JP2793597B2 - 光遮蔽成形物 - Google Patents

光遮蔽成形物

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JP2793597B2 JP63168790A JP16879088A JP2793597B2 JP 2793597 B2 JP2793597 B2 JP 2793597B2 JP 63168790 A JP63168790 A JP 63168790A JP 16879088 A JP16879088 A JP 16879088A JP 2793597 B2 JP2793597 B2 JP 2793597B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は芳香族ビニル・不飽和ジカルボン酸イミド共
重合体を含有する熱可塑性樹脂よりなる光遮蔽成形物に
関する。
(従来の技術及びその問題点) 従来光遮蔽部品はアルミダイキャストやブリキ板等が
使用されていたが、次第にプラスチック成形物が使用さ
れてきた。しかしながら最近は光源の高出力化および成
形物の小型化のため、プラスチック成形物に対する耐熱
性及び寸法安定性のさらに一層の改善が要求されてい
る。これら要求を満たすためには従来用いられているAB
S樹脂や変性PPO樹脂では耐熱性の点で十分でなく、また
ナイロンやPBT樹脂は結晶性のため寸法安定性が十分で
なく、ポリカーボネート樹脂は成形性及び耐薬品性が十
分でないという問題点があった。
(問題点を解決するための手段) 本発明はこれら問題点を改良すべく鋭意研究を行った
結果、芳香族ビニル単量体残基35〜80重量%および不飽
和ジカルボン酸イミド誘導体残基20〜65重量%を含む共
重合体(以下しばしば「芳香族ビニル・不飽和ジカルボ
ン酸イミド共重合体」という)20〜80重量%、ゴム状重
合体10〜70重量部に芳香族ビニル単量体40〜85重量%、
シアン化ビニル単量体15〜40重量%およびこれらと共重
合可能なビニル単量体0〜40重量%からなる単量体混合
物30〜90重量部をグラフト重合させたグラフト共重合体
0〜60重量%、および酸化チタン5〜20重量%を含有す
る熱可塑性樹脂よりなる光遮蔽成形物は、耐熱性および
寸法安定性に優れたものであることがわかり、本発明が
完成した。
本発明に用いる熱可塑性樹脂は芳香族ビニル・不飽和
ジカルボン酸イミド共重合体と酸化チタンのみからなる
ものであってもよいが、これよりなる成形物の衝撃強度
を更に一層改良するためにゴム状重合体に芳香族ビニル
単量体、シアン化ビニル単量体およびこれらと共重合可
能なビニル単量体をグラフト重合させたグラフト共重合
体を60重量%まで含有することが好ましい。また本発明
に用いる熱可塑性樹脂には更にアクリロニトリル−スチ
フェエン共重合体、アクリロニトリル−α−メチルスチ
レン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン−ス
チレン共重合体、芳香族ポリカーボネート、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイ
ロン−6、ナイロン−6,6、ポリアリレート、ポリフェ
ニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリ
エーテルイミド、ポリエーテルスルホンおよびポリスル
ホン等の熱可塑性樹脂を混合してもよい。
ここで本発明に用いられる芳香族ビニル・不飽和ジカ
ルボン酸イミド共重合体およびその製法について説明す
る。共重合体を構成する芳香族ビニル単量体としてスチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチ
ルスチレン、クロロスチレン等のスチレン単量体および
その置換体があり、これらの中でスチレンが特に好まし
い。不飽和ジカルボン酸イミド誘導体は不飽和ジカルボ
ン酸無水物を芳香族ビニルと共重合させた後アンモニア
および/又は第1級アミンと反応させてイミド誘導体に
しても、又はマレイミド、N−メチルマレイミド、N−
エチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N
−フェニルマレイミド、N−ナフチルマレイミド等のマ
レイミド単量体を直接芳香族ビニル単量体と共重合させ
たものでもよい。しかしながらこれら共重合体を製造す
る方法としては前者、すなわち不飽和ジカルボン酸無水
物を芳香族ビニルと共重合させた後にイミド化する方法
が共重合性および経済性の点でより好ましい。不飽和ジ
カルボン酸無水物としてはマレイン酸、イタコン酸、シ
トラコン酸、アコニット酸等の無水物があり、マレイン
酸無水物が特に好ましい。イミド化反応に用いる第1級
アミンとしてはメチルアミン、エチルアミン、プロピル
アミン、シクロヘキシルアミン等のアルキルアミン、お
よびこれらのクロル又はブロム置換アルキルアミン、ア
ニリン、トリルアミン、ナフチルアミン等の芳香族アミ
ンおよびクロル又はブロム置換芳香族アミンがあげられ
る。
イミド化反応は溶液状態又は懸濁状態で行う場合は通
常の反応容器、例えばオートクレーブなどを用いるのが
好ましく、塊状溶融状態で行う場合は脱揮装置の付いた
押出機を用いてもよい。イミド化反応の温度は約80〜35
0℃であり、好ましくは100〜300℃である。80℃未満の
場合には反応速度が遅く、反応に長時間を要し実用的で
ない。一方350℃を越える場合には重合体の熱分解によ
る物性低下をきたす。またイミド化反応には触媒を用い
てもよく、その場合には第3級アミン、例えばトリエチ
ルアミンが好ましく用いられる。
本発明における芳香族ビニル単量体・不飽和ジカルボ
ン酸イミド共重合体において芳香族ビニル単量体残基は
35〜80重量%であり、芳香族ビニル単量体残基の含有量
が35重量%未満であると芳香族ビニル化合物の特徴であ
る成形性、寸法安定性が失なわれる。また不飽和ジカル
ボン酸イミド誘導体残基が20重量%未満では耐熱性およ
び耐薬品性が十分でない。
一方該イミド誘導体残基が65重量%を越えると共重合
体がもろくなり、成形性も著しく悪くなる。
本発明に用いる芳香族ビニル単量体・不飽和ジカルボ
ン酸イミド共重合体には0〜40重量%のゴム状重合体お
よび/又は芳香族ビニル単量体と不飽和ジカルボン酸無
水物および/又は不飽和ジカルボン酸イミド誘導体と共
重合可能な単量体残基を0〜40重量%含有することがで
きる。ゴム状重合体としてはブタジエン重合体、ブタジ
エンと共重合可能なビニル単量体との共重合体、エチレ
ン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエ
ン共重合体、ブタジエンと芳香族ビニルとのブロック共
重合体、アクリル酸エステル重合体およびアクリル酸エ
ステルとこれらと共重合可能なビニル単量体との共重合
体等が用いられる。芳香族ビニル単量体と不飽和ジカル
ボン酸無水物および/又は不飽和ジカルボン酸イミド誘
導体と共重合可能な単量体としてはアクリロニトリル、
メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等の
シアン化ビニル単量体、メチルアクリル酸エステル、エ
チルアクリル酸エステル、ブチルアクリル酸エステル等
のアクリル酸エステル単量体、メチルメタクリル酸エス
テル、エチルメタクリル酸エステル等のメタクリル酸エ
ステル単量体、アクリル酸、メタクリル酸等のビニルカ
ルボン酸単量体、アクリル酸アミドおよびメタクリル酸
アミド等がある。
また本発明に使用できるグラフト共重合体について説
明する。グラフト共重合体において用いられるゴム状重
合体はブタジエン共重合体、ブタジエンと共重合可能な
ビニル単量体との共重合体、エチレン−プロピレン共重
合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、ブタジ
エンと芳香族ビニルとのブロック共重合体、アクリル酸
エステル重合体およびアクリル酸エステルとこれと共重
合可能なビニル単量体との共重合体等がある。また芳香
族ビニル単量体としてはスチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロロスチ
レン等のスチレン単量体およびその置換単量体でありこ
れらの中でスチレンおよびα−メチルスチレン単量体が
特に好ましい。シアン化ビニル単量体としてはアクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニ
トリル等があり、特にアクリロニトリルが好ましい。ま
たこれらと共重合可能なビニル単量体としてはメチルメ
タクリル酸エステル、エチルメタクリル酸エステル等の
メタクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸等の
ビニルカルボン酸単量体があげられる。
グラフト共重合体の製法は、ゴム状重合体10〜70重量
部存在下に芳香族ビニル単量体40〜85重量%、シアン化
ビニル単量体15〜40重量%、および必要に応じこれらと
共重合可能なビニル単量体0〜40重量%からなる単量体
混合物30〜90重量部を重合して得られる。このグラフト
重合体の製造に当っては一般に公知のずれの重合技術も
採用可能であって、例えば懸濁重合、乳化重合の如き水
性不均一重合、塊状重合、溶液重合および生成重合体の
非溶媒中での沈殿重合その他又はこれらの組合せ等があ
る。
本発明の光遮蔽部品のプラスチック成形物は、芳香族
ビニル・不飽和ジカルボン酸イミド共重合体を必須成分
とした熱可塑性樹脂よりなるものであり、更にこの熱可
塑性樹脂に酸化チタンを添加する他に難燃剤、安定剤、
可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、着色剤を添加することも
できる。
(実施例) 以下本発明をさらに実施例によって説明するが、本発
明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定され
るものではない。なお実施例中の部、%はいずれも重量
基準で表わした。
実験例(1) 撹拌機を備えたオートクレーブ中にスチレン60部、メ
チルエチルケトン100部を仕込み、系内を窒素ガスで置
換した後、温度を83℃に昇温し、無水マレイン酸40部と
ベンゾイルパーオキサイド0.15部をメチルエチルケトン
200部に溶解した溶液を8時間で連続的に添加した。添
加後さらに3時間温度を83℃に保った。粘調な反応液の
一部をサンプリングしてガスクロマトグラフィーにより
未反応単量体の定量を行った結果、重合率はスチレン96
%、無水マレイン酸98%であった。ここで得られた共重
合体溶液に無水マレイン酸に対し当量のアニリン38部、
トリエチルアミン0.3部を加え140℃で7時間反応させ
た。反応溶液にメチルエチルケトン200部を加え、室温
まで冷却し、激しく撹拌したメタノール1500部に注ぎ、
析出、濾別、乾燥しイミド化共重合体を得た。C−13NM
R分析より酸無水物基のイミド基への転化率は98%であ
った。このイミド化共重合体は不飽和ジカルボン酸イミ
ド誘導体残基としてのN−フェニルマレイミド単位を54
%含む共重合体であり、これを重合体Aとした。
実験例(2) 実験例(1)と同様のオートクレーブ中にスチレン60
部、メチルエチルケトン50部、小片状に切断したポリブ
タジエン10部を仕込み、室温で一昼夜撹拌しゴム溶解し
た後、系内を窒素ガスで置換し温度を83℃に昇温した。
無水マレイン酸40部とベンゾイルパーオキサイド0.075
部およびアゾビスイソブチロニトリル0.075部をメチル
エチルケトン250部に溶解した溶液を8時間で連続的に
添加した。これ以降は実験例(1)と全く同じ操作を行
った。重合率はスチレン97%、無水マレイン酸99%であ
った。酸無水物基のイミド基への転化率は98%であっ
た。このイミド化共重合体は不飽和ジカルボン酸イミド
誘導体残基としてのN−フェニルマレイミド単位を50%
含む共重合体でありこれを重合体Bとした。
実験例(3) ポリブタジエンラテックス143部(固形分35%、重量
平均粒径0.35μ、ゲル含率90%)、ステアリン酸カリウ
ム1部、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.
1部、テトラソジウムエチレンジアミンテトラアセチッ
クアシッド0.03部、硫酸第1鉄0.003部および水150部を
50℃に加熱し、これにスチレン70%およびアクリロニト
リル30%よりなる単量体混合物50部、t−ドデシルメル
カプタン0.2部、キュメンハイドロパーオキサイド0.15
部を6時間で連続添加し、さらに添加後65℃に昇温し2
時間重合した。重合率はガスクロマトグラフィー分析よ
りスチレン98%、アクリロニトリル98%であった。得ら
れたラテックスに酸化防止剤を添加した後、塩化カルシ
ウムで凝固、水洗、乾燥し白色粉末としてグラフト共重
合体を得た。これを重合体Cとした。
実施例1 実験例(1)で得られた重合体A50部、実験例(3)
で得られた重合体40部、アクリロニトリル・スチレン
(AS)樹脂(電気化学社製、AS−H)10部、およびこれ
ら重合体100部に対し酸化チタン10部、オクタデシル3
−(3,5−ジタ−シャリブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−プロピオネート0.5部をヘンシェルミキサーによ
り混合後、ベント付押出機で押出しペレット化した。こ
のペレットを射出成形機により縦×横×深さ約10cm×6c
m×5cm、厚み2mmのボックスを280℃で射出成形した。こ
の成形物を150℃に保ったオーブン中に2時間放置した
後、その外形寸法を測定した。縦、横、深さとも寸法は
ほとんど変化しておらず、元の寸法に比べて変形率はす
べて1%以内であった。またプレス成形により厚み0.5m
mの板を作成し、遮光程度を測定したところ全光線透過
率で0.8%であった。
実施例2 実験例(2)で得られた重合体B50部、実験例(3)
で得られた重合体C40部およびAS樹脂10部を酸化チタン1
5部、オクタデシル3−(3,5−ジタ−シャリブチル−4
−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート0.5部ととも
に実施例1と同様の方法で混合、ペレット化し、ボック
スを形成した。この成形物を実施例1と同様にオーブン
中で熱処理した。オーブン中での熱処理による外形寸法
はほとんど変化しておらず変形率は縦、横、深さとも1
%以内であった。また厚み0.5mmの板の全光線透過率は
0.2%であった。
なお、全光線透過率は、日本電色工業(株)製 AUTO
MATIC DIGITAL HAZEMETER NDH−20Dを用いて測定した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 35/06 C08K 3/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ビニル単量体残基35〜80重量%およ
    び不飽和ジカルボン酸イミド誘導体残基20〜65重量%を
    含む共重合体20〜80重量%、ゴム状重合体10〜70重量部
    に芳香族ビニル単量体40〜85重量%、シアン化ビニル単
    量体15〜40重量%およびこれらと共重合可能なビニル単
    量体0〜40重量%からなる単量体混合物30〜90重量部を
    グラフト重合させたグラフト共重合体0〜60重量%、お
    よび酸化チタン(但し、金属被覆した酸化チタンを除
    く)5〜20重量%を含有する熱可塑性樹脂よりなる光遮
    蔽成形物。
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JPS60214597A (ja) * 1984-04-10 1985-10-26 電気化学工業株式会社 電磁波遮蔽性樹脂組成物
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