JP2794181B2 - デスチオビオチン誘導体及びそれからなる標識化剤 - Google Patents

デスチオビオチン誘導体及びそれからなる標識化剤

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JP2794181B2 JP1004393A JP439389A JP2794181B2 JP 2794181 B2 JP2794181 B2 JP 2794181B2 JP 1004393 A JP1004393 A JP 1004393A JP 439389 A JP439389 A JP 439389A JP 2794181 B2 JP2794181 B2 JP 2794181B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はデスチオビオチン誘導体及びそれからなるデ
スチオビオチン標識化剤に関する。さらに詳細には、生
化学等の分野で標識化(ラベル化)剤として有用なデス
チオビオチン誘導体及びそれを用いたデスチオビオチン
標識化剤に関する。
<従来の技術及び発明が解決しようとする課題> 従来、生化学等の分野において、生体等から得られる
微量の生化学物質の分離にアフィニティクロマトグラフ
ィーが汎用されている。アフィニティクロマトグラフィ
ーは生体系の特定の物質間の特異的相互作用を利用する
分離方法で、選択性が高く、酵素を始めとする生化学物
質の分離精製法として最適の方法である。このような相
互作用を及ぼしあう物質対には、酵素とその基質、抗原
とその抗体などの多くのものが知られており、この物質
対の一方を不溶性担体(アガロース、セルロース等)に
固定化し、他方の物質と接触させることにより、特異的
吸着体を得ることができ、次いで吸着体の結合を解離さ
せることにより目的物を高純度で得ることができる。
このようなアフィニティクロマトグラフィーの一方法
として、単離・精製をしようとする物質(以下、目的物
質という)に、特異的相互作用を及ぼしあう物質対の一
方を結合させて標識化すると共に上記物質対の他方を固
定化した不溶性担体(固相)を用い、標識化された目的
物質を固相上に固定化し、次いで該物質対間の結合を解
離して、目的物質を単離・精製する方法が知られてい
る。この方法に使用される特異的相互作用を及ぼしあう
物質対として、ビオチン−アビジンが汎用され、既に不
溶化担体としてアビジン固定化アガロース、ビオチン固
定化アガロース、またビオチン標識化剤としてビオチン
メチルエステル、ビオチンヒドラジド等が販売されてい
る。
しかしながら、ビオチン−アビジン間の相互作用は極
めて強く、上記の方法で形成されたビオチン−アビジン
結合体のビオチン−アビジン間の結合の解離が容易でな
く又その解離に苛酷な条件を必要とするため解離操作中
に目的物質が変性し易いという問題がある。
かかる問題から、ビオチンよりもアビジンとの結合性
の弱いデスチオビオチンを用いる方法が提案され、この
方法に使用される標識化剤としてデスチオビオチンスク
シンイミドエステル誘導体が知られている。このデスチ
オビオチンスクシンイミドエスエル誘導体は、目的物
質、例えば、蛋白質等のアミノ基と反応し、アミド結合
を介してデスチオビオチンを導入するものであるが、ア
ミノ基とランダムに反応する結果、目的物質1分子当り
に導入されるデスチオビオチンの数を一定とすることが
困難であり、また蛋白質の変性等を生じ易いという問題
がある。
本発明はかかる従来技術の欠点を解消するためになさ
れたもので、本発明者らが、アビジンとの結合定数が小
さく比較的緩和な条件下で解離することができると共に
目的物質を変性させることのない標識化物質を鋭意研究
した結果、本発明のデスチオビオチン誘導体が上記目的
を達成できることを見出したもので、新規なデスチオビ
オチン誘導体及びそれからなるデスチオビオチン標識化
剤を提供することを目的とする。
<課題を解決するための手段及び作用> 上記の課題を解決すべくなされた本発明は、一般式
(1) [式中、Rはアミノ基又は基: (式中、Aは低級アルキレン基を示す)] で表されるデスチオビオチン誘導体であり、また上記一
般式(1)で表されるデスチオビオチン誘導体からなる
標識化剤である。
本発明は上記の構成よりなり、デスチオビオチン−ア
ビジン間の結合定数は、ビオチン−アビジン間の結合定
数より小さいので、デスチオビオチン−アビジン間の解
離はビオチンを用いた場合に比べ、比較的緩和な条件下
で行なうことができる。また一般式(1)で表される化
合物において、Rはアミノ基であるヒドラジド化合物
は、糖を含有する目的物質へ該糖を介してデスチオビオ
チンを導入することができ、糖は目的物質の側鎖として
存在することが多いので、目的物質の立体構造等がその
まま維持されるので変性等の問題が少なく、また予め求
められた1分子当りの糖の数から導入されるデスチオビ
オチンの数を定めることも容易にできる。
また一般式(1)で表される化合物において、Rが
基: (式中、Aは前記と同じ) であるマレイミド誘導体は、目的物質中のチオール基
(−SH基)を介してデスチオビオチンを目的物質に導入
するもので、予め求められたチオール基の数から導入さ
れるデスチオビオチンの数を容易に定めることができ、
又遊離チオール基と反応するので変性の程度も少ない。
上記一般式(1)で表される化合物の基Rにおいて、
Aで示される低級アルキレン基としては、例えば、メチ
レン、メチルメチレン、エチレン、ジメチルメチレン、
トリメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルト
リメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、テトラメチ
レン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン等の炭素数1〜
6の直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物の好ましい態様として
は、デスチオビオチンヒドラジド又はN−デスチオビオ
チニル−N′−(4−マレイミドブタノイル)ヒドラジ
ンが挙げられる。
本発明の目的化合物である一般式(1)で表される化
合物は種々の方法により得ることができ、例えば、下記
反応工程式−1又は2の方法により製造することができ
る。
(式中、R及びAは前記と同じ) 上記の反応工程式において、反応工程式−1に示され
る方法は、一般式(2)で表される化合物又はそのカル
ボキシ基における反応性誘導体と一般式(3)で表され
る化合物とを反応させることにより行われる。
上記の一般式(2)で表される化合物のカルボキシ基
における反応性誘導体の例としては、エステル、酸ハロ
ゲン化物、酸無水物等が挙げられる。これらの反応性誘
導体の好適な例としては、酸ハロゲン化物(例えば、酸
塩化物、酸臭化物など);対称性酸無水物;脂肪族カル
ボン酸(例えば、酢酸、ピバリン酸など)、置換された
リン酸(例えば、ジアルキルリン酸、ジフェニルリン酸
など)のような酸との混合酸無水物;低級アルキルエス
エル(例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロ
ピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステ
ル、ペンチルエステル、ヘキシルエステルなど)、置換
されていてもよいアル(低級)アルキルエステル(例え
ば、ベンジルエステル、ベンズヒドリルエステル、p−
クロロベンジルエステルなど)、置換されていてもよい
アリールエステル(例えば、フェニルエステル、トリル
エステル、4−ニトロフェニルエステル、2,4−ジニト
ロフェニルエステル、ペンタクロロフェニルエステル、
ナフチルエステルなど)、N,N−ジメチルヒドロキシル
アミン、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキ
シフタルイミドなどとのエステル等のようなエスエルが
挙げられる。
一般式(2)で表される化合物が遊離酸の形で使用さ
れる場合には、本反応は縮合剤の存在下に行われ、ここ
で使用される縮合剤としては、例えば、N,N′−ジシク
ロヘキシルカルボジイミド、N−シクロヘキシル−N′
−モルホリノエチルカルボジイミド、N−エチル−N′
−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、塩
化チオニル、塩化オキサリル、低級アルコキシカルボニ
ルハロゲン化物(例えば、クロロギ酸エチル、クロロギ
酸イソブチルなど)等が挙げられる。
本反応は通常溶媒中で行われ、使用される溶媒として
は、この反応に悪影響を及ぼさない溶媒であればいずれ
の溶媒も用いることができ、例えば、水、例えばメタノ
ール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、
例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化
水素類、例えばクロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジ
クロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、例えばジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノ
グライム、ジグライムなどのエーテル類、例えばピリジ
ン、ピコリンなどの有機アミン類、例えばN,N−ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルモ
ルホリンなどの非プロトン性極性溶媒またはこれらの混
合溶媒等が例示される。
また本反応は塩基性化合物の存在下に行なうのがより
好ましい。該塩基性化合物としては、例えば、トリエチ
ルアミン、トリブチルアミンなどのトリアルキルアミ
ン、ピリジン、ピコリン、N,N−ジメチルアニリン、1,5
−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、1,4−ジアザビ
シクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.
0]ウンデセン−7などの有機塩基、モノトリメチルシ
リルアセトアミド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭
酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩などの無機
塩基が例示できる。
本反応において、一般式(2)で表される化合物又は
そのカルボキシ基における反応性誘導体に対する一般式
(3)で表される化合物の使用割合は、1〜5倍モル
量、好ましくは1〜3倍モル量とするのがよい。一般式
(2)で表される化合物又はそのカルボキシ基における
反応性誘導体に対する塩基性化合物の使用割合は、等モ
ル〜20倍モル量、好ましくは2〜10倍モル量とするのが
よい。反応温度は−20〜100℃、好ましくは−20〜50℃
程度において行われ、通常5分〜24時間程度で終了す
る。
前記の反応工程式−2に示される反応は、一般式(1
−a)で表される化合物に一般式(4)で表される化合
物又はそのカルボキシ基における反応性誘導体を反応さ
せることにより行われる。
一般式(4)で表される化合物のカルボキシ基の反応
性誘導体としては、前記反応工程式−1における一般式
(2)で表される化合物のカルボキシ基における反応性
誘導体と同様なものが例示される。
本反応は、反応工程式−1と実質的に同様な方法にて
行なうことができ、従って、反応条件(例えば、反応温
度、反応時間など)及び試薬(例えば、溶媒、縮合剤、
塩基性化合物など)は反応工程式−1で例示されたもの
が挙げられる。
斯くして得られた一般式(1)で表される化合物及び
一般式(1−b)で表される化合物は、例えば、溶媒抽
出、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の慣用の分離
手段で単離・精製することができる。
本発明の一般式(1)で表される化合物は、目的物質
にデスチオビオチンを導入するデスチオビオチン標識化
剤として有用である。例えば、一般式(1)において、
Rがアミノ基である化合物(即ち、一般式(1−a)で
表される化合物)は、糖を含有する目的物質に該糖を介
してデスチオビオチンを導入することができる。この導
入方法の一例をより詳細に説明すると、まず目的物質を
適宜な緩衝液に溶解し、該物質に含まれる糖の1,2−ジ
オールを酸化剤[例えば、過ヨウ素酸又はその塩(例え
ば、ナトリウム塩、カリウム塩など)、四酢酸鉛等]を
用いて酸化し、1,2−ジアルデヒドに変換した後、必要
に応じて、ゲル濾過等の慣用の手段で精製する。次い
で、得られた反応生成物に、一般式(1−a)で表され
る化合物を反応させることによりシッフ塩基が形成さ
れ、必要に応じて、再度ゲル濾過等の手段で精製するこ
とにより、デスチオビオチンで標識化された目的物質が
得られる。
また、一般式(1−b)で表される化合物は、チオー
ル基を含有する目的物質に該チオール基を介してデスチ
オビオチンを導入することができる。この導入方法の一
例をより詳細に説明すると、まず目的物質を適宜な緩衝
液に溶解し、2−メルカプトエチルアミン、2−メルカ
プトエタノール等の還元剤で該物質に含まれるジスルフ
ィド結合を還元し、還元型の目的物質に変換した後、必
要に応じて、ゲル濾過などの慣用の手段で精製する。次
いで、得られた反応生成物に、一般式(1−b)で表さ
れる化合物を反応させ、必要に応じて、再度ゲル濾過等
の手段で精製することにより、デスチオビオチンで標識
化された目的物質が得られる。
以上のように本発明の一般式(1)で表されるデスチ
オビオチン誘導体は、目的物質に容易にデスチオビオチ
ンを導入することができる。
本発明の標識化剤は、一般式(1)で表される化合物
単独で又は適当な担体と共に、この分野で慣用の方法に
て適宜な製剤形態に調製されて使用される。
<発明の効果> 本発明のデスチオビオチン誘導体及びそれからなるデ
スチオビオチン標識化剤によれば、目的物質に容易にデ
スチオビオチンを導入することができ、また導入された
デスチオビオチンの数を定めることが容易であると共に
目的物質の変性が少ないという効果を奏する。
<実施例> 以下、実施例、試験例及び比較例に基づいて本発明を
より詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
実施例1 デスチオビオチンヒドラジド(以下、DBHZという)の合
成 メタノール(10ml)を−10℃に冷却し、撹拌しながら
塩化チオニル(1ml)を徐々に添加した。10分後、デス
チオビオチン(1g)を加え、室温で一夜放置した。溶媒
を減圧留去し、乾固させた。メタノール(10ml)を添加
し、溶媒を留去して乾固させる操作を2回繰り返した。
得られた残渣にメタノール(5ml)を添加して溶解した
後、抱水ヒドラジン(1ml)を加えて一夜撹拌した。生
成した沈殿物を濾取し、ジエチルエーテル(10ml)で洗
浄した後、ジメチルホルムアミドから再結晶し、標記目
的化合物(0.65g:収率61%)を得た。
融点:212±2℃(分解) 元素分析:C10H20O2N4として、 C H N 計算値: 61.19 10.27 28.54 実測値: 60.98 10.53 28.49 実施例2 N−デスチオビオチニル−N′−(4−マレイミドブタ
ノイル)ヒドラジン(以下、DBMalという)の合成 ジメチルホルムアミド(10ml)にN−(γ−マレイミ
ドブチリルオキシ)スクシンイミド(280mg)を溶解し
た後、デスチオビオチンヒドラジド(280mg)を添加
し、室温で一夜撹拌した。次いで、1N−塩酸(2ml)を
加え、4℃で放置し、生成した結晶を濾取した後、0.1N
−塩酸(20ml)とジエチルエーテル(20ml)で洗浄し、
標記目的化合物(212mg:収率44%)を得た。
融点:220±2℃(分解) 元素分析:C18H27O5N5として、 C H N 計算値: 68.98 8.68 22.34 実測値: 68.21 9.01 22.78 上記で得られたDBMal(3.9mg)を秤量し、N,N−ジメ
チルホルムアミド(100μ)に溶解した後、0.1Mリン
酸ナトリウム緩衝液pH7にて希釈し全量を10mlとした。
このようにして調製した溶液の吸収スペクトルを分光光
度計で測定したところ、波長302nmに極大吸収を示し、
その吸光度は0.57であった。
試験例1 DBHZによるペルオキシダーゼの修飾 西洋ワサビペルオキシダーゼ(1mg)を0.1Mリン酸ナ
トリウム緩衝液pH7(1ml)に溶解し、10mM過ヨウ素酸ナ
トリウムを加えた後、0℃に冷却し30分間反応させた。
反応終了後、SephadexG−25カラムに通し、ペルオキシ
ダーゼ画分を集め、DBHZ(0.2mg)を加えて室温で2時
間反応させ、再度SephadexG−25カラムに通し、ペルオ
キシダーゼ画分を集めた。集めたペルオキシダーゼ画分
のペルオキシダーゼ濃度は、波長403nmの吸光度を測定
し、次式より求めた。
ペルオキシダーゼ濃度(モル/)= 吸光度÷2.275÷40,000 なお、上記式中、2.275は波長403nmにおけるペルオキ
シダーゼ(1g/)の吸光度であり、40,000はペルオキ
シダーゼの分子量である。
また、導入されたデスチオビオチンの定量を、グリー
ンの方法(N.M.Green,Methods in Enzymology,Vol.18,p
p418−424,1970)に準じて、アビジン−HABA(4−ヒド
ロキシベンゼン−2′−カルボン酸)試薬を用いた波長
500nmにおける比色法により行ない、ペルオキシダーゼ
1分子当りに導入されたデスチオビオチンの分子数を求
めた。
その結果、上記方法により得られたペルオキシダーゼ
1分子当り、3.1個のデスチオビオチンが導入されてお
り、DBHZは有用な標識化剤であることが判った。
試験例2 DBMalによる抗体の修飾 抗ヒトアルファフェトプロテイン(AFP)モノクロー
ナル抗体(A4)(5mg)を0.1M酢酸緩衝液pH4(1ml)に
溶解し、ペプシン(0.5mg)を添加し、37℃で5時間反
応させた。反応終了後、TSKゲルG3000SWGにてF(a
b′)画分を分離精製した。分離精製したF(ab′)
を、0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液pH6.0に1mMEDTAを加
えた緩衝液に溶解し、10mMの2−メルカプトエチルアミ
ンを加えて室温で1.5時間反応させた。反応終了後、Sep
hadexG−25カラムにて過剰の2−メルカプトエチルアミ
ンを除去し、還元型のFab′−SHを得た。得られたFab′
−SH(1mg)に、DBMal(0.1mg)をN,N−ジメチルホルム
アミド(10μ)に溶解した溶液を加えて室温で2時間
反応させた。反応終了後、SephadexG−25カラムにて過
剰のDBMalを除去し、Fab′−デスチオビオチン複合体を
得た。得られたFab′−デスチオビオチン複合体のFab′
量は、波長280nmの吸光度を測定し、次式より求めた。
Fab′量(モル/)=吸光度÷1.5÷50,000 なお、上記式中、1.5は波長280nmにおける抗体Fab′
(1g/)の吸光度であり、50,000は抗体Fab′の分子量
である。
また、Fab′−デスチオビオチン複合体のデスチオビ
オチン含量を試験例1と同様にして定量したところ、Fa
b′1分子当り、0.96個のデスチオビオチンが結合して
おり、DBMalは有用な標識化剤であることが判った。
比較例 試験例2で得られたデスチオビオチン化抗ヒトAFP抗
体Fab′画分(以下、Fab′−DBという)と、市販のデス
チオビオチン−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル
を用いて抗ヒトAFP抗体F(ab′)画分を標識化した
F(ab′)−デスチオビオチン複合体[以下、F(a
b′)−DBという]の抗体性能比較試験を行なった。
なお、上記F(ab′)−DBは、試験例2で得られた
F(ab′)(0.1mg)を0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液p
H7.0に溶解し、デスチオビオチン−N−ヒドロキシスク
シンイミドエステル(0.1mg)をN,N−ジメチルホルムア
ミド(10μ)に溶解した溶液を添加して室温で2時間
反応させ、反応終了後、SephadexG−25カラムにて過剰
のデスチオビオチン−N−ヒドロキシスクシンイミドエ
ステルを除去して調製した。得られたF(ab′)−DB
中のデスチオビオチン含量を試験例2と同様にして求め
たところ、F(ab′)21分子当り4.36個のデスチオビオ
チンが結合していた。
市販マイクロタイタープレートに、ヒトAFPを10μg/m
lの濃度となるように10mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7で
溶解した溶液(100μ)を分注し、2〜8℃で一夜放
置した。次いで、液を除去し、1%(W/V)ウシ血清ア
ルブミンを含む10mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7(200μ
)を分注したのち一夜放置した。液を除去した後、F
(ab′)−DBとFab′−DBとの性能を比較するため
に、F(ab′)−DB及びFab′−DBをそれぞれ0.1mg/m
lとなるように0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液pH7で調製
し、その0.1mlをマイクロタイタープレートの各ウェル
に添加した。室温で1時間反応した後、反応液を除去
し、0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液pH7(200μ)で3回
洗浄し、次いで、市販の西洋ワサビペルオキシダーゼ標
識アビジン溶液(100μ)を添加して30分間反応させ
た。反応後、0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液pH7(200μ
)で3回洗浄し、0.1Mクエン酸緩衝液(pH5)に5mM過
酸化水素と5mMオルト−フェニレンジアミンを溶解した
溶液(100μ)を加えて室温で30分間反応後、2N−硫
酸(100μ)を添加して反応を停止させた。各ウェル
の吸光度を波長492nmで測定し、第1表に示される結果
を得た。
第1表から明らかなように、Fab′−DBの方がF(a
b′)−DBよりも大きな吸光度が得られ、抗体の活性
がより大きいことが判る。従って、DBMalで標識化した
抗体は、デスチオビオチン−N−ヒドロキシスクシンイ
ミドエステルで標識化した抗体よりも抗体活性が損なわ
れないという利点があることが判る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 33/547 G01N 33/547 (72)発明者 日裏 久英 兵庫県加古川市加古川町中津115番地の 7 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 233/00 - 233/96 C07D 403/00 - 403/12 CAS ONLINE

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) [式中、Rはアミノ基又は基: (式中、Aは低級アルキレン基を示す)] で表されるデスチオビオチン誘導体。
  2. 【請求項2】請求項1記載の一般式(1)で表されるデ
    スチオビオチン誘導体の少なくとも1つの化合物からな
    るデスチオビオチン標識化剤。
  3. 【請求項3】デスチオビオチンヒドラジド又はN−デス
    チオビオチニル−N′−(4−マレイミドブタノイル)
    ヒドラジンからなる請求項2記載のデスチオビオチン標
    識化剤。
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EP2479268B1 (en) 2009-09-17 2020-11-04 JSR Corporation Dissociation method and dissociation agent for avidin and biotinderivatives

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JPH02184677A (ja) 1990-07-19

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