JP2796349B2 - セラミックスの成形方法 - Google Patents

セラミックスの成形方法

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JP2796349B2 JP1101751A JP10175189A JP2796349B2 JP 2796349 B2 JP2796349 B2 JP 2796349B2 JP 1101751 A JP1101751 A JP 1101751A JP 10175189 A JP10175189 A JP 10175189A JP 2796349 B2 JP2796349 B2 JP 2796349B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はセラミックスの成形方法に関する。
〔従来の技術〕 セラミックスは耐熱性、耐食性、耐摩耗性などの特性
が優れているが、塑性変形能がほとんどなく、固くても
ろいために加工が極めて困難である。したがって、焼結
体からの切削によって製品形状とする場合もあるが、加
工コストが高くつくため、一般には焼結後の加工をほと
んど必要としないように、グリーン又は仮焼状態で成形
あるいは加工が行われている。
従来、セラミックスの成形は、製品形状、要求される
機械的特性、物理的特性、コストなどを考慮して、泥漿
鋳込成形、金型プレス成形、静水圧成形、射出成形、押
出成形、ドクターブレード成形なとが採用されていた。
これらの成形方法の中で、例えば金型プレス成形は寸
法精度がよく、生産効率が高いため多量生産には向く
が、グリーンでの密度ムラが生じやすい、硬質な金
型を必要とする、金型が高価である、高いプレス圧
が必要である、などの問題がある。一方、静水圧成形で
は金型プレス成形とは異なって圧力が均等にかかるた
め、グリーンでの密度ムラが生じにくい、安価なゴ
ム型を使用できる、などの長所があるが、金型プレス成
形に比べてグリーンの表面肌が悪く、一般に切削加工を
必要とするという短所がある。
このように成形方法に応じて一長一短がある。このた
め、セラミックスを寸法精度よく、安価に製造できるセ
ラミックスの成形方法の開発や改良が進められている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は前記問題点を解消するためになされたもので
あり、グリーンの塑性加工性を改善し、多品種少量のセ
ラミックス製品を寸法精度よく安価に製造できる成形方
法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段と作用〕
本発明のセラミックスの成形方法は、セラミックス粉
体に成形性を付与する有機材料及び第1の溶媒を加え混
合して成形した後、乾燥する工程と、該成形体をイソシ
アナートを含有する第2の溶媒に浸漬して可塑性を付与
した後、該成形体を再成形するか、又は該形成体を第2
の溶媒に浸漬して可塑性を付与した後、該成形体を再成
形すると同時にもしくは再成形した後にイソシアナート
と接触させる工程と、再成形された成形体中の有機材料
とイソシアナートとを加熱硬化させる工程とを具備した
ことを特徴とするものである。
本発明において、原料となるセラミックス粉体は、酸
化物系セラミックスでもよいし、非酸化物系セラミック
スでもよい。
本発明において、添加される有機材料は、非可塑性原
料であるセラミックス粉体に可塑性、保形性を付与し、
しかも焼結により分解し、飛散して焼結体中に残渣とし
て残らないものであることが必要である。使用される有
機材料には結合剤、可塑剤、分散剤などがある。なお、
本発明においては、これらの有機材料の全てを含んで広
義に成形バインダーと呼ぶ場合がある。これらは一般的
に以下の機能を持つことが知られている。結合剤はグリ
ーン成形体の強度を保持する機能、可塑剤は可塑性、柔
軟性を付与する機能、分散剤はセラミックス粉体と有機
材料とを混合したときの均一分散及び有機材料の溶剤の
添加量を低減させる機能を持つ。これらの有機材料は、
特に結合剤及び可塑剤は、後述するイソシアナートと反
応し得る官能基を有するものであることが必要である。
この官能基は水酸基であることが望ましい。
結合剤としては、水溶性のもの、例えばメチルセルロ
ース、ポリビニルアルコール、水溶性ウレタン、ポリメ
タクリル酸エステルの共重合体などを用いてもよいし、
有機溶媒に溶解するもの、例えばポリビニルブチラー
ル、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステ
ルなどを用いてもよい。可塑剤としては、例えばエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど
の多価アルコールが挙げられる。分散剤としては、例え
ばポリカルボン酸アンモニウム塩などのポリカルボン酸
塩、ステアリン酸エマルジョンなどが挙げられる。
本発明において、第1の溶媒としては、混合が可能な
ように、成形性を付与する有機材料を溶解させるものが
用いられる。
本発明において、第2の溶媒としては、結合剤は軟化
させるが溶解しにくく(結合剤に対する貧溶媒)、可塑
成分を溶解させる作用を有するものが用いられる。この
第2の溶媒としては、表面張力が小さく成形体に対する
ぬれ性が良好で、かつ成形体表面からの蒸発速度を任意
に調整することができ、有機材料の軟化度合を調整でき
る有機系の混合溶媒が望ましい。
本発明において、イソシアナートとしては、2,4−又
は2,6−トリレンジイソシアナート(TDI)、4,4′−ジ
フェニルメタンジイソシアナート(MDI)、ヘキサメチ
レンジイソシアナート(HMDI)など、及びこれらのイソ
シアナートをメチルエチルケトオキシムやフェノールな
どのブロック剤でキャップしたブロックイソシアナート
などが挙げられる。ブロックイソシアナートは、第2の
溶媒がアルコールのように官能基を有する溶媒を含有す
る場合、加熱硬化前に溶媒とイソシアナートとの間で反
応が起こらないようにするために用いられる。
本発明においては、以上のセラミックス粉体、有機材
料及び第1の溶媒を所定の配合比で配合し、混合した
後、ドクターブレード法、押出成形法などにより、まず
シート、線材などの単純形状の成形体に成形する。その
後、このような単純形状の成形体を乾燥し、第1の溶媒
を除去して充分に乾燥収縮した状態とする。乾燥収縮し
た成形体は、塑性加工が困難であるが、単純形状の成形
体を第2の溶媒に浸漬すれば、成形体表面の空孔などか
らセラミックス粉体粒子間に表面張力の小さい第2の溶
媒が入り込み、可塑化効果及び有機材料の軟化により成
形体に可塑性を付与することができる。このように第2
の溶媒に浸漬した後の成形体は充分な可塑性を有するの
で、肉薄のシートや線径の小さい線材でも、良好な寸法
精度で再成形することができる。また、再成形後に第2
の溶媒を蒸発させても、乾燥収縮は非常に小さく、可塑
成分が溶出するので成形体の保形性が向上する。
しかも、成形体をイソシアナートを含有する第2の溶
媒に浸漬して可塑性を付与した後、成形体を再成形する
か、又は成形体を第2の溶媒に浸漬して可塑性を付与し
た後、成形体を再成形すると同時にもしくは再成形した
後にイソシアナートと接触させ、次いで再成形体を加熱
すると、再成形された成形体中の結合剤などの有機材料
とイソシアナートとが反応する。そして、これらはウレ
タン結合、更にはアロファネート結合やビュレット結合
を介して三次元的に架橋して硬化する。その結果、成形
体が脱バインダー時に加熱を受けても、成形バインダー
が軟化することはなく、成形体は良好な保形性を維持す
る。したがって、成形体の寸法精度が向上し、セラミッ
クス製品の歩留りも向上する。
なお、イソシアナートは、結合剤及び可塑剤のうちい
ずれか一方と反応すれば、本発明の効果が得られる。ま
た、イソシアナートと有機材料とを反応させるための加
熱硬化は、独立した工程として行ってもよいし、脱バイ
ンダー時の昇温過程で行ってもよい。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を説明する。
実施例1(PSZコイルばねの製造) 部分安定化ジルコニア(PSZ)粉体100重量部、メチル
セルロース(結合剤)4重量部、グリセリン(可塑剤)
4重量部、ポリエチレングリコール(可塑剤)4重量
部、ポリカルボン酸アンモニウム塩(分散剤)0.5重量
部、水(第1の溶媒)17重量部を混合・混練した後、押
出成形機により線径2.0mmの線材に成形した。この線材
を自然乾燥して充分に乾燥収縮させた。この線材をトリ
クロルエチレン50重量%+四塩化炭素20重量%+T−65
(2,4−TDI:2,6−TDI=65:35(モル比))30重量%の混
合溶媒(第2の溶媒、コイリング溶媒)に浸漬して可塑
性を付与した。この線材を15mm径の芯棒にコイリング
し、80℃のオーブン中にて加熱した。その後、芯棒から
コイルばね形状の成形体を取り外し、脱バインダーした
後、1450℃で焼結してPSZコイルばねを製造した。この
際、成形体は充分な強度を有しており、コイルばね形状
を保持したまま芯棒から取り外すことができ、そのまま
脱バインダー及び焼結を行うことができた。
従来、セラミックコイルばねを成形する方法として、
溶媒として水を用いてセラミック粉末、結合剤、可塑剤
などを混練し、押出成形により線材を成形した後、水分
調整し、更にコイリングした後、焼成する方法が知られ
ている(特開昭62−7659号公報、特開昭62−25012号公
報)。しかし、このような方法では以下のような問題が
あった。すなわち、コイリング時の雰囲気(温度、湿度
など)によって線材のハンドリングに大きな影響が出る
ため、コイリング可能な時期が限定される。また、コイ
リング後の乾燥時に、水の蒸発に伴って乾燥収縮が起こ
り、コイル径が大きく収縮する、線切れが多発する、コ
イルの内側がつぶれて変形するなどの問題が生じる。ま
た、線材中の水分量がわずかに変化しても、コイリング
後の成形体の形状には大きなばらつきが生じる。
これに対して、本実施例では、水分を除去して充分に
乾燥収縮させた線材をコイリング溶媒に浸漬し、線材中
にコイリング溶媒が侵入してコイリングに必要な可塑性
が付与される。また、このときコイリング溶媒によって
可塑剤などの可塑成分の一部が溶出する。一方、水溶性
の結合剤(メチルセルロース)はコイリング溶媒によっ
て軟化するだけでほとんど溶解せず、膨潤もしにくい。
また、線材をコイリング溶媒中に浸漬した後、加熱する
ことにより、線材中に含有されるメチルセルロース、ポ
リエチレングリコール、グリセリン、水の水酸基とコイ
リング溶媒中のT−65のイソシアナート基とが反応し、
これらの成分が硬化する。このような方法では以下のよ
うな効果を得ることができる。
コイリング溶媒に浸漬した後には線材から可塑成分の
一部が溶出しているので乾燥後のコイルの保形性が向上
し、更にコイルの加熱後には有機材料が硬化しているの
で、脱バインダーのための昇温時のコイルの保形性も向
上する。したがって、コイルばねの寸法精度が著しく向
上し、形状ばらつきも小さく、コイルばねの歩留りを向
上することができる。
線材をコイリング溶媒に浸漬することによって線材に
可塑性を付与するので、コイリング溶媒に浸漬する前の
線材には大きな伸びが要求されず、従来よりも有機材料
及びその溶媒である水の添加量を少なくすることができ
る。しかも、線材をコイリング溶媒に浸漬すると、可塑
成分の一部が溶出する。この結果、コイリング後のグリ
ーンのコイルばねを高密度にすることができ、更に焼結
体密度の向上も期待できる。したがって、コイルばねの
歩留り及び性能を向上することできる。
所定の組成の混合溶媒など適当なコイリング溶媒を選
択することにより、線材からの可塑成分の溶出度合いや
線材からのコイリング溶媒の蒸発速度を調節することが
でき、コイリングに必要とされる線材の可塑性を長時間
維持できる。この結果、線材のハンドリング性が向上
し、線径の細い線材でも容易にコイリングできるし、D/
d(D:コイル平均径、d:線径)の小さいコイルを成形す
ることも容易になる。
従来のように線材中の水分調整を行う必要はなく、線
材を充分に乾燥させた後に第2の溶媒に浸漬して可塑性
を付与すればよいので、線材の押出成形からコイリング
までの作業を連続的に行うことができる。この場合、コ
イリングマシンを利用して金属ばねと同様な方法でコイ
リングすることもできる。この結果、作業能率が大幅に
向上する。なお、従来のようにコイリング用の芯棒とし
て、線材と同程度の熱収縮特性を有するものを用いる必
要は全くない。また、逆に充分に乾燥させた線材を保管
しておき、必要に応じて随時コイリングすることもでき
るので、多品種少量のセラミックコイルばねを製造する
のに有利であり、コストダウンも期待できる。
なお、本実施例では、イソシアナートを含有するコイ
リング溶媒中に線材を浸漬し、線材に可塑性を付与して
コイリングした後、加熱硬化させている。ただし、本発
明方法はこれに限らず、イソシアナートを含有しないコ
イリング溶媒中に線材を浸漬し、線材に可塑性を付与し
てコイリングした後、イソシアナートと反応させ、更に
加熱硬化させてもよい。線材とイソシアナートとを反応
させる方法としては、線材をイソシアナート中に浸漬す
る、線材をイソシアナートの雰囲気下に放置するなどの
方法が挙げられる。
実施例2(Si3N4コイルばねの製造) 窒化ケイ素粉体(焼結助剤含有)100重量部、メチル
セルロース(結合剤)7重量部、グリセリン(可塑剤)
5重量部、ポリエチレングリコール(可塑剤)5重量
部、ポリカルボン酸アンモニウム塩(分散剤)0.5重量
部、水(第1の溶媒)26.5重量部を混合・混練した後、
押出成形機により線径1.5mmの線材を成形した。この線
材を自然乾燥して充分に乾燥収縮させた。この線材をト
リクロルエチレン60重量%+エチルアルコール15重量%
+ブロックイソシアナート(ヘキサメチレンジイソシア
ナートをフェノールでキャップしたもの)25重量%の混
合溶媒(第2の溶媒、コイリング溶媒)に浸漬して可塑
性を付与した。この場合、ブロックイソシアナートを用
いるのは、コイリング溶媒に含有されているエチルアル
コールとイソシアナートとの反応を防止するためであ
る。この線材を15mm径の芯棒にコイリングし、180℃の
オーブン中にて加熱した。この加熱により、ブロックイ
ソシアナートからフェノールが解離してイソシアナート
が再生し、このイソシアナートとメチルセルロースなど
の成形バインダーとが反応して硬化する。その後、芯棒
からコイルばね形状の成形体を取り外し、脱バインダー
した後、1750℃で焼結し、Si3N4コイルばねを製造し
た。この場合も実施例1と同様な効果を得ることができ
た。
実施例3(Si3N4コイルばねの製造) 窒化ケイ素粉体(焼結助剤含有)100重量部、メチル
セルロース(結合剤)6重量部、グリセリン(可塑剤)
3重量部、ポプロピレングリコール(可塑剤)2重量
部、ポリエチレングリコール(可塑剤)4重量部、エチ
レングリコール(可塑剤)2重量部、ポリカルボン酸ア
ンモニウム塩(分散剤)0.5重量部、水(第1の溶媒)2
5重量部を混合・混練した後、押出成形機により線径2.3
mmの線材を成形した。この線材を自然乾燥して充分に乾
燥収縮させた。この状態では線材には可塑性がなく、コ
イリングしようとすると線切れが生じた。この線材をト
リクロルエチレン50重量%+ジクロルエチレン10重量%
+アセトン5重量%+T−65 35重量%の混合溶媒(第
2の溶媒、コイリング溶媒)に浸漬して可塑性を付与し
た。この線材を25mm径の芯棒にコイリングし、80℃のオ
ーブン中にて加熱した。この加熱により、イソシアナー
トと成形バインダーとが反応して硬化する。
一方、前記と同様にして作製した線材をイソシアナー
トを含有しないコイリング溶媒に浸漬して可塑性を付与
し、25mm径の芯棒にコイリングして乾燥した。
保形性を評価するために、これらのコイル形状の成形
体を芯棒から外し、第1図に示すように、成形体を垂直
に立てた状態で脱バインダーし、1750℃で焼結してSi3N
4コイルばねを製造し、焼結前後のコイルばね自由高さ
の変化を調べた。なお、いずれも成形体も、芯棒から外
して垂直に立てた状態では、素線径d=2.3mm、コイル
ばね内径D0=25.0mm、有効巻き数na=13.8、コイルばね
自由高さH=39.3mmであった。そして、脱バインダー後
には、イソシアナートを含有するコイリング溶媒を用い
る方法で製造されたコイルばねの自由高さは38.8mmにな
ったのに対し、イソシアナートを含有しないコイリング
溶媒を用いる方法で製造されたコイルばねの自由高さは
35.2mmになった。このように、本発明方法では脱バイン
ダー時の昇温過程で有機材料が軟化することに起因する
変形が少なく、保形性が良好であり、寸法精度の高いコ
イルばねを製造することがわかる。
実施例4(Si3N4皿ばねの製造) 窒化ケイ素粉体(焼結助剤含有)100重量部、メチル
セルロース(結合剤)7重量部、ポリエチレングリコー
ル(可塑剤)4重量部、グリセリン(可塑剤)3重量
部、ポリカルボン酸アンモニウム塩(分散剤)0.5重量
部、ポリオキシエチレン系消泡剤1重量部、水(第1の
溶媒)150重量部をボールミルで混合・混練してスラリ
ーを調製した。このスラリーを脱泡して水分調整した
後、ドクターブレード成形によりシート状の成形体を得
た。このシート状成形体を充分に乾燥収縮するまで乾燥
した結果、厚みは0.25mmとなった。このシート状成形体
を外径50mm、内径40mmの円板に打ち抜いた。この円板を
トリクロルエチレン50重量%+四塩化炭素20重量%+T
−80(2,4−TDI:2,6−TDI=80:20)30重量%の混合溶媒
(第2の溶媒)に浸漬して可塑性を付与した。この円板
をプレスにて皿形状に成形した。これを90℃のオーブン
中にて加熱した。この加熱により、イソシアナートと成
形バインダーとが反応して硬化する。その後、脱バイン
ダーした後、1750℃で焼結して第2図に示すようなSi3N
4皿ばねを製造した。
実施例5(アルミナ時計皿の製造) アルミナ100重量部、ポリビニルアルコール(結合
剤)7重量部、ポリエチレングリコール(数平均分子量
400、可塑剤)4重量部、ブチルベンジルフタレート
(可塑剤)3重量部、ポリカルボン酸アンモニウム塩
(分散剤)0.5重量部、ワックス系エマルジョン(消泡
剤)2重量部、水(第1の溶媒)60重量部をボールミル
で混合・混練した。これをドクターブレード成形により
シート状に成形した。このシート状成形体を充分に乾燥
収縮するまで乾燥した結果、厚みは1.5mmとなった。こ
のシート状成形体をトリクロルエチレン60重量%+四塩
化炭素15重量%+T−75(2,4−TDI:2,6−TDI=75:25)
25重量%の混合溶媒に浸漬して可塑性を付与した。これ
をプレスにて40mm径の時計皿形状に成形するとともに打
ち抜いた。これを90℃のオーブン中にて加熱した。この
加熱により、イソシアナートと成形バインダーとが反応
して硬化する。その後、脱バインダーした後、1600℃で
焼結して第3図(a)及び(b)に示すようなアンルミ
ナ時計皿を製造した。
実施例6(Si3N4ピストンシリンダの製造) 窒化ケイ素粉体(焼結助剤含有)100重量部、メチル
セルロース(結合剤)9重量部、グリセリン(可塑剤)
9重量部、ポリエチレングリコール(可塑剤)9重量
部、ポリカルボン酸アンモニウム塩(分散剤)0.6重量
部、水(第1の溶媒)29重量部を混合・混練した後、押
出成形機により板幅50mm、板厚5.3mmの板材を成形し
た。この板材を自然乾燥して充分に乾燥収縮させた後、
板幅4.4mmに切断して角材を得た。この角材をトリクロ
ルエチレン60重量%+ジクロルエチレン15重量%+T−
80 25重量%の混合溶媒(第2の溶媒)に浸漬して可塑
性を付与した。この角材を40mm径の芯棒に巻いてリング
状に成形し、90℃のオーブン中にて加熱した。この加熱
により、イソシアナートと成形バインダーとが反応して
硬化する。その後、リング状の成形体を芯棒から外し、
脱バインダーした後、1750℃で焼結して第4図(a)及
び(b)に示すようなSi3N4ピストンシリンダを製造し
た。第4図(a)に示すように、このピストンリングの
合い口隙間は0.35mmであった。
一方、前記と同様にして作製した角材をイソシアナー
トを含有しないコイリング溶剤に浸漬して可塑性を付与
し、40mm径の芯棒にコイリングして乾燥した。その後、
リング状の成形体を芯棒から外し、脱バインダーした
後、1750℃で焼結してSi3N4ピストンリングを製造した
ところ、合い口隙間が3.7mmに広がった。
このように、本発明方法では脱バインダー時の昇温過
程で有機材料が軟化することに起因する変形が少なく、
保形性が良好であり、寸法精度の高いピストンリングを
製造することがわかる。
実施例7(PSZコイルばねの製造) 部分安定化ジルコニア(PSZ)粉体100重量部、メチル
セルロース(結合剤)4.5重量部、グリセリン(可塑
剤)6重量部、ポリエチレングリコール(可塑剤)6重
量部、ポリカルボン酸アンモニウム塩(分散剤)0.5重
量部、水(第1の溶媒)17重量部を混合・混練した後、
押出成形機により線径5.0mmの線材を成形した。この線
材を自然乾燥して充分に乾燥収縮させた。なお、この線
材は、実施例1の場合と比較して、可塑剤を多添加して
いるので、乾燥後でも可塑性に富んでいた。その後、こ
の線材をトリクロルエチレン25重量%+エタノール15重
量%+メチルエチルケトン30重量%+ブロックT−80
(T−80のイソシアナート基をメチルエチルケトオキシ
ムでマスクしたもの)30重量%の混合溶媒(第2の溶
媒、コイリング溶媒)に浸漬してさらに可塑性を付与し
た。この線材を25mm径の芯棒にコイリングし、120℃で6
0分間、オーブン中にて加熱した。この加熱により、ブ
ロックイソシアナートからメチルエチルケトオキシムが
解離してイソシアナートが再生し、このイソシアナート
とメチルセルロースなどの成形バインダーとが反応して
硬化する。
可塑成分が多添加された線材は可塑性に富み、D/dの
小さいコイルばねの成形に適しているが、従来は成形後
の保形性に問題があった。これに対して、本実施例のよ
うにコイリングした後、成形バインダーを加熱硬化させ
れば、可塑成分が多添加された場合であっても成形後の
保形性が改善され、D/dの小さいコイルばねを寸法精度
よく、かつ高い歩留りで製造することができる。
〔発明の効果〕
以上詳述したように本発明では、まず生産効率の高い
成形方法で、板材、棒材などの単純形状のグリーンを成
形した後、更にこのグリーンを第2の溶媒に浸漬するこ
とにより、グリーンに対して積極的に塑性変形能を付与
して塑性加工し、更に塑性加工後に加熱によりイソシア
ナートと有機材料とを硬化させて製品形状の保形性を向
上させる。このような方法によれば以下のような効果を
得ることができる。
溶媒浸漬によって塑性変形能を付与したとき、グリー
ンから可塑成分の一部が溶出するため乾燥時の製品形状
の保形性が向上し、しかも乾燥収縮が非常に小さいた
め、寸法精度が向上する。また、成形バインダー中の官
能基と第2の溶媒中のインソシアナートとを反応硬化さ
せることにより、脱バインダー時の昇温に伴う成形バイ
ンダーの軟化を抑えることができる。その結果、成形バ
インダーを多添加した場合であっても、寸法精度を要求
される製品を高い歩留りで製造することができる。
例えば、再成形時に金型プレス成形を行う場合、第2
の溶媒に浸漬された成形体は可塑性を有するため、従来
のような高いプレス圧を必要とせず、硬質の金型も必要
としない、などの特長もある。
単純形状のグリーンを在庫として持ち、必要に応じて
各種形状に成形できる。
以上のように本発明方法を用いれば、多品種少量のセ
ラミックスを寸法精度よく、高い歩留りで安価に製造で
きるため、その工業的価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例3において製造されたセラミッ
クコイルばねの正面図、第2図は本発明の実施例4にお
いて製造されたセラミック皿ばねの断面図、第3図
(a)は本発明の実施例5において製造されたセラミッ
ク時計皿の平面図、同図(b)は同図(a)の断面図、
第4図(a)は本発明の実施例6において製造されたセ
ラミックピストンリングの平面図、同図(b)は同図
(a)の断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 埜村 秀 長野県駒ケ根市赤穂1170番地の3 株式 会社日発グループ中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−72706(JP,A) 特開 昭61−232263(JP,A) 特開 昭59−190255(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 35/00 - 35/22 C04B 35/622 - 35/636

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック粉体に成形性を付与する有機材
    料及び第1の溶媒を加え混合して成形した後、乾燥する
    工程と、該成形体をイソシアナートを含有する第2の溶
    媒に浸漬して可塑性を付与した後、該成形体を再成形す
    るか、又は該形成体を第2の溶媒に浸漬して可塑性を付
    与した後、該成形体を再成形すると同時にもしくは再成
    形した後にイソシアナートと接触させる工程と、再成形
    された成形体中の有機材料とイソシアナートとを加熱硬
    化させる工程とを具備したことを特徴とするセラミック
    スの成形方法。
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