JP2794193B2 - 2サイクルエンジンのシリンダブロック製造方法 - Google Patents
2サイクルエンジンのシリンダブロック製造方法Info
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- JP2794193B2 JP2794193B2 JP1127876A JP12787689A JP2794193B2 JP 2794193 B2 JP2794193 B2 JP 2794193B2 JP 1127876 A JP1127876 A JP 1127876A JP 12787689 A JP12787689 A JP 12787689A JP 2794193 B2 JP2794193 B2 JP 2794193B2
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- space
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B75/00—Other engines
- F02B75/02—Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
- F02B2075/022—Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
- F02B2075/025—Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two
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- Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、スリーブを一体に鋳込んで形成され、かつ
排気ポートに排気時期制御弁が装着される2サイクルエ
ンジンのシリンダブロックを製造する方法に関する。
排気ポートに排気時期制御弁が装着される2サイクルエ
ンジンのシリンダブロックを製造する方法に関する。
従来技術 2サイクルエンジンにおいて、ピストンと摺接するス
リーブをシリンダブロックに一体に鋳込むこと、および
排気ポートの上端部分を弁により開閉できるようにし
て、エンジン回転数に応じて排気時期を制御することは
従来知られている(例えば実開昭63−158535号公報参
照)。
リーブをシリンダブロックに一体に鋳込むこと、および
排気ポートの上端部分を弁により開閉できるようにし
て、エンジン回転数に応じて排気時期を制御することは
従来知られている(例えば実開昭63−158535号公報参
照)。
第1図および第2図はこのような従来の2サイクルエ
ンジン用シリンダブロックの一例を示す。図において01
はシリンダブロックで、スリーブ02は一体に鋳込まれて
おり、該スリーブ02にピストン03が摺接している。スリ
ーブ02には排気ポート04および掃気ポート05が設けられ
ており、シリンダブロック01にこれらに連通する排気通
路06および掃気通路07が設けられている。排気通路06の
排気ポート寄りの上部に弁格納部08が凹設されており、
この弁格納部08に排気時期制御弁09が軸010のまわりに
回転可能に設けられている。この排気時期制御弁09は排
気ポート04の上端縁部分を開閉して排気の開始、終了時
期を制御するためのものであり、その先端面09aはスリ
ーブ02の外周面に沿う円弧形の平面形状をなしている。
またスリーブ02側には弁09が軸010のまわりに揺動して
開閉動作を行うときに前記先端面09aと摺接する断面円
弧状の摺動面011が設けられている。
ンジン用シリンダブロックの一例を示す。図において01
はシリンダブロックで、スリーブ02は一体に鋳込まれて
おり、該スリーブ02にピストン03が摺接している。スリ
ーブ02には排気ポート04および掃気ポート05が設けられ
ており、シリンダブロック01にこれらに連通する排気通
路06および掃気通路07が設けられている。排気通路06の
排気ポート寄りの上部に弁格納部08が凹設されており、
この弁格納部08に排気時期制御弁09が軸010のまわりに
回転可能に設けられている。この排気時期制御弁09は排
気ポート04の上端縁部分を開閉して排気の開始、終了時
期を制御するためのものであり、その先端面09aはスリ
ーブ02の外周面に沿う円弧形の平面形状をなしている。
またスリーブ02側には弁09が軸010のまわりに揺動して
開閉動作を行うときに前記先端面09aと摺接する断面円
弧状の摺動面011が設けられている。
弁09は全開時には弁格納部08内に引込まれるが、弁格
納部08のスリーブ02の外周面に接する部分は、上端を環
状の水平な上壁012で画成され、弁09先端の奇跡013のス
リーブ02側に不必要な空間014が形成されている。これ
はシリンダブロック01の製造過程において従来不可避的
に生じていたものである。すなわち、シリンダブロック
01の鋳造時に弁格納部08に溶湯が進入しないように使用
される中子は、第1図の断面に相当する面で左右2つ割
りにされた中子造型用の型(中子型)を用いて砂で成型
されるが、成型された砂中子を取出すために中子型を左
右に分離する際、円弧状の平面形状をなす前記上壁012
に相当する面(中子型の面)は少なくとも中子型の移動
方向に平行でなければならず、この部分に該平行面から
垂下した環状部分(空間014をなくするための部分)が
存在すると、せっかく成型された砂中子が中子型の分離
に際してこの環状部分により壊されてしまうからであ
る。
納部08のスリーブ02の外周面に接する部分は、上端を環
状の水平な上壁012で画成され、弁09先端の奇跡013のス
リーブ02側に不必要な空間014が形成されている。これ
はシリンダブロック01の製造過程において従来不可避的
に生じていたものである。すなわち、シリンダブロック
01の鋳造時に弁格納部08に溶湯が進入しないように使用
される中子は、第1図の断面に相当する面で左右2つ割
りにされた中子造型用の型(中子型)を用いて砂で成型
されるが、成型された砂中子を取出すために中子型を左
右に分離する際、円弧状の平面形状をなす前記上壁012
に相当する面(中子型の面)は少なくとも中子型の移動
方向に平行でなければならず、この部分に該平行面から
垂下した環状部分(空間014をなくするための部分)が
存在すると、せっかく成型された砂中子が中子型の分離
に際してこの環状部分により壊されてしまうからであ
る。
シリンダ内の燃焼によりスリーブ02に生じた熱は、該
スリーブの外周面に密着しているアルミニウム合金製等
の熱伝導性良好なシリンダブロック本体に拡散して行
き、冷却水路015を流れる水により効果的に冷却され
る。しかしスリーブ02の排気ポート04の上縁に隣接する
部分の背後は、上記のような製造上の理由により空間01
4となっているので、シリンダブロック本体部分への熱
拡散が行われず過熱し易い。すなわちこの部分は所謂熱
ひきが悪い。
スリーブの外周面に密着しているアルミニウム合金製等
の熱伝導性良好なシリンダブロック本体に拡散して行
き、冷却水路015を流れる水により効果的に冷却され
る。しかしスリーブ02の排気ポート04の上縁に隣接する
部分の背後は、上記のような製造上の理由により空間01
4となっているので、シリンダブロック本体部分への熱
拡散が行われず過熱し易い。すなわちこの部分は所謂熱
ひきが悪い。
また、スリーブ02の前記摺動面011は制御弁09に対す
るシール面となるので、その形状、位置が弁09の先端面
09aに精密に合致し、かつ充分滑らからな面を有するよ
うに仕上げられていなければならないが、スリーブ02を
シリンダブロック01に鋳込んだ後にこの摺動面011を加
工することは不可能である。
るシール面となるので、その形状、位置が弁09の先端面
09aに精密に合致し、かつ充分滑らからな面を有するよ
うに仕上げられていなければならないが、スリーブ02を
シリンダブロック01に鋳込んだ後にこの摺動面011を加
工することは不可能である。
解決しようとする課題 従って本発明は、排気ポートの上縁に隣接するスリー
ブ部分の外周部に空間が存在せず、かつスリーブの排気
時期制御弁との摺動面が充分精密に加工されているスリ
ーブ一体鋳込型のシリンダブロックを製造できる方法を
提供しようとするものである。
ブ部分の外周部に空間が存在せず、かつスリーブの排気
時期制御弁との摺動面が充分精密に加工されているスリ
ーブ一体鋳込型のシリンダブロックを製造できる方法を
提供しようとするものである。
課題を解決するための手段および作用 本発明においては、スリーブを一体に鋳込んで形成さ
れ、かつ排気ポートに排気時期制御弁が装着される2サ
イクルエンジンのシリンダブロックが、前記スリーブに
ポート等を加工するとともに排気ポートにおける前記排
気時期制御弁との摺動面を仕上加工する工程、このスリ
ーブを、対向する面にそれぞれ、協働して前記スリーブ
を抱持するスリーブ空所と、該スリーブの前記排気ポー
トに連なる排気通路に相当する排気通路空所と、前記ス
リーブ空所に隣接して前記排気通路空所の上方に設けら
れた入子挿入用の空所とを有する、左右に分割された中
子型に挟み付けて装着する工程、前記入子挿入用空所
に、下面に前記排気通路空所に連続する排気時期制御弁
格納部に相当する弁格納部空所を設けた入子を、上方か
ら前記左右の中子型にまたがって挿入する工程、前記ス
リーブの内部、前記排気通路空所および前記弁格納部空
所に中子砂を充填する工程、次いで前記入子を上方へ抜
き出すとともに前記中子型を左右に分離させて、スリー
ブと排気通路とが一体化した中子を取出す工程、および
この中子を鋳型内に配置してスリーブが一体に鋳込まれ
たシリンダブロックを鋳造する工程を順次経て製造され
る。
れ、かつ排気ポートに排気時期制御弁が装着される2サ
イクルエンジンのシリンダブロックが、前記スリーブに
ポート等を加工するとともに排気ポートにおける前記排
気時期制御弁との摺動面を仕上加工する工程、このスリ
ーブを、対向する面にそれぞれ、協働して前記スリーブ
を抱持するスリーブ空所と、該スリーブの前記排気ポー
トに連なる排気通路に相当する排気通路空所と、前記ス
リーブ空所に隣接して前記排気通路空所の上方に設けら
れた入子挿入用の空所とを有する、左右に分割された中
子型に挟み付けて装着する工程、前記入子挿入用空所
に、下面に前記排気通路空所に連続する排気時期制御弁
格納部に相当する弁格納部空所を設けた入子を、上方か
ら前記左右の中子型にまたがって挿入する工程、前記ス
リーブの内部、前記排気通路空所および前記弁格納部空
所に中子砂を充填する工程、次いで前記入子を上方へ抜
き出すとともに前記中子型を左右に分離させて、スリー
ブと排気通路とが一体化した中子を取出す工程、および
この中子を鋳型内に配置してスリーブが一体に鋳込まれ
たシリンダブロックを鋳造する工程を順次経て製造され
る。
本発明によれば、弁格納部に相当する中子部分が、左
右に分離される中子型に上方から挿入され従って上方へ
抜くことができる入子によって形成されるので、該中子
部分に、スリーブの排気ポート上縁部分に沿う環状の凹
入部(鋳造時に溶融金属が流入する空所)が形成されて
いても、中子成型後に前記入子を上方へ抜くことによ
り、前記凹入部を損なうことなく、成型された中子を中
子型から取出すことができる。従ってこの中子を用いて
鋳造されたシリンダブロックには、排気ポートの上縁に
隣接するスリーブ部分の外周部に空間が存在せず、該ス
リーブ部分の熱ひきが良くなる。またスリーブの排気時
期制御弁との摺動面は、該スリーブがシリンダブロック
に鋳込まれる前に仕上加工を施されるので、充分精密に
加工された摺動面が得られる。
右に分離される中子型に上方から挿入され従って上方へ
抜くことができる入子によって形成されるので、該中子
部分に、スリーブの排気ポート上縁部分に沿う環状の凹
入部(鋳造時に溶融金属が流入する空所)が形成されて
いても、中子成型後に前記入子を上方へ抜くことによ
り、前記凹入部を損なうことなく、成型された中子を中
子型から取出すことができる。従ってこの中子を用いて
鋳造されたシリンダブロックには、排気ポートの上縁に
隣接するスリーブ部分の外周部に空間が存在せず、該ス
リーブ部分の熱ひきが良くなる。またスリーブの排気時
期制御弁との摺動面は、該スリーブがシリンダブロック
に鋳込まれる前に仕上加工を施されるので、充分精密に
加工された摺動面が得られる。
実施例 以下、第3図ないし第11図により本発明方法の各工程
を順次説明する。
を順次説明する。
第3図は本発明方法の第1工程を示す。この工程にお
いては、スリーブ2の素材に排気ポート4および掃気ポ
−ト5等が加工され、さらに排気ポート4の上縁に沿う
摺動面11が仕上加工される。この仕上加工は、固定され
たスリーブ2に対して前記第1,2図におけるスリーブ02
と制御弁09の軸010との関係に合致する位置に回転工具2
0(第3a図参照)の回転軸21を設定し、該回転工具20
の、摺動面11に倣って円弧形をなす刄面20aで摺動面11
を切削(研削)することにより、容易にかつ精密に行う
ことができる。
いては、スリーブ2の素材に排気ポート4および掃気ポ
−ト5等が加工され、さらに排気ポート4の上縁に沿う
摺動面11が仕上加工される。この仕上加工は、固定され
たスリーブ2に対して前記第1,2図におけるスリーブ02
と制御弁09の軸010との関係に合致する位置に回転工具2
0(第3a図参照)の回転軸21を設定し、該回転工具20
の、摺動面11に倣って円弧形をなす刄面20aで摺動面11
を切削(研削)することにより、容易にかつ精密に行う
ことができる。
次いでこのスリーブ2を、第4図および第8図に示す
ように、左右に分割された中子型22a、22bに挟み付けて
装着する。中子型22a、22bの合せ面23a、23bにはそれぞ
れ前記スリーブ2の半部を抱持するスリーブ空所部分24
a、24bが凹設され、これらの空所部分24a、24bが相合し
てスリーブ2を完全に包囲するスリーブ空所24を形成す
る。合せ面23a、23bにはまた、スリーブ2を装着した時
に該スリーブ2の排気ポート4を通じてスリーブ空所24
に連通する排気通路空所25を画成する排気通路空所部分
25a、25bがそれぞれ凹設されている。排気通路空所25の
スリーブ空所24に隣接する部分の上方は、左右の中子型
22a、22bにまたがって上方へ開口した入子挿入用空所26
となっている。スリーブ空所24に関して排気通路空所25
と反対側にはスリーブ2の掃気ポート5を通じてスリー
ブ空所24に連通する掃気通路空所27が左右の中子型22
a、22bにまたがって形成されている。
ように、左右に分割された中子型22a、22bに挟み付けて
装着する。中子型22a、22bの合せ面23a、23bにはそれぞ
れ前記スリーブ2の半部を抱持するスリーブ空所部分24
a、24bが凹設され、これらの空所部分24a、24bが相合し
てスリーブ2を完全に包囲するスリーブ空所24を形成す
る。合せ面23a、23bにはまた、スリーブ2を装着した時
に該スリーブ2の排気ポート4を通じてスリーブ空所24
に連通する排気通路空所25を画成する排気通路空所部分
25a、25bがそれぞれ凹設されている。排気通路空所25の
スリーブ空所24に隣接する部分の上方は、左右の中子型
22a、22bにまたがって上方へ開口した入子挿入用空所26
となっている。スリーブ空所24に関して排気通路空所25
と反対側にはスリーブ2の掃気ポート5を通じてスリー
ブ空所24に連通する掃気通路空所27が左右の中子型22
a、22bにまたがって形成されている。
前記入子挿入用空所26には、第8図に示すように、左
右の中子型22a、22bをスリーブ2を挟んで閉じた後、上
方から入子28が挿入される。第6図は入子28の下面図、
第7図はその中央断面図である。これらの図面から分か
るように、入子28は一側面をスリーブ2の外周面に沿う
円柱面28aとした直方体状をなし、中子型22aと中子型22
bとによって形成された前記入子挿入用空所26に密嵌状
に挿入される。入子28の下面28bには第1図の弁格納部0
8に相当する弁格納部空所29が凹設されている。ただ
し、この弁格納部空所29においては、第1図の弁格納部
08において排気ポート04の上縁に隣接する部分の背後に
形成されている空間014が、環状の突縁部30によって埋
められている。スリーブ2、中子型22a、22bおよび入子
28を上記のように組合せた後、スリーブ2内のスリーブ
空所24、排気通路空所25、この排気通路空所25に連続し
ている弁格納部空所29および掃気通路空所27に砂を充填
し、次いで入子28を上方へ抜き、中子型22a、22bを左右
に分離させると、第9図に示すようにスリーブ2と前記
充填した砂とが一体化した中子31が得られる。32は排気
通路形成部分、33は弁格納部形成部分、34は掃気通路形
成部分である。弁格納部形成部分33には前記入子28に設
けられた突縁部30によって、スリーブ2の排気ポート4
の上縁部に沿って凹入部35が形成されている。凹入部35
はスリーブ2の外周面に沿う円弧状の平面形状をなして
いるが、この部分を成型する入子28は、中子成型後上方
へスリーブ2の軸線方向へ抜かれるので、型抜きに際し
て凹入部35の形状が崩れることはない。
右の中子型22a、22bをスリーブ2を挟んで閉じた後、上
方から入子28が挿入される。第6図は入子28の下面図、
第7図はその中央断面図である。これらの図面から分か
るように、入子28は一側面をスリーブ2の外周面に沿う
円柱面28aとした直方体状をなし、中子型22aと中子型22
bとによって形成された前記入子挿入用空所26に密嵌状
に挿入される。入子28の下面28bには第1図の弁格納部0
8に相当する弁格納部空所29が凹設されている。ただ
し、この弁格納部空所29においては、第1図の弁格納部
08において排気ポート04の上縁に隣接する部分の背後に
形成されている空間014が、環状の突縁部30によって埋
められている。スリーブ2、中子型22a、22bおよび入子
28を上記のように組合せた後、スリーブ2内のスリーブ
空所24、排気通路空所25、この排気通路空所25に連続し
ている弁格納部空所29および掃気通路空所27に砂を充填
し、次いで入子28を上方へ抜き、中子型22a、22bを左右
に分離させると、第9図に示すようにスリーブ2と前記
充填した砂とが一体化した中子31が得られる。32は排気
通路形成部分、33は弁格納部形成部分、34は掃気通路形
成部分である。弁格納部形成部分33には前記入子28に設
けられた突縁部30によって、スリーブ2の排気ポート4
の上縁部に沿って凹入部35が形成されている。凹入部35
はスリーブ2の外周面に沿う円弧状の平面形状をなして
いるが、この部分を成型する入子28は、中子成型後上方
へスリーブ2の軸線方向へ抜かれるので、型抜きに際し
て凹入部35の形状が崩れることはない。
次いで、この中子31を、第10図に示すように、鋳型36
のシリンダブロック形成用空所37内の所定位置に設置
し、さらに冷却水路形成用等の他の中子38も設置して、
シリンダブロック材料例えばアルミニウム合金の溶湯39
を湯口40を通じて空所37内に注入し、スリーブ2が一体
に鋳込まれたシリンダブロックを鋳造する。
のシリンダブロック形成用空所37内の所定位置に設置
し、さらに冷却水路形成用等の他の中子38も設置して、
シリンダブロック材料例えばアルミニウム合金の溶湯39
を湯口40を通じて空所37内に注入し、スリーブ2が一体
に鋳込まれたシリンダブロックを鋳造する。
第11図はこのようにして鋳造されたシリンダブロック
1を示し、前記第1図のシリンダブロック01と同様な排
気通路6が中子31の排気通路形成部分32によって形成さ
れ、また弁格納部形成部分33によって弁格納部8が、掃
気通路形成部分34によって掃気通路7が形成され、さら
に中子38によって冷却水路15が形成されている。ただし
スリーブ2の排気ポート4の上縁に沿った部分2aの外側
には、第1図のシリンダブロック01のような空間014が
存在せず、該空間014に相当する部分はシリンダブロッ
ク材料の垂下部41によって満たされ、該垂下部41がスリ
ーブ部分2aの外周面に密着している。従ってスリーブ部
分2aの熱が垂下部41を通じてシリンダブロック本体部分
に拡散されるので、部分2aが局部的に高温になることは
ない。垂下部41は前記中子31の凹入部35に溶湯が進入し
て形成されたものであり、上述したようなシリンダブロ
ック製造方法を採用することにより、このような垂下部
41の形成が可能となる。
1を示し、前記第1図のシリンダブロック01と同様な排
気通路6が中子31の排気通路形成部分32によって形成さ
れ、また弁格納部形成部分33によって弁格納部8が、掃
気通路形成部分34によって掃気通路7が形成され、さら
に中子38によって冷却水路15が形成されている。ただし
スリーブ2の排気ポート4の上縁に沿った部分2aの外側
には、第1図のシリンダブロック01のような空間014が
存在せず、該空間014に相当する部分はシリンダブロッ
ク材料の垂下部41によって満たされ、該垂下部41がスリ
ーブ部分2aの外周面に密着している。従ってスリーブ部
分2aの熱が垂下部41を通じてシリンダブロック本体部分
に拡散されるので、部分2aが局部的に高温になることは
ない。垂下部41は前記中子31の凹入部35に溶湯が進入し
て形成されたものであり、上述したようなシリンダブロ
ック製造方法を採用することにより、このような垂下部
41の形成が可能となる。
次いで弁格納部8に第1図の排気時期制御弁09と同様
な制御弁を軸支するための軸穴10がスリーブ2を基準に
精密に位置決めされて加工される。軸穴10に支えられた
制御弁の先端面はスリーブ2に形成された摺動面11に摺
接するが、摺動面11は前述のように最初に精密に仕上加
工されているので、制御弁の先端面と摺動面11との間に
充分な密封性が確保され、ここを通ってシリンダ内のガ
スが漏洩することによるエンジン性能の低下を効果的に
防止することができる。
な制御弁を軸支するための軸穴10がスリーブ2を基準に
精密に位置決めされて加工される。軸穴10に支えられた
制御弁の先端面はスリーブ2に形成された摺動面11に摺
接するが、摺動面11は前述のように最初に精密に仕上加
工されているので、制御弁の先端面と摺動面11との間に
充分な密封性が確保され、ここを通ってシリンダ内のガ
スが漏洩することによるエンジン性能の低下を効果的に
防止することができる。
発明の効果 以上の通り、本発明方法によれば、シリンダブロック
の排気時期制御弁格納部を形成するための中子部分が、
左右に分離される中子型に上方から挿入され従って上方
へ抜くことのできる入子によって成型されるので、該中
子部分に、スリーブの排気ポート上縁部分に沿う環状の
凹入部を形成することができる。従ってこの中子を用い
て鋳造されたシリンダブロックには、排気ポートの上縁
に隣接するスリーブ部分の外周部に空間が存在せず、該
スリーブ部分の熱ひきが良くなる。またスリーブの排気
時期制御弁との摺動面は、該スリーブがシリンダブロッ
クに鋳込まれる前に仕上加工を施されるので、充分精密
に加工された摺動面が得られる。
の排気時期制御弁格納部を形成するための中子部分が、
左右に分離される中子型に上方から挿入され従って上方
へ抜くことのできる入子によって成型されるので、該中
子部分に、スリーブの排気ポート上縁部分に沿う環状の
凹入部を形成することができる。従ってこの中子を用い
て鋳造されたシリンダブロックには、排気ポートの上縁
に隣接するスリーブ部分の外周部に空間が存在せず、該
スリーブ部分の熱ひきが良くなる。またスリーブの排気
時期制御弁との摺動面は、該スリーブがシリンダブロッ
クに鋳込まれる前に仕上加工を施されるので、充分精密
に加工された摺動面が得られる。
第1図は従来の2サイクルエンジン用シリンダブロック
の縦断面図、第2図はその横断面図、第3図は本発明の
第1工程を示すスリーブの斜視図、第3a図はその上面
図、第4図は同スリーブを左右の中子型で挟着した状態
で示す上面図、第5図は一方の中子型の合せ面を示す正
面図、第6図は入子の下面図、第7図は第6図のVIIーV
II線に沿う断面図、第8図は分離状態における左右の中
子型および入子を示す斜視図、第9図は中子型および入
子によって成型された中子の縦断面図、第10図は上記中
子を組込んだ鋳型の縦断面図で、シリンダブロック鋳造
工程を示す図面、第11図は本発明方法によって鋳造され
たシリンダブロックの縦断面図である。 1……シリンダブロック、2……スリーブ、4……排気
ポート、5……掃気ポート、6……排気通路、7……掃
気通路、8……弁格納部、10……軸穴、11……摺動面、
15……冷却水路、20……回転工具、21……回転軸、22…
…中子型、23……合せ面、24……スリーブ空所、25……
排気通路空所、26……入子挿入用空所、27……掃気通路
空所、28……入子、29……弁格納部空所、30……突縁
部、31……中子、32……排気通路形成部分、33……弁格
納部形成部分、34……掃気通路形成部分、35……凹入
部、36……鋳型、37……空所、38……中子、39……溶
湯、40……湯口、41……垂下部。
の縦断面図、第2図はその横断面図、第3図は本発明の
第1工程を示すスリーブの斜視図、第3a図はその上面
図、第4図は同スリーブを左右の中子型で挟着した状態
で示す上面図、第5図は一方の中子型の合せ面を示す正
面図、第6図は入子の下面図、第7図は第6図のVIIーV
II線に沿う断面図、第8図は分離状態における左右の中
子型および入子を示す斜視図、第9図は中子型および入
子によって成型された中子の縦断面図、第10図は上記中
子を組込んだ鋳型の縦断面図で、シリンダブロック鋳造
工程を示す図面、第11図は本発明方法によって鋳造され
たシリンダブロックの縦断面図である。 1……シリンダブロック、2……スリーブ、4……排気
ポート、5……掃気ポート、6……排気通路、7……掃
気通路、8……弁格納部、10……軸穴、11……摺動面、
15……冷却水路、20……回転工具、21……回転軸、22…
…中子型、23……合せ面、24……スリーブ空所、25……
排気通路空所、26……入子挿入用空所、27……掃気通路
空所、28……入子、29……弁格納部空所、30……突縁
部、31……中子、32……排気通路形成部分、33……弁格
納部形成部分、34……掃気通路形成部分、35……凹入
部、36……鋳型、37……空所、38……中子、39……溶
湯、40……湯口、41……垂下部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 19/08 B22C 9/10 F02F 1/00 F02F 1/22
Claims (1)
- 【請求項1】スリーブを一体に鋳込んで形成され、かつ
排気ポートに排気時期制御弁が装着される2サイクルエ
ンジンのシリンダブロックを製造する方法において、 前記スリーブにポート等を加工するとともに排気ポート
における前記排気時期制御弁との摺動面を仕上加工し、 このスリーブを、対向する面にそれぞれ、協働して前記
スリーブを抱持するスリーブ空所と、該スリーブの前記
排気ポートに連なる排気通路に相当する排気通路空所
と、前記スリーブ空所に隣接して前記排気通路空所の上
方に設けられた入子挿入用の空所とを有する、左右に分
割された中子型に挟み付けて装着し、 前記入子挿入用空所に、下面に前記排気通路空所に連続
する排気時期制御弁格納部に相当する弁格納部空所を設
けた入子を、上方から前記左右の中子型にまたがって挿
入し、 前記スリーブの内部、前記排気通路空所および前記弁格
納部空所に中子砂を充填し、 次いで前記入子を上方へ抜き出すとともに前記中子型を
左右に分離させて、シリンダと排気通路とが一体化した
中子を取り出し、 この中子を鋳型中に配置してスリーブが一体に鋳込まれ
たシリンダブロックを鋳造することを特徴とする2サイ
クルエンジンのシリンダブロック製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1127876A JP2794193B2 (ja) | 1989-05-23 | 1989-05-23 | 2サイクルエンジンのシリンダブロック製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1127876A JP2794193B2 (ja) | 1989-05-23 | 1989-05-23 | 2サイクルエンジンのシリンダブロック製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02307663A JPH02307663A (ja) | 1990-12-20 |
JP2794193B2 true JP2794193B2 (ja) | 1998-09-03 |
Family
ID=14970827
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1127876A Expired - Fee Related JP2794193B2 (ja) | 1989-05-23 | 1989-05-23 | 2サイクルエンジンのシリンダブロック製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2794193B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103801657B (zh) * | 2012-11-07 | 2015-10-28 | 广西玉柴机器股份有限公司 | 四气门缸盖砂芯模具 |
-
1989
- 1989-05-23 JP JP1127876A patent/JP2794193B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02307663A (ja) | 1990-12-20 |
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