱安定化剤を含まないポリカーボネート樹脂に含ま
れるものと解する。
ン酸エステル等のリン化合物を熱安定化剤として含まな
いものである。ただし、ここではポリカーボネート樹脂
の熱による分解を防止する目的で所定量の熱安定化剤を
添加していないことを意味し、例えば他の要因により痕
跡程度のリン化合物が含まれている場合や微量(例えば
5ppm以下)の熱安定化剤が含まれている場合も、ここで
言う熱安定化剤を含まないポリカーボネート樹脂に含ま
れるものと解する。
本発明者等が検討を重ねたところ、前記熱安定化剤の
添加は記録層の腐食の発生の点で不利であることが明ら
かとなった。例えば第5図に示すように、作成した基板
(5)上に、膜厚500Åの透明誘電体層(6)〔Si3N
4膜〕、膜厚600Åの記録層(7)〔TbFeCo膜〕及び厚さ
5μmの紫外線硬化樹脂層(8)を順次成膜し、光磁気
ディスクを作成して保存により記録層(7)に発生する
欠陥を調べたところ、第6図に示すように、熱安定化剤
を含む場合に欠陥の増加が著しいことがわかった。評価
方法としては、80℃,相対湿度80%の条件下で各光磁気
ディスクを保存し、経時による欠陥数の増加を測定し
た。また、第6図中曲線iは熱安定化剤を含まないポリ
カーボネート樹脂よりなる基板を用いた場合を、曲線ii
は熱安定化剤を15ppm含んだポリカーボネート樹脂より
なる基板を用いた場合をそれぞれ表す。この第6図よ
り、熱安定化剤を含まないものでは保存による記録層の
欠陥の増加はほとんど見られず良好な耐蝕性を示すのに
対して、熱安定化剤を含むものでは経時と共に記録層に
発生する欠陥数が増加しており、熱安定化剤が記録層の
腐食に大きく影響することが確認された。
添加は記録層の腐食の発生の点で不利であることが明ら
かとなった。例えば第5図に示すように、作成した基板
(5)上に、膜厚500Åの透明誘電体層(6)〔Si3N
4膜〕、膜厚600Åの記録層(7)〔TbFeCo膜〕及び厚さ
5μmの紫外線硬化樹脂層(8)を順次成膜し、光磁気
ディスクを作成して保存により記録層(7)に発生する
欠陥を調べたところ、第6図に示すように、熱安定化剤
を含む場合に欠陥の増加が著しいことがわかった。評価
方法としては、80℃,相対湿度80%の条件下で各光磁気
ディスクを保存し、経時による欠陥数の増加を測定し
た。また、第6図中曲線iは熱安定化剤を含まないポリ
カーボネート樹脂よりなる基板を用いた場合を、曲線ii
は熱安定化剤を15ppm含んだポリカーボネート樹脂より
なる基板を用いた場合をそれぞれ表す。この第6図よ
り、熱安定化剤を含まないものでは保存による記録層の
欠陥の増加はほとんど見られず良好な耐蝕性を示すのに
対して、熱安定化剤を含むものでは経時と共に記録層に
発生する欠陥数が増加しており、熱安定化剤が記録層の
腐食に大きく影響することが確認された。
なお、ポリカーボネート樹脂としては、この種の基板
材料として通常用いられているものがいずれも使用で
き、その種類は問わない。例えば、二価フェノール系化
合物(例えばビスフェノールA)を酸結合剤(例えば水
酸化ナトリウム等のアルカリ)及び溶剤(塩化メチレ
ン)の存在下、ホスゲンと反応させることにより合成す
るホスゲン法によって製造されるポリカーボネート樹脂
等が好適である。その他、分岐剤としてフェノール性水
酸基を有する三官能以上の多官能性有機化合物を用いた
分岐化ポリカーボネート樹脂、末端停止剤として長鎖ア
ルキル酸クロライド若しくは長鎖アルキルエステル置換
フェノール等の一官能性有機化合物を用いた末端長鎖ア
ルキルポリカーボネート樹脂、前記分岐化剤及び末端停
止剤の両者を用いた末端長鎖アルキル分岐ポリカーボネ
ート樹脂、さらにはこれらの混合物等も使用可能であ
る。
材料として通常用いられているものがいずれも使用で
き、その種類は問わない。例えば、二価フェノール系化
合物(例えばビスフェノールA)を酸結合剤(例えば水
酸化ナトリウム等のアルカリ)及び溶剤(塩化メチレ
ン)の存在下、ホスゲンと反応させることにより合成す
るホスゲン法によって製造されるポリカーボネート樹脂
等が好適である。その他、分岐剤としてフェノール性水
酸基を有する三官能以上の多官能性有機化合物を用いた
分岐化ポリカーボネート樹脂、末端停止剤として長鎖ア
ルキル酸クロライド若しくは長鎖アルキルエステル置換
フェノール等の一官能性有機化合物を用いた末端長鎖ア
ルキルポリカーボネート樹脂、前記分岐化剤及び末端停
止剤の両者を用いた末端長鎖アルキル分岐ポリカーボネ
ート樹脂、さらにはこれらの混合物等も使用可能であ
る。
ポリカーボネート樹脂(4)の射出に際しては、樹脂
温度は樹脂射出部(1)の加熱シリンダ(12)で均一混
練が可能であればできるだけ低い方が良く、最高でも32
6℃までに抑えるようにすることが好ましい。樹脂温度
が高すぎると、樹脂自体が分解してコンタミネーション
が増加することになる。
温度は樹脂射出部(1)の加熱シリンダ(12)で均一混
練が可能であればできるだけ低い方が良く、最高でも32
6℃までに抑えるようにすることが好ましい。樹脂温度
が高すぎると、樹脂自体が分解してコンタミネーション
が増加することになる。
第7図は、樹脂温度によるコンタミネーションの変化
を調べた結果である。図中曲線Aは熱安定化剤を含まな
い場合を、曲線Bは熱安定化剤を15ppm含んだ場合をそ
れぞれ表す。コンタミネーションの数は、直径0.5〜1
μmの異物,変質の数を数え、これを1g当たりの個数で
表した。
を調べた結果である。図中曲線Aは熱安定化剤を含まな
い場合を、曲線Bは熱安定化剤を15ppm含んだ場合をそ
れぞれ表す。コンタミネーションの数は、直径0.5〜1
μmの異物,変質の数を数え、これを1g当たりの個数で
表した。
熱安定化剤を含んだ場合には345℃付近までコンタミ
ネーションの増加は見られないのに対して、熱安定化剤
を含まない場合には326℃を越えるとコンタミネーショ
ンの増加が見られる。したがって、熱安定化剤を含まな
いポリカーボネート樹脂を成形する場合には、樹脂温度
を326℃以下に抑えることが必要である。
ネーションの増加は見られないのに対して、熱安定化剤
を含まない場合には326℃を越えるとコンタミネーショ
ンの増加が見られる。したがって、熱安定化剤を含まな
いポリカーボネート樹脂を成形する場合には、樹脂温度
を326℃以下に抑えることが必要である。
一方、金型温度は任意であるが、スキュー特性の点や
生産性を向上するという観点から、光ディスク基板の熱
変形温度以下とすることが好ましく、通常は50〜120℃
程度に設定される。
生産性を向上するという観点から、光ディスク基板の熱
変形温度以下とすることが好ましく、通常は50〜120℃
程度に設定される。
また、射出に際しては、樹脂射出部(1)の加熱シリ
ンダ(12)内に樹脂が滞留する時間も重要で、可塑化滞
留時間が長くなるとやはりコンタミネーションが増加す
ることが明らかとなった。なお、ここで可塑化滞留時間
とは、樹脂射出部(1)において、樹脂ペレットを投入
ホッパ(11)に投入してからノズル(13)から射出され
るまでの時間である。
ンダ(12)内に樹脂が滞留する時間も重要で、可塑化滞
留時間が長くなるとやはりコンタミネーションが増加す
ることが明らかとなった。なお、ここで可塑化滞留時間
とは、樹脂射出部(1)において、樹脂ペレットを投入
ホッパ(11)に投入してからノズル(13)から射出され
るまでの時間である。
第8図は、可塑化滞留時間によるコンタミネーション
の変化を調べた結果である。図中曲線Iは熱安定化剤を
含まない場合を、曲線IIは熱安定化剤を15ppm含んだ場
合をそれぞれ表す。
の変化を調べた結果である。図中曲線Iは熱安定化剤を
含まない場合を、曲線IIは熱安定化剤を15ppm含んだ場
合をそれぞれ表す。
熱安定化剤を含んだ場合には可塑化滞留時間が10分以
上でもコンタミネーションの増加は見られないのに対し
て、熱安定化剤を含まない場合には可塑化滞留時間が4
分を越えるとコンタミネーションの増加が見られる。し
たがって、熱安定化剤を含まないポリカーボネート樹脂
を成形する場合には、可塑化滞留時間を4分以下に抑え
ることが必要である。
上でもコンタミネーションの増加は見られないのに対し
て、熱安定化剤を含まない場合には可塑化滞留時間が4
分を越えるとコンタミネーションの増加が見られる。し
たがって、熱安定化剤を含まないポリカーボネート樹脂
を成形する場合には、可塑化滞留時間を4分以下に抑え
ることが必要である。
射出に伴ってキャビティ(29)内に上記溶融樹脂
(4)が充填されるが、本実施例では可動金型(21)に
加えられる型締め圧力よりも射出による充填圧の方が若
干高くなるように設定しておく。
(4)が充填されるが、本実施例では可動金型(21)に
加えられる型締め圧力よりも射出による充填圧の方が若
干高くなるように設定しておく。
したがって、型閉じ状態となっている金型部(2)の
キャビティ(29)内への溶融樹脂(4)の射出時には、
第3図に示すように、その充填圧によって可動金型(2
1)が第3図中矢印a方向にΔlだけ後退され、両金型
(21),(22)間の間隔が第2図のT1から第3図のT2に
押し開かれる。
キャビティ(29)内への溶融樹脂(4)の射出時には、
第3図に示すように、その充填圧によって可動金型(2
1)が第3図中矢印a方向にΔlだけ後退され、両金型
(21),(22)間の間隔が第2図のT1から第3図のT2に
押し開かれる。
このように可動金型(21)に加えられる型締め圧力よ
りも充填圧の方が若干高くなるように設定し、両金型
(21),(22)間に隙間が生ずるようにしておくことに
より、キャビティ(29)内の圧力がこの隙間から逃げ、
溶融樹脂(4)がキャビティ(29)内の隈々にまで充填
され、寸法精度の高い光ディスク基板の成形が可能とな
る。また、充填圧で金型(21),(22)が開くため、キ
ャビティ(29)内の圧力が極端に高くなることはなく、
溶融樹脂(4)に不要な応力を与えることがなくなって
複屈折改善の点でも有利である。ただし、可動金型(2
1)に加えられる型締め圧力があまり小さいと転写性が
不足する場合があるので、この点を考慮して型締め圧力
を適宜設定することが好ましい。
りも充填圧の方が若干高くなるように設定し、両金型
(21),(22)間に隙間が生ずるようにしておくことに
より、キャビティ(29)内の圧力がこの隙間から逃げ、
溶融樹脂(4)がキャビティ(29)内の隈々にまで充填
され、寸法精度の高い光ディスク基板の成形が可能とな
る。また、充填圧で金型(21),(22)が開くため、キ
ャビティ(29)内の圧力が極端に高くなることはなく、
溶融樹脂(4)に不要な応力を与えることがなくなって
複屈折改善の点でも有利である。ただし、可動金型(2
1)に加えられる型締め圧力があまり小さいと転写性が
不足する場合があるので、この点を考慮して型締め圧力
を適宜設定することが好ましい。
なお、前述のように充填圧で金型(21),(22)が押
し開かれるようにすると、金型(21),(22)間の微細
な隙間に溶融樹脂(4)が入り込んで,いわゆるバリが
発生する虞れがある。そこで、ここではディスク基板の
外周縁に対応して可動金型(21)に設けられるリング状
の外周スタンパ押さえ(25)の内周面(25a)と、固定
金型(22)のディスク基板径に対応する段差部の外周面
(22a)とが、ディスク基板面に対して略直交する方向
で交差するように配設することにより、バリの発生を低
減するような構造としている。
し開かれるようにすると、金型(21),(22)間の微細
な隙間に溶融樹脂(4)が入り込んで,いわゆるバリが
発生する虞れがある。そこで、ここではディスク基板の
外周縁に対応して可動金型(21)に設けられるリング状
の外周スタンパ押さえ(25)の内周面(25a)と、固定
金型(22)のディスク基板径に対応する段差部の外周面
(22a)とが、ディスク基板面に対して略直交する方向
で交差するように配設することにより、バリの発生を低
減するような構造としている。
上述の溶融樹脂(4)の充填が終了すると、この段階
では可動金型(21)の型締め圧力は保たれていることか
ら、樹脂(4)には全面に均一に所定の圧力が加わり、
冷却による収縮によって第4図に示すように金型(2
1),(22)は締まっていく。
では可動金型(21)の型締め圧力は保たれていることか
ら、樹脂(4)には全面に均一に所定の圧力が加わり、
冷却による収縮によって第4図に示すように金型(2
1),(22)は締まっていく。
以上の結果、キャビティ(29)内の溶融樹脂(4)が
所望の板厚T3のディスク基板に成形され、スタンパ(2
3)に予め形成されたピットや案内溝(プリグルーブ)
が転写される。ただし、この段階では樹脂(4)は完全
には固化しておらず、外周部分がスキン層として固化す
るとともに、内部はコア層として未だ流動状態にある。
所望の板厚T3のディスク基板に成形され、スタンパ(2
3)に予め形成されたピットや案内溝(プリグルーブ)
が転写される。ただし、この段階では樹脂(4)は完全
には固化しておらず、外周部分がスキン層として固化す
るとともに、内部はコア層として未だ流動状態にある。
そこで、本実施例では、前述の状態,すなわち樹脂
(4)が完全に固化する前に可動金型(21)に加えられ
ていた型締め圧力を零または極めて低圧にまで急激に解
放(いわゆるデコンプレッション)する。
(4)が完全に固化する前に可動金型(21)に加えられ
ていた型締め圧力を零または極めて低圧にまで急激に解
放(いわゆるデコンプレッション)する。
型締め圧力を急激に解放するには、例えば前述のブー
スタラム式型締め機構を採用した場合、型締め圧調節器
(32)を介してサーボ弁機能(31)を作動させ、主ラム
及びブースタラムのシリンダ室内のオイルを急激に排出
してやればよい。同様に、トグル式型締め機構の場合に
は、型締めシリンダ内の圧力を解放し、リンク機構の型
締め圧力を解放すればよい。その他、汎用の射出成形機
を使用した場合にも、圧力弁を開放する等して印加され
る圧力を急激に解放すればよい。
スタラム式型締め機構を採用した場合、型締め圧調節器
(32)を介してサーボ弁機能(31)を作動させ、主ラム
及びブースタラムのシリンダ室内のオイルを急激に排出
してやればよい。同様に、トグル式型締め機構の場合に
は、型締めシリンダ内の圧力を解放し、リンク機構の型
締め圧力を解放すればよい。その他、汎用の射出成形機
を使用した場合にも、圧力弁を開放する等して印加され
る圧力を急激に解放すればよい。
この型締め圧力の急激な解放は、複屈折の制御に極め
て有効である。
て有効である。
このように可動金型(21)の型締め圧力を所定のタイ
ミングで解放し初期値複屈折をコントロールした後、さ
らにこの状態を保持したまま樹脂(4)を完全に固化す
る。このとき、金型(21),(22)は樹脂(4)と接触
した状態で保持し、型締め圧力のみを解放する。
ミングで解放し初期値複屈折をコントロールした後、さ
らにこの状態を保持したまま樹脂(4)を完全に固化す
る。このとき、金型(21),(22)は樹脂(4)と接触
した状態で保持し、型締め圧力のみを解放する。
最後に金型(21),(22)を開き、成形された光ディ
スク基板を取り出す。
スク基板を取り出す。
取り出した光ディスク基板は、そのまま使用しても次
第に経時変化によって複屈折が零に近づくが、アニール
処理を施すと複屈折が零近傍で安定する。アニール温度
の条件としては、実用的には70〜120℃程度である。
第に経時変化によって複屈折が零に近づくが、アニール
処理を施すと複屈折が零近傍で安定する。アニール温度
の条件としては、実用的には70〜120℃程度である。
以上の方法は、成形プロセス中の転写確保ゾーンと複
屈折コントロールゾーンとを分離したものと言え、した
がってこれらの条件を独立して制御可能となり、複屈折
と転写特性という相反する要求を同時に満足する光ディ
スク基板の成形が可能となる。
屈折コントロールゾーンとを分離したものと言え、した
がってこれらの条件を独立して制御可能となり、複屈折
と転写特性という相反する要求を同時に満足する光ディ
スク基板の成形が可能となる。
また、成形に際しては、樹脂温度を低くし可塑化滞留
時間を短いものとしているので、コンタミネーションの
発生を抑えることができ、光ディスクとしたときにノイ
ズレベルの上昇やエラーレートの悪化,ドロップアウト
の増加等をもたらすこともない。さらに、熱安定化剤を
含まないポリカーボネート樹脂を使用しているので、記
録層等の腐食の問題も解消することができる。
時間を短いものとしているので、コンタミネーションの
発生を抑えることができ、光ディスクとしたときにノイ
ズレベルの上昇やエラーレートの悪化,ドロップアウト
の増加等をもたらすこともない。さらに、熱安定化剤を
含まないポリカーボネート樹脂を使用しているので、記
録層等の腐食の問題も解消することができる。
なお、本発明がこの実施例に限定されるものではな
く、例えば使用する射出成形機の種類や金型の形状等は
如何なるものであってもよく、樹脂温度を低温としたと
きに複屈折を抑えることができるような成形法であれば
よい。
く、例えば使用する射出成形機の種類や金型の形状等は
如何なるものであってもよく、樹脂温度を低温としたと
きに複屈折を抑えることができるような成形法であれば
よい。
以上の説明からも明らかなように、本発明においては
熱安定化剤を含まないポリカーボネート樹脂を低い樹脂
温度,短い可塑化滞留時間で射出成形しているので、コ
ンタミネーションを低減することができる。また、熱安
定化剤を添加しなくて済むため、当該熱安定化剤による
記録層の腐食,変質等の問題を解消することができ、長
期保存時の信頼性を確保することが可能である。
熱安定化剤を含まないポリカーボネート樹脂を低い樹脂
温度,短い可塑化滞留時間で射出成形しているので、コ
ンタミネーションを低減することができる。また、熱安
定化剤を添加しなくて済むため、当該熱安定化剤による
記録層の腐食,変質等の問題を解消することができ、長
期保存時の信頼性を確保することが可能である。
したがって、本発明によれば、コンタミネーションが
少なく、光ディスクとしたときに記録層に悪影響を及ぼ
すことのない、信頼性の高い光ディスク基板を成形する
ことが可能である。
少なく、光ディスクとしたときに記録層に悪影響を及ぼ
すことのない、信頼性の高い光ディスク基板を成形する
ことが可能である。
第1図は本発明を実施するにあたって使用される射出成
形機の一例を示す模式的な側面図である。 第2図ないし第4図は射出成形工程を工程順に従って示
す概略断面図であり、第2図は型閉じ状態、第3図は溶
融樹脂充填工程、第4図は型締め状態をそれぞれ示す。 第5図は記録層の欠陥を評価するために作成した光磁気
ディスクの構成を示す要部概略断面図であり、第6図は
記録層に発生する欠陥数の経時変化の様子を熱安定化剤
を含む場合と熱安定化剤を含まない場合で比較して示す
特性図である。 第7図は熱安定化剤を含まないポリカーボネート樹脂を
射出成形した場合の樹脂温度とコンタミネーションの関
係を熱安定化剤を含むポリカーボネート樹脂を射出成形
した場合と比べて示す特性図である。 第8図は熱安定化剤を含まないポリカーボネート樹脂を
射出成形した場合の可塑化滞留時間とコンタミネーショ
ンの関係を熱安定化剤を含むポリカーボネート樹脂を射
出成形した場合と比べて示す特性図である。
形機の一例を示す模式的な側面図である。 第2図ないし第4図は射出成形工程を工程順に従って示
す概略断面図であり、第2図は型閉じ状態、第3図は溶
融樹脂充填工程、第4図は型締め状態をそれぞれ示す。 第5図は記録層の欠陥を評価するために作成した光磁気
ディスクの構成を示す要部概略断面図であり、第6図は
記録層に発生する欠陥数の経時変化の様子を熱安定化剤
を含む場合と熱安定化剤を含まない場合で比較して示す
特性図である。 第7図は熱安定化剤を含まないポリカーボネート樹脂を
射出成形した場合の樹脂温度とコンタミネーションの関
係を熱安定化剤を含むポリカーボネート樹脂を射出成形
した場合と比べて示す特性図である。 第8図は熱安定化剤を含まないポリカーボネート樹脂を
射出成形した場合の可塑化滞留時間とコンタミネーショ
ンの関係を熱安定化剤を含むポリカーボネート樹脂を射
出成形した場合と比べて示す特性図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 45/00 - 45/84 G11B 7/26 G11B 11/10 B29L 17:00
Claims (1)
- 【請求項1】熱安定化剤を含まないポリカーボネート樹
脂を樹脂温度326℃以下,可塑化滞留時間4分以下で射
出成形することを特徴とする光ディスク基板の成形方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16881289A JP2797469B2 (ja) | 1989-06-30 | 1989-06-30 | 光ディスク基板の成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16881289A JP2797469B2 (ja) | 1989-06-30 | 1989-06-30 | 光ディスク基板の成形方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0334821A JPH0334821A (ja) | 1991-02-14 |
JP2797469B2 true JP2797469B2 (ja) | 1998-09-17 |
Family
ID=15874952
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16881289A Expired - Fee Related JP2797469B2 (ja) | 1989-06-30 | 1989-06-30 | 光ディスク基板の成形方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2797469B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6187229B1 (en) | 1995-11-10 | 2001-02-13 | Nissei Plastic Industrial Co., Ltd. | Process for injection molding information recording disks |
KR100914490B1 (ko) * | 2008-01-18 | 2009-08-27 | 오경선 | 폴리우레탄수지 혼합물을 이용한 라벨제조방법 및 이를이용한 라벨 |
-
1989
- 1989-06-30 JP JP16881289A patent/JP2797469B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0334821A (ja) | 1991-02-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4879082A (en) | Method for molding plastic material into disk shaped sabstrate for an optical information record carrier | |
JPH078514B2 (ja) | 光ディスク用プラスチック基板の射出成形法 | |
EP0280028B1 (en) | An optical information disc | |
JP2797469B2 (ja) | 光ディスク基板の成形方法 | |
EP0628957B1 (en) | Optical information recording medium | |
JP3095763B2 (ja) | ディスク基板成型用スタンパ及びディスク基板の成型方法 | |
JP2813004B2 (ja) | 光学的情報記録媒体 | |
JP2797468B2 (ja) | 光ディスク基板の成形方法 | |
JP2610558B2 (ja) | ディスク用基板成形法 | |
JP3304377B2 (ja) | 光ディスク | |
JPH02147225A (ja) | プラスチックの成形方法 | |
JP3158394B2 (ja) | 記録ディスク成形用金型 | |
JPH09198722A (ja) | 光記録媒体の基板製造方法および光記録媒体 | |
JP3383387B2 (ja) | 光ディスク用基板及びこの光ディスク用基板の成形用金型 | |
JPH0831023A (ja) | 中心部に貫通孔を有しないディスクの製造方法及び中心部に小径貫通孔を有するディスクの製造方法並びにディスク | |
JPH06166074A (ja) | 光ディスク基板の製造方法 | |
JPH10193400A (ja) | ディスク基板成形用金型及びディスク基板 | |
JPH0453041A (ja) | 光ディスク用ディスク基板 | |
JPH07272324A (ja) | 光ディスク | |
JPH10283680A (ja) | 光学記録媒体の製造方法および製造装置 | |
JPS6174150A (ja) | 光ディスクレプリカ | |
JPH07182700A (ja) | 光ディスク基板の射出成形装置 | |
JP2001225360A (ja) | ディスク基板の成形装置及び成形方法 | |
JPH05109125A (ja) | 光デイスクの製造方法およびその材料 | |
JP2002074766A (ja) | 光記録媒体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |