JP2795287B2 - 中空糸膜を用いる濾過方法 - Google Patents

中空糸膜を用いる濾過方法

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JP2795287B2 JP6719590A JP6719590A JP2795287B2 JP 2795287 B2 JP2795287 B2 JP 2795287B2 JP 6719590 A JP6719590 A JP 6719590A JP 6719590 A JP6719590 A JP 6719590A JP 2795287 B2 JP2795287 B2 JP 2795287B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は原子力発電所、火力発電所の復水あるいはヒ
ータドレン水あるいはその他用水、廃水等の不溶解性物
質を含む原水を中空糸膜モジュールを配置した濾過塔で
濾過する方法の改良に関するものである。
<従来の技術> 不溶解性物質を含む原水を濾過塔で処理し、不溶解性
物質を除去した濾過水を得る場合、近年中空糸モジュー
ルを用いる濾過塔が用いられるようになって来ている。
前記中空糸モジュールの一例を第1図に示した断面図
に基づいて、また当該中空糸モジュールを用いる濾過塔
の一例を第2図に示したフロー説明図に基づいて説明す
ると、第1図に示した中空糸モジュール1は例えば0.01
μ〜0.3μの微細孔を有する外径0.3〜4mm、内径0.2〜3m
mの中空糸膜2を100〜50,000本前後、外筒3に収納した
もので、当該各中空糸膜2の上端をその中央部を閉塞す
ることなく上部接合部4で接着し、各中空糸膜2の下端
を閉塞して下部接合部5で接着し、また外筒3の下方
部、上方部にそれぞれ流通口6Aおよび6Bを設けるととも
に、下部接合部5に開口部7を設け、さらに外筒3を下
方にやや延長させてスカート部8を設けたものである。
当該中空糸モジュール1を濾過塔に配置するにあたっ
ては、第2図に示したごとく、濾過塔9の上方部に仕切
板10を設けて当該塔内を上室Uと下室Dとに区画すると
ともに、当該仕切板10に多数本の中空糸モジュール1を
懸架する。
また濾過塔9内の下方に気泡分配機構11を配置する。
当該気泡分配機構11は気泡受け12と当該気泡受け12を貫
通する気泡分配管13とからなるもので、各中空糸モジュ
ール1のスカート部8に当該気泡分配管13を対応させて
配置した構成とする。
なお濾過塔9の上部に濾過水流出管14の一端と気体流
入管15Aの一端を連通し、また濾過塔9の下部に原水流
入管16の一端および気体流入管15Bの一端およびドレン
管18の一端をそれぞれ連通し、さらに前記仕切板10の直
下の側胴部にガス抜き管17の一端を連通する。なお19な
いし24はそれぞれ弁を示し、25はバッフルプレートであ
る。
第2図に示した濾過塔で不溶解性物質を含む原水、例
えば復水を処理する場合は、弁19および弁23を開口し
て、復水を原水流入管16から濾過塔9の下室D内に流入
する。当該復水は濾過塔9内を上昇し、大部分は各気泡
分配管13、および各中空糸モジュール1の開口部7を介
して各中空糸モジュール1内に流入し、またその一部は
濾過塔9内壁と気泡受け12との隙間を通って各中空糸モ
ジュール1の流通口6Aから同様にして各中空糸モジュー
ル1内に流入し、各中空糸膜2の外側から内側へ通過
し、その際に復水中に含まれている酸化鉄等の不溶解性
物質は膜面で捕捉される。また、濾過水は各中空糸膜2
の内側に得られ、中空糸膜2内を上昇して仕切板10の上
方の上室U内に集合され、濾過水流出管14から流出す
る。
このような濾過を続行することにより濾過塔9の差圧
が規定の値に達した際に濾過を中止して、以下の洗浄を
行う。
すなわち弁19および弁23を閉じ、下室D内に流入した
復水を、また上室U内に濾過水を満たしたまま、弁21お
よび弁22を開口し、気体流入管15Bから下室D内に圧縮
空気等の気体を流入する。当該圧縮空気は気泡となって
濾過塔9内を上昇し、気泡受け12の上方で一旦受けら
れ、気泡受け12の上部壁と気泡分配管13の下部先端間で
空気層を形成し、当該空気層および気泡分配管13の下部
先端を介して気泡の大部分は中空糸モジュール1のスカ
ート部8内に流入し、次いで開口部7を介して各中空糸
モジュール1内に流入する。当該気泡の上昇により各中
空糸膜2は振動するとともに中空糸モジュール1内の水
が撹拌され、各中空糸膜2の表面に捕捉された不溶解性
物質が剥離する。なお気泡は中空糸モジュール1の流通
口6Bから当該モジュール1外に流出し、次いでガス抜き
管17から濾過塔9外に排出する。
上述のような気泡による撹拌を充分に行った後、弁22
を開口したまま弁21を閉じ、弁20を開口して、各中空糸
膜2から剥離した酸化鉄等の不溶解性物質を含む洗浄排
水をドレン管18から抜き出す。洗浄排水を抜き出す前記
工程は水頭差を用いるものであるが、ガス抜き管17ある
いは気体流入管15Bから圧縮空気を流入して当該空気圧
を用いる急速抜き出しを行うこともできる。
洗浄廃水の抜き出しが終了した後、弁20、弁22および
弁24を開口し、その他の弁は閉じ、圧縮空気流入管15A
から圧縮空気を流入し、上室U内に存在する濾過水を当
該空気圧で各中空糸膜2内を逆流させ、各中空糸膜2の
外表面に残留している酸化鉄微粒子を、当該濾過水で洗
い落とし、その洗浄排水をドレン管18から抜き出す。
以上の説明で明らかなように、圧縮空気による撹拌、
洗浄排水のブロー、濾過水の逆流による洗浄工程が終了
した後の濾過塔9内はほぼ空の状態にある。
上記洗浄工程が終了した後、再び原水流入管16から復
水を流入させて下室D内を満水とし、引き続き前記濾過
工程を行う。
なお、使用する中空糸膜2の種類によっては中空糸膜
2の表面に捕捉された不溶解性物質を剥離させる際に、
気体流入管15Bから圧縮空気を流入する代わりに、仕切
板10の上方に付設いた気体流入管15Aから圧縮空気を流
入させ、当該空気を各中空糸膜2の内側から外側へと、
前記復水の濾過方向とは逆向きに通過させることによっ
て各中空糸膜2の表面に捕捉された不溶解性物質を剥離
させる場合もあるが、この場合も通常は下室D内に水を
保持させたまま気体を逆流させ、各中空糸膜2を通過し
た空気はガス抜き管17から排出される。また、このよう
な逆流洗浄を行った後は剥離した不溶解性物質を多量に
含む洗浄排水を下室Dから抜き出すので、洗浄工程終了
後の下室D内が一旦空になるのは前述の場合と同様であ
る。
<発明が解決しようとする問題点> しかしながら、上述したような従来の濾過方法によっ
て不溶解性物質を含む原水の処理を行うと、前記気体や
水を用いる洗浄を充分に実施し、濾過塔の差圧がほぼ元
の状態に回復したにもかかわらず、換言すれば洗浄不充
分であるとか、あるいは中空糸膜が汚染されて目詰まり
を起こしているという状況下にないにもかかわらず、洗
浄工程終了後に原水を通水した際に濾過塔の差圧が異常
に上昇してしまい、所定の濾過時間が経過しないうちに
再び洗浄を行わなければならないという現象が生じる場
合がある。しかも、このような現象が生じた濾過塔を再
度洗浄しても、その後の濾過工程において再び差圧が異
常に上昇することも多い。
本発明はこのような不具合を解消するためになされた
ものであり、濾過開始後における上述したような濾過塔
差圧の異常な上昇を確実に防止し得る濾過方法、および
差圧が異常に上昇した場合に、これを極めて簡単に回復
させ得る濾過方法を提供することを目的とするものであ
る。
<問題点を解決するための手段> 本発明者等は上述した異常の差圧上昇の原因を究明す
べく鋭意研究を重ねた結果、前記洗浄工程において、濾
過塔から不溶解性物質を多量に含む洗浄排水を抜き出し
た際に前記下室D内が空となって中空糸モジュールが大
気中に晒された時に、各中空糸膜の表面に付着している
水の表面張力によって中空糸膜同士が相互に密着し合っ
て密着集合体を形成し易いこと、しかも形成された密着
集合体は、洗浄工程終了後に、空になった下室D内に原
水を流入して満水とし、原水の濾過を開始しても破壊さ
れずに残留し易いことを見出した。
すなわち、中空糸モジュールは前述したごとく外径0.
3〜4mmというような極めて細い中空糸膜を、通常数千本
〜数万本という単位で束ねて構成されているので、各中
空糸膜が相互に密着し易いという特性を有する。この傾
向は、濾過しようとする不溶解性物質の種類や量によっ
ても異なるが、一般的には中空糸モジュールを使用して
各中空糸膜の表面がある程度汚れたりすることによって
助長される。
したがって、このように相互に密着し易い中空糸モジ
ュールを、前記したようにその洗浄工程において大気中
に露出した場合は、各中空糸膜の表面に付着している水
の表面張力によって中空糸膜同士が相互に密着し合い
(ブロッキング現象)、その結果一つの中空糸モジュー
ル内に、複数本の中空糸膜が密着してなる密着集合体が
いくつかランダムに形成されたり、あるいは中空糸モジ
ュールの中心部に上述のような密着集合体が形成され、
その周囲に密着していない中空糸膜が存在するような状
態となったりするのである。
中空糸膜を用いる濾過方法においては、本来中空糸モ
ジュールを構成している多数本の各中空糸膜のすべてが
濾過に寄与してはじめて所定の能力を発揮するのであ
り、そのためには各中空糸膜が濾過塔内の水中でそれぞ
れ自由でなければならない。したがって、上述のような
密着集合体が洗浄工程で濾過塔内を空にした際に形成さ
れ、かつ当該密着集合体がその後原水の濾過を開始して
も分散されない場合は、当然のことながら密着集合体の
内部に原水が流入しにくくなる。このような状態で濾過
を開始すると、当該密着集合体においてはその外周部で
主として原水が濾過され、密着集合体の外周部が原水中
の不溶解性物質によって急激に覆われるようになる。そ
の結果、当該密着集合体の内部には原水がほとんど流れ
なくなり、その分中空糸モジュールの見掛けの濾過面積
が減少し、よって濾過開始直後の差圧は定常時とそれ程
変わらないにもかかわらず、その後の差圧上昇が異常に
速くなるという前述したような現象が起こり得る。
そして、異常な差圧上昇の原因が上述のような密着集
合体の形成にあるとすれば、当該密着集合体を何らかの
手段で分散させるとともに分散状態を維持させたまま原
水の濾過に移行することにより、これを解消することが
できる。
本発明はこのような考えのもとになされたもので、請
求項1に記載した発明は、密着集合体を分散させる操作
を濾過開始直前に行うことにより、その後の濾過工程に
おける差圧の異常な上昇を確実に防止しようとする濾過
方法であり、その特徴とするところは、塔内を上室と下
室とに区画する仕切板に中空糸膜を多数本束ねた中空糸
モジュールを懸架してなる濾過塔の前記下室内に、不溶
解性物質を含む原水を流入して各中空糸膜の外側から内
側へ原水を通過させることにより、各中空糸膜の表面で
不溶解性物質を捕捉するとともに、各中空糸膜の内側に
得られる濾過水を上記上室から流出させる濾過工程と、
当該濾過工程終了後、各中空糸膜の表面に捕捉された前
記不溶解性物質を剥離して各中空糸膜を再生するととも
に、剥離した不溶解性物質を含む洗浄排水を下室から濾
過塔外へ抜き出す洗浄工程とを繰り返して行う中空糸膜
を用いる濾過方法において、前記洗浄工程終了後、洗浄
排水を抜き出して空になった前記下室内に水を流入させ
て当該下室内の中空糸モジュールの少なくとも一部分を
水中に浸漬せしめ、次いで当該下室内に気体を導入して
バブリングし、しかる後に下室内に前記水を保持させた
まま原水を流入して濾過を開始する点にある。
また、請求項2に記載した発明は、上記従来の濾過工
程と上記従来の洗浄工程とを繰り返して行う濾過方法に
おいて、濾過工程の途中で密着集合体の分散させる操作
を行うことにより、その後の差圧の異常な上昇を防止し
ようとする濾過方法であり、その特徴ととするところ
は、上記濾過工程の途中に、原水の流入を一旦中断する
とともに前記下室内に気体を導入してバブリングする操
作を少なくとも一回介在させ、かつ当該バブリング操作
終了後は下室から水抜きを行うことなく直ちに原水の流
入を再開して濾過を継続する点にある。
<作用> 以下に本発明の実施態様の一例を、前記した第1図に
示した中空糸モジュールおよび第2図に示した濾過塔を
用いて、原水として酸化鉄等の不溶解性物質を含む復水
を処理する場合を例として以下に説明する。
先ず、請求項1に記載した濾過方法においては、所定
の濾過工程終了後、復水の濾過を中止して以下のような
洗浄を行う。
すなわち、濾過工程において開口させていた弁19およ
び弁23を閉じ、下室D内に流入した復水を、また上室U
内に濾過水を満たしたまま、弁21および弁22を開口し、
気体流入管15Bから圧縮空気等の気体を下室D内に流入
してバブリングし、各中空糸膜2を振動させるとともに
中空糸モジュール1内の水を撹拌することによって、各
中空糸膜2の表面に捕捉された不溶解性物質を剥離し、
また気泡はガス抜き管17から濾過塔9外に排出する。
上述のような気泡による撹拌を充分に行った後、弁22
を開口したまま弁21を閉じ、弁20を開口して、各中空糸
膜2から剥離した酸化鉄等の不溶解性物質を多量に含む
洗浄排水をドレン管18から抜き出す。
洗浄排水の抜き出しを終了して下室D内を空にした
後、弁20、弁22および弁24を開口し、その他は弁を閉
じ、圧縮空気流入管15Aから圧縮空気を流入し、上室U
内に存在する濾過水を当該空気圧で各中空糸膜2内を逆
流させ、各中空糸膜2の外表面に残留している酸化鉄微
粒子を、当該濾過水で洗い落とし、その洗浄排水をドレ
ン管18から抜き出す。
以上の洗浄操作は前記した従来のそれと同じである。
このような洗浄工程を終了した後、濾過工程に移行す
る訳であるが、本発明においてはその前に以下のような
操作を行う。
すなわち、弁19および弁22を開口し、その他の弁を閉
じて、復水を原水流入管16から下室D内に流入し、当該
下室D内の水位が、当該下室D内にある中空糸モジュー
ル1の少なくとも一部分を浸漬せしめる位置に達したと
ころで弁19を閉じて復水の流入を一旦中止する。なお、
復水を流入する代わりに、予め貯留しておいた当該濾過
塔9の濾過水や純水等の水を、別に設けた配管(図示せ
ず)を介して下室D内に流入してもよい。
次いで、弁21を開口して気体流入管15Bから圧縮空気
等の気体を流入し、下室D内をバブリングする。当該圧
縮空気は気泡となって下室D内の水中を上昇し、前記し
た洗浄工程の場合と同様にして中空糸モジュール1のス
カート部8内を介して中空糸モジュール1内に流入す
る。当該気泡の上昇により各中空糸膜2を振動させると
ともに中空糸モジュール1内の水を撹拌する。当該バブ
リングにより、前記洗浄工程において下室D内を空にし
たことによって形成された密着集合体を効果的に破壊す
ることができ、各中空糸膜2を分散させることができ
る。使用済となった空気はガス抜き管17から濾過塔9外
に排出する。
なお、上記バブリングによる分散効果は下室D内の水
位が高い程、すなわち仕切板10に懸架されている中空糸
モジュール1の水と接触している部分が多い程大であ
り、したがって前記洗浄工程終了後下室D内に水を流入
させるに際しては、通常仕切板10の下方の下室D内がほ
ぼ満水となるまで流入させるとよい。
上述のようなバブリング操作を終了した後、下室D内
に水を保持させたまま、弁22を開口した状態で先ず弁21
のみを閉じ、復水を再び原水流入管16から下室D内に流
入して当該下室D内に残留する空気を追い出し、下室D
内を満水としてから弁22を閉じて弁23を開口する。そし
て、そのまま原水の流入を続行し、濾過水を濾過水流出
管14から流出して濾過を開始するが、当該濾過操作は前
記した従来の濾過操作と同じであるので詳しい説明は省
略する。
本発明においては、上述のごとく濾過工程を開始する
に先立って、予め下室D内をバブリングし、中空糸膜2
の密着集合体を分散させるとともに、当該バブリング
後、下室D内に水を保持させたまま復水の濾過を開始す
るので、バブリング操作によって分散された各中空糸膜
2が再び密着し合うということはなく、分散状態を維持
したまま濾過工程に移行することができ、よって濾過開
始後に差圧が異常に上昇するという事態を招くことはな
く、濾過塔本来の濾過能力を十分に発揮させることがで
きる。
次に、請求項2に記載した発明を詳細に説明すると、
当該発明は、上述したと同様のバブリング操作を濾過工
程の途中で行う以外は、基本的に前記した従来の濾過方
法と同じである。
すなわち、弁19および弁23を開口し、その他の弁を閉
じて原水流入管16から下室D内に復水を流入させる前記
従来の濾過工程を実施しているうちに、濾過塔9の差圧
が異常に上昇して規定の値に達した際に、あるいは差圧
の上昇傾向が定常時より著しく急であることを検知した
時点で、弁19を閉じて復水の流入を一旦中断し、その後
上室U内に濾過水を、また下室D内に復水を満たしたま
ま、弁21および弁22を開口して気体流入管15Bから圧縮
空気等の気体を流入させ、下室D内をバブリングする。
当該バブリング操作により、中空糸モジュール1内に
形成されている密着集合体が破壊されて各中空糸膜2が
分散するのは前述の場合と同様である。
このようなバブリング操作を所定時間行った後、弁21
および弁22を閉じ、次いで弁19を開口し、下室D内に前
記復水を満たしたまま原水流入管16から再び復水を流入
させて濾過を継続する。当該バブリング操作後の濾過工
程においては、差圧急上昇の原因であった密着集合体が
破壊されて各中空糸膜2が充分な分散状態となるので、
差圧が再度異常に上昇するといったことはなく、以後は
本来の濾過能力を発揮させることができる。
なお、本発明においては上記バブリング操作を行った
際に、各中空糸膜2の表面に既に捕捉されていた不溶解
性物質が剥離するが、当該不溶解性物質を含む塔内水は
上述の説明で明らかなごとく濾過塔9外へほとんど排出
されないので、このようなバブリング操作を行ったから
といって洗浄排水の排出量が従来より増加するといった
問題が生じることはなく、また剥離した不溶解性物質は
バブリング操作終了後、再び復水を流入させて濾過を開
始した際に、各中空糸膜2の表面に均等に再捕捉される
ので何ら問題とはならない。
上述したバブリング操作は、通常、濾過工程の途中で
一回行えば十分であるが、場合によっては濾過工程の途
中に二回以上介在させても差し支えない。
<効果> 以上説明したごとく、本発明の濾過方法によれば、濾
過塔内に気体を導入してバブリングし、その後中空糸モ
ジュールを水中に浸漬させた状態を維持しながら原水の
濾過に移行させるという極めて簡単な操作によって、中
空糸モジュール内の中空糸膜が相互に密着し合って集合
体を形成し、見掛けの濾過面積が減少することが原因で
濾過時の差圧が異常に上昇するという従来の欠点を効果
的に防止あるいは解消することができ、各中空糸膜の膜
面を原水の濾過に最大限有効に利用することができる。
また本発明は現在使用されている濾過塔の構造や中空
糸モジュールの構造、あるいは中空糸膜の種類を変える
ことなく簡単な運転方法の変更により、適用できる点で
も有効である。
以下に本発明の効果をより明確とするために実施例を
説明する。
実施例−1 0.2μ前後の微細孔を有する外径1.2mm、内径0.7mm、
長さ2.0mの中空糸膜を直径140mmの外筒内に4,200本束ね
て第1図に示したような中空糸モジュールを形成し、当
該中空糸モジュールを濾過塔に1本配置して、第2図に
示したフローに準じて小型実験濾過塔を構成し、以下の
実験を行った。
すなわち濾過工程を終了した後、常法により洗浄を行
って空となった濾過塔の下室内に、硫酸第1鉄塩水溶液
を苛性ソーダで中和して合成した水酸化鉄、粒径1μm
程度のαFe2O3、αFeOOH、およびFe3O4の4者を含有鉄
の量がそれぞれ3:1:1:1となるように混合した混合鉄を
中空糸膜1m2あたりの鉄付着量が4gとなる量で分散させ
た水を予め投入し、その後純水を追加して下室内をほぼ
満水とした。
次いで当該下室内に前記混合鉄を5ppm含む原水を連続
的に流入して濾過処理を行った。その結果、濾過開始後
30分で差圧上昇幅は0.3kg/cm2に達し、さらに2.5時間濾
過を続行した間に差圧上昇幅は0.5kg/cm2増加し、トー
タルの差圧上昇幅は0.8kg/cm2に達した。
そこで濾過を中断して以下のような分散操作を行い、
その後原水の濾過処理を再開した。
すなわち、濾過塔の下室内に原水を満たしたまま、当
該下室内に流速2Nm3/Hrの圧縮空気を1分間流入してバ
ブリングし、その後下室内の原水を水抜きすることなく
直ちに新たな原水を流入して濾過処理を再開した。その
結果、差圧上昇幅は濾過の再開直後で、0.4kg/cm2に低
下し、その後さらに濾過を6時間続行してもトータルの
差圧上昇幅は0.8kg/cm2にしか至らず、この間の差圧上
昇幅は0.4kg/cm2であった。
本実施例の濾過時の差圧上昇幅および前記分散操作に
より差圧が変化する様子を第3図に示した。なお図中A
は従来の洗浄操作を実施した時点を、B1、B2はそれぞれ
濾過工程を、Cは前記分散操作を実施した時点をそれぞ
れ示す。
実施例−2 実施例−1と同じ小型実験濾過塔を用い、常法により
洗浄を行い空となった下室内に実施例−1と同じ量の混
合鉄を分散させた水を、予め投入し、さらに純水を追加
して下室内をほぼ満水とした。
次いで、実施例−1と同じ流速で圧縮空気を下室内に
1分間流入してバブリングし、その後下室内に前記水を
保持させたまま実施例−1と同じ原水を下室内に流入し
て濾過処理した。その結果、濾過開始後30分の差圧上昇
幅は、0.1kg/cm2に抑えられ、さらにその後6時間濾過
を続行しても差圧上昇幅は0.4kg/cm2の増加に留まり、
トータルの差圧上昇幅は0.5kg/cm2となった。
本実施例の濾過時の差圧上昇幅が変化する様子を第4
図に示した。
第4図に示したごとく、本発明方法によった場合は従
来の濾過方法による処理結果に相当する、前記第3図に
B1濾過工程として示したような差圧の異常な上昇は見ら
れず、濾過開始当初から順調な濾過が行われていること
がわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に用いる中空糸モジュールを示す断面図
であり、第2図は本発明に用いる濾過塔のフローを示す
説明図であり、また第3図および第4図は、それぞれ実
施例−1および実施例−2における濾過時の差圧の上昇
幅が変化する様子を示したグラフであり、第3図および
第4図とも縦軸に差圧上昇幅、横軸に濾過時間を示す。 1……中空糸モジュール、2……中空糸膜 3……外筒、4……上部接合部 5……下部接合部、6……流通口 7……開口部、8……スカート部 9……濾過塔、10……仕切板 11……気泡分配機構、12……気泡受け 13……気泡分配管、14……濾過水流出管 15……圧縮空気流入管、16……原水流入管 17……空気抜き管、18……ドレン管 19〜24……弁 25……バッフルプレート D……下室、U……上室
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−93310(JP,A) 特開 平2−17924(JP,A) 特開 平2−17925(JP,A) 特開 昭61−222509(JP,A) 特開 昭62−227408(JP,A) 特開 昭63−119804(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C02F 1/44 B01D 65/02 B01D 63/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塔内を上室と下室とに区画する仕切板に中
    空糸膜を多数本束ねて中空糸モジュールを懸架してなる
    濾過塔の前記下室内に、不溶解性物質を含む原水を流入
    して各中空糸膜の外側から内側へ原水を通過させること
    により、各中空糸膜の表面で不溶解性物質を捕捉すると
    ともに、各中空糸膜の内側に得られる濾過水を前記上室
    から流出させる濾過工程と、当該濾過工程終了後、各中
    空糸膜の表面に捕捉された前記不溶解性物質を剥離して
    各中空糸膜を再生するとともに、剥離した不溶解性物質
    を含む洗浄排水を下室から濾過塔外へ抜き出す洗浄工程
    とを繰り返して行う中空糸膜を用いる濾過方法におい
    て、前記洗浄工程終了後、洗浄排水を抜き出して空にな
    った前記下室内に水を流入させて当該下室内の中空糸モ
    ジュールの少なくとも一部分を水中に浸漬せしめ、次い
    で当該下室内に気体を導入してバブリングし、しかる後
    に下室内に前記水を保持させたまま原水を流入して濾過
    を開始することを特徴とする中空糸膜を用いる濾過方
    法。
  2. 【請求項2】塔内を上室と下室とに区画する仕切板に中
    空糸膜を多数本束ねた中空糸モジュールを懸架してなる
    濾過塔の前記下室内に、不溶解性物質を含む原水を流入
    して各中空糸膜の外側から内側へ原水を通過させること
    により、各中空糸膜の表面で不溶解性物質を捕捉すると
    ともに各中空糸膜の内側に得られる濾過水を前記上室か
    ら流出させる濾過工程と、当該濾過工程終了後、各中空
    糸膜の表面に捕捉された前記不溶解性物質を含む洗浄排
    水を下室から濾過塔外へ抜き出す洗浄工程とを繰り返し
    て行う中空糸膜を用いる濾過方法において、前記濾過工
    程の途中に、原水の流入を一旦中断するとともに前記下
    室内に気体を導入してバブリングする操作を少なくとも
    一回介在させ、かつ当該バブリング操作終了後は下室か
    ら水抜きを行うことなく直ちに原水の流入を再開して濾
    過を継続することを特徴とする中空糸膜を用いる濾過方
    法。
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