JP2796300B2 - 空燃比測定用検出器 - Google Patents

空燃比測定用検出器

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JP2796300B2 JP63027518A JP2751888A JP2796300B2 JP 2796300 B2 JP2796300 B2 JP 2796300B2 JP 63027518 A JP63027518 A JP 63027518A JP 2751888 A JP2751888 A JP 2751888A JP 2796300 B2 JP2796300 B2 JP 2796300B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、空燃比測定用検出器に係り、特に、内燃機
関の制御に用い、低空燃比(リツチ領域)から高空燃比
(リーン領域)までの広範囲にわたる使用に好適な空燃
比測定用検出器に関するものである。
〔従来の技術〕
一般に、空燃比測定用検出器を用いた自動車用燃焼シ
ステムは、排気ガス中の酸素や未燃ガスの濃度を測定す
ることにより燃焼状態を把握し、燃料すなわちガソリン
の供給量と空気量を制御する回路に情報をフイードバツ
クし、空気とガソリンとの混合比、すなわち空燃比A/F
を制御するものである。
なお、空気中の酸素がガソリンともつとも効率よく反
応する空燃比が理論空燃比(A/F=14.7)である。
従来、理論空燃比を検出するストイツクセンサ、ある
いは理論空燃比以上の領域の空燃比を検出するリーンセ
ンサとしては、ガス拡散層が酸化マグネシウム(マグネ
シア)スピネル粉末を用いたプラズマ溶射により50〜45
0μmの厚さで形成されており、その気孔率は約5〜10
%、平均細孔径では水銀ポロシメータによる測定で約20
0〜500Åの性質を有するものであつた。
自動車の燃焼効率を高めるためには、燃料が多い低空
燃比の領域(リツチ領域という)から燃料が比較的少な
い高空燃比の領域(リーン領域という)まで幅広い領域
にわたつて、すなわちワイドレンジに空燃比を制御する
必要がある。
ところが、リツチ領域の空燃比を測定するためには、
上述した従来のガス拡散層より拡散抵抗を大きくする必
要が或る。その理由を、第3図,第4図,第5図により
説明する。
第3図は、排ガスの空燃比とガス成分との関係を示す
線図、第4図は、一般的な限界電流式空燃比測定用検出
器の原理説明図、第5図は、空燃比と電気特性との関係
を示す線図である。
第3図に示すように、空燃比が理論空燃比より大きい
領域、すなわちリーン領域では、排ガス中の成分はほと
んど窒素(N2)と酸素(O2)であり、未燃ガスである一
酸化炭素(CO),ハイドロカーボン(HC),水素(H2
はきわめて微量である。
この場合、O2は、第4図で示されるように、ガス拡散
層3を通つて外側の反応電極2bで触媒反応によりイオン
化し、酸素イオンO2-は固体電解質1を通り大気側へ移
動する。この際、ガス拡散層を通過するO2を律速させる
必要がある。ここで律速とは、ガス拡散層を通過するO2
の利用を制限することを意味する。このガス拡散層3に
ある程度の緻密さを要求される。反応電極2bに到達した
O2は、前述のようにイオン化するが、空燃比によつて排
ガス中の酸素濃度が異なるため、出力としては第5図に
示すように、それぞれの空燃比A/Fに対応した限界電流
値を有する特性を示す。
第5図では、横軸に電極間電圧Vをとり、縦軸にポン
プ電流Ip(mA)をとつて、それぞれの空燃比A/Fに対応
して、ポンプ電流が一定となる実線をもつて限界電流値
を示している。
この限界電流値は次の理論式(1)で表わされること
が知られている。
F:フアラデー定数 R:気体定数 T:ガスの絶対温度 S:ガス拡散層の空孔の等価断面積 l:ガス拡散層の厚さ αi:変換定数 Di:分子の拡散係数 Pi:ガス分圧 この(1)式における各項の値により第5図の限界電
流値が定まるのであるが、各定数をまとめて示すと
(1)式は(2)式のように表わされる。
C:定数 すなわち、限界電流Ip*は、ガス拡散層の緻密さに相
当する空孔の等価断面積Sとガス拡散層の厚さlによつ
て決まるものである。
ガス拡散層の厚さlが大きいと、限界電流Ip*は低く
なるが、あまり大きいと応答性や耐久性に影響するた
め、ある厚さ以下にしなければならない。そこで、限界
電流Ip*はガス拡散層の空孔の等価断面積Sに左右され
ることとなり、Sが小さいほど、すなわちガス拡散層が
緻密であるほど、Ip*は小さくなり、リツチ領域での検
出制御に有効となるものである。
リツチ領域では、第3図に示すように排ガス中の酸素
濃度は少なく、未燃ガスのCO,HC,H2が多い。したがつ
て、第4図の中のガス拡散層3にはこれらの未燃ガスが
通過し、酸素イオンO2-はリーン領域の場合とは逆に大
気側から固体電解質1を通り、外側電極2b上で未燃ガス
成分の分子の大きさは、酸素分子よりはるかに小さいた
め、ガス拡散層を通過する量を従来のガス拡散層では律
速することができず、リツチ側の制御ができなくなる。
すなわち、リツチ側の制御を行なうためには、未燃ガス
の拡散を律速しうる緻密なガス拡散層が必要となる。
こうした点を考慮し、ガス拡散層をプラズマ溶射法を
用いて密度の異なる2層構成とすることが、例えば、特
開昭53−13980号公報および特開昭53−116896号公報に
記載されている。
前者の技術では、プラズマ溶射法で酸化アルミニウム
(アルミナ)を電極に近い第1層は密に30μm、その外
側の第2層は同じ方法で粗に80μmの厚さに形成してい
る。
一方、後者の技術では、同じくプラズマ溶射法で、マ
グネシアスピネルを第1層は粗に300μm、第2層は密
に2mmの厚さに形成している。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術は、ガス拡散層の厚さや緻密さと、耐熱
性、生産性、あるいは応答性との関係について配慮され
ておらず、前者の技術では、外側の粗で厚い層が冷熱サ
イクルによつてクラツクを生じるという問題があつた。
また、後者の技術では、外側の密で厚い層を形成する
のが難しく、拡散抵抗が大きくなりすぎて応答性が悪く
なるため実用的ではなかつた。
さらに、両者ともプラズマ溶射法を用いているので生
産コストが高いという問題があつた。
本発明の目的は、最適なガスの拡散機能を有する超微
粒子被覆のガス拡散層を備え、耐熱性に優れ、かつ、応
答性が良く、リーン領域からリツチ領域まで広範囲に適
用しうる、生産性の良い空燃比測定用検出器を提供する
ことにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明に係る空燃比測定
用検出装置は、酸素イオン伝導性金属酸化物からなる個
体電解質素子の内外面に多孔質の薄膜状の電極を設け、
前記個体電解質素子の外側の電極を多孔質の電気絶縁性
金属酸化物からなるガス拡散層で覆い、前記の両電極間
に一定電圧を印加することにより前記固定電解質素子が
置かれる雰囲気中の酸素をイオン化し、かつ前記個体電
解質素子内部に拡散させ、酸素イオンの流量に対する限
界電流値を求めることにより空燃比を測定する空燃比測
定用検出器において、少なくとも前記外側の電極の全表
面を覆うべきガス拡散層を、粒径が1μm以下の電気絶
縁性金属酸化物の粒子被覆(以下、超微粒子被覆とい
う)により形成し、かつ、前記ガス拡散層の厚み方向に
対する少なくとも一部分の層の材料としてマグネシアス
ピネルを用いた。
より望ましくは、超微粒子被覆により形成されたガス
拡散層は、その層の厚み方向に対して層の緻密さを変化
させたものである。
なお付記すると、上記目的は、ガス拡散層を超微粒子
被覆により形成し、一つのガス拡散層を粗で、かつ、比
較的厚く形成し、もう一つのガス拡散層を非常に緻密で
比較的薄い層に形成することにより、達成される。
好ましい実施態様は次の通りである。
(1)超微粒子被覆により形成されたガス拡散層は、そ
の層の厚み方向に対して層の緻密さと材料の組成のいず
れかあるいは両者を変化させたものであること。
(2)超微粒子被覆により形成されたガス拡散層は、も
つとも粗な層では粒径が1μm以下、もつとも緻密な層
では粒径が0.1μm以下の電気絶縁性金属酸化物で形成
されていること。
(3)超微粒子被覆により形成されたガス拡散層は、も
つとも粗な層が外側の電極の表面上に形成され、もつと
も緻密な層が、前記の粗な層の外側に積層あるいは含浸
して形成されていること。
(4)超微粒子被覆により形成されたガス拡散層は、電
気絶縁性金属酸化物の超微粒子が分散している液体を塗
布し、乾燥後、焼結させて形成したこと。
(5)ガス拡散層のうちもつとも緻密な層を形成する電
気絶縁性金属酸化物は、酸化珪素と酸化アルミニウムと
酸化ジルコニウムのいずれかを主成分としたこと。
〔作用〕
上記のように構成された空燃比測定用検出器において
は、プラズマ溶射を用いず、超微粒子被覆によりガス拡
散層を形成しているので、そのガス拡散層は薄いにもか
かわらず気孔率が小さくて十分な拡散律速機能を発揮す
る。
この層を薄くしたことにより、ガス拡散層全体の厚さ
が薄くなり、固体電解質素子との熱膨張係数の差により
熱ひずみの発生が少なくなり、クラツクが発生しにくく
なるとともに、応答性、生産性が向上する。
本発明は、前述のように、プラズマ溶射を用いず、超
微粒子被覆によりガス拡散層を形成したことを特徴とし
ているものであるが、超微粒子を検出器に用いた例は今
までにもある。例えば、ナシヨナル テクニカル リポ
ート(National Technical Report),第26巻(1980)
の第457頁に記載されている酸化スズ超微粒子ガスセン
サがこれに該当する。しかし、これらは、超微粒子表面
が非常に活性でガスの吸着性がよいことを利用した、い
わゆる固体電解質への応用であつて、ガスの拡散律速を
目的とする本発明とは、その作用が本質的に異なるもの
である。
また、本発明に類似する例として、超微粒子をガス分
離用隔膜に用いた例が理化学研究所報告第50巻(1974)
の第141頁に記載されている。これは、混合ガスから所
望のガス成分を抽出する隔膜で、ガスがその平均自由行
程より小さい空間を通る際に、その拡散係数が空間の寸
法に依存する性質を利用したものである。
しかし、このガス分離用隔膜と、本発明のガス拡散層
とは互換性のない全く別のものである。両者の違いとし
ては、前者のガス分離用隔膜の孔径が100Å以下である
のに対し、後者(本発明)のガス分離層の空孔径は200
〜500Åである。また、使用環境は、前者の環境が清浄
な室温雰囲気であるのに対し、後者の環境は汚染された
高温雰囲気である。そして、用途も、前者がガスの選別
であるのに対し、後者はガスの流れの抑制(律速)であ
るという違いが挙げられる。なかでも、空孔の孔径の違
いが全く異なる作用をもたらすことを次に説明する。
ガスが空孔内を拡散する場合、ガスの平均自由行程よ
り孔径が小さい条件では、ガスの流れは、いわゆる分子
流となり、その拡散係数DAは次式で与えられる。
DA=9.7×103d(T/MA0.5 …(3) ここで、d:孔径 T:温度 MA:A成分分子の分子量 一方、ガスの平均自由行程より孔径が大きい条件で
は、ガスの流れは、いわゆる粘性流となり、その拡散係
数DABは次式で与えられる。
ここで、P :ガス圧力 VA:A成分分子の分子容 (3),(4)式を、先の(1)式に代入することに
より、限界電流値は、分子流では、 ここで、C1:定数 PA:A成分分子の分圧 粘性流では ここで、C2:定数 となる。
したがつて、(5),(6)式から、孔径とガスの平
均自由行程との大小関係によつて、限界電流値の温度依
存性が正負逆の相関となることがわかる。それに対し
て、孔径とガスの平均自由行程とがほぼ等しい場合は、
分子流と粘性流の中間的な流れ(中間流)となり、限界
電流値は温度に対して一定になる。
そこで、ガス分離用隔膜とガス拡散層との違いに戻る
と、孔径の違いにより、前者の内でのガスの流れは分子
流で、後者では中間流となる。よつて、ガス拡散層で
は、センサの出力の温度依存性はないが、それをガス分
離用隔膜で代用すると温度依存性が現われ、センサの使
用に不便をきたすことになる。
このように、センサのガス拡散層に超微粒子を用いた
本発明は、従来例とは全く独立になされたものであり、
かつ、従来例の組合せからも生れない独自のものであ
る。
〔実施例〕
以下、本発明の各実施例により説明する。
まず、ガス拡散層に関する一実施例を第6図を参照し
て説明する。
第6図は、本発明の一実施例に係る空燃比測定用検出
器のガス拡散層を示す要部断面図で、この検出器は自動
車の制御に用いられる。
第6図において、1は、酸素イオン伝導性金属酸化物
からなる固体電解質素子(以下単に固定電解質という)
で、本例では、この固体電解質1は酸化イツトリウム
(イツトリア)を固溶させることにより部分安定化させ
た酸化ジルコニウム(ジルコニア)である。2(2a,2b
の総称)は、固体電解質1の内外面の白金メツキされた
多孔質の薄膜状の反応電極である。外側の反応電極2b
は、先の理論式(1)における特性に影響を及ぼす空孔
断面積Sに関わるため、白金メツキの際、マスキングに
より精度良く形成されている。
3は、外側の反応電極2bを覆うように形成した電気絶
縁性金属酸化物からなるガス拡散層、4はリード電極、
6は、固体電解質1を加熱するためのヒータである。
より詳しくは、外側の反応電極2bにつながるリード電
極4は、同時にマスキングした白金メツキにより形成さ
れ、排気ガスとの反応を完全に遮断するため緻密なガラ
ス絶縁層8で覆われている。この外側にガス拡散層3が
超微粒子被覆により形成される。そこで、その超微粒子
の材質は固体電解質1とほぼ同じ熱膨張係数を有するマ
グネシアスピネルが好適である。
次に、第7図は、本発明の他の実施例に係る空燃比測
定検出器のガス拡散層を示す要部断面図である。図中、
第6図と同一符号のものは同等部分であるから、その説
明を省略する。
第7図の実施例が、第6図の実施例と異なるところ
は、ガス拡散層3Aの形成状態である。ガス拡散層3Aは、
必ずしも固体電解質1の外側の全領域を被覆する必要は
なく、少なくとも外側の反応電極2bの全表面を被覆して
いれば、本発明の目的は達せられるる 上記第6,7図の実施例における超微粒子被覆について
具体的に説明する。
まず、平均粒径1μm以下マグネシアスピネル粉末を
適当な解こう剤および結合剤を含む水に混合し、ボール
ミルで18時間以上分散させる。こうしてできた分散液に
素子をデイツピング(侵漬)し、自然乾燥させたのち、
1500℃で1時間焼成した。なお、分散液の塗布方法とし
てはデイツピング法に限らず、ハケ塗り法、スプレー
法、スピンコート法、ブレード法など、種々の方法が用
いられる。
第6,7図の実施例は、ガス拡散層が単一層からなるも
のであつたが、さらに好適には層の緻密さが厚み方向に
対して変化する構成の方がよい。
そのような複合構成のものの例を次に説明する。
第8図は、本発明のさらに他の実施例に係るガス拡散
層の複合構成を示す要部断面図であり、図中、第6図と
同一符号のものは同等部分を示す。
第8図に示す外側の反応電極2b上の第1ガス拡散層3a
は、超微粒子被覆によつて形成されたマグネシアスピネ
ルである。この第1ガス拡散層3aは比較的粗であること
が重要で、特に電極上での触媒反応と密接な関係があ
り、また検出器としての応答性を良くするために適度な
密度が必要である。その目安としては、最適な尺度では
ないが、気孔率として5〜10%程度、水銀ポロシメータ
による平均細孔径が300〜400Åである。
この上に、さらに第2ガス拡散層3bを超微粒子被覆に
より形成する。この層は特にリツチ(低空熱比)領域の
検出を行うために、未燃ガスであるCO,HC,H2の微細な分
子の拡散を制限律速させるのに好適である。
第2ガス拡散層3bの製法について次に説明する。第1
ガス拡散層3aの焼成後、平均粒径0.1μm以下(例え
ば、0.02μm)の(シリカ)粉末、あるいはアルミナ粉
末を含む液体を塗布し、乾燥後、700℃で30分焼成し
た。この工程を2回繰返すことにより、膜厚を約1μm
とした。
以上の工程により、ガスの拡散を律速し得る緻密な層
を最外層に有し、その下に適度なガス拡散層が可能で白
金電極との反応速度を迅速にするのに有効なガス拡散層
が完成する。
第8図の実施例におけるガス拡散層の複合構成は、そ
れぞれ完全に分離した2層から成る積層形のガス拡散層
であつたが、それ以外にもさまざまな複合構成によつ
て、本発明を実現することができる。
第9図ないし第12図は、いずれも本発明のさらに他の
実施例に係るガス拡散層の複合構成を示す要部断面図で
ある。
第9図の実施例は、遷移ガス拡散層の存在する例であ
る。
第1ガス拡散層3aの気孔率が高く、第1ガス拡散層3a
の材料に対する第2ガス拡散層3bの溶剤のぬれ性が良い
場合には、第1ガス拡散層3aの空孔に第2ガス拡散層3b
の材料が含浸された中間的な遷移ガス拡散層3cを形成す
ることができる。
第9図の実施例では、第1ガス拡散層3aと第2ガス拡
散層3bとの熱膨張係数が大きく異なつていても、遷移ガ
ス拡散層3cの存在によつて熱応力の集中が緩和され、耐
久性に優れたガス拡散層が形成される。
第9図の実施例の極端な例として第10図の実施例のよ
うな浸透方式も効果的である。
第10図の実施例は、第2ガス拡散層を形成すべき材料
が第1ガス拡散層3aの中に完全に含浸されたものであ
る。この場合は、第1ガス拡散層3aと遷移ガス拡散層3c
のみが存在する積層構成となる。
さらに、第10図の第1ガス拡散層が十分薄い場合は、
第1ガス拡散層全体にわたつて第2ガス拡散層を形成す
べき材料が含浸される。この場合は、第11図に示される
ように、遷移ガス拡散層3cのみから構成され、成分が深
さ方向に連続的に変化する広義の積層構成とみなすこと
ができる。この構成は耐久性についてもつとも優れてい
る。
また、あるいは第12図に示すように、第1ガス拡散層
3aと第2ガス拡散層3bとの間に第3の全く異なる材料に
よる単層あるいは多層の中間ガス拡散層3dを形成するこ
とも効果的である。この場合、中間ガス拡散層3dは、熱
膨張係数が第1ガス拡散層3aと第2ガス拡散層3bとの間
の値になるような材料にすることが有効である。製法と
しては、層の数だけデイツピング、乾燥、焼成の工程を
繰り返すことになる。
上記の各実施例のガス拡散層では、従来のプラズマ溶
射を超微粒子被覆に置き換えたことにより、コストの低
減のみならず、膜厚が薄くなり熱ひずみに対する耐久性
および応答性が向上した。また、特性のばらつきも少な
くなり歩留りが向上した。さらにガス拡散層の粗な層を
固体電解質素子本体とほぼ同じ熱膨張係数のマグネシア
スピネルで形成したことにより、熱ひずみの発生が少な
いという効果もある。
次に、このようなガス拡散層を有する限界電流式空燃
比測定用検出器の全体構成および出力特性について第1
図および第2図により説明する。
第1図は、本発明の一実施例に係る限界電流式空燃比
測定用検出器の縦断面図、第2図は、第1図の検出器に
よつて得られる出力特性図である。
第1図において、固体電解質1は栓体5に固定されて
いる。栓体5の先には、各実施例で説明した如きガス拡
散層3を排気ガス中の不純物から保護するための外筒7
が備えられてあり、また、固体電解質1の内部には素子
を600〜700℃に加熱し素子材質のジルコニアを電解質た
らしめるためのヒータ6が内蔵されている。さらに、内
側の反応電極2a、外側の反応電極2b、ヒータ6のそれぞ
れに電気的信号の取り出しや電圧を印加するためのリー
ド線9a,9b,9cが結線されている。
このようにして製作された限界電流式空燃比測定用検
出器を自動車の排気管に取付け、ヒータ6を通電して素
子本体の固体電解質1を約700℃に加熱して素子に電圧
を印加していくと、本実施例の空燃比測定用検出器の出
力特性は、第2図に実線で示す出力電圧Vのように理論
空燃比(A/F=14.7)よりリツチ領域側までリニアな出
力として空燃比を検出できることになる。従来の拡散膜
での特性は破線で示すようにリツチ領域ではA/F=12ま
での検出しかできず、より燃料濃度の高いリツチ領域で
は出力が急減するという不具合のあつたものが大幅に改
善されている。
これにより運転性に置き換えると、平地での通常走行
(40〜60km/h)ではクリーン領域制御で経済運転とな
り、山間道路などの登り坂走行ではリツチ領域制御で出
力が向上し、全体として運転性が改善できることにな
る。
また、酸素センサ(ストイツクセンサ)で3元フイー
ドバツク制御(排ガス中のCO,HC,NO制御)を行なつてい
る現行エンジンでは、コールドスタート時や、急加速時
には、空燃比A/Fが9程度までリツチになる場合がある
ため、本実施例による空燃比測定用検出器は、リーンバ
ーンエンジン(高空燃比,希薄燃焼制御用エンジン)の
みならず、現行のエンジンにおけるワイドレンジ空燃比
制御にも使用可能となり、燃費の向上、運転性の向上、
さらには安全性の向上等に有効となる波及効果がある。
このように、本発明は、燃料噴射制御に用いる空燃比
測定用の検出器に係り、特に検出素子のガス拡散層に特
徴があり、粗な層と緻密な層を超微粒子の粒径の大きい
ものと小さいもので形成した積層構成に発明のポイント
がある。
なお、前述の実施例では、ガス拡散層の粗な層にマグ
ネシアスピネル粉末を用いたが、本発明はこれに限るも
のではなく、材質には特に制限はなく、焼成後の膜が、
例えば気孔率では2〜20%,水銀ポロシメータでの平均
細孔径では200〜500Åであれば、本発明の効果を発揮す
ることができるものである。すなわち、粉末がジルコニ
ア,シリカ,チタニア,カルシア等のセラミツクスの単
体、あるいは複合粉末であつても有効である。
また、ガス拡散層の緻密な層にシリカやジルコニアや
アルミナの粉末を用いたが、これもマグネシア,チタニ
ア,カルシア等でも同じ効果が期待できることはいうま
でもない。
さらに、緻密な層を電極上に形成したのち、その外側
に粗な層を形成しても同様の効果が得られる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、最適なガスの拡散機能を有する超微
粒子被覆のガス拡散層を備え、耐熱性に優れ、かつ、応
答性が良く、リーン領域からリツチ領域まで広範囲に適
用できるので、生産性の良い空燃比測定用検出器を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例に係る限界電流式空燃比測
定用検出器の縦断面図、第2図は、第1図の検出器によ
つて得られる出力特性図、第3図は、排ガスの空燃比と
ガス成分との関係を示す線図、第4図は、一般的な限界
電流式空燃比測定検出器の原理説明図、第5図は、空燃
比と電気特性との関係を示す線図、第6図は、本発明の
一実施例に係る空燃比測定用検出器のガス拡散層を示す
要部断面図、第7図は、本発明の他の実施例に係る空燃
比測定検出器のガス拡散層を示す要部断面図、第8図
は、本発明のさらに他の実施例に係るガス拡散層の複合
構成を示す要部断面図、第9図,第10図,第11図及び第
12図は、いずれも本発明のさらに他の実施例に係るガス
拡散層の複合構成を示す要部断面図である。 1…固体電解質、2a…内側の反応電極、2b…外側の反応
電極、3,3A…ガス拡散層、3a…第1ガス拡散層、3b…第
2ガス拡散層、3c…遷移ガス拡散層、3d…中間ガス拡散
層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市川 範男 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会 社日立製作所佐和工場内 (72)発明者 上野 定寧 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会 社日立製作所佐和工場内 (56)参考文献 特開 昭53−116896(JP,A) 特開 昭64−88148(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 27/41

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸素イオン伝導性金属酸化物からなる個体
    電解質素子の内外面に多孔質の薄膜状の電極を設け、前
    記個体電解質素子の外側の電極を多孔質の電気絶縁性金
    属酸化物からなるガス拡散層で覆い、前記の両電極間に
    一定電圧を印加することにより前記固定電解質素子が置
    かれる雰囲気中の酸素をイオン化し、かつ前記個体電解
    質素子内部に拡散させ、酸素イオンの流量に対する限界
    電流値を求めることにより空燃比を測定する空燃比測定
    用検出器において、少なくとも前記外側の電極の全表面
    を覆うべきガス拡散層を、粒径が1μm以下の電気絶縁
    性金属酸化物の粒子被覆により形成し、かつ、前記ガス
    拡散層の厚み方向に対する少なくとも一部分の層の材料
    としてマグネシアスピネルを用いたことを特徴とする空
    燃比測定用検出器。
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