JP2797392B2 - 透明ガスバリアフィルム - Google Patents

透明ガスバリアフィルム

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、透明ガスバリアフィルムに関する。更に詳
しくは、透明性を有し、かつ、水蒸気や酸素等の気体の
透過率が小さい透明ガスバリアプラスチックフィルムに
関するもので、特に電子部品、食品および薬品等に好適
に使用される透明ガスバリアフィルムに関する。
[従来の技術] 従来、透明ガスバリアフィルムとしては、例えば電界
発光素子(エレクトロルミネッセンス発光素子)用とし
て、次のようなものが知られている。
(1) 防湿性の優れたプラスチックフィルム、例え
ば、1塩化3弗化エチレン(以下PCTFEと略す)を用い
る方法。
(2) 2層のポリオレフィンフィルムの間に酸化珪素
の蒸着層を設けたもの(実公昭61−42319)。
(3) 透明樹脂フィルムに酸化珪素や窒化珪素のスパ
ッタ膜を設けたもの(実公昭62−24959)。
(4) 本発明者らが先に提案した、プラスチックフィ
ルムにIn、Sn、Znなどの金属酸化物層を積層したもの
(特開昭63−237940)。
[発明が解決しようとする課題] しかし、かかる従来のガスバリアフィルムには、次の
ような問題点があった。
(1)のプラスチックフィルムを用いた場合には、防
湿性が十分でないため厚いフィルムを用いる必要があ
り、可撓性が劣る。防湿性に優れたPCTFEフィルムの場
合でも200μm以上の厚さが必要である。また、プラス
チックフィルムは、高温での防湿性能が劣るため、高温
で使用すると電界発光素子の寿命が短くなる。
(2)や(3)の酸化珪素や窒化珪素を蒸着やスパッ
タしたものは、高い防湿性能を得るためには厚さを300
Å以上、実用的には500Å以上と厚くする必要があり、
可撓性がなくなり、亀裂や剥離が生ずる。また、酸化珪
素や窒化珪素の膜厚が厚くなるに伴い、透明性が低下し
てくるため発光輝度が小さくなる。
(4)は(1)〜(3)の問題点を改善したものであ
るが、ピンホールが存在し、ガスバリア性を改善する余
地がある。またガスバリア層は透明導電膜として使用さ
れているものであり、表面抵抗値で10Ω/□〜106Ω/
□程度の導電性がある。しかしながら、この範囲の導電
性を有する場合、例えば第4図に示すように発光素子内
部より引き出し電極を引き出そうとした場合、引き出し
電極と導電性のガスバリア層の端部とが接触し、短絡す
る問題が生ずるおそれがあった。
本発明者らは、かかる問題点を解決するため、鋭意検
討した結果、ピンホールが少なく、かつ導電性を低下可
能であるとともに、水蒸気や酸素等の気体のガスバリア
性に優れた透明ガスバリアフィルムを見出し、本発明に
到達したものである。
[問題点を解決するための手段] すなわち、本発明は、プラスチックフィルムから成る
基体の少なくとも片面に、ガスバリア層を積層した透明
ガスバリアフィルムにおいて、該ガスバリア層はInおよ
び/またはSnからなる金属の酸化物層であって、かつ該
金属酸化物層が金属1原子に対し0.05〜1.0原子のフッ
素を含むことを特徴とする透明ガスバリアフィルムを提
供するものである。
ここでフッ素の含有比率はElectron Spectroscopy fo
r Chemical Analysis(ESCA)分析による広帯域スペク
トルから、その原子数比(相対積分強度/光イオン化断
面積)より算出したものである。すなわち、フッ素を含
む酸化インジウム膜においてはインジウム1原子に対す
るフッ素原子数の比で示し、フッ素を含む酸化錫膜にお
いては錫1原子に対するフッ素原子数の比で示したもの
である。またフッ素を含むインジウムと錫の合金の酸化
物においては、インジウムと錫の原子数比の和を1原子
とし、該1原子に対するフッ素原子数の比を示すものと
する。。
以下本発明の詳細を図面を用いて説明する。
第1図は本発明の透明ガスバリアフィルムの1例を示
すもので、1はプラスチックフィルム、2は該フィルム
1の片面に積層されたガスバリア層で、InまたはSnの単
一金属あるいはこれらの合金からなる金属の酸化物層で
あって、特定量のフッ素原子を含んでなるものである。
第1図のものは本発明の透明ガスバリアフィルムの基
本構成を示すもので、必要に応じてヒートシール可能な
熱可塑性樹脂接着層を積層したり、第1図の基本構成を
複数層積層して使用することもできる。また基体の両面
にガスバリア層を設けることもできる。
第2図は第1図の透明ガスバリアフィルムのガスバリ
ア層2の上にさらにヒートシール可能な熱可塑性接着層
3を設けた例を示したものであり、また第3図は、第1
図に示す基本構成を有機薄膜層4を介して積層せしめる
とともに端面に接着層3を形成せしめたものである。
第4図は本発明の透明ガスバリアフィルムを用いた電
界発光素子の1例を示すもので、5はポリエステルフィ
ルムなどのプラスチックフィルムにアルミニウム箔や銅
箔などを接着したり、銅、酸化インジウム、アルミニウ
ムなどを真空析出させて形成した電極層、6はチタン酸
バリウムやチタン酸ストロンチウムなどの高誘電率粉末
を、ジメチルホルムアミドなどの溶媒とともに、シアノ
エチルセルロース、シュクロース、グリセロールプルラ
ン、グリセロールシュクロースなどの高誘電率バインダ
ー中に分散した塗料を、電極層上にスクリーン印刷して
乾燥した高誘電率層、7は銅やアルミニウム、マンガン
などをドープした硫化亜鉛やセレン化亜鉛、硫化カドミ
ウムなどの蛍光体を、溶媒とともにシアノエチルセルロ
ース、シュクロースなどの高誘電率バインダー中に分散
した塗料を、高誘電率層上にスクリーン印刷して乾燥し
た発光層、8はポリエステルフィルムなどの片面に、酸
化錫、酸化インジウム、酸化インジウム−酸化錫複合酸
化物などからなる透明電極層であり、加熱プレスなどの
方法で透明導電面が発光層と積層される。9は本発明の
透明ガスバリアフィルムであり、透明ガスバリアフィル
ムのヒートシール可能な熱可塑性接着層側を対向させ、
図示のように電極層、高誘電率層、発光層および透明電
極層からなる電界発光体全体を密封状に包むように接着
積層される。10は電極層5および透明導電面8からの引
き出し電極である。
電界発光素子の内部には、必要に応じてポリアミドフ
ィルムなどの捕水層が含まれていても良い。
本発明でいうプラスチックフィルムからなる基体と
は、次の代表的有機重合体を溶融または、溶解押出し
し、必要に応じて長手方向および/または幅方向に延伸
したものである。有機重合体としては、ポリエチレン、
ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなど
のポリエステル、ナイロン6、ナイロン12などのポリア
ミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリビニルアルコ
ール、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミ
ド、ポリエーテルイミド、ポリサルフォン、ポリエーテ
ルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリ
レート、ポリフェニレンサルファィド、ポリフェニレン
オキサイド、テトラフルオロエチレン、1塩化3弗化エ
チレン、弗素化エチレンプロピレン共重合体などが挙げ
られる。また、これらの共重合体や、他の有機重合体と
の共重合体であっても良く、他の有機重合体を含有する
ものであっても良い。これらの有機重合体に公知の添加
剤、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑
剤、着色剤などが添加されていても良い。
本発明のプラスチックフィルムの光線透過率は、包装
内容物の視認性と美観のため重要であり、白色光線での
全光線透過率が少なくとも60%以上、好ましくは80%以
上であることが望ましい。着色剤など公知の添加剤は、
この範囲内で添加されるのが良い。本発明のプラスチッ
クフィルムは、フッ素を含む金属酸化物層のスパッタリ
ングに先立ち、コロナ放電処理、プラズマ処理、グロー
放電処理、逆スパッタ処理、粗面化処理などの表面処理
や、公知のアンカーコート処理が施されても良く、ま
た、印刷が施されていても良い。
本発明のプラスチックフィルムの厚さは、特に制限を
受けないが、包装材料としての適正から3〜400μmの
範囲が望ましい。機械的特性や可とう性の点では、更に
好ましくは、25〜200μmの範囲であることが望まし
い。
本発明におけるガスバリア層は、InまたはSnからなる
単一金属あるいはこれらの合金のフッ素を含む金属酸化
物であり、InとSnのフッ素を含む混合酸化物や複合酸化
物膜も含まれる。
これらのフッ素を含む金属酸化物層は金属1原子に対
し、フッ素が0.05〜1原子結合していることが重要であ
り、さらに好ましくは金属1原子に対し、フッ素が0.2
〜0.8原子結合しているものがよい。フッ素が金属1原
子に対し、0.05原子未満の場合には、電気導電性が発現
し、例えば第4図に示すごとき電界発光素子の防湿用フ
ィルムに使用した場合、引き出し電極との間で短絡の発
生のおそれがある。またフッ素が金属1原子に対し、1
原子を超えて含まれる場合には、基体とフッ素を含む金
属酸化物層との接着性が悪くなり、ガスバリア性が損わ
れるため好ましくない。
金属酸化物層中には、上記の金属原子以外の元素、例
えば、Ti、Zr、Zn、Fe,Sb,C,Mo,W,Cu,Al,Si,Niなどが、
微量含まれていても良い。
フッ素を含む金属酸化物層の厚さとしては、防湿性と
可とう性の点で、30〜300Åの範囲が好ましい。これら
のフッ素を含む金属酸化物層は、30Å以上でガスバリア
性が発現し、50Å以上の膜厚で十分なガスバリア性が得
られる。また、必要以上に膜厚を厚くしても、これらの
フッ素を含む金属酸化物層の場合にはガスバリア性能が
向上せず、300Åを超えるとかえって透明性や可とう性
が低下する。さらに好ましくは70〜250Åである。
またガスバリア層を形成した本発明の透明ガスバリア
フィルムは、その表面抵抗値が1×107Ω/□以上であ
ることが好ましく、これにより例えば電界発光素子など
に用いる場合でも、透明ガスバリアフィルムの端部と引
き出し電極との間の短絡を確実に防止できる。
本発明においては、ガスバリア層に金属酸化物が金属
1原子に対し、0.05〜1原子のフッ素を含むことでガス
バリア性を損わずに表面電気抵抗値を高くできる点で有
効である。
またプラスチックフィルム上に、2層以上のフッ素を
含む金属酸化物層を積層すると、ガスバリア性がさらに
向上する。この際、それぞれのフッ素を含む金属酸化物
層が有機薄膜層によって隔てられていることが好まし
い。このため、プラスチックフィルム上にフッ素を含む
金属酸化物層を形成した後、このフッ素を含む金属酸化
物層上に有機薄膜層を形成し、この有機薄膜上にさらに
もう一層のフッ素を含む金属酸化物層を形成する方法を
とることが望ましい。
有機薄膜層として用いられる樹脂としては、ポリエス
テル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、
メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アイオノマー、ポリカー
ボネートなどが挙げられる。
有機薄膜層の厚さとしては、0.1〜10μmの範囲が好
ましく、さらに好ましくは0.3〜2μmである。
かかる透明ガスバリアフィルム片面に必要に応じて熱
可塑性接着層が積層される。熱可塑性接着層は、プラス
チックフィルム側でも、金属酸化物層側であってもよい
が、好ましくは金属酸化物層側に形成するのがよい。
本発明でいう熱可塑性接着層とは、加熱および加圧に
より接着が可能な高分子量をいい、その代表的な例とし
ては、次のようなものがある。
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレ
ン共重合体などのポリオレフィン、ポリエステル、ポリ
アミド、アイオノマー、エチレン酢ビ共重合体、アクリ
ル酸エステル、メタアクリル酸エステルなどのアクリル
樹脂、ポリビニルアセタール、フェノール、変成エポキ
シ樹脂などおよび、これらの共重合体や、混合物などが
挙げられる。
このうち、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミ
ド、アイオノマー、エチレン酢ビ共重合体が望ましい。
ヒートシール可能な熱可塑性接着層の厚さは、接着力
の点で、10〜200μmの範囲が好ましく、30〜100μmが
より好ましい。
透明ガスバリアフィルムの片面に熱可塑性接着層を積
層する方法としては、熱可塑性接着層の成分を有機溶剤
に溶解してコーティングする方法や、熱可塑性接着層の
成分を溶解し、押出しラミネートする方法、あるいは、
あらかじめ熱可塑性接着層のシートを作製し、これをド
ライラミネートなどにより接着積層する方法などの公知
の方法が採用できる。
熱可塑性接着層のヒートシール温度は、使用する熱可
塑性接着層の特性に合せて適宜、選択することができる
が、80℃〜180℃の温度でヒートシールできるものであ
ることが好ましい。
本発明のガスバリア層は、いわゆる真空蒸着、スパッ
タリングなどの真空薄膜形成法で形成できるが、防湿効
果を十分に発揮させるためには、スパッタリングで形成
することが好ましい。
本発明でいうスパッタリングとは、直流2極スパッ
タ、高周波2極スパッタ、直流マグネトロンスパッタ、
高周波マグネトロンスパッタなどの、公知のスパッタリ
ング法が、全て含まれる。また、スパッタリングの際、
酸素などの反応性ガスを導入する、いわゆる反応性スパ
ッタリングも含まれる。
なかでも、プラスチックフィルムを基体として用いた
本発明の場合には、InまたはSn、あるいはこれらの合金
の金属ターゲットを使用し、アルゴンガス、酸素ガスお
よびフロロアルカン系ガス等からなる混合ガスを真空槽
内に導入して行う、いわゆる、反応性スパッタリングが
望ましく、更に、反応性直流マグネトロンスパッタ、反
応性高周波マグネトロンスパッタが、金属酸化物層の均
一性、生産性の点で最も好ましい。
反応性スパッタリングの際の真空装置内の圧力は、金
属酸化物層の透明性やガスバリア性に大きく影響し、好
ましくは、8×10-5〜8×10-3トール、さらに好ましく
は、2×10-4〜5×10-3トール、最も好ましくは、5×
10-4〜1×10-3トールの範囲が望ましい。
反応性スパッタリングの際に使用するガス組成は、使
用するターゲット材料や投入電力に応じて、適宜、選択
される。
混合ガスとしてアルゴン、酸素およびフロロアルカン
ガスを使用する場合は、アルゴンに対する酸素の割合は
1〜50容量%の範囲が好ましく、ガスバリア性を増すた
めには20〜50容量%がより好ましい。該アルゴンガスと
酸素の混合ガスに対するフロロアルカンガスの割合は、
1〜30容量%の範囲が好ましく、高抵抗とするためには
5〜30容量%がさらに好ましい。
フロロアルカンガスとしては特に限定されないが、透
明性を向上させるためにC2F6、C3F8、C4F8などのパーフ
ルオロアルカン、CH2F2、C2H4F2などのフロロアルカン
を使用することが好ましく、中でもC2F6、C3F8、C4F8
どのパーフルオロアルカンがより好ましい。
本発明の透明ガスバリアフィルムは、湿気を嫌う電子
部品の包装、湿気および酸化を防ぐための食品包装、医
薬品の包装などとして広く用いることができる。中でも
電界発光素子などの電子部品の防湿用フィルムとして有
用である。
[発明の効果] 本発明の透明ガスバリア性フィルムは、上述のごとく
構成したので、以下のような優れた効果を有する。
(1) 高抵抗のため発光素子等に用いる場合、引き出
し電極上の間で短絡のおそれがない。
(2) ピンホールが少なく水蒸気、酸素等の気体のガ
スバリア性に優れる。
(3) 可とう性に優れる。
(4) 高温での防湿性に優れる。
(5) 透明性に優れている。
(6) 薄膜化できる。
[実施例] 以下、実施例について説明する。
本発明における特性の測定には、次の方法を用いた。
(イ)光線透過率 分光光度計(日立製作所(株)、自記分光光度計323
型)にて、分光光線透過率を測定し、波長550nmでの透
過率を光線透過率とした。
(ロ)透湿度 第2図に示される構成の透明ガスバリアフィルムから
10cm角の大きさ2枚を切り出し、ヒートシーラーで内寸
法7cm×7cmの袋とした。この袋の中には粒状の乾燥シリ
カゲル5〜10gを充填した。この袋を40℃、90%RHの恒
温恒湿槽に入れ、24時間後の袋全体の重量W0(g)と96
時間後の重量W1を測定し、次式から40℃での透湿度を計
算した。
(W1−W0)/(3×0.072×2) 単位 : [g/m2・24hr] (ハ)ピンホールテスト 第2図に示される構成の透明ガスバリアフィルムを10
cm×6cmの大きさで2枚切り出し、この2枚のフィルム
の間に8cm×4cmの大きさの清浄な銅を真空蒸着したプラ
スチックフィルムをラミネーターを用いて熱圧着し、密
閉した。この試料を硫化水素ガスを充満したデシケータ
に72時間放置し、2枚の透明ガスバリアフィルムの内部
に密閉された銅蒸着フィルム面1cm2あたりの腐食点の数
をピンホールの数とした。
(ニ)表面電気抵抗値 三菱油化(株)製の表面電気抵抗測定器(Model HT
−210)を用いてフッ素を含んだ金属酸化物槽の表面電
気抵抗値を測定した。
(ホ)フッ素の含有率測定法 VG Scientific社製、X線電子分光測定装置「ESCALA
B5」により、インジウム、錫とフッ素の原子数比を測定
した。
実施例1〜5,比較例1 二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ
50μm)を幅300mm、長さ500mのロール状とし、巻取式
直流マグネトロンスパッタリング装置に装着した。ター
ゲットはインジウム金属板(純度99.9%)を使用し、真
空容器を5×10-5トール以下に真空排気した後、アルゴ
ン・酸素混合ガス(混合比 70:30体積%)を0.22/mi
nとC2F6で示されるパーフロロアルカンガス0.05/min
を導入し、圧力を6×10-4トールして、ガスバリア層を
形成した。投入電力を2KWに設定して、フィルム速度に
より、フッ素を含む酸化インジウム層の膜厚をそれぞれ
500Å,250Å,100Å,70Å,50Åのものを作製した。
次いで、これらのスパッタしたフィルムのフッ素を含
む金属酸化物が形成された側に、ポリエステル系接着剤
(東洋モートン(株)製“アドコート"AD−578)を乾燥
後の厚みが約3μmとなるよう塗布して、ドライラミネ
ート法により未延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ50μ
m)を接着した。
フッ素を含む酸化インジウムの厚さが、500Å,250Å,
100Å,70Å,50Åのものをそれぞれ、実施例1、2、
3、4および5とする。
実施例1〜5のインジウム1原子に対するフッ素原子
の割合は0.58であった。測定結果を表1に示す。
比較例1〜5 実施例1〜5において、C2F6ガスを混合せず、アルゴ
ンと酸素の混合ガスのみにして、実施例1〜5と同様の
条件でスパッタリングを行って、酸化インジウム層を作
製し、実施例1〜5と同様に未延伸ポリプロピレンフィ
ルムをドライラミネートしたものをそれぞれ、比較例
1、2、3、4および5とする。測定結果を表1に示
す。
実施例6〜10 二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ
50μm)を基体として、この上に反応性直流マグネトロ
ンスパッタ法により、フッ素を含む酸化インジウム酸化
錫からなる複合酸化物膜を形成した。
ターゲットはインジウムと錫の合金板(インジウムと
錫の組成比 90:10重量%、サイズ5インチ×12イン
チ)を使用し、5×10-5トール以下に真空排気した後、
アルゴン・酸素混合ガス(混合比 70:30体積%)を0.2
7/minとC3F8で示されるパーフロロアルカンガス0.05
/minを導入し、圧力を8×10-4トールとして、スパッ
タリグを行った。投入電力を2KW一定にして、フィルム
速度により、フッ素を含む酸化インジウムと酸化錫から
なる複合酸化膜の膜厚をそれぞれ500Å,250Å,100Å,70
Å,50Åのものを作製した。
次いで、これらのスパッタしたフィルムのフッ素を含
む金属酸化物が形成された側に、ポリエステル系接着剤
(東洋モートン(株)製“アドコート"AD−578)を乾燥
後の厚みが約3μmとなるように塗布して、ドライラミ
ネート法により、50μmの未延伸ポリプロピレンフィル
ムを接着した。
フッ素を含む酸化インジウム−酸化錫複合酸化物膜の
厚さが、500Å,250Å,100Å,70Å,50Åのものを、それ
ぞれ実施例6、7、8、9および10とする。
実施例6〜10のガスバリア層であるフッ素を含む複合
酸化物膜中のフッ素原子は、インジウムと錫の原子数比
の和(1原子)に対し0.71で あった。測定結果を表1に示す。
比較例6〜10 実施例6〜10において、導入混合ガスのうちC3F8ガス
を導入せず、アルゴン・酸素(混合比70:30)のみを導
入し、実施例6〜10と同様の条件でスパッタリングして
得られた酸化インジウム−酸化錫複合酸化物膜に未延伸
ポリプロピレンフィルムをドライラミネート法により接
着したものをそれぞれ比較例6、7、8、9および10と
する。測定結果を表1に示す。
表1に記載された光線透過率、表面電気抵抗、透湿度
およびピンホールの値から明らかなように、本発明を満
足する実施例1〜10の透明ガスバリアフィルムは透明性
が優れ、表面電気抵抗が高い。またピンホールが少なく
なり優れたガスバリア性を示す防湿フィルムであった。
一方、比較例1〜10はピンホールが多く、表面電気抵抗
値の低いものであった。
実施例11 (電界発光体の作製) 片面に、酸化インジウム−酸化錫の透明導電膜とアル
ミニウム箔の引き出し電極を形成した二軸延伸ポリエチ
レンテレフタレートフィルム(厚さ75μm)の透明導電
層上に、スクリーン印刷法で、シアノエチルセルロース
(40部)、銅をドープした硫化亜鉛粉末(60部)、DMF
(100部)の混合溶液を塗布乾燥して、80μmの発光層
を形成した。
この発光層の上に、スクリーン印刷法で、シアノエチ
ルセルロース(50部)、チタン酸バリウム粉末(50
部)、DMF(100部)の混合溶液を塗布乾燥して、100μ
mの高誘電率層を形成した。
次いで、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィル
ム(厚さ50μm)の片面に、アルミニウム箔(厚さ35μ
m)と引き出し電極を積層した電極層のアルミニウム箔
面と、前記の高誘電率層面とを重ね合せ、150℃で加熱
接着し、切断して、100×100mmのサイズの電界発光体を
得た。
(透明ガスバリアフィルムの作製) 二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ
50μm、幅300mm、長さ200m)の片面に、反応性スパッ
タ法でフッ素を含む酸化インジウムの膜を形成した。
反応性スパッタは、巻取式マグネトロンスパッタ装置
を使用し、インジウム板(厚さ5mm、1150×350mm)をタ
ーゲットとして、アルゴン・酸素混合ガス(混合比70:3
0容量%)を0.22/minとC2F6で示されるパーフロロア
ルカンガス0.05/minとをガスミキサーにより混合した
後、真空槽内に導入し、圧力6.0×10-4トールとし、巻
取速度を調整して膜厚が100Åのフッ素を含む酸化イン
ジウム膜を得た。得られたフッ素を含む酸化インジウム
膜の表面抵抗は108Ω/□以上であった。
次いで、このフッ素を含む酸化インジウム膜の上に、
押出しラミネート法により、厚さ50μmのエチレン−酢
ビ共重合樹脂からなるヒートシール層を積層し、透明ガ
スバリアフィルムを作製した。得られた透明ガスバリア
フィルムのガスバリア層のインジウムとフッ素の組成比
はインジウム1原子に対しフッ素が0.58原子であった。
この透明ガスバリアフィルムを実施例11とする。
(電界発光素子の作製) 前記の透明ガスバリアフィルムを2枚、ヒートシール
層が互いに内側になるようにして重ね、この間に前記の
電界発光体を挿入して、加熱プレスにより150℃で接着
して電界発光素子を得た。
次に、実施例11において、透明ガスバリアフィルムの
作製時に、C2F6ガスを導入せず、アルゴン・酸素の混合
ガス(混合比60−40容量%)を0.22/minとした以外は
実施例11と同様にして透明ガスバリアフィルムを作製し
た。この透明ガスバリアフィルムを比較例11とする。
比較例11のフッ素を含んでいない酸化インジウム層の
表面抵抗は4×103Ω/□であった。
実施例11と比較例11を用いた電界発光素子を各々50個
作製し、これらについてそれぞれ各素子の引き出し電極
に400Hz、100Vの電圧を印加し短絡テストを行った。
比較例11については50個中23個が短絡により発光しな
いか、著しく輝度が低下した。一方、本発明を満足する
実施例11は短絡不良は全く生じなかった。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図はそれぞれ本発明の透明ガスバリアフィ
ルムの1例を示す概略断面図、第4図は本発明の透明ガ
スバリアフィルムを用いた電界発光素子の1例を示す概
略断面図である。 1はプラスチックフィルム、2はガスバリア層、3は接
着層、4は有機薄膜層、5は電極層、6は誘電率層、7
は発光層、8は透明電極層である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチックフィルムから成る基体の少な
    くとも片面に、ガスバリア層を積層した透明ガスバリア
    フィルムにおいて、該ガスバリア層はInおよび/または
    Snからなる金属の酸化物層であって、かつ該金属酸化物
    層が金属1原子に対し0.05〜1.0原子のフッ素を含むこ
    とを特徴とする透明ガスバリアフィルム。
  2. 【請求項2】表面電気抵抗値が1×107Ω/□以上であ
    る請求項1記載の透明ガスバリアフィルム。
  3. 【請求項3】金属酸化物層がスパッタリングにより形成
    されてなる請求項1記載の透明ガスバリアフィルム。
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