JP2793629B2 - 摺動部材用フェノール樹脂組成物 - Google Patents

摺動部材用フェノール樹脂組成物

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JP2793629B2 JP1115277A JP11527789A JP2793629B2 JP 2793629 B2 JP2793629 B2 JP 2793629B2 JP 1115277 A JP1115277 A JP 1115277A JP 11527789 A JP11527789 A JP 11527789A JP 2793629 B2 JP2793629 B2 JP 2793629B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は摺動部材用樹脂組成物、とくにフェノール樹
脂を基体とし、これに一定量の炭化フェノール樹脂、ア
ラミド樹脂繊維および固体潤滑剤を配合した摺動部材用
フェノール樹脂組成物に関するものである。
本発明において、摺動部材とは相手材と低摩擦で摺接
する面を有し、荷重を支えるか、荷重を他に伝達する部
材を意味し、例えば軸受ブッシュ、すべり板、カム、歯
車などを包含するものである。
〔従来技術およびその問題点〕
従来より、綿布、石綿、木粉などを補強材としたフェ
ノール樹脂組成物はよく知られており、また摺動部材と
しての機構的性質の向上を目的としてガラス繊維あるい
は炭素繊維などの補強繊維を使用することもよく知られ
ている。
しかしながら、フェノール樹脂を基体とする摺動部材
は一般には、給油あるいは給水などの潤滑条件でなけれ
ば使用することができない。それは補強材あるいは補強
繊維そのものは何ら潤滑性を示さないからである。
そこで、乾燥潤滑条件下においても使用できるように
固体潤滑剤、例えば黒鉛、二硫化モリブデン、ポリテト
ラフルオロエチレン樹脂などを適宜選択し、これを配合
した摺動部材も種々提案されているが、これら固体潤滑
剤は多量に配合しなければ効果が得られず、また多量の
配合は摺動部材の強度を著しく低下させる原因となるな
ど配合割合がとくに重要となる。
この点を考慮してガラス繊維あるいは炭素繊維などを
配合して強度を補う方策も考えられているが、これら繊
維はフェノール樹脂とのぬれ性が悪く樹脂と繊維との剥
離を生じたり、また摩擦面に露出して相手材、例えば軸
と摺動した場合、相手材をかじるという欠点を惹起す
る。
摺動部材において相手材を損傷させることは極力避け
なければならない性質の一つである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は上述した欠点を解決するべく鋭意研究の結
果、基体を構成するフェノール樹脂に対し、該フェノー
ル樹脂とぬれ性の良好な炭化フェノール樹脂とアラミド
樹脂繊維および固体潤滑剤を配合したフェノール樹脂組
成物は上述した欠点を一挙に解決するとともに乾燥潤滑
条件下において優れた摺動特性を発揮することを見出
し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、炭素含有率が94〜99.8重量%を
有しショアー硬度が概ね100〜110を示す炭化フェノール
樹脂粉末15〜50重量%、直径が9〜11μmで、アスペク
ト比が30〜50であるアラミド樹脂繊維5〜30重量%、固
体潤滑剤粉末15〜25重量%、フェノール樹脂30〜65重量
%からなる摺動部材用フェノール樹脂組成物を提供する
ものである。
上述した構成において、炭化フェノール樹脂はレゾー
ル樹脂あるいはノボラック樹脂を窒素ガスの雰囲気下に
1000℃乃至2000℃の温度で炭化焼成することによって得
られるもので、炭素含有率が94〜99.8重量%を有し、硬
度(ショアー硬度)が概ね100〜110を示す粒状粉末(平
均粒径15μm)である。このような炭化フェノール樹脂
としては、例えば鐘紡(株)製の「ベルパール(商品
名)」などが好適なものとして挙げられる。
この炭化フェノール樹脂は黒鉛ほどの自己潤滑性は示
さないが、基体を構成するフェノール樹脂と良好なぬれ
性を有すること、微粒子粉末であることから分散性がよ
く、とくに表面硬度を高めて摺動部材としての耐摩耗性
の向上に寄与する。
しかしながら、多量の摩擦面に露出して相手材をかじ
るという欠点、とくに荷重が高くなると急激に生ずる傾
向を示すことからその配合量はとくに注意を有する。
本発明では、基体に対し概ね15〜50重量%の配合割合
で好結果が得られた。
アラミド樹脂繊維は上述した炭化フェノール樹脂と同
様基体を構成するフェノール樹脂と良好なぬれ性を有
し、とくに補強材としての役割を果たすとともに炭化フ
ェノール樹脂の相手材を“かじる”という欠点を補う役
割を果たし、摺動部材としての耐摩耗性の向上に寄与す
る。
このアラミド樹脂繊維が炭化フェノール樹脂の相手材
をかじるという欠点を補うという理由は詳らかではない
が、アラミド樹脂繊維が摩擦面に散在することにより、
表面の見掛けの硬度を下げ、高荷重下で相手材と炭化フ
ェノール樹脂との直接の接触を防ぐためであると推察す
る。
そして、このアラミド樹脂繊維は繊維の長さLに対す
る直径Dの割合、すなわちL/D(アスペクト比)を大き
くとれば大きな機械的強度が得られる反面、繊維があま
りに長くなると樹脂との混合が困難となり、該繊維の均
一分散性が損なわれ、また成形上の困難性も生ずるので
最適な長さをとることが必要である。
本発明では直径が9〜11μmであって、L/Dが30〜50
であることが好ましいことを実験により確認した。この
ようなアラミド樹脂繊維としては、例えば帝人(株)製
の「コーネックス」(商品名)が挙げられる。
そして、アラミド樹脂繊維の基体に対する配合割合は
5〜30重量%が適当である。
5重量%以下では上述した炭化フェノール樹脂の欠点
を補うことができないばかりでなく、補強材としての効
果および摺動部材としての耐摩耗性の向上に効果が現れ
ず、また30重量%以上では前記炭化フェノール樹脂の効
果を低下させるとともに摺動部材の表面にケバ立ちを生
じ、耐摩耗性および寸法精度に悪影響を与える。
固体潤滑剤は自己潤滑性を付与する目的で配合される
もので、摺動部材の乾燥循環条件下での使用を可能とす
る。
そして、固体潤滑剤としては、黒鉛、二硫化モリブデ
ン、二硫化タングステン、ポリテトラフルオロエチレン
樹脂粉末から一種もしくは二種以上が選択されて使用さ
れる。
摺動特性を向上させんがために固体潤滑剤を多量に配
合することは摺動部材の強度低下をきたすことになるた
め、その配合量はとくに注意を必要とする。
概ね15〜25重量%の配合割合が適当であることを実験
により確認した。
フェノール樹脂は残部としたが、本発明者の実験では
30〜65重量%の範囲で配合することにより好結果を得て
いる。30重量%未満では機械的強度が低く、また成形性
にも悪影響が出る。また、65重量%を超えて多量に配合
すると樹脂の分離を生じやすく、かえって機械的強度を
損なう。
上述したこれら成分組成を混合機(ミキサー)に装填
し均一に混合して混合物を形成したのち、これを成形材
料として、あるいはこれら成分組成に適量のメタノール
を配合して混合機に充填し、混合造粒したのち、これを
成形材料として、圧縮成形、射出成形などの成形方法に
より所望の摺動部材に形成するものである。
〔作用・効果〕
上述した構成をとることにより、つぎのような作用効
果が得られる。
摺動部材の摩擦面に炭化フェノール樹脂とアラミド樹
脂繊維が共存することにより、相手材との摩擦におい
て、耐摩耗性の向上を計ることができる。
上記と相俟って、固体潤滑剤の存在により摩擦摩耗
特性の一層の向上が計れるとともに乾燥摩擦条件下での
使用を可能にする。
〔実施例〕
以下、本発明をその実施例により詳細に説明する。
<実施例:I> 平均粒径15μm以下、炭素含有量が99.8重量%で、シ
ョアー硬度が110を有する炭化フェノール樹脂粒子粉末
(鐘紡(株)製「ベルパールC−2000:商品名」)30重
量%と直径11μm、長さ0.4mm(L/D:36)のアラミド樹
脂繊維(帝人(株)製「コーネックス:商品名」)10重
量%と黒鉛粉末20重量%と残部フェノール樹脂粉末(群
栄化学社製「PG2417」)を混合機に装填し、均一に混合
して混合物を形成し、これを成形材料とした。
ついで、この成形材料を金型中で、温度170℃、圧力1
00kgf/cm2、成形物の肉厚1mm当たり2分間を成形時間と
して圧縮成形し、一辺が40mm、厚さ5mmの方形状成形物
を得た(成形時間:10分間)。
<実施例:II> 炭化フェノール樹脂粒子粉末(前記<実施例:I>と同
じ)30重量%とアラミド樹脂繊維(前記<実施例:I>と
同じ)10重量%とポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末
20重量%と残部フェノール樹脂(前記<実施例:I>と同
じ)を混合機に装填し、均一に混合して混合物を形成
し、これを成形材料とした。
以下、前記<実施例:I>と同様の方法で、一辺が40m
m、厚さ5mmの方形状成形物を得た。
<実施例:III> 炭化フェノール樹脂粒子粉末(前記<実施例:I>と同
じ)30重量%とアラミド樹脂繊維(前記<実施例:I>と
同じ)10重量%と二硫化モリブデン粉末20重量%と残部
フェノール樹脂(前記<実施例:Iと同じ)を混合機に装
填し、均一に混合して混合物を形成し、これを成形材料
とした。
以下、前記<実施例:I>と同様の方法で、一辺が40m
m、厚さ5mmの方形状成形物を得た。
<比較例:I> 直径30μm、長さ100μmの炭素繊維30重量%と黒鉛
粉末20重量%と残部フェノール樹脂粉末を混合機に充填
し、均一に混合して混合物を形成し、これを成形材料と
した。
ついで、この成形材料を金型中で、温度170℃、圧力1
00kgf/cm2、成形物の肉厚1mm当たり2分間を成形時間と
して圧縮成形し、一辺が40mm、厚さ5mmの方形状成形物
を得た(成形時間:10分間)。
<比較例:II> 直径30μm、長さ100μmの炭素繊維30重量%とポリ
テトラフルオロエチレン樹脂粉末20重量%と残部フェノ
ール樹脂粉末を混合機に充填し、均一に混合して混合物
を形成し、これを成形材料とした。
ついで、この成形材料を金型中で、温度170℃、圧力1
00kgf/cm2、成形物の肉厚1mm当たり2分間を成形時間と
して圧縮成形し、一辺が40mm、厚さ5mmの方形状成形物
を得た。
上記実施例および比較例で得た方形状組成物を試験片
として、つぎの条件で摩擦摩耗試験を行った。
<試験条件> 相手剤:S45C(機械構造用炭素鋼) 荷 重:20kgf/cm2(スラスト荷重) 速 度:2m/min 時 間:50時間 潤 滑:ドライ(乾燥) 図は、上記試験条件により行った時間と摩擦係数の変
化を示すグラフである。
図中、○印は実施例:I、☆印は実施例:II、△印は実
施例:III、●印は比較例:I、★印は比較例:IIの試験結
果である。
また、試験片の試験時間後の摩耗量(mm)を測定した
結果を下表に示す。
上述した試験結果から、実施例:I乃至実施例:IIIから
なる成形物は試験時間中を通じて安定した低い摩擦係数
を示すとともに摩擦量も極めて小さい値を示した。そし
て、これら実施例からなる成形物の相手材表面(摩擦
面)には固体潤滑剤の薄い潤滑被膜が形成されているこ
とを確認した。
一方、比較例:Iからなる成形物は試験時間20時間経過
後、摩擦係数が急激に上昇するとともに摩擦量の増大が
認められた。この摩耗量が増大したのは、摩擦係数の急
激な上昇により相手材をかじり、相手材の摩耗粉が摩擦
面に介在してアブレッシブ摩耗に移行したためであると
推察される。
このものの試験後の相手材表面には多数の線状摩耗痕
が認められた。
また、比較例:IIからなる成形物は、相手材をかじる
という現象は認められなかったが、試験時間30時間経過
後、摩擦係数の上昇が認められた。
【図面の簡単な説明】
図は、試験時間と摩擦係数の変化について試験した結果
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10M 103:06 107:38) C10N 10:12 20:06 30:00 40:02 40:06 50:08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素含有率が94〜99.8重量%を有し、ショ
    アー硬度が概ね100〜110を示す炭化フェノール樹脂粉末
    15〜50重量%、直径が9〜11μmで、アスペクト比が30
    〜50であるアラミド樹脂繊維5〜30重量%、固体潤滑剤
    粉末15〜25重量%、フェノール樹脂30〜65重量%からな
    る摺動部材用フェノール樹脂組成物。
  2. 【請求項2】固体潤滑剤は黒鉛、二硫化モリブデン、二
    硫化タングステン、ポリテトラフルオロエチレン樹脂か
    ら選択される請求項1に記載の摺動部材用フェノール樹
    脂組成物。
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JPS5984991A (ja) * 1982-11-08 1984-05-16 Komatsu Ltd 無潤滑摺動用材料

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