JP2793683B2 - 鋳型の造型法及び造型機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、順次に到着する型枠により鋳型を造型する
方法、それも、各型枠が、移送装置内に配置された元型
板保持体により供給路から取出されて上方へ送られ、充
填枠を連行しながら充填ステーションへ到着し、充填後
に降下し、移送装置により圧縮装置の下へ送られ、次い
でこの装置のなかへ上行し、圧縮されて再び下降し、分
離され、送出路を介して送出される形式のものに関す
る。

［従来の技術］ 元型板が連続的に交換される鋳型造型設備では、たと
えばDE−OS3713937によって、型枠の充填と圧縮を空間
的に離れたステーションで行うことが公知である。こう
することにより、型枠の充填と他の型枠の圧縮とが同時
に実施できるので、設備の生産効率は相応に高くなる。
しかし、型込ユニットを揃えるのに費やされる時間、ず
なわち元型板、型枠、充填枠を上下に重ね合わせたり、
これらの部品を引続き分離する時間は、依然として長く
かかる。加えて、公知の設備は、補助容器を必要とし、
この補助容器の体積は、ほぼ、型枠と充填枠とにより形
成される型容積に合致し、この補助容器があるために、
元型板保持体の大きな行程運動が必要となる。言いかえ
ると、相応に大きな、高価な昇降テーブルを用いて作業
せねばならない。

［発明が解決しようとする課題］ それゆえ、本発明の根底をなす課題は、冒頭に述べた
特徴をもつ鋳型を造型する方法と造型機を改良し、一方
では、時間当り効率をより高くし、他方では、設備費用
を低減することにある。

［課題を解決するための手段］ 方法の面では、この課題は本発明により次のようにす
ることで解決された。すなわち、充填枠は、圧縮工程
後、型枠が送出路へ取りのけられる前に、型枠から分離
され、別々に充填ステーションへ移送されるようにした
のである。

こうすることにより、次のような利点が得られる。す
なわち、充填準備されている、次に続く型枠が、充填ス
テーションへ上行中に充填枠が揃えられ、付加的な上行
運動なしに直接に充填できる利点である。元型板保持
体、型枠、充填枠を重ね、充填ステーションへ上行させ
る工程が、したがって、単一の作業行程で行われる。

更に、別の利点は、下降行程のさい、圧縮ステーショ
ンで既に型枠が充填枠から分離されて、送出路へ取りの
けられる点である。

この方法を実施する造型機の面では、本発明によれ
ば、元型板用の移送ユニットの上方に、充填枠用の別の
移送装置が配置されている。この移送ユニットは、調節
可能な保持部材を必要とし、これらの保持部材は、充填
枠がその移送路を上行運動するさいには保持位置へ移動
し、その移送路から出れば休止位置へ移動することがで
きる。これにより、充填ステーションの充填枠は、移送
装置から上方へ取出されるが、充填工程後には移送装置
のところを通過し、下降することができ、かつまた、充
填枠は、同じように圧縮ステーション内で先ず移送装置
のそばを通過するが、圧縮工程後に移送装置により保持
され、型枠から分離されることが可能となる。

充填枠用の移送装置が直線状に延びる交換ユニット又
は旋回アームとして構成できるのに対し、元型板保持体
の移送ユニットの場合は、回転交換器、特に回転テーブ
ルが勧められる。同時に、型枠は、この移送ユニットに
より、到着するローラコンベアと送出ローラコンベアと
の間を搬送される。

［実施例］ 本発明のその他の特徴と利点は、請求項２以下の記載
から明らかであるが、更に、図示の実施例についての以
下の説明により明らかにされる。

第１図に示したように、充填ステーション２と圧縮ス
テーション３とが共通の架構に組付けられている。図平
面に対し垂直に延びるローラコンベア4,5は空の型枠６
の供給と型込みされた型枠７の送出にそれぞれ役立って
いる。これらのローラコンベアは、充填ステーションと
圧縮ステーションの区域で側方へ開くので、型枠は妨げ
られることなしに垂直方向へ移送可能である。この移送
は充填ステーションに配属された昇降テーブル８と、圧
縮ステーションに配属されているため、より頑丈に構成
された昇降テーブル９とにより行われる。

これら２つの昇降テーブルの間の中央に回転テーブル
10が支承されている。この回転テーブル10には180゜ず
らされて元型板保持体11,12用の２つの受容部が含まれ
ている。

回転テーブル10の上方には、このテーブル10と同心的
に充填枠14用の移送装置13が配置されている。この移送
装置13は、充填枠14を圧縮工程後に充填ステーション２
へ運び戻す。その構造については後述する。

第１図には、最後に、充填ステーションの上方区域に
砂容器15が示されている。この砂容器15は、昇降テーブ
ル８の上方に配置されており、下側にヒンジ止めの底部
又は類似の底部が形成され、砂を型枠及び充填フレーム
に注入することができる。

圧縮ステーション３には、圧力容器16が配置され、充
填された砂が口の形式で圧力パルスにより圧縮される。
しかし、本発明の枠内において、その代わりに、機械式
又はその他任意の圧縮形式を選ぶことができる。

次に装置の機能について述べる： ローラコンベア４を介して公知の形式で空の型枠６が
充填ステーションへ送入せしめられる。昇降テーブル８
は、元型板保持体11を回転テーブル10から引出し、型枠
６をローラコンベア４から受取り、次いで充填枠14を移
送装置13から受取って、重ねられたこれら部品とともに
砂容器15のすぐ下側へ移動する。元型板保持体11・型枠
６・充填枠14から成る型容積に砂を充填する間、ローラ
コンベア４と移送装置13の保持部材は外方へ旋回せしめ
られ、型込ユニットは、妨げられることなく再び回転テ
ーブル10上へ降下することができる。

移送装置13と充填枠14との間の保持部材を、第４図と
第５図について説明する。移送装置は２つの平行な旋回
アーム13a,13bから成り、双方の旋回アームの間隔は、
充填枠14の長さよりいくらか長い。双方の部品を解離可
能に結合するため、旋回アームのところに水平旋回可能
な保持部材17,18が取付けられており、充填枠の突起19,
20と対応している。

第４図は、これらの保持部材17,18が戻されて休止位
置にあるところを示したもので、この位置では、充填枠
は妨げられることなく垂直移動可能である。

これに対し、第５図には、保持位置へ旋回させられた
保持部材18が示してある。保持部材18の穴18aには突起2
0の案内ピン20aが上から差込まれている。これにより充
填枠は形状接続的に保持されるが、昇降テーブル８によ
り上方へ取外されることができる。

保持部材17,18の操作は、たとえば空気式シリンダに
より行うことができる。この空気式シリンダは装置の自
動逐次制御装置に組込んでおく。別の駆動装置を用いて
も差支えない。

充填工程ののち、保持部材17,18は、第４図に示した
位置へ戻され、ローラコンベア４も旋回して離れる結
果、昇降テーブル８は型込ユニット全体とともに下降す
ることができる。その後で型込ユニットは、回転テーブ
ルにより180゜旋回せしめられて圧縮ステーションへ移
送され、同時に移送装置13は、前に圧縮済みの型枠７か
ら外された充填枠14を充填ステーションへ戻す一方、充
填ステーションに新しい空の型枠が走入せしめられる。

充填された型込ユニットは、今度は、昇降テーブル９
により上方へ移送される。そのさい、ローラコンベア５
と圧縮ステーション内の、旋回アーム13a,13bの保持部
材とは外方へ旋回させておく。型込ユニットは、次いで
圧力容器16に対して押付けられ、それにより圧力インパ
ルスを解発することができる。この間に保持部材17,18
は圧縮ステーション内でこの保持位置へ移動し、ローラ
コンベア５も再び内方へ旋回する。これにより昇降テー
ブル９の下降時に先ず充填枠14が旋回レバー13により掴
まれ、型枠７から分離され、この結果、終りには元型板
保持体12だけが回転テーブル10の受容部へ戻される。

圧縮ステーションでの上記行程運動とほぼ同時に、冒
頭に述べた、次の型枠をともなった充填ステーションで
の行程運動が繰返される。この型枠は、予め圧縮ステー
ションから旋回して来た充填枠と一揃いにされる。

上記の機能過程は次のことを示している。すなわち、
移動装置13による充填枠の分離移送にもとづいて、一方
では元型板保持体・型枠・充填枠の積重ねと充填が、他
方では、圧縮と前記部品の分離が、それぞれ１回の行程
運動で実施でき、常に同時に、２つの型枠が充填ステー
ションと圧縮ステーションで処理されるようになったこ
とを示している。本発明による、鋳型の造型機では、こ
れにより、公知形式の場合より著しく高い時間当り効率
が達成される。加えて、この造型機は、構成部品のが問
題のない、原則として有効性の認められた部品であるこ
とを特徴としている。

本発明による造型機は、実施例の場合のような通常の
造型機で上下の型枠が交互に到着する形式にも適してい
れば、複式の造型機で２つの異なる元型で作業する形式
のものにも適している。

【図面の簡単な説明】 第１図は造型機の側面図、第２図は造型機平面図、第３
図は充填枠用の移送装置の拡大平面図、第４図は移送装
置の平面図、第５図は第４図のＶ−Ｖ線に沿った横断面
図で、保持部材が保持位置にあるところを示した図であ
る。 １……架構、２……充填ステーション、３……圧縮ステ
ーション、4,5……ローラコンベア、６……空の型枠、
７……型込後の型枠、8,9……昇降テーブル、10……回
転テーブル、11,12……元型板保持体、13……充填枠用
移送装置、14……充填枠、15……砂容器、16……圧力容
器、17,18……保持部材、19,20……充填枠の突起、13a,
13b……旋回アーム、17a,17b;18a,18b……保持部材の
穴、20a……突起の案内ピン

Claims (15)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】順次に到着する型枠により鋳型を造型する
   方法であって、各型枠が、移送装置内に配置された元型
   板保持体により供給路から上方へ送られ、充填枠を連行
   しながら充填ステーションへ達し、充填後に降下し、移
   送装置により突固め装置の下へ送られ、次いでこの装置
   内へ上行し、圧縮され、再び下降し、分離され、送出路
   から送出される形式のものにおいて、充填枠（14）が、
   圧縮工程ののち、型枠（７）を送出コース（５）へ取り
   のける前に、型枠（７）から分離され、別箇に充填ステ
   ーション（２）へ戻されることを特徴とする鋳型を造型
   する方法。
2. 【請求項２】充填枠（14）が、充填後に型枠（７）の下
   降運動の一部のみに同行し、次いで停止し、ほぼ水平方
   向に充填ステーション（２）へ移動せしめられ、終り
   に、次の上行型枠（６）により充填位置へもたらされる
   ことを特徴とする請求項１記載の鋳型を造型する方法。
3. 【請求項３】充填枠（14）が、ほぼ元型板保持体（11,1
   2）の移送と同時に移動せしめられることを特徴とする
   請求項１又は２のいずれかに記載の鋳型を造型する方
   法。
4. 【請求項４】元型板保持体（11,12）用の移送装置（1
   0）の上方に、充填枠（14）用の、別の移送装置（13）
   が配置されていることを特徴とする請求項１から３まで
   のいずれか１項記載の、鋳型を造型する方法を実施する
   造型機。
5. 【請求項５】充填枠（14）用の移送装置（13）が調節可
   能の保持部材（17,18）を有しており、これらの部材
   が、充填枠（14）がその移送路を行程運動するさいは保
   持位置へ、またその移送路から出るさいは休止位置へ移
   動可能であることを特徴とする請求項４記載の造型機。
6. 【請求項６】保持位置での保持部材（17,18）が充填枠
   （14）の側方突起（19,20）と対応することを特徴とす
   る請求項５記載の造型機。
7. 【請求項７】充填枠（14）用の移送装置（13）が旋回ア
   ームとして構成されていることを特徴とする請求項４か
   ら６までのいずれか１項記載の造型機。
8. 【請求項８】前記旋回腕が、充填ステーション（２）と
   突固めステーション（３）との間で中央部を支承されて
   いることを特徴とする請求項７記載の造型機。
9. 【請求項９】元型板保持体（11,12）用の移送ユニット
   （10）が回転テーブルとして構成されていることを特徴
   とする請求項４から８までのいずれか１項記載の造型
   機。
10. 【請求項１０】元型板保持体（11,12）用の移送ユニッ
    ト（10）が、充填枠（14）の移送装置（13）と共通の軸
    に配置されていることを特徴とする請求項９記載の造型
    機。
11. 【請求項１１】到着する型枠（６）は、充填ステーショ
    ン（２）への移送路（４）を搬送され、送出される型枠
    （７）は圧縮ステーション（３）から出てゆく移送路
    （５）を搬送されることを特徴とする請求項４から10ま
    でのいずれか１項記載の造型機。
12. 【請求項１２】型枠（6,7）の搬送が、到着移送路
    （４）と送出移送路（５）との間で移送ユニット（10）
    によって行われることを特徴とする請求項11記載の造型
    機。
13. 【請求項１３】双方の移送路（4,5）が互いに平行にず
    らされて通っていることを特徴とする請求項11又は12記
    載の造型機。
14. 【請求項１４】充填枠（14）用移送装置（13）が、固有
    の旋回駆動装置を有していることを特徴とする請求項４
    から13までのいずれか１項記載の造型機。
15. 【請求項１５】元型板保持体（11,12）用の移送ユニッ
    ト（10）と充填枠（14）用の移送装置（13）とが、共通
    の駆動装置を有することを特徴とする請求項４から13ま
    でのいずれか１項記載の造型機。